« 東日本大震災等および原発事故関連のニュース・2157 | トップページ | 天皇陛下、「生前退位」のご意向と報道・9 »

2016年10月18日 (火)

三菱MRJ、あれこれの話題・4

昨年11月11日に初飛行した三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の国産初の小型ジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」は、現在形式証明の取得など量産機の製造に向けた飛行試験を続行中で、そうした開発進展状況のニュースについては逐次ご紹介しているが、ここではMRJに関するその他の話題をご紹介する。

最初の記事
2番目の記事
3番目の記事

リンク:MRJ納入、20年半ばに延期=5回目変更、開発費大幅増―三菱重工 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「MRJ」5度目の延期。中小サプライヤーへの影響は? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「MRJ」再び納入延期。顧客のANAとJAL、社長の反応は? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ初号機納入に最大2年延期、5度目 型式証明取得に時間 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<MRJ>5度目の納入延期へ 20年半ばに - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ納入、2年延期=20年半ばに、変更5回目―三菱重工 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱重工の「MRJ」、納入さらに延期し2020年に 「型式証明」の取得が大幅に遅れ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:5度目の納入延期。「MRJ」の機体を改めて検証してみた - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「MRJ」初号機納入は最大で2年延期、2020年半ばに=関係筋 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ライバルには絶対に負けられない。MRJ、開発費大幅上積みの覚悟 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ開発費、5000億円超へ=初の国産ジェット、受注増課題―三菱重工 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ開発費、5000億円超 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、米国拠点で見学会 関係者170人招待 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<三菱重工>MRJ納入延期へ 5度目、社長が示唆 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ開発で追加負担=納期時期「読めず」―三菱重工社長 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:スターアライアンスCEO:MRJは航空機産業で競争促進させるので歓迎 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、苦闘続く機体開発。やっぱり5度目の納期延期か - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ量産初号機の試験機転用報道、三菱航空機「発表段階ではない」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJの装備領域の設計を強化---「機械」と「電気」に分割、三菱航空機が体制変更 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱重工、社長直轄の「MRJ事業推進委員会」を設置---開発を強力に推進 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱重、MRJ推進委を設置 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、三菱重工が社長直轄委員会 納期変更せず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、全機静強度試験を完了 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ、5度目の「納入延期」強まる - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<News Navi>国産機「MRJ」が崖っぷちか? 12月にも「納期の再延期」発表説〈サンデー毎日〉 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱航空機がジャストシステムのWeb DB「UnitBase」を採用、400以上のDBが稼働中 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:揺れだした国産ジェット旅客機MRJ開発 プロジェクトを三菱重工社長直轄に - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:今日は「MRJ」初飛行から1周年 国産リージョナルジェット旅客機の軌跡を追う - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:NTT Com、三菱航空機「MRJ」開発に向けグローバルネットワークを提供 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:MRJ事業、社長直轄=18年半ばの納入延期も―三菱重工 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三菱重が16年度の業績予想を下方修正、MRJは事業性を重視 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:川西精密、航空機事業に参入へ---MRJの部品の加工 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国産初のジェット機MRJ 実はあまり収益に期待できない理由 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:悲観的な報道が目立つMRJ。それでも期待される理由 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

MRJ納入、20年半ばに延期=5回目変更、開発費大幅増―三菱重工
時事通信 1/23(月) 15:07配信

 三菱重工業は23日、2018年半ばを目指していた国産初の小型ジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の航空会社への納入開始を、20年半ばに2年延期すると発表した。最新の安全基準に適合させるため、装備品の配置や電気配線の設計を変更する。延期はこれで5回目。開発費も現行計画から大幅に膨らみ、同社の経営戦略に大きな打撃となりそうだ。

 宮永俊一社長は23日記者会見し、開発が遅れる理由について「最高水準の安全性能を国際的に説明できるようにするには、設計の変更が必要だと判断した」と説明した。その上で、欧米の専門家らを開発に直接関与させるなど体制を大幅に強化し、納入開始時期の19年末への半年繰り上げを目指す考えを示した。

 3000億~4000億円とみられた開発コストに関しても、宮永社長は「3~4割増える」との見通しを表明。開発当初の見積もり(1500億~1800億円)の3倍程度に膨らみ、5000億円を超える可能性を示唆した。これに伴い、投入資金を回収できる時期も、20年代後半から30年代に5年単位で後ずれする見通しとなった。

 ただ、開発費の増加分はグループ全体の収益で吸収できると強調。小型旅客機は「長期的な成長事業」(幹部)との位置付けは変えず、より小さな次世代航空機の設計や、開発で得る最新技術の活用を検討する新組織を発足させる。

 MRJは当初、13年に全日本空輸に初号機を納入する計画だったが、納期の延期を繰り返してきた。部品メーカーなど裾野が広い航空機産業を、自動車産業に続く日本の得意分野に育てようと後押しする政府の戦略にも誤算が生じてきた。


「MRJ」5度目の延期。中小サプライヤーへの影響は?
ニュースイッチ 1/23(月) 11:20配信

Mrj14
MRJ4号機(手前=右)と1号機(米国の試験拠点)

投資回収の遅れ懸念。それでも日本の航空機産業へ期待高く
 三菱航空機(愛知県豊山町、森本浩通社長)が開発中の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の量産初号機のANAホールディングス(HD)への納入時期が、予定する2018年半ばから20年半ばに遅れる見通しとなった。20年に月産10機まで増やすという量産計画も修正を迫られそうだ。生産に参画する協力会社への影響は大きい。

 納期延期は5度目で、設計変更による量産の遅れは避けられそうにない。量産機の生産は始まったものの、現在はほとんど進んでいないという。機体の組み立てを請け負う協力会社は、生産拡大を見込んで人員を増やしているが、それに見合う仕事がない状態だ。

 部品を納入する協力会社も、量産計画を見越して工場の増設など設備投資を進めている。米ボーイング向けなどMRJ以外の仕事が多く、それほど影響はないと見通す企業もあるが、MRJ向けが中心の企業では、投資の回収遅れなど影響が懸念される。

<中堅・中小メーカーの実情>

 長野県飯田市に、世界の航空機メーカーに欠かせない存在となっている企業がある。多摩川精機だ。飛行制御装置用センサーを手がけ、米ボーイングの次世代小型旅客機「737MAX」、欧州エアバスの中大型機「A350」と、2大メーカーの主力機の受注実績を持つ。

 海外の顧客が来社することも多く、関重夫社長は「期待の高さを感じている」と手応えを実感する。「MRJ」のセンサーも受注した。2015年に同社の萩本範文副会長が、航空機産業と中堅・中小のサプライヤーの関係について講演している。そこでは日本の航空機産業と「MRJ」への期待と課題が語られている。(※内容は当時のもの)

【多摩川精機副会長・萩本範文氏】

 航空機産業は華やかに語られるが、参入は泥臭く難しい。自動車産業のように裾野が広く、地方の中小零細企業にも影響が行き渡る産業に育てるためには、もう少し時間がかかるだろう。ではどうすれば良いのか、日々考えている課題を話したい。

 当社が拠点を置く長野県飯田市の事例を話す。長野県は精密機械産業を基盤に発展してきた地域。今後はそれが新興国との競争になると考え、2006年の地域産業界の会合で航空機産業を次の産業に育てようと呼びかけた。

 理由は、精密機械産業は航空機産業との類似性が高く転換が早いと感じたからだ。また精密機械産業のサプライチェーンネットワークは既にあるが、航空機産業は未成熟で参入余地があると考えた。加えて航空機産業には将来性があり、今後航空機の需要がアジアを中心に増えること、長野県から近い愛知県に航空機産業が集積していたこともある。

 06年には、地元37社で「飯田航空宇宙プロジェクト」を発足した。飯田だけの問題ではなく一般的に、航空宇宙産業は挑戦しようにも中小零細企業にはハードルが高い。

 それを解決するには、事業連合組織を形成するなど集団を大きくする必要がある。他にも課題は山積みだ。技術不足であり、製造容量が小さいので仕事が入ればあっという間に人手不足に陥る。また地域に一人まとめ役が必要だ。そして資金の問題もある。

航空機は「中抜け産業」
 
 当たり前だが、航空機産業は航空機が売れて売り上げが立つ。下請けの中小零細企業にとってもお金の回転率の悪い産業だ。(部品メーカーにとって)簡単に収入に結びつく仕事は少なく、開発など長い下積みの期間を耐えなければならない。この間の資金繰りは大きな課題。長期的に資金確保できる手法も考える必要がある。

 また日本は機体製造ができ部品はできるが、装備品やシステムの供給ができていない「中抜け産業」の国。世界の航空機装備品メーカー上位100社の中で、日本は2社のみだ。

 米ボーイングは2034年には、世界の空を4万3500機の航空機が飛ぶと想定している。そのためには、これから20年間で3万8050機を製造しなければならないが、製造力が足りていないと考えている。ここまで目標が明確な産業は他にない。だから日本の航空機産業にとってはチャンスなのだ。

 部品加工だけでは航空機産業の集積ができたと言えない。システムや装備品を作らないと産業にはならない。日本は防衛機のシステムや装備品はほとんど国内で作っているのに、民間航空機にはほとんど未参入だ。新しいプレーヤーも迎え入れ、名実共に日本製の機体を作れるようにしたいものだ。


「MRJ」再び納入延期。顧客のANAとJAL、社長の反応は?
ニュースイッチ 1/21(土) 16:12配信

Mrjab
5度目の延期で解約する顧客が出る可能性はあるか

「時間がかかっても一級品を出してくれると信じている」
 初号機の納入が、現在予定している2018年半ばから最大で2年程度延期されることになった国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」。顧客となる予定のANAホールディングスと日本航空(JAL)のトップは納入遅れについてどのように考えているのか。

 ローンチカスタマーとして採用を主導するANAホールディングスの片野坂真哉社長は「MRJは今のところ18年に3―4機受領する計画だが、納期については具体的な連絡を待っている段階だ。東京五輪の前に受領したい。ただ、新たな機材の調達は、すでに追加の機材を購入しており、既存の機材の退役を遅らせればいい。機材の入れ替えには慣れているので、さらなる購入は考えていない」と冷静に対応する考え。

 一方、JALの植木義晴社長は「MRJの導入は21年の予定なので、ブラジル・エンブラエルの機材の運航を何年か延ばせば問題はない。今のところ、大きな機材計画の変更はない。50年ぶりの国産旅客機の製造が、そう簡単にうまくいくものではないことを知っており、リスクは分かった上で発注している。日本のモノづくりには信頼感があり、時間がかかっても一級品を出してくれると信じている」とエールを送る。


MRJ初号機納入に最大2年延期、5度目 型式証明取得に時間
SankeiBiz 1/21(土) 8:15配信

 三菱重工業は20日、開発中のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」について、2018年半ばを予定していた初号機引き渡しを最大2年延期する方針を固めた。安全性を認証する型式証明の取得に向けた作業に時間がかかっているためで、延期は5度目。23日に正式発表する。

 MRJは現在、米国で3機が型式証明の取得に必要な試験飛行を行っている。同社は昨年11月に宮永俊一社長直轄の事業推進委員会を立ち上げ、開発状況などを見直した結果、予定には間に合わないと判断した。初号機の納入先であるANAホールディングスなどには、遅れる可能性が高いことを昨年秋時点で報告している。

 MRJは、三菱重工業子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が手がけている。08年に事業化が決まり、当初は13年の納入を目指していた。しかしその後、設計変更などで延期を重ね、15年12月には4度目の延期を決めていた。


<MRJ>5度目の納入延期へ 20年半ばに
毎日新聞 1/20(金) 20:33配信

 三菱重工業は国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初納入時期を従来予定の2018年半ばから最大2年程度延期し、20年半ばにする方針を固めた。主要部品の設計変更が必要になったためで、納入延期は5度目。事業化を決定した08年当時は13年を予定した初納入が約7年遅れることになり、受注活動に影響しそうだ。

 週明けの23日に宮永俊一社長が記者会見して発表する。

 子会社の三菱航空機が開発するMRJは15年11月に初飛行し、昨年秋から米国での試験飛行を重ねてきた。関係者によると、機体前部に配置していた飛行制御システムについて、安全性向上のため機体の前後に分散配置する必要に迫られたという。設計変更により、国土交通省から機体の安全性で承認を受ける「型式証明」の取得が遅れる見通しで、納入延期も不可避になった。

 MRJは70~90席の小型機で、初納入先の全日本空輸や米国の航空会社などから計447機を受注している。しかし、5度目の納入延期で受注の一部がキャンセルされる可能性があるほか、開発費が膨らみ、三菱重工の業績をさらに圧迫する恐れがある。

 三菱重工は昨年11月、社長直轄の委員会を新設し、MRJ開発の支援体制を強化した。同社はこれまで2020年東京五輪でMRJを世界にアピールしたい意向を示してきた。今後、改めて同社の航空機開発能力が問われることになる。【竹地広憲】


MRJ納入、2年延期=20年半ばに、変更5回目―三菱重工
時事通信 1/20(金) 18:09配信

 三菱重工業が開発している国産初の小型ジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の航空会社への納入時期が、現行計画の2018年半ばから20年半ばに2年延期されることが、20日分かった。納期の延期は5回目となる。機体を制御する電子機器の配置の見直しなど設計変更が必要となったため。今後の受注などへの影響が懸念され、同社の経営戦略に大きな痛手となりそうだ。

 三菱重工は23日、今後の開発体制やスケジュールを発表する。

 MRJの開発は子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が手掛ける。当初は13年に全日本空輸に初号機を納入する計画だったが、納期の変更を繰り返してきた。テロ対策での安全基準厳格化への対応に苦慮しており、今回も設計変更で商業運航の前提となる型式証明の取得が遅れると判断した。


三菱重工の「MRJ」、納入さらに延期し2020年に 「型式証明」の取得が大幅に遅れ
産経新聞 1/20(金) 16:38配信

 三菱重工業は20日、開発中のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット(MRJ)」について、2018年半ばを予定していた初号機引き渡しを最大2年延期する方針を固めた。安全性を認証する型式証明の取得に向けた作業に時間がかかっているためで、延期は5度目。23日に正式発表する。

 MRJは現在、米国で3機が型式証明の取得に必要な試験飛行を行っている。同社は昨年11月に宮永俊一社長直轄の事業推進委員会を立ち上げ、開発状況などを見直した結果、予定には間に合わないと判断した。初号機の納入先であるANAホールディングスなどには、遅れる可能性が高いことを昨年秋時点で報告している。

 MRJは、三菱重工業の子会社、三菱航空機(愛知県豊山町)が手がけている。08年に事業化が決まり、当初は13年の納入を目指していた。しかしその後、設計変更などで延期を重ね、15年12月には4度目の延期をした。


5度目の納入延期。「MRJ」の機体を改めて検証してみた
ニュースイッチ 1/20(金) 16:37配信

Mrj1ff
15年の初飛行(名古屋市上空=三菱航空機提供)

「GTFエンジン」って何?
 三菱重工業が開発中の国産初のジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の初号機の納入が、現在予定している2018年半ばから最大で2年程度延期されることになった。日米などでの就航に必要な「型式証明」の取得に向けた作業が遅れているため。延期は5度目。そこでMRJとはどんな航空機か、改めて検証してみたい。

 MRJは開発当初から高い燃費性能を売りにしている。その切り札が、航空エンジン世界大手の米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)が供給する最新鋭エンジン「PW1200G」だ。

 同じ軸で回るタービンとファンの間に遊星ギアを入れる「ギアド・ターボファン(GTF)」方式を採用。軸の回転を減速してファン側に伝え、タービンとファンのそれぞれが最も効率的なスピードで回るようにした。これにより騒音、燃費とも大幅に削減する。

 MRJは旅客機としては世界で初めて08年にGTFの採用を決定。その後、カナダ・ボンバルディアや欧エアバスの航空機が採用したほか、MRJと競合するブラジル・エンブラエルも既存機のエンジンをGTFに置き換えることを決めた。

 MRJの初飛行の遅れによって、新エンジンによる燃費性能の優位性は薄れた。それでもMRJの燃費の良さの半分はエンジン、もう半分は機体の形状によってもたらされている。

 MRJの最大の特徴でもある「GTFエンジン」について改めて知っておく必要がある。

<なぜ飛行機は飛ぶの?>

 エンジンの話をする前に、飛行機はなぜ空を飛ぶのか、という基本から押さえたい。図に示したように、飛行中の航空機には4つの力が作用している。機体を前に進めようとする「推力」、その反対である「抗力」、機体を浮かばせようとする「揚力」、沈ませようとする「重力」の4つだ。これらの力が釣り合って初めて、飛行機は安定して飛ぶことができる。推力が効力よりも大きければ加速するし、小さければ減速する。飛行機のエンジンは、機体を前に進める力、すなわち「推力」を生み出す装置なのだ。

 現代の航空機の主流は「ジェットエンジン」で飛ぶ機体。MRJもジェットエンジンを積んでいる。

 ここで一度、風船を思い浮かべてみてほしい。風船に空気を吹き込んで膨らませ、手を放すと、風船は勢いよく飛んでいく。風船の中にある圧縮空気が勢いよく吹き出すためだ。ジェットエンジンも風船と同じ原理を持っている。圧縮空気を機体後方に吐き出し、噴流(ジェット)をつくることで、推力を得ているのだ。

 風船は内部の圧縮空気がなくなるとしぼんでしまうが、ジェットエンジンは、機体を飛ばし続けるために常に圧縮空気が必要となる。そこで、機体の前方から空気を吸い込み、圧縮機(コンプレッサー)によって圧縮。それを燃焼室に送って高温・高圧にし、それを排気口から勢いよく吹き出すという構造が採用されている。

 「吸気、圧縮、燃焼、排気」。ジェットエンジンのメカニズムは、この4つに集約される。

Mrjsp
部品の約7割を海外製に頼る

民間機向け装備品市場は寡占化の傾向
 以上が一般的なジェットエンジンの説明だが、MRJは、ジェットエンジンの中でも「GTF」(ギアドターボファン)と呼ばれる新開発のエンジンを採用しており、競合機と比べ、「燃費を「2割程度低減」(三菱航空機)しているのが大きな特徴だ。

 ギアドターボファンは、航空エンジンの世界3大メーカーである米プラット・アンド・ホイットニーが開発中のエンジンだ。エンジン内部にギアを入れることで、「ファン」と呼ばれる吸気装置と「タービン」と呼ばれる動力源の回転を、最適に制御し、燃費や騒音を大幅に改善している。旅客機としては、2008年にMRJが世界で初めて採用を決定。その後はカナダのボンバルディアや欧州エアバスなどの飛行機にも採用が広がっている。

 そもそも、ジェットエンジンとは、戦闘機に使われる「ターボジェットエンジン」と、主に旅客機で採用される「ターボファンエンジン」の2種類に分けられる。

 ターボジェットは、燃焼室を通った圧縮空気だけを吐き出すエンジンだ。これに対して、ターボファンは燃費を向上させるため、燃焼室から出た圧縮空気のほかに、「ファン」という扇風機のようなものを回して吸い込んだ空気も、機体後方に送り出して推力を生み出す。この空気は燃焼室を通らないという意味で「バイパス」空気と呼ばれる。

 旅客機用のエンジンは、常に「燃費向上」が最大のテーマ。当然ながら、燃費を良くするためには燃料の消費量を抑える必要がある。そこで、エンジンメーカーは、燃焼室で圧縮された空気でなく、なるべく「バイパス空気」の量を増やそうとする。バイパス空気を増やすには、ファンを大型化すればよい。

 こうして旅客機用エンジンのファンはどんどん大型化していったが、ある時、限界が来た。ファンを大型化し過ぎると、外周部分の回転速度が上がり、ついには音速に達してしまうのだ。音速に達すると大きな空気抵抗が生まれてしまう。

 そこで、ファンの回転数を制限する必要性が出てくる。しかし、ファンの回転軸とタービン(圧縮機を動かすための装置)の回転軸は同じなので、ファンの回転を抑えると、同時にタービンの回転数も落ち、圧縮機のパワーが下がる。すると、圧縮空気の量が少なくなり、推力が落ちてしまう。

 ここで出てきたのが「GTF」だ。GTFとはGeared Turbofan(ギアドターボファン)の略。文字通り、ギアのあるターボファンエンジンだ。先ほど、「ファンの回転軸とタービンの回転軸は一緒」と書いた。GTFは、ファンとタービンの間に減速ギア(歯車)を入れることで、タービンを高速で回しつつ、ファンを低速で回転させることを可能にした。これによって、ファンは大型化できた。

 GTFの研究自体は昔から進んでおり、かつてはプラット・アンド・ホイットニー以外に米ゼネラル・エレクトリック、英ロールス・ロイスも取り組んでいた。ただ、ギアを入れることによる重量増や信頼性の確立が難しく、これまで旅客機の世界で日の目を見ることはなかった。

<低燃費」という武器>

 三菱航空機は、市場への新規参入ながら、あえて開発中のGTFエンジンを最初に選んだ。そうすることで、リスクと引き替えに、その大きな魅力である「低燃費」という武器を手に入れたと言えよう。しかし、開発中のエンジンだけに、ボンバルディア向けのGTFエンジンで14年に故障を起こすなど、トラブルも起きている。

 GTFは現行のエンジンよりも空気を取り入れるファンの直径が大きい。このため主翼の下に広いスペースが必要だ。MRJは主翼とエンジン、ナセル(エンジンを覆うカバー)の最適な位置関係を探りつつエンジンを主翼の真下ではなく、機体前方寄りに配置した。ほかにも、機体前方下部の貨物室を機体後部に統合し、他の航空機より細く空気抵抗の少ない胴体を実現。シャープで美しい機体だ。

 一方で、装備品は実績のある海外製を多く搭載している。「航空機の頭脳」とも言われる操縦用電子機器(アビオニクス)をはじめ、空調や油圧機器から内装品に至るまで、コストベースで部品の約7割が海外製だ。

 こうした海外メーカーは米ボーイングや欧エアバスをはじめ世界の航空機メーカーにも同様の部品を供給、民間機向け装備品市場は寡占化の傾向すらある。日本にはこれらの装備品産業が十分に育っておらず、今後、日本の航空機産業が参入分野を増やしていく上での壁になっている。


「MRJ」初号機納入は最大で2年延期、2020年半ばに=関係筋
ロイター 1/20(金) 16:33配信

[東京 20日 ロイター] - 三菱重工業<7011.T>の子会社が開発を進めている国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」について、2018年半ばを予定していた航空会社への初号機の納入時期が最大で20年半ばに延期される見通しとなった。納期の延期は5回目。同社の宮永俊一社長が23日に会見して正式に発表する。

MRJは三菱重子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が開発を手掛けており、初号機はANAホールディングス<9202.T>へ引き渡されることになっている。複数の関係筋によると、主要部品に不具合が起きる恐れがあり、設計変更が必要になったため納入が遅れるという。

MRJは現在、当局による機体の安全性能の証明で商用運航に必要な「型式証明」の取得に向けて米国で飛行試験を実施しているが、設計変更により、型式証明の取得も予定から遅れる見通し。

MRJの事業化を決定した08年当時は13年にANAへ引き渡す予定だったが、納期の延期は今回で5度目となる。昨年11月には三菱重の宮永社長を委員長とする「MRJ事業推進委員会」を設置し、グループ一丸となって開発を急いでいる。

(白木真紀)


ライバルには絶対に負けられない。MRJ、開発費大幅上積みの覚悟
ニュースイッチ 12/30(金) 9:50配信

Mrjab
最大の正念場を迎えたMRJ

すでに5000億円超、さらに膨らむ可能性も
 三菱重工業が開発を進める国産初の小型ジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発コストが5000億円を超える見通しとなったことが分かった。事業化決定時に見込んだ約1800億円の3倍規模に膨らむ。

 2018年半ばを目指してきた量産初号機の納入延期が濃厚となる中、さらに開発費が増える可能性もある。コストを回収し利益の出る事業とするには、受注機数の大幅上積みが不可欠だ。

 MRJの開発は子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が担当しているが、当初13年を目指した全日本空輸への機体納入開始は相次ぎ遅延。5回目の延期の可能性が高まったことから、三菱重工は16年11月、宮永俊一社長直轄でMRJ開発を管理する組織を新設し、追加の人員・資金を投入してでも開発を加速する方針を打ち出した。

 納入開始時期は現行目標の18年半ばから、19年以降にずれ込むとの見方が強い。商業運航の前提となる型式証明の審査で、機体を制御する機器の配置変更などが必要となったためで、三菱重工は全日空(ANA)に納期が遅れる可能性を先に説明。12月22日にも現況を直接説明したが、新たな納期は示さず、最新の開発スケジュールは不透明なままだ。

 MRJの開発を急ぐのは、最大のライバル機と位置付けるブラジルの航空機大手エンブラエルが開発中の新型機より先に納入を開始し、最新鋭小型機の市場を押さえるためだ。

 延期が決まれば5度目となり、ブラジル・エンブラエルとの競争への影響は避けられない。

 さかのぼること9月末、三菱航空機の幹部はANAを訪ね、延期の恐れがあると説明した。量産機の生産を始めた段階で技術的な問題が発生したことを理由に挙げたが、具体的な内容には言及しなかった。

 三菱重工が08年に三菱航空機を設立し、MRJの事業化に乗り出した当初は、13年の納入を目指していた。しかし、納期はこれまで4度延期された。三菱重工は米ボーイングの下請けとしての実績は豊富だが、完成機のノウハウがなく、トラブルが相次いだためだ。

 納期が19年にずれれば、エンブラエルの最新機「E2」シリーズとの競争優位性が薄れる。エンブラエルは定員約100人のリージョナルジェット市場で首位の強敵。E2は18年に量産初号機を納入し、88人乗りのMRJと同規模の機種は20年に就航予定だ。

 両機種のエンジンは同じで、差別化のポイントとなる先行投入期間が短くなるのはMRJには痛手だ。MRJの受注数は427機で、大宮三菱重工会長は「開発中にこれだけ多くの受注を得ており、期待の高さを感じている」と手応えをみせる。だが、受注の4割はオプションで、5度目の延期となれば、解約する顧客が出る恐れがある。

 今回の問題以外にも、延期につながる要因がある。商業運航に必要な型式証明の取得のため、米国で本格実施する飛行試験だ。合計2500時間の飛行が必要だが、試験機4機にトラブルが生じ、改修が必要になれば、18年とする型式証明の取得時期が遅れる可能性もある。

 森本浩通三菱航空機社長は10月時点で納入延期については「まだ検討しなければならない項目はもちろん残っている」と話している。ターボプロップ機「YS11」以来、半世紀ぶりの国産旅客機開発を成功させるため、大きなヤマ場を迎えている。


MRJ開発費、5000億円超へ=初の国産ジェット、受注増課題―三菱重工
時事通信 12/29(木) 8:38配信

 三菱重工業が開発を進める国産初の小型ジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発コストが5000億円を超える見通しとなったことが28日分かった。事業化決定時に見込んだ約1800億円の3倍規模に膨らむ。

 2018年半ばを目指してきた量産初号機の納入延期が濃厚となる中、さらに開発費が増える可能性もある。コストを回収し利益の出る事業とするには、受注機数の大幅上積みが不可欠だ。

 MRJの開発は子会社の三菱航空機(愛知県豊山町)が担当しているが、当初13年を目指した全日本空輸への機体納入開始は相次ぎ遅延。5回目の延期の可能性が高まったことから、三菱重工は今年11月、宮永俊一社長直轄でMRJ開発を管理する組織を新設し、追加の人員・資金を投入してでも開発を加速する方針を打ち出した。

 納入開始時期は現行目標の18年半ばから、19年以降にずれ込むとの見方が強い。商業運航の前提となる型式証明の審査で、機体を制御する機器の配置変更などが必要となったためで、三菱重工は全日空に納期が遅れる可能性を先に説明。12月22日にも現況を直接説明したが、新たな納期は示さず、最新の開発スケジュールは不透明なままだ。


MRJ開発費、5000億円超
時事通信 12/28(水) 20:00配信

 三菱重工業 <7011> が開発を進める国産初の小型ジェット旅客機、MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発コストが5000億円を超える見通しとなったことが28日分かった。事業化決定時に見込んだ約1800億円の3倍規模に膨らむ。


MRJ、米国拠点で見学会 関係者170人招待
Aviation Wire 12/28(水) 15:11配信

Mrjv
モーゼスレイク・フライトテスト・センターで開催した見学会(三菱航空機提供)

 三菱航空機は12月28日、リージョナルジェット機「MRJ」の米国開発拠点の見学会を開催したと発表した。現地時間12月4日に開催し、飛行試験初号機(登録番号JA21MJ)と4号機(JA24MJ)を公開した。

 米国内で実施する飛行試験の拠点として、三菱航空機は米ワシントン州モーゼスレイクのグランド・カウンティ国際空港内に「モーゼスレイク・フライトテスト・センター(MFC)」を開設。見学会には近隣住民や地元企業、空港関係者など約170人を招待した。

 MFCは4月1日付で発足。8月1日から現地オフィスが稼働し、日本から異動した社員を中心に、飛行試験機の受け入れ準備を進めていた。9月9日にはワシントン州知事を招き、三菱重工業(7011)の大宮英明会長や三菱航空機の森本浩通社長が出席して開所式を開く予定だったものの、初号機の米国へのフェリーフライト(空輸)が遅れたため、開所式を中止した。

 初号機は9月28日に、2機目となる4号機は11月21日に、モーゼスレイクに到着。見学会後の12月19日には3機目となる2号機(JA22MJ)も到着し、3機体制で試験を進めている。

 2号機は日本時間14日午前9時20分、県営名古屋空港(小牧)を出発した。飛行試験4号機同様、南回りルートを選択。グアム国際空港とマーシャル諸島マジュロ国際空港、ホノルル国際空港、サンノゼ国際空港を経由し、19日午後4時30分(日本時間20日午前9時30分)、グラント・カウンティ国際空港に到着した。総飛行距離は約1万4000キロ、総飛行時間は20時間10分だった。

 三菱航空機では、5機ある飛行試験機のうち、4機を米国へ持ち込む。残る3号機(JA23MJ)も年内に持ち込む予定だが、年明けになる可能性もあるという。


<三菱重工>MRJ納入延期へ 5度目、社長が示唆
毎日新聞 12/26(月) 7:00配信

Myng
インタビューに答える三菱重工業の宮永俊一社長=東京都内で、宮島寛撮影

 三菱重工業の宮永俊一社長が毎日新聞などのインタビューに応じた。子会社の三菱航空機が開発する国産初のジェット旅客機「三菱リージョナルジェット」(MRJ)の初号機を2018年半ばに納入する現在の計画について「現状を見ても、そう簡単なことではない」と述べ、5度目の納入延期に言及した。どの程度の延期が必要か精査中で、17年1月にも発表する。

 MRJは開発の遅れでこれまでに4度、初号機納入を延期。現在は3機態勢で米国での試験飛行に入っているが、機器の細かいトラブルが相次ぎ、5度目の納入延期の可能性が出ていた。宮永氏は、国産旅客機の開発が半世紀ぶりであることを踏まえ、「今の世代が手がけているまったく新しい開発であり、難しさに直面している」と説明。「三菱重工が培ってきた技術は決して劣化していない」と強調した。

 三菱重工は11月、社長直轄の委員会を新設し、MRJ開発の支援体制を強化している。宮永氏は、協力関係にある米ボーイングなどから「機体を作る技術は素晴らしいと評価を受けている」と指摘。「最後はすごく良い飛行機になる。覚悟を持ってやっている事業であり、成功させたい」と語った。

 納入遅れに伴い、航空会社が発注を取りやめるリスクについては、ライバルのブラジル・エンブラエルも今月、新型機の運航開始を延期したと指摘。「予定通り開発できていないのはどこも同じ」と述べ、影響は最小限に抑えられるとの見方を示した。【宮島寛】


MRJ開発で追加負担=納期時期「読めず」―三菱重工社長
時事通信 12/26(月) 3:00配信

 三菱重工業の宮永俊一社長は25日までにインタビューに応じ、国産初の小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)について「開発に想定外のコストが掛かり、費用はもっと膨らむ」と明らかにした。商業運航に必要な型式証明の取得に追加の作業が生じているためで、2018年初頭を目指す証明取得も「読みづらい状態で、(18年半ばの初号機納入も)守れると言える状況にはない」と語った。

 MRJは「YS11」以来、約半世紀ぶりの国産旅客機。開発の遅れから初号機の納入は当初の13年から再三延期している。宮永社長は「納入先の全日本空輸にも遅れる可能性は十分にあると説明している」と述べた。

 MRJの開発費は現時点で数千億円規模とされる。米カリフォルニア州の原発事故に絡み7000億円超の損害賠償も求められる中、「(MRJの追加負担を含め)今あるすべての懸念事項(の解消)に2年でめどを付ける」と述べた。


スターアライアンスCEO:MRJは航空機産業で競争促進させるので歓迎
時事通信 12/15(木) 20:00配信

 全日本空輸などが参加する航空連合スターアライアンスのマーク・シュワブ最高経営責任者(CEO)は15日、東京都内でインタビューに応じ、三菱航空機(愛知県豊山町)が開発中の国産初の小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)に関し、「導入されることは航空機産業にとっては競争が促進されて良いことであり、商業運航を始めることを歓迎する」と述べた。「(初号機を納入する)ローンチカスタマーはスターアライアンスのメンバー(全日空)なので進捗(しんちょく)状況を常に把握している」と語った。


MRJ、苦闘続く機体開発。やっぱり5度目の納期延期か
ニュースイッチ 12/13(火) 8:29配信

Mrj12
米国に出発する試験1号機(9月26日=愛知県営名古屋空港)

米国の飛行試験でトラブルが起きれば・・
 三菱航空機(愛知県豊山町、森本浩通社長)にとって2016年は、国産小型ジェット旅客機「MRJ」の開発が進んだ一方、課題が浮き彫りとなった1年だった。商業運航に必要な型式証明の取得に向け、10月に米国で飛行試験を始める成果を得た。その一方で、18年半ばとする量産初号機の納入時期の延期を検討することになった。

15年11月に試験1号機が初飛行したMRJ。16年は飛行試験の本格化に向け、機体を米国に運ぶのがテーマだった。型式証明取得には約2500 時間の飛行が必要とされる。日本での試験時間は1割ほどで、大半を気象条件の良い米ワシントン州のグラント郡国際空港で実施し、18年前半に型式証明を取得する計画だ。

 そのために、試験機5機のうち1―4号機を年内に米国に運ぶ予定を立てた。8月末に1号機が2日連続で引き返すトラブルはあったが、9月末の再渡米は無事に成功し、10月中旬に米国での試験を始めた。

 11月には4号機を運び終えたが、3号機は同月に初飛行するなど、2・3号機はまだ国内での試験にとどまっている。年内に2機とも運べるかどうかは不透明だ。

 機体の渡米と同時期に、納入延期の恐れが浮上する。三菱航空機の幹部は9月末、納入先のANAホールディングス(HD)を訪ね、機体の生産段階で技術的な問題が発生したことを伝えた。

 さらに11月末、親会社である三菱重工業は宮永俊一社長直轄の組織「MRJ事業推進委員会」を発足させた。延期の必要性の判断など、全社レベルで取り組む。

 半世紀ぶりの国産旅客機開発にトラブルは付きものだが、延期が決まれば5度目で、信頼低下が懸念される。米国での飛行試験が順調に進むかも問われる。機体の改修などトラブルが起きれば、型式証明の取得が遅れる恐れがある。安全性の高い機体を完成させるための苦闘が続く。


MRJ量産初号機の試験機転用報道、三菱航空機「発表段階ではない」
Aviation Wire 12/12(月) 15:33配信

Mrj1
量産初号機の試験機転用が報じられたMRJ=16年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 三菱航空機が開発を進めるリージョナルジェット機「MRJ」の量産初号機を試験機に転用する、とする一部報道について、同社は12月12日、「個別事案に対して発表する段階ではない」とした。量産初号機を受領予定のローンチカスタマーのANAホールディングス(ANAHD、9202)は「何も聞いていない」とコメントした。

◆量産初号機を試験機に

 中日新聞は12月11日、AHAHDに引き渡す量産初号機を試験機に転用すると報道。不具合の改善には、従来の5機の飛行試験機では足りなくなると判断したという。

 三菱航空機は「技術的な課題に向け、対応策を練っている」とした。また、量産初号機の完成時期についても明らかにせず、「機体製造には、一般的には2年程度かかる」との回答に留めた。量産初号機は2016年6月に最終組立工程に入り、県営名古屋空港(小牧)に隣接する最終組立工場に搬入。胴体結合などに着手している。

◆飛行試験機は5機

 MRJの試験機は地上で強度試験を実施する強度試験機2機と、実際に飛行して試験を実施する飛行試験機5機を製造。地上試験機に関しては、11月に全機静強度試験が完了した。

 飛行試験機は、初号機(登録番号JA21MJ)から4号機(JA24MJ)まで計4機を、米国の飛行試験拠点である、米ワシントン州モーゼスレイクにあるグラント・カウンティ国際空港に持ち込み、飛行試験を重ねる。

 このうち初号機が9月に、4号機が11月に、米国にそれぞれ到着。2号機(JA22MJ)と3号機(JA23MJ)も年内の米国へのフェリーを目指しているが、越年する可能性が高い。

 2号機は5月、3号機は11月に、それぞれ初飛行に成功している。全日本空輸(ANA/NH)の塗装を施した5号機(JA25MJ)は年明けの2017年にも初飛行する見通しで、国内での飛行試験に投入する。

 三菱航空機は5号機と合わせ、2018年ごろまで飛行試験を実施。2018年前半には機体の安全性を証明する、国土交通省航空局(JCAB)の型式証明を取得する。ANAHDへの量産初号機引き渡しは、2018年中ごろを計画しているが、試験の進捗によっては、1年程度の遅れが生じる可能性もある。


MRJの装備領域の設計を強化---「機械」と「電気」に分割、三菱航空機が体制変更
レスポンス 12/5(月) 9:09配信

Mj1ff
MRJ 《撮影 石田真一》

三菱航空機は、「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の装備設計領域における課題の解決を迅速、円滑に進めるため、装備設計部を2つの部に分割、タイムリーな対応ができる体制を構築すると発表した。

[関連写真]

12月1日付で、装備設計部を、機械装備設計部と電気装備設計部に分割する。機械と電気それぞれで設計開発に集中、品質向上を図る。MRJ開発の遅れによる納期延期が懸念されているため、トラブルが発生している装備領域での開発を強化すると見られる。

また、技術本部を3部1室体制から4部1室体制に組織変更する。

《レスポンス レスポンス編集部》


三菱重工、社長直轄の「MRJ事業推進委員会」を設置---開発を強力に推進
レスポンス 12/1(木) 9:15配信

Mj1ff
MRJ 《撮影 石田真一》

三菱重工業は、社内にCEO直轄の「MRJ事業推進委員会」を設置した。

同委員会は、同社の宮永俊一社長兼CEOを委員長、グループ戦略推進室副室長の篠原裕一氏を事務局長として財務担当役員、技術担当役員など、6人で構成する。「MRJ」(三菱リージョナルジェット)の開発と事業推進に向け、交通・輸送ドメイン、三菱航空機と連携しながら、同事業に関わる重要事項についての意思決定と全社的な支援を迅速に行うため、設置した。

[関連写真]

具体的には、MRJの開発で残された課題を整理するとともに、対策の着実な推進や、量産ステージへの移行のためのスケジュールと推進体制を検討する。また、MRJを含む民間航空機ビジネスの長期ビジョンの構築と全社ベースでの若手事業推進者の育成などについてスピード感をもって推進するとしている。

《レスポンス レスポンス編集部》


三菱重、MRJ推進委を設置
時事通信 11/30(水) 20:00配信

 三菱重工業 <7011> は30日、国産初の小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)開発事業を管理する最高経営責任者(CEO)直轄の「MRJ事業推進委員会」を28日付で設置したと発表した。MRJは設計見直しなどで再三納期を延長しており、宮永俊一社長兼CEOが委員長に就き、開発の課題やスケジュールを精査する。


MRJ、三菱重工が社長直轄委員会 納期変更せず
Aviation Wire 11/30(水) 16:30配信

Mrj41
三菱重工が社長直轄の委員会を設立し全社で支援するMRJ=16年9月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 三菱重工業(7011)は11月30日、MRJの事業推進に向けて社長直轄の「MRJ事業推進委員会」を28日付で設置したと発表した。宮永俊一社長兼CEO(最高経営責任者)が委員長、篠原裕一グループ戦略推進室副室長が事務局長を務め、財務や技術担当役員など6人で構成。2018年の量産初号機納入を、全社体制で目指す。

◆全社体制で支援

 MRJは子会社の三菱航空機が開発中のリージョナルジェット機。委員会は三菱重工で航空機を手掛ける事業部門「交通・輸送ドメイン」や三菱航空機と連携し、MRJ事業にかかわる重要事項について意思決定し、全社的に支援していく。

 委員会では、今後の開発での課題の整理や対応策の推進、量産化に向けたスケジュールや体制の検討、MRJを含む民間航空機ビジネスの長期ビジョン構築、若手リーダーの育成などを進める。開催は定例ではなく、必要に応じて開く。

 MRJはこれまでに、全日本空輸(ANA/NH)などを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)や日本航空(JAL/JL、9201)など、7社から計427機(確定受注233機、オプション170機、購入権24機)を受注している。

 このうち日本の航空会社によるオーダーは、ローンチカスタマーであるANAHDが確定発注15機とオプション10機の計25機、JALが確定発注32機。ANAHDは2018年から、JALは2021年から受領を予定している。

 量産初号機の納期は、これまでに4回延期されている。当初は2013年だったが、その後2014年4-6月期、2015年度の半ば以降、2017年4-6月期とずれ込み、三菱航空機が現在公表している2018年中ごろとする納期は、2015年12月24日に示された。

◆2号機と3号機の渡米、年明けか

 MRJ最初の機体となる飛行試験初号機(登録番号JA21MJ)は、2015年11月11日に初飛行。現在は米国の飛行試験拠点である、米ワシントン州モーゼスレイクのグラント・カウンティ国際空港で、飛行試験を実施している。

 しかし、国内で試験を実施してきた県営名古屋空港から米国へのフェリーフライト(空輸)は、幾度となく延期された。8月に出発した際は、27日と28日に2日連続で空調システムの監視装置に不具合が発生し、小牧へ引き返した。その後、8月27日から数えて3度目の出発となる9月26日のフライトが成功し、現地時間9月28日にグラント・カウンティ空港へ到着した。

 三菱航空機では5機の飛行試験機を使い、飛行試験を2018年ごろまで実施。同年前半には、機体の安全性を証明する国土交通省航空局(JCAB)の型式証明の取得を目指す。

 米国での飛行試験は現在、初号機と今月18日に現地へ到着した4号機(JA24MJ)の2機で実施。今後2号機(JA22MJ)と3号機(JA23MJ)を、早ければ年内に米国へ持ち込む計画だが、機体の仕上がりによっては年明けにずれ込む可能性がある。

 ANAの塗装を施した5号機(JA25MJ)については、年明けに初飛行を予定。国内での飛行試験に投入する。

 一方、機体の強度を地上で評価する機体構造試験のひとつである「全機静強度試験」は、11月1日に完了した。

◆18年引き渡しへ

 三菱航空機は9月末に、ANAHDへMRJの納入遅延リスクが生じる可能性を伝えた。また、JALにも同様の説明を後日行っている。

 MRJの納期がこれまでに4回遅れた影響で、ANAHDは今年6月に加ボンバルディア社のターボプロップ(プロペラ)機DHC-8-Q400型機(74席)を、3機追加発注。2017年度に全機受領する。

 三菱航空機では現時点で納期は見直していないとして、2018年中ごろの引き渡しを目指す。


MRJ、全機静強度試験を完了
Aviation Wire 11/30(水) 12:23配信

Mjslt
MRJの全機静強度試験で荷重負荷後の様子(三菱航空機提供)

 三菱航空機は11月30日、開発中のリージョナルジェット機「MRJ」の全機静強度試験が完了したことを明らかにした。

【記事の写真を見る】

 全機静強度試験は、設計製造された機体の強度が、安全に飛行させるために必要な基準を満たしていることを検証し、評価するために実施する機体構造試験のひとつ。同社によると、今月1日に完了したという。

 試験は実物大の静強度試験機を使い、2014年10月に開始。あらゆる飛行条件下で想定される最大荷重を機体全体や部分的にかけ、安全な運用を妨げる変形がないことや、機体にかかる最大荷重の1.5倍の負荷に一定時間耐えられることなど、数十にわたる内容を確認した。

 全機静強度試験で必要なデータの取得に成功したことで、今後は米国の飛行試験拠点である、米ワシントン州モーゼスレイクにあるグラント・カウンティ国際空港での飛行試験の動向が、量産初号機の納入に向けて鍵を握る。

 今月18日に飛行試験4号機(登録番号JA24MJ)がグラント・カウンティ空港に到着。三菱航空機では、5機ある飛行試験機のうち、4機を年内に米国へ持ち込む計画で、4号機が到着したことで、米国での飛行試験は2機体制へ移行した。

 飛行試験機は、22日に3号機(JA23MJ)が初飛行しており、残るはローンチカスタマーである全日本空輸(ANA/NH)の塗装を施した5号機(JA25MJ)のみとなった。

 三菱航空機は、国内で飛行試験を実施する5号機と合わせ、2018年ごろまで飛行試験を実施。2018年前半には機体の安全性を証明する、国土交通省航空局(JCAB)の型式証明を取得する。ANAを傘下に持つANAホールディングス(9202)への量産初号機引き渡しは、2018年中ごろを計画しているが、試験の進捗によっては、1年程度の遅れが生じる可能性もある。


MRJ、5度目の「納入延期」強まる
ニュースイッチ 11/25(金) 7:42配信

Mrj14
米国の試験拠点に並ぶ4号機(手前)と1号機(三菱航空機提供)

安全な機体を開発する決意を表明する必要性も
 三菱航空機(愛知県豊山町、森本浩通社長)の国産小型ジェット旅客機「MRJ」の開発が足踏みしている。22日に3号機が初飛行し、すでに計2機が米国に運ばれた。ただ、これまでの試験結果から機体の設計変更が必要になるとみられ、2018年半ばとする量産初号機の納入延期を検討している。米国で本格化する飛行試験にも時間的余裕は少なくなり、早急な対処が必要となっている。

<技術的な問題が発生>

 「スケジュールと費用を再精査している」―。三菱重工業が10月末に開いた4―9月期連結決算説明会での宮永俊一社長の発言は、5度目となる納入延期を予感させた。理由は型式証明の取得作業の中で出た各種変更。それより前の9月末には三菱航空機の幹部が、納入先のANAホールディングス(HD)に機体の生産段階で技術的な問題が発生し、延期の恐れがあると伝えた。

<米国での飛行試験にも遅れ>

 設計変更に加え、米国での飛行試験の進捗(しんちょく)も懸念される。試験機5機のうち、1―4号機を年内に米国に運ぶ計画だが、9月末に1号機、11月に4号機を運び終えたのにとどまっている。型式証明取得には、約2500時間の飛行試験が必要とされる。日本での試験時間は1割ほどで、大半は気象条件の良いワシントン州のグラント郡国際空港で実施する。MRJは18年前半に型式証明を取得する計画だが、これは飛行試験が順調に進むことが前提にある。

 2、3号機の米国行きが遅れれば、18年前半までの試験時間は減る。試験でトラブルが起き、機体の改修が必要になれば、さらに時間的余裕は失われる。

社長の直轄プロジェクトに
 こうした問題に対処するため、三菱重工は月内にも、宮永社長直轄の組織「MRJ事業推進委員会」を発足させる。全社の経営資源を活用し、緊急時に迅速に意思決定できるようにする狙いがある。延期の必要性や設計変更などの諸問題について、宮永社長直轄で判断するとの意思表示ともいえる。

 半世紀ぶりの国産旅客機開発にトラブルや遅れは付きもの。とはいえ、5度目の延期となれば、信頼低下が懸念される。三菱航空機には延期はするものの、安全性の高い機体を完成させるという決意を今まで以上に、顧客や市場にアピールすることが求められる。


<News Navi>国産機「MRJ」が崖っぷちか? 12月にも「納期の再延期」発表説〈サンデー毎日〉
mainichibooks.com 11/24(木) 12:00配信

 ◇国産機「MRJ」が崖っぷちか?

三菱重工業の子会社による初の国産ジェット旅客機「MRJ(三菱リージョナルジェット)」の開発が遅れている。2018年半ばに全日空(ANA)に商業機の初納入を予定しているが、「12月に延期の発表がある」との噂(うわさ)が業界を駆け巡っている。

 三菱航空機が開発するMRJは、計5機の試験機がある。このうち、4機は開発の本拠地である米国で、残り1機は国内で自動操縦試験を行う予定だ。1号機は9月末に米国に無事到着し、4号機も11月18日に米国に着陸した。しかし、12月末までに米国到着を予定している2号機と3号機が、この"期日"を守れない可能性が高まっているのだ。

 今後、5機のMRJは、合計2000時間以上の飛行試験をこなす必要がある。つまり、17年は、5機が休日を除く240日間に毎日1時間40分飛ばなければならない。2、3号機が年内に米国に到着できなければ、飛行時間が2000時間に届かず、初納期に間に合わなくなる。

 計4機のMRJが米国でそろって試験飛行を始めるには、まだハードルがある。

 ロシアや米アラスカ州を経由するルートの場合、2、3号機が飛び立つ冬季は滑走路が凍結で使えない可能性がある。米領グアムやハワイ州を経由するルートでも、より複雑な試験を行っている2、3号機が到達できるかどうかは未知数という。

 昨年12月以来となる納期再延期が決まると、合計3000億円の開発費用を投じているとされる事業の収益化も遠のくことになる。黒字化の目安は、「500機を売りさばくこと」(専門家)とされるが、現在は確定契約が243機で、キャンセル可能な仮契約が204機ある。17年6月には、仏パリの航空ショーが開催され、ここで受注を伸ばせるかが試金石となる。

 国産プロペラ機「YS―11」以来の巨大プロジェクトは、いよいよ崖っぷちに立たされている。

(谷口健)


三菱航空機がジャストシステムのWeb DB「UnitBase」を採用、400以上のDBが稼働中
Impress Watch 11/21(月) 18:10配信

 株式会社ジャストシステムは21日、三菱航空機株式会社が、Webデータベースソフト「UnitBase」を採用したと発表した。同社では、全社の情報共有プラットフォームとして利用しているという。

 UnitBaseは、ノンプログラミングで社内システムを構築できるwebデータベースソフト。マウスでのドラッグ&ドロップ操作やExcelファイルの取り込みといった簡単な操作でデータベースを作成できるので、情報システム部門でなくても、案件管理や問い合わせ管理、顧客管理といった業務に必要なシステムを簡便に構築できる特徴を持つ。

 今回、同製品を採用した三菱航空機は、国産初のジェット旅客機「MRJ」を開発する企業で、設計開発や品質保証部門を中心に、部品のスペックや試験結果などをExcelファイルで管理していたという。

 しかし、多くのシステムや部品の組み合わせからなる旅客機開発では、開発が進むにつれて多部門にまたがった情報のやりとりが発生するため、部署ごとに部分的に変更された似たようなファイルが作られ、複数のファイルに分かれた情報をまとめるのが難しくなるなど、管理が煩雑となっていたとのこと。

 そこで同社では、Excelでの情報共有に限界を感じ、情報の一元化を実現するためのシステム導入を検討した。製品の選定にあたっては、旅客機開発のように前例が極めて少ないプロジェクトでは、開発プロセス自体が見直しになることもあるため、いったん導入すると仕様の変更が難しいシステムやパッケージソフトでは運用が難しいと考え、突発的な変更にも素早く対応できる仕組みであることを条件にしたという。

 そして検証の結果、ユーザー部門の担当者が自らメンテナンスできる「UnitBase」の簡単さや柔軟性、機動性が評価され、採用されたとのこと。現在は全社で利用されており、ユーザー部門を中心に400以上のデータベースが稼働している。


揺れだした国産ジェット旅客機MRJ開発 プロジェクトを三菱重工社長直轄に
エコノミックニュース 11/12(土) 19:05配信

Mrjjl
国産初のジェット旅客機MRJの開発について、三菱重工業の宮永俊一社長が11月よりプロジェクトを社長直轄にする意向を10月31日に発表した。

 国産初のジェット旅客機MRJの開発について、三菱重工業 <7011> の宮永俊一社長が11月よりプロジェクトを社長直轄にする意向を10月31日に発表した。これまでは連結子会社の三菱航空機社長(三菱重工常務執行役員)がプロジェクトを主導していたが、不具合や納期遅れが立て続けに起きていることから、親会社が責任を持って事業を取り仕切る体制へと転換する。

 これまで4回に渡る納期の遅延があったほか、10月13日には2号機が日本海側の空域で試験飛行中に主翼部品カバーが落下。能登空港に緊急着陸したという不具合も発生している。不具合と度重なる納期遅れ、そして今後更なる納期遅れの可能性も示唆されており、MRJの開発に対して不安視する声も挙がっている。宮永社長は「プロジェクトにネガティブな印象があってはいけない。三菱重工としての決意をお示しする。長期的な観点での難しい決断は、トップがやった方が良い」と会見で述べた。

 三菱重工では、11月半ばに「MRJ事業推進委員会」を設置し、トップとして宮永社長が直接指揮を執る。ここで量産体制や納入予定など将来的な計画を決め、来年の2月をめどに今後の方針を公表する予定だ。こうした体制つくりには、三菱重工が親会社としてMRJの開発に責任を持って主導していく決意が表れている。

 初の国産ジェット旅客機開発プロジェクトであり、日本の航空機産業隆盛のきっかけとして期待されていただけに、不具合や度重なる納期遅れによって、MRJの開発に対して悲観的な報道がなされている。三菱重工の社内体制を疑問視するメディアも見受けられる。

 しかし一方で航空機開発に納期遅れはつきものだ。世界を代表するボーイング社でさえB787の納入は何度も変更されたし、エアバス社でも同様にA380のローンチ時には納期遅れが生じていた。航空機メーカーにとっては安全性が担保された製品を出すことが何よりも優先される。世界的トップクラスの航空機メーカーでも、安全性を担保するために納期を遅らせるという苦渋の決断を余儀なくされてきたのだ。

 納期に間に合うことが一番理想的ではあるが、ローンチしてから重大なトラブルが起きては、それこそ三菱重工ひいては日本という国に対する信頼を失墜しかねない。国の威信を掛けたプロジェクトだからこそ、試験飛行の段階でしっかりと膿を出し切り、安全性を確保した上で納入する必要がある。納期遅れが大きくクローズアップされているが、まずは安全性が担保された国産ジェット旅客機開発を期待したい。(編集担当:久保田雄城)


今日は「MRJ」初飛行から1周年 国産リージョナルジェット旅客機の軌跡を追う
sorae.jp 11/11(金) 15:50配信

Mrj124
今日は「MRJ」初飛行から1周年 国産リージョナルジェット旅客機の軌跡を追う

今年9月には米国に渡り、試験飛行を開始した三菱航空機のリージョナルジェット「MRJ」。戦後旅客機としてはYS-11に続き、ジェット旅客機としては国産初となるMRJは、現在納入時期などの問題で苦しい立場に立たされています。そんなMRJも、本日11月11日には初飛行から1周年を迎えました。
 
プラット・アンド・ホイットニー社製の最新エンジン「PurePower PW1200G」を2基搭載するMRJは、すぐれた空力性能も相まって高燃費かつCO2排出量の削減を実現。88席タイプのMRJ90と76席タイプのMRJ70のバリエーションが存在し、100席以上のMRJ100Xも計画されています。その最大航続距離は3,500kmを超え、北米やヨーロッパ全域をカバーすることが可能です。また貨物室を機体後方に設定することで、広くて快適な座席レイアウトを実現しています。
 
さてそのMRJですが、2008年にANA(全日本空輸)から受注を受けて三菱航空機が設立され事業がスタート。当初はなんと2013年に初納入を行う予定でした。さらに、JAL(日本航空)を含めて世界から400機以上の受注獲得に成功しています。しかしその後、数度に渡って納入時期は延期。現時点では2018年後半の納入が予定されていますが、各種報道からは2019年に納入がずれ込む可能性も伝えられています。

このような度重なる納入時期の延期により、ライバルとなるエンブラエルのE-Jet E2の納入が同時期に迫るなど、MRJ導入のメリットは徐々に減りつつあります。現在は初号機が、そして今後は2号機~4号機もアメリカにて型式証明取得のためのテストを行なうMRJですが、苦境を乗り越えて世界の空に羽ばたく日を一日も早く見てみたいものです。


NTT Com、三菱航空機「MRJ」開発に向けグローバルネットワークを提供
アスキー 11/11(金) 9:00配信

NTT コミュニケーションズは11月9日、「MRJ」の開発を支えるネットワーク基盤として、グローバルネットワーク「Arcstar グローバル専用サービス」や、VPN「Arcstar Universal One」などを、グローバルにおいて一元的に提供すると発表した。

Ntcom
写真:アスキー

 NTT コミュニケーションズは11月9日、三菱航空機が推進する「MRJ」の開発を支えるネットワーク基盤として、海底ケーブル「PC-1」をバックボーンとしたグローバルネットワーク「Arcstar グローバル専用サービス」や、世界190以上の国/地域で提供するVPN「Arcstar Universal One」などを、グローバルにおいて一元的に提供すると発表した。
 
 MRJは、三菱リージョナルジェット(Mitsubishi Regional Jet)の略で、国産のジェット旅客機。米国モーゼスレイク(ワシントン州のグラント・カウンティ国際空港)を拠点としたフライトテストを実施中であり、日米での型式証明取得に向けて、開発活動を加速していくという。
 
 今後、MRJによる合計2500時間以上のフライトテスト実施を予定しているが、両空港から三菱航空機本社および米国シアトルのエンジニアリングセンターまで、大容量のテストデータを、日米間にて迅速に送受信し、日米における開発活動へフィードバックする必要がある。
 
 しかしながら、三菱航空機が掲げる目標時間内でのデータ送受信完了は、同社の開発活動を支えるインフラ選定において重要課題となっていた。
 
 この課題に対し、NTT ComはArcstarグローバル専用サービスやArcstar Universal Oneなどをグローバルにおいて一元提供し、およそ8000km離れた県営名古屋空港からシアトルエンジニアリングセンター間における大容量データの送受信を、およそ400%高速化しているという。

文● 山口


MRJ事業、社長直轄=18年半ばの納入延期も―三菱重工
時事通信 10/31(月) 23:00配信

 三菱重工業は31日、国産初の小型ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)の開発事業を経営トップが直接管理すると発表した。11月に宮永俊一社長直轄の「MRJ事業推進委員会」を設置し、2018年半ばを予定する初号機の納期の精査を含め、今後の対応を検討する。

 社長直轄とするのは、再三の納入延期など、事業の大型化・複雑化により事業部門だけで対応するのが難しくなっているため。宮永社長は31日の記者会見で、MRJ事業について「短期的に損益に悪影響が出たとしても、長期的に成功させるため、トップが明確で迅速な経営判断をできるようにした」と説明した。

 一方、宮永社長は、MRJの商業運航の前提となる「型式証明」の取得に向けた当局との調整の中で、システム面などの変更が新たに生じたことを明らかにした。年内をめどに初号機納入までの日程を見極める考えだが、「スケジュールを守るためだけに(品質面などで)妥協はしたくない」とも述べ、納入延期の可能性を示唆した。


三菱重が16年度の業績予想を下方修正、MRJは事業性を重視
ロイター 10/31(月) 14:08配信

[東京 31日 ロイター] - 三菱重工業<7011.T>は31日、2017年3月期の通期業績見通しを下方修正した。民間航空機や商船事業の採算悪化、円高の進行が要因。同社は組織改正を含む改革を実施し、経営合理化のほか、国産小型機MRJ(三菱リージョナルジェット)や商船事業の立て直しを進める。

三菱重工は、売上高の予想を4.3兆円から4.0兆円に、営業利益の予想を3300億円から2400億円に引き下げた。不動産関連事業の一部売却に伴う譲渡益により、当期利益の予想(1000億円)は据え置いた。

三菱重工は業績予想の下方修正の主因に、円高と交通・輸送の損益悪化を挙げた。為替水準は「円高は定着するとみた方が安全」(宮永俊一社長兼CEO)という。開発中のジェット旅客機MRJの開発費用の増加なども響く。

同社はMRJの納期について2018年半ばの目標を維持しているが、会見で宮永社長兼CEOは「現段階で遅れることではないと思う。今のスケジュールを守りたいということで検討する」と述べた。

ただ、顧客の要望のほか、長期的な視点での事業性を考え、「この方が良いとなれば、(納入先と)相談しようと思う」ともコメント。事業性の展望を精査するため、開発プロセスなどの詳細を検証するという。検証結果は年内をめどにまとめ、10─12月期の決算発表の際に説明する方針を示した。

三菱重工は今回組織改正も行い、MRJを11月に社長兼CEOの直轄組織に入れる。その狙いについて宮永氏は「重工としての意志の表れ。事業性があるようにしていこう、長い目で育てようとの思いがある」と説明した。

一方、原子力の燃料事業については、長い目で見て「国内外の需要など、今から少しどうすれば一番良いか検討していく」(宮永氏)という。燃料事業については日立製作所<6501.T> が再編を示唆するなど、今後の行方が注目されている。

日本郵船<9101.T>、商船三井<9104.T>、川崎汽船<9107.T>の海運大手3社がこの日、発表したコンテナ船事業の統合については「歓迎すべき」とコメントした。一時的な受注減少の懸念はあるものの、「日本にとってきちんとしたコンテナ事業が残ることは歓迎すべき」という。

同日開示の三菱重工の2016年4─9月期連結決算は、前年同期比で減収減益。当期損益は433億円の黒字から189億円の赤字になった。

(江本恵美)


川西精密、航空機事業に参入へ---MRJの部品の加工
レスポンス 10/28(金) 11:30配信

Mrjmg
MRJ(グラント・カウンティ空港) 〈写真提供 三菱航空機〉

山形銀行が野村リサーチ・アンド・アドバイザリーと組成する「やまがた地域成長ファンド」は、航空機事業に参入する川西精密に投資したと発表した。

[関連写真]

川西精密は工作機械部品加工などを手掛けているが、航空機部品加工事業に参入する。航空機部品品質のJIS規格であるJISQ9100を取得、住友精密工業に部品を供給する企業連合「ジャパン・エアロ・ネットワーク」に参画し、国産初の小型ジェット機「MRJ」(三菱リージョナルジェット)などの部品加工を手掛ける。

山形銀行では、航空機産業は今後、成長が期待される分野で、ファンドの投資対象に適合することや、航空機産業への参入に伴う新工場の建設など、雇用拡大が期待されることなどから投資する。

《レスポンス レスポンス編集部》


国産初のジェット機MRJ 実はあまり収益に期待できない理由
ITmedia ビジネスオンライン 10/28(金) 6:40配信

Mrj
国産初のジェット機MRJ 実はあまり収益に期待できない?

 初の国産ジェット旅客機であるMRJの開発に黄色信号が灯っている。三菱重工業は2018年半ばというスケジュールに変更はないとしているが、納入延期のリスクを関係者に通知したとも報じられている。これ以上、開発が遅れた場合、ライバルであるブラジルのエンブラエル社との競争が一段と激しくなってくることは確実である。

【その他の画像】

 さらにいえば、航空機の製造というのは、実はもうからないビジネスとなりつつある。この世界にもコモディティ化の波が押し寄せており、産業構造の変化が進んでいるのがその理由である。三菱重工業は既にMRJの開発に4000億円近い費用を投入しているとも言われるが、プロジェクトとして利益を上げることはかなり難しくなっている。MRJには三菱の顔としての役割があるものの、全社的な収益にはほとんど貢献しない可能性が高いのだ。

●これ以上遅れると……

 三菱重工業は、MRJについて当初は2013年納入を目標に開発を進めていたが、3回ほど開発スケジュールが延長され、初飛行に成功した2015年11月時点では2017年にズレ込んでいた。その後もスケジュールの変更があり、現在では2018年半ばをメドとしている。

 MRJの開発作業は、最大の関門の一つである飛行試験の段階に入ったところである。完成機を路線に就航させるためには、機体の型式証明を取得するため、累計2500時間に及ぶ飛行試験を実施しなければならない。

 今年8月には、日本を飛び立ったテスト機が空調システムの不具合などで2度引き返すというトラブルが発生。3度目のトライでようやく移送を完了するというハプニングがあったが、ようやく米国での飛行試験開始にこぎ着けた。

 新しい航空機を開発するにあたってトラブルはつきものであり、仮に再度、遅延となった場合でも、そのこと自体が問題となるわけではない。だが、ビジネス面を考えるとそうも言っていられなくなる。

 最大の問題は、ライバルであるエンブラエル社の最新鋭機納入のタイミングが近づいていることだ。同社はMRJの競合となる機体の納入を2020年に開始する予定となっているが、今のところMRJはエンブラエル社より2年納入が早いことがアドバンテージとなっている。

 これ以上、開発が遅延するとMRJはエンブラエル社と直接争う必要が出てくる。エンブラエル社は新規参入の三菱重工業とは異なり、豊富な納入実績があるため、直接、競合する事態になった場合には三菱重工業の苦戦が予想される。

●航空機製造のビジネスはもうからない?

 三菱重工業は、MRJの黒字化には10年かかるとの見通しを示している。しかし、エンブラエル社との競合になり、受注目標が達成できないという状況になった場合には、収益化への道はさらに険しくなる。三菱重工業では、MRJの採算性について詳細を明らかにしていないが、そもそもこの事業はどの程度の利益が見込めるものなのだろうか。

 航空機は複雑なシステムであり、MRJの部品点数は100万点を超える。自動車の部品点数が数万点であることを考えると、規模の大きさがお分かりいただけるだろう。

 だが完成機メーカーが部品の全てを管理しているわけではない。現代の航空機産業は、メガサプライヤーと呼ばれる大手の部品メーカーが航空機の各ユニットを半完成品の状態で完成機メーカーに納入するというやり方が主流となっている。完成機メーカーは最終組み立てのみを自社工場で実施するケースが多い。

 完成機メーカーは、メガサプライヤーが提供するユニットを選択するだけになるので、独自の部品を使用する割合は低くなる。どの企業が開発しても航空機の中身はほとんど同じであり、乱暴に言ってしまうと、完成機メーカーのビジネスモデルはPCメーカーに近い構造となりつつあるのが現実なのだ。

 PCの場合、最終製品を作るメーカーが得られる製品利益は10%以下であることがほとんどである。航空機も同様に、量産機の組み立てで得られる直接的な利益はそれほど多くないというのが常識になっている。

●1500機以上を売らないと開発の回収は難しい

 MRJのカタログ上の価格は30~40億円である。発注する機体の数や納入条件などによって現実の価格は変動するが、仮に40億円とすると、MRJを1機売った場合、三菱重工業の利益は当初は数億円程度にとどまる可能性が高い。これは同社幹部の説明からも、ある程度、裏付けが可能だ。

 2010年の段階で三菱航空機の幹部は、月産5~6機の生産体制を確立し、それが6~7年続けば採算が安定すると説明していた。月産6機体制を7年継続した場合の累積機数は約500機となるが、1機3億円の利益で500機を生産できれば、トータルの利益は1500億円となる。当時、MRJの開発費は1500億円程度と見込まれていたので、つじつまは合う。

 現在、同社はMRJについて1000機の受注獲得を目指している。1機当たり3億円の利益と仮定すると、1000機販売できれば3000億円の利益である。一方、当初1500億円と見込まれていた開発費は、相次ぐ遅延で膨らむ一方となっており、初飛行に成功した2015年時点では3000億円程度となっていた。

 その後の開発遅延が続いていることから、現在では4000億円程度になっているという報道もある。1000機の販売目標という数字は、3000億円の開発費を前提にコスト積み上げ方式で出てきた数字であり、もし開発費が4000億円に達しているならば、さらに500機近くの受注を獲得しないと開発費を回収できない計算になる(継続的な大量生産が可能になれば原価率の低下が期待できるが、ここでは一定と仮定する)。

 今のところ三菱重工業は400機程度の注文を獲得しているが、うち半分はキャンセル可能な契約だという。開発がさらに遅延することになれば、キャンセルのリスクも高くなってくる。1000機という目標を達成するのも厳しいが、利益を出せる1500機という水準になるとさらに難易度は上がるだろう。

●航空機産業に過大な期待を寄せる時代は終わった

 MRJ最大のライバルであるエンブラエル社は、現在、世界第4位の航空機製造メーカーである。もともとはブラジルの国営企業としてスタートしたが、当初は赤字続きで経営は安定しなかった。その後、1994年に民営化を行い、小型ジェットと中型ジェットで成功したことで業績が安定したという経緯がある。

 同様に、小型・中型ジェット機を製造しているカナダのボンバルディア社も、国営企業を買収し、かなりの時間をかけて現在の生産体制を確立した。エンブラエル社とボンバルディア社のケースを考えると、航空機メーカーが経営を軌道に乗せるまでにはかなりの時間がかかるとみた方がよいだろう。

 こうした状況を考えた場合、MRJについては機種単体として捉えるのではなく、もっと長期的な視点が必要ということになる。実際、MRJによって航空機関連産業の裾野が広がることを期待する声も大きい。政府が開発費の一部を負担したことにはこうした事情もある。

 だが、これについても過度な期待は禁物である。先にも触れたように、現代の航空機産業はコモディティ化が進んでおり、MRJの成功がそのまま国内関連産業の育成につながるとは限らないからだ。

 三菱重工業単体で見れば、航空機に参入するメリットはそれなりにあるし、大型機ではなくリージョナル機のマーケットに絞って参入を試みた点についても戦略的には間違っていない。だがMRJの成功によって、日本にも一大航空産業が生まれるというシナリオは描きにくいのが現実である。

(加谷珪一)


悲観的な報道が目立つMRJ。それでも期待される理由
ニュースイッチ 10月18日(火)7時35分配信

Mrjab
納入延期には「検討項目が残っている」(三菱航空機社長)

短期的な課題も大事だが長期的な意義を
 三菱航空機(愛知県豊山町、森本浩通社長)が国産小型ジェット旅客機「MRJ」の開発で苦境に立っている。2018年半ばとする量産初号機の納入時期が、技術的な問題などで遅れる可能性が高まっている。延期が決まれば5度目となり、ブラジル・エンブラエルとの競争への影響は避けられない。

 東京ビッグサイト(東京・有明)で先週開かれた展示会「2016年国際航空宇宙展」。三菱重工業の大宮英明会長は講演で「ANAホールディングス(HD)への量産初号機納入は18年半ばを予定している」と現行計画を説明した。

 だが、さかのぼること9月末、三菱航空機の幹部はANAHDを訪ね、延期の恐れがあると説明した。量産機の生産を始めた段階で技術的な問題が発生したことを理由に挙げたが、具体的な内容には言及しなかった。

 三菱重工が08年に三菱航空機を設立し、MRJの事業化に乗り出した当初は、13年の納入を目指していた。しかし、納期はこれまで4度延期された。三菱重工は米ボーイングの下請けとしての実績は豊富だが、完成機のノウハウがなく、トラブルが相次いだためだ。

 納期が19年にずれれば、エンブラエルの最新機「E2」シリーズとの競争優位性が薄れる。エンブラエルは定員約100人のリージョナルジェット市場で首位の強敵。E2は18年に量産初号機を納入し、88人乗りのMRJと同規模の機種は20年に就航予定だ。

 両機種のエンジンは同じで、差別化のポイントとなる先行投入期間が短くなるのはMRJには痛手だ。MRJの受注数は427機で、大宮三菱重工会長は「開発中にこれだけ多くの受注を得ており、期待の高さを感じている」と手応えをみせる。だが、受注の4割はオプションで、5度目の延期となれば、解約する顧客が出る恐れがある。

 今回の問題以外にも、延期につながる要因がある。商業運航に必要な型式証明の取得のため、米国で本格実施する飛行試験だ。合計2500時間の飛行が必要だが、試験機4機にトラブルが生じ、改修が必要になれば、18年とする型式証明の取得時期が遅れる可能性もある。

 森本浩通三菱航空機社長は国際航空宇宙展の講演で、今週にも米国で飛行試験を実施すると表明。納入延期については「まだ検討しなければならない項目はもちろん残っている」と述べるにとどめた。ターボプロップ機「YS11」以来、半世紀ぶりの国産旅客機開発を成功させるため、大きなヤマ場を迎えている。

<解説>
 MRJに関してはメディアと三菱航空機側に根本的なコミュニケーション不足があるように感じる。MRJと言えば「遅れている、うまく行っていない」というイメージが付いてしまった(事実、5年も遅れている)。しかし、一度購入を決めた顧客が現時点でキャンセルしたという事実はなく、特別損失を計上したという話もない。むしろ顧客は、MRJのエンジン性能や三菱のエンジニアリングの技術(B787の主翼の実績)に期待して、これだけ待ってくれている、とも言える。

 今後、世界の顧客に修理部品などを届けるためのサポート体制や量産に向けたサプライチェーンなどの構築が進んでいく。MRJをきっかけに民間航空機の開発インフラが整い、次世代の国産航空機にもつながる。短期的な開発課題も確かに大事だが、長期的な意義の方がもっと大きい。

« 東日本大震災等および原発事故関連のニュース・2157 | トップページ | 天皇陛下、「生前退位」のご意向と報道・9 »

システム・技術・産業」カテゴリの記事

ニュース」カテゴリの記事

船舶・鉄道・航空」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/566606/64349606

この記事へのトラックバック一覧です: 三菱MRJ、あれこれの話題・4:

« 東日本大震災等および原発事故関連のニュース・2157 | トップページ | 天皇陛下、「生前退位」のご意向と報道・9 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31