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2016年8月 8日 (月)

天皇陛下、「生前退位」のご意向と報道・5

天皇陛下が、天皇の位を生前に皇太子殿下に譲る「生前退位」の意向を宮内庁関係者に伝えられていることが13日、報じられた。
報道によれば、陛下は数年内に退位されるお考えで、宮内庁は、天皇陛下ご自身が国民に向けて考えを伝えられる方向で調整を進めているとされるが、同庁の山本信一郎次長は「報道されたような事実は一切ない」とNH報道を否定している。

天皇陛下は82歳になられる。ご健康面では、平成23年に気管支肺炎のため入院し、翌24年には心臓のバイパス手術を受けられている。

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リンク:天皇陛下「お気持ち」 自民・高村正彦副総裁「立法作業も含め検討を」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:生前退位、時間かけず議論=高村氏 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:お気持ち「感銘受けた」=一夜明け、皇居前の観光客ら―生前退位 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「お気持ち」は国民と政府へのメッセージ にじむ生前退位への意向 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>皇室の将来を思い…皇室担当記者の考え - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「生前退位」強いご意向 天皇陛下「象徴の務め困難に」 お気持ちご表明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:陛下、5年前からお考え 宮内庁長官「国民への広い理解願う」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:お気持ち、歴代天皇に思いはせ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「生前退位」ご意向 安倍政権、重い課題 特別立法や改憲、選択肢 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「お気持ち」 退位後、お立場は - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ご意向「沿った形に」 被災地、陛下へ感謝の声 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下 慰霊・お見舞い、ご公務は平成流 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下 戦争体験者ら「言葉温かく」「涙が流れた」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下、ビデオメッセージは2度目 お考えの発露 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「生前退位」ご意向 首相「重く受け止める」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「生前退位」ご意向 「粛然と対応を」 政界「国会で検討」「静かな環境で」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>有識者会議を設置へ 政府 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下、お気持ち表明 生前退位に強い思い - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「自分の時間を」「心労知った」=陛下の生前退位に理解―東日本大震災の被災者 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>生前退位の検討は初 制度の安定性課題 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経・FNN世論調査 天皇陛下の「生前退位」へ「憲法改正してもいい」84% 「政府は制度改正を急ぐべき」も70% - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「お気持ち」 自民・鴻池祥肇氏「ある意味ショック受けた」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「お気持ち」 各紙世論調査でも容認の傾向 毎日は67%、読売84%、共同85.7% - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>慰霊の地「思いやりがにじみ出て」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>被災地「ずっとお悩み、伝わってきた」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「お気持ち」 「つなぐことが大切」お言葉に思い巡らす 1月に面会の秋田の戦没者遺族 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>与野党から「生前退位、国民的議論を」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>穏やかな表情 11分間で7回「務め」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>学友「そこまで深くお考えかと感動」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>NHKと在京キー5局がテレビ一斉放送 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>退位の意向、強くにじむ ビデオで思い - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<天皇陛下お気持ち>「5~6年前から側近に相談していた」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「お気持ち」 日本のこころ・中山恭子代表「国会は真剣に議論を」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:天皇陛下「お気持ち」 石破茂前地方創生担当相「私心なき人が静かに考えるべきだ」 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

天皇陛下「お気持ち」 自民・高村正彦副総裁「立法作業も含め検討を」
産経新聞 8月9日(火)12時8分配信

 自民党の高村正彦副総裁は9日の党役員連絡会で、天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されたことについて「国民の幅広い合意に基づき、象徴天皇としてあるべき立法作業も含めて検討していかなければならない。拙速は良くないが、あまり時間をかけてもよくない」と述べた。


生前退位、時間かけず議論=高村氏
時事通信 8月9日(火)11時52分配信

 自民党の高村正彦副総裁は9日午前の役員連絡会で、天皇陛下のお気持ち表明を受けた対応について、「国民の幅広い合意に基づいて象徴天皇制はいかにあるべきか制度設計の作業をしなければならなくなるかもしれない」と述べた。

 その上で「拙速はもちろんいけないことだが、時間をかければいいわけでもない」と指摘した。


お気持ち「感銘受けた」=一夜明け、皇居前の観光客ら―生前退位
時事通信 8月9日(火)11時22分配信

 天皇陛下の「お気持ち」表明から一夜明けた9日午前、皇居を訪れた観光客らは「感銘を受けた」「人柄があふれていた」などと感想を語った。

 夫婦で東京観光中の仙台市の無職男性(67)は、8日夜のテレビニュースでビデオメッセージを見て一般参観に訪れた。「とても感銘を受けた。自分のことでなく、国民や家族、国を思っていることが感じられた」と感想を述べ、「お会いできなくても、少しでも近くに来たいと思った」と興奮気味に話した。

 木陰で参観開始を待っていた大分県の主婦別木直子さん(75)は、陛下が生前退位の意向を強く示唆したことについて、「高齢で公務が全うできないから引き継ぐというのは、当然のお考えだと思う」と理解を示しつつ、「雅子さまの健康状態が気になる」と退位後の皇室に不安をにじませた。

 出勤前に立ち寄るサラリーマンの姿も。二重橋の写真を撮っていた金融業の男性会社員(39)は、「昨夜インターネットニュースでお気持ちの全文を読み、立ち寄ろうと思った。人柄があふれる内容で、遠慮の中に象徴としての務めを果たされてきた自負も感じられた」と述べた。


天皇陛下「お気持ち」は国民と政府へのメッセージ にじむ生前退位への意向
THE PAGE 8月9日(火)8時50分配信

 天皇陛下は8日、象徴天皇としての務めについて「お気持ち」を表明されました。先月、陛下が「生前退位」の意向を示したと報じられ、大きなニュースになりました。今回、直接言及されることはありませんでしたが、陛下が示したお気持ちをどう受け止めるか。皇室の歴史に詳しい静岡福祉大学の小田部雄次教授に聞きました。

82歳のいまも多忙な公務
「80を越え、体力の面などから様々な制約を覚えることも」
「2度の外科手術を受け、加えて高齢による体力の低下を覚えるようになった」

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[写真]2016年1月、参議院本会議で通常国会の開会式でお言葉を述べる天皇陛下。天皇の国事行為の一つだ(ロイター/アフロ)

 11分間のビデオメッセージの中で、陛下は「高齢化」「身体の衰え」に幾度も言及されました。そして、今後の天皇としてのあり方について考えるようになり、「これまでのように、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないか」と案じられました。「(天皇の高齢化で)国事行為やその象徴としての行為を限りなく縮小していくことには無理があろう」とも述べ、生前退位への意向をにじませたものでした。

 82歳の陛下は、現在も国事行為や国内外の訪問、宮中の祭祀などで多忙を極めています。2003年1月に前立腺がんの手術で前立腺を全摘出。2012年2月には心臓の冠動脈バイパス手術を受けましたが、術後も多くの公務をこなされています。

 小田部教授は「もう限界。実態として『ぎりぎり』の状態」だと話します。公務など予定の数は今年6月までの半年だけで400件を超え、「国事行為だけでなく、象徴天皇としての公務も増えている」。少しずつ見直しは行われていますが、即位のときから「象徴天皇」として仕事をされてきた陛下の公務は、昭和天皇の時と比べても倍増しているといいます。

 これまで地方や被災地を巡って国民と触れ合う行幸啓や、外国を訪問する国際親善などを続けてこられました。戦後70年の昨年には太平洋戦争の激戦地パラオを訪問しています。「象徴天皇としてやるべきことを考えてお務めをされてきた。それによって平和と安定をもたらしてきたという思いがあった」。

 昨年末の記者会見で、陛下は「年齢というものを感じることも多くなり、行事の時に間違えることもありました」と高齢による間違いに自ら言及されることもありました。

摂政や名代を置けばいい?
 生前退位ではなく、「摂政」や「名代」を置けばいいのではないかという意見もあります。摂政とは天皇が未成年や重病などの場合に天皇の機能を代行する役職で、名代は代理のこと。

 陛下はこの日のお言葉で、摂政を置くことについて「天皇が十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりにいたるまで天皇であり続けることに変わりはありません」と否定的な言葉を述べられました。

 昭和天皇は皇太子時代に、病状の良くない大正天皇の摂政を務めたことがあります。天皇陛下も同じく皇太子時代に昭和天皇の名代として諸外国を訪問しましたが、「名代が行くことが相手にとって失礼と感じられた」(小田部教授)という思いから、陛下は名代などを置かずに「天皇が国事行為や公務をするのが筋だと考えられたのではないか」と推察します。

政治的発言が禁じられている天皇
 そもそも明治時代より前の天皇は「自分の地位は自分で決めるのが伝統だった」と小田部教授は強調します。昭和天皇まで124代の天皇のうち64人が「生前退位」をしたといい、その中には「上皇」として院政を行なったケースもあります。生前退位は、645年に女帝だった皇極天皇が譲位したのが最初で、江戸時代の1817年に退位した光格天皇が最後のケースです。

 この日、陛下が生前退位について直接触れることはありませんでしたが、「憲法の下、天皇は国政に関する権能を有しません」と前置きした上で、「国民の理解を得られることを、切に願っています」と述べられました。天皇は憲法で政治的発言が禁じられています。「これまでは憲法に抵触する可能性があるので言えなかった」と小田部教授。今回のお気持ちの表明は「国民や政府に考えてほしい、というメッセージだったのではないか」と話しています。


<天皇陛下お気持ち>皇室の将来を思い…皇室担当記者の考え
毎日新聞 8月9日(火)8時0分配信

 天皇陛下が異例のビデオメッセージで公表された内容について、二つの点に注目したい。ひとつは象徴天皇としての「来し方」を振り返り、超高齢化社会における天皇の「行く末」について語っていることだ。加齢などにより天皇としての務めを十分果たせなくなったまま、天皇の地位にとどまるべきではないとして、「天皇の地位とその活動の一体化」が象徴天皇には必要という思いが根底に貫かれている。

 もう一つは、天皇が重病などの場合に摂政の制度があるが、「生涯の終わりに至るまで天皇」であることによる社会活動の停滞や家族の負担などへの懸念に言及していることだ。こうした事態には現行規定の摂政でも対応しきれないという思いを、父親の昭和天皇の長い闘病生活、その後の「喪儀」などを念頭に自らの経験に基づき述べている。

 全体を通してみれば、この二つのポイントが交差する先に陛下の基本的スタンスが浮かび上がってくる。皇后さまとともにさまざまな立場の国民とふれ合うなどした象徴天皇としての活動を踏まえれば、摂政という立場では代行できないということだ。

 側近の一人は「常に日本と国民のため、そして皇室のことを思って発言されている陛下の普段の姿勢が貫かれていた」とした上で、「ご自身の高齢や体調などを理由にしたお考えではなく、深く国や皇室の将来を熟考されている」と感想を語った。

 皇室の将来にわたる課題をどうするかは、政治の世界に委ねられている。これまで女系天皇容認や女性宮家創設などが検討されてきたが、議論は中断し、封印された状態が続いている。自らの地位に関して陛下が国民に直接理解を求めた背景には、政治が皇室の課題に手をこまねいている状況への思いが込められている。

 政界や官僚、国民の側に、自ら道を開こうとする皇室の方々の努力や熱意に任せっぱなしにしていた面はなかっただろうか。陛下の今回のメッセージは、象徴天皇のあり方や皇室の将来について国民一人一人がどう考えるべきかを問うている。【社会部皇室担当・大久保和夫】


「生前退位」強いご意向 天皇陛下「象徴の務め困難に」 お気持ちご表明
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

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皇室の構成図(写真:産経新聞)

 ■摂政には否定的

 天皇陛下は8日午後3時、象徴としての在り方や公務についてのお気持ちをビデオメッセージで表明し、「生前退位」実現への強い思いを示された。82歳の陛下が体力の衰えを憂慮し「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないか」と懸念する一方、公務の削減には「象徴としての行為を限りなく縮小していくことには、無理があろう」と否定的な考えを述べられた。

 陛下は、生前に皇太子さまに皇位を譲る「生前退位」の意向を周囲に伝えているが、今回は「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れること」は控えるとして、退位に直接には言及されなかった。

 現行の皇室典範では退位を認めておらず、退位を実現されるには制度改正や特別立法が必要になる。陛下は「憲法の下(もと)、天皇は国政に関する権能を有しません」との認識を強調しながら、最後に「国民の理解を得られることを、切に願っています」と国民的な議論の深まりを望まれた。

 皇室典範には、天皇が重篤な疾患などの理由で職務を果たせない場合に摂政を置く規定があるが、陛下は「十分にその立場に求められる務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けることに変わりはありません」と違和感を示された。

 お気持ち表明の背景については、「何年か前」から加齢による体力の低下を自覚し、「これから先、従来のように重い務めを果たすことが困難になった場合、どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、また、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるか」を考えるようになったとご説明。皇室の長い歴史も振り返られたという。

 ビデオメッセージは7日午後に皇居・御所の応接室で収録され、陛下ご自身が推敲(すいこう)を重ねた文書を約11分間かけて読み上げられた。宮内庁は8日午後にホームページや報道機関を通じ、一斉に公表した。異例のビデオメッセージによる陛下のお気持ちご表明は、東日本大震災の際に被災者や国民に向けた平成23年3月以来、2度目。


陛下、5年前からお考え 宮内庁長官「国民への広い理解願う」
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

 宮内庁の風岡典之長官は8日、天皇陛下のお気持ち表明を受けて記者会見し、陛下が80歳に近づいた5年前から折に触れ、長官、侍従長、参与に「象徴としての務めを果たすことが困難となった場合、象徴の務めについてどのように考えればいいのか」と話されていたことを明かした。

 陛下は戦後70年の節目だった昨年には「気持ちを表明するのにふさわしい時期にきているのでは」との考えを持たれていたといい、風岡長官は「今年になって、陛下ご自身、考えを固められてこの時期になった」と説明した。

 お気持ちの文案について、陛下ご自身が「熟慮された上でまとめられた」とする一方、内閣官房と協議してきたとした。

 象徴の立場にある陛下が私的な考えを述べられたことには、「象徴の立場にある人だけが、お務めを通じて思われることがある。憲法上の立場を踏まえてのご発言」と、政治的メッセージではないと強調した。

 風岡長官によると、ビデオメッセージの収録の際には、天皇陛下が「大事な事柄であるので、この場をともにするように」との考えを示され、皇后さまも同席されたという。

 風岡長官は「陛下は現在、健康面で何かあるわけではない」とした上で「お気持ちのご表明により、陛下の日々のお務めの重み、ご心労の大きさを改めて痛感した。広く国民に理解されることを願っている」と述べたが、退位に必要な皇室典範の改正などには一切触れなかった。


お気持ち、歴代天皇に思いはせ
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

 お気持ちの中で天皇陛下は、「このたび我が国の長い天皇の歴史を改めて振り返り」と述べられた。

 関係者は、125代続く歴代天皇のうち生前退位した半数近い58例を暗示していると、これを読み解く。

 その上で「日本の皇室が、いかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えていく」と述べられているのは、生前退位という制度上の歴史的伝統を現代にあてはめ、譲位された新たな天皇が、その活動で国民の期待に応えるべきだとの陛下のお考えが反映されているとみる。

 また、「私のあとを歩む皇族」に言及し、皇太子さまが今年2月に56歳となり、陛下が即位した55歳をこえられた点も、自身の体力の低下や加齢と並んで、退位を意識するようになった要因であることを示唆されているという。

 国民のために祈り続けてきたことを「幸せなことでした」とあえて振り返った点も、後進に道を譲られる覚悟がにじんだものと、関係者は指摘している。


天皇陛下「生前退位」ご意向 安倍政権、重い課題 特別立法や改憲、選択肢
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

 ■国の根幹、前例ない議論

 天皇陛下が8日、「生前退位」のご意向を示されたことを受け、政府は天皇陛下「一代限り」の特別立法や法改正を含むあらゆる選択肢を検討し、陛下のお気持ちを最大限尊重する方向で対応する。「静かな雰囲気」(政府筋)で検討を進めるため、当面は有識者会議の形を取らず、幅広い識者からヒアリングを重ねながら慎重に論点を詰めていく考えだ。ただ、生前退位に関する議論は前例がなく、安倍晋三政権は重い課題を背負うことになった。(田北真樹子、大島真生)

 陛下がお気持ちを示された後の政府反応はいずれも具体性を欠く表現にとどまっている。これは憲法4条が「天皇は国政に関する権能を有しない」としているためだ。政府としては、陛下のご意向に直接的に従うのではなく、一呼吸置き世論の動向を見極めた上で、政府主導で対応を打ち出す体裁を取る必要があった。

 官邸は事前に宮内庁と陛下が読み上げられるお言葉を調整。関係者によると宮内庁が提示したお言葉は「陛下の思いがかなり強く出たものだった」という。

 官邸は陛下のご意向を十分にくむ考えであるものの、象徴天皇の在り方に関する深い議論もないまま、国の根幹となる皇室制度に関わる事柄への対応を突然迫られていることへの戸惑いも根強い。首相官邸に近い有識者は「自由意思による退位を認めると今後想定できないようなことが起こりうる」と述べ、官邸内の懸念を代弁する。

 対応検討の進め方をめぐっては有識者会議設置を唱える声もあるが、官邸筋は「人選も難しく、顔ぶれで方向性が決まってしまう」と会議設置を否定する。

 「摂政」に関する皇室典範の規定改正の検討が俎上(そじょう)に載ったこともある。だが、陛下は8日のお言葉でこれを明確に否定された。

 天皇陛下「一代限り」の特別立法については「象徴天皇の務めが常に途切れることなく、安定的に続いていくことをひとえに念じ」と述べられた陛下のご意向や、皇室の永続性とはそぐわないとの見方も強いが、政府は選択肢として排除せず、検討する方針だ。

 陛下の思いを真摯(しんし)に受け止めるのであれば、皇位継承や生前退位について憲法に明記するための改正も含めた恒久的な環境整備を求める声があがってもおかしくない。ただ、その場合、拙速な議論や手続きは絶対に避けなければならないのは言うまでもない。


天皇陛下「お気持ち」 退位後、お立場は
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

 天皇の退位が可能となれば、ご退位後の天皇陛下の立場はどのようなものになるのだろうか。先帝の妃(きさき)となる皇后さまは、皇室典範にも規定がある皇太后となられる。そうなると、天皇陛下が皇室を離れるという選択肢は、もちろん到底あり得ない。

 ある政府関係者は「歴史上、退位した天皇が呼ばれた上皇(太上天皇)のお立場が、やはり有力となるだろう」と推測する。一方で「27年以上にわたって象徴として務めを果たされてきた上皇陛下と、ご即位後間もない象徴の天皇陛下がいる状況を、国民はどう整理すればいいのだろうか」と困惑も隠せない。

 別の関係者は「企業に例えるなら、代表取締役社長を引退した代表権のない会長のイメージになるのではないか。代表取締役社長にとっては、極めて重い存在であることは間違いない」と指摘する。議論はまだ緒についたばかりだ。


ご意向「沿った形に」 被災地、陛下へ感謝の声
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

 東日本大震災や東京電力福島第1原発事故の発生直後から、天皇陛下はたびたび被災地を訪問されてきた。

 陛下に勇気づけられてきた被災地の人々からは、陛下への感謝の言葉や「生前退位」のご意向に理解を示す声が上がっている。

 漁師だった夫の由一さん=当時(82)=を津波で亡くし、宮城県女川町の災害公営住宅に住む阿部啓子さん(82)は今年3月、陛下が同町を訪問した際、「同じ昭和8年12月生まれです」と伝えると、「そうですか」とにこりと笑顔を見せられたことが忘れられない。

 阿部さんは「このお年でご公務をこなすのは大変と思う。陛下のご意向に沿った形に進めばうれしい」とした上で、「復興が進む女川を陛下に見ていただき、前向きになれた。陛下のお務めが続くことで勇気づけられる国民はたくさんいるはずだ」と話した。

 3月に陛下が福島県を訪問された際に懇談した葛尾村の日用雑貨店店主、佐藤英人さん(75)は「国や国民のことをこんなにも深く考えていらっしゃったのかと感じ、天皇である以上はその責任を果たすという強い思いに驚いた。少しゆっくりと過ごしていただければ」と気遣った。

 また、宮城県気仙沼市の仮設商店街「南町紫市場」の坂本正人さん(59)は「平成の時代に起きた震災の復興は、平成の天皇である陛下にこそ見届け続けていただきたいと思っていたが、陛下が相当の覚悟で考えを述べられたことが伝わり、生前退位もやむを得ないと考え直した」と話した。


天皇陛下 慰霊・お見舞い、ご公務は平成流
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

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天皇陛下は昨年10月、豪雨で決壊した鬼怒川の被災現場を自ら傘を手に視察された=平成27年10月1日午後、茨城県常総市三坂町(三尾郁恵撮影)(写真:産経新聞)

 天皇陛下は即位以来、象徴天皇としての立場で、戦没者慰霊や自然災害の被災地お見舞いに代表される「平成流」の公務を築き上げてこられた。根底には、つらい立場に置かれた人々に心を寄せ、支えるのが「国民の象徴」の務めだというお考えがある。

 戦後50年を前にした平成6年の硫黄島を皮切りに、7年に長崎、広島、沖縄、東京・下町を巡る「慰霊の旅」を果たされた。

 戦後60年の17年にサイパン、70年の27年にパラオ共和国、今年1月にフィリピンと海外での慰霊も重ねられた。敵、味方に関係なく追悼されるお姿が印象に残る。

 3年の雲仙・普賢岳の噴火災害に始まり、7年の阪神大震災、23年の東日本大震災、今年5月の熊本地震の被災地に至るまで、慰問で一貫しているのは、被災者と同じ目線でいたわりの声を掛けられることだ。

 日常の公務と違い、戦没者慰霊と被災地訪問については、陛下自らが実現を望まれることが少なくない。

 元側近は「慰霊も被災地訪問も関わり続けることで、国民の記憶をつなぎ留められる。そんな使命感をお持ちなのだろう」と話す。

 学術・文化の奨励、産業振興も心に留められる。「社会のために尽くしている人々に会い、心を寄せることは私の大切な務め」(6年の誕生日会見)。こうしたお考えから、ノーベル賞受賞者、文化勲章受章者など各界の第一人者との面会のほか、農家や企業の視察を続けられてきた。

 心臓手術後の24年の誕生日会見では、公務の負担軽減について「公平の原則を踏まえてしなければ」として、「しばらくはこのままでいきたい」と訴えられた。

 元側近は「象徴天皇のあるべき姿を考え抜き、体現されているのが公務。どれもおろそかにされることはない」と話した。


天皇陛下 戦争体験者ら「言葉温かく」「涙が流れた」
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

 先の大戦の激戦地や被爆地を次々と訪問し、戦没者慰霊を続けてこられた天皇陛下。戦争体験者らは陛下のお気持ちをおもんぱかった。

 被爆者が暮らす広島市安芸区の原爆養護ホーム「矢野おりづる園」。自らも被爆者である柿木田勇施設長(71)は、平成26年12月に天皇陛下が皇后さまとホームを訪問した際、入居者に「本当にご苦労の多い日々を過ごされたことと深くお察ししています」と、ねぎらいの言葉を掛けられていたことを思い出したという。ビデオメッセージについては、「言葉一つ一つが温かく、国民のことをしっかりと考えてくださっている」と印象を語った。

 「長崎原爆遺族会」の正林克記会長(77)は、「思いやりのにじむ人柄に涙が流れた。今回は象徴としての務めが続けられるかを案じ、国民に呼びかけられたのだろう」と話した。

 戦時中、日本統治下にあったパラオからの帰還者が多く住む宮城県蔵王町の北原尾地区は、天皇、皇后両陛下が昨年、私的な旅行として訪問された。戦争体験を伝えた佐崎美加子さん(84)は天皇陛下に「大変でしたね」とねぎらいの言葉を掛けられ「ほっとした気持ちになった」と振り返り、「なるべく多くの国民に寄り添ってほしいが、そう望むと負担は重くなる」と複雑な思いをにじませた。

 大戦末期の沖縄戦で親類13人を失い、語り部として活動する那覇市の大西正子さん(84)は、「庶民的な、易しい言葉で語られている」と感じたといい、「病気を経験して体力の衰えを心配するのは、同世代として理解できる」と述べた。


天皇陛下、ビデオメッセージは2度目 お考えの発露
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

 これまで天皇陛下がご自身のお気持ちやお考えを直接述べられる機会は、誕生日会見と、行事でのお言葉が主なものだった。

 誕生日会見は例年、陛下の誕生日である12月23日の数日前に、皇居で行われている。平成25年までは宮内記者会が事前に用意した3問以上の質問に陛下が回答し、記者の関連質問にも答えられた。負担軽減のため26年に事前の質問が2問に減り、関連質問はできなくなった。27年には事前の質問も1問となった。

 式典などでのお言葉は、21年の即位20年を機に原則中止となったが、終戦の日の全国戦没者追悼式など、とりわけ重要な行事では継続されている。

 異例だったのが、東日本大震災の直後に発せられた5分56秒に及ぶビデオメッセージ。被災者をいたわり、国民に勇気を与えようと、陛下が熟考の末になされた。今回、2度目のビデオメッセージが選択されたのは、陛下のお気持ちを確実かつ正確に、分かりやすく伝えられるとの判断だった。


天皇陛下「生前退位」ご意向 首相「重く受け止める」
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

 安倍晋三首相は8日、天皇陛下が同日、ビデオメッセージで「生前退位」のご意向を示されたことについて、「私としては、天皇陛下が国民に向けてご発言されたということを重く受け止めている」と述べた。官邸で記者団に語った。その上で首相は「天皇陛下のご公務の在り方などについては、天皇陛下のご年齢やご公務の負担の現状に鑑みるとき、天皇陛下のご心労に思いをいたし、どのようなことができるのか、しっかりと考えていかなければいけないと思う」と強調した。


「生前退位」ご意向 「粛然と対応を」 政界「国会で検討」「静かな環境で」
産経新聞 8月9日(火)7時55分配信

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第191臨時国会の開会式でお言葉を述べられる天皇陛下=1日午後、参院本会議場(斎藤良雄撮影)(写真:産経新聞)

 天皇陛下が8日、「生前退位」のご意向を示されたことについて、与野党各党の幹部らは「重く受け止める」などのコメントを発表した。ご意向に添うために「国会で議論が必要だ」との意見も相次いだ。

 大島理森衆院議長「陛下が象徴としてのお立場を第一にお考えになり、国民に寄り添おうとする姿勢を示され、御齢(おんよわい)を重ねられるにつれてお体に負担がかかりましたことは、恐懼(きょうく)の至りでじくじたる思いだ。皇室の在り方については、今後国民各層で幅広く議論が行われ、国民を代表する国会議員には、これらの議論を受けつつ粛然とした対応をすることを望む」

 伊達忠一参院議長「お気持ちが示されたことを承り、そのお心を謹んで受け止めている。今後、皇室の在り方について議論が深まっていくものと思う」

 自民党・二階俊博幹事長「真剣にお言葉を受け止めなければならない。安倍晋三首相を中心に官邸がどう判断をするかが第一義的に重要だが、政府、自民党はしっかりした対応をしていかなければならない」

 自民党・石破茂前地方創生担当相「陛下のお心を煩わせることなく、お気持ちを実現するにはどうしたらよいか。国会議員が平場で侃々諤々(かんかんがくがく)議論することになじむかどうか。私心のない人たちが静かに考えて、その人選さえ間違えなければ大丈夫ではないか」

 公明党・山口那津男代表「天皇陛下が象徴としてのお務めにこれまで尽くしてこられたことに対し、国民に発せられたメッセージなので、一国民として深く敬意を表したい。心から感謝を申し上げたい」

 民進党・岡田克也代表「お気持ちに応えていく必要がある。国会で静かな形で議論することが必要だ。衆参両院議長を中心に検討してほしい。党でも議論の場を設ける」

 共産党・志位和夫委員長「高齢により、象徴としての責任を果たすことが難しくなるのではないかと案じているお気持ちはよく理解できる。政治の責任として、生前退位について真剣な検討が必要だ。日本国憲法は生前退位を禁じていない」

 おおさか維新の会・松井一郎代表「天皇陛下のお言葉とそのお気持ちを重く受け止めている。広範な国民の声を踏まえつつ、ご高齢になられた陛下のご公務の在り方、皇室制度の在り方を、陛下のお心に添うように相談していく」

 生活の党と山本太郎となかまたち・小沢一郎代表「大変重く厳粛に受け止めたい。具体的な内容については『天皇の地位』に関する問題なので、政治的な立場にあるものが軽々にコメントすべき性質の問題ではないと認識している」

 社民党・又市征治幹事長「公務の負担の在り方や国事行為の臨時代行、摂政を含めて論議し、必要があれば皇室典範を改正するなどの対応を行うべきだ。思いを真摯(しんし)に受け止めつつ、当面、国民的な議論の行方を冷静に見守りたい」

 日本のこころを大切にする党・中山恭子代表「天皇陛下のお気持ちを重く受け止め、国会はご公務の在り方を含め真剣に議論を重ねていくべきだ。陛下のお気持ちが国民の理解を得られるよう尽くす」


<天皇陛下お気持ち>有識者会議を設置へ 政府
毎日新聞 8月9日(火)6時30分配信

 安倍晋三首相は8日、天皇陛下のお気持ちの表明を受け、「国民に向けてご発言されたということを重く受け止めている」と述べ、政府として対応を検討していく考えを表明した。政府は、広く国民の代表から意見を聞く有識者会議を設置し、議論を踏まえて法整備を検討する。

 首相は陛下のビデオメッセージ放映が終了した約15分後、首相官邸で、記者団の前で用意された原稿を読み上げる形で発言した。この中で首相は「ご年齢やご公務の負担の現状に鑑みるとき、天皇陛下のご心労に思いをいたし、どのようなことができるか、しっかり考えていかなければいけない」と語り、検討に入る考えを示した。具体的な対応についての言及は避け、首相自らの受け止めを示すにとどめた。陛下の発言が憲法で禁じられている天皇の政治的行為だと指摘されないよう、すぐに対応を示すことを控えたとみられる。

 この後、記者会見した菅義偉官房長官は首相の発言について「天皇陛下のお言葉に対し、率直な思いを述べた」と説明。そのうえで、陛下のお気持ちについて「国政に影響を及ぼすようなご発言ではなく、憲法との関係で問題になるとは考えていない」と述べた。

 皇室典範には退位の規定がないため、生前退位を実現するには、皇室典範改正や特別立法などの法整備が必要となる。政府は憲法上の問題を指摘されないよう、一定の時間を置いたうえで有識者会議を設置し、政府が主体的に検討する形を取る考えだ。【田中裕之】


天皇陛下、お気持ち表明 生前退位に強い思い
スポーツ報知 8月9日(火)6時6分配信

 天皇陛下は8日午後3時、象徴天皇としての務めについてのお気持ちを11分間のビデオメッセージで表明し、皇太子さまに皇位を譲る生前退位の実現に強い思いを示された。82歳となり、次第に進む体の衰えを考慮し「全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが難しくなるのではないかと案じています」と語り、国民に理解を求めた。退位の実現には皇室典範の改正などが必要となる。政府は既に水面下で検討を開始。安倍晋三首相(61)も8日、法整備に向けた対応をする考えを示した。

 天皇陛下の生前退位をめぐる動きが表面化してから26日。黒いスーツに青色のネクタイ姿の天皇陛下は冒頭、着席したままカメラに一礼。手にした5枚の原稿を見ながら、「象徴天皇」の在り方について国民に向けて語りかけた。

 「次第に進む身体の衰えを考慮する時、象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」。追い求めてきた理想の象徴の姿と、老いという現実とのギャップ。約11分間のビデオで、陛下が胸に抱いていた苦悩を初めて国民に明かされた。

 一刻も早く自分の言葉で真意を伝えたい。映像での発信にこだわったのは陛下だった。自ら筆を執り、宮内庁幹部と推敲(すいこう)を重ねた。カメラに目線を送りつつ、進行に応じて原稿用紙をスムーズにめくる…。1週間前以上前から皇居・御所で読み上げの練習を続けた。「8日午後3時」と日時を発表して周知し、7日夕に収録した。

 現憲法下で初めて即位した陛下が今回、自身の言葉で天皇の務めとして語られたのは「国民の安寧と幸せを祈ること」、そして「人々の傍らに立ち、寄り添うこと」だ。公務を通じ「国民と共にある」ことの重要性を強調。皇后さまと実践してきた、被災地への訪問や慰霊の旅で「大切な務めをなし遂げたことは幸せなことでした」と、これまでの歩みを振り返った。

 その上で、高齢化に伴う負担軽減での対応には「国事行為や、公務を限りなく縮小していくことには無理があろう」と言及。昨年1年間の公務は270回以上。病気などで公務を果たせなくなる事態を危惧した。天皇の心身が重篤な場合に置く摂政については否定的な考えを示した。

 2012年に心臓の冠動脈バイパス手術を受け、体力の低下を覚えるようになった頃から「どのように身を処していくことが、国にとり、国民にとり、私のあとを歩む皇族にとり良いことであるか考えるようになりました」。宮内庁の風岡典之長官は会見で、陛下が5、6年前から同庁幹部に相談、昨年には自身の気持ちを公表することを考え始めたと明かした。

 憲法上、天皇は国政に関する権能がないため「個人として考えたことを話したい」とし、「退位」という言葉は用いなかったが、最後には国民への理解を求め頭を下げられた。生前退位の制度の必要性を訴えていることが、ひしひしと伝わるメッセージだった。


「自分の時間を」「心労知った」=陛下の生前退位に理解―東日本大震災の被災者
時事通信 8月9日(火)4時47分配信

 天皇陛下のビデオメッセージについて、陛下の慰問を受けた東日本大震災の被災者からは「自分の時間を過ごしてほしい」「心労を知り考えが変わった」と生前退位に理解を示し、体調を気遣う声が聞かれた。

 東京電力福島第1原発事故の影響で、福島県三春町の仮設住宅で暮らす雑貨店店主の佐藤英人さん(75)は、3月に陛下と懇談し、今後の生活について不安を話すと「大変ですね。これからも頑張ってください」と声を掛けられた。

 メッセージについて「日本国の象徴としての立場や責任感について自身の言葉で述べられ、本当に素晴らしかった」と話し、「公務で飛び回り、われわれを励ましてこられた。今後はゆっくり自分の時間を過ごしてほしい」と高齢の陛下をおもんぱかった。

 昨年7月、原発事故による農産物の風評被害について陛下に説明した同県桑折町の桃農家南祐宏さん(40)は、陛下には今後も頑張ってもらいたいという思いだったが、メッセージを見て考えが変わった。「今は一日も長生きできるよう静養していただきたい気持ちでいっぱいだ」と話した。

 津波で岩手県釜石市の自宅兼理容室が被災した松田節子さん(79)は2011年5月、避難先の中学校の体育館で、慰問に訪れた陛下から「ご家族は健在ですか」と声を掛けられ、「おかげさまで全員無事です」と返答した。

 陛下はその後も優しい表情で、避難者一人ひとりと目を合わせ、立ったり座ったりを繰り返して声を掛けられていた。松田さんは「陛下からは元気をもらった。あれだけ頑張ってこられたので退位してゆっくり休んでもらいたい」と語った。


<天皇陛下お気持ち>生前退位の検討は初 制度の安定性課題
毎日新聞 8月8日(月)23時59分配信

 ◇皇室典範改正には時間 特別立法で対応する案も

 政府は過去に女性・女系天皇容認や女性宮家創設などの皇室典範改正を検討したが、生前退位の検討は初めてとなる。天皇制のあり方も関わるより大きなテーマで、課題が山積する。事前に蓄積のあった過去の検討でも改正案とりまとめにあたっては有識者の議論を1年近く行っており、道のりは容易ではない。一方で、天皇陛下のお言葉を受けて早急な取り組みを求める世論が高まる可能性もあり、今回に限る特別立法で対応する案も出ている。

 官邸関係者は「退位を認めれば、皇室典範の全面改定を意味する。研究が必要で、半年や1年で決着できる問題ではない」と指摘する。

 退位だけなら、「天皇が崩じたときは、皇嗣が、直ちに即位する」と定める典範4条を改正すれば可能となる。ただしどのような場合に退位を認めるかが、大きな論点になる。退位が天皇個人の意思に左右されれば、制度として不安定になり、戦後に憲法で定められた「国民統合の象徴」の役割も果たせなくなる懸念がある。議論は憲法上の位置付けも含めた天皇制のあり方にまで広がる可能性がある。

 また、法技術的な課題も多い。退位した歴史上の天皇は「上皇」「法皇」などの称号があったが、現在の典範には規定がない。退位後も現在の陛下が皇族としての公務を続けた場合、新たに即位する皇太子さまと象徴としての存在や役割が重なる懸念が生じる。退位した天皇の地位や役割を整理しなければならない。さらに退位後の住まいや世話をする部署も必要となる。

 このため、政府・自民党には、天皇の公務削減で対応する案や、天皇の国事行為を代行する「摂政」を置き現行制度の範囲内で対応すべきだとの意見があった。しかし、陛下がお気持ちで公務削減や摂政に否定的な考えを示されたため、退位の検討が進むとみられる。官邸では今年に入り、事務方トップの杉田和博官房副長官の下に極秘チームを作り、水面下で退位についての検討を進めてきた。ただ、官邸関係者の一人は「自分には寝耳に水」と話し、準備は進んでいないと明かす。

 小泉政権が2005年11月、女性・女系天皇を容認する有識者会議の報告書をまとめた際は、議論の蓄積があった。水面下で内閣や宮内庁のOBらが1997年から極秘検討会を続けており、この議論をもとに有識者会議を進めた。それでも有識者会議を11カ月間で計17回開いて幅広い議論を進め、皇室問題に詳しい専門家8人を呼んでヒアリングも行った。ただし本格的な典範改正を検討した小泉政権でも、「退位の問題は検討したこともなかった」(当時の官邸関係者)という。

 その後、野田政権が検討した女性皇族が結婚後も皇室に残る女性宮家は、内閣が有識者からヒアリングする形で9カ月間議論し、12年10月に論点整理をまとめた。女性宮家の考え方は小泉政権の報告書に盛り込まれていたが、国民的な理解を得るために丁寧に議論した。ただし小泉政権は秋篠宮妃紀子さまのご懐妊、野田政権は衆院選敗北により、いずれも改正案提出には至らなかった。

 今回も同様の手続きを踏んだうえで、改正案の策定作業、国会審議も加われば、さらに時間がかかる可能性がある。このため、永続的な制度改正となる典範改正ではなく、今回限りの特例として特別立法による必要最小限の法的措置にとどめるべきだとの声も出ている。【野口武則】

 ◇「改憲日程」に波及も

 安倍政権が生前退位をめぐる法整備に取り組む場合、「重いテーマ」であるだけに政権の描く今後の政治日程の組み立てにさまざまに影響する可能性がある。安倍晋三首相は、どのような段取りで進めるか慎重に見極める考えだ。

 首相の自民党総裁任期は2018年9月までの残り約2年。また衆院任期は18年12月までのため、自らの手による衆院解散・総選挙を選択肢に入れながらの政権運営となる。また、政権が改憲議論を進めようと想定している2年間とも重なる。しかし、生前退位の議論が始まれば、優先順位の高い政治課題として長期にわたって政権の政治的なエネルギーがとられ、足かせとなる可能性がある。

 7月の参院選後、首相は取り組むべきテーマに憲法改正を見据えている。衆参両院で改憲発議に必要な3分の2を自民、公明、おおさか維新の会などの改憲勢力で確保し、今後は野党第1党の民進党も引き込みながら、衆参の憲法審査会で具体的な改憲条項の絞り込みの議論を進める方針だ。

 ただし、首相はまずは国会での合意形成を優先し、議論を進めるにあたっては、慎重な取り運びに徹する構えだ。それだけに、陛下のお気持ちを受け、憲法で定める天皇制のあり方が憲法審査会などで議題に上れば、「本命」の改憲テーマの議論が進まず、政権が想定する改憲議論のペースにずれが生じる可能性もある。


産経・FNN世論調査 天皇陛下の「生前退位」へ「憲法改正してもいい」84% 「政府は制度改正を急ぐべき」も70%
産経新聞 8月8日(月)22時58分配信

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)が6、7両日に実施した合同世論調査によると、天皇陛下が生前に皇太子さまに皇位を譲る「生前退位」について「生前退位が可能になるよう憲法を改正してもいい」とする回答が84・7%に達し、「改正してもいいとは思わない」の11・0%を大きく上回った。

 また、生前退位に関して政府がどのように対応すべきかを聞いたところ、「生前退位が可能になるように制度改正を急ぐべきだ」と答えた人が70・7%を占めた。「慎重に対応すべきだ」は27・0%だった。

 生前退位を可能にする憲法改正の容認論は男性(81・4%)よりも女性(87・8%)に多い。特に30代女性は94・6%が「改正してもいい」と答え、40代(90・6%)と50代(90・3%)も容認論が9割を超えた。慎重論は50代男性(16・7%)と60歳以上の男性(16・1%)に多かった。

 制度改正に関しても、男性(66・3%)より女性(74・8%)に容認論が多く、30代女性(82・4%)と50代女性(80・6%)は8割を超えていた。慎重論は若者層に多く、特に10~20代は男性(43・8%)、女性(39・1%)だった。


天皇陛下「お気持ち」 自民・鴻池祥肇氏「ある意味ショック受けた」
産経新聞 8月8日(月)22時7分配信

 自民党の鴻池祥肇元防災担当相は8日夜のBSフジ番組で、天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されたことについて、「ここまでお考えになっておられるのかということで、ある意味ショックを受けた。感謝を申し上げなければならない」と述べた。

 鴻池氏は今後の政府や国会の取り組みに関し、天皇陛下が摂政を置くことに否定的な考えを示されたことに触れ、「今後の在り方の議論の中で、この話はできなくなるのではないか」と指摘。その上で「憲法改正や皇室典範改正などの事態に至れば、当然やらなければいけないが、それまでの議論はどのように進めるのかというのは非常に大事なことだ」と語った。


天皇陛下「お気持ち」 各紙世論調査でも容認の傾向 毎日は67%、読売84%、共同85.7%
産経新聞 8月8日(月)22時2分配信

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査(6、7両日)では、天皇陛下が生前に皇太子さまに皇位を譲る「生前退位」について理解を示し、制度改正を求める意見が7割以上に達したが、他の報道機関の世論調査でも同じ傾向が出ている。

 朝日新聞の世論調査(6、7両日実施)では、生前退位を可能とすることに84%が「賛成」と答え、「反対」は5%にとどまった。天皇陛下のご負担を軽減するために、国事行為を行う「摂政」を置くことについては、73%が「認めてよい」と答えた。

 共同通信の調査(3、4両日実施)では、「生前退位できるようにすることをどう思うか」との質問に対し、「できるようにした方がよい」が85.7%を占めた。「現行制度のままでよい」は10.8%にとどまり、「分からない・無回答」は3・5%だった。

 読売新聞の調査(同)でも「制度を改正すべきだ」が84%に達した。「改正する必要はない」は11%、「答えない」は6%だった。

 毎日新聞の調査(同)では「生前退位できるように皇室制度を見直すべきだ」が67%、「慎重に議論すべきだ」が22%となった。


<天皇陛下お気持ち>慰霊の地「思いやりがにじみ出て」
毎日新聞 8月8日(月)21時58分配信

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国立沖縄戦没者墓苑で献花後、遺族らに声をかけられる天皇、皇后両陛下=沖縄県糸満市で2012年11月17日、三村政司撮影

 天皇陛下が8日、お気持ちを表明された。沖縄県を2012年11月に訪問した天皇、皇后両陛下と対面した「白梅学徒隊」元隊員で那覇市の中山きくさん(87)は「象徴としての役割への強い思いを感じた。年齢を考えれば、これからはご自分のために過ごしてもらえたら」と願った。傷病兵の看護にあたって多くが犠牲となった女子学徒隊の状況を説明すると、天皇陛下は「何度もうん、うんとうなずきながら聞いてくださった」。皇后さまに尋ねられて学徒隊の慰霊碑が建つ方角を伝えると、両陛下はその方角へ静かにおじぎされ、「胸がいっぱいになった」と振り返る。

 「戦争や災害の犠牲者の慰霊などに尽力されてきたが、体力の限界を感じられたのだろう。亡くなるまで天皇という今の在り方は、国民全体で考え直すべき問題だ」。14年10月に長崎市内の爆心地公園などを訪れた天皇陛下と面会した長崎県被爆者手帳友愛会の中島正徳会長(86)はそう語った。市内で入院中の長崎原爆遺族会の正林克記会長(77)は同公園で「お元気で」と言葉をかけられたといい、「(今回のメッセージには)当時と同じように、お言葉の中に日本と国民への思いやりがにじみ出ていた」と話した。

 天皇、皇后両陛下が14年12月に訪問された広島市安芸区の広島原爆養護ホーム「矢野おりづる園」には被爆者100人がおり、一部の入所者が時折涙を拭いながらビデオメッセージに耳を傾けた。山中美知恵さん(96)は天皇陛下から「ご苦労の多い日々を過ごされましたね」とねぎらいの言葉を受けた。うなずきながら「お気持ち」を聞き「大変な時代を生きてこられた。退かれるとしたらさみしい思いはあるが、もう少し安らかな時を過ごしていただきたい」と思いやった。

 両陛下が今年1月29日、フィリピンの「比島戦没者の碑」で追悼された際、元陸軍第1師団副官の松本実さん(95)=東京都新宿区=は天皇陛下から「遺族のためにも尽くしていただき、ごくろうさまです」と言葉をかけられた。約1万3000人の第1師団で終戦時、生き残ったのはわずか400人ほど。松本さんは両陛下に会った後、レイテ島とセブ島を訪れ「来ていただいたよ」と亡き戦友たちに報告した。「お元気なうちに今後を見届けたいというお気持ちは十分理解できる」と話す松本さん。「手続きは複雑かもしれないが、個人的には陛下のお気持ちを尊重し、なるべく早く生前退位を実現してほしい」と望んだ。【青木絵美、今手麻衣、石川将来、高木香奈】


<天皇陛下お気持ち>被災地「ずっとお悩み、伝わってきた」
毎日新聞 8月8日(月)21時54分配信

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避難所を訪れ、東日本大震災で被災した人たちと言葉を交わす天皇陛下=岩手県釜石市の市立釜石中で2011年5月6日午後2時2分、山下恭二撮影

 天皇陛下が8日、お気持ちを表明された。天皇陛下は大災害の被災地に出向かれたり、太平洋戦争で多くの人が命を落とした激戦地などを訪れたりして、国民に寄り添ってきた。今回の「お気持ち」でも「喜びの時、悲しみの時を、人々と共に過ごして来ました」と言及された。

 「新しい時代を考える陛下の心をひしひし感じた。リラックスして年齢を重ねていただければ」。東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県陸前高田市で、仮設住宅の自治会長を務める佐々木栄さん(85)は2013年7月、お見舞いで訪れた陛下から「復興の具合はどうですか。頑張ってください」と声をかけられ、「今でもあの感動は忘れない」という。

 福島県桑折(こおり)町のモモ農家、南祐宏(まさひろ)さん(41)は「国民に身近に接してこられた陛下だから、ご自分の気持ちを国民に直接訴えかけ、考えてほしいと思われたのでは」と語る。15年7月、陛下から「大変ですね」とねぎらわれ、力づけられた。「(テレビに映る)陛下は顔色も良く、お元気そうで安心した。ただ、お体のことを考えると、生前退位という形もあっていいと思う」

 宮城県南三陸町の復興仮設商店街「南三陸さんさん商店街」で海鮮料理店を営む高橋修さん(57)は「体調を崩されてから、ずっとお悩みになっていたことが伝わってきた」という。14年7月、商店街を視察された天皇、皇后両陛下に「体は大丈夫ですか」などと聞かれたことが強く印象に残っている。

 熊本地震で自宅が全壊した熊本県南阿蘇村の主婦、橋本綾さん(40)は5月19日、避難先の南阿蘇中の体育館で、陛下と共に慰問された皇后さまから「大変でしたね」と声を掛けられた。「避難所生活が1カ月を過ぎ、精神的にも体力的にもきつい時だっただけに、みんなが笑顔になり、元気をもらえた」。生前退位について「会社員に定年退職があるように、陛下の年齢と体力などを考えると賛成。皇位継承時の皇太子さまへの負担も少なくなると思う」と話す。

 1995年の阪神大震災で激甚被災地となった神戸市長田区の御菅地区。両陛下は震災直後と01年の2度訪れ、焼け跡に供えられたスイセンは地域の復興のシンボルになった。2度目の視察を出迎えた酒店経営、戸田一弘さん(79)は「私と同じ目線まで腰を下げて声をかけてくれ、本当に被災者に寄り添ってくださった」といい、ビデオメッセージに「ご高齢でそこまで心を砕かれる仕事を続けることは大変なこと。お望み通りに手続きが進んでほしい」と願った。【野崎勲、土江洋範、三浦研吾、野呂賢治、井上元宏】


天皇陛下「お気持ち」 「つなぐことが大切」お言葉に思い巡らす 1月に面会の秋田の戦没者遺族
産経新聞 8月8日(月)21時53分配信

 天皇陛下が8日、ビデオメッセージで「生前退位」実現への思いを示されたことについて、1月の陛下のフィリピン訪問直前に皇居で面会した秋田県遺族連合会会長で大館市議会議長の仲沢誠也さん(72)はお気持ちに理解を示した。

 仲沢さんは先の大戦で父をフィリピンで亡くしている。陛下に「遺児が高齢化しているので孫の世代の組織化を進めています」と説明したところ、陛下は「つなぐことが大切ですね」と述べられたという。

 仲沢さんは「今思えば、『亡くなってからでは継承できないものがある』という意味で、生前退位のご意向と通じるものがあった」と思いを巡らせ、「表明されたお気持ちはよく分かる」と話した。

 お気持ち表明のビデオメッセージが放送された午後3時。JR秋田駅の待合室では、約30人がテレビに見入った。

 新潟市から所用で秋田を訪れ、帰りの列車を待っていた主婦、岩淵成子さん(57)は「お体を大切にしていただくため、政府は陛下のご意向を尊重してほしい」と話した。


<天皇陛下お気持ち>与野党から「生前退位、国民的議論を」
毎日新聞 8月8日(月)21時50分配信

 天皇陛下が8日、お気持ちを表明されたことを受け、与野党からは陛下が生前に皇太子さまに譲位する「生前退位」について国民的な議論を始めるべきだという意見が相次いだ。各党は政府や世論の動向を見ながら、国会での制度改正に備えようとしている。【大久保渉、朝日弘行、小畑英介】

 自民党の二階俊博幹事長は「安倍晋三首相を中心に首相官邸側がどう判断するかが第一義的に重要だ」と述べたうえで、「われわれも重く受け止めて真剣に対応しなければならない」と記者団に語った。「多くの国民が陛下のお言葉に寄り添うようなことを考えていかなければならない」と生前退位にも理解を示した。

 野党も同様の立場だ。共産党の志位和夫委員長は記者会見で「政治の責任として生前退位について真剣な検討が必要だ」と国会の役割を強調。日本のこころを大切にする党の中山恭子代表も「国会は真剣に議論を重ねていくべきだ」と述べた。

 天皇陛下のお気持ちをどう実現するかを巡って、社民党の又市征治幹事長は談話で「象徴といえども、一人の人間として人権やその思いは尊重されるべきだ」と述べ、皇室典範改正を含めて検討すべきだと主張した。

 公明党の山口那津男代表は「陛下が象徴としてのお務めに尽くしてこられたことに深く敬意を表したい」と述べるにとどめたが、別の党幹部は「象徴天皇のあり方と天皇の高齢化への問題提起だろう。特別立法で対応することになるのではないか」と語った。

 おおさか維新の会も制度改正を視野に入れている。松井一郎代表は談話で「広範な国民の声を踏まえつつ、ご高齢になられた陛下のご公務のあり方、皇室制度のあり方を陛下のお心に沿うように相談していく」と述べた。

 政党側には検討に時間をかけるべきではないという意見が目立つ。民進党の岡田克也代表は「議論をあまり広げすぎると時間がかかり、陛下のお気持ちの趣旨に沿わなくなってしまう」と指摘。自民党衆院議員は、陛下が「2年後には平成30年を迎える」と述べたことを踏まえ「2年程度で結論を出してほしいということだろう」と語った。

 一方、生活の党の小沢一郎共同代表は「『天皇の地位』に関する問題なので、政治的な立場にある者が軽々にコメントすべきではない」と具体的に言及しなかった。

 大島理森衆院議長は「お言葉は立法府の長として謹んで受け止める。皇室のあり方について、国民各層で幅広く議論が行われ、国会議員には粛然とした対応をすることを望む」、伊達忠一参院議長は「今後、皇室のあり方について議論が深まっていくものと思う」との談話をそれぞれ発表した。

 ◇世論は受け入れ多数 報道各社の調査で6~8割

 天皇陛下の生前退位のご意向を世論の大半が受け入れるであろうことは、事前の報道各社の世論調査からうかがえる。毎日新聞が3、4両日に実施した全国世論調査では、生前退位できるように皇室制度を「見直すべきだ」との回答が67%、「慎重に議論すべきだ」は22%だった。

 政府の対応を聞いた日経新聞の世論調査では「今後の天皇すべてに生前退位を認める制度をつくるべきだ」が65%で最も多く、「現行制度のままで公務を代行する摂政を置くべきだ」15%、「今の天皇陛下に限って生前退位を認める制度をつくるべきだ」12%だった。

 生前退位をできるようにすることの賛否を尋ねた朝日新聞の調査では「賛成」84%、「反対」5%。同様に読売新聞の調査では制度を「改正すべきだ」84%、「改正する必要はない」11%だった。【田中裕之】

 ◇天皇陛下の生前退位の意向に関する各社の世論調査

◆毎日新聞(3、4日)

天皇陛下は近く、ご自身の仕事のあり方などについてお気持ちを国民に表明される見通しです。あなたは天皇陛下がご存命のうちに皇太子さまに位を譲る「生前退位」ができるように皇室制度を見直すべきだと思いますか。

制度を見直すべきだ    67%

慎重に議論すべきだ    22%

◆朝日新聞(6、7日)

皇室に関する今の法律では、生前に天皇の位を譲る「生前退位」についての決まりがありません。「生前退位」をできるようにすることに、賛成ですか。反対ですか。

賛成           84%

反対            5%

◆読売新聞(3、4日)

天皇陛下が、天皇の位を皇太子さまに譲る「生前退位」の意向をお持ちであることがわかりました。現在の制度では、生前退位をすることはできません。あなたは、生前退位ができるように、制度を改正すべきだと思いますか、制度を改正する必要はないと思いますか。

改正すべきだ       84%

改正する必要はない    11%

◆日本経済新聞(7月22~24日)

生前退位について、政府はどう対応すべきだと思いますか。

今の天皇陛下に限って生前退位を認める制度をつくるべきだ 12%

今後の天皇すべてに生前退位を認める制度をつくるべきだ  65%

現行制度のままで公務を代行する摂政を置くべきだ     15%

いえない・わからない                   7%

※カッコ内は調査実施日。無回答は省略した


<天皇陛下お気持ち>穏やかな表情 11分間で7回「務め」
毎日新聞 8月8日(月)21時38分配信

 ◇最後に「国民の理解を得られることを、切に願っています」

 終戦の日まで1週間の8日、天皇陛下がビデオメッセージの形で「お気持ち」を公表された。象徴天皇とはどうあるべきか。約11分間の映像には、自身の老いのみならず、人生の終幕後までを見据えて率直に語る陛下の姿があった。地上波のテレビ各局が一斉に放送。宮内庁幹部が「重い内容」とする「胸の内」を穏やかな口調で語る陛下を、多くの国民が見つめた。【山田奈緒、古関俊樹】

 宮内庁によると、収録は、お住まいに当たる皇居・御所の応接室で7日午後4時半から行われた。当初、立ち会う予定のなかった皇后さまも、「大事なことだから」という陛下の意向を受け、収録を見守られた。宮内庁長官や侍従長ら幹部も立ち会い、1回の読み上げで収録を終えた。皇太子さまや秋篠宮さまには、陛下が内容を伝えたという。

 陛下について、ある側近は「どんなときも泰然とされている」と表現する。皇后さまとテニスを楽しむなど、現在の健康状態に問題はないという。規則正しい生活で、体調維持に努める。70代のころより多い地方訪問をこなすなど、公務に対する積極的な姿勢は年を重ねても変わらない。

 ビデオメッセージで陛下は冒頭、「私も八十を越え、体力の面などからさまざまな制約を覚えることもあり……」と老いの実感を吐露。個人の考えと前置きし、一呼吸置いてから、即位後約28年間の歩みを振り返った。約11分間で7回「務め」という言葉があった。「(身体の衰えで)全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないか」「(摂政制度は)務めを果たせぬまま、生涯の終わりに至るまで天皇であり続けること……」。報道各社が先月から伝えていた「生前退位」への思いがにじんだ。

 手元の原稿を確認しつつ、時折顔を上げてカメラを見つめた陛下。最後に「国民の理解を得られることを、切に願っています」と終えると、原稿を机に戻して一礼した。

 同庁職員は、幹部のごく一部をのぞき、内容を事前に知らなかった。公表された8日午後3時、庁内で多くの職員がテレビに見入った。ある幹部は「想像以上にはっきりとご意見を言っておられ、驚いた」と話す。ビデオ公表直後、宮内記者会の要望を受けて会見した風岡典之長官は、「象徴の立場である人だけが、思うことがある。憲法上のお立場を踏まえた発言だと思う」と説明。「一つの大きな節目の時期だと考えている」と述べた。


<天皇陛下お気持ち>学友「そこまで深くお考えかと感動」
毎日新聞 8月8日(月)21時8分配信

 天皇陛下が8日、お気持ちを表明したことを受け、天皇陛下と共に年を重ねてきた学習院時代の同級生たちは、自分の今の体調や生活と重ね合わせながらメッセージを受け止めた。

 中等科から高等科までの同窓の国立歴史民俗博物館名誉教授、岡田茂弘さん(82)=千葉県八千代市=は「残される家族は、非常に厳しい状況下に置かれざるを得ません」と皇太子さまらを気遣われる姿に感銘を受けた。

 「陛下は即位した1989年に56歳になり、皇太子さまも今年56歳になった。自然と継承を意識するようになったのではないか」と推測。「被災地慰問で国民に積極的に声をかける陛下の姿勢から象徴天皇のあり方について言及すると思っていたが、家族については予想外だった。今の時代に合った皇位継承のルールを打ち立てようとする姿勢に、『そこまで深くお考えか』と感動した」と話した。

 高等科で共に学んだ安保日出男さん(86)=横浜市神奈川区=は「まじめな方だから手を抜くことはしないし、弱音を決してはかない。楽をしたいとかいうお気持ちではないはずだ」と話す。岡田さんと同様、家族を気遣う姿が特に印象に残った。「何よりも美智子さまのことを思い、ご家族がご苦労されないように決断されたのではないか」。クラス会などで、皇后さまへのひとかたならぬ思いを感じていたからだ。

 「お体が心配。生前退位してもらった方がいい。退位とはならなくても、皇太子殿下を摂政にしてもらえれば安心だ」と望んだ。

 初等科から大学まで天皇陛下と一緒だった森田茂昭さん(83)=東京都港区=は「誠心誠意、正直にお気持ちを表されたと思う」と話す。6月にあった初等科の全学年対象の同窓会で陛下と久しぶりに顔を合わせた。陛下と同じくチェロをたしなむ森田さんが「最近弾いていらっしゃいますか」と尋ねると、うなずいたという。

 中等科の一時期、陛下と一緒に寮生活を送り、「布団の上げ下げから廊下の掃除まで、我々と全く同じことをしていた」と振り返る。同級生の間で「お疲れにならないだろうか」と心配していたといい、「これからゆっくりしていただくことができればいいが」と思いやった。【島田信幸、円谷美晶、川畑さおり】


<天皇陛下お気持ち>NHKと在京キー5局がテレビ一斉放送
毎日新聞 8月8日(月)20時58分配信

 NHKと在京キー5局は8日午後3時、宮内庁が天皇陛下のビデオメッセージを公表すると同時に、情報番組や特別報道番組の中で映像を一斉に流した。6局が同じ映像を同時に放送するのは異例。

 東日本大震災の発生5日後の2011年3月16日夕に陛下のお気持ちがビデオで公表された際には、テレビ東京は別番組を放送した。今回は東京ローカル局のTOKYO MXも同時に放送した。

 また、テレ東を除く在京キー4局とNHKは、陛下の映像を含む番組をインターネット上でも一斉に配信した。


<天皇陛下お気持ち>退位の意向、強くにじむ ビデオで思い
毎日新聞 8月8日(月)20時53分配信

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「象徴としての務め」についてお気持ちを表明される天皇陛下=宮内庁提供

 ◇公務縮小や「摂政」対応には否定的

 天皇陛下は8日、象徴としての務めに関するお気持ちをビデオメッセージで表明された。高齢に伴う身体の衰えを考慮し、「全身全霊をもって務めを果たしていくことが難しくなる」との思いを明らかにしたうえで、公務を縮小していくことや、天皇の活動を代行する「摂政」を置くことでの対応には否定的な気持ちを表した。「天皇は国政に関する権能を有しない」との憲法の規定を踏まえて制度に関わる言及を避けつつ、生前退位の意向が強くにじむ内容となった。

 ビデオメッセージは同日午後3時に公表された。文書を読み上げる陛下の姿を撮影したもので、収録時間は約11分。宮内庁は同時に文書の全文を公表し、英訳文もホームページに掲載した。ビデオの撮影は7日午後4時半、皇居・御所の応接室で行われた。

 お気持ちの題は「象徴としてのお務めについての天皇陛下お言葉」。陛下は「天皇という立場上、現行の皇室制度に具体的に触れることは控えながら、これまでに考えて来たことを話したい」と述べ、象徴天皇としてのあり方を模索しながら過ごされてきたことを振り返った。

 そのうえで、「次第に進む身体の衰えを考慮する時、全身全霊をもって象徴の務めを果たしていくことが、難しくなるのではないかと案じています」と、現在82歳であるご自身の年齢に対するお気持ちを語った。

 さらに、「天皇の高齢化に伴う対処の仕方が、国事行為や、その象徴としての行為を限りなく縮小していくことには無理があろうと思われます」と述べ、高齢への対応として公務の削減には限界があるとの考えを示した。「摂政を置くことも考えられる」と述べる一方で、「天皇が十分に務めを果たせぬまま、天皇であり続けることに変わりはありません」と語り、摂政を置くことと、皇位を譲ることとの違いに言及した。

 また天皇が健康を損ない深刻な状態になった場合は国民の暮らしに影響が出ることや、葬儀に際しては関連する行事が1年間続くことなどを挙げ、関係する人々や家族が困難な状況に置かれることへの懸念を明らかにした。

 「憲法の下、天皇は国政に関する権能を有しません」と改めて述べたうえで、象徴天皇の務めが途切れることなく安定的に続くことを念じるとし、ご自身の気持ちについて「国民の理解を得られることを、切に願っています」と締めくくった。

 天皇陛下が皇太子さまに皇位を譲る意向を宮内庁関係者に示されていることが報じられたのは先月13日。その後、宮内庁は陛下自らがお気持ちを表明する機会を早めに設ける方向で調整してきた。ビデオメッセージで陛下が思いを伝えるのは、東日本大震災の際の2011年3月以来、2回目。【高島博之、山田奈緒】


<天皇陛下お気持ち>「5~6年前から側近に相談していた」
毎日新聞 8月8日(月)20時18分配信

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皇居内にある宮内庁(右)と宮殿=2016年8月8日午前10時39分、本社ヘリから

 ◇宮内庁の風岡典之長官、記者会見で

 天皇陛下のお気持ちの表明を受け、宮内庁の風岡典之長官は8日、記者会見し「加齢による体力の衰えで象徴のお務めを果たすのが難しくなるのではないかという、陛下の心労の大きさを痛感した。陛下のお気持ちが国民に広く理解されることを願っている」と述べた。

 風岡長官は陛下が5~6年前から「務めを果たせなくなった場合にどうしたらいいか」と側近に相談していたことも明らかにした。昨年からお気持ちの公表を考えるようになり、内閣官房とも協議をしながら準備を進めたという。

 陛下が生前退位の意向を示したという報道を宮内庁が否定してきたことについては、「陛下が生前退位について宮内庁関係者に伝えたことはないが、ご活動についての思いは述べられていた」と話した。【山田奈緒、古関俊樹】


天皇陛下「お気持ち」 日本のこころ・中山恭子代表「国会は真剣に議論を」
産経新聞 8月8日(月)19時29分配信

 日本のこころを大切にする党の中山恭子代表は8日、天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されたことについて、「陛下のお気持ちを重く受け止め、国会はご公務の在り方を含め、真剣に議論を重ねていくべきだ」との談話を発表した。

 談話の全文は以下の通り。

     ◇

 本日、天皇陛下におかれては「お気持ち」を表明されました。

 天皇陛下が国民に向けて直接、お気持ちを表明されたことを重く受けとめます。

 天皇陛下が日本国の象徴として、国民の安寧と幸せを祈り、人々への深い信頼と敬愛をもって、人々の思いにいつも寄り添ってくださっていらっしゃるお気持ちに接し、心からの感動と感謝の念が湧いて参ります。

 天皇陛下が、全身全霊をもってお務めを果たしていくことが難しくなるのではないかとお案じになられていることを、真摯(しんし)に受け止めねばと思っています。

 天皇陛下のお気持ちを重く受け止め、国会は、ご公務の在り方を含めて、真剣に議論を重ねていくべきだと考えます。

 わが党は、長い歴史と伝統を持つ日本の国柄と日本人のこころを大切にする政党として、陛下のお気持ちが、国民の理解を得られるよう尽くしてまいりたいと思います。


天皇陛下「お気持ち」 石破茂前地方創生担当相「私心なき人が静かに考えるべきだ」
産経新聞 8月8日(月)19時10分配信

 自民党の石破茂前地方創生担当相は8日、天皇陛下が「生前退位」のご意向を示されたことについて、「ひたすら恐懼(きょうく)して承った。陛下の御心を煩わせることなく、陛下のお気持ちを実現するにはどうしたらよいかということだ」と述べた。産経新聞の取材に答えた。

 石破氏は「(国会議員が)平場で侃々諤々(かんかんがくがく)、議論することになじむかというと、どうかという気がする。政治問題化することはもってのほかだ」と指摘。そのうえで「私心のない人たちが静かに考えて、その人選さえ間違えなければ大丈夫ではないか」と述べた。

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