« 蓮舫(レンホウ)は日本に対する愛国心や忠誠心はあるのか | トップページ | 台風10号で豪雨 岩手県・北海道で川が氾濫、22人死亡・6 »

2016年9月 7日 (水)

どこまで図に乗る中共支那、南シナ海にミサイル・戦闘機を配備・28

南シナ海の他国領海で横暴な侵略行為を強行している中共支那が、スプラトリー諸島のファイアリークロス礁を勝手に埋め立てて造成した飛行場へ強引な侵略飛行を行なったのに続き、今度はベトナムから強奪したパラセル諸島のウッディー島に地対空ミサイル8基を配備し、さらに対空機関砲の設置に加えて戦闘機まで進出させた。
一方でベトナムと領有権めぐって係争中のスプラトリー諸島にあるクアテロン礁などには、高周波レーダー施設を設置したことも明らかになった。

同諸島はかねてよりベトナムと中共がその領有権めぐって係争中であり、こうした地域を一方的に自国領と断言し軍事施設を建設して、支配権の既成事実化を試みる中共支那の好戦的・冒険的な侵略行為は、ベトナム・フィリピンなど近隣諸国や関係国および公海上の海上交通路(シーレーン)の安全を脅かし、いたずらに紛争の危険性を高める、国際法上認めることの出来ない危険な挑発行為である。

この中共の重大かつ危険な挑発行為に対して、アメリカなどがこうした危険な行為を停止するよう要求しているにもかかわらず、これに対して中共は「最も重要なことは(自国の設置した)レーダーなどではなく、(米軍の)戦略爆撃機や駆逐艦を含む最新兵器が日々、南シナ海に出現していることだ」として居直り、こうした一連の行為が「(自国の)主権の範囲内」と強弁している。

こうした中共の態度は、世界の秩序を完全に愚弄する思い上がり図に乗ったものであり、中共がこうした態度を改めない限り、この地域での紛争・戦争の危険は日に日に増大するものと見なければならず、その結果中共軍は敗走して共産党の威信は失墜し、国内の暴動によって中共は崩壊するだろう。

このような凶暴かつ愚劣な行為を改めなければ、招来する重大な結果について、中共支那はその一切の責任を負わなければならない。

22番目の記事
23番目の記事
24番目の記事
25番目の記事
26番目の記事
27番目の記事

リンク:遠いアフリカで、中国が日本にイラついている理由 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国・ロシア海軍合同演習の仮想敵は日本 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国・習近平政権、崩壊の危機…国内の反発抑制のため日本領海侵犯を連発 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国がG20で見せた、世界で孤立したくないという本音 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国がG20でオバマ大統領に働いた「非礼」の裏側 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:紛争の平和解決促す=南シナ海判決に拘束力―米ASEAN - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海裁定は「拘束力ある」、米オバマ大統領 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ASEAN 菅義偉官房長官 中国の外交的勝利との見方に反論「全く考えていない」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ASEAN議長声明を評価=菅官房長官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:安倍首相、東アジアサミットに出席 南シナ海「軍事拠点化しない」発言の履行、中国に要請へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国、南シナ海めぐる「介入一掃」でASEANと協力希望=李首相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:豪、広がる中国警戒論 連邦議会報告書 一帯一路構想で「用心」促す - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:首脳会談中止 米比、深まる溝 オバマ氏、南シナ海戦略に暗雲 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海問題 首相「深刻に懸念」 中国念頭 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海裁定触れず ASEAN首脳会議声明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ASEAN首脳会議 李首相は親中・反米派で切り崩し - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ASEAN首脳会議 南シナ海攻防 安倍首相、中国封じ奔走 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:スカボロー礁の中国船写真を公開…フィリピン - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:レッドラインを超えた?中国がスカボロー礁基地化へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベトナムに円借款228億円=安倍首相が首脳会談で伝達 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:来年前半に「行動規範」概要=中国・ASEAN首脳会議議長声明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海、平和的解決へ協力=日印首脳 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海判決、触れず…ASEAN会議議長声明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<中ASEAN>共同声明、南シナ海の仲裁判決に触れず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<ASEAN支援>日本、テロ対策に450億円 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海情勢「深刻に懸念」=仲裁判決触れず―ASEAN議長声明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海仲裁判決言及せず=中国とASEANの首脳会議―比大統領、対話の用意表明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:暴言背景に対米不信=今後も火種に―比ドゥテルテ氏 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:仲裁判決、中国は順守を=テロ対策に450億円―安倍首相・日ASEAN会議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:フィリピン、国際会議直前に南シナ海航行する中国船の写真公開 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「中国が南シナ海で人工島建設を準備」フィリピンが写真公開 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国とASEAN、行動規範の合意目標確認へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:スカボロー礁の中国船写真公表=「建設活動の前兆」―フィリピン国防省 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<中国ASEAN首脳会議>7日開幕 焦点「南シナ海」対応 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

遠いアフリカで、中国が日本にイラついている理由
ITmedia ビジネスオンライン 9月15日(木)6時25分配信

 いま、アフリカをめぐって中国は日本にイラついている。

 2016年8月末、第6回アフリカ開発会議(TICAD6)が、ケニアの首都ナイロビで開催された。安倍晋三首相は、アフリカへ今後3年間で300億ドルの投資を約束した。今回のTICADは1993年に始まってから初めてアフリカ大陸で開催されたこともあって、日本の意気込みが感じられた。

【日本よりも中国のほうがアフリカとの交易規模は大きい】

 その少し前の2015年12月、中国もアフリカとの開発会議を行っている。2000年から始まった中国・アフリカ協力フォーラム(FOCAC)を南アフリカのヨハネスブルクで開催。こちらも6回目にして初のアフリカ開催となり、習近平国家主席はアフリカ支援として600億ドルの資金を拠出すると表明している。日本の倍額であり、近年アフリカに多額の投資を行っている中国の経済力を見せつけた形だ。

 アフリカとの経済協力に乗り出しているのは何も日本や中国だけではない。インドも、インド・アフリカ・経済フォーラム(IBF)を2010年に立ち上げている。米国は2014年に米・アフリカ首脳会議を初めて開催し、2015年にはEU(欧州連合)もEU・アフリカ主張会議を行っている。とにかく、アフリカ経済に対する注目度は世界的に高いのである。

 だがその中でも日中のせめぎ合いがメディアで話題になっている。TICADやFOCACでも分かる通り、日本はアフリカで中国に押され気味なのだが、とにかく中国が日本を目の敵にしており、日本の動きに敏感に反応し、いら立ちを見せている。

 そもそも、日本と中国はアフリカにどれほど投資をしているのか。日本は2013年に行われた前回の第5回TICADで、5年間で320億ドルの投資を約束している。そして今回の開催までに、そのうちの67%がすでにさまざまなプロジェクトに投入されている。その上で、さらに今後3年間で官民合わせて300億ドルの投資を約束しており、それ自体はかなりの規模ではあるが、前述した通り、中国は2015年末にFOCACで600億ドルの投資を発表している。

 また日本からの外国直接投資は、2000~2014年の累積で105億ドルだったのに対して、中国は累積で300億ドルを超える。英ロイター通信によれば、2014年の日本からアフリカへの直接外国投資は12億4000万ドルだったが、中国からの直接投資は、例えば天然資源の豊富な赤道ギニアに、2015年4月の1カ月だけで20億ドルも投資している。

●中国がイラついているワケ

 貿易についても同様だ。2015年、日本のアフリカとの貿易額は240億ドルだったのに対して、中国のアフリカとの貿易額は1790億ドルに上る。ちなみに2000年までは中国よりも日本のほうがアフリカとの交易の規模は大きかった。

 見ての通り、経済協力において中国はアフリカで日本を圧倒している。にもかかわらず、中国は日本を異様なまでに警戒している。中国は日本とアフリカが近づくのを快く思っていないのである。

 中国政府は、今回のTICADで、日本がアフリカへの経済協力を餌に政治的な発言力につなげようとしていると明確に批判している。8月29日の中国外交部の記者会見で報道官は、「第6回TICADの間、残念なことに、日本は自己中心的な利益を得るため自らの考えを押し付けようとして、中国とアフリカ諸国を仲違いさせようとしている」と述べている。報道官はさらにこう続ける。「TICADの前に行われた政府高官らの会議で、日本は、国連安全保障理事会の改革や海洋安全問題を会議の最終声明に含めようと全力を尽くした。そうした課題は、アフリカの開発や会議のテーマからは逸脱しておりアフリカの参加者たちから強い不満につながったと聞いている」

 中国は、日本がアフリカへの経済協力によって、アフリカ諸国から安保理改革や南シナ海問題で協力を得ようとしていると主張している。ただ安保理改革について言えば、アフリカ諸国も長年改革を求めており、日本と利害が一致している。アフリカ諸国は国連安保理でアフリカ諸国のプレンゼンスを高めたいと考えており、一方で日本も安保理の常任理事国入りに声を上げている。常任理事国である中国は、第二次大戦の「敗戦国」である日本が国連で発言力が増すのは受け入れられない。

 また南シナ海の領有権問題では、オランダ・ハーグの国際仲裁裁判が中国の主張に法的根拠がないという判断を示したことは記憶に新しい。この判決で中国は世界的に孤立しており、中国からするとアフリカ諸国が中国寄りの立場を表明するよう狙っている。そんな中で日本とアフリカが「航行の自由」などで意気投合でもされたら、南シナ海問題にも波及しかねないと中国は考えていると見られている。

●政府系の中国メディアも、日本を批判

 政府系の中国メディアも、辛辣(しんらつ)な日本批判を繰り広げている。中国共産党中央委員会の機関紙である環球時報は、日本のアフリカへの投資で「日本の行動が中国に対抗したり、アフリカで主導権を握ろうとする目的だとすれば、中国をイラつかせるものである」と書く。

 国営の新華社通信は、「誠実さなきアフリカでの日本の札束外交」という記事で、「アフリカの指導者たちはTICADに政治問題がからむことや、日本がそれをねじこもうとすることに反対した。事実、アフリカ諸国は日本による投資の本当の目的をよく理解している。アフリカのメディアの中には、日本による支援の約束は単なる宣伝活動に過ぎないと書いている」と指摘する。筆者が調べる限り、そのような日本に対する批判記事は見つからなかったが、さすがに新華社であっても完全な捏造(ねつぞう)はしないと思われるので、おそらくアフリカのどこかのネット記事か何かにはそういう記述があるのかもしれない。

 とにかく、中国がここまで批判を繰り広げるのは、本気でイラついているからに他ならない。

 ただ、こうしたすべての批判は「お前が言うな!」と、ブーメラン的に一斉に突っ込まれそうな話である。実際に、1971年に中国が国連に再加盟できたのはアフリカ諸国に「働きかけた」ことによるアフリカ票があったからだ。また南シナ海問題でも中国はアフリカ諸国の賛同を求めており(実際に南シナ海問題で中国の主張を支持している国はアフリカで少なくとも39カ国ある)、その裏に経済協力があることは想像に難くない。

 では、日本の思惑はどこにあるのか。日本としては表向き、アフリカを真のパートナーとして日本の援助だけでなく、いまや世界語になった「カイゼン」など「創作工夫を重んじる日本企業の組織文化」をアフリカに伝えたいという思いがある。だが実際には、2050年には人口が25億人に達するアフリカの市場で、自動車や発電所、発電機などを販売し、逆に、天然資源を確保したい狙いもある。特に、福島原発事故の後で国内の原発がほとんど停止していることで、燃料の確保は重要度を増している。

●アフリカを舞台に日中の思惑が入り乱れている

 そしてもちろん、安保理改革に向けてアフリカの協力は欠かせない。安保理の常任理事国入りは日本政府の大きな目標だからだ。その上で、アフリカ諸国にも南シナ海を見すえた「航行の自由」に同調してもらえればなお素晴らしい。

 アフリカを舞台に日中の思惑が入り乱れているわけだが、幸いなことに、日本はアフリカで中国よりも断然イメージがいい。日本製品の質の高さは評価され、また支援プロジェクトもそのクオリティの高さが評判である。例えば日本のつくった道路は、中国がつくったモノよりもクオリティが高いと知られている。

 中国と違い、日本は経済プログラムに限らず、教育支援や公衆衛生・健康支援、生活インフラの支援なども行ない、現地人から高く評価されている。また積極的に地元の材料を使って、地元民を雇う。最近アフリカ諸国は「援助」疲れも出ており、経済パートナーとして「大人の扱い」を望んでいる。単なる寄付や投資から、経済パートナーのような扱いを求めているのである。その点も、日本が中国よりも歓迎されている理由になっている。

 これまで日本が培ってきたアフリカ支援と技術力に、TICADのような協力援助が加わることで、日本はアフリカ人の心をさらにつかむことが可能になるだろう。中国の焦りや警戒による口撃は鼻で笑って、日本らしさを貫いた独自路線の協力を続ければ、本当の狙いも達成できるはずだ。それこそが、中国をいら立たせている理由なのである。

(山田敏弘)


中国・ロシア海軍合同演習の仮想敵は日本
JBpress 9月15日(木)6時10分配信

958
中国駆逐艦(上)とロシア駆逐艦

 G20の終了を待ち構えていたかのように、中国が南シナ海と東シナ海での露骨な覇権確保行動を再開した。

 南シナ海のスカボロー礁周辺では、予想を上回る早さでG20開催中から海警巡視船や作業船など10隻前後を展開させるという行動に出ている(本コラム「レッドラインを超えた? 中国がスカボロー礁基地化へ」を参照 http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47818)。

 そして、9月11日には予想通り、中国海警巡視船4隻が尖閣諸島周辺の日本領海内を90分にわたって航行した。引き続いて12日からは、中国海軍とロシア海軍の合同演習が南シナ海で実施されている。

■ 初めて南シナ海で行われる中露合同演習

 その演習とは、9月12日から8日間にわたって開催される「Joint Sea 2016」である。

 中露の合同海軍演習はこれが初めてではない。2012年には黄海で、2013年には日本海のロシア沿海域で、2014年には東シナ海で、2015年春には地中海で、2015年夏には再び日本海のロシア沿海域でそれぞれ開催された。

 しかし今回の演習は、初めて南シナ海で実施される演習であり、これまで以上に強い外交的メッセージを含んでいるという点で、大きな注目を集めている。

 南沙諸島での人工島建設やそれらの軍事拠点化、西沙諸島への地対艦ミサイルや地対空ミサイルの配備、国際仲裁裁判所の裁定を無視する宣言、それにスカボロー礁の軍事拠点化に向けての動きなど、南シナ海での中国の覇権主義的な動きがますます露骨になっている。今回の演習もまさにその動きの一環と位置付けられる。

 もっとも中国当局によると「Joint Sea 2016」はあくまでも定期的な中露合同演習であって、特定の仮想敵や、特別の事象を想定してのものではない、としている。

 だが、この種の軍事演習を実施するにあたっては、中国だけでなくアメリカにしろ日本にしろ似通ったコメントを発するため、「定期的な通常の演習」という言葉には何の意味もない。実際、北朝鮮の核実験を受けて、アメリカ軍と韓国軍による「特定の国を想定していない通常の合同演習」が、北朝鮮と中国の神経を逆なでする黄海で間もなく実施される。

 中国側は、「中国の鼻先の黄海に空母まで繰り出して行われる米韓合同演習と違って、中露合同演習は挑発的なものではない」とも言う。この言い分は、あながちピント外れとは言えなくもない。なぜなら「Joint Sea 2016」は、領有権紛争中の西沙諸島や南沙諸島の人工島、それにスカボロー礁などの周辺海域で実施されるわけではなく、名実ともに中国の領域である広東省沿岸域とその沿海で実施されるからだ。

 だが、「Joint Sea 2016」の演習内容からは、とりわけ日本にとり重大な警戒を要する海軍演習であることが見て取れる。

■ 対日戦に必要な対潜水艦戦と水陸両用戦

 人民解放軍海軍によると、「Joint Sea 2016」には中露両海軍から水上戦闘艦艇(駆逐艦やフリゲート)や補助艦艇(補給艦や救難艦)、艦載ヘリコプター、固定翼航空機(地上基地機)、それに潜水艦と海兵隊(中国海軍陸戦隊、ロシア海軍歩兵)が参加して、海上防衛戦、捜索救難活動、対潜水艦戦、島嶼を巡る攻防戦などの訓練が実施される。

 とりわけ中国海軍陸戦隊とロシア海軍歩兵は、実弾を用いての実戦的水陸両用訓練を執り行うという。訓練内容は、水陸両用装甲車両も用いて、渡洋しての島嶼への接近、上陸を巡っての攻撃と防御などを実施するらしい。

 南シナ海で開催される「Joint Sea 2016」は、たしかに南沙諸島、西沙諸島、スカボロー礁、そして九段線を巡って中国と領有権紛争中の南シナ海沿海諸国、とりわけフィリピンやマレーシア、それにベトナムを威嚇する意味合いを持っている。

 しかし、それらの国々の潜水艦戦力は中国やロシアにとってはものの数ではない。わざわざ「Joint Sea 2016」で対潜水艦戦の訓練を実施するということは、海上自衛隊を念頭に置いて日本を威嚇する意図があることは明白である。

 加えて、きわめて実戦的な本格的水陸両用戦の訓練も、尖閣諸島や先島諸島への侵攻可能性を暗示する対日デモンストレーションと考えねばならない。ロシアはともかく、中国軍が強力な敵を排除して実施する可能性がある島嶼侵攻戦は、南シナ海では起こりえない。

 アメリカ海軍関係者などの間でも、中露の水陸両用実弾演習は、島嶼防衛戦力を強化しつつある日本を仮想敵にしたものであると考えられている。

■ もはや「遺憾の意」は無意味

 このように、中国はスカボロー礁での埋め立て作業準備に向けての動き、尖閣周辺での日本に対する威嚇行動の再開、そして日本を仮想敵の1つに据えた中露合同海軍演習とますます南シナ海と東シナ海への露骨な侵出活動を強めている。

 いくら、習国家主席が安倍総理やオバマ大統領と会談して互いに牽制し合っても、「政権は銃口から生まれる」「軍なくして人民なし」の原理に立脚する中国共産党にとって、言葉は軍事力の前には全く意味をなさない。

 日本政府首脳も、中国政府首脳に対して繰り返し繰り返し「遺憾の意」を表明し続けても東シナ海や南シナ海の状況を好転させることは絶対に不可能であることを肝に銘じなければならない。そして、現在の生ぬるい島嶼防衛方針を抜本的に見直し、実効性のある新戦略をもって立ち向かわなければ「完全に手遅れ」になってしまうことは必至である。


中国・習近平政権、崩壊の危機…国内の反発抑制のため日本領海侵犯を連発
Business Journal 9月13日(火)6時2分配信

 本連載前回記事で、中国の苦しい現状とイギリスやドイツの“中国離れ”について論じたが、今回は別の角度から中国の現状を見ていきたい。

 ドイツ経済といえば、2015年にフォルクスワーゲン(VW)がディーゼルエンジンの排出ガス規制に関して不正を行っていたことが発覚、VWはアメリカ当局に約1兆600億円の賠償金を支払うことで合意している。今後、ほかの国に対しても巨額の支払いが課される可能性があるVWだが、そのメインバンクがドイツ銀行だ。

 ドイツ銀行は、VWの不正発覚後に約1兆円の融資を行っているが、将来的に融資が焦げついたり、さらなる金融支援が必要になったりする可能性がある。そして、その時の対応次第ではVWとドイツ銀行が連鎖破綻に陥る危機すら予想されている。また、VWは積極的に中国展開を進めており、15年の世界販売台数の約3分の1を中国に依存している。つまり、中国経済の悪化はドイツにとって切実な問題なのだ。

 そして、そこで問題になるのが「ユーロダラー」だ。これは、アメリカ以外の銀行に預けられた米ドル預金のことで、主にヨーロッパの銀行が市場である。ドル建て債券やドル融資も含まれるが、ユーロダラー取引の拠点はイギリスのシティであり、ドルの為替取引全体の約4割(ウォール・ストリートの2倍)を占めているとされる。

 シティといえば世界的に有名な金融センターだが、それはなぜだろうか。実は、時差を考えた時にイギリスは有利な場所にある。為替取引において、午前中はアジアとヨーロッパのマーケットにアクセスでき、午後になればアメリカのマーケットが開く。つまり世界の為替市場に常時アクセス可能なため、取引に最も適しているのだ。

 そして、国際化に向けて急拡大する人民元の取引の拠点になることを狙い、さらには中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の後見人的な役割を担っていたのがシティおよびイギリスだった。しかし、前回記事で述べたように、イギリスはEU(ヨーロッパ連合)離脱に伴って政権交代が行われ、対中戦略の転換点を迎えている。こうして見ると、あらゆる面で中国および人民元の後ろ盾が失われていく可能性が高いわけだ。

●習近平の「次が見えない」中国のジレンマ

 そうした外的要因に加え、中国国内では習近平国家主席自身が八方ふさがりの状況に陥っている。中国は南シナ海における領有権問題について、常設仲裁裁判所の判決を無視している上、東シナ海の尖閣諸島に大量の船舶を航行させて日本の領海に侵入を繰り返している。

 ここまで強硬な姿勢を貫くのはなぜかというと、そこで習主席が「一歩引く」という姿勢を見せれば、たちまち求心力を失うことになり、習政権の崩壊につながるからだ。習主席は中国人民解放軍の「軍区」を7つから5つに再編すると同時に「戦区」と改称するなど軍改革を行ったが、この改革も軍に対する強い指導力がなければできないわけで、その後、軍の掌握はなかなか進んでいないのが実情だ。

 どの国でもそうだが、軍隊をまとめる時に必要なのは外敵の存在である。軍隊というのは敵がいれば強くなるが、敵がいなければ目的がないため締まらない。そういう視点で見た時、中国が南シナ海や尖閣諸島の問題から手を引けば、軍の士気が低下する上、習主席に対する忠誠心も失われる恐れがある。

 本連載の中で繰り返し述べているように、中国は政治的に国際社会の中で孤立しており、経済政策もどん詰まりの現状がある。そんな中で軍の統率も取れなくなる事態になれば、それはそのまま習政権の瓦解に結びつく。

 そして、その時の最大の問題は「次が見えない」ということだ。中国共産党は集団指導体制をうたってはいるが、習主席は「虎狩り」と称して大々的な反腐敗キャンペーンを行った。党内の汚職などを一掃するというものだが、これによって習主席は敵対勢力を徹底的に潰し、その反動で大きな恨みを買っている状態でもある。党内に反発を生むと同時に、有力者を潰すことで「次の芽」を摘んでしまっている。

 これを、中国で繰り返されてきた国内の権力闘争の歴史の一部と見ることもできるが、これまでより格段に規模が大きく、中国の内外を取り巻く環境が変化していることを失念しているものだと思う。すでに右肩上がりの経済は期待できず、自由化により海外との関係も深まっている。「虎狩り」は、海外とつながる人材を奪ってもいるわけで、政策的混迷の原因にもなる。

●プーチン頼みのロシアを待つ厳しい現実

 これは、ロシアにおいても同じだ。ロシアは「大帝」とも呼ばれるウラジーミル・プーチン大統領による独裁的な政治体制が敷かれており、あらゆる面で“プーチン頼み”なのが現状だ。

 ロシアという国は「共産主義に失敗し、民主主義に失敗し、そして“帝政”に戻った」ともいわれている。プーチン大統領は2000~08年まで大統領を務めた後、首相に就任し、12年から大統領に復帰している。首相時代も含めれば15年以上も国のトップに立っているわけだが、裏を返せば、次代のトップが育っていないのである。

 今、世界にはかつての冷戦を彷彿とさせるような西側と東側の対立が生まれているが、仮にプーチン体制が崩壊した場合、その対立構造のバランスが大きく崩れることになる上、ロシア国内が混乱に陥ることは想像に難くない。

 現在、ウクライナ情勢をめぐって欧米から経済制裁を受けているロシアでは、首都・モスクワのスーパーマーケットからバターやチーズなどの輸入品が消えつつある。また、地方に行くと、旧ソビエト連邦時代に戻ったかのように、物を買うのに2時間並ばなければいけないという状況も生まれている。

 これらは、経済制裁によって外貨が手に入らなくなり、海外品が流通しなくなってしまったからだ。そういう状況の中でプーチン大統領という指導者が失われたら、いったいどうなるのだろうか。

 このように、中国およびロシア、つまり東側の国にとっての状況は非常に厳しいものになっており、それゆえ対抗軸である欧米の動きが注視されているのである。
(文=渡邉哲也/経済評論家)


中国がG20で見せた、世界で孤立したくないという本音
ダイヤモンド・オンライン 9月13日(火)6時0分配信

● 杭州市民は1週間の有給休暇 念入りに準備された杭州サミット

 「杭州サミット期間は西湖の畔にもほとんど市民が見えなかったでしょう。杭州市民は約1週間の有給休暇をもらっていたの。杭州の戸籍を持っていれば、全国どこの観光スポットに行っても入場券が無料になるというサービス付きだった。ただ、ルックスが比較的良い市民、特に党や政府関係の職場で働いている人間は半ば強制的に西湖の畔を散歩するように命じられたわ。私もその一人」

 杭州市人民政府で働く女性幹部が私にこう語った。

 先週閉幕したG20杭州サミット。

 当局、もっと言えば、以前に浙江省杭州市で働いたことのある習近平国家主席は、古巣での国際会議を"成功"させるために、手段を選ばなかった。サミット開催の約1ヵ月前からあらゆる規制が展開された。

 杭州に向かうフライトの乗客には空港で特別なセキュリティチェックが課された。杭州に向かう高速鉄道の乗客には、出発地と現地双方でセキュリティチェックが課された。もちろん、サミット開催前後に観光客が入ることなど許されない。冒頭にあるように、杭州市民はサミット開催中、"不在"を奨励された。有給休暇、しかも全国どこのスポットに行っても無料という条件。多くの市民は喜んで故郷を出た。

 すべてはサミットの成功のためであった。セキュリティを強化しなければ、市民に地元から出てもらわなければ、あらゆる不確定要素が起こりうる。普段の杭州は渋滞が激しく、西湖の畔は地元住民や観光客だらけで、一種のカオスと化す傾向にあった。中国当局は特にテロリズムを警戒していたように見える。昨今、とりわけ“イスラム国”にまつわるテロリズムが中国国内に"侵入"することを、過去に例を見ないほどに恐れているのだ。

 本稿では、中国が杭州サミットを主催する過程と光景を眺めながら、私が感じた「中国共産党がいま目論んでいる世界、これから作ろうとしている秩序」を綴ってみたい。

 本連載の核心的テーマは中国民主化研究であるが、それを掘り起こしていく上で、中国共産党がいま何を考えていて、自らが望み、作ろうとする世界と、そのために開催する杭州サミットのような国際会議での出来事をレビューすることは、有益であると考える。

● 世界経済の問題だけに絞り 政治的課題は会議から排除

 私が感じたことは3つある。一つずつ見ていきたい。

 一つは、中国共産党は、今回の杭州サミットを主催する過程で、あくまでも世界経済をどのように再建し、持続可能な発展を実現するかという1点を強調し、自らが望まないイシューを会議のアジェンダから排除しようとした点である。

 習近平国家主席は9月4日に行われた開会式で、次のように主張した。

 「現在、世界経済は総体的に復興の態勢にあるが、成長の動力は不足し、需給は不振であり、金融市場は繰り返し混乱し、国際貿易と投資は持続的に低迷するなど、多くのリスクとチャレンジが重なっている。国際社会は二十国集団に期待し、今回のサミットに厚い願望を抱いている。杭州サミットが世界経済に本質的な部分を治療し、総合的な施策を示せる処方箋を提起し、世界経済が強靭、持続可能で、バランスが取れていて、かつ包容的な成長の路を歩むことに寄与できることを祈っている」

 「G20サミットはそもそも世界経済を議論する場所である」という文言は、この期間中、中国の首脳や官製メディアが繰り返し強調してきたものであるが、良いか悪いかにかかわらず、それは中国当局が望むことであり、G20=世界経済は、必ずしもG20というメカニズムの公式にはなっていないように思える。そこにはやはり、主催国の政治的意志が如実に反映される傾向にある。

 中国が杭州サミットを主催するうえで「G20=世界経済」を公式化したかった意図はどこにあるのか。

 私から見て、いまだ未知数であり、復興と成長に陰りが見られる世界経済という分野においてこそ、中国が最も自ら進んで影響力を発揮したいと考えているということである。

 言い換えれば、中国は国際世論が「世界経済の復興とそのための新しい原動力を模索することが急務である。そのために、中国は重要な役割を担っている」という空気で覆われることを望んでいるということである。中国の南シナ海における拡張的行動・政策や、中国がいまだ政治体制やイデオロギーにおいて異次元にあることなどが、国際社会で議論される主要なアジェンダになることを望まないということである。

● 中国が最も警戒していた 日本の安倍晋三首相

 その意味で、中国が杭州サミットを主催する上で最も警戒していた国家の指導者は日本の安倍晋三首相だったと言えるだろう。これまで随所において中国の南シナ海における行動や政策に対してクリティカルな主張をしてきた安倍首相が、G20杭州サミットの場においても、南シナ海問題と中国の行動・政策の問題性を会議のアジェンダとして提起することを中国は非常に警戒していた。

 「中日関係に関して言えば、近来、日本の対中政策において消極的な動向が見られる。特に南シナ海問題において、日本はこの地域の国家と国際社会の大多数のメンバーの意思を顧みず、意図的に煽ったりしている」(8月23日、中国外交部定例記者会見における陸慷報道官の発言)

 「杭州サミット、および直後にラオスで行われたASEAN首脳会議において、南シナ海問題、特に仲裁判決の結果が主要なアジェンダに上がらず、共同声明にも明記されなかったことは、我々がそのために多くの仕事をしてきた成果だと言える」(中国外交部幹部)

● 中国側が避けたかった 「世界経済低迷の原因は中国」という世論

 世界経済を復興・再建させるための処方箋として、中国は何を考え、行おうとしているのだろうか。参考までに、習近平国家主席がサミットの開会式と閉会式で掲げた「G20として取り組むべきこと」を列記しておきたい。

 まずは開会式の5点である。

 (1)マクロ経済を巡る政策強調を強化し、力を合わせてグローバル経済の成長を促進し、金融の安定を守ること。
 (2)新たな発展の方法を創新し、成長のインセンティブを掘り起こすこと。
 (3)グローバル経済のガバナンスとそのためのメカニズムの保障を充実させること。
 (4)開放的な世界経済を建設し、貿易・投資の自由化と便利化を不断に充実させること。
 (5)2030年に向けた持続可能な発展アジェンダを実行に移し、包容的な成長を促進すること。

 次に閉会式の9点である。

 (1)平和で安定した国際環境を守ることは極めて重要である。
 (2)短期的なリスク防止と中長期的な潜在力の模索の両方が必要である。
 (3)世界経済を強靭な軌道に戻すことに自信を持って取り組む。
 (4)成長の方式を創新し、世界経済に新たな動力を注入する決心をする。
 (5)構造改革を促進し、グローバル経済・金融のガバナンスを充実させる。
 (6)脱税を取り締まる強度を高める。
 (7)グローバルエネルギーガバナンスの有効性を向上させる決心をする
 (8)国際貿易・投資をいま一度振興させる。
 (9)危機への対応から長期・有効的なガバナンスへとメカニズムを転換する。

 自らが主催したサミットで「世界経済」をグローバルアジェンダの核心に据え、そのための「中国薬方」(筆者注:"中国による処方箋")を注入しようとした習近平主席であるが、一方で、中国当局は「世界経済が低迷している大きな原因は中国にある」という世論が普及することも恐れている。今回議論になった過剰生産能力の問題に関して、それを「世界的課題」とした所以もそこにある。原因は中国だけにあるのではなく、世界各国、みんなで向き合い、解決していくべきものだという世論を作りたかった。

 自らが嫌うトピックはアジェンダに入れない。自らが好むアジェンダでも、自らに責任が及ぶことは避けたい。でも国際的な影響力と発言権は高めたい。

 都合が良すぎるようにも聴こえるが、それが昨今の共産党政権が望む国際社会の動向であり、世論であると言える。

 二つに、中国がG20という枠組みを国際社会がグローバルイシューを解決していく上で最も有効なプラットフォームに仕立てあげ、特に発展途上国の発言権を高める必要性を訴えようとした点である。

● 最も多くの途上国をゲスト国家として招待 途上国・新興国への経済・金融外交を展開

 杭州サミットを通じて、習近平国家主席、政府高官、官製メディアらは、終始今回のサミットは過去で最も多くの途上国をゲスト国家として招待したことを強調していた。

 今回、G20以外のゲスト国家には、チャド、エジプト、カザフスタン、ラオス、セネガル、シンガポール、スペイン、タイの首脳が招かれた。

 習近平政権になって以来、中国が"一帯一路"やアジアインフラ投資銀行、シルクロード基金、BRICS開発銀行といったメカニズムを構築、特に途上国への投資や援助を強化する過程で、途上国の経済・社会的需要を満たし、それらの国家を引き連れる形で国際社会における発言権を強化しようとする傾向が顕著に見られるようになっている。今回の杭州サミットはそのための一つの"場"と言えるであろう。

 中国は特に、西側主要国から成るG7ではなくG20こそが真の国際世論であり、グローバルアジェンダを設定してためにふさわしい場所であることを訴えたかった。今年のG7会議は日本で行われたが、その外相会議の前夜(2016年4月8日)、中国の王毅外相は北京を訪れたドイツのシュタインマイヤー外相との会談で次のように語っている。

 「G20は世界における主要な先進国と途上国をカバーしている。メンバーの経済総量と貿易量は世界の80%以上を占める。他のメカニズムと比べて、G20は明らかにより大きな代表性を持っており、国際社会の普遍的な願望やコンセンサスを反映できる。G20は昨今のグローバル経済ガバナンス・協力にとって最も重要なプラットフォームとなっている」

 杭州サミットは閉幕したが、中国は引き続き、国内経済の再建や国内政治の矛盾で足踏みする西側諸国を横目に、一貫して経済やインフラ建設に悩む途上国・新興国への経済・金融外交を展開しつつ、それらの国家を引き連れ、政治的・外交的に中国を支持させるべく動いていくに違いない。

 三つに、二つ目の延長線とも言えるが、今回のサミットを通じて、習近平国家主席、政府高官、官製メディアらは終始「包容」の二文字を強調し、国際社会・世論が中国の在り方ややり方に"包容的態度"を抱いてくれるようにアプローチした点である。

● 世界からの孤立化を嫌い "外交努力"で補いたい中国

 本連載でも繰り返し提起・検証してきたポイントであるが、中国は、自らが政治体制やイデオロギー的に世界の主流・潮流とは異なる"異端児"であり、それが原因で"孤立化"することを極端に嫌っている。

 中国共産党にとっては、社会主義体制、マルクス・レーニン主義、毛沢東思想などを堅持することこそが、共産党一党支配体制を死守することにつながるが、この内政的ロジックを外交の舞台で応用するためには、あらゆる施策が不可欠となる。私は常々思うが、中国という国家・社会が、自らが社会主義体制・共産党一党支配であるために外交的に失っている利益や信任は計り知れない。

 中国共産党はそれらの損失を自らの“外交努力”を通じて補いたい。

 そのためには、世界は多様的であり、異なる国家から構成されており、異なる政治体制、イデオロギー、成長モデルが尊重される世界であってこそ、グローバル・ガバナンスは最も効果的に機能し、結果的に社会は繁栄し、人々は豊かになり、世界は平和になる。

 そんな世論を作り上げることが、最も中国共産党の利益にかなう。少なくとも、党の上層部はそのような考えを抱いている。そう強く感じさせた杭州サミットであった。


中国がG20でオバマ大統領に働いた「非礼」の裏側
ダイヤモンド・オンライン 9月13日(火)6時0分配信

● 中国がホストを務めたG20 習近平国家主席は大成功と自画自賛

 9月5日、中国がホストを務めたG20の会合が閉幕した。首脳宣言の内容を見ると、保護主義への反対などが中心で目新しさは全く感じられない。

 一方、中国の習近平国家主席は、会合は大きな成功だったと自画自賛している。同主席にとって、今回のG20は、中国が国際社会の重要な一員であり、主要国をまとめるリーダーであると誇示する絶好の機会だった。

 その背景には、来年秋の中国共産党第19回全国代表大会(共産党大会)に向け、習近平が権力基盤の強化を狙っていることがある。2017年秋の共産党大会では、政治局常務委員(共産党の最高意思決定機関)のメンバー入れ替えが見込まれる。この大会は5年間の国家方針を決める場だ。それだけに、習近平が求心力を高めるための実績作りに勤しむのは当然だろう。

 リーダーぶりを誇示するためには、対中批判は抑えなければならない。そこで、中国はG20の議論を経済問題に集中した。わが国からは海洋進出への懸念が示されたが、それが他国に共有されることはなかった。

 確かに、中国にとっては、事前の想定通りにG20会合は進んだかもしれない。それによって、共産党指導部の実力を国内に喧伝することもできただろう。当面、習近平は自らの権力基盤を強化することができただろう。

 しかし、それは、習近平主席が自身の基盤強化を目的に行ったことで、国際社会のことを考えてのことではない。つまり、中国は今でも、「自国の事情」を優先せざるを得ないということだ。

 それでは、中国は、すぐに主要先進国の仲間に入ることはできない。今回のG20会議は、そうした中国の内情を世界に示す結果となった。「中国は意外にわかりやすい国だった」という印象を持った人は多かっただろう。

● 「中国の威信」を内外に 発信しようとの思惑

 浙江省杭州市で開催された20ヵ国・地域(G20)首脳会合に関して、中国はホスト国として国際社会を仕切り、成功を演出することに大きな意義を見出していた。習近平の指導力のもとで国際会議を成功させ、中国の威信を内外に発信しようとの思惑があったからだ。

 世界の首脳が集まる機会としては、主に二つの会議がある。G7とG20だ。G7は米英独仏日伊加の先進7ヵ国が参加し、約40年の伝統を誇る。

 一方、1999年から始まったG20には先進国に加えて中国やインドなどの新興国も参加する。特にリーマンショック後はG20の開催頻度も増えており、新興国各国から米国の経済政策やIMFの運営体制などに対する批判が繰り出されることも多い。

 G7に参加できない中国は、今回のG20で世界経済の今後を議論し、G7以上に重要な会合に仕立てたかったはずだ。それは、習近平の任期5年間で中国が米国と並ぶ世界のリーダーになったことを国内に示し、国内の権力基盤を強化するために必要と見たのだろう。

 そこで、重要なのがG20の議題だ。もし、会合の議論が政治や外交に向かえば、中国が進める南シナ海などでの海洋進出に対する批判が及ぶ。すでにハーグの仲裁裁判所が中国の南シナ海に対する歴史的領有権を否定したことからも中国は劣勢だ。

 中国は、事前にG20は経済問題を議論する場だと主張し、議題が南シナ海問題に向かわないよう細心の注意を払った。そして、想定通りに保護主義への反対、過剰生産能力の解消を首脳宣言に盛り込むことでG20の成功を演出した。

 そこには、中国が世界経済の中心の一つであり、世界経済の問題を解決できる存在であることを世界に示す考えがある。そうすることで、習近平は国民の支持を高め、権力基盤を固めようと考えた。

● G20で確認できたこと 米国に国際的な非礼を示した中国

 G20会合の一連の流れを見ていると、中国が「国際社会の常識」について、相反する二つの対応を行い、大きく揺れ動いていることがわかる。一つは、「国際社会の常識」を受け入れざるを得なくなっている面だ。そしてもう一つは、国内事情を優先して、「国際社会の常識」を無視している面である。

 国際社会の常識を受け入れざるを得ない面は、5日の北朝鮮のミサイル発射に関する行動だ。これを受けて国連安全保障理事会(国連安保理)は緊急会合を開き、北朝鮮を非難し、自制を求める報道声明を出した。

 中国は国連安保理の常任理事国だ。そして、報道声明には全理事国の承認が不可欠である。今回、中国は表向きではあるにせよ、政治的なイデオロギーや軍事的な関係の強い北朝鮮に対して国際的な常識に則った、毅然とした対応を取った。

 中国が国際社会での存在感を高めようとするほど、ある意味で中国は国際社会の常識を尊重せざるを得なくなる。中国が身勝手な言動を続ければ、世界各国からの批判は必至だ。そうした批判は中国の世論に影響し、共産党指導部の威信低下につながる可能性もある。

 一方、中国は、依然として常識を無視する国であることも分かった。それは、米オバマ大統領に対する非礼だ。

 各国首脳の訪問に際し、受け入れる国は赤じゅうたんを敷いたタラップを使い歓迎する。それが国際社会の常識だ。しかし、今回中国は、米オバマ大統領に対して赤じゅうたんを敷いたタラップを用意しなかった。意図的な米国軽視である。

 しかも、その対応は米国からの要請に基づくものと中国政府の関係者は説明しているようだ。それを受け、多くの国が中国に対する認識を新たにしたのではないか。

 恐らく中国は米国を意図的に歓待しないことで、中国が米国よりも強い存在であると演出したかったのかもしれない。見方を変えれば、そうした稚拙かつ非礼な振る舞いによって威信を保たねばならないほど、中国共産党を取り巻く状況は不安定なのかもしれない。

 そうだとすると、中国の政治情勢は外から見ているほど盤石ではないのだろう。中国の本当の姿を推測できる材料を与えてくれた、今回のG20会議の意味はかなり大きかった。

● 中国は「真の意味」での国際常識を わきまえた国際社会の一員になれるか

 今後の焦点は、経済規模で世界第2位にまで上り詰めた中国が、真の意味での国際常識をわきまえた社会の一員になれるか否かだ。国際司法判断の尊重、国際政治の常識を持つだけでなく、通貨安定、過剰な生産能力の削減を粛々と進められるかが問われる。

 それは口で言うほど簡単なことではない。過剰生産能力のリストラは、多くの失業者を生み社会不安につながる。その中で習近平は、来年の共産党大会を自身の権力基盤増強の足掛かりにしなければならない。

 どうしても、共産党指導部の視線は“中華思想”(漢民族の繁栄のために中国を中心に世界秩序が整備されるべきとの発想)を強調し、国威発揚を進めることに向かいやすい。

 中国が身勝手な行動を続ける以上、中国から距離を置く国は増えるだろう。実際、6月の訪中の折、中国と蜜月外交を展開してきたドイツのメルケル首相は、海洋進出や鉄鋼製品のダンピングに懸念を示した。親中政策を重視してきたドイツの方針は変化しつつある。

 中国の経済成長の恩恵を得ようとしてきた英国にも変化が表れている。メイ首相は中国企業が参加する原発建設計画には、安全保障上の懸念があるとして最終決定を延期した。この判断の背景には国家主権さえも無視し、自らの領土拡張を進める中国への不安があることは言うまでもない。

 当面、中国経済は不安定に推移するだろう。景気減速に直面する国内の不満を解消するため、これからも中国が身勝手な行動を続ければ、各国からの批判は強まる。その結果、中国は国際社会から孤立し、南シナ海での暴挙など誤った政策の限界に直面するはずだ。

 中国経済の減速が続き、中国政府が国際常識を無視するほど、国際社会は中国への冷めた見方を強めるだろう。そうした行動様式がマイナス、いわば“損”であることに中国共産党は早く気づいたほうが得策だ。

 ただ、中国の国内事情が安定し、国際社会の常識を尊重するまでにはまだ時間がかかりそうだ。その間、中国の構造改革は進みづらく、南シナ海を取り巻く状況も不安定に推移しやすいだろう。

 今回のG20会議は、われわれに中国の生の姿を見せてくれた。わが国は主張すべきことは明確に国際世論に訴える、これまで以上に大人の対応が必要になる。


紛争の平和解決促す=南シナ海判決に拘束力―米ASEAN
時事通信 9月8日(木)14時30分配信

 【ビエンチャン時事】東アジアサミットに出席するためラオスを訪問中のオバマ米大統領は8日、ビエンチャン市内で東南アジア諸国連合(ASEAN)と首脳会議を行った。

 大統領は冒頭、フィリピンやベトナムなどと中国が争う南シナ海の領有権問題について「平和的な解決」を改めて促した。

 大統領はこの中で、中国の主権を否定した7月の仲裁裁判所の判決について「拘束力がある」と明言。その上で「(域内の)緊張緩和に向けて共に前進できるよう話し合いたい。外交を促進し、地域の安定を目指す」と述べた。


南シナ海裁定は「拘束力ある」、米オバマ大統領
AFP=時事 9月8日(木)14時26分配信

【AFP=時事】(更新、写真追加)バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は8日、南シナ海(South China Sea)で中国が主張する「歴史的権利」に法的根拠はないと判断したオランダ・ハーグ(Hague)の仲裁裁判所の裁定について「拘束力がある」と明言し、中国をけん制した。中国政府は、裁定は無効だと主張している。

 オバマ大統領は、ラオスの首都ビエンチャン(Vientiane)で開催されている東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議で、「7月の仲裁裁判所の裁定には拘束力があり、域内の領有権の明確化を促進した」と語った。

 その上で、オバマ大統領は「これにより緊張が高まっていることは認識している。しかし、どうすればわれわれが共に建設的に前進できるか、協議を通じて緊張を緩和し、外交と安定を促進させることも期待している」とも述べた。

 オバマ大統領は中国に対して、裁定を順守し、域内の緊張を高めかねない一方的な措置を控えるよう求めている。これに対し中国は、裁定を利用して対立をおあっているとして米国の介入を非難している。【翻訳編集】 AFPBB News


ASEAN 菅義偉官房長官 中国の外交的勝利との見方に反論「全く考えていない」
産経新聞 9月8日(木)13時23分配信

 菅義偉官房長官は8日午前の記者会見で、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議で採択された議長声明が南シナ海での中国の主権主張を全面否定したオランダ・ハーグの仲裁裁判所の裁定に言及せず、中国が外交的勝利を収めたとの見方に対し「全く考えていない」と反論した。

 菅氏は「法的、外交的プロセスの完全な尊重を伴う形での紛争の平和的解決の重要性は強調されている」と指摘。「南シナ海における最近および現在進行中の動向に関し、引き続き深刻に懸念する旨の表現が盛り込まれている」と述べ、ASEAN首脳との会議の成果を強調した。

 中国が海洋進出を強行する南シナ海問題をめぐっては、ベトナムなど中国との領有権問題を抱える国と、親中派のカンボジアなどとの間で足並みの乱れが指摘されているが、菅氏は「乱れているとは思わない」と指摘。「東アジアサミットでも安倍晋三首相から参加国に対し法の支配の貫徹を訴えていく予定だ」と述べ、国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性を今後も主張していく考えを示した。


ASEAN議長声明を評価=菅官房長官
時事通信 9月8日(木)12時25分配信

 菅義偉官房長官は8日の記者会見で、東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明が中国の南シナ海での主張を退けた仲裁裁判所判決に触れなかったことについて、「法的・外交的プロセスの完全な尊重という表現が盛り込まれた」と指摘、「国際法に基づく紛争の平和的解決の重要性が強調されている」と一定の評価を示した。


安倍首相、東アジアサミットに出席 南シナ海「軍事拠点化しない」発言の履行、中国に要請へ
産経新聞 9月8日(木)11時28分配信

 【ビエンチャン=小島優】ラオス・ビエンチャンを訪問中の安倍晋三首相は8日午前(日本時間同日午後)、東南アジア諸国連合(ASEAN)や日米中など計18カ国の首脳が参加する東アジアサミット(EAS)に出席する。

 中国が強引な海洋進出を進める南シナ海をめぐり、日米中の首脳が直接、顔を合わせて議論する。安倍首相は、中国の南シナ海進出と軍事拠点化に懸念を示し、昨年9月の米中首脳会談で、スプラトリー(南沙)諸島を軍事拠点化しないとした習近平国家主席の発言の履行を、中国に求める見通しだ。

 これに先立ち7日に開かれた日ASEAN首脳会議で安倍首相は、南シナ海問題をめぐり、「法の支配」に基づく紛争の平和的解決の必要性を強調。南シナ海での中国の主権主張を否定した仲裁裁判所の裁定を、当事国の中国とフィリピンが順守するよう呼びかけた。

 安倍首相は6日のビエンチャン到着以降、フィリピン、ラオス、オーストラリア、ベトナムなどEAS参加国首脳と積極的に会談。仲裁裁定に反発する中国に順守を求める方向で、参加国が結束するよう呼びかけている。


中国、南シナ海めぐる「介入一掃」でASEANと協力希望=李首相
ロイター 9月8日(木)11時26分配信

[北京 8日 ロイター] - 中国外務省は7日夜発表した声明で、李克強首相が、ラオスのビエンチャンで開催された東南アジア諸国連合(ASEAN)関連の首脳会議で、南シナ海をめぐる「介入を一掃」するためにASEAN諸国と協力したいとの意向を示した、と明らかにした。

フィリピンは7日、領有権で対立する南シナ海の礁に中国が建造物を建設する動きがあることに「深刻な懸念」を示していた。


豪、広がる中国警戒論 連邦議会報告書 一帯一路構想で「用心」促す
産経新聞 9月8日(木)7時55分配信

 【ビエンチャン=吉村英輝】資源輸出や対内直接投資で中国への依存を深めるオーストラリアで、安全保障面での中国への警戒感が広がっている。連邦議会の調査機関である国会図書館は、中国が欧州までの経済圏を築く現代版シルクロード「一帯一路」構想をめぐる報告書を全議員に配布し、世界での覇権構築を狙う中国の長期的戦略として警告した。豪メディアも中国企業などの豪政界への食い込みぶりを報じている。

 オーストラリアン・フィナンシャル・レビュー紙(電子版)によると、8月30日の議会開催を前に、報告書が議員に配られた。

 報告は、中国政府が、豪州北部などで巨費を投じて進めるインフラ整備計画を通じ、南シナ海での領有権主張の正当化への支持に結びつける戦略的試みだと分析。また、中国企業は同構想に沿って、シンガポールやインドネシアに、今年第1四半期に、前年同期比4割増の約36億ドル(約3700億円)を投資したと指摘し、豪州国内でも「企業や銀行、法律事務所が、一帯一路構想を経済機会として推進している」とした。

 その上で、一帯一路構想に沿ったインフラ施設を保護する中国人民解放軍の役割が、中国国内では広く議論されていると指摘。中国の地政学的野心を考慮し、同構想に「用心深い態度」で臨むよう議員に促した。

 昨年9月に就任したターンブル豪首相は中国ビジネスで成功を収めた人物で、中国寄りの姿勢が目立つ。報告をまとめたジェフ・ウェイド氏は、米海兵隊が巡回駐留する豪州北部ダーウィンの港湾権益を中国企業が昨年落札したことに、戦略上の懸念を示してきた。

 豪メディアは、議会開幕にあわせ、中国系の個人や企業からの二大政党勢力への政治献金が外国関係では飛び抜けて多いことや、多くの政治家が中国の招待で訪中して豪華な接待を受けている実態を報道。中国への対応がターンブル政権の「頭痛の種になった」(オーストラリアン紙)とみる。

 ある米陸軍幹部は、南シナ海問題への消極的な対応から、豪政府は米国との同盟強化か、あるいは中国との経済緊密化か「どちらが死活的な利益か判断を下す必要がある」と訴えた。これに対し、ビショップ豪外相は、「最大の戦略的同盟国(米国)と最大の貿易相手国(中国)との間でバランスを取っている」とロイター通信に述べるなど、苦しい立場に理解を求めた。


首脳会談中止 米比、深まる溝 オバマ氏、南シナ海戦略に暗雲
産経新聞 9月8日(木)7時55分配信

 【ワシントン=青木伸行】フィリピンのドゥテルテ大統領がオバマ米大統領を中傷したことから両首脳の会談が中止となり、同盟関係の先行きが危ぶまれている。米国のリバランス(再均衡)戦略を支えたアキノ前政権とは対照的に、現状では南シナ海をめぐる「対中国共闘」もままならない。溝が拡大すれば中国を利する一方だが、関係修復のメドは立っていない。

 人権問題に敏感なオバマ氏が首脳会談で、ドゥテルテ氏の指示の下、警察当局者が麻薬犯罪の容疑者を射殺している現状に異議を唱えるのは避けられないとみられていた。米側には「人権問題をめぐる話し合いは普通のことだ」(国務省のトナー副報道官)との意識もあったとみられる。

 しかし、ドゥテルテ氏が記者会見で言い放った「おまえは何様だ」「ろくでなし」との暴言は、オバマ氏としても看過できず、会談中止に踏み切ったようだ。トナー氏は6日、「言葉は重要だ。強い協力関係へ向けた誠意ある雰囲気を望む」と、これ以上誹謗(ひぼう)中傷しないよう牽制(けんせい)した。

 オバマ政権は、ドゥテルテ氏の対米、対中姿勢を読み切れず、不信感を抱えていた。このため会談では、アキノ前政権下で進めてきた米軍の前方展開など、既存の決定と計画、戦略の継続性を確認することが最大の主眼となっていた。

 ドゥテルテ氏が、南シナ海問題をめぐり中国との2国間協議を進めようとしている状況下で、米側には「平和的解決を望むが、下手な取引をされては困る」(政府筋)との懸念もある。ドゥテルテ氏を米側に引き寄せる思惑もあった。

 その意味で、会談の中止は大きな打撃となる。ローズ大統領副補佐官は「公式な2国間会談は(当面)行わない」とし、不信感の根強さをうかがわせた。米比の不仲は、中国には「渡りに船」といえそうだ。


南シナ海問題 首相「深刻に懸念」 中国念頭
産経新聞 9月8日(木)7時55分配信

 【ビエンチャン=小島優】安倍晋三首相は7日午後(日本時間同)、ラオス・ビエンチャンで東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳との会議に出席した。安倍首相は中国が強引な海洋進出を進める南シナ海問題をめぐり、「法の支配」の下での紛争の平和的解決を強調。南シナ海での中国の主張を否定した仲裁裁判所の裁定を、当事国の中国とフィリピンが順守するよう呼びかけた。

 安倍首相は会議で、中国を念頭に「ここ数カ月、東シナ海、南シナ海において一方的な現状変更が続いており、深刻に懸念している」と指摘。「南シナ海については仲裁裁判の裁定が出されたが、国連海洋法条約上、当事国を拘束する。両当事国が判断に従うことにより、紛争の平和的解決につながることを期待する」と述べた。

 会議では安倍首相の発言に先立ち、各国首脳から南シナ海問題をめぐり、国際法に基づく紛争の平和的解決や緊張を高める行為の自制を求める日本の立場を支持する意見が出た。東シナ海についても1カ国が懸念を示した。

 安倍首相は、北朝鮮による5日の弾道ミサイル発射を「深刻な脅威」と強調。「国連安全保障理事会決議の厳格な履行や新たな決議の採択を通じ、圧力を強化すべきだ」と呼び掛けた。

 ASEANとの協力関係を強化するため、テロ対処能力の向上など今後3年間で450億円の新たな支援策も打ち出した。

 ただ、この後のASEANプラス3(日中韓)で、安倍首相は仲裁裁判所の裁定順守に触れなかった。

 首相はこの日、ミャンマーのアウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相やオーストラリアのターンブル首相らとも個別に会談。スー・チー氏との会談では貧困削減や農村開発に総額約1250億円の支援を行うと表明した。


南シナ海裁定触れず ASEAN首脳会議声明
産経新聞 9月8日(木)7時55分配信

 【ビエンチャン=吉村英輝】東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟10カ国は7日、ラオスの首都ビエンチャンで、2日間の首脳会議を終えた。採択した議長声明は、焦点の南シナ海問題に引き続き「深刻な懸念」を表明し、国際法に基づいた解決の重要性を確認した。だが、オランダ・ハーグの仲裁裁判所が中国の南シナ海での主権主張を全面的に否定した7月の裁定には触れなかった。

 仲裁裁定の直後に開かれたASEAN外相会議では、共同声明で裁定への言及を求めたフィリピンやベトナムと、親中国派のカンボジアなどが対立し、共同声明のとりまとめが混乱した。これを受け、首脳会議では南シナ海問題で踏み込んだ議論を避けたとみられる。

 声明はまた、南シナ海の安定化に向け、法的拘束力を持つ「行動規範」を中国と早期に策定することを求めた。

 朝鮮半島情勢では、北朝鮮が8月に発射した潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に「深刻な懸念を共有した」とした。

 首脳会議には、ミャンマーの実質的なトップであるアウン・サン・スー・チー国家顧問や、フィリピンのドゥテルテ大統領らが初めて参加した。


ASEAN首脳会議 李首相は親中・反米派で切り崩し
産経新聞 9月8日(木)7時55分配信

 中国の李克強首相は7日、訪問先のラオスで、ASEANと首脳会議を行った。李氏は、両者の対話関係樹立25周年という節目を利用し、各加盟国との経済と友好関係の強化を強調。南シナ海問題に焦点が当たる中、親中派のカンボジアなどを使ってASEANの切り崩しを進め、中国への批判拡大を食い止めている。

 李氏はASEANとの首脳会議の冒頭、「地域の平和・安定と繁栄・発展を努力して促進していきたい」と発言。また、米国に会談を拒否されたフィリピンのドゥテルテ大統領に歩み寄って握手を交わし、年内にも予定される2国間協議に前向きな姿勢を示した。

 首脳会議終了後、李氏は報道陣に手を挙げ、笑顔で退出。対話樹立25周年記念では、ASEAN首脳らとともに協力関係の歴史を振り返るビデオを見て、ケーキをカットした。

 会議を受けて採択された共同声明は南シナ海問題に関し、法的拘束力を持つ「行動規範」の早期策定に向けた努力などを明記。緊急事態に対処するための各国外交当局間のホットライン開設や海上での不測の事態防止に向けた「海上衝突回避規範(CUES)」の導入などが掲げられた。

 だが、南シナ海をめぐる中国の主権主張を否定した7月の仲裁裁判所の裁定や、人工島建設などには一切触れられていない。

 軍事クーデターで欧米からの制裁が続くタイ暫定政権の報道官はロイター通信に、「中国による海洋の平和維持への努力を支持する」と述べるなど、これまでの中立姿勢から中国寄りへ急速に傾いている。

 一連の首脳会議は最終日の8日、日米中など18カ国の首脳が参加するEASを開催する。日米などは、南シナ海での中国による一方的な現状変更に懸念を示し、中国は仲裁裁判所の裁定に拘束されるとの立場を表明する方針だ。だが、中国に配慮する議長国ラオスは、議長声明には同裁定を盛り込まない構え。中国は、国際社会の包囲網を破る作戦を着々と進めている。(ビエンチャン 吉村英輝)


ASEAN首脳会議 南シナ海攻防 安倍首相、中国封じ奔走
産経新聞 9月8日(木)7時55分配信

 ■仲裁受け入れ 結束訴え

 「南シナ海は日本にとって死活的に重要であり、(領有権問題は)地域全体の平和と安全にとって重要な問題だ」。安倍晋三首相は7日の東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳との会議で、南シナ海問題は仲裁裁判当事国の中国とフィリピンの2国間にとどまらず、影響が地域全体に及ぶことを強調した。(ビエンチャン 小島優)

 東シナ海での中国の海洋進出を警戒する日本は、仲裁裁判所が中国の主権主張を否定する裁定を下して以降、米国と「法の支配」を共通概念に、中国を裁定受け入れへ追い込むよう包囲網形成に向けてASEANに結束を呼びかけてきた。

 7日の会議では「中国とASEANの対話を歓迎するが、対話は国際法に基づき、非軍事化、自制が維持されることを前提として行われるべきである」とも述べ、中国支持に回らないようクギを刺した。

 安倍首相は6日にフィリピン、ラオス、7日にオーストラリア、ベトナムの首脳らと会談。7日には予定になかったインドのモディ首相との会談を急遽(きゅうきょ)、行った。8日にはASEANに日中韓や米豪印などを加えた18カ国による東アジアサミット(EAS)が開かれる。EASは地域の安全保障を議論する場と捉えられており、この“最終決戦”を前にして、中国包囲網の結束を呼びかけた形だ。

 フィリピンのドゥテルテ大統領との会談で、海上自衛隊の練習機の有償貸与や大型巡視船の円借款供与で合意したのも、米国という“真打ち”の登場を前に舞台作りをする狙いもあった。

 その成果は少しずつ表れ始めている。領土や主権をめぐる争いについて、7日にまとめられたASEAN首脳会議の議長声明、中国とASEANとの首脳会議の共同声明でも、日米が主張する国際法に基づく解決の重要性が確認された。

 関係者は「安倍首相は南シナ海の問題についてEASで質的にも量的にも一番多く発言する」との見通しを示す。EASで中国に引導を渡すことができるか。首相は舞台を整えた上で一気に勝負をかける構えだ。


スカボロー礁の中国船写真を公開…フィリピン
読売新聞 9月8日(木)7時32分配信

 【ビエンチャン=向井ゆう子、北京=蒔田一彦】フィリピン国防省は7日、南シナ海のスカボロー礁周辺で展開している10隻の中国船の写真を公開した。

 国防省報道官は声明で「建設活動の兆候であり、懸念している」と主張した。

 ラオス・ビエンチャンでは7日、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)が首脳会議を開き、中国の李克強(リークォーチャン)首相とフィリピンのドゥテルテ大統領が初めて顔を合わせ握手した。このタイミングでの写真公開について、比大統領報道官は「状況を知らせるため」と述べた。

 一方、中国外務省の華春瑩(フアチュンイン)副報道局長は同日の定例記者会見で、「黄岩島(スカボロー礁の中国名)海域の状況に変化は起きていないし、中国側は新たな行動を取っていない」と主張。「問題をあおり立てている」とフィリピンを批判した。


レッドラインを超えた?中国がスカボロー礁基地化へ
JBpress 9月8日(木)6時10分配信

 9月2日、フィリピン国防当局は、南シナ海のスカボロー礁周辺海域でフィリピン沿岸警備隊が中国のバージ(平底の荷船)を多数視認したことを報告した。

 フィリピンと中国、それに台湾が領有権を争っているスカボロー礁は、現在のところ中国が軍事力を背景に実効支配中である。そのため、バージがどのような作業をしているのかまでは確認していないようである。しかし、中国がいよいよスカボロー礁の人工島化に本格的に着手したことは間違いないと見られる。

 かねてよりオバマ大統領は、「中国がスカボロー礁を埋め立てて軍事基地化することは、レッドライン(最後の一線=平和的解決と軍事的解決の境界線)を越えることを意味する」と中国政府に対して強い警告を発してきた。それだけにスカボロー礁周辺での新展開に、米海軍関係者たちは高い関心を寄せている。

■ スカボロー礁は“レッドライン”だ

 本コラムでも繰り返し取り上げているように、中国は南沙諸島の7つの環礁での埋め立て作業を急ピッチで進め、2年足らずのうちに7つの人工島を建造してしまった。そのうちの3つの人工島には、戦闘機はもちろんのこと爆撃機まで発着可能な3000メートル級滑走路も造り上げた。

 そして、それぞれの人工島にはレーダー施設や港湾施設をはじめとする明らかに軍事的設備と思われる様々な建造物も確認されている。まさに南沙諸島中国基地群の誕生である。

 (参考記事)
・2014年6月26日「着々と進む人工島の建設、いよいよ南シナ海を手に入れる中国」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41041)
・2015年3月12日「人工島建設で南シナ海は中国の庭に」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43161)
・2015年6月4日「南シナ海への認識が甘すぎる日本の議論」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/43933)
・2015年9月24日「人工島に軍用滑走路出現、南シナ海が中国の手中に」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44833)
・2016年1月14日「中国が人工島に建設した滑走路、爆撃機も使用可能に」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45748)

 それに加えて、中国が武力を背景に実効支配を続けるスカボロー礁にも軍事基地が建設されるという情報が流布していた。

 アメリカが南沙諸島の7つの人工島以上にスカボロー礁の軍事基地化に神経をとがらせているのは、スカボロー礁と、アメリカがフィリピンでの軍事拠点として再び利用するであろうスービック海軍基地とが、わずか260キロメートル程度しか離れていないからである。

 南シナ海での米中軍事対決を想定する場合、南沙諸島の中国人工島基地群がアメリカ軍にとってきわめて大きな障害となることは言うまでもない。そのうえ、スービックに近接しているスカボロー礁に人民解放軍の前進拠点が設置されてしまうと、アメリカ海軍の作戦行動には深刻な脅威が生じてしまう。日本やハワイからスービックへ向かう米艦艇や補給船舶の航路帯の土手っ腹に、匕首(あいくち)が突きつけられる形になってしまうのだ。

■ スカボロー礁の埋め立て開始か? 

 すでに今年の3月に行われたオバマ大統領と習主席による米中首脳会談の席上において、オバマ大統領は「スカボロー礁の軍事化はレッドラインと認識している」との強い姿勢を表明していた。それ以降も、南沙人工島をはじめとする南シナ海問題に触れる際には「スカボロー礁はレッドライン」というアメリカ政府の認識が繰り返し表明されてきた。

 今年の7月には、ハーグの国際仲裁裁判所が中国による南シナ海における主権的権利(いわゆる九段線)の主張を退ける裁定を下したが、中国当局はこのような裁定はそもそも無効であり中国としては無視すると公言した。それに関連して、アメリカ政府は再度「スカボロー礁はレッドライン」との警告を発している。

 しかしその裁定以降、中国側はこれまで数隻の海警巡視船などを展開させていたスカボロー礁周辺海域に200隻以上の“漁船”と十数隻の海警巡視船や漁業取締船などを送り込み、示威行動を実施している。

 そして今回、フィリピン沿岸警備隊が、中国によるスカボロー礁埋め立ての兆候をとうとう確認したのである。

■ 空手形に終わっている“レッドライン”警告

 中国による人工島の建設作業が確認される以前から、少なからぬ米海軍関係者などは、中国の南シナ海支配の目論見に対抗できるような、軍事的圧力をも含んだ強い姿勢を打ち出すべきであると主張していた。

 しかし、2015年秋になってようやくオバマ政権が始めた“軍事的圧力”は、「公海自由航行原則維持のための作戦」(FONOP)だけであった。それも、対中強硬派の海軍戦略家たちが提唱していたような、中国側をある程度威嚇するようなFONOPとはほど遠い、南沙諸島や西沙諸島の環礁から12海里以内の海域を駆逐艦や哨戒機がただ通航するだけという中国側に遠慮したFONOPにすぎなかった。

 (参考記事)
・2015年10月15日「アメリカの軍艦派遣は打つ手が遅すぎた~南シナ海の軍事バランスはもはや圧倒的に中国が優位」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/44978)
・2015年11月5日「遅すぎた米国『FON作戦』がもたらした副作用」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45163)
・2016年2月4日「それでも日本はアメリカべったりなのか?」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45947)
・2016年5月19日「米軍の南シナ海航行で中国がますます優位になる理由」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46862)

 今回、フィリピン当局がスカボロー礁周辺海域で中国のバージを多数視認したという情報に接しても、アメリカ政府は何ら積極的な反応を示していない。

 そのため対中強硬派の人々からは、「オバマ政権は『スカボロー礁はレッドライン』と言い続けてきたが、結局はシリア(シリア政府が反政府側を化学兵器で攻撃した事件)やウクライナ(ロシアがウクライナのクリミアを編入した事件)の際にオバマ政権が警告した『レッドライン』と同じく、口先だけに過ぎないことになるのではないか?」との危惧が高まっている。

■ 米軍は日本の“ちっぽけな岩礁”を守るのか? 

 日本の政府首脳やメディアの一部には、「尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内」というアメリカ政府高官などのリップサービスを真に受けて、「中国が尖閣諸島を奪いに来ても、米軍が立ちはだかってくれる」と信じ切って安心している風潮がある。

 しかしアメリカ政府は、尖閣諸島への態度よりもさらに強い「レッドライン」という表現をシリアとウクライナに対して用いながら実質的には何もしなかった。そして、スカボロー礁でも、中国の動きを封殺しようとする行動には出ていない。

 スカボロー礁と同じく尖閣諸島周辺海域にも、200隻以上の漁船群と10隻以上の海警巡視船や漁業取締船などが出没している。これらの“漁船”の多くは海上民兵であり、海軍特殊部隊も混じっていることは、もはや公然の事実である。

 ウクライナ紛争の際にも、ロシアの多数の民兵や特殊部隊がクリミアに潜入していた。そのことを考えると、中国によるスカボロー礁や尖閣諸島に対する“漁船”の投入は、ウクライナの状況とオーバーラップする。

 そして、ウクライナでの「レッドライン」でもスカボロー礁の「レッドライン」でも、友軍や友好国や同盟国に対して強力な軍事的支援を行わなかったアメリカ政府が、いまだに「レッドライン」を表明していない東シナ海で、日本の“ちっぽけな岩礁”(アメリカではそう認識されている)を守るために中国軍と対決すると期待するのは、あまりに現実の認識が甘すぎるというものだろう。


ベトナムに円借款228億円=安倍首相が首脳会談で伝達
時事通信 9月8日(木)1時2分配信

 【ビエンチャン時事】安倍晋三首相は7日、ベトナムのグエン・スアン・フック首相と滞在中のラオスで会談した。

 安倍氏は、ベトナムの気候変動対策として円借款228億円の供与を決定したと説明。ベトナムが要請していた巡視船の供与についても準備を進める考えを伝えた。

 両首脳は、中国が海洋進出を進める南シナ海の問題について、法の支配の原則に基づき、平和的手段により解決することで一致した。


来年前半に「行動規範」概要=中国・ASEAN首脳会議議長声明
時事通信 9月8日(木)0時54分配信

 【ビエンチャン時事】ラオスの首都ビエンチャンで7日に開催された中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明が発表され、南シナ海問題について法的拘束力を持つ「行動規範」の概要に関する協議を2017年前半中に終えるとする目標期限が明記された。

 
 行動規範をめぐっては、中国とASEANが8月に中国内モンゴル自治区で開いた高官協議で、17年前半までに行動規範の枠組み合意を目指す方針で一致していた。

 ただ、目標実現には「障害のない状況下で」との条件が付いており、予定通りに協議が進むかどうかは不透明だ。


南シナ海、平和的解決へ協力=日印首脳
時事通信 9月8日(木)0時43分配信

 【ビエンチャン時事】安倍晋三首相は7日、インドのモディ首相とラオス・ビエンチャンで会談した。

 両首脳は、中国が海洋進出を進める南シナ海の問題について、国際法に基づいた平和的解決に向け、協力を強化することで一致した。


南シナ海判決、触れず…ASEAN会議議長声明
読売新聞 9月7日(水)22時11分配信

 【ビエンチャン=芳村健次、中川孝之】安倍首相は7日、ラオスで開かれた日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議で、南シナ海問題を国際法に基づいて解決するよう改めて呼びかけた。

 ただ、同日発表されたASEAN首脳会議の議長声明は、問題への「深刻な懸念」を表明したものの、南シナ海での中国の主権主張を退けた仲裁裁判判決には触れなかった。同判決をテコに中国の行動に歯止めをかけようという日本の戦略は思惑通りには進んでいない。


<中ASEAN>共同声明、南シナ海の仲裁判決に触れず
毎日新聞 9月7日(水)22時5分配信

 【ビエンチャン岩佐淳士、林哲平】東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国の首脳会議が7日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた。会議後、発表された共同声明は、南シナ海での中国の権益主張を退けた7月の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判決には言及せず、領土紛争は「直接の関係国による協議と交渉を通じて解決する」と明記した。判決順守を中国に迫る日米をけん制した形だ。

 声明は、南シナ海における紛争の平和的解決のための「行動規範」(COC)の策定時期について、「早期の採択」を目指すと昨年と同じ文言で記しただけだった。8月に中国で開かれたASEANと中国の高級事務レベル会合では、COCの枠組み草案を2017年半ばを目標に作ることで具体的に合意していた。中国が実務レベルから首脳レベルへの合意格上げに難色を示したため、今回の声明に具体的な期限が盛り込まれなかったとみられる。

 共同声明では他に、南シナ海の海上での緊急事態を想定した外交当局幹部をつなぐホットラインの運用指針の設置を歓迎した。また、関係国による艦船の衝突回避規範(CUES)の採択を確認した。

 6日に始まったASEAN首脳会議は7日、2日間の日程を終了した。発表された議長声明では南シナ海情勢に「深刻な懸念」が表明されたが、仲裁判決への言及はなかった。

 ASEANプラス3(日中韓)首脳会議も7日に行われ、安倍晋三首相はテロ対策などでの協力推進を訴えた。

 【ことば】南シナ海における「行動規範」(COC)

 南シナ海での紛争を平和的に解決するための法的拘束力を持つルール。1990年代から中国と沿岸諸国の間で島しょの領有権をめぐる争いが本格化。衝突を避けるため、ASEANと中国は2002年、武力行使を禁じた「行動宣言」(DOC)を締結した。だが、法的拘束力がなく状況が好転しないため、ベトナム、フィリピンを中心にCOCの策定を目指してきた。


<ASEAN支援>日本、テロ対策に450億円
毎日新聞 9月7日(水)21時43分配信

 【ビエンチャン影山哲也】日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議が7日午後(日本時間同)、ラオスのビエンチャンで開かれた。安倍晋三首相は「東シナ海や南シナ海で、ここ数カ月を見ても一方的な現状変更の試みが続いている」として、中国の海洋進出に「深刻な懸念」を示した。ASEANを含むアジアでのテロ対策強化として今後3年間で450億円規模の支援などを実施する方針も表明した。

 首相は、南シナ海問題について中国が「日本は当事者ではない」と主張していることを念頭に、「南シナ海は日本にとって死活的に重要なシーレーン(海上交通路)で、地域全体の平和と安定にとっても重要な問題だ」と強調。南シナ海を巡る中国の主張を退けた7月の仲裁裁判所の判決を受け、「当事国が判断に従うことで紛争の平和的解決につながることを期待する」と述べ、中国に判決受け入れを求めた。「中国とASEANの対話を歓迎する」と述べる一方、「国際法に基づき、現場で自制が維持されることが前提」と指摘し、中国に自制を促した。

 首相同行筋によると、南シナ海問題で複数の首脳が「国際法に沿った紛争の平和的解決や緊張を高める行為の自制を支持する」などと発言したほか、東シナ海情勢ではASEAN側の1人の首脳が「海域での航行の自由の確保が重要」と発言し、日本に同調して懸念を表明したという。ただ、中国を名指しする発言はなく、ASEAN側が日中双方にバランスを取っている様子もうかがわせた。

 テロ対策強化では、今後3年間で2000人の人材を育成することも表明。女性のビジネス創業に資金を供給する約1億2000万ドル(約122億円)規模の基金設立も発表した。


南シナ海情勢「深刻に懸念」=仲裁判決触れず―ASEAN議長声明
時事通信 9月7日(水)20時1分配信

 【ビエンチャン時事】ラオスの首都ビエンチャンで開かれた東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議の議長声明が7日、発表された。

 南シナ海情勢を「深刻に懸念」していると表明。ただ、フィリピンが中国に勝訴した7月の仲裁裁判所判決には触れていない。

 声明は南シナ海に関し、「信頼を低下させ緊張を高めるとともに、地域の平和と安全、安定を損ないかねない埋め立てや行動のエスカレーションに対して、複数の首脳が表明した懸念に留意した」と指摘。中国による軍事拠点化の動きをけん制した。

 また、「非軍事化と、南シナ海の情勢をさらに複雑化させ緊張を高める恐れのある埋め立てなどの活動の自制の重要性」を強調した。


南シナ海仲裁判決言及せず=中国とASEANの首脳会議―比大統領、対話の用意表明
時事通信 9月7日(水)17時25分配信

◎ 【ビエンチャン時事】東南アジア諸国連合(ASEAN)は7日、ラオスの首都ビエンチャンで、対話関係樹立25周年を記念して中国と首脳会議を行った。

 焦点の南シナ海情勢をめぐり、フィリピンのドゥテルテ大統領をはじめ各国首脳は、フィリピンの主張を認め中国の主権を否定した7月の仲裁裁判所の判決に直接言及しなかった。

 フィリピン大統領報道官や外交筋によると、ドゥテルテ大統領は首脳会議で仲裁判決に触れず、代わりに「法の支配」の尊重と国際法の順守を訴えた。南シナ海問題で中国との2国間対話に応じる用意があるとも語った。

 南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺に中国船10隻が展開した問題も、首脳会議では協議されなかったという。ドゥテルテ大統領は先に、今回の会議では仲裁判決を「自分からは取り上げない」として、中国に配慮する柔軟姿勢を示していた。


暴言背景に対米不信=今後も火種に―比ドゥテルテ氏
時事通信 9月7日(水)16時49分配信

 【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ大統領の暴言が契機となり、6日に予定されていたオバマ米大統領との初会談が取りやめになった。

 ドゥテルテ氏は就任前から、米国と距離を置く発言が目立つ。会談中止を受けて暴言を陳謝したものの、背景には根強い対米不信があるとみられ、今後も両国関係の火種となる可能性がある。

 ドゥテルテ氏の暴言自体は日常茶飯事で、最近では比政府の麻薬対策を批判した国連特別報告者を「ばか」とののしり、「国連脱退も検討する」と発言。就任前にはローマ法王に対しても下品な言葉を投げ、謝罪に追い込まれた。ただ、国内では庶民から「率直な指導者」とむしろ評価され、高い人気につながっている。

 しかし、今回問題となった5日の記者会見では、米国による植民地支配の歴史に触れ「わが国に対する悪行に謝罪もしていない」と糾弾。自身の地元である南部ミンダナオ島でいまだに紛争が絶えないのも、米国に原因があると批判するなど、暴言以外にも米国への強い不信感を示した内容だった。

 ドゥテルテ氏の対米不信の元になったのは、南部ダバオ市で2002年に起きたホテル内での爆弾事件とみられている。容疑者を米政府関係者が米国に逃がした疑惑があり、当時市長だったドゥテルテ氏は「フィリピンの主権侵害だ」と激怒。同氏側近は「事件を機に、米国への悪感情を引きずっている」と指摘する。

 実際、5月の大統領選後、日中両国の大使とはすぐに会談したのに対し、米大使との会談は約1カ月後。大統領就任前には安全保障面で「米国に依存しない」と言い切った。南シナ海で対立する中国への融和姿勢を見せるのも、対米不信が根底にあるとの見方も浮上している。


仲裁判決、中国は順守を=テロ対策に450億円―安倍首相・日ASEAN会議
時事通信 9月7日(水)16時34分配信

 【ビエンチャン時事】日本と東南アジア諸国連合(ASEAN)の首脳会議が7日、ラオスのビエンチャンで開かれた。

 安倍晋三首相は、南シナ海をめぐる中国の領有権主張を退けた7月の仲裁裁判所の判決について「国際法上、当事国を拘束する。当事国が判断に従うことにより、紛争の平和的解決につながることを期待する」と述べ、中国による順守を求めた。一方、アジアのテロ対策支援で、今後3年間に450億円の援助と2000人の人材育成を行う方針を表明した。

 中国公船の領海侵入が相次いだ東シナ海や、新たな埋め立て準備とみられる動きがある南シナ海の情勢について、首相は「ここ数カ月を見ても一方的な現状変更が続いており、深刻に懸念している」と強調。フィリピンが中国との対話に前向きなことに関しては「歓迎するが、対話は国際法に基づき、非軍事化や自制が維持されることを前提に行われるべきだ」と主張した。

 日本政府の説明によると、ASEANの複数の首脳が、南シナ海問題で国際法に基づく平和的解決を支持した。

 首相はまた、フィリピン南部ダバオ市で起きた爆弾事件を強く非難。今回表明した450億円の支援は、アジア各国のテロ対処能力向上や過激主義対策に充てる方針だ。


フィリピン、国際会議直前に南シナ海航行する中国船の写真公開
ロイター 9月7日(水)16時30分配信

[ビエンチャン 7日 ロイター] - フィリピン国防省は7日、領有権争いが続く南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)付近を航行する中国船とみられる写真を、ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳が中国の李克強首相と会談するわずか数時間前に公表した。

写真公表のタイミングについては説明はなかった。フィリピン政府は4日、同礁の周囲を航行する中国船舶の増加について「重大な懸念」を表明し、駐マニラ中国大使に説明を求めていた。

あるフィリピン当局者は、写真と地図の公開は、ASEAN首脳会議に出席するロレンザーナ国防相の指示だと明らかにした。

資源が豊富な南シナ海は、中国、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイが、一部または全部の領有権を主張しており、地域の緊張を高める火種となっている。フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイの4カ国はASEANに加盟している。

今回公開された10枚の写真と地図は、主にASEAN首脳会議取材のためにベトナム入りしている記者に向けて電子メールで送付された。南シナ海の領有権問題が公式に議論されるかどうかは不明だが、ASEAN首脳は7日に李首相と会談する予定だった。

今回の動きは、フィリピンのドゥテルテ大統領が、同盟国である米国のオバマ大統領を侮蔑する発言を行ったことで、米比首脳会談が中止された後に起きた。

中国は、年間5兆ドル(約510兆円)を超える国際貿易を支える戦略的な海路である南シナ海をめぐる領有権紛争を煽っているとして、米国を繰り返し非難してきた。

米国は、南シナ海の主権をめぐる問題でどの立場も取らないと表明している。しかし、中国が実効支配をする島々付近で「航行の自由」作戦に基づく米軍艦の航行を実施し、中国の怒りを買っている。その一方で、中国はそこでの軍事プレゼンスを強化している。

<領有権問題で揺れる岩礁>

スカボロー礁は単に海面から突き出た数個の岩に過ぎないが、その穏やかな水域と豊かな漁場は、フィリピンにとっての重要性を持つ。フィリピンは、同礁での漁業活動を中国が妨害することは国際法に反すると主張している。

中国とフィリピン、ベトナムにとっての伝統的な漁場であるスカボロー礁について、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は7月、どの国も主権を有していないとの裁定を下した。この裁定により領有権紛争はさらに重要性を増している。中国は裁定の受け入れを拒否している。

ドゥテルテ大統領は中国が裁定を順守するよう求めているが、ラオスにおける会議でこの問題を取り上げないことを約束していた。同大統領は、2国間協議を通じた問題解決を望んでおり、ラモス元大統領を特使として先月香港での中国代表との会合に派遣している。

ロイターが5日入手したASEAN首脳会議の声明草案では、南シナ海問題に関連する8項目が含まれていたが、裁定についての記述はなかった。

しかし、ロレンザーナ国防相は、首脳会議に先立ち、フィリピン空軍機がスカボロ―礁上空を飛行し、通常より多くの中国船団を発見したことを明らかにした。同礁をめぐっては、中国が2012年以降実効支配を続けている。

同国防相は、沿岸警備艇に加え、中国船6隻が存在していたことは「深い懸念材料だ」と述べた。


「中国が南シナ海で人工島建設を準備」フィリピンが写真公開
AFP=時事 9月7日(水)15時4分配信

957
フィリピン外務省が2012年4月11日に公開した、南シナ海のスカボロー礁沖で活動する中国の監視船の写真(撮影日不明、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フィリピン政府は7日、同国と中国が領有権を争う南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)で中国が秘密裏に人工島建設の準備を開始したとの主張を裏付ける写真を公開した。

 スカボロー礁は、南シナ海全域の領有権を握り、周辺地域での米軍の影響力を低下させようという中国の狙いにとって、大きな戦略的重要性をもつが、中国は今週、人工島建設の準備はまったく開始していないと主張した。

 しかしフィリピンは、先週末に撮影された画像から、(同礁の周辺に展開する)中国船団にはしゅんせつなど、人工島建設に必要な能力が備わっていることが分かると説明している。フィリピン国防省のアルセニオ・アンドロン(Arsenio Andolong)報道官はAFPの取材に対し「中国船団の出現は同礁への人工島建設の前兆だと信じる根拠がある。わが国は今後も、不穏な彼らの存在と活動について監視を続ける」と述べた。【翻訳編集】 AFPBB News


中国とASEAN、行動規範の合意目標確認へ
読売新聞 9月7日(水)14時40分配信

 【ビエンチャン(ラオス)=中川孝之、池田慶太】中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)は7日午前、ビエンチャンで首脳会議を開催した。

 南シナ海での紛争防止のため、各国の行動を法的に規制する「行動規範」の枠組み合意を来年半ばまでに目指すことを確認する見通しだ。

 7月の仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判決で南シナ海での主権主張を否定された中国が、ASEANに一定の譲歩をする形となる。ただ、中国の強引な海洋進出に歯止めが掛かるかは不透明だ。

 首脳会議は双方の対話25周年を記念するもので、中国からは李克強(リークォーチャン)首相が出席する。行動規範の策定時期に目標を設定することは、中国が7月に提案した。ASEANに融和姿勢を示すことで仲裁裁の判決を巡る批判をかわす狙いがあり、今回、首脳レベルで確認する。


スカボロー礁の中国船写真公表=「建設活動の前兆」―フィリピン国防省
時事通信 9月7日(水)14時30分配信

956
フィリピン国防省が公表したスカボロー礁に展開する中国船の画像=3日撮影(同省提供)

 【マニラ時事】フィリピン国防省は7日、南シナ海・スカボロー礁(中国名・黄岩島)周辺に展開した中国船10隻の写真を公表した。

 比政府はうち1隻がしゅんせつ船とみられる大型船との見方を示した。埋め立て準備の可能性がある。

 写真は空軍が3日撮影。国防省の説明によると、10隻中9隻はスカボロー礁の北に展開し、海警局の船1隻は礁の内部で確認された。同省報道官は「スカボロー礁で中国が建設活動を行う前兆であることを示している」と述べた。


<中国ASEAN首脳会議>7日開幕 焦点「南シナ海」対応
毎日新聞 9月7日(水)10時48分配信

 ◇ラオスの首都ビエンチャンで

 【ビエンチャン林哲平】東南アジア諸国連合(ASEAN)と中国の首脳会議が7日、ラオスの首都ビエンチャンで開かれた。南シナ海での中国の権益主張を退けた仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判決を受け、紛争の平和的解決のための法的拘束力のある「行動規範」(COC)策定に向けた道筋が、どのように示されるのかが焦点になる。

 李克強首相が出席する中国は、ASEANとの協議が進展していることを示し、判決受け入れを迫る日米などからの圧力をかわしたい考え。8月に中国で開かれた高級事務レベル会合では、COCの枠組み草案を2017年半ばまでを目標に策定することで合意。首脳会議では、海上での不測の事態に備えた外交当局者間のホットラインの運用指針と艦船による衝突回避ルールの導入について発表される見通し。

 ASEANに対しては、経済力を背景にした中国による切り崩しが鮮明になっている。フィリピンのドゥテルテ大統領は会議で判決のことを「持ち出さない」と話しており、議論は中国ペースで進みそうだ。

 一方、7日には前日に続きASEAN首脳会議も開催され、議長声明が出される。毎日新聞が入手した議長声明案では、南シナ海における中国の人工島造成などに「深刻な懸念」を示すものの、判決には言及していない。

 7月のASEAN外相会議では、中国と領有権争いを続けるフィリピン、ベトナムが共同声明に「判決支持」を盛り込むよう求めたが、親中派のカンボジアが反対し認められなかった経緯がある。

« 蓮舫(レンホウ)は日本に対する愛国心や忠誠心はあるのか | トップページ | 台風10号で豪雨 岩手県・北海道で川が氾濫、22人死亡・6 »

ニュース」カテゴリの記事

侵略・支配・抑圧」カテゴリの記事

国防・軍事・安全保障」カテゴリの記事

領土・外交」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/566606/64174775

この記事へのトラックバック一覧です: どこまで図に乗る中共支那、南シナ海にミサイル・戦闘機を配備・28:

« 蓮舫(レンホウ)は日本に対する愛国心や忠誠心はあるのか | トップページ | 台風10号で豪雨 岩手県・北海道で川が氾濫、22人死亡・6 »

2017年4月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30