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2016年11月21日 (月)

アメリカ大統領選挙、ドナルド・トランプが勝利・43

8日(日本時間9日)のアメリカ大統領選挙は、大接戦の末、共和党候補・ドナルド・トランプが民主党候補・ヒラリー・クリントンを抑えて勝利した。

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リンク:トランプ氏夫人と息子、来夏までNYに居住 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米FRB副議長「独立性は重要」=トランプ氏をけん制 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ次期米大統領、就任初日の「TPP脱退」を宣言 当選後初めて明言 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ次期米大統領、就任初日にTPP離脱指示へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ次期大統領「就任初日にTPP離脱通告」 2国間協定交渉へ - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:ドル高で「行うべきこと」阻まれず=米FRB副議長 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:首相とトランプ氏「直接会うのが大事」…河野氏 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

トランプ勝利の精神風景
nikkei BPnet 11/22(火) 9:54配信

やはりアメリカというのは一つの国ではない
 大方の予想を覆し、ドナルド・トランプ氏が大統領選を制した。

 ただ、実際、どのくらい「大方の予想を覆した」のかは、私は怪しいという気がしている。確かに、その日の開票結果で、東京の市場は大荒れしたが、ニューヨークの市場は恐ろしく冷静で、むしろ株価は上がっている。その後も、現在のところ、株価は堅調に推移しているし、財政赤字などの懸念で、ドルが売られるどころか、むしろドル高が続いている。隠れトランプが予想外に多いことは織り込み済みだし、そんな無茶苦茶な政策をやらないだろうと、市場が見ているように思えてならない。

 さて、この選挙結果をどう見るかだが、私の率直な印象は、やはりアメリカというのは一つの国ではないということだ。

 今回の選挙でもう一つニュースになったことに、得票数では、ヒラリー・クリントンのほうが多かったということがある。これは、2000年の大統領選挙でブッシュ・ジュニアがアル・ゴアに勝った選挙以来のことであり、その前は1888年の選挙ということだから、めったにあるものではない。

 ただ、ゴア対ブッシュのときと共通するのは、西海岸と東海岸の北部では、民主党候補が勝ち、中西部などそれに挟まれたアメリカの海に面していない州では、ほとんど共和党が勝っている。

ビル・クリントン政権以降に分断が加速
 こういう傾向は、ここしばらくのアメリカの大統領選挙ではずっと続いていることで、私がアメリカ留学中の1992年にビル・クリントンがブッシュ・シニアに大勝した際も、私の住むカンザス州では(その上のネブラスカ州も、その下のオクラホマ州も)共和党が民主党に勝っている。

 当時は、ぼつぼつ、シリコンバレーでIT企業が勃興を始めていた時期ではあったが、今ほどの勢いもないし、金融工学などと言われて、国際金融業者がアメリカ経済を引っ張る勢いになったのは、ウォール街の代理人と言われたクリントン政権以降の話であるから、アメリカの経済は、まだどこも悪かったのだが、その中でも中西部は悲惨だった。

 その当時、なぜ貧しいものの味方(勝ち組の味方に民主党がなったのは、クリントン政権以降とされている)の民主党に、貧しい人が多い中西部の人間が投票しないのかを非常に不思議に思っていたが、日曜日に礼拝に行くのが当たり前(そのせいでショッピングモールはガラガラだった)の超保守的地域では、生活を助けてもらうより、ホモセクシュアルを認めるような考えの人は許せないという気風が強かった。あるいは、経済で外国に勝つより、軍事で勝つほうが大事という強面(どこかの総理大臣に似ている気がするが)のほうが受けたようだった。

 その後、ITで西海岸の経済が潤い(現実にもともとはLAがいちばん栄えていたのに、今は西海岸の北部のほうが明らかに景気がいいし、素敵な高級レストランも多い)、金融業で東海岸(と言ってもニューヨークの周りだけで、昔、南部と言われていた地域はさっぱりだが)が潤うようになると、その分断は余計にひどくなった。

日本のマスコミが言うほどトランプ勝利に意外性はない
 クリントン以降、民主党は労働者の政党というより、エリートの味方のように思われるようになったが、実際にITエリートや金融エリートが経済を引っ張ってくれるのだから、大統領選挙では強い。ただし、それに対する反発もあって、発展から取り残された地域では、大統領選挙でも共和党が勝つし、国会議員の選挙でも強いので、議会は共和党優位が続いている。

 余談になるが、私が留学した当時、日系企業は、雇用を支えてくれる上に、アメリカのドメスティックな会社より雇用条件がいいために、アメリカ人に好意的に思われていたし、日系企業の進出していた地域は親日的だった。それで、日本がアメリカで影響力を持ちたいのなら、スーパーチューズデーの選挙が行われる州に、日系企業の支社や、工場を移すべきだと私は主張したことがある。まったく相手にされなかったが、今でもそれを信じている。

 トヨタは、カリフォルニアからテキサスに北米本社機能を移すそうだが、中西部の人口の少ない州に移ってくれれば、その州だけでも親日州になるはずだ。それがスーパーチューズデーの州ならと思ってしまう。そういう州が10くらいあれば、親日派の人しか大統領になれないようになる。しかし、日本人の多くは西海岸と東海岸しかアメリカと思っていないようだ。

 ということで、流れとしても、共和党の強いところで共和党が勝ったという点でも、日本のマスコミが考えていたほど、トランプの勝利に意外性はない。

エリートと反エリートの分断が顕著に
 意外性はないのだが、やはり節目が大きく変わった点がある。

 それは、アメリカに、保守対リベラルではない別の分断が起こったということだ。

 要するに、エリート対反エリートである。

 アメリカは日本人が考える以上に学歴社会である。

 頭のいい人に対する素直な敬意があるし、逆に知的レベルが低い人間はバカにされる。日本では、英語の読み書きを犠牲にして会話重視の英語教育が行われているが、アメリカでは、しゃべれるだけでまともに読み書きができない人はバカにされ、一生低賃金労働に甘んじないといけなくなる。会話が下手でも読み書きのレベルや知的水準の高い学者はものすごく尊敬される。

 そして、教育に十分な費用を払い、また勉強もしてきた高学歴者は、高い収入を得、高い社会的地位を得て当然と思われる。バラク・オバマ大統領にしても、黒人であったことばかりが注目されるが、クールと思われたことが最大の勝因だった。

 そういう国で、高い知的レベル、学歴レベルのIT技術者や起業家、あるいは金融エリートたちと、まじめに働くブルーワーカーたちの生活水準や雇用の安定の差がどんどん広がっていったのだ。

製造業を切って金融業やITを優遇したビル・クリントン
 クリントンは、アメリカが取ってきたドル安容認政策をドル高政策に切り替えたことでも知られる。アメリカの場合、とくに工業製品の競争力が落ちてくることに対して、ドル安で対応してきた歴史がある。

 昔は1ドル360円だったわけだが、クリントンの就任の10年前の1982年には1ドルが約250円だった。クリントン就任の1992年にはそれがその半分の126円程度になっていた(年平均値)。クリントン政権でも前半はドル安が進み、95年の4月には81円台にまで円高が進んだが、98年の8月には147円を超えている。

 ドルが安くなると製造業や農家は助かるが、国富は減ってしまう。またドルに先安感があると、外国からの金がドルに向かわない。ドルを高くしたほうが海外から金を引き寄せることができるとクリントンは踏んだのだろう。また、ITなどはいったんデファクトスタンダードになると通貨の高い安いに左右されない。要するに製造業を切って、金融業やITに「選択と集中」をしたということだ。

 それから先もアメリカ経済のトレンドはほとんど変わっていない。

 そして、エリートとそうでない者、地方と都会の格差はどんどん広がっていった。

 ただ、9.11のテロが起こったり、黒人の大統領が誕生したりで、アメリカとしての結束が重視されたり、皆保険も含めて、国民に多少の希望がもたらされたりで、その不満が、少なくとも大統領選挙での分断という形で表面化することはなかったようだ。

ヒラリーはエリート臭ムンムンのセレブマダムに見えた
 しかし、今回の大統領選挙では明らかに、不満が「都会」のエリートに向かった。

 予備選挙で、トランプ氏が予想外の圧勝をしたわけだが、共和党のエスタブリッシュメントの候補者たちは、中西部の保守的な地域で、むしろ目の敵にされた。

 民主党の予備選でも、社会主義者を自認し、大卒とはいえ、大工から身を起こしたバニー・サンダースが最後まで善戦した。

 私がアメリカ留学中にクリントンの夫の選挙があったのだが、当時は、若くてハンサムだが、どこか田舎臭い、小さな州の知事というイメージだったが、今回のヒラリーは、エリート臭ムンムンのセレブマダムにしか見えなかったのだろう。

 もちろん、エリートへの怒りだけではない。やはりアメリカ人にとって大統領選挙は自分たちも参加できるアメリカン・ドリームの実現の場なのだろう。それによって、アメリカが変えられると信じている。つまり、変化をもたらしてくれそうな人を望んだと言える。

 そういう点ではイギリスの欧州連合(EU)離脱と同じ文脈と言えそうだ。

 今後、金持ちも含めた大減税をやるということになっているが、これで余計に格差が拡大するようなら、右から左に大旋回して、次期大統領はサンダースということだってあるかもしれない。

変化の希望がない格差社会はあきらめしか生まない
 むしろ、私は今回の選挙結果をみて、日本人の臆病さのほうが気になった。

 安倍政権は、成立して4年になろうとしているが、多少の失業率の改善を除いて、大きな経済成長にいたっていないし、新産業もほとんど生まれていない。そして、非正規雇用の増大と貧富の格差、都会と地方の格差は確実に広がっている。最近になって、田中角栄の再評価ブームが起こっているのも、角栄政権時代に、いろいろな意味で格差が縮小し、経済が拡大していったことへのノスタルジーがあるのだろう。

 にもかかわらず、国民はもっとダメになるのを恐れて、選挙では圧倒的に安倍自民党が強い。

 もちろん、民進党を含め、格差社会への不満のはけ口の政党がないという問題もある。

 小池都知事人気をみても、変えてくれそうならものすごい支持が集まるというのにだ。

 日本国民が変化を恐れるのか、それとも、その受け皿がないから変化のさせようがないのかはわからないが、変化の希望がない格差社会は、あきらめしか生まない。

 対GDP比で先進国の中でもっとも少ない生活保護支出だというのに、生活保護バッシングが起こったように、不満のはけ口が、より弱者に向かう構造がなんとなく定着しつつある。

 イギリスのEU離脱に続き、トランプ当選に驚くより、日本でも「変化」を求めるうねりが強まってくれることを願ってやまない。

(文/和田秀樹=精神科医)


トランプ氏が大統領就任後のTPP離脱をビデオで明言 移民政策の厳格化も実施へ
BuzzFeed Japan 11/22(火) 9:54配信

トランプ次期大統領は11月21日(米現地時間)、米国民に向けたビデオメッセージで「就任初日に環太平洋経済協定(TPP)を離脱する」方針を明らかにした。【BuzzFeed Japan / 鈴木貫太郎】

トランプ次期大統領は「就任から100日」の優先政策についてのビデオメッセージを発表。貿易に関して、就任初日に「国内に大打撃を与える恐れのあるTPP離脱の意向を通知する」と明言した。

また、トランプ次期大統領はTPPを離脱する代わりに、「公正な二国間交渉」を実施するとの方針を示した。

トランプ氏は選挙中、TPPに真っ向から反対。「TPPは最低の協定だ」として、「ないほうがいい。むしろ個々の国とそれぞれに協定を結ぶ」と表明していた。

トランプ氏がTPP離脱の意向を表明したのは、安倍晋三首相とニューヨーク市内のトランプタワーで会談してから、わずか4日後だった。安倍首相は11月21日夜、「米国抜きでは意味がない」と述べるなど、翻意を求めていた。

安倍首相は会談後に「トランプ次期大統領は信頼できる指導者」と評価したが、日本政府が「成長戦略の柱」としてきたTPPはこれで暗礁に乗り上げた。

【米国経済活性化を優先】
トランプ次期大統領は11月21日に発表したビデオメッセージで、各国との貿易協定を再交渉することで、「雇用と産業を米国に取り戻すことができる」と強調。選挙戦から主張してきたように、米国経済を優先する姿勢を明確に示した。

【不法移民調査も明言】
トランプ次期大統領はまた、移民政策に関して「出入国査証の調査を実施する」と発表した。さらに、トランプ次期大統領は、国防省に包括的なサイバー攻撃対策を講じるよう命じると発表した。


米次期政権が負担増要求なら応じざるを得ず=韓国防衛事業庁長官
ロイター 11/22(火) 9:49配信

[ワシントン 21日 ロイター] - 韓国のチャン・ミョンジン防衛事業庁長官は21日、米国のトランプ次期政権が韓国に対して防衛費の負担増を要求した場合、受け入れざるを得なくなるとの見方を示した。

チャン氏は他の支出を縮小する必要があり、反発を招くことになるだろうと指摘。トランプ氏は選挙戦で、韓国が防衛費をさらに負担しなければ、在韓米軍の撤退も辞さない構えを示していた。

チャン氏は米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)での講演で、韓国の戦略的役割は北朝鮮の核の脅威からの防衛にとどまらず、中国やロシアからの防衛という役割もあると強調。

チャン氏は「もしトランプ次期米大統領が韓国との同盟関係において、(韓国側に)一層の負担を要求した場合、韓国は必然的にそれを受け入れざるを得なくなる」と語った。


<首相>TPP「米国抜き意味ない」 トランプ氏に翻意促す
毎日新聞 11/22(火) 9:46配信

 【ブエノスアイレス野原大輔】安倍晋三首相は21日(日本時間22日朝)、ブエノスアイレスで記者会見し、トランプ次期米大統領が離脱の意向を表明した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について「米国抜きでは意味がない。再交渉が不可能であると同様、根本的な利益のバランスが崩れてしまう」と述べた。米国抜きの発効を否定し、引き続きトランプ氏に翻意を促す考えを示した。

 首相はペルーのリマで19日に開かれたTPP参加12カ国の首脳会合で「TPPの高い戦略的、経済的価値が確認された」と指摘。トランプ氏の反対姿勢を念頭に「米国の大統領選後の状況を受けて、国内手続きを遅らせたり、やめようという国は一国もなかった」と述べ、参加国の結束を強調した。

 一方、北方領土問題を含む日露の平和条約交渉については「たった1回の首脳会談で解決するものではない。そんな簡単な問題ではない」と慎重な姿勢を示した。山口県で来月15日に行うプーチン大統領との会談を巡っては「私自身が直接やり取りをしながら、一歩一歩着実に進めていく考えだ」と述べ、解決の道筋を示すことに意欲を示した。

 プーチン氏は20日、首相との19日の会談で、北方四島の共同経済活動を協議したことを明らかにした。首相は「北方領土に対する従来の立場を何ら変えていない」として四島の帰属問題の解決を優先する姿勢を強調。そのうえで「四島の将来の発展について、日露が双方にとってウィンウィンの形で進めていくことが重要な視点だ。経済を含む日露関係を発展させる中で、平和条約交渉も前進を図ることが必要だ」と語り、領土問題と経済協力を並行して協議する考えを示した。

 首相は21日夜(同22日午前)、政府専用機でブエノスアイレスの国際空港を出発し、帰国の途に就いた。


トランプ氏夫人と息子、来夏までNYに居住
読売新聞 11/22(火) 9:30配信

 【ワシントン=黒見周平】米メディアは20日、次期米大統領ドナルド・トランプ氏(70)が来年1月の就任後、ファーストレディーのメラニア夫人(46)としばらく別居する見通しになったと伝えた。

 息子のバロン君(10)をニューヨークの私立小学校に今の学年が終わるまで通わせるためで、メラニアさんとバロン君はニューヨークのマンハッタンにあるトランプタワーに来年の夏頃までとどまる予定だ。

 トランプ氏は20日、自分はホワイトハウスに住む考えを示し、「今の学年が終われば一緒になる」と記者団に語った。米メディアによると、ファーストレディーがホワイトハウスに住まないのは異例だという。

 米紙ニューヨーク・タイムズは「大統領の家族が暮らし続けることになれば、大統領警護隊やニューヨーク市警にとって警備が大きな負担になる」と指摘した。


米FRB副議長「独立性は重要」=トランプ氏をけん制
時事通信 11/22(火) 9:24配信

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)のフィッシャー副議長は21日、CNNテレビで「中央銀行が独立性を保つことは経済にとって極めて重要だ」と語り、トランプ次期米大統領による金融政策への口出しをけん制した。

 トランプ氏は大統領選で、FRBが民主党政権を有利にするため、利上げを見送っていると主張。イエレンFRB議長を「恥知らず」とののしっていた。


トランプ次期米大統領、就任初日の「TPP脱退」を宣言 当選後初めて明言
産経新聞 11/22(火) 8:56配信

 【ワシントン=小雲規生】トランプ次期米大統領は21日、ビデオメッセージを発表し、来年1月20日の就任初日に「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から脱退する意志を表明する」と宣言した。トランプ氏が大統領選後にTPP脱退に言及するのは初めて。

 トランプ氏はメッセージのなかで「就任初日に起こせる行政府としての行動」を列挙。その一番目の項目としてTPP脱退の宣言を挙げた。そのうえで雇用や産業を米国に取り戻すため、二国間での自由貿易協定を目指すとしている。

 トランプ氏はこのほか、シェール開発や石炭産業への規制の緩和、インフラ設備へのサイバー攻撃の防止計画の策定、ビザ制度の悪用の調査を打ち出した。また行政府からの退職から5年間はロビイストになることを禁止し、政府が新たな規制をひとつ作る際には既存の規制を2つ廃止するルールも定めるとしている。

 トランプ氏は政権移行の準備状況について、「極めてスムーズで効率的かつ効果的に」進んでいると強調。次期政権の原則は「米国を最優先させることだ」として、次世代の生産活動や技術革新が米国内で起こる態勢を整えるとしている。


トランプ次期米大統領、就任初日にTPP離脱指示へ
ロイター 11/22(火) 8:41配信

[ニューヨーク/ワシントン 21日 ロイター] - トランプ米次期大統領は21日、就任初日の予定について語るビデオを公表し、環太平洋連携協定(TPP)からの離脱を通告する考えを示した。

トランプ氏は21日夜、大統領就任初日の予定をいくつか説明した。その中でTPPは「米経済にとって大惨事となる可能性がある」とし、離脱を正式に通告する意向を示した。

そのうえで、TPPに代わり「米国に雇用と産業を呼び戻す」二国間貿易協定の締結を目指すと言明。「米国第一」の中核原理を基本に据え、「次世代の生産や技術革新を米国内で実現し、国内労働者に富と雇用をもたらすことを望む」と述べた。

このほか就任初日には、国内でのシェールオイルやクリーンコール生産に関する一部規制を解除する方針だ。

移民によるビザ絡みの不正を調査するよう労働省に指示する考えも示した。

トランプ氏はまた、新政権の人事をめぐりニューヨークで候補者と面談した。

この日は、内務省のポストが取り沙汰されるオクラホマ州のファリン知事や、ガバード下院議員(民主党、ハワイ州)、ペリー前テキサス州知事らと面談した。

ガバード下院議員は、面談ではシリア内戦や反テロ対策などの外交政策が主な話題だったと述べたが、閣僚ポストについて話し合ったかどうかは明らかにしなかった。

ファリン州知事は記者団に対し、新政権でのポストは提示されなかったが、「幅広いテーマ」について話し合ったと述べた。

政権移行チームによると、ペリー氏は国防長官やエネルギー長官などいくつかのポストで候補に名前が挙がっている。

トランプ氏はこのほか、ギングリッチ元下院議員や、チャオ元労働長官とも面談した。


トランプ次期大統領「就任初日にTPP離脱通告」 2国間協定交渉へ
AFP=時事 11/22(火) 8:37配信

【AFP=時事】(更新)米国のドナルド・トランプ(Donald Trump)次期大統領は21日、日米など12か国が署名した環太平洋連携協定(TPP)について、選挙戦の公約通り「就任初日に」離脱を通告する考えを明らかにした。

 トランプ氏は就任後100日間の優先事項の概略を述べた動画メッセージで「われわれの法を回復し、雇用を取り戻すため、就任初日に大統領令で実行できる行動のリストを作成するよう、私の政権移行チームに指示した」と説明。

 その上で「貿易に関しては、わが国に災難をもたらす恐れがある環太平洋連携協定からの離脱の意思を通告する。その代わりに、雇用と産業を米国に取り戻す公平な2国間貿易協定の交渉を進めていく」と言明した。

 トランプ氏は議会承認を必要としない大統領令で迅速に取り組む優先課題として、TPP離脱を含む6項目を列挙。「米国人労働者を損なっている」とする就労ビザ(査証)の乱用に対する調査を労働省に指示することや、「シェールエネルギーやクリーンな石炭を含む米エネルギー生産に対して設けられ、多数の雇用を奪っている規制」を撤廃することなども表明した。

 安全保障面では「米国の重要インフラをサイバー攻撃などあらゆる攻撃から守る包括的な計画の作成」を国防総省と統合参謀本部議長に求めるとした。

「私の政策課題は単純な根本原則に基づくことになる。それは米国を第一にすることだ」。トランプ氏はそう強調した。【翻訳編集】 AFPBB News


TPP離脱を宣言=次期米大統領、就任初日に
時事通信 11/22(火) 8:27配信

 【ワシントン時事】トランプ次期米大統領は21日、動画メッセージを発表し、環太平洋連携協定(TPP)の枠組みから離脱する意向を、来年1月20日の就任初日にも議会や協定参加国に通告すると宣言した。

 大統領選の公約に掲げていたTPP離脱に言及したのは、選挙後では初めて。

 日本などTPP参加国はトランプ氏に協定にとどまるよう働き掛けてきたが、同氏の決意は揺らがなかった。メッセージでは「TPPは米国にとって潜在的な災いだ」と主張し、就任初日に大統領権限で実施可能な政策の一つに、TPP離脱を挙げた。

 トランプ氏はTPPに代わり「公平な2国間貿易協定を交渉し、雇用と産業を米国に取り戻す」と語り、米国の利益を要求しやすい2国間交渉に軸足を移す考えを示した。TPPが発効するには米国の批准が不可欠。日米など12カ国が署名し、アジア広域での連携を目指したTPPは発効が絶望的な状況となった。 

 安全保障政策では、米国のインフラをサイバー攻撃を含む全ての攻撃から守る包括的な計画を作成するよう国防総省と統合参謀本部議長に求めると述べた。また、不法移民の強制送還に向け、ビザ(査証)プログラムの乱用を洗い出すよう労働省に指示すると表明。原油や石炭の採掘、利用に関する規制も撤廃の対象となると訴えた。

 一方、トランプ氏は閣僚人事や政権移行作業について「順調、能率的かつ効果的に進んでいる」と指摘。「本当に偉大で有能な愛国者と会談を重ねており、その多くは間もなく新政権の一画を担うことになる」と語った。

◇次期米大統領の政策骨子
 一、環太平洋連携協定(TPP)離脱を就任初日にも通告。2国間交渉へ
 一、サイバー攻撃含むすべての攻撃に対する包括防衛計画を作成
 一、不法移民の強制送還に向け、ビザ(査証)プログラムの乱用を調査
 一、原油や石炭の採掘、利用規制は撤廃検討


ジョセフ・ナイ・ハーバード大教授「日米同盟の重要性は明確」
産経新聞 11/22(火) 7:55配信

 米国の元国防次官補でハーバード大のジョセフ・ナイ教授は21日までに産経新聞の取材に応じ、ドナルド・トランプ次期米大統領政権下での日米同盟について「日米同盟の重要性はいかなる政権でも明確であるべきだ」と述べ、トランプ氏に重視するよう求めた。北朝鮮が核・ミサイル開発を進める中、今後も日米が協力して地域の安定に貢献していくべきだとの考えを示した。

 民主党のオバマ政権から共和党のトランプ政権に移行することによる日米関係の変化については、「トランプ政権と日本との関係を推測するにはまだ早い」としながらも、「日本政府関係者が心配するよりも日米関係の変化は小さなものになると予測している」と述べた。

 「とりわけ安全保障面での関係の変化は小さいだろう」と語り、日米同盟の基本路線は維持されるとの見通しを示した。

 また、トランプ氏が国家安全保障問題担当の大統領補佐官に退役陸軍中将のマイケル・フリン元国防情報局(DIA)局長、ホワイトハウスの実務を取り仕切る大統領首席補佐官にラインス・プリーバス党全国委員長の起用などを決めたことを受け、「日米同盟の重要性を理解する人たちだ」と評価した。

 米ニューヨークで17日(日本時間18日)にトランプ氏と安倍晋三首相が会談したことには、「日米同盟の重要性における点で心強い」と指摘。トランプ氏が大統領選後初の海外首脳との会談に安倍首相を選んだことが日米同盟の重視につながることに期待を示した。

 米政権のブレーンで知日派としても知られるナイ氏は、リチャード・アーミテージ元国務副長官らと日米同盟の強化を求める報告書をまとめるなど、日米安全保障政策に関し大きな影響力を持つ。(坂本一之)


独首相、4選へ出馬 「盟主」期待も険しい道
産経新聞 11/22(火) 7:55配信

 【ベルリン=宮下日出男】ドイツのアンゲラ・メルケル首相(62)が20日、2017年秋に行われる見通しの連邦議会選挙で首相4期目を目指す意向を正式表明した。トランプ次期米大統領の出現や英国の欧州連合(EU)離脱決定で欧米の先行きに不透明感が漂う中、「欧州の盟主」としての安定感と指導力に期待が寄せられるが、道のりは険しさも増している。

 「この時代、私の全経験を生かさねば、人々の理解は得られないだろう」

 メルケル氏は20日の記者会見で続投の理由をこう説明した。英離脱問題やトランプ政権下の米国の行方、対ロシア関係など欧州を取り巻く状況は不確実性を増す。国を約11年間率いてきた身として、首相職を今、投げ出すことはできないとの責任感をにじませた。

 もともとメルケル氏の続投は既定路線と目されていた。ただ、表明は移民・難民流入問題の対応をめぐる対立で与党内の調整が難航し、早くとも12月初旬の(自身が率いる)保守系与党、キリスト教民主同盟の党大会とみられていた。予想外のトランプ氏の勝利がこの段階で表明する環境をつくりだした格好だ。

 欧米では米国が孤立主義を強め、大衆迎合主義(ポピュリズム)が伸長することへの不安が高まる。メルケル氏には「今や自由主義世界のリーダー」(英紙)との期待が上がり、17日に会談したオバマ米大統領は「これ以上信頼できるパートナーはいない。投票権があれば支持する」と称賛。

 05年に首相就任。ユーロ危機や移民流入、ウクライナ問題など相次ぐ危機の対応を主導し、欧州をかじ取りする主要な指導者として地位を確固とした。ただ、続投を目指す環境はこれまでになく厳しい。

 難民への「寛容策」は国内で反発も招いた。メルケル氏の支持率は5割超を保つが、3期目ピーク時の7割超から低下。自党の支持率も13年の前回総選挙の得票率から約10ポイント下落した。反難民を掲げる右派の大衆迎合政党が台頭する一方、今の連立相手を含め、左派系政党が「反メルケル」でまとまる可能性もある。

 メルケル氏は18日、米欧5カ国首脳と協議した。だが、出席者のうち、オバマ氏は去り、メイ英首相はEU離脱問題を抱える。オランド仏大統領は先行き不透明で、イタリア、スペインの首脳も政権は不安定だ。

 「責任は重大だが、タフだ」。オバマ氏はメルケル氏をこう激励したが、メルケル氏は20日、「経験が豊富でも、誰も一人では欧州の状況を上向きにはできない」と不安ものぞかせた。


保護主義に対抗宣言 APEC閉幕
産経新聞 11/22(火) 7:55配信

 【リマ=田北真樹子】ペルーの首都リマで開かれていたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議は20日(日本時間21日)、あらゆる保護主義的な動きに対抗し、自由貿易推進の決意を表明した首脳宣言を採択して閉幕した。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に否定的なドナルド・トランプ氏が次期米大統領に選ばれたことから、トランプ氏が“陰の主役”として関心を集めた。

 安倍晋三首相は首脳会議で、「自由貿易こそが世界経済の成長の源泉。格差が拡大するという懸念が保護主義をもたらす。日本は自由貿易を推進し続ける」と強調した。またTPPにより、零細・中小企業が安心して海外展開できるようになるとの見通しを示した。

 首脳宣言は、自由貿易の恩恵を広範に行き渡らせるため「社会のあらゆる分野に働きかける必要性」を認識し、経済成長による格差解消の重要性を訴えた。

 また、APEC全域を網羅するアジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)の実現に向け、FTAAPに関する「リマ宣言」をまとめた。

 来年のAPEC首脳会議はベトナムで開かれる。


米兵とメキシコ料理、「壁」できず 横田基地周辺の店、トランプ氏当選後も盛況
産経新聞 11/22(火) 7:55配信

 米大統領選中に、メキシコとの国境に「壁」を築くと訴えたドナルド・トランプ次期米大統領。だが、米軍横田基地(福生市など)近くのメキシコ系料理店はトランプ氏当選後も、変わらぬにぎわいを見せる。メキシコ系料理は、同国に隣接する米南部テキサス州などではなじみの深い“郷土料理”。さすがの大統領も、基地関係者とメキシコ系料理を分断する「壁」を作ることは難しそうだ。

 黄色の土壁に原色の織物、つばの広い帽子「ソンブレロ」が飾られ、陽気なラテン系音楽が流れる飲食店「テキサス&メキシカン レストラン マイクス横田店」(同市)。基地から歩いて約10分の好立地にあり利用客の約8割が基地関係者で、ランチやディナーでにぎわう人気店だ。

 実際のメキシコ料理で使われるソースよりも辛みを抑えた調味料を使うなどして、米国人の好みに合わせ食べやすくアレンジした「テクスメクス料理(米テキサス風メキシコ料理)」を提供している。

 しかし、今月の大統領選挙では、米国とメキシコ国境に壁を作ることを看板公約に掲げていたトランプ氏が当選。米軍基地近くのメキシコ系料理店への影響も懸念されるところだが、同店の保科嘉宏オーナー(40)は、「特に客足が減るなどの変化は見られない」と話す。

 トランプ氏当選後、同店で昼食中のテキサス州出身の米国人女性(36)は、トランプ氏の公約について聞かれると、ばかばかしいといった表情で深いため息をつき、「テクスメクス料理は、米南部では小学校の食堂などでよく昼食のメニューとして出されるほど、食文化として根付いている」と現状を説明。

 「祖父もよく作ってくれた思い出の味でもあり、小さい頃から慣れ親しんだローカルフードに壁を作るのはいかに大統領でも難しいと思う」と冗談っぽく笑った。

 一緒に食事をしていたコロラド州出身で、テキサス州出身の夫が同基地に所属するという女性(23)も「私はスパイスのきいた味付けのメキシコ料理が好きだし、米国でもよく食べてきた。夫が、小さい頃から慣れ親しんだテクスメクス料理を食べるのをやめるとは思えない」と影響を気にしていない様子。

 トランプ氏は当選後、公約の一部を修正する態度を示唆しており、女性は「今後、次期大統領の方針が変わる可能性もあるし私は物事を楽観的にみている」と強調。「どちらにしろ、トランプ氏がメキシコ国境に壁を作ったとしても、2国間の交流は続くだろうし、私自身もメキシコ料理を食べ続けると思う」と笑顔で話した。

 メキシコ料理などを基地付近で提供する別の飲食店「MACHO TACOS TAQUERIA(マッチョ タコス タケリア)」(同市)でも、米大統領選後も変わらず、軍服姿の基地関係者が食事を注文する姿が見られ、メキシコ料理への親しみは変わらぬようだ。


日米首脳、立ち話でおしまい オバマ氏への遠かった道
産経新聞 11/22(火) 7:55配信

 安倍晋三首相は20日(日本時間21日)、訪問先のペルーの首都リマでオバマ米大統領とごく短時間、立ち話を交わした。両首脳は、この4年間の日米同盟強化の取り組みについて「双方が強い指導力を発揮してきた」と互いをたたえ、感謝を述べあった。ただ、おそらく最後の接触となるにもかかわらず、米側は正式な首脳会談も開こうとせず寂しい幕引きとなった。首相にとってオバマ氏は、どんな大統領だったのか。 (阿比留瑠比)

                   ◇

 「これは大丈夫だ。うまくやっていける」

 トランプ米次期大統領との初会談ではこう手応えを感じた安倍首相だが、オバマ氏との関係は当初、ぎこちなかった。オバマ氏がこの5月に現職の米大統領として初めて、被爆地・広島を訪れるほど両首脳の関係が構築されるまでの道程は、平坦(へいたん)ではなかった。

 ◆当初は距離感、対立も

 「オバマ氏とのガチンコ勝負になる」

 平成25年2月22日のワシントンでのオバマ氏との初会談前夜、再登板を果たして約2カ月の安倍首相は周囲に意気込みを語った。首相は当初、1月中の訪米を目指していたが、米側が日程調整などを理由になかなか首を縦に振らず、じらされての会談実現だった。

 オバマ氏サイドに対しては、安倍首相の就任前から日米双方の左派・リベラル勢力によって「危険なナショナリスト」「歴史修正主義者」などといったレッテルが刷り込まれていた。

 この訪米の際のオバマ氏主催の昼食会でも、安倍首相を含む両国要人がワイングラスを傾ける中で、オバマ氏のテーブルの上にはミネラルウオーターが1本置かれているだけだった。オバマ氏はあくまで前評判通りの「ビジネスライク」に徹し、胸襟を開く様子はなかった。

 「初めの頃、オバマ氏は私を腫れ物に触るように扱っていた」

 安倍首相が周囲にこう振り返るように、日米両首脳には当初、明らかに距離感があった。それどころか、この年12月に首相が靖国神社に参拝すると、米側が「失望」を表明するという日米対立まで起きた。

 「オバマ政権は全く戦略的でない。あんな声明を出したって、中国や韓国の反日勢力を勢いづかせてかえって東アジアの緊張を高めるだけだ。米国の世界戦略として全く意味がない」

 安倍首相は周囲にこう激怒したが、同時に日米関係の修復・強化の手も冷静に打ち続ける。国際会議や各国首脳との個別会談などあらゆる機会を通じ、自身は自由、人権、法の支配など民主主義の諸価値を何より大切にしていることを訴え続けた。また、首脳会談を拒否している中韓に対しても、「対話の窓」は常に開かれていることを強調し、徐々に国際社会での信用を高めていく。

 ◆信頼勝ち取り、広島へ

 一方、オバマ氏は「世界中の首脳に友人がいない。特に英国、サウジアラビア、イスラエル…と同盟国とは関係が悪い」(外務省)といわれる孤立気味の大統領でもあった。

 26年6月にブリュッセルで行われた先進7カ国(G7)首脳会議では、ウクライナ問題を引き起こしたロシアへの制裁方針をめぐって首脳間でオバマ氏が孤立し、オランド仏大統領とは激しい口論にもなった。そこに助け舟を出し、会議を軟着陸させたのが安倍首相だった。周囲にこの時のことをこう明かしている。

 「イタリアのレンツィ首相にはハイタッチを求められ、オバマ氏には初めてハグ(抱擁)された」

 ようやくオバマ氏が、安倍首相への信頼を態度に表した瞬間だった。さらに安倍首相は、安全保障と歴史問題の2つの面から戦略的に日米同盟強化を図る。

 安保面では、一時的に内閣支持率を約10ポイント犠牲にしてまで米国や英連邦各国からの要請が強かった特定秘密保護法と、集団的自衛権を限定容認する安全保障関連法を相次ぎ成立させた。

 歴史問題においては、米上下両院合同会議演説で米議会を魅了する「和解」のメッセージを発し、米国が歓迎できる戦後70年談話を発表した。安倍首相はこの頃、「米国に対しては、歴史問題はもう終わった感がある」と感想を漏らした。

 外交面での実績の積み重ねと、内政における高い内閣支持率の維持という強い政権基盤を示したことで、ようやくオバマ氏の広島訪問に持ち込んだのである。

 一方、トランプ氏とはどうなるか。安倍首相は会談後、周囲にこう今後への自信を示していた。

 「トランプ氏と(外国首脳として)最初に会えたのはよかった。初接触は重要だ。彼は基本的に、大統領就任までの会談要請は断っているということだ」


トランプ氏、内務長官に投資家ウォッシュバーン氏の起用検討
ロイター 11/22(火) 7:08配信

[21日 ロイター] - トランプ次期米大統領は、内務長官にダラスを拠点とする投資家のレイ・ウォッシュバーン氏の起用を検討している。米CNBCが21日、政権移行チームの関係者の話として伝えた。

ウォッシュバーン氏は、トランプ氏の大統領選挙に向けた資金集めを担う資金調達委員会で副委員長を務めた。


トランプ政権“狂犬”発動!?国防長官候補にマティス氏
スポニチアネックス 11/22(火) 7:01配信

 トランプ次期米大統領が首席補佐官に指名したプリーバス共和党全国委員長は20日、国防長官候補とされるジェームズ・マティス元中央軍司令官(66)の起用について「非常に可能性が高い」との見方を示した。ABCテレビの番組で語った。マティス氏は“狂犬”の異名を持つ歴戦の勇士。“暴言王”トランプ氏の軍事面を“狂犬”がつかさどることになる。

 マティス氏は19歳で海兵隊に入隊し、軍歴は44年。2004年に米軍機の攻撃でイラク西部カイム付近の住民40人以上が死亡した事件が起きた際には、米軍が結婚式会場を誤爆したとの見方が広がったが、指揮を執ったマティス氏は「謝罪の必要はない」「敵こそ全世界に謝罪すべきだ」と責任は反米武装勢力の側にあると主張した。その後、10年から13年にかけて中東地域を管轄する米中央軍司令官を務めた。

 激しい物言いが狂犬と言われるゆえん。「海兵隊は“敗北”の文字を知らない」といった超強気な発言のほか、「人を撃つのが楽しい」「戦いは底抜けに面白い」「礼儀正しく、プロであれ。でも出会った人は全て殺すつもりでいろ」などと言い放って物議を醸してきた。

(将軍の中の将軍/) 米CNNによると、退役将校が国防長官に就任するためには通常、7年の退役期間が必要とされる。13年に退役したマティス氏はこの条件を満たしていないため問題になると指摘。ただ、上下両院の過半数を共和党が占めていることから、問題なく承認を得られるという見方もある。

 共同電によると、トランプ氏は19日にマティス氏と面会。終了後は建物の外で、一緒にメディアの写真に納まっている。トランプ氏は20日に自身のツイッターで「将軍の中の将軍」と太鼓判を押していた。


中国が「トランプ新時代」に最も危惧していること あるベテラン外交筋との一問一答
現代ビジネス 11/22(火) 7:01配信

 先週、一週間にわたって北京と上海を訪れた。11月9日に、ドナルド・トランプ候補が次期アメリカ大統領に確定してから、安倍晋三政権の動きは慌ただしいが、中国政府の動きは、ほとんど伝わってこない。

 そこで、トランプ新時代の中国がアジアで何を目指し、どのような米中関係、及び日中関係を築いていくつもりなのかを、見定めようとしたのだ。

 思えば先週は、安倍首相とトランプ次期アメリカ大統領の「トランプタワー会談」、北方領土問題を巡る安倍首相とプーチン大統領の15回目の日ロ首脳会談、そしてペルーでのAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会合など、日本にとって重要外交が目白押しだった。中国は、こうした安倍首相の一挙手一投足を注視していた。

 以下、北京のあるベテランの外交関係者と私との、トランプ新政権をめぐる一問一答をお伝えしよう。

新政権のメリット・デメリット
 近藤: まず最初に、今回のアメリカ大統領選の結果を、中国政府はどう捉えているのか? 
 中国人: 「百年不遇的大機会」(百年に一度の絶好のチャンス)と捉えている。アメリカ人の選択に万歳だ。

 近藤: なぜ万歳なのか、具体的に教えてほしい。

 中国人: われわれは、「希拉里」(ヒラリー)と「特朗普」(トランプ)の双方が勝利するケースを想定し、それぞれ中国にとってのメリットとデメリットを計算していた。

 もし「希拉里」が勝利した場合、中国のメリットは、良くも悪くも彼女の考え、スタイルなどをすでに熟知していることだった。そしてデメリットは、わが国に対する「上から目線」(強硬路線)だ。

 「希拉里」が最初に中国を訪問したのは、1995年9月に北京で開いた第4回世界婦人大会の席だった。その時、「希拉里」はアメリカの「第一夫人」(ファースト・レディ)で、われわれは彼女に対し、最高のもてなしをした。

 一例を挙げれば、彼女がアメリカ代表として訪中して演説するメンツのために、北京最大の目抜き通り「長安街」に、中華全国婦連ビルを建てたようなものだった。おかげで彼女は後に、「あのときの訪中が、自分の政治家としての原点だった」と述懐している。

 その時の「美しい思い出」が遠因となって、「克林頓」(クリントン)大統領夫妻は、1998年6月から7月にかけて、9日間も訪中した。アメリカを代表する企業の経営者ら1200人もの随行者を引き連れて、西安、北京、上海、桂林、香港を回ったのだ。われわれもアメリカを敵に回さないために、中国ビジネスとチャイナ・マネーという「蜜の味」を存分に捧げた。

 彼女が今回、いわゆる「メール問題」で多額の裏金を受け取っていたという疑惑報道を見ていると、あの頃と変わっていないなという印象だ。彼女はとにかく、カネが大好きな「成金娘」だった。

 だが、金の切れ目が縁の切れ目とでも言うべきか、2009年1月にオバマ政権下で国務長官に就くと、世界中からカネ集めができるようになったせいか、とたんに中国に冷たくなった。そして2010年7月、ハノイで開かれたARF(ASEAN地域フォーラム)で、南シナ海の領有権問題に関与していくと宣言したのだ。

 以後は、わが国の友好国であるベトナムとミャンマーを引き剥がしていった。

 「希拉里」政権が誕生したら、目指すのは「奥巴馬」(オバマ)政権の継続ではなくて、強化だったろう。日本と組んで、新たな中国包囲網を目指したに違いない。

 それに対して、「特朗普」はどうだろう。選挙演説を聞いていると、在日アメリカ軍を撤退させるとか、経済的中国包囲網であるTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を大統領に就任した日に破棄するとか、頼もしいことを言ってくれるではないか。

 大統領選の影に霞んでしまったが、今回の選挙によって、上下両院を共和党が制したことも大きい。過去の中米関係を振り返ると、共和党政権の時の方が民主党政権の時よりも、おおむね良好だったからだ。

 もう一つ、「特朗普」政権が、日本に対して経済的及び軍事的に、これまでの政権とは比較にならないほど厳しい態度に出ることが見込まれることも、中国にとってメリットの一つだ。

 だが実際には、いまのところあまりに「特朗普」に対する情報が少ない。行動や政策がまったくの未知数というのが、デメリットだ。

安倍首相の外交パフォーマンス
 近藤: 「トランプ新政権が未知数なのがデメリット」というが、それは日本も同様だ。だが最近の日本の報道を見ていると、安保問題にしても経済問題にしても、側近にベテランの重鎮たちを起用したので、トランプ氏が選挙期間中に吹聴していたようなおかしなことにはならないという論調が目立つ。

 中国人: それは違う。「特朗普」は、共和党出身とはいえ、共和党の各種利益団体から献金を受けて勝ったわけではないので、これまでのアメリカ大統領に較べて、就任後の行動は束縛されないだろう。すなわち中国と同様で、トップダウンで決定がしやすいわけだ。これは周囲の対中強硬派に左右されないという意味で、中国にとってはありがたいことだ。

 習近平主席も、今回の「特朗普」と同様、いわゆる「本命候補」ではなかったため、「中南海」(最高幹部の職住地)に基盤がほとんどなかった。それで政権に就いた当初は、やれ「弱い皇帝」だ、「傀儡政権」だなどと揶揄されたものだ。

 それが、4年経ったいまはどうだ? ロシアのプーチン大統領も、就任当初は同様だったではないか。むしろ基盤がない指導者の方が、利害関係がない分、ワンマン指導者になれるのだ。

 重ねて言うが、これからの展開としては、ワシントンに基盤のない「特朗普」が周囲の言うことを聞くのではなくて、周囲が「特朗普総統」(トランプ大統領)の意向に染まっていくということだ。

 アメリカでも、かつてレーガン大統領が誕生した時は同様だったではないか。だからわれわれは、周囲の幹部たちも重要視しているが、あくまでも「本命」は「特朗普」本人だ。

 近藤: トランプ氏本人が重要だと考えるのは、日本も同様だ。だからこそ安倍首相は11月17日、世界の首脳に先駆けてニューヨークのトランプタワーを訪問し、90分にわたって日本を売り込んだのだ。あの会談は、安倍首相のこの4年近い執政の中で、一世一代の外交パフォーマンスだった。

 中国人: 私はまったくそうは思わない。安倍・特朗普会談のニュースは、中国中央電視台(CCTV)のニュースなどでも大きく取り上げられたが、ある解説者は安倍首相の心情を評して、「心存僥幸」(もしかしたらうまくいくかもしれないと心に期待する)と言っていた。なかなかうまいことを言うと思った。

 つまり、二人の会談が成功だったというのは、あくまでも日本側の期待感が多分に混じっているということだ。むしろ大統領就任前に直接会ったことで、「特朗普」は安倍首相の「両面派」(八方美人)的性格を見破って、日本にとっては損になったのではないか。

 安倍首相は、9月の杭州G20で、習近平主席と和気藹々とした首脳会談を行っていながら、それが終わるとすぐに記者団の前で、中国を非難した。まさに「両面派」の政治家だ。「特朗普」は百戦錬磨の商人だから、すぐに安倍首相の「面貌」を見破って、信用できない男だという判断を下したのではないか。

中国が注目する2人のキーパーソン
 近藤: そのような判断を下すことこそ、中国側の願望ではないか。日本は、すでにトップが90分間会談してパイプを築いたが、習近平主席は、短時間電話で話したにすぎない。中国はトランプ新政権にアプローチを取っているのか? 
 中国人: 日本は「先発制人」(機先を制す)で、一刻も早く「特朗普」とのパイプを築こうと、しゃかりきになった。だがわれわれは、「後発制人」(後発の者が制す=「後出しじゃんけん」の意)の精神で、まずはじっくり様子見しているのだ。

 何せ、「特朗普」はまだ実際に大統領に就任したわけでもなければ、新政権のスタッフがすべて定まったわけでもない。明確な外交政策も打ち出していない。いわばアメリカの一市民ではないか。そんな中で、こちらから動いてどうするのか。

 実際には、2年も待てば、「特朗普」政権のボロが次々に出てきて、窮地に陥ると見ている。70歳の政治の素人が、いきなり世界最大の超大国を統率するのは、容易ではないからだ。

 そうなったら「商人総統」は、世界第2の経済大国である中国の「老板(ラオバン)」(習近平主席)に、頭を下げて「商談」をしに来るに決まっている。ビジネスは結局、カネを持っている方が有利なのだから、こちらは相手の出方を慎重に見極めた上で動けばよいのだ。

 近藤: それでは、中国はいまは何もせず、ただ傍観しているのか? 
 中国人: (ニヤリとして)そんなことはない。すでに着々と、布石を打っている。

 2人のキーパーソンを教えよう。一人目は、副大統領に就任するマイク・ペンス・インディアナ州知事だ。

 これまでの副大統領は、「ホワイトハウスの盲腸」などと揶揄され、大した役割は果たしてこなかった。だが、トランプ新政権におけるペンス副大統領の役割は、極めて重要だ。

 われわれは、「特朗普総統」が、4年の任期内に大統領職を放り投げる可能性も視野に入れている。「不動産王」と呼ばれた彼の目標は、「人生の終着点に大統領の玉座に座ってみること」にあったわけだ。いわば「人生ゲーム」のような感覚で大統領選挙戦をやっていた。

 だから、24時間365日プライバシーもない「白宮」(ホワイトハウス)の生活が居心地悪ければ、サッサと降りてしまう可能性がある。そうなったら、ペンス副大統領が大統領職を代行することになる。

 ペンス副大統領の地盤であるインディアナ州と、中国で過去20年にわたって友好姉妹関係を結んでいるのが、習近平主席の最大の地盤である浙江省だ。習主席は、浙江省党委書記(省トップ)時代(2002年~2007年)に、当時インディアナ州選出の下院議員だったペンス氏と交友がある。また、習近平政権の中枢を担っている「浙江閥」(浙江省出身者)は、ペンス副大統領と強いコネクションを持っている。

 二人目は、トランプ大統領の長女イヴァンカ嬢の夫であるジャレッド・クシュナー氏だ。35歳のクシュナー氏は、単に大統領の娘婿というだけでなく、岳父の大統領選挙のすべてを取り仕切っていた片腕だ。17日の安倍・特朗普会談の写真を見ても、同席していたではないか。

 実はクシュナー氏の弟、ジョシュア・クシュナー氏の恋人であるカーリー・クロス嬢は、アメリカで有名なモデルで、ニューヨークのファッション業界をリードする存在だ。そのクロス嬢と、昨年から多額の専属モデル契約をしているのが、華為(ファーウェイ)なのだ。だからクシュナー一家は、中国とは大変親しい関係にある。

「商人総統」の動き方
 近藤: なるほど。他には、現在中国として、新たな米中関係の構築に向けて、どんな準備をしているのか? 
 中国人: それは多種多様な準備や研究をしている。外交関係者たちは、誰もが大忙しで、「これでは春節(旧正月)も休めない」などとぼやいているくらいだ。

 一つだけ、興味深いことを教えよう。それは、政治問題や軍事問題を経済問題にすり替える戦略の研究だ。

 「特朗普」は「商人総統」だ。これまでのアメリカ大統領というのは、例えば「小布什総統」(ブッシュJr.大統領)が典型例だが、コストを度外視して戦争をおっぱじめたりした。ところが、「特朗普」は根っからの商人だから、常にコストを第一に考えながら政策を決定していくに違いない。

 つまり、中国と政治問題や軍事問題で対立する莫大なコストを考えれば、むしろ友好関係を結んだ方が、アメリカにとって利益になると考えるだろうということだ。

 実はそのことは、1979年に中米の国交が正常化して以降、アメリカの歴代政権が取って来た道だった。より正確に言えば、どの大統領も就任当初は中国に対して手厳しいが、政権の後半になっていくと、中国ビジネスやチャイナマネーの旨みを知って、顔がほころんでくるのだ。

 唯一の例外が、「奥巴馬総統」(オバマ大統領)だった。最初は中国との友好を謳っていたから、2009年11月の初訪中の際に、われわれは上海ディズニーランドの認可をプレゼントした。ところがその後、徐々に中国に対して強硬になっていき、昨年秋からは、やれ「航行の自由作戦」だ、韓国へのTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)配備だと喧しい。

 だが「特朗普総統」は商人なので、就任当初から、中国ビジネスとチャイナマネーの旨みに気づくはずだ。

北方領土は帰ってこない
 近藤: トランプ新時代を迎えて、世界が激変することが見込まれるが、一番大きな変化になるかもしれないのが、「米ロ新冷戦」と言われた時代の終焉だ。周知のように、トランプ氏は選挙期間中、プーチン大統領のことを「最も尊敬に値する指導者」と持ち上げ、ロシアとの関係改善を公約に掲げてきた。

 図らずも、安倍首相もロシアとの関係改善を目指していて、来月15日にはプーチン大統領を、安倍首相の故郷である山口に招くことになっている。トランプ時代のロシアという存在を、中国はどう見ているのか? 
 中国人: 一つ、言っておこう。先ほど、わが国が政治・軍事問題を経済問題にすり替える研究をしていると述べたろう。実はその中には、日ロの北方領土交渉の研究も含まれているのだ。

 一言で言えば、ソ連邦が崩壊してロシアが混乱に陥った前世紀末、日本は北方領土を買い取るチャンスがあったということだ。19世紀には、アメリカがロシアから広大なアラスカを買い取ったし、平和的に領土を買い取るという場面は、世界史においてしばしば見られることだ。

 それなのに、日本は千載一遇のチャンスを逃したのだ。もはや、「普京総統」(プーチン大統領)が山口県に来ようが、安倍首相がロシアへ行こうが、北方領土が日本に返ることはない。11月7日にサンクトペテルブルクで李克強総理と「梅徳韋傑夫総理」(メドベージェフ首相)が会談した時にも、北方領土を日本に返還するという報告はなかった。

 総じて言うと、これからの世界は、中米ロの三国鼎立時代を迎えるだろう。アジアでは中国の影響力が強まり、ヨーロッパではロシアの影響力が強まる。冒頭で「百年に一度のビッグチャンス」と言ったのは、このことを指している。

最大の懸念は日本の核武装化
 近藤: 最後に一つ、日本が気になっていることを聞きたい。日本では、アメリカに政治の空白ができる来年の1月20日までに、中国が8月上旬の時のように「尖閣襲来」を仕掛けるとか、南シナ海の軍事要塞化を一気呵成に進めるといった憶測報道が飛び交っている。中国はこうした挙に出る気でいるのか? 
 中国人: そんな報道はナンセンスの極みだ。南シナ海で領有権を争っているフィリピンとは、周知のように、「小特朗普総統」(ミニ・トランプ大統領)が10月に訪中し、「親中派宣言」をしたではないか。

 また、いま日本と揉め事を起こしたら、われわれにとって百害あって一利なしだ。

 なぜかといえば、今回の「特朗普総統」誕生を受けて、われわれが最も危惧しているのが、日本の核武装化なのだ。日本は、在日アメリカ軍が撤退してしまうかもしれないと危惧しているようだが、それを同じくらい危惧しているのが中国だ。日本が核武装したら、アジアの安全保障秩序は、根本から変わってしまう。

 中国にとっては、在日米軍が撤退し、かつ日本が核武装しないという選択肢がベストだが、そううまくはいかないだろう。その意味でも、中国は今後の日米同盟関係を注視しているのだ。

 * * *

 今回、中国を訪問して、2017年からアジアも激変していく予兆を感じた。次週も引き続き、この問題を取り上げたい。

 【今週の推薦図書】

 『トランプ自伝―不動産王にビジネスを学ぶ』
(ドラルド・トランプ&トニー・シュウォーツ著、ちくま文庫)

 本書の原文は、いまから30年近く前の1987年にアメリカで出たものなので、いまのトランプ新政権を読み解くにはあまり役に立たないかみしれないと思って読み始めたら、止まらなくなった。この時といまのトランプは、何一つ変わっていない。唯一変わったのは、奥さんくらいだ。
もう一つの感想は、「この方、英語を話す中国人みたい」と思ったことだ。何事も持ち帰って会議にかけず即断即決するビジネス習慣、データよりも直感を重視する経営手法、永遠の敵も味方もなく己の欲得に忠実な処世術、信じられるのは家族とカネだけだという人生哲学などなど、多分に中国人的なのだ。
ともあれ、大統領選の発言を振り返るより、この自伝を読んだ方が、トランプ新大統領を百倍理解できることは請け合いだ。


トランプ大統領誕生の絶望と希望~結局、日米同盟はどうなるの? 日本が「得すること・損すること」
現代ビジネス 11/22(火) 7:01配信

安倍首相の第六感
 「これはアメリカ発の新たな『9・11』テロ事件だ……」

 「夏にイギリスがEUから脱退を決めた時の50倍の衝撃だ……」

 「ベルリンの壁が崩壊して27年、新たなメキシコの壁ができてしまう……」

 11月9日、東京・霞が関の外務省、財務省、経産省などでは、アメリカ大統領選の開票が進むにつれて、ゲッソリした表情と溜め息が、各所で見られた。

 その頃、首相官邸の主である安倍晋三首相は、癇癪を起こしていた。外務省の杉山晋輔事務次官、石兼公博総合外交政策局長、森健良北米局長らを次々に官邸に呼びつけては、当たり散らした。

 「一体どうなっているんだ! 外務省は『ヒラリー勝利で間違いありません』と、ずっと言い続けていたではないか! 話が違うよ。TPP(環太平洋パートナーシップ協定)や日米同盟は、この先、どうなってしまうんだ? 刻も早くトランプと直接話ができるよう手配してくれ」

 本誌前号で書いた通り、昨年6月にトランプ候補が出馬宣言した時、安倍首相には特殊な第六感が働いたようで、「この男と早くパイプを作っておくように」と指示している。

 ところが外務省は、「あんな人は政治経験もなく、泡沫候補ですから」と、首相に進言し続けてきたのだ。

 首相官邸関係者が憤る。

 「総理が9月の国連総会に合わせて訪米した際にも、外務省は『ヒラリーだけに会ってもらえばいいですから』と進言し、総理はテレビカメラの前で彼女と派手に握手した。そして、『両国の揺るぎない同盟関係を、今後一層、発展させていきたい』とヒラリーに言わせたことで満足していた。

 しかし総理は、『どうしてもトランプの側近とも会いたい』と主張して、ジャパン・ソサエティーのロス会長と面会したのだ。

 その後、10月に、トランプ陣営のキーパーソンが来日した時にも、外務省は『ヒラリー陣営が嫌な顔をしますから』と言って、暗に無視するように進言した」

 キーパーソンというのは、アメリカ陸軍出身で、'12年から'14年まで国防情報局長を務めたマイケル・フリン氏である。日本のサイバーセキュリティ会社の招待で来日した「一民間人」との立場で、10月11日に自民党本部で、アメリカのサイバーセキュリティ制度について講演している。

 首相官邸関係者が続ける。

 「この時は、自民党非主流派の石破茂元防衛相や、民進党の長島昭久元総理特別補佐官らと会っていた。さすがにそれだけではまずかろうということで、結局、菅義偉官房長官に、こっそり会ってもらったのだ」

 フリン氏をよく知る元防衛庁情報本部長の太田文雄氏が解説する。

 「トランプ氏は、11月9日に行った勝利宣言でも、真っ先にフリン氏の名前を挙げて、その貢献を称えました。そのことからも、来年1月に発足するトランプ新政権で、フリン氏はホワイトハウスの安保担当補佐官に就任するものと思われます。

 フリン氏は元陸軍中将で、中東の専門家。残念ながら、日本や東アジアのことは素人です。そのため日本政府としては、一刻も早くフリン氏とパイプを築き、日米同盟の重要さをトランプ氏に進言してもらう必要があります」

米軍はどうなるのか
 トランプ氏は周知のように、大統領選挙期間中、日米同盟を破壊するような過激な発言を繰り返してきた。「アメリカ軍をアジアに駐留させておくのは無意味」「もはやアメリカがタダで日本を守ることはない」「もう『世界の警察』は止めた」……。

 今後、日米同盟はどうなっていくのか。外務省は、トランプを泡沫と無視していた無能を棚に上げて、楽観的だ。外務省関係者が語る。

 「かつてジミー・カーター氏は、『在韓米軍を撤退させる』と公約して大統領になったが、撤退させなかった。またロナルド・レーガン氏も、『中国と国交を断絶して台湾と国交を結ぶ』と宣言したが、やはり就任後はそうしなかった。

 つまり、アメリカ大統領選挙中の候補者の発言というのは、特にアメリカ国民と直接関係しない外交問題については、どんな極論でも許されるところがある。トランプ発言も、いつもの大袈裟なモノ言いだろう」

 9日に安倍首相と面会した前駐米大使の藤崎一郎氏も続ける。

 「私は、一連のトランプ氏の発言は、新大統領として『新しい日米同盟を作る』という意味だと捉えています。そのため日本も、『新しい日米同盟』について考えていくべきです。

 ただし、日米同盟自体が重要だということは、トランプ新大統領もしっかり理解されるだろうと期待しています」

 元陸上自衛隊東部方面総監で、このほど新著『米中戦争』を上梓した渡部悦和ハーバード大学シニアフェローが、防衛省の立場を代弁する。

 「トランプ政権が誕生したら、在日米軍駐留経費(現在は年間約2000億円を負担)の増額といった要求は覚悟しています。しかし、日本周辺の厳しい安全保障環境は不変で、日米同盟の重要性も不変です。トランプ氏は、現状のあまりに他力本願的な日本の防衛体制に、警鐘を鳴らしているのだと解釈しています」

 たしかに、日本時間の10日朝に行われた安倍首相とトランプ氏との20分ほどの電話会談では、トランプ氏が「日本との同盟は卓越したパートナーシップで、関係を強化していく」と語ったと日本側は伝えた。

 だが、4月に著書『トランプが日米関係を壊す』を上梓し、トランプ新時代の日米関係についての覚悟を説いた日高義樹・元NHKアメリカ総局長は、「日本が考えているほど甘くない」と前置きした上で、次のように警告する。

 「私は過去半世紀、ホワイトハウスを取材してきて、いまもワシントンで取材していますが、来るトランプ時代は、これまでのアメリカとはまったく異なる時代になります。いまのアメリカ人は、自分の身の回りのことで精一杯で、世界のことに対する関心が、急速に薄れてきている。もう海外のことに関わりたくない、新たな移民もいらないというアメリカ国民のホンネが、トランプ大統領を誕生させたのです。

 そのため、今後は日米同盟自体が当てにならなくなるし、アメリカ軍が尖閣諸島を守ってくれるなどというのは、幻想にすぎなくなります。つまり、日本は自分で自国を守らないといけない時代に入った。トランプ氏は選挙演説で、『日本が北朝鮮の核兵器を恐れるなら、自分で核兵器を持てばよい』と発言しましたが、まさにそうした風潮になっていくのです」

「トランプの機嫌を取れ!」
 同じく、アメリカ取材30年以上で、7月に著書『アメリカはなぜトランプを選んだか』を出したジャーナリストの開高一希氏も語る。

 「トランプ氏が主張しているのは、いままでのような従属的な日米関係を対等・公平なものに変えていくということです。白人男性というのは、例えば修士号を持っている人なら、結婚した女性が学士しか持っていなければ、修士号を取って自分と対等になることを求めます。

 典型的な白人男性であるトランプ氏は、そういった発想で外交も考えているのです。核兵器に関しても、同盟国のアメリカが持っているのだから、日本も持てばいいということです」

 日本の核武装論に関しては、広島出身の岸田文雄外相は9日、「日本は核保有を考えていないし、将来も考えることはない」と否定した。だがこの先、トランプ政権が日本から引いていけば、日本でも議論が巻き起こってくるのは必至だ。

 前出の首相官邸関係者は、防衛省にトランプ氏を取り込む「奇策」があるという。

 「それは、稲田朋美防衛相を、ニューヨークのトランプタワーに送り込んで、会談することだ。

 10月26日に首相官邸で、『フィリピンのトランプ』ことドゥテルテ大統領との日比首脳会談を開いた。その時、ドゥテルテ大統領は、正面の安倍総理を見ないで、向かって総理の左手に座った稲田防衛相のほうばかりチラチラ見て、熱い眼差しを送っていたのだ。稲田防衛相と握手した時なんか、喜々としていた。

 だからいますぐニューヨークに、『トモミ爆弾』を放てば、トランプも目が潤んで、『アメリカが日本を責任もって防衛する』と言い出すのではないか」

 米スタンフォード大学アジア太平洋研究センターのダニエル・スナイダー研究副主幹は、日本政府がトランプ陣営とのパイプ作りが後手に回ったのは、「アメリカ側にも責任がある」と言う。

 「私はアメリカの多くの外交関係者と交流がありますが、彼らは日本の外交官と会うたびに、『大統領選は百パーセント、ヒラリーが勝つから、日本は心配しなくていい』と囁き続けてきました。だから、日本外務省だけの責任ではありません。今回の選挙では、アメリカのプロたちも読み間違えたのです」

 その上で、スナイダー氏は「トランプ氏との付き合い方」を伝授する。

 「いま日本が行うべきことは、ただ一つ。徹底的にトランプ氏に媚びへつらうことです。『日本はあなたのことが大好きです。あなたはとても賢く、素晴らしい人だ。日本国民は、あなたの大統領就任を心から待望している……』。

 ちょっと皮肉に聞こえるかもしれませんが、私がもし安倍首相のアドバイザーだったなら、このように『ひたすらトランプ氏の機嫌を取ってください』と進言します。トランプ氏はとにかく、周囲からチヤホヤされるのを好む性格なのです」

 日米関係史の大家であるウェイク・フォレスト大学のロバート・ヘリエ准教授も語る。

 「安倍政権がトランプ政権に協調するか、トランプ政権が安倍政権に協調するかと言えば、当然ながら前者しかありません。だから安倍政権には、忍耐が必要です。

 ただ、日本にとって幸いなのは、トランプ氏が基本的に日本に対して関心がないことです。そのため対日関係は、全面的に周囲の専門家たちに任せきりになるでしょう。つまり日本としては、トランプ氏の周囲の専門家グループと、緊密な関係を築いていけばよいのです」

TPPは死んだ
 だが、そうは言っても、トランプ新政権が確実に見直すと思われるのが、TPPだ。TPPは、日本やアメリカを中心とした12ヵ国が加盟するアジア太平洋地域の自由貿易協定である。昨年10月に基本合意がなされ、各国の批准を待つばかりだ。

 ところが、取りまとめ役だったアメリカが、オバマ政権内の連邦議会での批准を断念した。そしてトランプ氏は、「アメリカの製造業を犠牲にするTPPは破棄する」と断言している。

 そんな中、日本は間の悪いことに、トランプ候補が勝利した翌10日に、衆院本会議でTPP法案を可決したのである。

 この先、TPPはどうなるのか。前出のスナイダー氏が語る。

 「TPPには、死亡宣告が出たも同然です。だから日本は、スッパリ諦めるしかありません」

 スナイダー氏は、「さらに日本にとって悪夢が起こる」と予言する。

 「それは、1994年に発効したNAFTA(北米自由貿易協定)も、破棄される可能性が高いということです。

 多くの日本企業が、人件費が安いメキシコに工場を作り、NAFTAによって無関税でアメリカ市場に製品を運んで儲けています。ところがトランプ氏は、『メキシコ国境に壁を築いて、人と物の流れを遮断する』と宣言しているので、日本企業は立ち往生してしまうのです。

 トランプ氏は他にも、『ネブラスカの牛肉に税金をかけるのなら、日本車にも税金をかける』などと言っています。だがこれをやったら、WTO(世界貿易機関)違反になるので、さすがに無理だと思います。とにかくトランプ氏の思考が、1980年代の日米貿易摩擦時代でストップしてしまっていることは問題です」

 それでは、TPPが破棄された後の日米の経済関係はどうなるのか。経済評論家の荻原博子氏が語る。

 「トランプ氏がTPP破棄を強調しているのは、アメリカの産物を世界に売りたいからです。そのため、まずはジャガイモ、ニンジン、トウモロコシといったアメリカの農産物が、大量に日本に入ってくるでしょう。日本の農家にとっては、TPPよりよほど脅威で、これに対抗するには、ブランド野菜を育成していくしかありません。

 他にも、円高が進んで企業は人件費カットを迫られるので、賃金アップは望めません。とにかく『アメリカ・ファースト』なので、日本はセカンドということになり、損をすることが多くなるでしょう」

 だが、「日本は得することもある」と言うのは、RFSマネジメントのチーフ・エコノミスト、田代秀敏氏だ。

 「日本はトランプ氏の声をよく聞いて、チャンスを探していけばよいのです。

 たとえば、トランプ氏はイスラム社会全体を嫌っているので、イスラム圏からアメリカ企業が引き始める。するとそこに、日本企業の商機が出てくる。

 また、トランプ氏がTPPを止めるのなら、日本は日中韓FTA(自由貿易協定)の締結を急げばいい。IMF(国際通貨基金)の予測によれば、日中韓のGDPの合計は、'20年にアメリカを追い越すので、日本としてはこちらのほうが、よほど経済効果があります」

 安倍首相は17日、ニューヨークのトランプタワーで運命の初対面を終えた。日本の将来はいかに? 
 「週刊現代」2016年11月26日号より


安倍氏とトランプ氏はケミストリーが合うと外交関係者
NEWS ポストセブン 11/22(火) 7:00配信

 一部メディアのようにいたずらにドナルド・トランプ次期大統領を“危険人物視”したり、先行きを必要以上に悲観視したりするのはミスリードになりかねない。むしろ、トランプ政権の閣僚候補の具体的な名前が浮上すると「トランプで良かった」という声が次第に大きくなっている。

「米国の経済・金融政策を担う財務長官候補とされているのはJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)など、ウォール街出身者ばかりとあって金融界は歓迎ムードが高まっている」(米メディア関係者)

 日本経済にとってインパクトが大きいのは、エネルギー長官にトランプ氏のエネルギー政策顧問のハロルド・ハム氏の就任が有力視されていることだ。ハム氏は米国を世界最大の産油国にしたオイルサンド(油砂)から原油や天然ガスを汲み上げるシェール革命の立役者として知られる。経済アナリストの中原圭介氏が語る。

「クリーンエネルギーを推進したオバマ政権はシェールの掘削に厳しい環境規制をかけたため、コスト高になったシェール業界は生産調整を余儀なくされた。原油価格が1バレル=50ドルより下がれば生産を縮小し、上がれば拡大するかたちになっていた。

 しかし、ハム氏がエネルギー長官候補ということは、トランプ政権は規制を大幅に緩和してシェールオイル増産に転換する可能性が高い。そうなると採掘コストが大幅に下がり、40ドルでも生産できるケースが増え、供給量が増える。原油価格は低いまま上がりにくくなる」

 米国、日本、中国をはじめ石油の大量消費国には大きなメリットだという。

「米国や欧州では自動車販売が伸びています。それは年初からの原油安のメリットが大きい。米国では実質所得が過去20年で最高の伸びです。日本でも下がり続けていた実質賃金が2月から上昇に転じ、原油安のメリットがようやく出てきている。米国のシェール増産はこの流れに勢いをつけるはずです」(同前)

 経済が好転なら、安全保障はどうなるのか。安倍首相は米大統領選翌日の電話会談でトランプ氏から、「安倍首相の経済政策を高く評価している。今後数年間、共に働くことを楽しみにしている」という言葉を引き出した。自民党総裁任期まで1年半あまりの首相にわざわざ「数年間」といったのは総裁3選を意識した言い方だろう。

 さらに安倍首相は11月17日、ペルーで開かれるAPEC首脳会議の前に米国に立ち寄り、外国首脳では初めてトランプ氏と会談した。

「就任前の大統領との“首脳会談”は外交上異例だが、受け入れたトランプ氏側もそれだけ日米関係を重視していることを示している。1月には安倍首相が再訪米して一緒にゴルフをする案も調整が進んでいる。外交用語で馬が合うことをケミストリーというが、理詰めではなく直感タイプの2人はやはりケミストリーが合うようだ」(外務省筋)

※週刊ポスト2016年12月2日号


〔米株式〕NYダウ、最高値更新=原油相場上昇で(21日)☆差替
時事通信 11/22(火) 7:00配信

 【ニューヨーク時事】週明け21日のニューヨーク株式相場は、原油相場の上昇を受け、エネルギー関連株を中心に買いが入って反発した。優良株で構成するダウ工業株30種平均は前週末終値比88.76ドルの1万8956.69ドルと、4営業日ぶりに終値ベースで史上最高値を更新した。ハイテク株中心のナスダック総合指数も同47.35ポイント高の5368.86と約2カ月ぶりに史上最高値を更新した。
 ニューヨーク証券取引所の出来高は前週末比8558万株減の8億6387万株。
 21日の原油先物相場では、米国産標準油種WTIは前週末清算値比1.80ドル高の1バレル=47.49ドルと大幅続伸。月末の石油輸出国機構(OPEC)総会に向け、主要産油国による減産合意への期待感が広がった。ロシアのプーチン大統領が原油増産を凍結する用意があると表明するなど、産油国首脳らの合意に前向きな発言が買い材料。米株式市場ではエクソンモービルやシェブロンなどに買いが入り、相場をけん引した。
 一方、保護主義的な通商政策を掲げるドナルド・トランプ氏の大統領選勝利で、海外売り上げ比率の高いハイテク株は軟調な展開が続いていたが、21日はフェイスブックやアップルなどに見直し買いが入った。
 大統領選後、債券安・ドル高が急激に進行し、投資マネーは新興国から米国へ、米債から米株式へと流れて「トランプ相場」を演出。「米株市場では金融株や製薬株など『トランプ銘柄』が物色された後は、ハイテク株に買いが入るなど、よい循環も続いている」(大手証券)と指摘されていた。
 個別銘柄(暫定値)では、エクソンモービルが1.4%高、シェブロンが0.9%高、チェサピーク・エナジーが7.1%高、フリーポート・マクモランが5.7%高。フェイスブックが4.1%高、アップルが1.5%高、シマンテックが3.2%高。一方、タイソン・フーズが14.5%安、ウェルズ・ファーゴが1.3%安だった。


民主党下院議員と会談=国連大使などに起用検討か-次期米大統領
時事通信 11/22(火) 6:57配信

 【ワシントン時事】トランプ次期米大統領は21日、民主党のタルシ・ギャバード下院議員とニューヨークのトランプ・タワーで会談した。

 ギャバード氏はシリア政策について話し合ったと説明しているが、米メディアによれば、トランプ氏は国連大使などへの起用を検討しているという。

 ギャバード氏はハワイ州選出。大統領選の民主党指名争いでは党全国委員会の役職を辞し、クリントン前国務長官の対抗馬だったサンダース上院議員を支持した。7月の民主党大会の数日後にようやくクリントン氏支持に転じた。


トランプ氏の過激ツイート「なぜ気にする?」 側近が批判を一蹴
AFP=時事 11/22(火) 6:43配信

【AFP=時事】米国の次期大統領に選出されたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏がツイッター(Twitter)上に過激な投稿を連発していることについて、同氏の側近が21日、それがたとえ組閣といった重要な作業の最中であったとしても「雑音を押しのけ」て人々にメッセージを届けるための無害で妥当な手法だと擁護した。

 トランプ氏は選挙戦の段階から過激なツイートを真夜中の時間帯などに投稿することで知られ、ライバルのヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)前国務長官をはじめとする反対勢力や、ニューヨーク・タイムズ(New York Times)といった報道機関を「口撃」していた。

 先週末にやり玉に挙げられたのは、ブロードウェー(Broadway)の人気ミュージカル「ハミルトン(Hamilton)」の出演者らだった。

 ニューヨーク(New York)での公演を観覧に訪れた次期副大統領のマイク・ペンス(Mike Pence)氏に向けて、トランプ政権が米国の人種的・社会的・文化的多様性を尊重しないのではという懸念をステージ上で表明した出演者らに対し、トランプ氏は謝罪を要求。同作は「過大評価されている」と切り捨てた。

 トランプ氏はさらに、俳優のアレック・ボールドウィン(Alec Baldwin)さんが自身の物まねを披露している人気バラエティー番組「サタデー・ナイト・ライブ(Saturday Night Live)」についても、「完全に偏った番組で、まったく面白くない」とこき下ろした。

 これら一連のツイートを受け、トランプ氏顧問のケリーアン・コンウェー(Kellyanne Conway)氏は21日、CNNの番組で、この極めて重要な時期にこのような行動に出るのは、次期大統領にとって気が散るだけの時間の無駄ではないかという質問を受けた。

 これに対しコンウェー氏は、「なぜそんなことを気にするのですか? 次期大統領がツイートに5分を割いてコメントを発してはいけないなんて、誰が言えるでしょうか」と一蹴。

「トランプ氏にはフェイスブック(Facebook)とツイッター上に、2500万人以上のフォロワーがいます。これは、自分のメッセージを人々に直接伝え、雑音や沈黙を押しのけるための優れた手法です」と擁護した。【翻訳編集】 AFPBB News


NYダウ、史上最高値更新…1万8956ドル
読売新聞 11/22(火) 6:43配信

 【ニューヨーク=有光裕】週明け21日のニューヨーク株式市場で、ダウ平均株価(30種)の終値は、前週末比88・76ドル高の1万8956・69ドルだった。15日以来、4営業日ぶりに、終値としての史上最高値を更新した。

 原油価格が上昇し、エネルギー関連株の買い注文が膨らんだ。ドナルド・トランプ次期米大統領の経済政策で収益の向上が期待される、金融や機械などの銘柄を買う動きも続いている。一時、1万8960・76ドルまで上昇し、取引時間中の最高値もつけた。

 IT企業の銘柄が多いナスダック店頭市場の総合指数の終値は、47・35ポイント高の5368・86だった。アップルやフェイスブックなどの株価が上昇し、9月22日以来、約2か月ぶりに、終値として最高値をつけた。


「白人至上主義」「イスラムは癌」「同性婚に反対」 トランプ政権の恐るべき男たち
BuzzFeed Japan 11/22(火) 6:00配信

974
トランプ次期米大統領

トランプ米次期政権の人選に注目が集まっている。主要ポストには、トランプ氏の過激発言に共鳴した強硬派の名前が挙がっている。【BuzzFeed Japan / 鈴木貫太郎】

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スティーブン・バノン氏

1.スティーブン・バノン氏→首席戦略官・上級顧問
首席戦略官・上級顧問への起用が決まった。保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」の会長。62歳。

トランプ次期大統領の選挙キャンペーンで最高責任者を務めた。「ブライトバート・ニュース」は「白人至上主義」や「反ユダヤ主義」を掲げてきたことから、専門家や反差別団体から批判されていた。

当初はホワイトハウスで、最も重要な役職(日本で言えば官房長官)である首席補佐官への起用も検討された。人種差別発言や共和党批判を繰り返していたため、共和党の主流派から懸念が出ていた。結局、首席補佐官ポストは共和党全国委員会のプリーバス氏が起用された。

しかし、トランプ氏はバノン氏をプリーバス氏の「対等なパートナー」と位置付けており、米国内では「プリーバス氏よりバノン氏が影響力を持つようになる可能性もある」との見方が出ている。

976
マイケル・フリン元国防情報局長

2.マイケル・フリン元国防情報局長→大統領補佐官(安全保障担当)
次期国家安全保障担当大統領補佐官への起用が決まった退役陸軍中将。57歳。イスラム教徒に対する強硬的な姿勢で知られる。

過去に「イスラム教は悪性の癌」「イスラム教徒を恐れるのは当然」「イスラムは宗教ではなく、政治的イデオロギーだ」などと、発言している。

国防総省に勤務していた時、不確かで事実に基づかないフリン氏の主張は、部下から「フリン・ファクト(フリンにとっての事実)」と呼ばれていたという。イスラム武装勢力掃討策をめぐる見解の相違を理由に、国防情報局を2014年に解雇された。

安倍晋三首相とトランプ次期大統領の初会談にも同席していた。

977
ジェフ・セッションズ上院議員

3.ジェフ・セッションズ上院議員→司法長官
南部アラバマ州選出の上院議員。69歳。司法長官への起用が決まった。

移民問題の強硬派。トランプ氏がイスラム教徒の入国を全面的に禁止する方針を打ち出した際、支持を表明した数少ない議員の1人でもある。

過去に「合法的移民のペースを落とす必要がある」と発言。選挙中に「不法移民の強制送還」を訴えていたトランプ氏と考えが一致している。

上院では、刑務所受刑者の処遇改善法案に反対したこともある。気候変動問題に対しても懐疑的といわれる。

978
マイク・ポンペオ下院議員

4.マイク・ポンペオ下院議員→中央情報局(CIA)長官

陸軍出身の下院議員(52)。中央情報局(CIA)長官に指名された。保守系草の根運動「ティーパーティー」出身。

CIAがテロ容疑者に「水責め」など拷問をしていた事実が発覚し、オバマ大統領が拷問を中止した際、「(水責めを行ったのは)拷問者ではなく愛国者だ」と主張した。

イランとの核合意にも反対している。

979
マイク・ペンス・インディアナ州知事

5.マイク・ペンス・インディアナ州知事→副大統領
次期副大統領。57歳。

同性婚に反対の立場を表明している。

同性婚について、「家族と結婚を破壊している。同性婚の否定は差別でなく『神の考え』を執行しているだけ」と発言して、LGBT団体などに批判された。

980
ジェームズ・マティス元中央軍司令官

6.ジェームズ・マティス元中央軍司令官→国防長官
国防長官への起用が有力視されている。

「狂犬」を異名を持つ、軍歴44年の元海軍大将(70)。アフガニスタン、イラク戦争での指揮経験がある。イランとの核合意に反対の立場を示している。

2005年、カリフォルニア州で開かれたパネルディスカッションで「(戦場で)人を撃つのは楽しい」と発言して物議を醸した。

トランプ次期大統領は11月19日、自身が経営するゴルフ場でマティス氏と会談。その後、ツイッターで「マティス大将は非常に印象的だった。大将の中の大将だ」と話し国防長官の最有力候補だと明かした。

トランプ次期大統領は当選後、発言が控えめになり現実路線へ舵を切るとも見られた。しかし、閣僚には持論を支持するタカ派が起用されている。

朝日新聞によると、国務長官候補には、ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長やジョン・ボルトン元国連大使、サウスカロライナ州のニッキー・ヘイリー知事らの名前が挙がっている。


米ハイテク産業に吹くトランプの逆風は日本の家電には追い風か
ダイヤモンド・オンライン 11/22(火) 6:00配信

● トランプ次期大統領の政策が シリコンバレーに落とす影

 アメリカのリベラル層にとって、トランプ政権の誕生は日本人の想像以上にショックなようだ。ハーバード大学では、ショックを受けた学生に大学の心療内科の受診やカウンセリングを勧めている。ショックが大きいというのは、それだけ意外だったからでもある。

 意外な結果と言えば、日本でもトランプ次期大統領の政策に関して、不安視する声が上がっている。ただ、ほとんどの識者がトランプ当選を当てられなかったのだから、現段階でトランプが日本にとって本当に脅威となるのか、それとも選挙キャンペーン中の発言はあくまで選挙用のもので、実際にはそれほど怖くないのかといったことはわかるはずもないので、この連載でもトランプの話はスキップしようかとも考えた。

 ただ、トランプ氏の腹心でチーフ・ストラテジストのスティーブン・バノン氏が「シリコンバレーにはアジア人CEOが多すぎる」と発言したことはアメリカのIT・ハイテク産業にとって大きな脅威になるかもしれないと思い、今回はそのことについて筆者の考えを述べることにしたい。

 シリコンバレーに台湾・中国などのアジア系ベンチャー企業が多いのは、もはや必然とも言える。アメリカは1990年代以降、製造業そのものを放棄し、モノをつくらなくなった。その代わり、新しい技術開発やユニークな事業のコンセプトの開発に特化し、半導体におけるファブレス&ファウンドリーモデルのように、アメリカが開発を担当し、アジアは詳細設計と製造を担当するという役割分担が生じた。

 現在のIT・ハイテク産業は、シリコンバレーとアジアが一体となったエコシステムを形成している。トランプ氏からは「iPhoneをアメリカ国内で生産しろ」という発言まで出ているが、組み立てだけならアメリカでもできるだろう。

 しかし、液晶やカメラの撮像素子は日本でつくっているし、半導体やバッテリーなどは韓国や台湾でつくっている。アメリカでつくるとしても、ノックダウン方式の最終組立だけになってしまうだろう。その仕事にはそれほどの雇用創出効果はないし、むしろアップルというアメリカを代表する企業の経営の足を引っ張るだけだ。

● シリコンバレーのアジア人は 事業開発とモノづくりの架け橋的存在

 シリコンバレーにアジア人が多いことは、シリコンバレーという頭脳とアジアの製造拠点を結ぶ架け橋の意味を持つ。アメリカには「VIZIO」というテレビブランドがあり、主要ブランドの一角を占めている。しかし、彼らもまた設計や製造の機能を持っているわけではない。台湾や中国のEMS企業に設計・生産を委託して、安価でデザインの良いテレビをつくり、アメリカで成長してきた会社だ。

 VIZIOのトップもまた、アジア系である。しかし、トップがアジア系で台湾・中国のエレクトロニクス産業との個人的なネットワークがあったからこそ、VIZIOは成功したとも言える。アジア人がシリコンバレーとアジアを結ぶことで、シリコンバレーの雇用が創出されているといっても良い。エレクトロニクス業界の関係者によると、アップルの調達部門の仕事もほとんどをアジア人が担当しており、日々台湾や中国との交渉にあたっているという。人と人のつながりを重んじる中華圏経済にアプローチするには、当然といって良いやり方だ。

 これまでもシリコンバレーには、トランプ政権に対する危機感はあった。今回の大統領選挙で最大55人の選挙人団をクリントン氏に与えたブルーステートであるから、心情的にもトランプ政権には反感を抱いていると思う。しかし、トランプ政権の実務レベルの意思決定者がシリコンバレーのアジア人CEOの多さを問題視し、いわんやそれを具体的な施策としてシリコンバレーに手を入れるようなことがあれば、最悪の場合、シリコンバレーとアジアの役割分担、これまで築き上げたエコシステムは、崩壊してしまうかもしれない。

 ただ、こう言うとシリコンバレー関係者には申し訳ないのだが、「他人の不幸は蜜の味」である。シリコンバレーの企業のように、新しい技術のアイデアや事業のコンセプトを考えるのが得意なのは、日本企業も同じである。日本は韓国・中国・台湾にはこれまでビジネス上の戦略で負けてきた。しかしそれは、日本企業の製品のアイデアが悪かったわけではない。

 たとえば、サムスンはアメリカではトップの冷蔵庫メーカーであり、ハイエンド商品として液晶画面とインターネット機能を備えたスマート冷蔵庫を手がける。これは数年前に日本でもブームになったが、スマート家電のコンセプト自体はパナソニックのアイデアだ。日本は今でも面白い事業のコンセプトを考えられるが、それをビジネスとして成功させるのが苦手だ。これは克服しなければならないウィークポイントだが、日本企業の潜在能力はまだまだ高いのである。

● シリコンバレーの向い風は 日本企業にとって追い風に? 

 大量に、安価に、品質の良いものをつくる能力はすでに他の東アジア諸国の方が強いかもしれない。しかし、彼らはまだ自ら洗練された新たな技術のアイデアや事業コンセプトを産み出すほどには成長していない。トランプ政権でシリコンバレーの勢いが落ちるのであれば、そのポジションを日本が狙いに行けば良い。

 アメリカがこれから抱えるであろう問題は、反グローバリゼーションと孤立化である。日本は同じ轍を踏んではならない。シャープが台湾企業の傘下に、東芝の家電が中国企業の傘下に入った今、技術流出のリスクだの国内生産の重要性だのといった理由を挙げ、トランプのような国内第一主義に陥ってはならない。

 今こそ、日本が東アジア諸国の生産力を活かすチャンスなのかもしれない。

 (長内厚・早稲田大学大学院経営管理研究科教授、ハーバード大学GSAS客員研究員)


中国共産党は自らの“正統性”強化にトランプ当選をこう使う
ダイヤモンド・オンライン 11/22(火) 6:00配信

● 米大統領選による 民主主義の劣化を宣伝

 米国の大統領選挙は、ドナルド・トランプ共和党候補の勝利で幕を閉じた。

 本連載の核心的課題は中国民主化研究であるが、観察と分析の核心的対象はやはり中国共産党である。なかでも、中国共産党の「正統性」という問題は核心的ある。

 この認識に立ち、本稿では、今回の米大統領選およびトランプ氏勝利が中国共産党の正統性にどのような影響を与えるのか、言い換えれば、中国共産党はそれらをどう利用し、正統性の強化につなげようとしているのかを考えてみたい。

 三つの視角から分析を試みる。

 一つ目は、米大統領選過程における一連の出来事が米国の民主主義をはじめとする制度や価値観の劣化を象徴していることを前面に宣伝することで、西側の政治体制や価値観が万能でないどころか大いに問題があると印象づけ、結果的に中国の政治体制やイデオロギーの正統性を打ち立てようとしている点である。

 米国の選挙キャンペーンに対するネガティブな見方や指摘は選挙の大分前からなされていた。共産党の意思や立場を代弁・宣伝する立場にある党機関紙の記事からそれが見て取れる。

 「我々が今回米国の選挙制度こそが敗者だと考えるのは、米国全土、世界中が注目する討論会が、相手の嘘に対する無情なまでの攻撃に終始していたことに一つの理由を見いだせる。考えてみよう。どちらの候補が大統領になったとしても、その汚点は世間の人間全員が知るところである。この角度から見ると、米国が世界に向けて自慢・宣伝してきた“民主選挙制度”の真実が今回の選挙を通じて徹底的に暴露されたといえるだろう」(光明日報、2016年10月12日)

 「米国メディアに“史上最も醜い”、“最も腹立たしい”などと称された今回の討論会は、昨今の米国式選挙制度の失態、そして米国政治の衰退を凸出させたと言える」(経済日報、2016年10月12日)

 共産党中央や政府機関は決してこのような見方を公言しない。中国としての対米関係を直接管理する立場にある指導部・指導者らはつとめて沈黙と中立の立場を保持してきた。「米国で現在行われている大統領選挙は米国の内政である…大統領選挙後、誰が当選しても、中米関係は引き続き前向きな方向に発展していくだろう」(李克強首相がニューヨーク経済クラブで講演した際のコメント、2016年9月20日)

 自国民たちに米国の劣化性と中国の優位性をプロパガンダするために党機関紙を使うのである。もちろん、これらの媒体も米国の制度や価値観の劣化を指摘しても、自らの体制やイデオロギーのほうが優れているというアーギュメントを安易には行わない。赤裸々過ぎる論理展開は避け、あえて自らのそれに触れないことで結果的に、自然体で優位性を浮かび上がせようとする傾向にある。

 選挙後の記事で代表的だったのは新華社が《大統領は選んだが、答案は見つかっていない》と題して配信した記事であろう(2016年11月9日付)。同記事は次のように指摘している。

 「今回の大統領選は米国の政治体制がジレンマに陥り、いつ抜け出せるのか分からないことを示している。今日の両党制の下、政治エリートと一般民衆の間の乖離は広がり、政治マニフェストと大衆の関心事もかけ離れてきている。それが政治の構造的矛盾を巻き起こし、民衆の反エスタブリッシュメント、反エリート感情は日増しに突出してきている」

● 米国の信用低下で 中国の政策や行動をアピール

 二つ目に、米大統領選を通じて、米国社会が分裂しており、国民は不安に駆られていると同時に、米国の国際社会におけるイメージや信用も低下していると宣伝することを通じて、自国民には中国共産党のほうが社会を安定させることができると、国際社会には中国のほうが責任ある政策や行動を取っていけるとアピールしようとしている点である。

 党機関紙《人民日報》は北京時間で選挙前日の11月8日、ワシントンD.C発で《大統領選挙が米国に“内外傷”もたらす》と題した記事を配信し、「今回の大統領選挙が米国にもたらしている“内傷”と“外傷”が広く注目を集めている。米国社会はこれから長い療傷期を経験するだろう」、「政治体制への自信の欠如と社会分裂が今回の選挙がもたらした内傷だとすれば、選挙がもたらした米国の国際イメージ低下は必然的な副産物となるであろう」と指摘した。

 また、共産党幹部の育成学校であり、イデオロギー普及基地でもある中央党校が主催する学習時報は《トランプ当選と中米関係の行方》と題して掲載した論評(2016年11月15日)において、「米国社会の“ポピュリズム化”傾向は最終的にエリート階級のメディアに対する全面的操作を圧倒した。トランプの当選と英国のEU脱退は近年米国などの西側国家で起こっているポピュリズム化潮流の主要なメルクマールである」と指摘している。米国だけでなく、米国が主導してきた西側の政治システムが劣化・衰退しているという主張である。

 本連載を通じて、私は、習近平総書記率いる中国共産党が自らの政治体制改革を実行するとしても、それは西側の自由民主主義に沿った、あるいは基づいた産物ではなく、中国独自の道を進むことになる。

 言い換えれば、私たち日本人も含めて、国際社会における多くの国家や市民が一般的に認識する“民主化”はしないという見方を堅持してきた。この視角からすれば、西側の政治制度や価値観に何らかの形でヒビが入る、あるいは猜疑心が生じることは中国共産党にとって具合が良いことは言うまでもない。

 「“米国病”の究極的な根本は、冷戦後、米国が本来行うべきだった体制変革に取り組んでこなかったこと、それが構造的矛盾の度重なる蓄積をもたらし、小さな病気が大きな病気を醸成してしまったのである」(袁鵬・中国現代国際関係研究院副院長、人民日報、2016年11月8日)

 中国共産党は自らの道を進み続け、既存の体制とイデオロギーの枠組みで経済力、政治力、軍事力などの分野で米国に追いつき、追い越す過程で、自らの正統性を国内外に知らしめようとしている。

 歴史が終わらないこと、もっと言えば、“歴史の終わり”という主張そのものが仮説を超えた幻想であったと証明しようとしている。中国共産党がそうしようとする最大の動機はそれが党の権力を維持し続けることにつながると指導部が主観的に認識しているからである。

● 中国共産党は 自らの正統性を証明

 三つ目に、トランプ氏の当選が決まったことで、中国共産党がその対外戦略・政策を通じて自らの正統性を証明しやすい状況を作れる可能性があると考えている点である。

 まず断っておかなければならないのは、選挙キャンペーン中における“トランプ候補”の一連の発言が“トランプ大統領”の実際の政策となるかどうかは不明であるし、不確定要素も存在するとうことである。“米国第1”を掲げ、米国国民の利益にかなうことにエネルギーを集中させるという類の主張をしてきたトランプ氏に“孤立主義”的な傾向が見られるのは確かなことであろう。

 中国共産党として、トランプ大統領が実際に「米国第1」→「孤立主義」→「不干渉主義」というロジックで、特にアジア太平洋地域における地政学的案件やルールメイキングに関心を示さず、言動を控えてくれることを望むのは疑いない。

 「トランプの選挙キャンペーン期間中の外交・軍事政策の主張には、海外の米軍基地の必要性見直しや同盟国に対する安保義務の要求なども含まれるが、これは米国がこれまで進めてきた価値観外交と軍事干渉戦略の調整であると解釈できる。歴史は証明している。米国が海外で行ってきた干渉主義は大きな政治的・経済的代償を払ってきたことを」(新華社、2016年11月10日)。

 私自身は、南シナ海問題、東シナ海問題、台湾海峡問題を含めて、海洋安全保障の問題でトランプ大統領が本当に“不干渉主義”的な政策を取るのかどうかは不透明であり、むしろ懐疑的な見方をしている。

 仮に、同大統領がこれらの問題で中国に強硬的な態度で挑むことが、2ヵ国間の経済・貿易関係において中国の妥協を引き出せると判断すれば、躊躇なく強く出るような気がしている。同大統領の安全保障政策の輪郭が明らかになるには一定の時間を要するだろう。

● 中国共産党は 米国をAIIBに招く? 

 トランプ大統領就任直後で私が注目しているのは、環太平洋連携協定(TPP)が昨今の国際世論で議論されているように“死に体”と化すか否かという点が、中国の政策にどう影響するかである。

 中国当局はこれまでTPPへの将来的加入を否定したことはないし、それが自由貿易システムの健全な発展にかなうのであれば支持するとすら表明してきた。一方で「TPPが、米国が経済貿易政策で中国を制約するためのパッケージ戦略であることは明らか」(上記学習時報記事)であるという認識は共産党内では普遍的であり、それへの対抗策のひとつとして自らが主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)を、西側社会を巻き込む形で推し進めていきたいと考えてきたと言える。

 その意味で注目に値するのは、金立群・AIIB総裁が党機関紙《人民日報》のウェブサイト英文版の取材(11月14日)に対して答えた次のコメントである。

 「私が聴いたところによれば、オバマ政府内の一人の高級官僚がAIIBを称賛しているという。トランプ当選後、ある人物が私に言った:オバマがAIIBに入らないのは間違っている、と。故に、我々は米国の新政府がAIIBを支持したり、加入を暗示したりする可能性を排除してはならない」

 中国共産党は、トランプ大統領率いる米国を自らが主導する“投資銀行”に招くべく、同陣営に働きかけるに違いない。仮にそうなれば、中国主導のメカニズムやその先に描かれるルールや秩序に米国が寄り添ってきたと宣伝する機会が生まれる。中国共産党にとってそれは、対外戦略・政策を通じて自らの正統性を確保することにつながる。少なくとも指導部はそう考えている。


「良いトランプ」しか見ていない金融市場の危うさ
ダイヤモンド・オンライン 11/22(火) 6:00配信

● “トランプノミクス”で “いいとこどり”の市場参加者

 米国の大統領選挙後、“トランプノミクス”に期待し、世界経済の先行きに強気な投資家が増えている。米国の株式市場は、一時、毎日のように史上最高値を行使した。為替相場でも、ドルが一斉に買い込まれ主要通貨に対して大きく上昇する展開が続いた。

 ただ、こうした動きを見ると、市場参加者はトランプ次期米大統領の経済政策の“いいとこどり”をしているように見える。

 世界経済全体を見渡すと、中国の経済成長率の低下などを受けて需要の低迷が続き、デフレギャップが解消できない状況が続いてきた。その中で、多くの国が、積極的な金融政策によって低迷する景気を支えようとしてきた。

 一方、先進国を中心に財政悪化が懸念されてきたため、財政出動よりも財政再建が重視されてきた。金融の緩和は一時的な期待を支えはしたが、多くの中央銀行が想定したように、需要の回復を通したインフレ期待の上昇にはつながっていない。

 このような経済政策の手詰まり感があるだけに、トランプ氏が主張する財政出動を通した公共投資などへの期待は強い。トランプ氏が言うような、積極財政の政策が実現すれば、米国の経済成長率は一時的に高まるだろう。

 米国の労働市場は完全雇用に近づいており、賃金も緩やかに上昇している。経済活動の活発化を受けて労働市場の需給はさらにひっ迫し、インフレ期待も高まるだろう。それは、需要の低迷に直面してきた世界経済にとって、大きなプラス要因だ。

 ただ、トランプ氏の経済政策は米国国債の増発を伴い、金利には上昇圧力がかかりやすい。実際に金利が上昇すると、住宅ローンやオートローンの金利も上昇し、世界経済を支えてきた米国経済の下振れが意識されやすくなる。

 規制緩和に関しても、それが中長期的に、経済全体に大きな福音をもたらすか否かは見方が分れる。そして何よりも、トランプ氏は保護主義的な考えは無視できない。それが現実の通商政策に反映されると、米国のみならず世界経済の足を引っ張ることになりかねない。

 現在は、トランプ氏の経済政策の光の部分に目が行っているが、いずれ影の部分が注目されるようになるだろう。その時に、“悪いトランプ”から“良いトランプ”に変身できているだろうか。

 “悪いトランプ”のままだと、世界経済の先行き懸念は高まる。その際、金融市場は不安定に推移するだろう。トランプノミクスがそうしたリスクをはんでいることを念頭に、今後の世界経済の展開も冷静に考えるべきだ。

● 予想される トランプノミクスの骨子

 トランプノミクス=トランプ次期米大統領の経済政策の特徴は、財政出動を通した公共投資、富裕層や企業向けの大規模減税、そして、金融規制をはじめとする規制緩和だ。こうした政策を用いて、トランプ氏は米国の経済成長率を2%程度から4%程度に引き上げようとしている。それによってトランプ氏は米国を世界最強の経済にすると吹聴してきた。

 政府が財政出動を通して経済をけん引しようとする政策は“大きな政府”に向かっている。一方、伝統的に米国の共和党は、経済の営みは市場や民間の活力に任せるべきだという“小さな政府”の考えを重視してきた。大きな政府を志向するトランプ氏の考えは、共和党の基本的な考えと異なる。これは大統領と議会の関係を考える、重要なポイントだ。

 また、トランプ氏は保護主義的な考えを重視して通商政策を進めようとしている。トランプ氏は、米国の貿易赤字が累積されてきたのは、日本や中国などが過剰に安価なモノを米国に対して輸出してきたからだと考えている。そこで、同氏は中国などに対する関税率を引き上げることで、米国の産業を守り、貿易赤字を解消しようと考えている。

 一例として、トランプ次期大統領は北米自由貿易協定(NAFTA)に否定的だ。これまで同氏は条件の再交渉が認められないならNAFTAから離脱すると述べてきた。米国の自動車業界が生産拠点を置いてきたメキシコに対しても、トランプ氏はメキシコからの輸入車に35%の関税を課すと述べている。

 これに対して、既に米国の自動車業界から懸念の声が上がっている。また次期大統領は、日米が中心となってアジア太平洋地域の国々の合意を取り付けてきた環太平洋パートナーシップ(TPP)にも反対だ。それは長い目で見ると、アジア地域での中国の台頭を加速させることにもなりかねない。

 そして、トランプ氏はメキシコ国境に壁を作るというように、移民排斥の考えも持っている。米国は先進国の中でも人口の増加を達成してきた数少ない国だ。そして、人口の増加は労働力の供給、国内での消費の厚さなど、経済を支える重要な要素だ。

● トランプノミクスの 光と陰

 このようにトランプノミクスにはプラス、マイナス、はっきりとした特徴がある。それでも、大統領選挙後、市場参加者はトランプノミクスのいいところばかりを評価している。それは、米国などの株式市場が上昇基調で推移していることに表れている。

 市場が注目するトランプノミクスのいいところ=光の部分は、財政出動を通した公共工事などへの期待だ。この政策は1990年代、バブル崩壊後のわが国が行ったように、ハコモノの建設などを通して需要を刺激し、米国内での労働機会を生み出すことを目指している。インフラ投資は建機や鉄鋼など、重工業分野の需要を高めるだろう。それは重厚長大な産業の活性化を通したオールドエコノミーへの回帰といえる。

 トランプ氏は5000億ドル(約55兆円)程度のインフラ投資を考えているようだ。これが実行されれば、一時的に米国の景気が拡大し、雇用、賃金が増える可能性はある。それは物価の低迷に直面してきた世界経済にとっても大きな支えとなるはずだ。

 冷静に考えると、こうした光の部分よりもトランプノミクスの影の部分の方が気になる。まず、財政出動と大規模な減税が同時進行すると、米国の財政は着実に悪化する。トランプ氏はどのように財源を確保するかを明示しておらず、米国の債務リスクは高まりやすい。

 米国が保護主義に傾倒し、自国の利益を第一に据えた通商政策を進めれば、保護主義が世界に蔓延しやすい。それは、企業の海外進出にブレーキをかけ、米国企業の事業展開は停滞気味になる。

 また、90年代以降、米国経済は情報技術の革新によって生産性を高め、需要を創造することで成長してきた。これがイノベーションだ。トランプ氏の政策は伝統的な産業の下支えにはなるだろう。

 しかし、その効果は一時的なものに留まる可能性が高い。むしろ、人工知能の実用化など技術革新が進むかどうか不安が残る。オールドエコノミーの復活を強調して支持を取り付けることはできても、それだけで中長期的な米国の潜在成長率を引き上げることは難しいだろう。

● 楽観できない 世界経済の展開

 トランプノミクスの光と影をもとに世界経済の展開を考えると、確かに、短期的にはインフラ投資が需要を刺激し、米国経済の底上げが期待できる。それは、世界経済全体のインフレ期待の上昇圧力を高め、わが国などのデフレ圧力の軽減につながるだろう。

 少し長めの目線で考えると楽観はできない。まず金利上昇に注意すべきだ。すでに国債増発観測から米金利は上昇している。金利上昇は米国の個人消費にはマイナスだ。自動車販売や住宅市場の悪化懸念から米国経済の減速リスクが顕在化すると、世界経済にも下押し圧力がかかる。ユーロ圏やわが国では低金利、カネ余りの影響から不動産市場に資金が流入してきた。金利上昇はこの動きの逆回転につながると考えるべきだ。

 最も注意すべきが米国が保護主義的な通商政策を実行することだ。米国は世界経済の基軸国家として、各国間の利害を調整して経済連携を進めてきた。特に、TPPは中国が進めてきたシルクロード経済圏構想への包囲網という側面も持つ。米国の調整能力があったからこそ、各国企業の海外進出の基盤が整備され、円滑な世界経済の運営が進んだのである。

 米国が保護主義に傾倒することは、貿易競争や通貨安競争のトリガーを引くことと考えるべきだ。世界経済全体が需給ギャップを抱える中で貿易競争が進むと、各国は自国優先の考えを強め、需要の囲い込みを図るだろう。そうした動きを調整する役割がいないだけに、世界経済の多極化、不安定化が進みやすい。このシナリオが現実味を帯びてくると、世界経済は1930年代のような混乱、長期低迷に陥る恐れがある。

 これまでトランプ氏の発言には一貫性がなく、閣僚人事、議会との関係など不透明な点は多い。それだけに、トランプ大統領の誕生が世界経済の不安定化、さらなる低迷につながるファクターの一つであることは冷静に考えるべきだ。


トランプノミクスのカギ握る財源と共和党主流派との折衝
ダイヤモンド・オンライン 11/22(火) 6:00配信

 トランプの経済分野での大風呂敷とも思える政策を実現するには、財源が必要だ。しかし、共和党主流派は支出拡大に消極的なため、袋小路に追いやられる可能性もある。

 五五〇〇億ドルの公共投資を掲げるトランプノミクス実現には、大きな財源が必要となる。しかし、一時的に財政赤字が膨らんでも、景気拡大による税収の増加分で解消可能というのがトランプの考えだ。

 その一環として打ち出しているのが、現行の35%から15%への法人税率引き下げと米国企業が海外で稼いだ利益の国内への還流(レパトリエーション)だ。還流させた利益には本来であれば現行の法人税率である35%が適用されるが、これを1回に限り10%にするという。米国企業が海外に置く2兆5000億ドルを国内に還流させれば、税収も増えるともくろむ。

 減税で企業に投資を促し、その後の経済成長で税収が増える。この理屈は、1980年代に元大統領のレーガンが採用したラッファーカーブと同じだ。経済学者のラッファーがレストランの紙ナプキンに描いたカーブを基にした説明がレーガンの目に留まり「分かりやすい」と感動し、採用したといわれている。トランプの政策がレーガンのものと似ているといわれている理由はここにある。

 一方で、トランプの政策を実現すれば持ち出しばかりで、財政赤字は10年間の累積で11.5兆ドルほど拡大するという試算もある。

 いずれにしても、財源確保の鍵となるのは議会だ。

 2013年、米国の一部政府機関は閉鎖に追い込まれた。米国では政府が国債を発行して借金する金額の上限が決められている。その上限の拡大を大統領と議会が毎回、折衝するのだが、大統領のオバマと議会が折り合わず、大きな混乱を招いたのだ。

 今回の大統領選挙と併せて行われた議会選挙の結果、共和党は上下両院で過半数を握ったが、同党の主流派は財政拡大に慎重だ。その上、かなり多くの共和党の議員がトランプ不支持の考えを鮮明にしている。それだけに、債務上限の拡大ができず再び政府機関閉鎖という悪夢が頭をよぎる。

 米国では政権発足当初の100日はハネムーン期間とされ、メディアも議会も、静観する傾向がある。しかし、17年10月から始まる18年度予算編成に向けての夏場からの審議は、議会との折衝のヤマ場となるだろう。

 一方で、TPP(環太平洋経済連携協定)など通商に関する政策では大統領の権限が強い。

 共和党主流派は保護貿易主義に反対だ。とはいえ、共和党が多数派の議会もTPPの年内批准は諦めていて、離脱は確実視されている。また、NAFTA(北米自由貿易協定)に関しても、議会が関与せず大統領の権限で再交渉、撤廃が可能との見方もある。

 米国の中西部では、70年代から自由な貿易が自分たちを貧困に追い込んだという怨嗟のような感覚が強い。その思いに応えるように「TPP離脱」を掲げ選挙に臨んだため、トランプは民主党支持が強い中西部のほとんどの州で共和党を勝利に導いた。

 それだけに、他の発言と同様に通商分野でもトランプの転向が分かれば、支持者は「裏切られた」と怒りを爆発させる可能性がある。TPP離脱は支持層の熱狂をつなぎ留める上でも必須なのだ。

 ただし、トランプの保護主義的政策が実現すれば、高い関税により中国やメキシコから安い輸入品が入ってこなくなり、インフレが起こって庶民は困窮するだろう。一方で、通商政策で譲歩した分、議会が大型の財源が必要な公共投資に強く反対して実現できないとなれば、まさしく袋小路の、最悪のシナリオとなる。

 そうなれば、18年11月に予定されている中間選挙で、民主党が議会を握ることになり、トランプノミクス推進は難しくなるだろう。


トランプ氏勝利、見通し困難で長期的な影響=ECB総裁
ロイター 11/22(火) 4:27配信

[フランクフルト 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁は21日、米大統領選挙でドナルド・トランプ氏が勝利したことで、見通しが困難な長期的な影響が及ぶとの見方を示した。

同総裁は欧州議会で、トランプ氏の当選や英国の欧州連合(EU)離脱について「こうした変化は明らかに、検証が非常に困難な長期的な影響をもたらす」と述べた。


英女王、トランプ氏招待検討
時事通信 11/22(火) 0:46配信

 【ロンドンAFP=時事】メイ英首相の報道官は21日、エリザベス女王がトランプ次期米大統領を来年公式に招待することを「検討している」と語った。

 20日付の英紙サンデー・タイムズは、女王がトランプ氏夫妻をウィンザー城に招く計画だと報じていた。

 トランプ氏は欧州連合(EU)離脱派を先導した英独立党のファラージ党首代行との会談で、亡き母も「私が女王と面会すれば喜ぶだろう」と述べたと伝えられている。


ECB、現実路線で不透明感に対応=仏中銀総裁
ロイター 11/22(火) 0:01配信

[マドリード 21日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は、ECBは足元の不透明感に対応するため、今後数カ月の理事会で、すべての金融政策手段に対し現実的なアプローチで臨むとの認識を示した。スペインで開催された会議で述べた。

総裁は「量的緩和(QE)、貸出条件付き長期資金供給オペ(TLTRO)、金利に関するフォワードガイダンスなど、すべての金融政策手段に関する3月以降の最善の活用について、われわれは今後数カ月の理事会で現実的な観点から決定すると確信している」と述べた。

英国の欧州連合(EU)離脱決定やトランプ氏の米大統領選挙勝利などをめぐる不透明感に対応するため、ECBは資産買い入れの規模や期間など、多くの選択肢について予断を持たないとした。ただ、これらに、「3月で金融緩和策への寄与を突然停止する、または永遠に同様の寄与を続けるといった選択肢はない」と述べた。


ドル高で「行うべきこと」阻まれず=米FRB副議長
ロイター 11/21(月) 23:59配信

[ニューヨーク 21日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のフィッシャー副議長は21日、FRBは政策決定にあたり米大統領選挙以来のドル高の影響を勘案するとしながらも、ドル高によりFRBが「行うべきこと」を実施することが阻まれることはないとの見解を示した。

同副議長はメキシコペソの急落により貿易加重指数が影響を受けていることなどに言及し、米大統領選以来「ドル相場は上昇している」と指摘。

「為替相場が雇用情勢に影響を及ぼすとの意味ではかなり重要である」としながらも、「米経済のインフレと失業の状況に基づき、FRBが実施する必要があることが阻まれることはない」と述べた。


首相とトランプ氏「直接会うのが大事」…河野氏
読売新聞 11/21(月) 23:16配信

 自民党の河野太郎・前国家公安委員長と民進党の前原誠司・元外相が21日、BS日テレの「深層NEWS」に出演し、今後の日米関係について議論した。

 河野氏は安倍首相とドナルド・トランプ次期米大統領の会談について、「直接会ってお互いを理解するのが大事だ。早い段階で会談できたのはいいことだ」と指摘した。前原氏は国家安全保障担当大統領補佐官に決まったマイケル・フリン氏について、「大統領選の最中に日本に来たとき、我が党の長島昭久衆院議員が菅官房長官に引き合わせた」と話した。

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