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2017年2月27日 (月)

北朝鮮、金正恩の兄・金正男氏暗殺 金正恩の刺客による犯行説濃厚・16

中世の亡霊・暗黒残虐国家・北朝鮮の親玉=金正恩の異母兄にあたる金正男(ジョンナム)氏が13日、マレーシアで何者かに殺害された。複数の韓国メディアが14日報じた。

金正男氏はマレーシア・クアラルンプールの空港で北朝鮮の刺客とみられ女2人に何らかの方法で毒殺されたもよう。犯人の女2人は殺害後、タクシーで逃走したとしている。

金正男氏は、北朝鮮の前の親玉=金正日の長男だが、北朝鮮の改革開放を主張、また独裁権力の継承について金一派の世襲にも反対していたとされ、これらの点が金正恩の逆鱗に降れ、金正恩の指令で暗殺されたとの観測が濃厚である。
だとすれば、(すでに明白なことではあるが)金正恩一派の牛耳る北朝鮮という国家は、現世の地獄ともいうべき、中世以前の残虐で野蛮な暗黒国家であり、存在すること自体許されない犯罪国家というしかない。
そもそも21世紀の今日、このような中世以前の残虐な亡霊国家が現存すること自体、人類の恥だ。

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リンク:実行犯の女2人、1日に起訴=金正男氏殺害―マレーシア - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:韓国外相、北朝鮮指導者の責任追及を主張 国連人権理で - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:韓国・国家情報院が「国家テロ」だと断定 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシアから見た「金正男暗殺事件」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正男氏の「愛人」捜す? =マレーシア警察―メディア報道 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:VX、証拠提示を=安保理での議論に意欲―英国連大使 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏殺害は「北朝鮮の国家テロ」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国連安保理、北朝鮮の制裁逃れを非難 マレーシアなど拠点 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<日米韓首席会合>「北朝鮮に国際的圧力必要」共同声明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏殺害、「正恩氏が指示した組織的テロ」 韓国情報当局 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日米韓の6カ国協議代表、北への「強力な圧力」表明 金正男氏殺害でも協議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮への国際的圧力必要=金正男氏殺害も議論―日米韓代表 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏毒殺 北工作機関、シンガポールにも拠点 国連報告書 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正男氏暗殺 4人は北秘密警察 女2人を殺人罪で起訴へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国、北対応に硬軟織り交ぜ 半島安定へ戦略的忍耐 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏毒殺 事件解明に3つの壁 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正男氏殺害、北の秘密警察が関与…韓国情報機関 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:捜査長期化、不可避に=金正男氏事件から2週間 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシア拠点に制裁破り=安保理、北朝鮮を非難 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金ハンソル氏 米・中・韓の対北カードで最大の切り札に浮上 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<金正男氏殺害>韓国、事件は秘密警察「国家保衛省」名指し - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<金正男氏殺害>2人の女容疑者と指示役の北朝鮮人を訴追へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正男氏殺害「国際秩序への挑戦」=韓国外相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<金正男氏殺害>韓国が「北朝鮮の国家テロ」断定 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮、秘密警察トップ軟禁=正恩氏に虚偽報告か―韓国情報機関 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正男氏事件、秘密警察関与か=容疑者4人が出身―韓国情報機関 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏殺害で「ならず者国家」観光考える日本人 「恐ろしさを知らない者の行動だ」と元赤旗平壌特派員が絶句 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:北朝鮮と中国も険悪な関係か CCTVが報じた金正男氏暗殺事件 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏殺害 身元確認は難航 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:摘発のマンションは犯行グループの本拠地か - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正男氏殺害、北朝鮮の国家保衛省・外務省が計画=韓国情報機関 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:金正恩氏「兄殺し」の大罪で軍反逆か 過去にトップの“暗殺未遂”…「伝統的な北体制の構造が崩れている」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:正恩氏「暗殺リスト」妻まで標的か 正男氏VX毒殺主導「偵察総局」実態 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:マレーシア、金正男氏殺害現場の空港に安全宣言 清掃を完了 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

実行犯の女2人、1日に起訴=金正男氏殺害―マレーシア
時事通信 2/28(火) 14:51配信

 【クアラルンプール時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された事件で、マレーシアのアパンディ司法長官は28日、警察に実行犯として逮捕された女2人が3月1日に殺人罪で起訴されると明らかにした。

〔写真特集〕金正男氏殺害事件~黒幕とされる2等書記官、犯行時のイメージ映像も~

 地元メディアが伝えた。今回の事件で容疑者が起訴されるのは初めて。

 マカオに向かうところだった正男氏は2月13日、クアラルンプール国際空港で女2人に顔に液体を塗り付けられた後、間もなく死亡した。警察は実行犯としてベトナム人のドアン・ティ・フォン(28)、インドネシア人のシティ・アイシャ(25)両容疑者を相次いで逮捕。検視の結果、正男氏の遺体から猛毒の神経剤VXが検出された。

 アパンディ長官によると、女2人は1日午前、クアラルンプール近郊セパンの裁判所に出廷する。

 2人は「いたずら動画に出演すると思っていた」などと殺意を否認しているとされる。しかし、2人には毒物を扱っていた認識があったと捜査当局は判断しているもようだ。


韓国外相、北朝鮮指導者の責任追及を主張 国連人権理で
ロイター 2/28(火) 14:37配信

[ジュネーブ 27日 ロイター] - 韓国の尹炳世外相は27日、スイスのジュネーブで開催中の国連の人権理事会で演説し、北朝鮮で大量粛清や強制労働などの人権侵害が「悪化の一途」をたどっているとして、国際社会の平和や安全に対する脅威となる前に北朝鮮指導者の責任を国際刑事裁判所(ICC)で追及すべきだと主張した。

また、北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が2週間前にマレーシアで殺害された事件を「暗殺」だとして非難した。

「北朝鮮では、数え切れない一般人はもとより、位の高い要人数百人までもが公開処刑、もしくは裁判なしに処刑されている」と訴え、亡命する北朝鮮人の数が増えているのは無理もないことであり、「この虐待と犯罪の責任者が誰かは、私たち全てが知っている」と語った。

また、国連の報告書を引き合いに出し、北朝鮮では最大で12万人が収容所にいると指摘し、「容赦ない監視の下、国中が強制収容所と化している」と訴えた。

北朝鮮の代表団や、主要同盟国である中国からの反応は今のところない。


韓国・国家情報院が「国家テロ」だと断定
ホウドウキョク 2/28(火) 12:20配信

韓国の情報機関「国家情報院」は27日、金正男氏が殺害された事件について、「北朝鮮の金正恩委員長が主導した国家テロ」だと断定した。

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韓国の「国家情報院」は金正男氏がマレーシアで殺害された事件について、「北朝鮮の金正恩委員長が組織的に展開した明白な国家テロだ」と断定し、国会に報告している。

また、事件への関与が疑われている北朝鮮籍の男8人のうち6人が北朝鮮の秘密警察にあたる「国家保衛省」と外務省所属のメンバーで、今回、国家保衛省のオ・ジョンギル容疑者(55)や外務省のリ・ジヒョン容疑者(33)がで構成される2つの「殺害班」と国家保衛省のヒョン・グァンソン2党書記官(44)らが担当する「支援班」に分かれて犯行に及んだと指摘した。

一方、アメリカ国防総省のデービス報道部長は金正男氏殺害に猛毒のVXが使用されたことについて、「北朝鮮の化学兵器は現実の脅威」だとして、核やミサイルにあわせて強い懸念を表明している。
(文責:松島 スタッフ:能勢・中西・北原)

2月27日(月)配信「日刊安全保障」より


マレーシアから見た「金正男暗殺事件」
新潮社 フォーサイト 2/28(火) 12:00配信

 北朝鮮の指導者、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏とみられる男性が殺害された事件で、現場となったマレーシアと殺害への関与を認めない北朝鮮の関係が緊迫化している。このままでいけば、国際的に孤立する北朝鮮が、東南アジアで歴史的に確保してきた友好国・マレーシアという貴重な足場を事実上失うことは間違いなさそうだ。

■国交断絶も? 

 DNA鑑定で身元を特定できていない状態で遺体の引き渡しを認めないマレーシアに対して、北朝鮮は「我々の敵対勢力(韓国)と結託している」などと述べて強く批判している。いわば陰謀論で、マレーシアが事件の背後にいることをほのめかした形だ。しかし、常識的に考えれば、その国の司法権の及ぶ場所で殺人事件が起きたのであれば、外国の著名人でも起訴されるまで法的手続きを完成させなくてはならないことは言うまでもない。

 マレーシアのアマン外務大臣は「マレーシア政府は、我が国の名誉をおとしめるでたらめな批判には非常に厳しく対応する」と述べ、ナジブ首相も「我々は北朝鮮にあえて汚名をかぶせる必要はない。だが、我々は公正さを守りたい」とたまらずコメントした。

 これはかなり本音のところであろう。北朝鮮の要求はあまりにも国際常識やマレーシアの主権を無視したものに思える。マレーシア政府も「ふざけるな」というレベルにまでいらだちが高まっている。マレーシアはすでに駐北朝鮮大使を一時帰国させた。マレーシア警察は事件への北朝鮮大使館員の関与を公表し、猛毒のVXガスの使用も断定するなど、調査の手を緩める様子はなく、両国の断交すら見えてきかねない展開になっている。

■北朝鮮のメリット

 だが、本来マレーシアは北朝鮮にとって、アジアで随一とも言える友好的な国だった。両国の関係は、冷戦下の1960年代に東西両陣営に属さない第3勢力として始まった非同盟運動以来のつながりだ。同じ非同盟運動の関係もあり、北朝鮮はインドネシア、シンガポール、ベトナムなどASEAN(東南アジア諸国連合)各国と一定の関係を持っており、これらの国の多くの大使館が、北朝鮮産品の輸出や工業製品の輸入などを行うビジネスの拠点として使われてきた。今後の影響はマレーシアのみにとどまらず、各国で北朝鮮出身者による活動の制限や監視の厳格化といった措置が取られるだろう。

 1973年に国交を結んだマレーシアと北朝鮮との近さはかなり際立っている方で、「古き良き友人」だったと言っていいだろう。2003年には相互に大使館を開設、2009年に両国は合意文書をかわし、マレーシアは世界で唯一、1カ月の短期訪問についてはビザなしで北朝鮮に入国できる国になった。もちろん北朝鮮国民もマレーシアにビザなしで入国できる。実際は、マレーシアから北朝鮮に行くにしてもグループでのツアー客が多く、個人として自由に出入りするマレーシア人はごくわずかだったとされる。北朝鮮関係者がマレーシアに自由に出入りできるメリットの方がはるかに大きかったに違いない。

■マハティール元首相の後押し

 これまでマレーシアは、北朝鮮に対してしばしば国際社会の注目を浴びるような交渉の舞台を提供している。2000年に開かれた米朝ミサイル協議や、2002年の日朝国交正常化交渉も、マレーシアの首都クアラルンプールで行われている。センシティブな問題を扱う外交交渉のホスト国になるには、出席国からのそれなりの信頼がない場合は難しく、高度なロジスティックスのすり合わせも必要なので、どこでもいい、というわけではない。

 特にマハティール元首相は、マレーシアが北朝鮮との一定の関係を持つことが米国などに対抗する自主外交の証明でもあるという「意地」もあり、北朝鮮に外交の舞台を提供して存在感を示そうとしていた部分があったと思える。ASEAN地域フォーラム(ARF)は北朝鮮が参加国メンバーで、北朝鮮の閣僚が定期的に出席して発言する数少ない貴重な国際会議の場となっているが、マハティールは在任中、ベトナムなどとともに北朝鮮の参加を後押ししてきた。

 マハティールの引退後も両国の密接な関係は続き、2007年には北朝鮮首相だった金英日(キム・ヨンイル)がマレーシアを訪れ、経済関係の強化に合意をしている。マレーシアのヘルプ大学という私立大学が経済名誉博士号を金正恩に贈ったこともあった。

 経済上は、マレーシアも主力輸出産品のパームオイルを北朝鮮が買ってくれるというメリットはあった。北朝鮮の観光局はマレーシアに東南アジアのハブとなるオフィスを開設しており、東南アジア各国からの渡航希望者のビザを処理していたとされる。北朝鮮製の武器をマレーシアが購入するだけではなく、武器輸出拠点をマレーシアに設けており、米国政府が懸念を持っているといった米紙報道も過去には流れている。

■北朝鮮が払う代償

 マレーシアにおいて、北朝鮮からの単純労働者やビジネスマンは数千人単位に達していたという報道もある。華人系の多いマレーシアにおいて、北朝鮮産の漢方生薬の輸入も安定して供給されてきたし、華人企業で中国語に通じた北朝鮮系の人材が働きやすいこともあったとされる。金正男が日常的に拠点のマカオからマレーシアへ出入りしていたというのも、両国の密接な経済関係があってのことかもしれない。今回北朝鮮が金正男の暗殺を国家レベルで実行していたとすれば、それだけの人員、ロジ、立案などを包括的にやれるのもマレーシアだからこそということだったのかもしれず、であれば皮肉なことだ。

 だが、マレーシアとしても長年の友誼はあっても、今回の事件は、その友情に対して恩をあだで返すような行為で、さらに北朝鮮の暗殺を黙認したなどというイメージがついてしまったら、国際的信用に関わる話である。ただでさえ、近年相次いだマレーシア航空機の失踪・撃墜事件で打撃を受けているので、最初は淡々と事件を処理していく姿勢だったとみられるが、北朝鮮の強硬な対応で、政府の感情もマレーシア国内の世論も厳しいものになっている。VXガスまで持ち込むか製造するかできるほど、北朝鮮関係者にやりたい放題をさせていた、という誹りを浴びることは不可避なマレーシア政府は、なおさら厳格に事件を処理せざるをえない。

 今回の事件で半世紀におよぶ友好の歴史を持ってきたマレーシア・北朝鮮関係は冷え込み、北朝鮮は海外で比較的自由に活動できる数少ない拠点の機能を失うことが予想され、その代償は安くないだろう。(野嶋 剛)


正男氏の「愛人」捜す? =マレーシア警察―メディア報道
時事通信 2/28(火) 11:46配信

 【クアラルンプール時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された事件で、シンガポールのテレビ局チャンネル・ニューズ・アジア(電子版)は27日、マレーシア警察が事件に関連して事情を聴くため正男氏の愛人女性を捜していると報じた。

 
 警察幹部筋の話として伝えたもので、それによると、愛人は「ソ・ヨンラ」という名前の41歳の女性で、1992~98年に北朝鮮の高麗航空で勤務していた平壌出身の元客室乗務員。2001年から正男氏とマカオで一緒に暮らしていたとみられている。

 同筋の話では、正男氏のマレーシア訪問には同行していなかったが、正男氏が01年に日本で拘束された際に一緒にいた女性の一人だという。

 ただ、28日付のマレーシア紙ニュー・ストレーツ・タイムズによると、マレーシア警察のカリド長官は同紙に対し、警察が愛人女性の聴取を望んでいるとの報道について「事実ではない」と否定した。


VX、証拠提示を=安保理での議論に意欲―英国連大使
時事通信 2/28(火) 11:24配信

 【ニューヨーク時事】ライクロフト英国連大使は27日、マレーシアで起きた北朝鮮の金正男氏暗殺事件で猛毒の神経剤VXが使用されたことに関連し、「証拠があるなら、化学兵器禁止機関(OPCW)と国連安保理に送るべきだ」と述べ、マレーシアに証拠の提示を要請した。

 国連本部で記者団に語った。

 大使はまた、「(証拠が提示されれば)前に進める」と述べ、安保理で議論することに意欲を示した。安保理で議論する上で、OPCWへの証拠提示は必須ではないが、安保理外交筋は「証拠能力の強化につながる」と指摘している。


金正男氏殺害は「北朝鮮の国家テロ」
ホウドウキョク 2/28(火) 11:21配信

韓国の情報機関「国家情報院」は27日、金正男(キム・ジョンナム)氏が殺害された事件について、「北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長が主導した国家テロ」だと断定した。
韓国国家情報院の報告を受けた議員は、「(北朝鮮の)国家保衛省と外務省が直接主導したテロ事件なので、国家テロ事件だと規定した」と述べた。
韓国の国家情報院は、金正男氏がマレーシアで殺害された事件について、「北朝鮮の金正恩委員長が組織的に展開した明白な国家テロだ」と断定し、国会に報告した。
また、事件への関与が疑われている北朝鮮籍の男8人のうち6人が、北朝鮮の秘密警察にあたる「国家保衛省」と「外務省」所属のメンバーで、今回、国家保衛省のオ・ジョンギル容疑者や、外務省のリ・ジヒョン容疑者らで構成される2つの「殺害班」と、国家保衛省のヒョン・グァンソン2等書記官らが担当する「支援班」に分かれて犯行に及んでいたと指摘した。


国連安保理、北朝鮮の制裁逃れを非難 マレーシアなど拠点
AFP=時事 2/28(火) 10:19配信

【AFP=時事】国連安全保障理事会(UN Security Council)は27日、非公開の会合を開き、北朝鮮が制裁を逃れようと「無責任で挑発的な」試みをしていると非難する声明を全会一致で採択した。国連(UN)の専門家パネルはこれに先立ち、金正男(キム・ジョンナム、Kim Jong-Nam)氏が殺害されたマレーシアなどで、北朝鮮がフロント企業を利用して制裁を回避しているとする報告書をまとめていた。

 声明は北朝鮮の唯一の後ろ盾である中国も支持した。安保理の議長国ウクライナのウラディミル・イェルチェンコ(Volodymyr Yelchenko)国連大使は会合について、北朝鮮に対する制裁決議が「完全に履行されることの重要性」で一致したと明らかにした。

 AFPが24日に入手した専門家パネルの報告書では、北朝鮮が「ますます巧妙化している」方法で、国連の制裁決議で科された貿易禁止や銀行取引制限を回避していると結論付けていた。

 報告書では、マレーシアに拠点を置くグローコム(Glocom)というフロント企業が北朝鮮製の軍事通信機器をエリトリアに販売していたと指摘。この企業は北朝鮮の対外情報・工作機関、朝鮮人民軍偵察総局が運営し、中国から部品を調達していたほか、シンガポールにも事務所を置いているという。

 国連安保理は北朝鮮に対する制裁決議をこれまでに6回採択しており、昨年の2回では制裁の大幅な強化や、北朝鮮による外貨獲得の阻止が盛り込まれている。【翻訳編集】 AFPBB News


<日米韓首席会合>「北朝鮮に国際的圧力必要」共同声明
毎日新聞 2/28(火) 10:14配信

 【ワシントン山本太一】北朝鮮の核問題に関する6カ国協議の日米韓3カ国首席代表会合が27日、米ワシントンで開かれた。北朝鮮による核・弾道ミサイル開発は「3カ国の安全保障を直接脅かしており、強力な国際的圧力が必要」とする共同声明を発表した。会合は昨年12月以来の開催で、トランプ米政権発足後は初めて。

 3カ国首席代表は、北朝鮮の貿易の9割近くを占める中国など関係国が、国連安全保障理事会決議に基づく制裁を履行する重要性で一致。各国独自の制裁措置も含め、北朝鮮の核・弾道ミサイル開発を効果的に阻止する方策を話し合った。

 また、金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)の殺害事件も協議。国家ぐるみの犯罪との見方が強まっており、米国が金融制裁などの対象とする「テロ支援国家」への再指定を検討していることについても意見が交わされたとみられる。北朝鮮による拉致問題の早期解決の重要性なども確認した。

 会合には、日本外務省の金杉憲治アジア大洋州局長、米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表、韓国外務省の金烘均(キム・ホンギュン)朝鮮半島平和交渉本部長がそれぞれ出席した。

 北朝鮮が12日に弾道ミサイルを発射したのを受け、日米韓3カ国の外相は16日、訪問中のドイツで会談。ミサイル発射は安保理決議を無視する行為だと非難し、今回の事務レベルによる協議開催を指示していた。


金正男氏殺害、「正恩氏が指示した組織的テロ」 韓国情報当局
CNN.co.jp 2/28(火) 9:55配信

(CNN) 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キムジョンナム)氏が殺害された事件について、韓国の情報当局、国家情報院(NIS)は27日、「正恩氏が指示した組織的なテロ」との見解を示した。

韓国の国会議員がテレビ演説を通し、国家情報院当局者の話として述べた。

同議員が記者会見で語ったところによると、正男氏殺害の作戦には、北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)と外務省の職員各1人で構成する2人組が2組、別々に参加した。実行犯とされる女2人のうち、一方の2人組がベトナム国籍のドアン・ティ・フォン容疑者を、もう一方がインドネシア国籍のシティ・アイシャ容疑者を勧誘した。

4人は事件直前にマレーシアで合流し、すでに全員が北朝鮮へ戻ったとされる。

このほかに、北朝鮮大使館の職員と国営高麗航空や貿易会社の従業員らで構成される大規模な集団が犯行に加担したという。

一方、北朝鮮は一切の関与を否定し、韓国メディアが「偽のニュース」を報じたと非難している。


日米韓の6カ国協議代表、北への「強力な圧力」表明 金正男氏殺害でも協議
産経新聞 2/28(火) 9:53配信

 【ワシントン=加納宏幸】北朝鮮核問題をめぐる6カ国協議の日本、米国、韓国の首席代表は27日、ワシントンで会合を持った。北朝鮮の金(キム)正(ジョン)男(ナム)氏殺害事件についても意見交換。北朝鮮の核・ミサイル開発が米国を含む安全を「直接脅かしている」との認識に基づき、北朝鮮への「強力な国際的圧力」が必要だとする共同声明を発表した。

 首席会合は昨年12月にソウルで開かれて以来で、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長、米国務省のジョセフ・ユン北朝鮮担当特別代表、韓国外務省の金(キム)●(=火へんに共)(ホン)均(ギュン)朝鮮半島平和交渉本部長が出席した。

 金正男氏の殺害をめぐっては、同氏を事実上保護してきた中国と北朝鮮の関係に及ぼす影響を分析。国連安全保障理事会決議に基づく制裁を中国が厳格に履行することの重要性も確認した。また、日本人拉致問題の早期解決が重要であるとの認識で一致した。

 米国では議会などから北朝鮮をテロ支援国家に再指定するよう求める意見が出ているが、金杉氏は記者団に「日米韓の連携でどう北朝鮮に働きかけるのが最も効果的か意見交換したが、個別具体的なことは控える」と述べるにとどめた。

 金氏殺害で神経剤VXが使われたことで「これまで以上に米国の北朝鮮に対する見方は厳しいものがあった」との認識も示した。


北朝鮮への国際的圧力必要=金正男氏殺害も議論―日米韓代表
時事通信 2/28(火) 8:33配信

 【ワシントン時事】北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の日米韓首席代表は27日、ワシントンの国務省で会合を開いた後、共同声明を発表し、核・ミサイル開発を踏まえ「北朝鮮の体制への強力な国際的圧力が必要だ」と強調した。

 日米韓の代表は会合で、北朝鮮の金正男氏殺害事件が北朝鮮情勢に与える影響をめぐっても議論した。

 首席代表会合は1月にトランプ政権が発足して以来初めて。出席した外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は会合後、記者団に「米国の北朝鮮に対する見方はこれまで以上に厳しい」と指摘し、トランプ政権下で「北朝鮮に対する抑止力が高まっている」との認識を示した。

 正男氏殺害事件を受け、米議会などでは、北朝鮮をテロ支援国に再指定するよう米政府に求める声が上がっているが、金杉局長は、再指定が議題に上ったかどうかは明らかにしなかった。

 共同声明によると、日米韓代表は、国連安全保障理事会の北朝鮮制裁決議を全ての加盟国に履行させるための協力策について協議。また、北朝鮮の兵器開発計画の収入源の締め付けなど、日米韓が独自の権限で取り得る措置についても検討を加えた。


金正男氏毒殺 北工作機関、シンガポールにも拠点 国連報告書
産経新聞 2/28(火) 7:55配信

 ■日本企業と提携か

 国連安全保障理事会の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがまとめた報告書で、北朝鮮の工作機関である偵察総局がマレーシアで運営するフロント企業による制裁逃れの非合法活動が浮き彫りとなってきた。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏が殺害された事件をめぐっても、北がマレーシアに構築してきた拠点やネットワークが活用されたとみられ、国際社会による実態解明や監視の強化が急がれている。

 マレーシア・クアラルンプールにある北の偵察総局のフロント企業とされるのはグローバル・コミュニケーション社(グローコム)。1996年に設立され、軍事、準軍事用の通信機器販売を手がける。

 ロイター通信は100ページにわたる報告書を入手した。同通信や国連関係者にによると、北朝鮮人の幹部が窓口となり、軍事関連の通信機器の取引を行っていたとみられる。昨年7月には東アフリカのエリトリアに密輸する途中の北朝鮮製軍事備品が押収され、その中に同社が製造していた軍事用無線など45箱分が含まれていたという。

 少なくとも7、8人の北出身の同社従業員が国連の調査で把握されており、偵察総局との関係が疑われてきた。同通信が伝えた報告書の記述によると、グローコムの関連企業とされる在シンガポールの「パン・システムズ」は平壌に拠点があった。また、同社はホームページ上で、駐車場設備製造の日本企業との提携をうたっている。

 一方、マレーシアをはじめ東南アジア地域では、このほか複数の国連安保理制裁対象企業が拠点を置いていたことが確認されている。こうした既存のネットワークが金正男氏殺害の背景にもある。事件で神経剤VXが使用されたことで「地域における化学兵器取引にも国際的な監視を強める必要がある」(関係者)と指摘される。


正男氏暗殺 4人は北秘密警察 女2人を殺人罪で起訴へ
産経新聞 2/28(火) 7:55配信

 【クアラルンプール=吉村英輝、ソウル=名村隆寛】北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏殺害事件は、発生から27日で2週間となった。マレーシア警察当局者は同日、逮捕した女2人を検察当局が3月1日に殺人罪で起訴する方針だと明らかにした。

                   ◇

 一方、韓国の情報機関、国家情報院は27日、正男氏殺害について「北朝鮮の国家保衛省(秘密警察)と外務省などが直接主導し、金正恩が組織的に展開した国家主導のテロ事件である」と断定した。国会情報委員会で報告した。

 委員会の出席議員によれば、国情院は事件の容疑者8人のうち4人が国家保衛省、2人が外務省の所属だったと説明した。

 犯行には2つの暗殺グループが関与。2つのグループは3人一組で別々に行動していたが、マレーシアで合流し13日に犯行を実行した。

 1組目は保衛省所属のリ・ジェナム容疑者と外務省のリ・ジヒョン容疑者で構成され、ベトナム国籍のドアン・ティ・フオン容疑者を抱き込んだ。

 2組目は保衛省のオ・ジョンギル容疑者と外務省のホン・ソンハク容疑者で、インドネシア国籍のシティ・アイシャ容疑者を抱き込んだという。

 在マレーシア北朝鮮大使館のヒョン・グァンソン2等書記官(保衛省所属)ら4人の支援グループが、正男氏の動向追跡などの役割を果たしたという。

 殺害事件から2週間たつが、正男氏の親族のマレーシア入りはまだ実現していない。マレーシアのスブラマニアム保健相は26日、親族によるDNA型鑑定が困難な場合、歯型や顔のほくろによる照合も遺体の身元を確認する方法になり得るとの考えを示した。


中国、北対応に硬軟織り交ぜ 半島安定へ戦略的忍耐
産経新聞 2/28(火) 7:55配信

 【北京=藤本欣也】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏の殺害事件をめぐり、中国の習近平政権が北朝鮮当局へ硬軟織り交ぜたシグナルを送っている。

 中国商務省が突然、北朝鮮産の石炭輸入を今年いっぱい停止すると発表したのは18日。「2月に入ってからのミサイル発射と金正男氏殺害に対する中国の強烈な不満を示した」(中朝専門家)との見方が強い。その一方、中国外務省報道官は24日の会見で「中朝は友好的な隣国同士だ」などと述べ、対北批判を封印した。さらに消息筋によると、中国政府は、金正男氏を特集しようとした国内の雑誌に“抗議”し、記事を差し替えさせている。

 中国にとって、北京やマカオで事実上保護していた親中派、金正男氏が殺害され「メンツが潰れた」のは間違いない。しかし中国が最も恐れているのは、北朝鮮国内が大混乱に陥り(1)朝鮮半島の安全保障のバランスが崩れる(2)国境付近の北朝鮮の核施設が危険にさらされる-事態を招くことだ。

 習近平国家主席は17日、北京で国家安全会議を主宰。重要講話の中で、国際情勢がいかに変化しても「戦略的忍耐」を維持し、「底線(レッドライン)」を堅持しなければならない-と指示したとされる。

 習政権の「底線」とは、「朝鮮半島の安定」である。金正男氏殺害は不快な事件だが、レッドラインを越えるものではないと判断したということだ。引き続き米朝対話を促し、危機回避を模索することになる。

 ただし米国から、北朝鮮への圧力強化を求められるのは必至。一般国民や中国共産党内からは、北朝鮮への反発や弱腰批判が噴出しかねない。このため、石炭禁輸といった強硬政策もまた不可欠だったといえる。

 トランプ米政権はオバマ前政権の「戦略的忍耐」政策と決別した。習政権はまだ「忍耐」をやめる段階ではないとみている状況だ。


金正男氏毒殺 事件解明に3つの壁
産経新聞 2/28(火) 7:55配信

 【クアラルンプール=吉村英輝】北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏殺害事件発生から2週間。マレーシア警察は、神経剤VXによる毒殺と認定したものの、入手経路の特定などは難航している。主犯格とみられる北朝鮮国籍の4容疑者はすでに本国へ逃亡したとみられ、捜査には手詰まり感が漂う。警察は事件解明へ、3つの壁に直面している。

 (1)殺害メカニズム

 マレーシアのスブラマニアム保健相は26日、金正男氏の司法解剖について、大量のVXが目や口から吸収され、心臓や肺なども影響を受けたと発表した。致死量の10ミリグラムを大きく超える量で「吸収が早く、ほんの2、3分で症状が現れていた」と指摘。警察当局に正式報告するとした。

 地元英字紙ニュー・ストレーツ・タイムズは27日、VXが使われた理由について、「即効性がある毒物でありながら、暗殺者に逃走する時間を与えることができるため」とみる政府幹部の見方を伝えた。

 ただ、実行犯の女2人は、素手でVXを正男氏の顔に塗りつけたとみられている。大量の猛毒を扱って生き延びられたことに疑問が残る。警察は、女たちが解毒剤などを使っていなかったかを調べる方針だ。

 保健相によると、正男氏を手当てした空港スタッフや医療関係者にも、症状は出ていない。毒殺のメカニズム解明は難航。警察は、4容疑者が借りていたマンションから押収した化学物質の分析を急ぐ。

 (2)不逮捕特権

 事件に関与したと警察が特定した北朝鮮国籍の男たちのうち、逮捕に至ったのは、後方支援役とみられる1人のみ。マレーシア警察は、北朝鮮大使館内に隠れていると伝えられるヒョン・グァンソン2等書記官らの逮捕状を請求する構えを見せながら、大使館に「協力」を求めているが、「不当捜査」を訴える北朝鮮側に応じるそぶりはない。

 外交官には、他国の警察などに拘束されない「外交特権」もある。北朝鮮と国交を断絶すれば強制執行も可能になるとの指摘もあるが、マレーシア政府幹部は「ひとつの事件をもってして断交を判断するのは性急すぎる」と否定的だ。

 (3)遺体の身元確認

 警察にとり、行き詰まる捜査の突破口としたいのが、遺体の「身元確認」だ。「死因は心臓発作」とした北朝鮮側の主張はとりあえず、司法解剖で論破した。ただ、北朝鮮側は遺体をあくまで「外交旅券を持った北朝鮮国籍のキム・チョル」と強弁している。

 遺体に関しマレーシア政府は、韓国当局による指紋照合などから正男氏と特定した。ただ、警察は親族によるDNA型鑑定を優先するとする国内手続きを重視。遺体も親族に引き渡すとしており、遺体の「早期返還」を求める北朝鮮側を牽制(けんせい)している。

 しかし、正男氏の家族は北京に本妻との息子、マカオに別の女性との息子ハンソル氏と娘が住み、いずれも中国当局の身辺保護を受けているとされる。警察は渡航を求めているが、実現のめどは立っていない。


正男氏殺害、北の秘密警察が関与…韓国情報機関
読売新聞 2/28(火) 7:30配信

 【ソウル=宮崎健雄】韓国の情報機関・国家情報院は27日、北朝鮮の金正男(キムジョンナム)氏(45)の殺害に北朝鮮の秘密警察・国家保衛省と外務省の職員が関わったとし、「金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長によって組織的に行われた国家主導テロ」と国会に報告した。

 報告を受けた国会議員によると、国情院は実行犯が二つの暗殺グループと4人の現地支援チームで構成されたと分析。国外逃亡した4人のうち、国家保衛省のリ・ジェナム容疑者(57)と外務省のリ・ジヒョン容疑者(33)がベトナム人のドアン・ティ・フオン容疑者(28)を、国家保衛省のオ・ジョンギル容疑者(55)と外務省のホン・ソンハク容疑者(34)がインドネシア人のシティ・アイシャー容疑者(25)をそれぞれ引き入れた。その後、2人がマレーシアで合流し暗殺を実行したと国情院はみている。


捜査長期化、不可避に=金正男氏事件から2週間
時事通信 2/28(火) 7:06配信

 【クアラルンプール時事】北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された事件は27日、発生から2週間となった。

 マレーシア警察は、遺体から検出された猛毒の神経剤VXの入手経路などについて捜査を進めているが、全容解明には多くの障害が立ちはだかっており、捜査の長期化は避けられない見通しだ。

 事件の最大の焦点は、北朝鮮による国家ぐるみの犯罪だったかどうかだ。VXは一般の入手が困難で、化学兵器を大量に保有しているとされる北朝鮮の関与を疑う見方が強まっている。

 今回の事件でマレーシア警察がこれまでに逮捕した容疑者や、容疑者もしくは重要参考人とみて氏名と写真を公表して行方を追っている事件関係者は計11人。このうち、北朝鮮国籍の人物が8人を占める。

 ただ、8人のうち逮捕されたのは1人だけ。実行犯とされるインドネシア人とベトナム人の女2人にVXを渡した疑いが持たれている4人は既に北朝鮮に帰国したとみられている。

 警察は北朝鮮に4人の身柄引き渡しを求めるとともに、国際刑事警察機構(ICPO)に国際手配を要請した。しかし、北朝鮮は「マレーシア警察による捜査は信用できない」(康哲駐マレーシア大使)などとマレーシア側を繰り返し非難しており、引き渡しに応じる可能性はまずない。

 女2人も「(毒物とは)知らなかった」「いたずらの動画に出演すると思っていた」と主張し、殺意を否認している。

 また、北朝鮮大使館のヒョン・クァンソン2等書記官(44)の事情聴取について警察幹部は、北朝鮮側が応じなければ「逮捕状を取る」と息巻いているものの、外交特権のため聴取実現は困難な状況だ。

 VXの入手経路に関しても、容疑者の関係先からはこれまでのところVXは検出されていないもようで、捜査の難航が予想される。


マレーシア拠点に制裁破り=安保理、北朝鮮を非難
時事通信 2/28(火) 7:01配信

 【クアラルンプール時事】国連安保理の北朝鮮制裁委員会の専門家パネルがこのほどまとめた報告書で、北朝鮮が金正男氏殺害事件の舞台になったマレーシアを拠点とするフロント企業を、制裁破りに利用していた実態が指摘されていることが分かった。

 AFP通信などが28日までに伝えた。

 安保理は27日の会合で、制裁委の報告を受けた。ウクライナのイェリチェンコ国連大使は会合後、「制裁を回避する北朝鮮の無責任で挑発的な試み」を、中国を含む安保理理事国が全会一致で非難したことを明らかにした。会合では「決議の完全履行の重要性」も確認された。ただ、金正男氏の殺害事件は、話題に上らなかったという。

 報告書によると、昨年7月、中国からエリトリアに向けて航空貨物で輸送されていた北朝鮮製の軍事用通信機器が押収された。販売したのはマレーシアにあるグローコム社で、同社は北朝鮮の対外情報・工作機関、朝鮮人民軍偵察総局が運営していたという。

 一方、ロイター通信が関係筋の話として伝えたところでは、2014年2月に北朝鮮国籍の3人がクアラルンプールの空港で現金45万ドル(約5000万円)をひそかに持ち込もうとしたとして身柄を拘束された。

 3人はマレーシア当局に対し、グローコム社を運営している企業のために働いており、現金は在マレーシア北朝鮮大使館のものだと主張。結局、証拠不十分で不起訴になり、大使館が現金を受け取った。3人は全員、政府当局者用の旅券を所持していたという。


金ハンソル氏 米・中・韓の対北カードで最大の切り札に浮上
NEWS ポストセブン 2/28(火) 7:00配信

 北朝鮮の金正恩・朝鮮労働党委員長の異母兄・金正男氏が2月13日、マレーシアのクアラルンプール国際空港で暗殺されてから2週間が経過した。

 マレーシア警察による捜査の進展に関心が寄せられる一方で、より大きな注目を集めているのが正男氏の長男である金ハンソル氏(21)の動向だ。

 1995年6月に北朝鮮・平壌で生まれたハンソル氏は幼少期をマカオで暮らし、その後は欧州に渡り、高等教育を受けたとされる。2011年10月にボスニア・ヘルツェゴビナの国際学校に入学。2013年9月にはフランスのオランド大統領の母校でもある名門校・パリ政治学院に入学し、政治学を学んだ。

 昨年から英オックスフォード大学大学院に入学予定だったが、中国当局からの「北による暗殺」の可能性を警告されたため断念。以降、現在に至るまで正男氏の2人目の妻に当たる母親と妹が暮らすマカオに移り住み、中国当局の保護下に置かれていると伝えられる。『コリア・レポート』編集長の辺真一氏の解説だ。

「今回の正男氏暗殺の背景にあるのが、昨年表面化した欧米各国に散らばる脱北者団体による亡命政権樹立の動きです。

 イギリスの脱北者団体関係者が最後に正男氏に接触したのが昨年6月。その際、正男氏は自分が亡命政権のトップに就くことを固辞したとされますが、この動きが正恩氏の耳に入り暗殺のタイムスケジュールが早まったとも言われています」

 韓国の総合誌『月刊朝鮮』最新号(2017年3月号)に正男氏が生前、「自分より息子ハンソルが亡命政府の指導者になることを望んでいる」と話していたことや、「大学を卒業すれば、ハンソルを(亡命政権指導者として)前面に打ち出す」との考えを強く持っていたエピソードなどが報じられている。

 辺氏によれば、正男氏亡き後、各脱北者団体はハンソル氏を担ぎ上げる動きを見せているとされる。単に息子という理由だけでなく、ハンソル氏のほうが“リーダー”として相応しいとの声が多いためだという。

 常々「政治に関心はない」と公言し“自由人”として生きた正男氏より、フランスのエリート校で政治学を学んだハンソル氏のほうが「政治に対する関心や意識は高い」(辺氏)と見られているからだ。

 2012年10月、フィンランドのテレビ局のインタビューを受けたハンソル氏は、そこで金正恩を〈独裁者〉と呼び、逆鱗に触れたと伝えられるが、韓国の情報機関・国家情報院関係者によれば、本当に“虎の尾”を踏んだのは「対南思想」と「将来の夢」を語ったシーンだとされる。

〈韓(朝鮮)半島を2つに分断しているのは政治的な問題に過ぎない。だから僕はどちらかの肩を持つということはしない〉

〈僕は(南北)統一を夢見ており、いつの日か北朝鮮に戻って人々の暮らしを楽にしたい〉

 金正恩はこの発言を「将来的には北に舞い戻って自分の地位に取って代わり、南北統一を果たす野心の表われと受け取った」(前出・国情院関係者)というのだ。

 ヨーロッパで教育を受け、民主主義的な価値観を持つハンソル氏に欧米各国は好意的な見方をしている。

 特に米国、中国、韓国にとってハンソル氏は、正男氏暗殺後の現在、対北カードで最大の切り札に浮上したという。北朝鮮問題に詳しい早稲田大学名誉教授の重村智計氏の指摘である。

「米トランプ政権にとって、核兵器や米本土に到達可能な大陸間弾道ミサイル(ICBM)の開発を止めず挑発を繰り返す金正恩政権の体制転換こそ、自国の安全保障に繋がるとの考えが共有されつつある。

 中国と韓国にとっては、暴走を続ける北朝鮮が突然崩壊して、自国に大量の難民などが押し寄せる最悪の事態も避けたい。3か国にとって、ハンソル氏は大きな混乱を伴わずに、北の体制転換を可能にする有力な切り札と見られているのです」

 各国の思惑が交錯するなか、ハンソル氏の「身柄確保」をめぐって熾烈な駆け引きが繰り広げられているというのだ。

※週刊ポスト2017年3月10日号


<金正男氏殺害>韓国、事件は秘密警察「国家保衛省」名指し
毎日新聞 2/28(火) 6:00配信

 ◇韓国政府、北朝鮮による「国家テロ」と断定

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)がクアラルンプールで殺害された事件で、韓国政府は27日に北朝鮮による「国家テロ」と断定した。南北関係の緊張が高まるのは必至で、テロ支援国家の再指定を検討する米国なども強硬姿勢に踏み出せば北朝鮮の孤立化が一層強まりそうだ。

 「北朝鮮側は(正男氏殺害事件について)国内外でかん口令を敷いているが、一部の幹部の間で拡散しつつあり、衝撃を受けている人が出ている」。聯合ニュースによると、韓国国家情報院は国会議員らに北朝鮮の内情を報告した。

 韓国の情報機関の報告には、すでに核・ミサイル開発によって国際的に高まっている北朝鮮への批判を増幅し、国内外の北朝鮮住民の動揺を誘って、金正恩体制を揺さぶる狙いがあるとみられている。

 「住民の9割は正男氏の存在を知らない」(中朝貿易関係者)とされる北朝鮮で、韓国側の「国家テロ」断定が、実際に北朝鮮住民の動揺を誘うかは予測できない。だが、韓国側の揺さぶりに反発する北朝鮮側が「体制転覆を狙う陰謀」と反発することは確実だ。

 北朝鮮は22日、朝鮮法律家委員会報道官の談話を発表し、「マレーシア側の不当な行為は南朝鮮(韓国)当局が引き起こしている(反北朝鮮の)謀略騒ぎと時期が一致している」と主張し、韓国による「陰謀説」を展開した。北朝鮮側は今後、逆に「北朝鮮国家テロ説」に疑問を抱かせるような情報戦を始める可能性が高いとみられている。

 一方、正男氏殺害事件を受け、北朝鮮の孤立化はすでに進んでいる。米国や日本は韓国と歩調を合わせ、北朝鮮への圧力を増していく方針だ。27日にはトランプ米政権下で初めて米首都ワシントンで6カ国協議の日米韓首席代表会合を開催。核兵器やミサイル問題とともに北朝鮮の「国家テロ」への対応も課題になっている模様だ。

 今後、トランプ政権と韓国政府との情報共有が進めば、北朝鮮を「テロ支援国家」に再指定する作業を始める可能性がある。

 北朝鮮経済の命綱である中国は今のところ、事件に関する北朝鮮批判には極めて慎重だ。中国は北朝鮮の後継者レースから外れた正男氏を保護してきたとされるが、事件について中国外務省の耿爽(こうそう)・副報道局長は21日の定例会見で正男氏への言及を避け、「関係方面が対話と協議を通じて関連の問題を適切に解決できるよう望む」と関係国に歩み寄りを促した。

 ただ、中国はすでに北朝鮮の核・ミサイル実験に対する国連制裁の一環として、北朝鮮からの石炭輸入停止に踏み切った。北朝鮮側は「周辺国が対外貿易を遮断する非人道的な措置を取った」と反発しており、中朝関係はすでに冷却化の兆しを見せている。正男氏殺害事件は北朝鮮の核・ミサイル実験が生み出した中朝間の亀裂をさらに広げる可能性がある。

 3月には定例の米韓合同軍事演習が控えている。米韓は北朝鮮の相次ぐミサイル実験などを受けて演習を強化することに合意しており、例年以上に南北間の緊張が高まりそうだ。正男氏殺害事件の影響は演習に重なるため、朝鮮半島情勢がさらに緊迫する恐れが出ている。【ソウル米村耕一】

 ◇国家保衛省、住民の間で恐れられてきた組織

 北朝鮮で秘密警察の役割を担う国家保衛省は、昨年12月に改称が判明するまで「国家安全保衛部」と呼ばれ、住民の間で恐れられてきた組織だった。

 そもそも保衛部は住民の動向監視やスパイ摘発などを担当してきた。要員は朝鮮労働党や政府機関などのあらゆる組織に配置され、構成員の動きを監視して、上部機関に報告するのが任務とされる。各国の北朝鮮大使館には「安全代表」という立場で要員が配置されることが多いという。

 組織の権限は絶大で、党や軍を問わず、保衛部に危険分子とみなされれば、直ちに除去される。2012年10月には金正恩氏が保衛部を訪問して、幹部に対し「敵の思想浸透を打ち破り、敵対分子を断固、粉砕すべきだ」と指示。13年12月に保衛部は、正恩氏の叔父で北朝鮮ナンバー2だった、張成沢(チャンソンテク)氏の摘発を主導し、特別軍事裁判を開いて国家転覆陰謀行為で死刑判決を下し、即日執行した。

 一方で、最近では保衛部の幹部が表舞台に出ることもあった。北朝鮮による拉致被害者らの再調査を担う特別委員会のトップに、徐大河(ソデハ)副部長をすえ、拉致問題解決への「本気度」を誇示したという経緯もある。

 最高指導者の意を受けて相当な権限を与えられ、特命事項を担ってきた保衛部。だが、最近はトップの金元弘(キムウォンホン)国家保衛相が解任され、党組織指導部の調査を受けたことが伝えられるなど、影響力低下も伝わる。

 金正男氏殺害という「危険分子の除去」で最大限の忠誠心を誇示し、組織の威信を高めようとしたのか、その背景に注目が集まる。【北京・西岡省二】


<金正男氏殺害>2人の女容疑者と指示役の北朝鮮人を訴追へ
毎日新聞 2/28(火) 0:50配信

 ◇地元英字紙報道「3月1日にも殺人罪で」と

 【クアラルンプール平野光芳】マレーシアの英字紙「サン・デイリー」(電子版)は27日、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)の殺害事件の実行犯として逮捕されたベトナム人のドアン・ティ・フオン(28)とインドネシア人、シティ・アイシャ(25)の両容疑者と、指示役のマレーシア在住北朝鮮人、リ・ジョンチョル容疑者(46)が3月1日にも殺人罪で訴追される見込みだと報じた。金氏の遺体から猛毒の神経剤VXが検出されたことや司法解剖結果が近くまとまることを受けて、刑事責任が問えると判断している模様だ。


正男氏殺害「国際秩序への挑戦」=韓国外相
時事通信 2/28(火) 0:27配信

 【ベルリン時事】韓国の尹炳世外相は27日、国連人権理事会で演説し、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害された事件について「ルールに基づく国際秩序へのあからさまな挑戦だ」と述べ、北朝鮮を強く非難した。

 外相は、遺体から検出された猛毒の神経剤VXは大量破壊兵器に分類され、化学兵器禁止条約で生産や使用が厳しく禁止されていると指摘。今回の殺害は「さまざまな人権関連の国際規定に対する深刻な違反になる」と訴えた。


<金正男氏殺害>韓国が「北朝鮮の国家テロ」断定
毎日新聞 2/27(月) 21:28配信

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韓国の国家情報院が描く金正男氏殺害事件の構図

 ◇関与疑惑の8人で4人は北朝鮮保衛省、2人が外務省所属

 【ソウル米村耕一】北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏(45)が殺害された事件について、韓国の情報機関、国家情報院は27日、北朝鮮で秘密警察の役割を担う国家保衛省と外務省が直接関与した「国家主導によるテロ事件だ」と断定した。国情院が韓国国会で報告した内容を聯合ニュースなどが報じた。

 報じられた報告内容によると、事件への関与が疑われている北朝鮮国籍の8人のうち4人は北朝鮮の保衛省、2人が外務省所属。残る2人は高麗航空職員と政府直属の貿易会社関係者としている。実行犯グループは2組に分かれており、1組目は保衛省のリ・ジェナム容疑者(57)と外務省のリ・ジヒョン容疑者(33)で構成。2組目は、保衛省のオ・ジョンギル容疑者(55)、外務省のホン・ソンハク容疑者(34)で構成される。1組目がベトナム国籍のドアン・ティ・フオン容疑者(28)を、2組目がインドネシア国籍のシティ・アイシャ容疑者(25)を取り込み、一時別行動を取った後、事件前にマレーシアで合流したとしている。

 1組目、2組目とは別の支援グループにも4人が所属。在マレーシア北朝鮮大使館のヒョン・グァンソン2等書記官(44)は保衛省所属の駐在官で、マレーシアにおける正男氏の動向の追跡など支援グループの一員として役割を果たしていたと見ている。

 一方、国情院はこの日、北朝鮮の金元弘(キム・ウォンホン)国家保衛相が越権や拷問などを理由に軟禁され、保衛省幹部5人が処刑されたとみられることも報告した。事件との関連については触れなかった模様だ。

 マレーシア警察は、実行犯とみられるフオン、シティの両容疑者が猛毒の神経剤VXを正男氏につけて殺害したと見ている。両容疑者が実行犯グループの4人ら北朝鮮の男たちに指示されていたとみて、北朝鮮に身柄引き渡しを求めてきた。また、ヒョン2等書記官ら3人について重要参考人として行方を追っている。


北朝鮮、秘密警察トップ軟禁=正恩氏に虚偽報告か―韓国情報機関
時事通信 2/27(月) 20:59配信

 【ソウル時事】韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は27日、北朝鮮で1月中旬ごろに国家保衛相を解任されたとみられる金元弘氏について、現在は軟禁状態にあることを明らかにした。

 金正恩朝鮮労働党委員長に虚偽報告をしたためで、次官級とされる幹部5人以上も銃殺されたという。

 国情院から報告を受けた議員がメディアに明らかにした。虚偽報告は党組織指導部の調査で発覚したという。国家保衛省は反体制の動きを取り締まる秘密警察組織。マレーシアで起きた金正男氏殺害事件でも関与が指摘されている。

 また、正恩氏は同省に置かれていた故金正日総書記の銅像を別の場所に移動させた。国情院は「同省に対する処罰強化を意味している」と分析した。


正男氏事件、秘密警察関与か=容疑者4人が出身―韓国情報機関
時事通信 2/27(月) 20:30配信

 【ソウル時事】韓国の情報機関、国家情報院(国情院)は27日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏が殺害された事件で、北朝鮮国籍の容疑者8人のうち、4人が秘密警察・国家保衛省出身との見方を示した。

 聯合ニュースが国情院から報告を受けた議員の話として報じた。

 報告によると、殺害は2組に分けて実行された。1組はリ・ジェナム、リ・ジヒョンとベトナム人のドアン・ティ・フォンの3容疑者で構成。もう1組はオ・ジョンギル、ホン・ソンハクとインドネシア人のシティ・アイシャの3容疑者で行動していた。

 北朝鮮大使館のヒョン・クァンソン2等書記官ら4人は、実行犯の移動や正男氏の動向を追跡するサポート役だったとみられる。リ・ジェナム、オ・ジョンギル両容疑者は国家保衛省、リ・ジヒョン、ホン・ソンハク両容疑者は外務省出身で、いずれも国外逃亡し、北朝鮮に戻ったという。

 北朝鮮国籍者のうち4人が国家保衛省、2人が外務省に所属し、ほかは高麗航空、内閣直属の貿易会社などから集まったとされる。国情院は構成から「正恩氏によって組織的に行われた国家テロであることは明白」と分析している。


金正男氏殺害で「ならず者国家」観光考える日本人 「恐ろしさを知らない者の行動だ」と元赤旗平壌特派員が絶句
産経新聞 2/27(月) 20:05配信

 拉致、ミサイル発射や核実験などの懸案事項に対する措置としてに対する経済制裁措置として、政府は北朝鮮への渡航を自粛するよう要請している。ところが、日本人による北朝鮮旅行が増えているというのだ。なぜ、彼らは行くのか?

■事件以後、むしろ増える

 金正恩政権は外貨獲得のため、数年前から大々的な観光客誘致に力をいれている。

 正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏がマレーシアで殺害されてから、まもなく2週間。事件は、そんな彼らの“観光業”にダメージを与えそうだが、この「ならず者国家」に限っては常識とは正反対のベクトルが働くようだ。

 日本人に北朝鮮旅行を斡旋(あっせん)する人物がいる。この人物によると金正男氏の殺害事件以降、旅行についての問い合わせは、むしろ増加している。

 「金正男氏殺害事件は本当にショック。これで北朝鮮のイメージは決定的に悪くなる。でも、なぜか、事件以後、北朝鮮ツアーへの問い合わせは増えています」

 そう話すのは、中国・大連の日本人向け情報サイト「大連ローカル」(http://www.dllocal.com)管理人の慶次郎さん(40)だ。中国や日本の旅行代理店に、日本人の北朝鮮旅行希望者を紹介している。ちなみに「慶次郎」は、ネット上で使っている名前(ハンドルネーム)で本名ではない。

 慶次郎さんによると、13日の殺害事件以後、1カ月数件だった「大連ローカル」への北朝鮮旅行の問い合わせが急増したという。

 「事件後、10日間ぐらいで普段の2倍ぐらいの問い合わせがありました。中には女性の一人旅も。多くの人が北朝鮮には入れないと思っているようですが、実際は旅行代理店を通じて比較的簡単に行ける」

 「お薦めするわけではないですが…」と言葉を付け足す。

 ツアーは北朝鮮国営旅行会社が主催するもので、中国の都市を発着地点として旅行の日程が組まれる。北朝鮮のビザ(査証)は、中国や日本の旅行代理店が代行取得する。このビザは出国の際回収されるため、日本のパスポートに北朝鮮への出入国記録は残らない。

 一人旅であっても、入国から出国まで、監視役も兼ねるとみられるガイド2人と、運転手の計3人が常に行動を共にする官製旅行で、海外旅行保険の対象には入らない。何があっても自己責任ということだ。

■20~30代男性が中心

 IT企業勤務だったという慶次郎さんは2003年から中国・大連に住み、昨年日本に帰国した。06年3月にサイト「大連ローカル」を開設し、08年頃、大連の旅行代理店から北朝鮮旅行を紹介してほしいと打診され、掲載を始めた。

 数年間は問い合わせもなく、訪朝者はゼロだった。ところが、2010年に初申し込みがあると、それ以降、ポツポツと問い合わせが増えた。

 いまや大連の日本人向け情報サイトであるはずの「大連ローカル」の全記事で、最も読まれる記事となっているという。

 「大連ローカル」で紹介する北朝鮮へのツアー旅行は、3泊4日のモデルコースで15~18万円程度。旅行客を広告スポンサーである旅行代理店に紹介すると、「大連ローカル」にもメリットがある仕組みだ。「大連ローカル」から、代理店に申し込み中国経由で訪朝した日本人は、6年間で延べ約200人にのぼる。

 年齢層は20代から60代までと幅広いが、インターネットの特性からか、やはり20、30代の若い世代が多い。全体の8割は1人旅での申し込みで、7割は男性だという。

 北朝鮮の鉄道を見てみたいという鉄道ファン▽秘境のような珍しい場所に行きたい▽社会主義国の雰囲気を知りたい▽世界各国を旅しつくし残るは北朝鮮だけになったから-などの好奇心が主な動機だ。

 慶次郎さん自身は、11年と、16年の計2回、中国経由で北朝鮮に入った。

 「13年ごろからスマートフォンなどの持ち込みが緩和された。最初に行ったときと比べると、訪問先や撮影できる対象が広がった。想像したよりは“自由”だった」と話す。

 他の旅行者から受け取ったという写真を見せてもらったところ、専属ガイドとの笑顔の記念撮影やカラオケ、フルーツジュースや牛乳を販売する売店など“未知の国”を楽しんだようす…。

■観光気分で行く場所ではない

 大手検索サイトで「北朝鮮旅行」と検索すると結果は2480万件以上に。旅行記のブログなども散見されるが、北朝鮮は日本人拉致や大韓航空爆破事件、核ミサイル開発やテロ事件、さらには住民への人権弾圧など、「ならず者国家」だ。そんな国になぜ行くのか。

 「平和な日本で育ち、北朝鮮の怖ろしさを知らない者ならではの行動」と指摘するのは、ジャーナリスト、萩原遼さん(80)だ。萩原さんは新聞「赤旗」の元平壌特派員で、北朝鮮の圧政の実態に気づき国外追放になった。

 「13歳だった横田めぐみさんが拉致されてから、40年近くにもなる。拉致被害者は何十年も帰りたくても、帰れない。日本人妻も同様だ。すぐに里帰りできると、だまされて北朝鮮に送られた。その人たちのことを考えれば、観光気分で行ける場所ではないことは分かりそうなものだ」。

 在日朝鮮人男性と結婚し1960年代の帰国事業で北朝鮮に渡り、10数年前に脱北した関西在住の日本人女性(77)には、北朝鮮に残した娘がいる。

 「連絡を取りたくても取る手段もないし、会うこともできない。北と関係する人間の行き来は認めず、何も関係ない人たちにだけ門戸を開くなんて」と悔しさをにじませる。

 慶次郎さんは「北朝鮮の人民の生活を知りたいという人が多い。ホテルのエレベータやトイレが日本製だったり、中国の回転火鍋がはやっていたりと、行ってみれば、それなりに北朝鮮の“今”を考えることもできる」とする。

 が、それら現状は、果たして北朝鮮への経済制裁方針を破ってまで、見るべきことなのか…。

 北朝鮮ツアーへの参加は、現政権を利するだけ。北朝鮮には「行けない」のではなく、「行かない」ことだ。(文化部 村島有紀)


北朝鮮と中国も険悪な関係か CCTVが報じた金正男氏暗殺事件
J-CASTニュース 2/27(月) 19:15配信

 北朝鮮の金正男氏(45)の暗殺事件をめぐり、中朝間のすきま風が強まっているようだ。中国はこれまで事件についてほとんど報じてこなかったが、国営中央テレビ(CCTV)が平壌からのレポートを交えながら約10分にわたって伝えた。

 中国は北朝鮮の核開発に反対する立場から、国連の制裁に参加し、年内の石炭禁輸を発表している。このことを北朝鮮の国営メディアが「定見もなく米国の拍子に踊っている」と強烈に中国を批判したため、中国が対抗措置に出たとの見方が広がっている。

■「北朝鮮国籍の男性からVX検出」

 韓国メディアなどによると、中国国営中央テレビは2017年2月24日午前のニュースで、クアラルンプール、ソウル、平壌からの記者レポートを交えながら約10分間にわたって暗殺事件について報じた。「北朝鮮国籍の男性」の遺体から猛毒のVXが検出されたこと、マレーシアの政党関係者が北朝鮮大使館前でデモを行ったこと、韓国政府の反応など、北朝鮮にとってマイナスになる内容も多く含まれている。平壌からは、国営朝鮮中央通信がマレーシア側の対応を批判したり、韓国による陰謀説を主張してたりしていることを伝えた。

 ただし、この日のニュースには、「金正男」の名前は登場せず、「北朝鮮国籍の男性」とのみ伝えた。

 この異例の報道には、「伏線」があるとの見方が多い。中国は2月18日、17年中の北朝鮮からの石炭の輸入停止を発表した。16年9月の核実験を受けて16年11月に採択された国連安保理の制裁決議では、石炭輸入の上限を年間750万ドルか約4億ドルに制限している。中国の商務省は、今回の輸入停止は、この上限に近づいたための措置だと説明している。北朝鮮は、この対応に強く反発している。

北朝鮮、中国を「『友好的な隣国』と言う周辺国」
 国営朝鮮中央通信は17年2月23日、

  「汚らわしい処置、幼稚な計算法」

と題した記事を配信。中国を名指しこそしなかったものの、「友好的な隣国」という表現で中国を非難した。

 朝鮮中央通信の主張によれば、北朝鮮が2月12日に発射した弾道ミサイルについて、世界中のメディアが「戦略的優越性の一大誇示となる」と評したが、「折に触れて『友好的な隣国』と言う周辺国」だけが

  「『初期段階にすぎない核技術』だの、『朝鮮は一番大きな損失を被ることになるだろう』だの、何のとしてわれわれの今回の発射の意義をダウンさせている」

と主張。中国がミサイル実験に反対したことへの恨み節をぶちまけた形だ。これに加えて、制裁措置への不満もあらわにした。

  「特に、法律的根拠もない国連の『制裁決議』を口実にして人民の生活向上に関連する対外貿易も完全に遮断する非人道的な措置もためらわずに講じている」
  「それでも大国と自称する国が定見もなく米国の拍子に踊りながらも、あたかも自国の汚らわしい処置がわれわれの人民生活に影響を及ぼそうとするものではなく、核計画を阻むためのことだと弁解している」

 こういった経緯から、韓国メディアからは、今回のCCTVの報道が

  「中国の石炭輸入禁止措置を(北朝鮮が)強く非難したことに対する対抗という観測が出ている」(東亜日報)

といった指摘が相次いでいる。

中国外務省「報道とマレーシア側の発表には留意している」
 国営メディアとは対照的に、中国外務省は現時点では抑制的な対応を続けている。耿爽副報道局長は2月24日の会見で、朝鮮中央通信の中国批判記事が両国関係に与える影響について、

  「中国と北朝鮮は友好的な隣国だ。中朝関係を健全で安定した形で発展させられるよう、ともに努力していきたい。同時に、朝鮮半島における核問題についての中国の立場は明確で一貫している。このことは北朝鮮もよくわかっているはずだ」

と述べるにとどめた。暗殺事件については、遺体からVXが検出されたことについて

  「VXは国連では大量破壊兵器(WMD)に分類されている。使用が本当であれば、北朝鮮がマレーシアでWMDを使用したことをどう受け止めるか」

と問われ、

  「報道とマレーシア側の発表には留意している。この事件の進展も見守っている。これまでにも指摘したように、北朝鮮国民のマレーシアでの死亡事案であり、マレーシア側が捜査中だ。関係者間で対話や協議を通じて適切に問題が解決されることを望んでいる」

と、引き続き事件と距離を置いている。

 正男氏は家族とともにマカオを拠点に暮らしており、中国当局の保護下にあるとみられてきた。中国からすれば保護下にある人物を暗殺された形で、事件への対応が注目されている。


金正男氏殺害 身元確認は難航
ホウドウキョク 2/27(月) 18:22配信

保健相が、歯の治療跡などによる照合も検討していることを明らかにした。
北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件は、27日で発生から2週間だが、正男氏の親族のマレーシア入りが実現せず、DNA鑑定による身元確認が難航している。
こうした中、マレーシアの保健相は26日、歯の治療の跡や体のほくろなどによる照合も検討していることを明らかにした。
北朝鮮側が、被害者の身元についてパスポート情報に基づき「キム・チョル」と主張しているのに対し、マレーシア当局は、科学的根拠によって、正男氏であることを証明したい考えだが、親族が名乗り出ておらず、特定作業が難航している。


摘発のマンションは犯行グループの本拠地か
ホウドウキョク 2/27(月) 18:20配信

警察が摘発したマンションは、犯行グループの本拠地だった可能性があることがわかった。
北朝鮮の金正男(キム・ジョンナム)氏がマレーシアで殺害された事件で、警察が摘発したマンションからは、複数の化学物質などが見つかっている。
これらの化学物質は、捜索の際、流し台や床などに付着していて、慌てて廃棄したような痕跡があったことが新たにわかった。
マンションからは、ほかにも手袋とスニーカー3つが見つかっていて、地元メディアによると、マレーシアから出国した4人は、この拠点に、度々出入りしていたという。
一方で、殺害に使われた猛毒の神経剤「VX」の痕跡はこれまで見つかっていないが、警察は関連を調べている。


金正男氏殺害、北朝鮮の国家保衛省・外務省が計画=韓国情報機関
ロイター 2/27(月) 18:19配信

[ソウル 27日 ロイター] - 北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏の殺害事件について、北朝鮮の国家保衛省と外務省が計画したと、韓国の情報機関から説明を受けた複数の議員が明らかにした。

議員らによると、情報機関から、容疑者である北朝鮮国籍の8人には、国家保衛省の4人と外務省の2人が含まれるとの説明を受けたという。

韓国と米国の当局者は、金正男氏がマレーシアの空港で今月13日に北朝鮮の工作員によって殺害されたとの見方を示している。


金正恩氏「兄殺し」の大罪で軍反逆か 過去にトップの“暗殺未遂”…「伝統的な北体制の構造が崩れている」
夕刊フジ 2/27(月) 16:56配信

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の孤立がさらに深まった。マレーシア警察は24日午前、正恩氏の異母兄、金正男(キム・ジョンナム)氏の体内から猛毒のVXが検出されたと発表したのだ。国家犯罪の疑いが濃厚となり、激怒したマレーシアは北朝鮮大使追放も視野に入れた。今後、正恩氏に「兄殺し」の汚名が突き付けられれば、国際社会の制裁強化とともに、国内での権威失墜も不可避だ。恐怖政治が敷かれた北朝鮮だが、過去何度かトップの暗殺未遂事件も伝えられている。不満を抱えた軍などの一部がテロを実行する可能性もありそうだ。

 「北朝鮮はならず者国家だ! ここは北朝鮮ではなく、マレーシアだ。私たちの法律がある」

 マレーシアのナズリ観光・文化相は23日、北朝鮮側がマレーシアの捜査を批判していることについて、こう不満をブチまけた。マレーシア紙スター(電子版)が伝えた。

 両国はこれまで、ビザなしで国民が相互に行き来できる友好国だったが、事件後に関係が急激に悪化している。

 ロイター通信によると、マレーシア政府筋は23日、正男氏殺害事件に関して北朝鮮が批判をやめなければ、平壌(ピョンヤン)のマレーシア大使館の閉鎖や、姜哲(カン・チョル)駐マレーシア北朝鮮大使を「好ましからざる人物」(ペルソナ・ノン・グラータ)として追放する選択肢もあると語ったという。これは「国交断絶」の一歩手前の対応といえる。

 理由は明白だ。正男氏殺害が、北朝鮮による国家犯罪であることの証拠が続々と集まっている。

 英紙デーリー・テレグラフ(電子版)は22日、マレーシア警察が出頭を要請した北朝鮮大使館のヒョン・グンソン2等書記官について、「書記官の役割は、すべての計画の統括と大使に報告することだった」という治安当局筋の話を報じた。

 これは、ヒョン氏が事件の指揮官で、それを姜大使に報告していたという衝撃的な内容だ。捜査は確実に進んでいる。

 マレーシア警察のノール・ラシド・イブラヒム副長官は23日、遺体の身元確認のため、正男氏の親族が一両日中にマレーシア入りする見通しだと述べた。DNA鑑定などを行うとみられる。

 もし、親族による身元確認が実現し、北朝鮮による国家犯罪が証明されれば、国際社会による制裁が強化されるのは必至だ。正男氏を擁護してきた習近平国家主席率いる中国が「石油禁輸」など、新たな制裁に踏み切ることも考えられる。

 国内でも、正恩氏は厳しくなりそうだ。

 正恩政権は、海外の情報を統制し、国内の不満分子を次々と粛清・処刑する恐怖政治を敷き、党や軍幹部は表向き正恩氏に盲従している。

 だが、正男氏殺害のニュースは、同国で最も身分が高いとされる核心階層には自然と広がるといわれる。儒教社会では「兄殺し」は許されない。正恩氏は3代世襲について、金日成(キム・イルソン)主席の直系である「白頭血統」を正当性の根拠としている。正男氏殺害が、正恩氏の指示と認識されれば、北朝鮮国内で忌み嫌われ、権威失墜は避けられない。

 朝鮮半島事情に詳しい筑波大大学院の古田博司教授は、今回の事件を受けて「朝鮮労働党でも幹部らがかなり怒っているらしい」と語る。

 昨年7月に韓国に亡命した北朝鮮の前駐英公使、テ・ヨンホ氏も先月末の記者会見で「伝統的な北朝鮮体制の構造が崩れている」「(正恩政権は)長く続かないと確信する」と語ったという(中央日報・日本語版、1月27日)。

 北朝鮮では、これまでにも最高指導者に対する「暗殺未遂事件」が発生したと伝えられる。

 正恩氏の父、金正日(キム・ジョンイル)総書記時代の2004年4月、北朝鮮北西部の龍川(リョンチョン)駅で列車爆発事件が起きた。大規模な爆発で数千人もの死傷者が出たとされる。同じ日、正日氏を乗せた特別列車が同駅を通過しており、暗殺未遂の可能性が報じられた。

 13年には、正恩氏を「決死の覚悟で守った英雄」として、女性交通警察官を称賛するキャンペーンが展開された。この時も、正恩氏に対するテロ未遂説が流れた。

 北朝鮮メディアでは、正恩氏が朝鮮人民軍関係の視察を行ったことが頻繁に報じられる。同軍は兵力110万人という世界屈指の軍隊だが、経済制裁などで、燃料・食糧不足が指摘されている。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「正恩氏が軍視察によく行くのは、『政権維持には軍を押さえることが必要だ』という意識の表れで、逆にいうと『軍の掌握に不安がある』ということではないか」といい、続けた。

 「北朝鮮では、粛清・処刑による恐怖政治が徹底されており、内部蜂起は簡単ではない。ただ、暗殺・テロ未遂は過去にも伝えられている。龍川駅列車爆発事件には、他国の関与も指摘されている。正恩氏が『兄殺し』という一線を越えた以上、何があってもおかしくない」


正恩氏「暗殺リスト」妻まで標的か 正男氏VX毒殺主導「偵察総局」実態
夕刊フジ 2/27(月) 16:56配信

 北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏の命を奪ったのは、猛毒のVXだったことが分かり、犯罪が国家ぐるみだったことがほぼ確実になった。専門家は、犯行を主導したとみられているのは北朝鮮の工作機関「偵察総局」の2つの部署だと分析する。正恩氏の命令一つで動く危険な集団。北朝鮮の次の標的となる「暗殺リスト」には、正恩氏の最も身近な人間まで名を連ねている恐れがあるという。

 VXは1950年代に英国、米国で開発された化学兵器用の神経剤。化学兵器禁止条約(CWC)では製造、保有、使用が禁じられているが、北朝鮮はVXを含む化学兵器を大量に保有しているとされる。

 気になるのは犯行に関与した者たちの素性だ。軍事アナリストの黒井文太郎氏は「北朝鮮の工作機関『偵察総局』には6つの部署があるが、正男氏の事件には『作戦部』と『対外情報部』が関係している」とみる。

 「作戦部は破壊工作を行う特別部隊だ。格闘訓練を受けた肉体派の隊員らで構成される。対して、対外情報部は海外でスパイ活動を行う部署だ。関与が疑われる大使館の2等書記官と、高麗航空の職員はここに所属していた者たちと思われる」(黒井氏)

 暗殺計画は北朝鮮本国の作戦部で計画されたものだと黒井氏は話す。その計画に、対外情報部のメンバーが得た正男氏の行動パターンなどの情報が加えられ、襲撃は実行されたのだという。

 犯行に使われたVXについて黒井氏は、北朝鮮で作られたものだと断言する。

 「北朝鮮は軍で神経剤を製造している。偵察総局がVXによる計画を立て、軍にオーダーしたのだろう。北朝鮮からマレーシアには陸路のほか、潜水艦での上陸など秘密裏に入る方法は複数ある。そうして持ち込んだ可能性もあるし、外交特権によって税関の検査を受けずに持ち込んだとも考えられる」

 黒井氏によると、北朝鮮の諜報機関がこれまでに引き起こした要人クラスをターゲットとした暗殺、襲撃事件は判明しているだけで4件起きている。1968年に韓国大統領暗殺を狙って北朝鮮兵士が韓国に侵入、銃撃戦となった青瓦台襲撃未遂事件や、2010年に元朝鮮労働党書記で韓国に亡命した黄長●(=火へんに華)(ファン・ジャンヨプ)氏を狙った暗殺未遂事件などだ。

 「黄氏を狙った工作員の所持品からは毒針がみつかった。これは昔の東欧のスパイのやり方を踏襲したものだ。今回のように現地の女性を実行犯に使うというのは初のパターンだろう」

 正恩氏の命により動く偵察総局の全容は不明だが、黒井氏によると、「121局」と呼ばれる他国のサーバーを攻撃するハッカー部隊だけでも約3000人の規模に達するという巨大な組織だ。

 拓殖大の荒木和博教授は「自分の立場を脅かされることに恐怖を感じ、正恩氏は正男氏の殺害を指示した。自身を危険にさらす者を根絶やしにするというのは、あの国の昔からの傾向だ」とし、次に殺害対象となりそうな人物の名を挙げる。

 「正男氏の長男、漢率(ハンソル)氏は狙われることになるだろう。血脈から考えると正恩氏の父、金正日(ジョンイル)総書記の異母弟である金平一(ピョンイル)駐チェコ大使も危ない」

 北朝鮮国内でも粛清対象になりそうな人物がいるという。序列3位の黄炳瑞(ファン・ビョンソ)軍総政治局長や、同5位の崔竜海(チェ・リョンヘ)党副委員長ら最側近も、今後の動きによっては、13年末に処刑された正恩氏の叔父である張成沢(チャン・ソンテク)氏のように葬られてもおかしくないという。

 荒木氏はさらに「正恩氏の妻、李雪主(リ・ソルジュ)氏も安泰ではない。李氏は正恩氏の実妹、金与正(キム・ヨジョン)氏と不仲だと伝えられており、そのことが引き金となる恐れもある」と語る。

 誰もいさめる者がいない正恩氏。異母兄に見せた非情さが再び牙をむくかもしれない。


マレーシア、金正男氏殺害現場の空港に安全宣言 清掃を完了
ロイター 2/27(月) 16:34配信

[クアラルンプール 26日 ロイター] - マレーシアは26日、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男氏殺害事件の現場となったクアラルンプール国際空港の清掃が完了したとして、同空港は「安全地帯」であると宣言した。

金正男氏は13日、格安航空のターミナル内で猛毒の神経剤であるVXガスにより殺害された。VXガスは、国際連合が大量破壊兵器に指定している化学兵器。

事件以来、ターミナルは数万人が利用しており、事件現場にも立ち入りが可能となっていた。

警察の犯罪捜査班や消防、原子力認可当局が26日、出動して清掃にあたった。清掃中は現場に非常線が張られたが、ターミナルのほかの区域は開放されていたという。

この事件を担当する警察の責任者は記者団に「第1に、人命にかかわる物質は検出されなかったことを確認する。第2に、空港は人命にかかわるいかなる物質にも汚染されていないこと、第3に、空港は安全地帯と宣言されたことを確認する」と述べた。

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