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2016年11月12日 (土)

アメリカ大統領選挙、ドナルド・トランプが勝利・24

8日(日本時間9日)のアメリカ大統領選挙は、大接戦の末、共和党候補・ドナルド・トランプが民主党候補・ヒラリー・クリントンを抑えて勝利した。

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リンク:トランプ氏、オバマケアの一部維持に前向き=WSJインタビュー - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:【スクリーン雑記帖】トランプ氏が理想とする大統領を描いた映画 製作にはクリントン氏がかかわっていた? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏、習主席との電話会談「なし」 中国「あった」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「米国第一主義」に対抗し「ジャパン・ファースト」で成長戦略の見直しを - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:オバマケア、一部存続も…トランプ氏が検討示唆 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:NYタイムズ、トランプ次期大統領の「公正な」報道を約束 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米著名投資家バフェット氏「頼まれればトランプ次期大統領に手を貸す」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ勝利で中国化する世界 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:反トランプデモ、3日連続…暴徒化で逮捕者も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏、オバマケアでも軟化 米紙が初のインタビュー - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏、政権移行チームに次期副大統領や身内を任命 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米大統領にトランプ氏 小野寺五典元防衛相、日米同盟への理解不足懸念「これを機に日本独自の安保議論を」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<トランプ氏>オバマケア修正検討 継続に含み - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<COP22>「パリ協定」形骸化懸念 トランプ氏勝利で - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:貴族だったトランプがアジテーターに転向した理由 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<米国>政権移行責任者にペンス氏 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏、「オバマケア撤廃」を再考か オバマ氏から要請 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「反トランプ」に肩入れしすぎた?米メディア 自国しか見ない米国人 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<TPP承認>米高官、オバマ政権は断念「次期政権と協議」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏、政権移行チーム議長にペンス氏起用 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏との交渉 手ぐすねの中国 日本は20世紀に描いた対中シナリオ捨てよ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:焦点:トランプ氏は過激公約実行するのか、固唾を飲む市場 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<トランプ氏>亀井静香議員との会談中止 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米との協力に自信=トランプ氏と電話会談-国連総長 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米新大統領にトランプ氏 長男ら「トランプ・ファミリー」が移行チームに 責任者はペンス次期副大統領、クリスティー知事は降格 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:オバマ政権、TPP断念=発効は絶望的に-米報道 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日本の役割拡大要請か=トランプ氏、安倍首相との会談で - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏、移行チームを刷新 トップにペンス次期副大統領 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:安倍晋三首相の得意技「猛獣使い」で、トランプ側への人脈乏しくも巻き返しなるか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<トランプ氏勝利>暴言の傷は癒えず 抗議デモ各地で発生 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「受け入れるのに7時間」、「助けてくれ」。南米メディアが報じた「トランプ就任」への南米諸国首脳の反応 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:オバマケアの一部維持検討=トランプ氏、撤廃公約修正も-米 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:壁・投獄・入国禁止――トランプ氏の「公約」、実現は? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプを許さない 宅配スタートアップCEO、全社員宛てに宣言 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

トランプ氏、オバマケアの一部維持に前向き=WSJインタビュー
ウォール・ストリート・ジャーナル 11/12(土) 15:17配信

 【ニューヨーク】次期米大統領のドナルド・トランプ氏は、オバマ大統領との協議を受けて医療保険制度改革法(オバマケア)の一部の維持を検討する意向だ。大統領選後初のインタビューでウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に明らかにした。

 トランプ氏は選挙期間中、実行不可能でコストが高く「使えない」としてオバマケアの撤廃を公約に掲げていた。だが10日にホワイトハウスでオバマ大統領と会談した際に再考を求められたことを受け、妥協する姿勢をにじませた。

 トランプ氏は11日、既往症を理由に保険会社が加入を拒否することを禁じた条項と、親の保険で子供を何年もカバーできるとした条項は「非常にいいと思う」とし、この2つを維持することに前向きな考えを示した。

 そのほか、大統領就任直後の最優先課題は金融規制を緩和して「銀行が再び融資できる」ようにすることと、麻薬や不法移民に対して国境を守ることだと語った。


【スクリーン雑記帖】トランプ氏が理想とする大統領を描いた映画 製作にはクリントン氏がかかわっていた?
産経新聞 11/12(土) 14:51配信

 共和党のドナルド・トランプ氏(70)が第45代大統領に就任する。トランプ氏は9日未明にニューヨーク市で「歴史的な勝利だ」と勝利宣言したが、会場に姿を現したときに流れた音楽に、思わずニヤリとした。

 映画「エアフォース・ワン」(1997年)のテーマ曲。ジェリー・ゴールドスミスが作曲したこの雄大な音楽は、日本のテレビ番組でもしばしば使われる。テロリストに乗っ取られたエアフォース・ワン(大統領専用機)の機内で米大統領のマーシャルが戦うアクション大作だ。

 マーシャルを演じたのはハリウッド俳優のハリソン・フォード(74)。トランプ氏は昨年、米紙ニューヨーク・タイムズに対し「映画に出ている一番好きな大統領は『エアフォース・ワン』でテロリストと戦ったハリソン・フォードだ」と明言していた。

 フォードは不動産王トランプ氏が1980年代にニューヨークに建てた豪華なトランプタワーに住んでいる。このため当時、トランプ氏は「私が所有する物件を借りてくれているからじゃない」と弁明した。ただ、この件に関してフォードは、当時大統領選の共和党指名獲得争いを繰り広げていたトランプ氏に「彼がプレジデント(大統領)? 私はレジデント(見習い)だと思った」と痛烈なひとことを放った。

 「エアフォース・ワン」の監督は「U・ボート」(81年)や「アウトブレイク」(95年)も撮っているウォルフガング・ペーターゼン。1993年に「ザ・シークレット・サービス」を発表したが、命をかけて大統領を守る主演の警護官を演じたのが、トランプ氏の支持者であるクリント・イーストウッドだ。イーストウッドは今年8月発売のエスクァイア誌のインタビューで、トランプ氏と民主党候補ヒラリー・クリントン氏のどちらを支持するかと問われ、「難しい選択だがトランプ氏だ。クリントン氏はオバマ大統領の路線を踏襲すると表明している」と回答している。

 面白いのは、トランプ氏が愛してやまない映画「エアフォース・ワン」が完成した背景に、ヒラリー・クリントン氏の夫で当時の大統領、ビル・クリントン氏の功績があったことだ。それまで内部がベールに包まれていたエアフォース・ワンをセットで再現するため、フォードが友人のクリントン大統領に「中を見せて」と頼んだのだ。

 トランプ氏は選挙の遊説に豪華ホテルのような内装の自家用ジェット機(ボーイング757、通称「トランプ・フォースワン」)を使っていた。機内ではフォードが演じたマーシャル大統領を思い描いていたのだろうか。本物のエアフォース・ワンに乗ったら、さぞや感慨深いだろう。(伊藤徳裕)


トランプ氏、習主席との電話会談「なし」 中国「あった」
CNN.co.jp 11/12(土) 14:41配信

ワシントン(CNN) ドナルド・トランプ氏が米大統領選で勝利した後、他の外国指導者と同様、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と電話会談をしたのかどうかをめぐり、トランプ氏側と中国の国営メディアの言い分がまったく食い違う事態となっている。

トランプ氏はその事実はないと主張しているが、中国中央テレビ局(CCTV)は習主席は電話で祝意を伝え、「両国は世界最大の先進国、世界最大の発展途上国として特別な責任を担っている」と説いたと報じた。

11日付の米紙ウォールストリート・ジャーナルはトランプ氏との会見記事を掲載し、同氏は習主席を除き多くの外国指導者と電話で話し合ったなどと述べたと報道。トランプ氏陣営の報道担当者もCNNの取材に、同紙の記事は「正確」と認めていた。

一方、CCTVは習主席が電話会談でトランプ氏に伝えたとする、「中国は中米関係を強く注視しており、米国との健全、長期的かつ安定した関係構築を期待している」などの発言を紹介。「対立を避ける原則に従って全ての論争を解決させることへの期待感を表明した」とも続けた。

トランプ氏は選挙戦で中国の貿易政策などを再三非難。5月の集会では「中国が米国をレイプし続けることは許さない」とまで言い放っていた。中国は米国国民の職を奪っているともし、中国からの輸入品に高率関税を課すとも主張していた。


「米国第一主義」に対抗し「ジャパン・ファースト」で成長戦略の見直しを
ニュースイッチ 11/12(土) 14:19配信

トランプは「ビジネス寄り」だが本当の実行性はこれから
 米国でトランプ新大統領が誕生することが決まった。マーケットはクリントン勝利を予想していたため、トランプ勝利確定で9日の日経平均株価は大きく下げた。しかし、米国東部時間の9日深夜、トランプ氏が米国民に和解を求め、別人のような穏やかな態度で勝利宣言演説を行うと、翌日の米国株式相場に安堵(あんど)感が広がり、大幅上昇に転じた。

 マーケットでは取りあえず新大統領が決定したことで、大きな不確定要素が取り除かれた。しかし、条件反射のような相場環境は要注意である。

 トランプ陣営は「アメリカ・ファースト(米国第一主義)」のためにはあらゆる手段を尽くすだろうし、米国議会も上下院で共和党優勢となり、8年間のオバマ政権の政策の巻き戻しが起こると予想される。

 「米国第一主義」とは、端的に言えば、米国の利益を米国本土に持ち帰ること、米国が経済金融・軍事において優位性を確保することを意味する。米国の国益優先主義が、日本や中国、そしてアジアの安全保障、通商貿易通貨体制全体に影響を与えるだろう。

 いずれにせよ、米国民は変化を強く望み、新大統領はその期待に応え、変化を速く起こそうとする。だが、一体どのような変化なのかはまだ見えていない。2017年は、トランプ陣営に的確な助言をできる人材がいない場合、権力の乱用、あるいは権力の真空状態が起こりやすい環境となるリスクもある。

 今のところトランプ氏が選挙中に示した政策は、減税や交通インフラ整備への大型財政支出など「ビジネス寄り」で、マーケットの期待感が高まったが、本当の実行性はこれからの課題となる。

 また、トランプ氏個人には連邦税未納などスキャンダルの火種もあり、大統領就任直後から1年程はどのような変化をもたらすのかという期待と、新大統領を弾劾する動きとが拮抗(きっこう)するのではないだろうか。

 日本にとっても日米同盟の見直しや経済・軍事面で相応の負担を求められることになるだろう。筆者には、新大統領が日本に対して「もっと自立せよ」と言っているようにも聞こえる。

 日本も「ジャパン・ファースト」で、成長戦略を見直し、産業構造の変革や国民経済を立て直す好機となるのではないか。既得権益や既存の政治を見直す意味で、変化をチャンスと捉えるべきだろう。

 同様に、欧州に関しても反エリート主義や既存メディアへの反感といった「トランプ現象」は、英国の欧州連合(EU)離脱問題のごとく欧州大陸にも波及し、フランス・ドイツの国政選挙では「自国ファースト主義」の政党を大きく躍進させることになりそうだ。


オバマケア、一部存続も…トランプ氏が検討示唆
読売新聞 11/12(土) 14:09配信

 【ワシントン=黒見周平】次期米大統領のドナルド・トランプ氏(70)は、11日掲載の米紙ウォール・ストリート・ジャーナルの単独インタビューで、廃止を訴えてきた医療保険制度「オバマケア」について、一部存続も検討していることを示唆した。

 トランプ氏はオバマケアについて、保険料の高騰などが起きていることから、「使えない」と、大統領選後、改めて指摘したが、オバマ大統領との10日の会談で廃止を再考するように求められ、オバマ氏に対し、「提案を検討してみる」と答えたことをインタビューで明らかにした。

 そのうえで、トランプ氏はオバマケアについて、「修正されるか、廃止されるかだ」と述べ、一部の内容を見直せば、廃止にこだわらない考えを示した。


NYタイムズ、トランプ次期大統領の「公正な」報道を約束
AFP=時事 11/12(土) 12:44配信

【AFP=時事】米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の発行人、アーサー・サルツバーガー(Arthur Sulzberger)会長は11日、同紙が大統領就任後のドナルド・トランプ(Donald Trump)氏を「公正に」かつ「偏向せずに」報道することを約束する一方、同国の統治機構には説明責任を求めていくと述べた。

 サルツバーガー氏は同紙のウェブサイトに掲載された同紙のスタッフに向けた文書で「タイムズはもちろん恐れない──われわれの調査報道は何度もわれわれの勇気を示してきた」と書いた。

「しかしわれわれはトランプ氏率いる次期政権に偏向のないアプローチもする」「彼の政策、意図を公正に報道する」

 大統領選期間中、同紙はトランプ氏が数千万ドル(数十億円)の所得税納付を回避するために税法をたくみに利用したようだと報じる大々的な記事を数回掲載したほか、トランプ氏に性的嫌がらせを受けたと訴える女性たちの記事やトランプ氏が成功していると主張する不動産事業やカジノ事業の破産も報じていた。

 保守論客は、報道内容が偏向しているとして同紙をたびたび批判している。【翻訳編集】 AFPBB News


米著名投資家バフェット氏「頼まれればトランプ次期大統領に手を貸す」
AFP=時事 11/12(土) 12:37配信

【AFP=時事】米著名投資家で富豪のウォーレン・バフェット(Warren Buffett)氏は11日、米CNNテレビに出演し、激しい大統領選の後も米国は前進するだろうし、頼まれればドナルド・トランプ(Donald Trump)次期米大統領に喜んでアドバイスすると述べた。

 トランプ氏の対立候補ヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)氏を熱心に支持していたバフェット氏だが「大統領が誰であろうと何らかの助けを求められれば、私は手を貸すつもりだ。それが市民であることの一部だ」と語った。さらに米国について「100%」の自信があると述べ、米国は最終的に激烈な大統領選を乗り越えることができると語った。

 またバフェット氏は、トランプ氏が選挙戦中に物議を醸した数々の公約を推し進めるとの見方に疑念を呈した。メキシコや中国からの輸入品に35%の関税を課すという公約については「とてもひどいアイデアだが、景気後退要因になると言うつもりはない」と述べ「報復的な貿易措置を取ると、相手側も同様の措置を取るものだ」と忠告した。

 バフェット氏はトランプ氏が約束する年間成長率4%は「非現実的」だと評し「可能性としてはあっても、数字があまりに法外だ」と語り、より実現可能な目標は年間成長率2%だと述べた。【翻訳編集】 AFPBB News


トランプ勝利で中国化する世界
Wedge 11/12(土) 12:20配信

 11月8日の米国大統領選挙のトランプ候補勝利の事実は、中国の人々にとっても意外な驚きをもって迎えられた。もともと中国人の政治に対する関心は結構高い。自国の政治のことをおおっぴらに云々と言えないだけに、他国の政治についての議論は盛んだ。今回の米国の大統領選挙についても、選挙戦のスタート時から国際政治の専門家を中心に数々の論客が議論に参加してきた。

トランプが勝ったら裸で北京の街中を走る
 9日のトランプ勝利確実となった直後、そうした中国の論客の一人、王冲氏に「トランプ政権は中国にとってどんな影響があるか」質問したところ、答えは一言だけ、“わからん!”と返ってきた。あとで聞いた話、彼は以前テレビの討論番組で「ヒラリー候補勝利」を宣言し、「もし負けたら、裸で北京の街中を走る」を公約してしまっているとのことだ。私が質問したときは、この先トランプ政権の対中政策がどうこう、というよりも、約束をどうやって履行するかで頭がいっぱいだったのかもしれない。

 投票結果が次々に更新される9日、中国のSNSでは「米国にこの先いられないかもしれない」と不安がる中国人留学生や、世界の株式市場が混乱すると中国の株価も暴落するかもしれないと懸念すると投資家、かたや「米国国民は毒入りミルクを飲んだ」と、米国が世界に誇ってきた民主主義システムがポピュリズムよって崩壊したとあざ笑う意見も少なくない。

 当初、中国でもヒラリー候補が勝つだろうというのが大方の予想だった。予想を裏切る開票結果は人々の関心を大いに刺激している。ではなぜ、トランプ氏が勝ったのか、その要因について中国の有識者が口々に指摘しているのが、「ポリティカル・コレクトネス」と「エリート政治」の敗退だ。

 チャイナ・アンド・グローバリゼーション・センターの儲殷・研究員は、今回の選挙結果は米国の「ポリティカル・コレクトネス」と「プロ・エスタブリッシュメント」の敗北だと論じている。また、ブルッキングス研究所のジョン・ソーントン・チャイナ・センターの李成・研究員もトランプ氏の発言は反移民や反グローバリゼーション、反エリートを煽って社会の隅々に落ちている不満に巧みに迎合し、それによって政治や経済に対する不満を集めたのだと指摘している。

 思想史が専門の華東師範大学の許紀霖・教授も米国に限らず、世界中に蔓延する右翼保守主義の根底には「ポリティカル・コレクトネス」と人々が直面する現実とのズレがあることを指摘している。「ポリティカル・コレクトネス」はある意味、自由な言論の制限であり、今回の米国大統領選挙では、トランプ氏の登場によって、白人社会が不満を抱いていた、イスラム原理主義のテロの脅威やメキシコ移民の犯罪の増加について本音を語っていいのだと人々が感じたのだと述べている。さらに、コラムニストの徐立凡氏は選挙制度の欠陥やメディアによる討論のコントロール、党内部の癒着などが「チェンジ」へのニーズを強め、「プロ・エスタブリッシュメント」やエリートたちへの「くたばっちまえ!」という感情を高めさせたのだと語っている。

 日本でも多くの人が今回の米国大統領選挙の結果について、驚きをもって受け止めた。9日の選挙結果を受けて、私が意見を求めた中国系米国人の研究者は、「海外のメディアはトランプ氏を妖魔化しすぎていた」と指摘した。日本のメディアがトランプ氏のネガティブな面ばかりに焦点を当てていたわけではないと思う。しかし、日本が参考にする米国の情報はエリートたちによって語られたり編集されたものだ。「ヒラリー候補勝利」を確信していた王冲氏も、彼自身元中国の党機関誌系新聞の記者だし、頼っていた情報は米国の報道やそれを翻訳した中国国内の報道だ。

エリートと非エリートの乖離
 カルチュラル・スタディーズの専門家、北京大学の張頤武・教授は今回の大統領選挙でヒラリー候補より惨めに敗北したのは米国の主流メディアだ、と指摘している。正義の権化を自負する主流メディアは一も二もなくヒラリー氏を支持した。新聞やテレビなどの世論調査やコラムはヒラリー氏を支持したが、それは必ずしも本当の民意を反映していなかった。主流メディアが伝えることはすべて実態とかけ離れていたのだと述べている。

 今回のトランプ大統領の誕生から見えてきた事実、それはエリートと非エリートの接している情報がどんどん違うものになり、社会の上層部と下層部との社会の見方の溝がますます広がっているということだ。

 セルフメディアやソーシャルメディアの普及によって、エリートによって与えられる情報ではなく、非エリートが自分たちで情報を選択する。既存の権力に反発し、声なき声が顕在化する。同時に、単純で解りやすく、刺激的で感情を揺さぶる情報がより好まれるようになる。一見すると、それこそが本当の民主だと感じてしまいがちだが、大衆化した世論は論理よりも感情を優先し、強いリーダーを好むが飽きっぽく、感情は移ろいやすい。

 じつはこれはすでに、10年くらい前から中国で起きてきた社会現象でもある。右と左の大局の違いこそあれ、世界がだんだん中国化してきているかのかもしれない。


反トランプデモ、3日連続…暴徒化で逮捕者も
読売新聞 11/12(土) 12:16配信

 【ロサンゼルス=田原徳容】米大統領選でドナルド・トランプ氏(70)が当選したことへの抗議デモは、11日もフロリダ州など全米各地で行われ、3日連続となった。

 オレゴン州では10日深夜に一部が暴徒化し、約30人が逮捕された。一方、トランプ氏が選挙戦で訴えた移民排斥を支持する形で、ヒスパニック(中南米)系やイスラム教徒を中傷するトラブルも相次いでいる。

 トランプ氏の当選以降、全米で行われた「反トランプ」のデモや集会は50件超。ほとんどは平和的に実施されているが、オレゴン州ポートランドでは、一部が店や車の窓ガラスを割り、警官に投石を始めたため、警官側が催涙ガスやゴム弾で応戦した。また、カリフォルニア州ロサンゼルスでは、ガラス瓶や花火を投げて交通を妨害した参加者を当局が拘束。同市だけで200人近い逮捕者が出ている。


トランプ氏、オバマケアでも軟化 米紙が初のインタビュー
産経新聞 11/12(土) 12:02配信

 【ワシントン=小雲規生】米大統領選で勝利した共和党のドナルド・トランプ氏は米紙ウォールストリート・ジャーナル(電子版)が11日に報じたインタビューで、医療保険制度改革(オバマケア)について「修正するか、撤廃して別の制度に置き換えるかだ」と述べた。トランプ氏は選挙戦でオバマケア撤廃を訴えてきたが、態度を軟化させたかたちだ。トランプ氏が当選後にインタビューに応じるのは初めて。

 トランプ氏は、病歴を理由に保険会社が保険加入を拒否することを禁じ、26歳まで親が加入している医療保険でカバーされることをオバマケアが可能にした点について「とても気に入っている」と述べた。10日に会談したオバマ大統領からオバマケアの維持すべき内容を提案され、「検討する」と応じたという。

 トランプ氏は選挙戦でオバマケアの保険料が想定以上に高くなっていることなどを理由に撤廃を主張。しかし、オバマケアは無保険者を大きく減らす成果も上げていることから、強い反発も受けていた。

 一方、トランプ氏は民主党候補だったヒラリー・クリントン氏の私用メール問題を捜査するための特別検察官任命について、「深く考えていることではない」と説明。クリントン氏の疑惑追及よりも、医療保険制度の改善や国境警備、税制改革を優先させる考えを示した。

 トランプ氏はこのほか、米国内のインフラ整備や自由貿易協定を改善させることで雇用を生み出すと表明。米国から海外に製造拠点を移転させた企業の製品には輸入時に高い関税をかける可能性を示した。


トランプ氏、政権移行チームに次期副大統領や身内を任命
AFP=時事 11/12(土) 12:01配信

【AFP=時事】米国の次期大統領に選出されたドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は11日、閣僚を選定するための政権移行チームを刷新し、責任者として次期副大統領のマイク・ペンス(Mike Pence)氏を任命、その他のメンバーとして共和党関係者や実子3人を含む身内4人を選定したことを明らかにした。

 不動産王から世界のリーダーとなったトランプ氏は11日、米マンハッタン(Manhattan)に所有するトランプタワー(Trump Tower)の豪華な住まいで過ごした。トランプ氏を勝利に導いた側近らが今後の方針策定に向けて歩を進める中、トランプ氏は政権移行を進める責任者にペンス氏を任命したことを発表した。

 さらに政権移行チームには、トランプ氏の実子のイヴァンカ(Ivanka Trump)さん、ドナルド・トランプ・ジュニア(Donald Trump Jr)氏、エリック(Eric Trump)氏、さらにイヴァンカさんの夫で不動産事業を手掛けるジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)氏も加わる。

 トランプ氏は以前から、自分が大統領選に勝利した場合、職権との利害関係が衝突しないようブラインドトラスト(白紙委任信託)方式を採用し、自身の莫大な資産をイヴァンカさんら実子3人が運営する受託機関に委託すると述べていたことから、今回の人選は批判を集めそうだ。

 一方でトランプ氏は、選挙期間中には矛先を向けていた共和党内の上層部からも人材を登用し、共和党全国委員会(Republican National Committee)のラインス・プリーバス(Reince Priebus)委員長などもチームメンバーに加えている。【翻訳編集】 AFPBB News


米大統領にトランプ氏 小野寺五典元防衛相、日米同盟への理解不足懸念「これを機に日本独自の安保議論を」
産経新聞 11/12(土) 11:59配信

 自民党の小野寺五典元防衛相は12日の読売テレビ番組で、次期米大統領に決まったトランプ氏の日米同盟に対する理解不足に懸念を示した上で「これを機会に日本が独自に安全保障はどうすべきかを考えるべきだ」と述べた。

 小野寺氏は「トランプ氏の言動を見ていると自国の経済優先で、(中国が侵出を強める)東シナ海や尖閣諸島、南シナ海の問題に影響が出てくるのではないかと心配している」と強調。また、トランプ氏が在日米軍の撤退などに言及している現状に関し「(日米安保の重要性を)知らないということは恐ろしい」と懸念を表明した。

 さらに「早急に現実をよく理解していただき、米国がいい方向に行くようにしっかり支援していきたい」と指摘。「米大統領の発言一つで日本の安全保障の問題が不安になる。これを機会に日本が独自に日本を守るためには何をしなければいけないのか、どういう装備や法改正が必要なのかを議論しないと、米大統領が替わるたびに日本が不安になる」と語った。


<トランプ氏>オバマケア修正検討 継続に含み
毎日新聞 11/12(土) 11:32配信

 【ワシントン西田進一郎】米国のドナルド・トランプ次期大統領(70)は、選挙戦で「撤廃」を公約していたオバマ大統領肝いりの医療保険制度改革(オバマケア)について、一部条項を残して修正する可能性を示した。米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)紙が11日掲載した大統領選後初の単独インタビューで語った。

 来年1月の就任に向け、現実路線への転換を図る一環とみられる。トランプ氏はオバマケアについて「ひどい制度だ」などと批判し、大統領になればすぐに撤廃すると主張してきた。

 トランプ氏はWSJ紙のインタビューで、オバマ大統領と10日にホワイトハウスで会談した際に、オバマケアのいくつかの部分について維持するよう提案されたと明かした。トランプ氏は「私は検討すると答えた。(オバマ氏に)敬意を払い、検討する」と語った。さらに「オバマケアは修正するか、撤廃するか、置き換えるかのいずれかだ」と述べた。

 具体的には、オバマケアの関連法規のうち、既往症を理由にした保険会社による加入拒否を禁じる条項と、親の保険で追加的にその子供も対象にできる条項について、トランプ氏は「非常に好きだ」と語り、条項維持を前向きに検討する考えを示した。

 【ことば】オバマケア

 改革を進めたオバマ大統領の名前に医療保険(ヘルスケア)を加えた造語。米国史上初めて公的補助を通じ国民に医療保険加入を原則義務付けた医療保険改革。2014年に本格施行されたが、政府の「過剰な関与」や財政負担を嫌う共和党は強く反対する。当初、国民皆保険を目指したが、推計2000万人の加入にとどまる。低所得者の加入・利用が増加したため、撤退する保険事業者もでている。


<COP22>「パリ協定」形骸化懸念 トランプ氏勝利で
毎日新聞 11/12(土) 11:24配信

 【マラケシュ(モロッコ)久野華代、ブリュッセル八田浩輔】国連気候変動枠組み条約第22回締約国会議(COP22)が開かれているマラケシュで、各国が米国の対応に神経をとがらせている。共和党候補として米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏(70)は、環境政策分野で政権移行チームのトップに地球温暖化懐疑派の論客を指名。温暖化防止の国際的な枠組み「パリ協定」の形骸化とともに、米国の「協定離脱論」もくすぶり、会場には悲観論が漂う。

 「全員が尋ねたかったことを聞く。選挙結果でアメリカはどうなるのか」。南米のベネズエラの交渉官が11日の会議でただすと米国の交渉団は「次の政権がどうなるかはわからない。ただ、すでにパリ協定は発効している。覆る恐れはない」と答え、2005年の発効前に離脱した京都議定書との違いを強調した。

 懸念が深まるのはトランプ氏が、ワシントンのシンクタンクに務めるマイロン・エベル氏を米環境保護局(EPA)の政権移行チームリーダーに指名したからだ。温暖化懐疑派の論客で、石炭火力発電所の新設を実質禁じたオバマ政権の政策を「違法」だと断じる。

 地球温暖化と温室効果ガスの科学的関連について、産業界を支持基盤とする共和党内には懐疑論が強い。協定には批准国が4年間は脱退できない決まりがあるが、共和党主導の議会がパリ協定からの「離脱」を検討する可能性もある。

 欧州連合(EU)筋は「協定は参加国が温室効果ガスの削減目標を守らなくても罰則はない。トランプ氏がオバマ政権で設定した目標を棚上げすることはあり得る」と、協定の形骸化を懸念する。

 昨年、パリ協定を採択したCOP21では、先進国が途上国へ25年までに年1000億ドルを支援することも決まった。米国の資金提供額は大きく、日本の交渉筋は「米国が資金拠出をやめたら穴埋めはできず、途上国を協定につなぎとめられないだろう。深刻な影響は徐々に出てくる」と述べた。


貴族だったトランプがアジテーターに転向した理由
Wedge 11/12(土) 11:20配信

 「ヒラリーは公用のEメールを勝手に削除した!」

 6月2日、カリフォルニア州サンノゼ市のコンベンションセンターで、ドナルド・トランプがダミ声で怒鳴ると、聴衆は激しいブーイングで応えた。

 「私が大統領になったら、あの女を刑務所にぶち込んでやる!」

 トランプが拳を振り上げると、聴衆は「うおおおお」と雄叫びを上げて足を踏み鳴らした。

 聴衆の9割以上は白人。平日の夕方だから仕事帰りのはずだが、ネクタイやスーツを着た人は少ない。ほとんどがジーパン。ワークブーツの人も多い。

 彼らは「サイレント・マジョリティー」と書かれたサインボードを掲げ、上気したピンク色の顔で「移民を追い出せ!」と熱狂的に叫んでいる。まさにピッチフォーク・モブ。よそ者をリンチするため、燃え盛る松明(たいまつ)やピッチフォーク(干し草を持ち上げるための農具)を手に村を練り歩く怒れる群衆だ。

 時々聴衆に交じった反トランプ派の人が「レイシスト!」と叫ぶ。トランプが「そいつをつまみ出せ!」「顔面を殴ってやりたい」「そいつを殴ったら弁護士費用を出してやろう」などと煽るので、各地で聴衆が実際に暴力をふるって問題になっている。トランプの集会はどんどんナチス党集会に似てきている。

 1時間ほどのスピーチでトランプはほとんど絶叫し続けた。ヒトラーのように常に大きく手を動かし、常に誰かを罵っていた。Stupid、Moron、Idiot(どれも馬鹿という意味)、Liar(嘘つき)など、政治家の演説ではめったに聞かれない強烈な言葉が次々と炸裂する。

『アプレンティス』での物静かな進行
 だが、トランプはそんな人間ではなかった。

 彼をアメリカの国民的な人気者にした『アプレンティス』(2004年~)のシーズン1を12年ぶりに見直してみた。トランプの弟子(アプレンティス)を志願する14人の参加者が、毎週トランプから課せられるビジネス・チャレンジ(たとえば同じレモネードをいかに高く沢山売るか)を戦う勝ち抜きゲーム番組。毎回、番組の最後に、最も成績の悪かった者が排除される。その時トランプが言う「You're fired(君はクビだ)!」は流行語になった。

 しかし、今、見てみると、トランプは静かだ。独特の手のジェスチャーはこの頃から同じだが、決して声を荒らげず、ゆっくりと話す。「あなたは賢明な女性だ。だが、今回は売り上げが最下位になってしまった。ビジネスとは冷酷なものだ。君はクビだ。ありがとう。家に帰りたまえ」。

 言葉遣いも上品で、貴族的な冷酷さがある。もともとトランプはこういうキャラクターだった。

 1980年代、レーガノミクスによって証券と不動産のバブルが始まったが、それを象徴する人物は映画『ウォール街』の株取引人ゲッコー(マイケル・ダグラス)とトランプだった。70年代のニューヨークは荒れ果てた廃墟とポルノ・ショップ、ジャンキーと娼婦だらけの街だったが、トランプはそれを高級化していった。潰れたホテルを二束三文で買い取って高級ホテル、グランド・ハイアットとして再生した。ホームレスの村のようになっていたセントラルパークで放置されていたスケートリンクを完成させた。トランプ・タワーを建ててマンハッタンの金ぴかのイメージを蘇らせた。

 トランプはイタリア製のスーツを着ているようなビジネス・エリートたちの憧れだった。80年代後期のスーパーリッチな証券マンを描いた『アメリカン・サイコ』の主人公が崇拝するのはトランプだった。それがどうして、下品な言葉でプア・ホワイトを熱狂させるアジテーターに変わってしまったのか。

 87年、ジョージ・H・W・ブッシュが大統領選に出馬する際、トランプを副大統領に選ぶと噂され、政界への野望についてインタビューされている映像がある。トランプは柔らかな口調で優雅な微笑みを絶やさず「大統領選に挑戦することには興味ありますよ」と語っている。

ブキャナンの移民排斥の主張に示していた嫌悪感
 10年後、トランプは00年の大統領予備選に出馬した。共和党でも民主党でもなく、大富豪ロス・ペローが立ち上げた改革党からだった。だが途中で予備選を降りた。ライバルのパット・ブキャナンに勝てないと判断したからだ。保守系の政治評論家でニクソン大統領の演説ライターでもあったブキャナンは白人の人口減少を警告し、メキシコとの国境に壁を築き、不法移民を排斥せよと訴えた。

 「私は、トランプの政策を先取りしていたんだ」。現在のブキャナンは言っているが、99年当時、CNNのインタビューでトランプはブキャナンの移民排斥に嫌悪感を示している。

 「ブキャナンは極右を超えている。あれでは本選に勝てない」

 確かにそうだったが、ブキャナンは少なくとも改革党の中では勝った。トランプは何かを学んだはずだ。

 さらにトランプの「転向」のきっかけになったのは、07年、プロレス団体WWEでの抗争だろう。『アプレンティス』で流行語になった「お前はクビだ!」はもともとWWEのヴィンス・マクマホン会長の決めゼリフだったことから、2人の確執が始まり、対決へと盛り上がっていった。

 もともとトランプとマクマホンは盟友だった。トランプはマクマホンより1つ下。境遇も似ている。トランプの父はニューヨークのブルックリンの低所得者用集合住宅の建設事業で財をなし、マクマホンの父はニューヨークのローカル・プロレス団体のプロモーターだった。2代目の2人はそれを全米規模のビッグ・ビジネスに拡大した。早くから2人は親交を深め、88年、トランプがアトランティック・シティで始めたカジノ・ホテルで、WWF(当時)の年間最大のイベント「レッスルマニア」を開催してから、何度も提携してきた。

 90年代後半、WWFは国民的な大ブームになった。荒くれレスラー、ストーンコールドことスティーヴ・オースチンがマクマホン会長の冷遇に反逆し、会社に反抗するレスラーたちと経営者側についたレスラーたちとの労使抗争へと発展したのだ。マクマホンはWWEの観客の過半数がワーキング・クラス(3割が世帯年収4万ドル以下)であることを熟知して、憎むべき経営者としてふるまった。

 「ウチの客の9割はバカだ」と観客に向かって言ってのけ、札束で選手の頬を叩いて屈服させ、「お前はクビだ!」と権力を振りかざすマクマホンを観客は憎み、その下で戦うストーンコールドに共感し、彼が必殺技スタナーをマクマホンに食らわせると、文字通り飛び上がって喜んだ。同時に観客はレスラーの技を受けきるマクマホンという商売人を畏敬し、愛した。

 そのマクマホンに彼以上の金持ちトランプが立ち向かったのだ。題して「バトル・オブ・ザ・ビリオネアズ(大富豪の対決)」。トランプはマクマホンよりも自分のほうがWWEをうまく経営できると言って乗っ取りを宣言した。

 「私のほうが金持ちでハンサムで背も高いしな!」

 WWEには脚本家と演出家がいる。現在のトランプの罵倒術はこのとき、WWEで学んだのではないか。

 そしてトランプは会場の天井から客席に現金をばらまいた。これほど人を馬鹿にした行為もないが、観客は舞い散るドル紙幣を奪い合って熱狂した。

 決着は、マクマホンとトランプがそれぞれ擁立したプロレスラー同士を戦わせるという奴隷戦士を決闘させるローマの貴族のような展開。さらにマクマホンがトランプの生え際不明瞭なヘアスタイルをからかって「負けたほうが丸刈りになる」というルールに決まった。試合はトランプが場外でマクマホンにラリアットをかましてなぜかKO勝ち。マクマホンはリング上でトランプのバリカンで髪を刈り取られ、WWEの株も買い取られた(というお芝居)。

 この試合は当時のWWEでは最高の視聴率を記録したので、後にトランプはレスラーでもないのにWWEの殿堂入りをした。さらに、トランプはWWEをマクマホンに買値の2倍で無理やり買い取らせた。「安く買って高く売る」というトランプのモットーを示したオチだった。

 ニューヨークの富裕層に生まれたトランプは、ブキャナンの選挙戦とWWEで初めて白人労働者層、いわゆるサイレント・マジョリティーの鬱屈したパワーに触れた。マーケティングの名手としてはこれを利用したい。なら、共和党しかない。共和党の支持者の9割が白人で、学歴や収入も民主党のそれに劣る、つまりWWEと同じ客層だからだ。

 だが、トランプは慎重だった。まず12年の中間選挙で出馬を匂わせ、「オバマは本当はケニア生まれだから大統領の資格がない」と発言してみた。それはデマとして既に検証が済んでいるにもかかわらず、共和党支持者の過半数がそれを信じた。トランプは差別的デマで共和党員がどのくらい「釣れる」かをテストしてみたのだろう。テストは成功したが、トランプは出馬を取りやめた。ウォール街がバックにつくミット・ロムニーには資金力で勝てそうにないからだ。

 そして15年、トランプは満を持して出馬した。ライバルの候補は史上最多の16人。だが、全員小物だった。資産価値の下がった会社に敵対的買収をかけるように、トランプは共和党に乗り込んだ。貧しい労働者の荒々しい言葉遣いと話し方、差別的なレトリックで、株の代わりに有権者の支持を奪い取って、党を乗っ取った。30年近くかかった大統領への野望はついに実現しつつある。それはマーケティングによって客のニーズに合わせた戦略の勝利だったのだ。

 だが、トランプは勝ち取ったビジネスを必ずしも成功させていない。トランプは4度の自己破産をしている。「破産すれば負債がゼロになる法律があるから利用した」と肩をすくめるが、国家でそれをしたらどうなるか。日本はアメリカの国債の大口保有国である。


<米国>政権移行責任者にペンス氏
毎日新聞 11/12(土) 11:19配信

 【ワシントン西田進一郎】米国のドナルド・トランプ次期大統領は11日、来年1月の就任に向けた政権移行チームの陣容を刷新した。選挙戦中から責任者を務めたニュージャージー州のクリス・クリスティー知事をチームの執行委員会副委員長に降格し、マイク・ペンス次期副大統領を責任者に任命した。執行委メンバーには実子3人を含む身内や側近を起用した。

 クリスティー氏は、政治的報復として同州内の道路を意図的に封鎖したスキャンダルで元側近らが有罪評決を受け、これが響いたとみられる。同時に、元下院議員で党指導部も務めたペンス氏を責任者にすえることで、連邦議会との連携を強化し、政権移行をスムーズに進める狙いもあるとみられる。

 執行委副委員長は、クリスティー氏に加え、共和党候補指名争いで敗退した元神経外科医ベン・カーソン氏▽ニュート・ギングリッチ元下院議長▽マイケル・フリン元国防情報局長官▽ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長▽ジェフ・セッションズ上院議員--を指名した。

 執行委メンバーには、政権運営の鍵を握る大統領首席補佐官の有力候補に取りざたされる保守系メディア「ブライトバート・ニュース」幹部でトランプ氏陣営の最高責任者を務めたスティーブン・バノン氏▽同じく同補佐官有力候補の共和党全国委員会のラインス・プリーバス委員長▽トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏▽長女イバンカ氏▽次男エリック氏▽イバンカ氏の夫ジャレッド・クシュナー氏らも指名された。


トランプ氏、「オバマケア撤廃」を再考か オバマ氏から要請
CNN.co.jp 11/12(土) 11:03配信

ワシントン(CNN) 米国のドナルド・トランプ次期大統領は12日までに、医療保険制度改革(オバマケア)を撤廃して新制度を設立するとの自身の再三の主張について再考する可能性を示唆した。再考の理由としてオバマ大統領との会談を挙げている。米紙ウォールストリート・ジャーナルとのインタビューで明らかにした。

政策変更を示すものというよりは、選挙戦時の言葉遣いを改めたものとみられるが、発言の修正により保守派との対立につながる可能性もある。

トランプ氏はインタビューの中で、10日の会談でオバマ大統領からオバマケアの一部を維持するよう促されたことを受け、自身の立場を見直していると述べた。

契約前の健康状態に基づく差別を禁止した条項や、若い米国人が両親の保険プランを継続して使用できるようにする条項を維持する意向を示した。

トランプ氏は「オバマケアは修正か撤廃、もしくは別の制度に置き換えられるだろう」と指摘。そのうえで、オバマ氏から大統領執務室での会談中に再考を促されたことを認め、「オバマ氏の提案を検討するつもりだと伝えた。大統領への敬意から、そうすることになるだろう」と述べた。

トランプ氏は共和党予備選の最中にも同様の見解を表明したことがあり、今回示した立場は全く新しいものではない。

ただ、オバマケアの即時撤廃や新制度設立などを訴えていた選挙戦での立場から距離を置く可能性を示したという意味で、今回の発言は新たな兆候だと言える。


「反トランプ」に肩入れしすぎた?米メディア 自国しか見ない米国人
THE PAGE 11/12(土) 11:00配信

 ドナルド・トランプ氏が勝利した米大統領選。米メディアの世論調査では、ヒラリー・クリントン氏が優勢とされていたが、それが覆された結果となった。国際政治学者の六辻彰二氏は、その要因の一つに、米メディアの報道姿勢を挙げる。

現状に不満を持つ層の反感を買う?
 今回の大統領選では、新聞やテレビを含めてメディアの多くがトランプ批判に傾いていた、と六辻氏は指摘する。

 米メディアは一般的に「保守寄り」と「リベラル寄り」に党派性が出る傾向にある。しかし今回は、共和党支持のメディアまでトランプ氏を批判するなど「反トランプ」の方向に振り切れていたという。

 六辻氏は、現状の政治や社会に不満を持つ人たちにとっては「逆効果になるのでは」と感じていた。その立場からすると「トランプを追い詰めようとした」と反感を買う可能性があるからだ。結果、「メディアの肩入れは、逆にトランプ氏に有利に作用した」とみる。

白人だけでなく各階層にトランプ支持者
 トランプ氏は、メキシコ国境に壁を築く公約を掲げるなど、反移民的な発言を繰り返してきた。六辻氏は、人には心の奥底に「封印していたもの」があるが「トランプはその『タガ』を外してしまった」と分析する。こうした発言は、実際に口にした時点である種の「カタルシス」になる。トランプ氏に投票した人たちは、彼が自分たちの「代弁者」だと感じた。六辻氏は「それだけアメリカは病んでいる」と語る。

 これは何もトランプの主な支持層といわれる白人低所得者だけではなく、ヒスパニックや黒人ら各階層でこうした「鬱積した問題」を抱えているという。彼らには現状をひっくり返したい願望があり、今回の選挙は「多くの米国民がその不満や情念をそのまま叩きつけた結果」だと振り返る。

 ただ有権者の多くは、当選後にトランプの公約が本当に実現するのか、彼の主張を実行したら世界で何が起きるのかまでは考えないという。米国人は自国が大国すぎて「国内しか見ない人が多い」(六辻氏)からだ。トランプ氏からすれば、ここまで不満を叩きつけた米国民に対して良識ぶった対応はできない。「部分的に公約を実行に移して国民の満足感を引き出すのではないか」と予想する。

 今後、トランプ氏が実際にこれまでの発言をどこまで実行するかは現段階では不明だ。だが政策の遂行次第では「世界的な不安定化につながる」と懸念する。


<TPP承認>米高官、オバマ政権は断念「次期政権と協議」
毎日新聞 11/12(土) 10:52配信

 【ワシントン清水憲司】米政府高官は11日、日米など12カ国で合意した環太平洋パートナーシップ協定(TPP)について「取り扱いは議会指導部が次期政権と協議する」と述べ、オバマ大統領任期中の議会承認を事実上断念する考えを明らかにした。世界の国内総生産(GDP)の4割を占める巨大経済圏の確立を目指したが、発効には議会承認を受けた日米の批准が不可欠。次期大統領のドナルド・トランプ氏(70)の方針転換がない限り、発効の道筋は閉ざされることになる。

 アデエモ大統領副補佐官(国家安全保障担当)が電話記者会見で答えた。

 TPP離脱を唱えるトランプ氏の大統領選勝利後、与党共和党上院トップのマコネル院内総務が「TPP承認法案を年内に審議することはない」と表明した。記者会見に同席したローズ副補佐官(同)は「我々は現状をはっきり認識している。アジア太平洋地域と米国の貿易の重要性は、次期大統領の下でも重点的に取り組まれる必要がある」と述べ、判断をトランプ政権に委ねる考えを示した。

 オバマ氏はTPP発効を「レガシー(政治的遺産)」にしようと、年末にかけて開かれる「レームダック議会」で承認を得て、来年1月20日までの任期中に批准にこぎつける可能性に期待をかけていた。しかし、TPP推進派が多い共和党主流派の間でもトランプ氏との対立を避けるため、年内の審議入りは困難との意見が強まっていた。ローズ氏によると、ペルーで17日から開かれるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に併せ、TPP参加国が首脳会談を開くが、オバマ氏は「これまでの取り組みを総括する」という。

 過激な発言で選挙戦を戦ったトランプ氏は、公約をどこまで実現させるか疑問視されている。勝利後はTPP離脱のほか、メキシコや中国に対する高率の関税導入など保護主義的な政策には言及しておらず、仮にトランプ氏が方針を変えれば、TPP発効も不可能ではない。ただ、トランプ氏は米中西部の「ラストベルト(さび付いた工業地帯)」での集票が勝利の原動力になったため、TPP離脱の方針を撤回する可能性は小さいとみられる。

 日米をはじめ、カナダ、メキシコ、ペルー、チリ、ニュージーランド、オーストラリア、シンガポール、マレーシア、ベトナム、ブルネイの12カ国が参加。アジア太平洋地域での貿易自由化や投資、知的財産などのルールを決めた包括的な経済連携協定で、日本は2013年7月から交渉に参加した。昨年10月に大筋合意に至り、今年2月の署名で協定文が確定した。


トランプ氏、政権移行チーム議長にペンス氏起用
読売新聞 11/12(土) 10:47配信

 【ワシントン=黒見周平】次期米大統領のドナルド・トランプ氏は11日、来年1月の新政権発足に向け、政権移行チームの議長に次期副大統領のマイク・ペンス氏を起用する人事を発表した。

 副議長にはニュート・ギングリッチ元下院議長、クリス・クリスティー・ニュージャージー州知事らを充てる一方、自身の子ら「ワシントン政治」とは縁のないトランプ色の強い人物もチームに加えた。

 これまでチームのトップを務めていたクリスティー氏は、事実上の降格とみられる。元側近が4日、違法な道路封鎖に関与したとして刑事裁判で有罪判決を受け、クリスティー氏本人も関与した疑いがある。

 ペンス氏はポール・ライアン下院議長ら共和党主流派に近い。陣容の刷新は、党側との関係を強化するとともに、トランプ氏の意向を反映させやすい体制を作る狙いがありそうだ。


トランプ氏との交渉 手ぐすねの中国 日本は20世紀に描いた対中シナリオ捨てよ
産経新聞 11/12(土) 10:45配信

 「2020年の中国の国内総生産(GDP)総額は60%の確率で世界3位となろう」。日中の専門家10人による共著で、2000年7月に出版された「2020年の中国」(日本経済新聞社)はシナリオのひとつとしてこう“予言”していた。1、2位は米日だ。

 だが、同書の出版から10年後、中国のGDPはあっけなく日本を飛び越えて米国に次ぐ2位に躍進。16年の今年は日本の3倍にもなろうかという規模だ。20年にはトップの米国のGDPに迫る可能性すらある。

 20世紀最後の年だった00年に書かれた専門家の見通しの“甘さ”を批判しているのではない。16年前に現在の中国の姿を的確に予測できた人物は中国人を含めほとんどいなかった、という傍証として挙げた。中国のGDPは当時、日本の3分の1に過ぎなかった。

 同書に編者と記されている日本経済研究センター客員研究員(当時)の鮫島敬治氏は、文化大革命が吹き荒れた1960年代に日本経済新聞の北京特派員として活躍し、いわれなきスパイ容疑で中国当局に1年余りにわたって拘束されたことでも知られる猛者だ。執筆者には東洋学園大学の朱建栄教授ら、そうそうたるメンバーも並んでいる。

 だが、中国は国際社会の概念とは異なる手法で想定外の隆盛を得た。議会や野党、世論の反発をなんら恐れる必要のない中国共産党による一党支配の「即決即断」だ。2008年9月のリーマン・ショック時、わずか2カ月後の11月に打ち出した4兆元(現在のレートで約62兆円)もの緊急経済対策が典型例だろう。

 これが奏功して中国は世界最速で危機を乗り越えるV字回復を果たし、そのマネーはただちに外交や軍事につぎ込まれた。日本や台湾などとの軋轢(あつれき)、国際法を無視した南シナ海への進出で国際社会を脅かす政治パワーへと変化した。日米は膨張スピードと戦略性を侮っていたのではないか。

 かつて国際社会は、中国に対し「衣食足りて礼節を知る」を期待し、数多くの機会を与え続けてきた。

 01年12月に実現した世界貿易機関(WTO)への中国の加盟。08年の北京五輪や10年の上海万博などもそうだ。国際組織への加盟や国際イベントの開催で、国際ルールを順守し、責任ある大国として行動するよう中国に求めてきた。今年の20カ国・地域(G20)議長国を任せたのも、その名残だったろうが、ことごとく期待は裏切られてきた。

 日本は1972年の日中国交正常化以来、3兆円を超える政府開発援助(ODA)を供与。GDPが逆転してもなお、無償資金協力などとして毎年数十億円を進呈し続けている。ODAの枠外にある政府系援助も膨大だ。対中進出した日本企業は2万社を超え、撤退したくともできない“アリ地獄”の環境下にある。

 20世紀に考えた中国の近代化や政治改革、国際社会との協調などの予想が外れたにもかかわらず、日本はなお、20世紀に描いた対中シナリオにしがみついているようにみえる。一党支配によるスピード感に、日本は追いついていけない。

 今年5月、米大統領選で不動産王のドナルド・トランプ氏が共和党の候補指名を確実にした段階で、中国共産党機関紙、人民日報系の環球時報は社説で、「トランプ氏を『騒ぎを起こすピエロ』と判断すると見誤る」と評している。「トランプ大統領」に冷静に向き合うよう主張し、「実利を重視する大物のビジネスマンだ」とも描いていた。

 日常生活から権力掌握や国家運営にいたるまで「損得勘定」が普遍的な行動規範に染みついている中国人にとって、新大統領が「保護貿易主義」をチラつかせようとも、現実主義のビジネスマンの方が理念的な政治家よりもはるかに交渉しやすいと考える。同紙はさらに、「だれが大統領になろうと、最終的に『中国が実力をつける』以外の選択肢はない」とも訴えた。

 中国は一党支配による即決即断の政策決定と強烈なパワーで、トランプ政権との対抗軸を構築していくだろう。老獪(ろうかい)なる不動産王との“値段”の駆け引きは中国人にとって最も得意な分野だ。商談に臨む前に、いかに自分を大きく見せるかが不可欠であることもよく知っている。むしろ習近平政権は、トランプ政権との交渉を手ぐすねを引いて待っているように見える。

 米国の対中政策に長年携わってきたマイケル・ピルズベリー氏(現ハドソン研究所の中国戦略センター所長)は、昨年出版した「China 2049」のなかで、「米国は中国の国家戦略の根底にある意図を見抜くことはできず、騙され続けてきた」と率直に語った。ピルズベリー氏は49年の世界秩序に、中国語の成語「反客為主」を挙げて危機感を示した。主客転倒ないし、本末転倒をさす。

 ピルズベリー氏が注目した49年は、共産党が中華人民共和国を1949年に北京で成立させて100年を迎える年だ。その節目をゴールに中国は20世紀の発想をはるかに超えるスピードで「覇権」を求めていくだろう。日本はいまこそ20世紀に描いたシナリオと完全に決別せねばならない。(上海 河崎真澄)


焦点:トランプ氏は過激公約実行するのか、固唾を飲む市場
ロイター 11/12(土) 10:35配信

[ニューヨーク 10日 ロイター] - トランプ次期米大統領が経済政策についての過激な公約をどの程度実行に移すのか、金融市場は固唾を飲んで見守っている。

選挙戦期間中のトランプ氏の発言は、論理が明確でなかったり文章が途切れていたりして、大幅な解釈の余地を残すものが多かった。

米連邦準備理事会(FRB)の歴史研究で知られるカーネギー・メロン大学のアラン・メルツァー政治経済学教授は「彼の発言は正気ではない。メキシコとの国境に壁を建てて同国にその資金を払わせるなど、異常な話なので、実現するはずもない。ただ発言に比べ、彼の行動はこれまでずっと穏当だった」と話す。

ただ、米議会選では上下両院を共和党が制したため、共和党大統領のトランプ氏は米国経済を劇的に変えられる力を持つ。

トランプ氏が掲げてきた公約は、大幅な減税、インフラ投資、規制緩和、医療保険制度改革(オバマケア)の撤廃などだ。

米国の財政赤字は現在、国内総生産(GDP)対比3.2%と、2009年の9.8%から大きく縮小し、金利は過去最低に近いため、トランプ氏は少なくとも短期的には大規模な財政刺激策を打てる余地がある。

大統領選の勝利演説では「幹線道路、橋、トンネル、空港、学校、病院、インフラを再建する。これが何よりも重要になるだろう」と述べており、インフラ投資優先の姿勢がうかがえた。

発言を分析するだけならよいが、すぐに投資行動を起こすのはいつも以上に危険だ、と語るのは、ヘッジファンドを運営するSPAGファンズのブライアン・シャピロ最高経営責任者(CEO)。「一言一句に反応していたら心臓発作を起こしてしまう」という。

<トランプ・ライト>

経済助言会社ファゾム・コンサルティングは今回の選挙結果を「トランプ・ライト(トランプのライト版)」と名付けた。実際に大統領に選ばれたトランプ氏は、メキシコ国境の壁建設や移民の強制送還、大規模な保護主義的政策といった極端な政策を実行に移すのをためらう、あるいは移せない、との見立てだ。

スリクマール・グローバル・ストラテジーズのコーマル・スリクマール社長も「大衆に受ける発言をしていた選挙戦期間中のトランプ氏のままなのか、あるいはもっと現実的に事に当たる大統領らしいトランプ氏になるのか、市場はじっと見守っている」と話す。

トランプ氏の経済チームは確立していない。貿易問題について中国への強硬姿勢を求めるカリフォルニア大アーバイン校のピーター・ナバロ教授などの助言に従うのか、あるいは財務長官候補に名が挙がっているゴールドマン・サックス出身のスティーブン・ムニューチン氏など、金融街の仲間達の意見に同調し続けるのか、定かでない。

このほか、選挙戦期間中にトランプ氏から離れたコロンビア大ビジネススクールのグレン・ハバード院長など、保守派経済学者が結局は経済顧問として戻るかどうかも注視されている。

トランプ氏は過去に、イエレンFRB議長の経済政策について「恥を知れ」と攻撃し、議長は政治的理由で金利を低く維持していると述べている。こうした発言を繰り返すなら、市場は荒れるだろう。

メルツァー教授は「トランプ氏は今のところ、なんとか言動を慎んでいる。大統領になってもそれができるかどうかが、彼の成否を決定付けるだろう」と述べた。

(Jonathan Spicer記者)


<トランプ氏>亀井静香議員との会談中止
毎日新聞 11/12(土) 10:33配信

 【ロサンゼルス長野宏美】次期米大統領に決まったドナルド・トランプ氏(70)と会談するため、東部ニューヨークを訪れていた亀井静香衆議院議員(無所属)は11日(日本時間12日)、会談が実現せず帰路についた。

 当初は大統領選の投開票日前日の7日に面会する方向で調整していた。亀井事務所によると、日程が流動的なため現地で待機していたが、トランプ氏が多忙になったため中止の連絡を受けたという。


米との協力に自信=トランプ氏と電話会談-国連総長
時事通信 11/12(土) 10:21配信

 【ニューヨーク時事】国連の潘基文事務総長は11日、次期米大統領に選出されたドナルド・トランプ氏と電話会談し、平和と安全、持続可能な開発、人権保護を推進するため、米国と国連が伝統的な強い協力関係を維持することに自信を表明した。

 事務総長は当選に祝意を表した上で、トランプ氏が激戦を制した後、団結を呼び掛けたことを歓迎した。 (了)


米新大統領にトランプ氏 長男ら「トランプ・ファミリー」が移行チームに 責任者はペンス次期副大統領、クリスティー知事は降格
産経新聞 11/12(土) 10:20配信

 【ワシントン=加納宏幸】ドナルド・トランプ米次期大統領は11日、大統領選期間中から政権移行チームを率いてきたクリス・クリスティー・ニュージャージー州知事に代わり、マイク・ペンス次期副大統領が責任者を務めると発表した。トランプ氏の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏、次男エリック氏、長女イバンカさんら「トランプ・ファミリー」も移行チームの執行委員会に入る。

 次期副大統領が移行チームを率いるのは、ブッシュ前政権のチェイニー前副大統領の例がある。インディアナ州知事として、トランプ氏と共和党のパイプ役を務めてきたペンス氏の影響力が強まりそうだ。

 クリスティー氏は副責任者に就く。米メディアは、元側近らが違法な道路閉鎖に関与したとして有罪とされたことに伴う降格としている。また、トランプ氏の女性蔑視発言に関するクリスティー氏の助言が受け入れられず、両者に確執が生じたとの見方も伝えた。

 副責任者にはクリスティー氏のほか元神経外科医ベン・カーソン氏、ニュート・ギングリッチ元下院議長、マイケル・フリン退役陸軍中将、ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長、ジェフ・セッションズ上院議員が就く。

 執行委員会にはトランプ氏の3人の子供のほか、イバンカさんの夫のジャレッド・クシュナー氏、共和党のラインス・プリーバス全国委員長、保守系サイト「ブライトバート・ニュース」会長からトランプ陣営最高責任者(CEO)に就いたスティーブン・バノン氏らが入った。


オバマ政権、TPP断念=発効は絶望的に-米報道
時事通信 11/12(土) 10:17配信

 【ワシントン時事】米紙ウォール・ストリート・ジャーナルは11日、オバマ米政権が来年1月までの任期中の環太平洋連携協定(TPP)の議会承認取得を断念したと報じた。

 次期大統領に決まった共和党のドナルド・トランプ氏は「TPP離脱」を掲げており、現状での協定の発効は絶望的になった。

 オバマ大統領はこれまで、任期中にTPP実施法案を議会に提出し、承認を得たい考えを示してきた。しかし、TPPを激しく批判するトランプ氏が大統領選で勝利し、多数派の共和党上院トップが9日、年内の審議を見送る意向を表明していた。

 米議会の通商顧問は時事通信の取材に「実施法案は用意できており、政治決断があれば提出できる」と語ったが、上下両院指導部の同意を得るのは難しいとみられる。また、バイデン副大統領の前経済顧問は11日、ツイッターに「信頼できるさまざまな情報源が『オバマ大統領は議会からの承認取得を目指さないだろう』と語った」と投稿した。同紙は同様の情報に基づき「断念」を報じたようだ。

 一方、ローズ大統領副補佐官は11日の会見で、オバマ大統領が来週末に訪れるペルーでTPP参加国と協定の必要性を確認する方針だと述べた。経済、戦略上重要なアジア太平洋地域に「次期大統領、議会も焦点を当てていく必要がある」とした。 

 TPPは日米など12カ国が2月に署名。発効するには、域内の経済規模の6割を占める米国の批准が不可欠になる。米議会承認が難しくなり、他の参加国の間では条項を見直して「米国抜きでの早期発効」を探る動きも出ている。(了)


日本の役割拡大要請か=トランプ氏、安倍首相との会談で
時事通信 11/12(土) 10:06配信

 【ワシントン時事】米国の次期大統領に就任する共和党のドナルド・トランプ氏の安全保障顧問は、トランプ氏が日本に対し「アジアでより積極的な役割を果たすこと」を期待していると語った。

 ロイター通信が11日、東京発で報じた。

 同通信は、トランプ氏が17日の安倍晋三首相との会談でこうした立場を伝える可能性を指摘しつつ、「日本への役割拡大要求は首相のタカ派的な政策と合致するだろう」と分析している。

 同通信によると、この顧問はトランプ氏の安保政策について、就任後100日間で国防予算の削減を停止し、新たな軍艦の建造に予算を投じるだろうと説明。「米国はアジアに長期間関与する決意だというメッセージを、同盟国の日韓両国だけでなく中国に送ることになるだろう」と語った。 

 また、トランプ氏は17日の会談で日米同盟をめぐる自身の姿勢に対する首相の懸念を和らげ、同盟上の義務を確認したい考えだと指摘した。(了)


トランプ氏、移行チームを刷新 トップにペンス次期副大統領
CNN.co.jp 11/12(土) 10:04配信

ワシントン(CNN) ドナルド・トランプ次期米大統領は11日、マイク・ペンス次期副大統領をトランプ政権誕生に向けた政権移行チームの責任者に据える人事を発表した。陣容刷新の一環で、トランプ氏が当選する数カ月前から移行チームを率いてきたクリス・クリスティー・ニュージャージー州知事は副責任者に降格した。

クリスティー氏は今後、ジェフ・セッションズ上院議員(アラバマ州選出)やルディ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長、退役陸軍中将のマイケル・フリン氏、医師のベン・カーソン氏、ニュート・ギングリッチ元下院議長らと共に移行チームの副責任者の役割を務める。

クリスティー氏は「プロ中のプロの熱心なチームのメンバーと共に選挙前の移行チームを運営できたことを誇りに思う」との声明を出した。

トランプ氏の声明によれば、ペンス氏はクリスティー氏が成し遂げた初期段階の仕事を引き継ぐ形で準備を進めていく。ワシントンに変革をもたらすという政策課題を実行できる成功したリーダーたちを集めるのが新チームの使命だとしている。

次期副大統領が政権移行チームを率いるのはペンス氏が初めてではない。ディック・チュイニー元副大統領はジョージ・W・ブッシュ元大統領の政権に移行する際、主導的な役割を果たした。

今回ペンス氏に白羽の矢が立ったのは、共和党所属の議員や州知事らと長期にわたる深い関係を築いてきたことが一因だ。ペンス氏は選挙戦で、トランプ候補の元に結集するよう共和党員らに呼びかける取り組みを担っていた。

トランプ氏はまた、政権移行の取り組みの助言役となる執行委員会の設立も発表。16人のメンバーから成る同委員会はトランプ氏の子どもたちのほか、共和党全国委員のラインス・プリーバス委員長や選対責任者を務めたスティーブ・バノン氏らといった面々で構成される。後者の2人は大統領首席補佐官の有力候補として名前が取り沙汰されている。


安倍晋三首相の得意技「猛獣使い」で、トランプ側への人脈乏しくも巻き返しなるか
産経新聞 11/12(土) 10:01配信

 8日の米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏。日本政府のトランプ氏側との人脈の乏しさが指摘される中、安倍晋三首相の外交手腕に俄然、注目が集まっている。実は安倍首相、国際社会で「問題児」扱いされる首脳と意外にウマがあう。例えばロシアのプーチン大統領やフィリピンのドゥテルテ大統領ら、そうそうたるメンツと良好な関係を築いてきた。17日にはニューヨークでさっそくトランプ氏と相まみえる安倍首相。ワールドクラスの問題児に対し、「猛獣使い」の妙技を披露することができるか。

 「たぐいまれなリーダーシップにより、米国がより一層偉大な国になることを確信している」

 安倍首相は10日朝に行ったトランプ氏との電話会談で祝意を伝えた。トランプ氏の選挙スローガン「メーク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大にする)」を織り込んだメッセージだ。

 これに対し、トランプ氏は「日米関係は卓越したパートナーシップであり、この特別な関係をさらに強化していきたい」と模範解答で返礼した。選挙期間中に「何百万台も車を米国に売っている日本は守れない」と毒づいた過激さはひとまず封印した形だ。

 しかし、これで安心するのはまだ早い。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの撤退、駐留経費増額が実現しない場合の在日米軍撤退、日韓両国の核武装容認…。これまでトランプ氏が主張してきた“公約”が一つでも実現すれば、日米関係が大混乱に陥ることは必至だ。

 トランプ氏は政治経験がなく、外交儀礼の尊重も危ぶまれる。しかも外務省は民主党候補のヒラリー・クリントン前国務長官の当選が濃厚と分析してきた。岸田文雄外相はトランプ氏と安倍首相の電話会談が全世界で4番目に実現したことを外務省としての人脈づくりの成果を強調しているが、一方でトランプ陣営とは「関係が薄いという事実はあった」(岸田氏)と認めている。日本政府は、対トランプ対策に頭を悩ませる日々が続きそうだ。

 そんな中で政府関係者が「お世辞抜きに期待せざるを得ない」と語るのが、安倍首相自身によるトップ外交の強みだ。

 首相は平成24年12月の就任以降、9月末時点で延べ47カ国を訪問する積極外交を展開。欧米諸国が厳しい視線を送る指導者とも会談を重ね、ひと癖もふた癖もある相手にこそ真価を発揮するのが安倍外交の特徴だ。

 「問題児」を扱う技量が際立ったのは、10月に来日したドゥテルテ比大統領との会談だった。

 「われわれは常に日本側に立つ。安心してほしい」

 10月26日夜、ドゥテルテ氏は会談でこう語り、日本側を喜ばせた。会談冒頭にドゥテルテ氏が見せた表情はまじめそのもの。中国の習近平国家主席の前でガムをかむような所作を見せ、オバマ米大統領を「売春婦の息子」と呼んだ傍若無人ぶりは影を潜めていた。

 ドゥテルテ氏が大人の対応を見せたのは、もともと日本好きだったからだけではない。安倍、ドゥテルテ両氏は9月にもラオスの首都ビエンチャンで会談しており、「首相は欧米諸国のように上から目線で麻薬犯罪容疑者の殺害容認を批判することをせず、友好的な雰囲気づくりに務めたことが奏功した」と首相周辺は語る。

 ドゥテルテ氏だけではない。ロシアのプーチン大統領はウクライナ問題などで欧米諸国から激しい批判を浴びているが、安倍首相は第1次政権も合わせると14回会っている。今月はペルー・リマで、来月も山口県での会談が予定されている。人権弾圧などが問題視されているトルコのエルドアン大統領とも粘り強く付き合ってきた。

 国際社会から「独裁者」の烙印を押されているジンバブエのムガベ大統領、トルクメニスタンのベルドイムハメドフ大統領との親交も深い。25年9月に日本の首相として初めて訪問したトルクメニスタンでは、地元テレビが一日中首脳会談の様子を放映し続けるなど歓待を受けた。

 こうした安倍首相の外交スタイルは、戦略環境や人権状況を無視した「抜け駆け」として欧米諸国から問題視される危険をはらむ。だが、首相が築いてきた人脈は、国際社会の安定に向けた動きに生かされている側面もある。

 首相は昨年11月にトルコ軍がロシア軍機を撃墜した翌月にエルドアン氏とパリで会談。「われわれは『テロとの戦い』で一致団結しなくてはならない。私にできることがあればプーチン大統領に伝達するので言ってほしい」と仲介役を買って出た。

 とはいえ、トランプ氏との首脳外交では単に仲良くなることが求められているわけではない。日本の国益を損ないかねないトランプ氏の公約に修正を迫らなければならず、日米同盟が揺らぐ事態が起きる可能性もある。仮にそうしたことがあったとしても、これを乗り越え、再び同盟をグレートにすることができるか。17日の会談はその試金石となりそうだ。(政治部 杉本康士)


<トランプ氏勝利>暴言の傷は癒えず 抗議デモ各地で発生
毎日新聞 11/12(土) 9:44配信

 米大統領選で勝利したドナルド・トランプ氏(70)への抗議デモが11日も全米各地で発生した。デモ参加者たちが批判の矛先を向けているのが、選挙戦中のトランプ氏の移民や女性に関する過激な発言だ。次期大統領に決まってから新たな暴言は飛び出していないが、米社会を分断し、移民や女性らに残した傷が癒えるには時間がかかりそうだ。【ニューヨーク田中義郎】

 11日、ニューヨークでの抗議デモは3日連続で行われ、「私たちの大統領ではない」と声を上げた。デモに参加したネイト・フォックさん(31)は「トランプ氏のすべてが嫌いだ」と怒りをあらわにする。

 過激発言の発端は昨年6月の出馬会見。トランプ氏は「メキシコ人は麻薬の密売人であり、犯罪を持ち込む。彼らはレイプ魔だ」と言い放ち、注目を集めた。その後も過激な発言をやめず「イスラム教徒の入国を拒否すべきだ」「(元ミス・ユニバースのアリシア・マチャド氏は)歴代優勝者で最悪。急に体重が増えた」と続けた。

 勝つためには手段を選ばないのがトランプ氏の性格とされる。親交があった元証券アナリストのマービン・ロフマン氏は「(昔は)不動産開発業だった父を超えるのを見せたかったのか、トランプ氏は経済誌フォーブスの長者番付で1位になりたがっていた。たとえ、真実を曲げてでも」と言う。

 しかし、ロフマン氏は「大統領に就任したら、周りを知識が豊富な人で固め、意見に耳を傾け、大統領らしい言動をとるだろう」と予想する。

 教訓がある。1980~90年代にかけ、トランプ氏はカジノ事業の拡大に突き進んだ。だが、周囲の助言を無視した結果、カジノやリゾート会社が4回も破産法の適用を受け、負債を抱え込んだ苦い経験がある。

 次期大統領に決まって以降、トランプ氏の態度には変化の兆しが見られる。9日未明に行った勝利宣言では過激な発言を避け「国民が一丸となって努力できるように、私の支持者でなかった人にも協力を求めたい」と謙虚さを演出した。オバマ大統領には「米国生まれでないから、大統領になる資格がない」と批判していたが、10日の初会談では「オバマ氏はすごくいい男だ」と態度を一変させた。すでにトランプ氏は選挙戦中に冷え込んだ共和党主流派にも協力を求めている。

 とはいえ、過激な発言が米社会にもたらした溝は深く、その溝を埋めるには時間がかかるというのが一般的な見方だ。


「受け入れるのに7時間」、「助けてくれ」。南米メディアが報じた「トランプ就任」への南米諸国首脳の反応
HARBOR BUSINESS Online 11/12(土) 9:10配信

 米国の次期大統領にドナルド・トランプ氏が就任することが決まって、ラテンアメリカでは暗雲が伸し掛かって来る気配を感じている。

 今回の米国大統領選挙のクリントン氏もトランプ氏もラテンアメリカでは期待されていない候補者であった。特に左派系の政党が政権を担い、反米主義を掲げるボリバル主義の国ではそれが顕著であった。ただ、この二人の候補者の中でも、トランプ氏は選挙キャンペーン中もラテンアメリカを批判した暴言は止むことなく続いたこともあり、ネガティブな感情が根強い。特にラテンアメリカ人の心象を傷つけた暴言は、メキシコからの違法移民を「犯罪者」そして「暴行者」と呼んだ事だ。またメキシコとの国境3000kmに壁を建設して違法移民の米国へ密入国を防ぎ、その建設費用はメキシコ政府に負担させると公言したことに対してのメキシコ政府の反応は、必要とあらば経済戦争も辞さないという構えであった。メキシコは米国の産業を支えているという自負があるからである。

 ではいったい違法移民者は米国に何人いるのか。現在、米国にはラテン人は<5530万人いる>と統計されている。その大半はヒスパニックである。その内の<1100万人が違法移民>と推察されている。特に、メキシコ、中米、キューバなどからの移民がその大半を占めている。トランプ氏が主張する<強制送還の当初の対象になるのは500万人程度>と見られている。トランプ氏が大統領に就任すると、これが実行に移されるのではないかと違法移民者は不安の念に駆られるているという。(参照:「Prensa Libre」)

 ただ、強制送還については、オバマ大統領もこれまで実行していることなのである。2012年には<40万9000人を強制送還>しており、年間ベースとしては最高の記録となっている。また、2015年には<23万5000人>が同じく強制送還させられている。ただ、桁が違うのはトランプ氏は違法移民者をすべて強制送還させると言っているのである。そうであれば1100万人を強制送還させることになる。それが如何に無謀な数字であるかということなのである。

 警察に摘発されて本国に送還されるのではないかと恐れている違法入国者を精神的に支える<「Under We Dream」>という組織も存在している。彼らは違法入国者に<この国に来るまでに耐えたように、これからも存続することを内心誓い、(トランプ)新政権による不法移民取締りに抵抗して戦う>覚悟でいるように説得しているという。(参照:「VOA noticias」)

 トランプ氏が米国の次期大統領になることが決まって、メキシコのペーニャ・ニエト大統領は<それを受け入れるのに7時間を要した>という。トランプ氏の勝利は確実となった時点から時を移さず6時間後の早朝午前7時にメアデ財務省とカルテンスメキシコ銀行総裁が記者会見を行って<通貨ペソの対ドル暴落を防ぐ為にメキシコの財務の健全性と公的そして私的機関が強靭であることを伝えて<トランプ氏の攻撃の対象になっているメキシコが予測できない如何なる反応にも十分に耐えられる>ことを公言した。しかし、ペソの対ドルレートの下落は続いている。(参照:「El Mundo」)

 ペーニャ・ニエト大統領は、トランプ氏が発言しているようなことを実施させようとするのであれば、「メキシコは米国と経済戦争をする構えでいる」と発言したことがあった。それに加勢するかのように、ペルーの国際政治専門家シアッパ・ピエトゥラ氏が<「ペルーは姉妹国家としてメキシコを支援する」>と発言している。そして、<「彼が言っていることを実現させるとは思えないが、ペルーはメキシコと連帯した行動を取るべきだ」>と述べた。また、<「トランプ氏はメキシコに関しての発言はもっと慎重であるべきだ。何故なら、壁を建設することなどできることではないからだ」>と述べて同氏の暴言に釘を刺した。(参照:「RPP」)

 ニエト大統領が経済戦争をする覚悟でいる背景には、現在メキシコは米国の産業の下請けのような存在になっており、メキシコで生産されたものの<78%が米国に輸出されている>という事実がある。しかし、トランプ氏は、北米自由貿易協定(NAFTA)を(米国にとって)最悪の協定だと言っている。それを是正する為に<輸入関税を35%設ける>と発言している。しかし、それを実行すれば弊害が出るのは米国の方が大きいということがトランプ氏にはまだ理解できていないようである。(参照:「BBC Mundo」)

 ブッシュ(Jr)元大統領の政権下でラテンアメリカとの外交を担当していたロジャー・ノリエガ氏でさえ、<ラテンアメリカは米国の一部の経済市場であると考えるべきで、この地域とは発展の為の協力が必要である>と説いている。そして、<「トランプ氏がそれを理解しているとは思わない」>とBBC Mundoの取材に答えている。

 メキシコ紙『EL UNIVERAL』は、トランプ氏の勝利に<予測では誰も彼が優位にあるとは予測しなかった。選挙戦の当初は彼のことを冗談とも受け止められていた>と報じている。また、『EL FINANCIERO』は<両候補者の人気はこれまでと比較して低く、多くの有権者にとって選び難い二人の中から一人を選択するという特徴の選挙であった>と報じた。そして『EXCELSIOR』は見出しに<「クリントンは獲得票ではトランプを上回った」>と打ち出し、<選挙システムによってトランプが勝利した>と報じている。

 米国のこの選挙システムを評してベネズエラのマドゥロ大統領は自国の政治的混乱は棚上げにして、<国民が大統領を選ぶのではなく、500人以上の代理人を選ぶ.。そして代理人が大統領を選ぶ。これは古い中世の選挙システムだ>と批判している。(参照:「Diario」)

 ただ、不思議なのは今回の大統領選挙ではトランプ氏もヒスパニックから票を結構獲得しているのである。

 この10-15年くらい前から米国の選挙におけるヒスパニックの支持が当選に大きく影響するようになっていると言われており、ヒスパニックは基本的には民主党支持者が多い。だから、ヒスパニックの投票率が高いと民主党の候補が当選する確率が高いとされている。しかし、今回の選挙で鍵を握っていたフロリダ州の人口250万人のマイアミ地区ではクリントン氏が66.04%の得票率であるが、トランプ氏が31.22%と共和党候補としては高い得票率を獲得しているのである。ヒスパニックが共和党に票を入れるようになったのも、8年間の民主党の政治体制にも拘らず選挙公約が実現されていないという不満と、そしてオバマ大統領がカストロの独裁政権を容認したままで国交を回復したということに不満のあるヒスパニックが共和党に今回は票を入れてたのである。

 ちなみにトランプ氏が言及している違法移民者への強制送還が強度の度合いで実施されるようになれば、彼らが考えているのはカナダへの移住であるという。(参照:「La Prensa」)

 今年から米国の支援もあって外交方針を変更することが出来たアルゼンチンとブラジルについて、アルゼンチンのマクリ大統領はクリントン氏と個人的な関係を既に築いていたのが、修正を余儀なくさせられている。ブラジルは政府間の外交なので、国務省の新しい高官らと関係作りが今後必要になって来る。

 またキューバは<11月16日から三日間の予定で軍事パレードを行う>と発表した。トランプ氏は選挙キャンペーン中にキューバの反政府派を支持する意向を表明している。米国と国交が回復してから観光産業が急成長している。昨年は300万人の観光者が今年は400万人に増加。米国の政権が交代すると観光業が後退するのではないかとキューバ政府は懸念しているという。(参照:「Publico」)

「世界一貧しい大統領」として著名になったウルグアイのムヒカ前大統領はトランプ氏が大統領に選ばれたことについて「一つだけ言いたいことがある。『助けてくれ』ということだ」とウルグアイ・ラジオからの質問に答えた。彼には<トランプ氏のイメージがグロテスクに映り、同類のクリントンがより柔和に見える>という。いつも核心を就いた評価をすることで定評の高いムヒカ氏が、トランプ氏の就任に強い不安を抱いているのが『助けてくれ』という表現になったのである。(参照:「HispanTV」)

 ヒスパニックについての主張のみならず、政治に全くの素人が世界のリーダー国の舵を取ることになる。その前途は全くの未知数であるのは言うまでもない。

<文/白石和幸 Image Courtesy:Frente a Aratiri via flickr(CC BY-SA 2.0)>

しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営する生活。バレンシアには領事館がないため、緊急時などはバルセロナの日本総領事館の代理業務もこなす。


オバマケアの一部維持検討=トランプ氏、撤廃公約修正も-米
時事通信 11/12(土) 9:08配信


ワシントンのホワイトハウスでオバマ米大統領と会談後、取材に応じる次期大統領ドナルド・トランプ氏=10日(EPA=時事)
 【ワシントン時事】米国の次期大統領に就任する共和党のドナルド・トランプ氏は、オバマ大統領のレガシー(政治的遺産)の一つである医療保険制度改革(オバマケア)について、一部を維持することも検討する考えを明らかにした。

 ウォールストリート・ジャーナル紙(電子版)が11日に掲載したインタビューで語った。トランプ氏の単独インタビューは当選後初めて。

 オバマケアは国民皆保険を目指し、オバマ氏が2010年の立法により導入。ただ、保守層の間で批判が強く、トランプ氏は撤廃を公約していた。インタビューでの発言は公約修正に柔軟な姿勢を示したもので、民主党などからは他の分野での軟化を期待する声も上がりそうだ。

 ジャーナル紙によると、トランプ氏はインタビューで、オバマケアの見直しに早急に取り組む考えを表明。ただ、健康状態を理由に保険契約を拒否することを禁止する条項などは「とても好きだ」と述べ、存続を検討する考えを示した。

 トランプ氏は10日にオバマ氏と会談した際、撤廃を再考するよう求められ、「敬意を表して提案を検討する」と応じたという。

 トランプ氏は就任後数週間の優先課題として、オバマケアに加え、金融規制の緩和と国境警備の強化を挙げた。また、「私は国民がお互いに愛し合う国にしたい」と述べ、国民の団結を目指す考えを強調した。 

 トランプ氏は9日の当選確定後、大部分の国の首脳からは連絡があったと説明。ロシアのプーチン大統領からは「美しい」手紙をもらい、近く電話会談する予定だと説明した。(了)


壁・投獄・入国禁止――トランプ氏の「公約」、実現は?
CNN.co.jp 11/12(土) 9:00配信

(CNN) 米国の次期大統領に選出された共和党のドナルド・トランプ氏は、「アメリカを再び偉大な国に」という公約を掲げて予想外の勝利を収めた。支持者は同氏が来年1月に行う就任演説に、この公約の柱となる政策を盛り込むことを期待する。以下に主な内容を紹介する。

国境の壁

トランプ氏の選挙公約の柱は言うまでもなく、米国とメキシコの国境に壁を築くという主張だった。2015年6月に出馬を表明した当初から移民問題に焦点を据え、メキシコが国境を越えて「強姦者」や「犯罪者」を米国に送り込んでいると言い放って物議をかもした。

同氏が「美しくする」と公約した壁は、トランプ氏の移民政策の目玉だった。建設費はメキシコに負担させるとも主張したが、8月にメキシコのペニャニエト大統領と会談した際はこの話は持ち出さなかった。

民主党や穏健派からの反対は根強いものの、この主張はトランプ氏支持者の間で幅広い支持を獲得。世論調査機関ピュー・リサーチ・センターの調査によると、同氏の支持者の79%がこの公約を支持している。

「投獄しろ」

「Lock her up(投獄しろ)」というスローガンは共和党の全国大会で始まり、間もなくトランプ氏の集会の恒例になった。

2回目の大統領候補者討論会でトランプ氏は民主党候補のヒラリー・クリントン氏に対し、もし自分が勝利すれば「司法長官に指示して特別検察官を任命し、(クリントン氏の私用メール問題に関する)状況を調べさせる」と言明した。

クリントン氏が「ドナルド・トランプ氏のような気性の人物が我が国の法を司っていなくて本当によかった」と応じると、トランプ氏は「なぜならあなたが投獄されるから」と言い返している。

トランプ氏のこの発言に政界では右派も左派も戸惑いを示したが、支持者は湧いた。

米連邦捜査局(FBI)のコミー長官は投票日を前に、国務長官時代のメール問題に関連してクリントン氏を刑事訴追することはないと表明、FBIが出した結論はこの夏から変わらないことを確認した。

しかしトランプ氏はこの問題を再び持ち出すと宣言しており、支持者がそれを忘れるとは思えない。

イスラム教徒の入国禁止

1年ほど前にカリフォルニア州サンバーナディノで起きた銃乱射事件を受けてトランプ氏は、「事態が把握できるまでイスラム教徒の米国への入国を完全封鎖する」という公約を打ち出した。

それから11カ月を経て、この問題に関するトランプ氏の姿勢を見極めるのは難しくなった。後に同氏は「テロリズムに支配された国家」からの移民を入国禁止の対象にすると言い換えている。

この提案について「不快かつ違憲」と形容していた副大統領候補のマイク・ペンス氏は先月、イスラム教徒の入国を全面的に禁止することはトランプ氏ももはや支持していないと説明。しかし今年初めに実施された共和党の予備選の出口調査では、共和党の有権者の大多数がイスラム教徒の一時的な入国禁止を支持すると答えていた。

オバマケア廃止

オバマ大統領が医療保険制度改革法(オバマケア)を成立させた2010年以来、共和党は同法を廃止させようとする試みを続けてきた。そしてようやく、それを実現する人物をホワイトハウスに送り込むことに成功した。

トランプ氏はオバマケアを「最悪」と評し、「最高の医療保険制度」に置き換えると表明している。

同法を巡っては2017年の保険料急騰の見通しが発表されるなど、マイナス面も噴出している。

オバマケア廃止の展望が開けたことは、共和党のトランプ氏を支持していなかった層にも歓迎されるだろう。共和党のポール・ライアン下院議長は先日、トランプ氏に不安はあるが、医療保険制度改革法を廃止できる可能性があるという理由で同氏に投票すると表明した。

トランプ氏は今、上下両院で共和党を味方に付けている。ただし同法が廃止されれば約2000万人が医療保険から締め出される。

NAFTAとTPPからの離脱

トランプ氏があり得ない勝利を収めたのは主に、鉄鋼業や製造業が廃れた「ラストベルト(さびついた地帯)」を制したことによる。ウィスコンシンとペンシルベニアの両州で共和党が勝利したのは1980年代以来。ミシガン州でも共和党がリードしている。こうした州で同氏は、自由貿易について大衆受けする公約を打ち出して有権者を引き付け、「労働者にとって最悪の協定」と位置付ける協定をつぶすことで、こうした地域の黄金時代を復活させると訴えた。

問題となった北米自由貿易協定(NAFTA)と環太平洋経済連携協定(TPP)のおかげでトランプ氏はラストベルト票を獲得し、クリントン氏は政治的に弱い立場に追い込まれた。TPPに対しては民主党内の反対も根強く、かつてTPPを「黄金の基準」と評価していたクリントン氏も後に反対を表明。トランプ氏はこの翻意を自分の功績と位置付けた。夫のビル・クリントン元大統領が成立させたNAFTAについては、クリントン氏の姿勢を見極めるのが難しかった。

対するトランプ氏は一貫してNAFTAにもTPPにも反対してきた。NAFTAについてはメキシコおよびカナダとの間で交渉をやり直すと宣言し、完全に離脱する可能性も残している。TPPに関しては、自分が大統領になれば承認しないと断言した。


トランプを許さない 宅配スタートアップCEO、全社員宛てに宣言
Forbes JAPAN 11/12(土) 9:00配信

米国で4万4,000軒以上のレストランの宅配事業を手がけるスタートアップ企業、グラブハブ(GrubHub)のマット・マロニーCEOは、トランプ政権誕生に関する彼の考えを社員宛てのメールで述べた。

米国ではティム・クックやジェフ・ベゾス、マーク・ザッカーバーグらのCEOが、トランプに対する意見を表明しているが、マロニーの意見は他の誰よりも激しい。

「トランプのように人種的マイノリティや移民らを侮辱し、からかうような振る舞いは、グラブハブでは一切許されるものではない」と、マロニーは全社員に宛てたメールで述べた。

「仮にトランプのような人間がこの会社に居たなら、即刻仕事を辞めてもらう」

さらにマロニーは「トランプのナショナリズムを煽る、反移民的で、ヘイト的な政治信条はグラブハブでは受け入れられない」と宣言した。

「私は会社のメンバーであれ、世間の人々であれ、米国で暮らす人々が安心してより良い暮らしを送れることを望んでいる。私や会社のメンバーらは人々の権利を守るために立ち上がる」と彼は続けた。

「この声明に同意できない者が居たなら、辞職の申し入れをメールしてほしい。なぜならあなたの場所はここには無いからだ。我々はヘイトな行ないを許さない」

Foxニュースはこの件を「マロニーがトランプ支持者に辞職を迫った」と報道したが、それは誤報だとフォーブスの取材に応えた。

「従業員がトランプに投票しても、何の問題もありません」と彼は言う。「トランプの憎悪に満ちた声明に同意する社員が居てもいいのです。しかし、この会社で差別やヘイトスピーチが行なわれることは許しません。私は社員が誰かに傷つけられたり、侮辱されたりすることを許しません」

マロニーの発言に対し、グラブハブには膨大な抗議の声が押し寄せた。今後一切、グラブハブを利用しないという声もあがった。しかし、社員や多くの外部の人々から、彼の行ないを賞賛する声も寄せられた。

社員宛てのメールをマロニーは次のように結んでいる。

「今日の朝のヒラリー・クリントンの演説をここで繰り返したい。新政権の誕生を広い心で受け入れ、彼らのリーダーシップに期待したい。しかし、自分が正しいと信じるもののために、戦うことには価値があるのだ。私はそれを信じ続けていきたい」

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