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2016年8月19日 (金)

どこまで図に乗る中共支那、南シナ海にミサイル・戦闘機を配備・24

南シナ海の他国領海で横暴な侵略行為を強行している中共支那が、スプラトリー諸島のファイアリークロス礁を勝手に埋め立てて造成した飛行場へ強引な侵略飛行を行なったのに続き、今度はベトナムから強奪したパラセル諸島のウッディー島に地対空ミサイル8基を配備し、さらに対空機関砲の設置に加えて戦闘機まで進出させた。
一方でベトナムと領有権めぐって係争中のスプラトリー諸島にあるクアテロン礁などには、高周波レーダー施設を設置したことも明らかになった。

同諸島はかねてよりベトナムと中共がその領有権めぐって係争中であり、こうした地域を一方的に自国領と断言し軍事施設を建設して、支配権の既成事実化を試みる中共支那の好戦的・冒険的な侵略行為は、ベトナム・フィリピンなど近隣諸国や関係国および公海上の海上交通路(シーレーン)の安全を脅かし、いたずらに紛争の危険性を高める、国際法上認めることの出来ない危険な挑発行為である。

この中共の重大かつ危険な挑発行為に対して、アメリカなどがこうした危険な行為を停止するよう要求しているにもかかわらず、これに対して中共は「最も重要なことは(自国の設置した)レーダーなどではなく、(米軍の)戦略爆撃機や駆逐艦を含む最新兵器が日々、南シナ海に出現していることだ」として居直り、こうした一連の行為が「(自国の)主権の範囲内」と強弁している。

こうした中共の態度は、世界の秩序を完全に愚弄する思い上がり図に乗ったものであり、中共がこうした態度を改めない限り、この地域での紛争・戦争の危険は日に日に増大するものと見なければならず、その結果中共軍は敗走して共産党の威信は失墜し、国内の暴動によって中共は崩壊するだろう。

このような凶暴かつ愚劣な行為を改めなければ、招来する重大な結果について、中共支那はその一切の責任を負わなければならない。

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リンク:<日米首脳会談>9月、ASEAN会議に合わせ調整 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:衝突なら「全員敗者」=南シナ海問題で越主席 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<米大統領>アジア歴訪へ 中国主席、トルコ大統領と会談 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:G20「南シナ海関係ない」=中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米中首脳、9月3日に会談…南シナ海問題議題に - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日英首脳、初の会談へ…EU離脱や南シナ海協議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日中首脳会談は調整難航 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:杭州G20で初の議長国の中国、「南シナ海」波及警戒 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:成長鈍化著しい中国「主題は経済」 9月にG20、外交反発かわす思惑も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:インドネシアが南シナ海に巨大魚市場──対中強硬策の一環、モデルは築地市場 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<アフリカ開発会議>海洋秩序の維持明記 ナイロビ宣言採択 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米中戦争は起こりうる その3どんな戦いとなるのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:あつれき抱え、G20へ=威信懸けた国際舞台に―中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:安倍首相の「G20荒らし」を恐れる中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米中戦争は起こりうる その2どう戦いが始まるのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米中戦争は起こりうる その1 なぜ戦いが始まるのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ハーグ判決が高めたアジアの戦争危機 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:フィリピン大統領、中国に配慮と牽制 南シナ海問題裁定 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:領土拡大の野心が招いた中国外交の深刻な"八方ふさがり"  今、日本が通すべき「スジ」は? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣諸島に漁船・公船が集結…習近平が焦る事情 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国外交手詰まり G20へ協調…譲歩はできず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:比大統領、中国に「落とし前をつける」と警告 南シナ海問題 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ランド研がリアルに予測、米中戦争はこうして起きる - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海領有権問題、中国と1年以内に協議=フィリピン大統領 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国との協議、年内開始=仲裁判決棚上げは「不可能」―比大統領 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<稲田防衛相>原子力空母を視察 横須賀基地 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:稲田朋美防衛相、中国と北朝鮮を念頭に「緊張感をもって取り組んで」と海上自衛隊を激励 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日本に「適切な行動」要求へ=中国、外相会談で - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海問題で台湾を抱き込みたい中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:稲田朋美防衛相、南シナ海問題で中国牽制 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米空軍、爆撃機3機種を初の同時配備 グアム島 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米爆撃機3機種が同時展開 中国牽制か 五輪閉会式前後の尖閣強奪懸念 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:負傷した越漁民、ヘリで救助=南シナ海の西沙海域―中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<中国海軍>日本海で演習…機関紙「定例訓練」 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

<日米首脳会談>9月、ASEAN会議に合わせ調整
毎日新聞 8月31日(水)0時50分配信

 日米両政府は30日、ラオスで9月6~8日に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に合わせて、安倍晋三首相とオバマ米大統領が会談する方向で調整に入った。日米関係筋が明らかにした。中国の南シナ海進出や、北朝鮮のミサイル開発などで日米同盟として対応する姿勢を示す。日米会談は5月に三重県志摩市で開催して以来。また首相は、9月4、5両日に中国・杭州である主要20カ国・地域(G20)首脳会議の際にトルコのエルドアン大統領との会談を調整している。【田所柳子】


衝突なら「全員敗者」=南シナ海問題で越主席
時事通信 8月30日(火)21時9分配信

 【ハノイ時事】ベトナムのチャン・ダイ・クアン国家主席は30日、訪問先のシンガポールで講演し、ベトナムと中国などが領有権を争う南シナ海問題について「武力紛争が起きた場合、勝者も敗者もなく、全員が敗者となる」と語り、平和的解決が必要だと強調した。

 AFP通信が伝えた。

 クアン主席は「不可欠の航路」として、南シナ海の重要性を強調。この海域の安定が損なわれれば、関係する全ての国・地域にとって不利益となると指摘した。ただ、講演で特定の国名を挙げて批判することはなかった。


<米大統領>アジア歴訪へ 中国主席、トルコ大統領と会談
毎日新聞 8月30日(火)20時45分配信

 【ワシントン会川晴之】オバマ米大統領は主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため、9月3日から訪中する。大統領としては最後の訪中となり、習近平・中国国家主席と米中の課題を長時間話し合う。4日にはG20に出席するトルコのエルドアン大統領とも会談。7月中旬のクーデター失敗事件を機に、ぎくしゃくするトルコとの関係改善を図る。

 習氏との米中首脳会談は「両首脳がじっくり話し合うのはこれが最後の機会になる」(ローズ大統領副補佐官)。気候変動問題、北朝鮮の核開発問題など米中が協調して取り組む問題のほか、見解が対立する南シナ海やサイバーセキュリティー分野など広範な課題を話し合う。

 エルドアン氏との米トルコ首脳会談では、米国在住のイスラム教指導者、ギュレン師の身柄引き渡しをトルコ側が求めている問題のほか、シリア問題について突っ込んだ協議が行われる見通しだ。

 オバマ氏はG20閉幕後、東南アジア諸国連合(ASEAN)との首脳会議や東アジアサミットに出席するため米大統領として初めてラオスを訪問する。

 現地ではフィリピンのドゥテルテ大統領とも会談。中国、フィリピン双方に、南シナ海問題で7月に出された仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判決を受け入れるよう促すとみられる。


G20「南シナ海関係ない」=中国
時事通信 8月30日(火)19時25分配信

 【北京時事】中国外務省の華春瑩・副報道局長は30日の定例記者会見で、9月4、5両日に杭州で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議について「世界経済の発展のため、いかに新たな活力を注入するかということに焦点を合わせるべきだ。南シナ海とG20は関係がない」と述べ、会議で南シナ海問題を議題にしない考えを改めて示した。


米中首脳、9月3日に会談…南シナ海問題議題に
読売新聞 8月30日(火)17時51分配信

 【ワシントン=大木聖馬】米ホワイトハウスは29日、訪中するオバマ米大統領が9月3日に中国の習近平(シージンピン)国家主席と首脳会談を行うと発表した。

 オバマ氏は会談で、中国が一方的な海洋進出を続ける南シナ海の問題や、北朝鮮の核開発などについて取り上げる意向だ。

 ホワイトハウスのベン・ローズ大統領副補佐官が29日の記者会見で明らかにした。オバマ氏は9月4~5日に中国・杭州で開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議に出席する予定で、これに先立ち習氏と会談する。ローズ氏は、今回の首脳会談が、オバマ氏の来年1月までの任期中で「数時間を費やして(中国首脳と)議論する最後の機会」になると指摘した。


日英首脳、初の会談へ…EU離脱や南シナ海協議
読売新聞 8月30日(火)10時12分配信

 日英両政府は、9月4~5日に中国・杭州で開かれる主要20か国・地域(G20)首脳会議に合わせ、安倍首相とメイ首相の初めての首脳会談を実施する方向で調整に入った。

 英国の欧州連合(EU)離脱問題が主な議題となる。

 英国に進出する日本企業は1000社超あるとされ、日本政府は7月下旬に関係省庁の作業チームを設けてEU離脱による影響や対策を検討している。安倍首相は作業チームが9月上旬にまとめる予定の結果を踏まえ、日本企業に悪影響が出ないような対応をメイ氏に求めるとみられる。

 メイ政権は、中国が資本参加して予定していた英国内の原子力発電所の新設事業の承認を先送りするなど、中国との関係見直しを進めている。日本政府は首脳会談の中で、中国が海洋進出を強める南シナ海の問題なども取り上げたい考えだ。

 安倍首相は、メイ氏が首相に就任した後の7月26日に電話会談を行っている。


日中首脳会談は調整難航
産経新聞 8月30日(火)7時55分配信

 日中両政府は中国・杭州で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議にあわせた安倍晋三首相と習近平国家主席の首脳会談を調整している。尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で公船の領海侵入を強行する中国側に、日本政府が強く抗議するなど日中関係が緊迫する中で、調整は直前まで難航しそうだ。

 日本政府は、岸田文雄外相が24日の日中外相会談で王毅外相に対し、日中中間線付近でのガス田開発なども含め、首脳会談前の「東シナ海全体の状況の改善」を要求。安倍首相は習氏と会談した際には、東シナ海での一方的な挑発、開発行為に抗議し、再発防止を求めるとみられる。

 習氏が前向きな態度を示す可能性は低く、「互いの主張をぶつけ合う場になる」(政府関係者)との見方が強い。

 G20首脳会議後は、ラオスで東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議が予定されており、安倍首相が南シナ海での中国の主張を全面否定した仲裁裁判所の裁定について、どこまで言及するかも焦点となる。

 また、G20首脳会議などにあわせた韓国の朴槿恵(パククネ)大統領との首脳会談が実現すれば、安倍首相はソウルの日本大使館前にある慰安婦像の撤去を含め、昨年末の日韓合意を着実に実行するよう改めて求める構え。

 韓国が予定する米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の国内配備や、11月の日本開催を目指す日中韓首脳会談についても協議するとみられる。


杭州G20で初の議長国の中国、「南シナ海」波及警戒
産経新聞 8月30日(火)7時55分配信

 ■経済は低迷…発言力低下の一途

 【上海=河崎真澄】中国浙江省杭州で9月4、5の両日、日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)の首脳会議が開かれる。初の議長国を務める中国は、「主題はあくまで経済成長だ」(李保東外務次官)と強調。中国が南シナ海などで引き起こした対外摩擦に議論が波及しないよう警戒している。だが世界の牽引(けんいん)役を自負した中国経済は成長の鈍化も著しく、発言力は低下する一方だ。

 中国はG20首脳会議で(1)世界経済の持続可能な成長(2)構造改革(3)貿易と投資の推進(4)国際金融の枠組み強化-を主要議題に挙げている。今月29日には国際金融デジタル化と情報共有の枠組みなど、新たに3つの提案を行う方針も表明。関心を経済問題に集中させようと躍起になっている。

 鉄鋼の生産過剰が批判を浴びる中、中国にとって痛みも伴うリストラなど構造改革も共同声明に盛り込むことで、外交問題や安全保障から国際社会の目をそらす思惑もちらついている。

 ただ、中国の対外戦略は逆風にさらされている。仲裁裁判所が裁定で南シナ海での中国の主権主張を退け、日米やアジア諸国などが圧力を強めた。米軍の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国への配備決定でも対立が深まり、メイ英政権は中国企業の原発建設参加に懸念を表明した。

 習近平国家主席が議長の立場を忘れて自国の主張に固執すれば、国際社会の反発が一段と強まる事態も考えられる。


成長鈍化著しい中国「主題は経済」 9月にG20、外交反発かわす思惑も
SankeiBiz 8月30日(火)6時34分配信

 中国浙江省杭州で9月4、5の両日、日米欧に新興国を加えた20カ国・地域(G20)の首脳会議が開かれる。初の議長国を務める中国は、「主題はあくまで経済成長だ」(李保東外務次官)と強調。中国が南シナ海などで引き起こした対外摩擦に議論が波及しないよう警戒している。だが世界の牽引(けんいん)役を自負した中国経済は成長の鈍化も著しく、発言力は低下する一方だ。

 中国はG20首脳会議で(1)世界経済の持続可能な成長(2)構造改革(3)貿易と投資の推進(4)国際金融の枠組み強化-を主要議題に挙げている。29日には国際金融デジタル化と情報共有の枠組みなど、新たに3つの提案を行う方針も表明。関心を経済問題に集中させようと躍起になっている。

 鉄鋼の生産過剰が批判を浴びる中、中国にとって痛みも伴うリストラなど構造改革も共同声明に盛り込むことで、外交問題や安全保障から国際社会の目をそらす思惑もちらついている。

 ただ、中国の対外戦略は逆風にさらされている。仲裁裁判所が裁定で南シナ海での中国の主権主張を退け、日米やアジア諸国などが圧力を強めた。在韓米軍への地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備決定でも対立が深まり、メイ英政権は中国企業の原発建設参加に懸念を表明した。

 習近平国家主席が議長の立場を忘れて自国の主張に固執すれば、国際社会の反発が一段と強まる事態も考えられる。(上海 河崎真澄)


インドネシアが南シナ海に巨大魚市場──対中強硬策の一環、モデルは築地市場
ニューズウィーク日本版 8月29日(月)16時35分配信

<南シナ海で対中強硬策を掲げるインドネシアは、中国と互いに船で体当たりしたり威嚇発砲したりと果敢な「ドンパチ」を繰り広げているが、その一方で、中国が権益を主張するインドネシア領ナツナ諸島に、築地市場をモデルにした魚市場を作ろうとしている> (写真は、ナツナ諸島近海でインドネシア海軍の艦船の前を横切る中国海警船)

 南シナ海を巡る覇権争いがエスカレートしているが、南沙諸島で領有権を主張しているのは中国、台湾、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイの5カ国1地域である。オランダ・ハーグの仲裁裁判所が7月12日に中国が全海域に及ぶ領有権主張の根拠としている「九段線」内の権益に「法的根拠はない」との判断を下したことで、中国は国際社会を敵に回し「分の悪い闘い」を強いられている。 

 あまり報道されていないが、実はこの九段線の南端、「舌の先端」に当たる部分がインドネシア領ナツナ諸島の排他的経済水域(EEZ)と重なっていることから、中国の権益主張にインドネシアも対処せざるを得ないという実状がある。インドネシアは特に海洋政策においては対中強硬策を取り続けており、南シナ海の南端では中国漁船とインドネシア海洋治安当局、海軍による仁義なき闘いが繰り広げられている。

ナツナ諸島の位置 Google マップ

【参考記事】南シナ海で暴れる中国船に インドネシアの我慢も限界

拿捕、拘留そして撃沈の強硬策

 南シナ海の地図をみてみると、マレー半島とボルネオ島(インドネシア語でカリマンタン島)のほぼ中間にあるナツナ諸島は大小約150の島からなり、北部の大ナツナ島を中心に約7万人が住むインドネシア領である。南シナ海とジャワ海やマラッカ海峡を結ぶ海の大動脈に位置する戦略上きわめて重要な諸島である。

 中国はナツナ諸島北方海域を「中国の伝統的な漁場」として海警局艦船を伴った漁船群による違法操業を続けている。なぜ問題かというとナツナ諸島から200海里(約370km)のインドネシアのEEZ内や領海内にまで侵入して違法操業を繰り返しているからだ。この海域は豊かな漁場で中国だけでなくベトナムやタイ、マレーシアの漁船も入り乱れて違法操業を続けている。

 その「波高し」の現場で今年3月19日、中国違法漁船を摘発しようとしたインドネシアの海洋取締当局の監視船に対し、中国海警局の船舶がレーザーを照射し、そして体当たりで摘発を妨害するという事態が発生した。こうした非常事態にインドネシアは正規の海軍大型艦艇を現場海域に急派して警戒を強化した。6月17日には違法操業中の中国漁船に対し、海軍艦が警告したもののこれを無視して逃走しようとしたため海軍艦が威嚇発砲して拿捕、乗組員を拘束した。現場にいた中国海警局の船は相手が正規の海軍艦では手が出せなかったという。

 こうして拿捕した各国の違法漁船は、インドネシア政府が「みせしめ」として無人状態を確認した後に海上で爆破、撃沈させるという強硬手段をとっている。

【参考記事】中国密漁船を破壊せよ インドネシアの選択

産業振興の目玉は「築地魚市場」

 こうした海上での一触即発のバトルの一方で、インドネシアのジョコウィ政権はナツナ諸島の産業振興、開発にも力を入れようとしている。ハーグ仲裁裁判所の裁定を受けて「今後中国がさらに活動を活発化させる懸念がある」として、インドネシアは同諸島海域での軍事力増強と同時に「ナツナを地域の一大漁業拠点とする構想」と硬軟両様の対策を打ち上げたのだった。

 具体的には年間漁獲量100万トンを取り扱う巨大市場ゾーンの建設を目玉として、冷凍保存設備が完備し水産加工工場を併設した約1,000平方メートル規模の魚市場を開設、地域の流通拠点にするというものだ。政府の試算では現状では周辺海域の水産資源の約9%しか活用できておらず、これを限りなく向上させる計画だ。

 構想を具体的に説明したリザル・ラムリ海事調整相は「ナツナには東京の築地魚市場のような魚市場をつくりたい」と語っており、築地魚市場をモデルにしたナツナ魚市場の誕生が期待されている。

 外国人観光客のビザ発給要件を緩和あるいは撤廃して、2020年の東京五輪を目指して観光振興を進めている日本に中国人に加えて最近は多くのインドネシア人やマレーシア人、タイ人が訪れている。中でも「ツキジ・フィッシュ・マーケット」は東京を訪れる東南アジアからの観光客の人気スポットであることから「モデルとして築地魚市場の名前が出たものとみられる」(在ジャカルタ日本人記者)という。

中国の真の狙いは海底資源

 こうした構想実現のためジャワ島周辺で操業する民間漁船の約400隻をナツナ海域に派遣して漁獲高の40%増を目指し、漁民を周辺の島々に移住させることで漁業関連産業の育成やインフラの整備、そして最終的には観光地としての開発も視野に入れているという。

 こうしたナツナ総合開発計画とも言うべき構想の背景には、南シナ海全域で国際司法の裁定すら無視して身勝手な主張と危険な行動を続ける中国へのインドネシア政府としての断固とした強硬な姿勢がある。

 中国がこの海域に注ぐ関心の最大の理由は、実は世界有数の埋蔵量とも言われる豊かな海底資源にあるのだ。インドネシアが確認している天然ガス田、石油田は16あるが、これまでに生産体制に着手しているのは5鉱区にとどまっている。このためインドネシア政府エネルギー鉱物資源省が国営石油ガス公社プルタミナに対してさらなる資源調査と4つの鉱区での入札準備などの「開発のペースアップ」を指示した。

 漁業資源と海底資源が豊かなナツナ諸島周辺での中国の動きに対する警戒を強めながら、インドネシアは着々と自国権益の保護と開発を進めている。「南シナ海」という国際的な呼称の「ナツナ海という名称への変更手続き」、さらに「違法操業からの自国権益保護のため中国を国際司法裁判所へ提訴」などの変化球を交えながら堂々と渡り合っている現状に中国も次第に焦り濃くしており、「波の高い緊張状態」は今も続いている。

[執筆者]
大塚智彦(ジャーナリスト)


<アフリカ開発会議>海洋秩序の維持明記 ナイロビ宣言採択
毎日新聞 8月28日(日)22時8分配信

 【ナイロビ前田洋平】ケニアの首都ナイロビで2日間にわたり開かれた第6回アフリカ開発会議(TICAD6)が28日、ナイロビ宣言を採択し閉幕した。宣言では海洋安全保障の強化を明記し、中国をけん制。日本企業のアフリカ進出を後押しするため、日本の高い技術力を生かしたインフラ投資や人材育成、社会安定化の重要性を盛り込んだ。

 安倍晋三首相は閉幕後にケニアのケニヤッタ大統領らと共同記者会見に臨み、海洋安全保障に関し「法の支配が尊重されることは、地域の平和と繁栄の基礎となる」と強調した。「特定の国を念頭に置いていない」とも述べた。

 宣言では、海洋安保について「国際法の原則に基づく海洋秩序維持の重要性」を明記。中国が南シナ海問題でアフリカの一部の国々の支持を取り付けていることを念頭に、日本とアフリカの連携強化を打ち出した。アフリカにとって身近な海賊や違法漁業などの海上犯罪でも、海上保安従事者の能力構築などで取り組みを強化する。アフリカで影響力を強める中国に対抗する。

 テロ対策では、司法・警察、国境管理など水際防止や取り締まりを強化する。情報交換や平和教育も進める。また、国連の安全保障理事会改革について、早急に改革する決意や対話の強化を確認した。

 日本とアフリカが今後共同して取り組むべき「実施計画」として、経済多角化・産業化を通じた経済構造改革▽強じんな保健システム▽繁栄共有のための社会安定化--を促進する方針もまとめた。

 ◇◆ナイロビ宣言骨子◆

・質の高いインフラや人材育成などで経済の多角化・産業化を通じた経済構造改革の促進

・公衆衛生危機に対応する強じんな保健システムの促進

・テロ対策や海洋安全保障への取り組みで繁栄共有のための社会安定化を促進


米中戦争は起こりうる その3どんな戦いとなるのか
Japan In-depth 8月28日(日)18時0分配信

ランド研究所の報告書「中国との戦争」はもし米中戦争が起きた場合、その形態や地域などについて次のように予測していた。
・米中戦争は非核の通常兵器での戦闘となる。

(アメリカも中国もともに核兵器の保有国だが、予測される米中戦争ではいずれの国も核兵器は使わず、通常兵器だけでの戦闘になる。アメリカは通常兵器での戦闘がきわめて激しくなっても、勝利への見通しと、自国の大被害への懸念から、核兵器はあくまで不使用で進む。中国ももしアメリカに対して核兵器を使えば、核での大量報復を受け、国家壊滅という事態をも招くとみて、核不使用のままで進むと予測される)

・戦闘は主として水上艦艇、潜水艦、航空機、ミサイル、さらに宇宙とサイバーのハイテクの戦いとなる。

(米中両国とも東アジアにすでに強大な軍事力を配備しており、戦争の契機からみても水上、海中、そして空中での戦闘となる見通しが強い。両国ともハイテクを動員し、各種ミサイルのほかにドローン(無人機)も多用される。宇宙利用も多く、とくに中国軍は米軍の依存する人工偵察衛星などの宇宙システムの破壊に力を入れる。両国ともサイバー攻撃を拡大する。米中両軍の地上戦闘は朝鮮半島有事以外ではほとんど起きないだろう)

・戦闘は東アジアで始まり、東アジアで続くが、西太平洋の広大な地域も戦場となる。

(米中両軍の戦闘は日本の尖閣、さらには東シナ海、南シナ海、台湾海峡、朝鮮半島などで起きるとみられるが、西太平洋のより広い水域、空域に広がることも予測される。ただし中国がアメリカ本土への攻撃に出る可能性は低い。そのための遠距離攻撃の能力の不十分さやその結果としての効用の限度がその理由となる。逆にアメリカが中国本土に対しては激しい攻撃を加える見通しが強い。しかし米軍が中国本土の地上戦闘を展開することはまずない) 

同報告書は米中戦争の形態を以上のように予測したうえで、さらにその戦闘の期間、規模、程度などについて次のように分類していた。

(1)短期で激烈

(2)長期で激烈

(3)短期で軽微

(4)長期で軽微

同報告書は以上の4つのパターンのうち「短期」は数日から数週間、「長期」は1年以上と推定し、ほとんどの場合は米軍の勝利や優勢に終わると予測していた。しかし米中戦争の時期が2025年までに向けて先に延びれば延びるほど、中国軍の戦力が相対的に強くなって、「長期」戦では両軍がいずれも決定的な勝利を得られず、膠着状態になる可能性が高くなる、とも指摘していた。中国軍は米軍の遠隔地からの増援部隊の接近を阻むための「A2/AD」(Anti-Access/Area Denial:接近阻止・領域否定)の戦闘能力を着実に強化していくので、米軍の完全勝利は年月が経てば経つほど、難しくなるというわけだ。

同報告書はさらに4つの戦争パターンのそれぞれについて経済や政治など非軍事面での両国の損失を推定し、戦争の帰趨への影響を予測していた。非軍事面でも中国の方がアメリカよりも消耗や損失がずっと多くなるというのが予測の基調だった。

(その2の続き。その1。全5回。毎日18時配信)


あつれき抱え、G20へ=威信懸けた国際舞台に―中国
時事通信 8月28日(日)14時28分配信

 【北京時事】中国の浙江省杭州で9月4~5日に20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。

 初めて議長国となる中国は、習近平国家主席がかつてトップを務めた同省での国際舞台に、国家の威信を懸けて臨む。しかし、南・東シナ海や地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備問題で日米韓などとのあつれきを抱える中、難しいかじ取りを迫られている。

 南シナ海をめぐっては、中国側の主張を退けた仲裁裁判の判決を受け、日米などが中国への圧力を強めている。中国側は「経済問題に焦点を合わせることが妨げられてはならない」(外務省高官)とG20での議題化を阻止しようと懸命だ。

 南シナ海問題に加え、東シナ海問題では沖縄県・尖閣諸島をめぐり日本との緊張が続いており、THAAD問題では韓国との蜜月関係に大きなひびが入った。

 英国もメイ新政権が、中国企業が一部出資する原発建設事業計画を再検討する方針を示したことを受け、英中関係の「黄金時代」継続に赤信号がともっている。

 一方で、G20の「成功」を優先し、批判拡大を避けるための融和姿勢も目立つ。南シナ海問題では、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との高官協議で、2017年半ばまでに法的拘束力を持つ「行動規範」の枠組み合意を目指す方針で一致し、初めて策定時期の目標を定めた。

 24日に東京で開催された日中韓外相会談には王毅外相を派遣。王外相は「G20の円満な成功を確保することで合意した」として、日中、中韓首脳会談開催への地ならしを進めた。北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難する国連安全保障理事会の声明採択でも、かたくなな態度を転換して採択に同意し、日米に歩み寄りの姿勢を見せた。

 中国はG20首脳会議前に、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」を批准する予定で、米国と共同発表するとの報道もある。気候変動問題は米中間の数少ない「協力案件」の一つ。習主席とオバマ米大統領との首脳会談を円満に開催し、G20の成功につなげたいとの思いがにじむ。


安倍首相の「G20荒らし」を恐れる中国
Wedge 8月28日(日)12時30分配信

 8月23日から24日、日中韓外相会談が東京で開かれ、中国の王毅外相が就任以来初めて日本を訪問した。23日の晩、王外相は日本の岸田文雄外相主催の歓迎晩餐会に出席。翌日にはメインの三カ国外相会談に参加したほか、旧知の自民党の二階俊博幹事長と会い、岸田外相との日中外相会談にも応じた。最後には、韓国外相と共に安倍晋三首相への表敬訪問も行った。

急に変化した対日姿勢
 このようにして、王外相は短い日程の中で精力的な対日外交を展開したことがよく分かるが、さらに注目されるのは、一連の会談において王外相の示した、意外とも言えるほどの柔軟な対日姿勢である。

 たとえば、岸田外相との会談後、王外相は「小さい問題が残っているが、日本側も(中国側と)同様に前向きな意志があれば、われわれはすぐに合意できる」と述べ、海洋での不測の事態回避に向けた「海空連絡メカニズム」に関して、高級事務レベル協議を開いた上で早期にスタートできるとの認識を示した。

 今まで、日本側が同メカニズムの早期運用を強く要求してきたが、中国は難色を示してきた。しかし今回、王外相は一転して合意への意欲を示し、「双方の努力で海上摩擦をコントロールする」と前向きな姿勢を見せた。

 同時に、王外相は日中首脳会談の早期開催にも積極的な姿勢を見せた。中国側が想定しているのは、一つは年内開催予定の日中韓首脳会談であり、もう一つは、9月4日から中国杭州で始まる20カ国・地域(G20)首脳会合に合せての日中首脳会談である。

 実際、東京での日中外相会談の翌日、北京では中国外交担当トップの楊潔チ国務委員(副首相級)が日本の国家安全保障会議(NSC)の谷内正太郎国家安全保障局長と会談し、まさにG20に合わせた安倍首相と習近平国家主席の首脳会談の開催に向けて調整したとみられる。当日、中国の李克強首相までが「数段格下」の谷内氏と会ったことからも、中国政府の「対日重視姿勢」がことさらに示された。G20に合わせた日中首脳会談の開催はほぼ確定事項となっている模様だ。

 このように、日中韓外相会談を機に、中国政府が急スピードで対日関係の改善に乗り出したことは明々白々であるが、つい最近までの中国側の厳しい対日姿勢とはまさに打って変わっての豹変ぶりであろう。今年の夏に入ってから、中国は軍艦を日本の領海に侵入させ日本に対する軍事的恫喝を行ったり、公船や偽装漁船を大量に日本の近海に来襲させ、緊張を高めてきた。中国側の一連の軍事的挑発行動によって、日中関係は一時「開戦前夜」のような危険水域に入ったのはつい8月中旬までのことであるが、下旬になると、前述のように中国政府は今までの対日強硬姿勢から一転して日本との関係改善に急ぐような外交を始めたのは、いかにも不自然な方針の急転換である。こうした外交姿勢の180度の急転換の背後には、一体何があるのか。

 この答えとなるキーワードは先ほどすでに登場した。そう、中国が議長国となる「G20首脳会合」の開催なのである。

すべては、G20を成功させるため
 王外相は前述の岸田外相との会談後に記者団に対し、来るべきG20について「日本側も成功に向けて中国と共に努力したいと表明した」と強調したが、実は日本側からの、「中国と共に努力したい」という態度表明こそ中国政府が喉から手が出るほど欲しかったセリフであり、王外相はまさにこの言質一つを取るために日本にやってきて一連の対日改善外交を展開していたと言っても良い。

 すべては、中国が議長国となるG20を成功させるためなのである。

 9月4日、5日の2日間、中国浙江省杭州市で開催される予定のG20は、中国にとって、とりわけ中国の習近平国家主席にとって、どれほど重要な会議であるかは、この半年間の中国を取り囲む国際環境の変化を一目見れば十分に分かる。

 まずは5月下旬に開かれた伊勢志摩サミットを見てみよう。伊勢志摩サミットの首脳宣言は、サミットとしては初めて南シナ海問題を取り上げた。名指しこそ避けているものの内容は中国に対する牽制と警告と批判となっていることは明白である。矛先は完全に、中国に向いている。

 一方、オバマ大統領がサミットで日本に来る前に、まずベトナムを訪問した。その際、オバマ大統領はベトナムに対して、今後アメリカはベトナムに対する武器の禁輸を、全面的に解除すると宣言した。アメリカが社会主義国家に対して武器の禁輸を全面解除するというのは驚きであるが、その狙いはただ一つ、ベトナムの後押しを以って中国に対抗するためである。

 伊勢志摩サミット終了直後から、シンガポールで毎年恒例のアジア安全保障会議が開かれたが、ここでもまた、中国にとって大変衝撃的な出来事が起きた。

アメリカと歩調を合わせると言うフランス
 会議ではアメリカが先頭に立ち、カーター国務長官が中国を厳しく批判したが、中国にとって一番意外だったのは、会議に参加したフランス国防大臣の発言であろう。

 アメリカは去年から断続的に、南シナ海で中国を封じ込める為に航行の自由作戦を展開してきていることは周知の通りだが、上述のアジア安全保障会議において、フランスの国防大臣はフランスもいずれこの南シナ海の航行の自由作戦に参加すると宣言した。それだけではなく、フランスは今後、EU各国に呼びかけて、アメリカと歩調を合わせて南シナ海で航行の自由作戦に参加するとも言い出した。

 今までフランスは、南シナ海の問題に関してはいわば「部外者」の立場を取っていてあまり口出しはしなかった。しかもどちらかと言えば中国とは友好関係にある。このフランスまでが、アメリカと歩調を合わせて中国を押さえつけ封じ込める姿勢に出たことにより、習近平政権の孤立化がより一層深まったといえよう。

 そして7月、周知のようにオランダ・ハーグの仲裁裁判所が、南シナ海における中国の主張や行動は国連海洋法条約違反だとしてフィリピンが求めた仲裁手続きについての裁定を公表した。それは、中国が南シナ海の広い範囲に独自に設定した「九段線」に「法的根拠はない」と明確に認定した画期的な裁定であった。

 この裁定内容は、南シナ海の主権に関する中国政府の主張をほぼ全面的に退けたものだ。いわゆる九段線の「歴史的権利」が完全に否定されることによって、南シナ海全体への中国支配の正当性の根拠が根底からひっくり返されたのである。

 裁定に対する中国政府の反応について、6月1日掲載の私の論考で詳しく記述しているが、それはまさに「凄まじい」との一言に尽きる。ありとあらゆる手を使い、裁定に反発したのだ。

 このように、今年5月の伊勢志摩サミットから7月の国際裁判所の南シナ海裁定までの一連の流れにおいて、いわば南シナ海問題を巡って、習近平政権の進める覇権主義外交は国際社会の反発と抵抗に遭ってかなりの劣勢に立たされ、中国の孤立化が進んでいることは明らかだ。こうした中で、7月13日、これまでにアジアの中でも突出して中国と親密関係にあった韓国が、習政権の強い反発を跳ね返して米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を韓国国内に配備することを決めた。中国はこれで、アジア最大の「親友」であるはずの朴政権に対しても厳しい姿勢で臨む羽目になり、孤立感がよりいっそう深まったはずだ。習政権からすると、今の中国周辺はまさに「敵ばかり」のような状態であろう。

「主題は経済成長であり、妨害はさせない」
 このような外交的行き詰まりをどうやって打開するのかは、習近平政権にとって重大かつ緊急の課題となっているが、そこで習政権が目を付けたのは当然、久しぶりに中国で開かれる国際的重要会議のG20である。中国が議長国として采配を振るい、日米首脳を始め世界の先進国とアジア主要国の首脳が一堂に集まるこの会議は、習政権にとってはまさに劣勢挽回のための起死回生のチャンスとなる。これを最大限に利用しない手はないのである。

 実際、習政権がこの会議にかける意気込みは並々ならぬものである。8月17日の産經新聞の記事によると、会議の開催地となる中国浙江省の杭州市では、早くも厳戒ムードが広がっているという。市内に向かう他省ナンバー車に厳格なチェックが義務づけられ、不審物を警戒し会議場付近や観光地でマンホールが封印された。大気汚染対策として周辺の工場に停止命令を出したりするなど、強権的な措置も相次いで発動されているのである。習政権は会議の「円満成功」に全力を挙げていることがよく分かる。

 もちろん中国政府もよく分かっているように、この首脳会議を中国の望む形で「成功」させるためには、現地の保安体制の強化程度ではまったく不十分だ。G20を中国の外交的劣勢挽回のチャンスとして最大限に生かすためには、中国がいくつか、重要な外交戦略を講じなければならないのである。

 その一つはすなわち、会議の議題を中国のアキレス腱となっている「南シナ海問題」から完全に切り離して、会議全体の基調を中国にとって有利な方向へと誘導していくことである。

 8月15日、中国外務省の李保東次官は、9月のG20会議に関する記者会見を行ったが、彼がそこで語ったことに、中国の思惑のすべてが凝縮されていると感じられる。

 李次官はまず、会議の議題について「主題は経済成長であり、妨害はさせない」として、南シナ海問題を議題にしようとする動きを議長国として強く牽制した。

 李次官はさらに、世界経済について「依然として比較的大きな下振れ圧力に直面し、国際貿易は低迷し、保護主義が台頭するなど、不安定で不確定な要素が増加している」と指摘した。こうした中で、参加国は会議や中国に大きな期待を抱いているとして「世界経済の行方を指し示すといったG20の指導力の発揮と、国際的な経済協力の強化、協力のための新たなメカニズムの創設」などを目標に掲げた。

 海外メディアが「南シナ海問題について、中国の立場を説明するよい機会ではないのか」と質問すると、李氏は「国際会議では、一部の国が自ら関心のある問題を持ち出そうとするが、参加国の総意は経済問題に集中することだ」と釘を刺した。

 李次官のこの一連の発言から、習近平政権の企む「G20戦略」は火を見るより明らかだ。要するに、中国の外交的劣勢の原因となる「南シナ海問題」に関する議論を会議から一切排除した上で、会議の関心点と方向性を、中国と周辺国との紛争の源である領土・領海問題とは無関係の「国際経済問題」へと持っていくことである。そうすることによって、中国は面倒なことが避けられ、参加国から批判の嵐に晒されずにすむであろう。そして、中国が「指導力」を発揮して「国際的な経済協力のメカニズムを創出する」という形を作り出すことによって、中国は「アジアの問題児」であるどころか、むしろ「世界のリーダー」として再び、国際社会での主導権を握ることになる。もちろんその結果、南シナ海問題から発したところの中国の外交的劣勢は完全に払拭されることになる、という目論見であろう。

安倍首相を懐柔する以外にない
 以上が、G20首脳会議開催に向けての中国政府の外交戦略の概要であるが、その目的達成のために、中国政府はもう一つ、急いで講じなければならないのがまさに「日本対策」なのである。

 G20会議を中国にとっての「成功」へと導くために、南シナ海問題が会議で提起されることを排除しなければならないのは前述の通りだが、この点に関して、中国にとって安心材料となるのは、今、南シナ海の領有権問題で中国ともっとも激しく争っているベトナムとフィリピンの両国が、G20会議の参加国ではないことである。その他のアジアからの参加国に関していえば、インドにしてもインドネシアにしても韓国にしても、「南シナ海紛争」とは一定の距離をおいているから、これらの国々の動向も中国にとってそれほどの心配はない。

 その中で、中国がもっとも警戒しているのはやはり日本であり、日本の安倍政権こそが、中国の心配と悩みの種なのである。

 少なくとも中国から見れば、前述の伊勢志摩サミットを中国批判の方向へと誘導したのはまさに日本の安倍晋三首相であり、例の南シナ海裁定を全面的に支持しているのも日本である。そして日本政府こそが今まで、あらゆる国際会議を利用して南シナ海問題を持ち出して中国批判を強めてきている、という考えであるから、G20会議を「成功」させるためには、安倍首相の「会議荒らし」をいかに事前に防ぐのかが、中国政府にとっての重大な外交課題となっている。

 しかし一方、議長国として安倍首相の会議参加を拒否することは当然できないし、一国の首脳の発言を会議の席で封じ込めることも出来ない。そうすると、中国政府にとっての選択肢はただ一つしかない。要するに、会議の開催の前に急いで日中関係の改善に乗り出して安倍首相を懐柔する以外にない、ということである。

 だからこそ、8月24日からの中国王外相の一連の慌ただしい対日外交の展開が見られたのであり、中国は一転して意外とも言えるほどの「対日友好姿勢」を示し始めたわけである。この一連の対日外交工作の仕上げはすなわち、G20会議に合わせての日中首脳会談の開催であるが、おそらく習政権からすれば、それほどの友好姿勢を示して安倍首相と日本政府に好意を寄せた以上、さすがに安倍首相はG20会議では中国の意を汲んで南シナ海問題に言及せず、もっぱら経済問題を語り中国主導の「国際的経済協力メカニズム」の創立に協力してくるのであろう。そうなれば、中国の目的は自ずと達成できることになるのである。

 以上が、王毅外相の日本訪問から始まった一連の「対日友好外交」の真意と、G20首脳会議にかけた中国側の思いと戦略的思惑であるが、問題は、G20会議が中国側の思惑通りに運ばれて中国の目的が達成した暁には、一時的な便宜としての「対日友好姿勢」は果たしてそのまま継続するかどうかである。

 日本政府と安倍首相はこの点も見据えた上で、今後の対中外交の方針と日本自身の「G20戦略」を定めていくべきであろう。


米中戦争は起こりうる その2どう戦いが始まるのか
Japan In-depth 8月27日(土)18時0分配信

アメリカの大手研究機関「ランド研究所」の「中国との戦争」と題する報告書は戦争への契機として以下のようなケースをあげていた。
つまり米中戦争はどのような原因で始まりうるのかという想定である。

(1)東シナ海の尖閣諸島などをめぐる日中両国の軍事摩擦。

(2)南シナ海での中国のフィリピンやベトナムへの軍事威圧。

(3)北朝鮮の政権崩壊による米中双方の朝鮮半島軍事介入。

(4)中国の台湾に対する軍事的な攻撃あるいは威嚇。

(5)排他的経済水域(EEZ)やその上空での艦艇、航空機

の事故的な被害。

以上のような小規模な軍事的摩擦や衝突が米中両国の戦争へとエスカレートしうるというのだった。

日本にとっては米中戦争のその発端の(1)が尖閣諸島をめぐる衝突だというのはショッキングである。尖閣事態は米中戦争の危機をもはらんでいるというのだ。

尖閣諸島に対しては中国は明らかに非平和的、非外交的な解決の道を走り出した。海軍の艦艇や空軍の戦闘機を尖閣近くへ送り、実際の尖閣の日本領海へは先兵として中国海警の武装艦艇を侵入させてくる。日本側がまったく無抵抗とわかれば堂々と尖閣諸島へと上陸してくるだろう。尖閣は中国領土だと宣言しているからだ。

この状況に対しアメリカはもし中国軍が尖閣を攻撃すれば、日本を支援して共同防衛にあたるという方針を示唆している。アメリカの意図にかかわらず、中国と日本が軍事衝突をする危険はすでに目前にあるわけだ。こんな事態に米軍が介入すれば米中全面戦争にエスカレートする可能性も十二分にあることとなる。

(2)の南シナ海では米中の対立はすでに明白である。中国は国際仲裁裁判所の裁定を無視して、新たな人工島などで軍事拡張を続けている。フィリピンやベトナムに対しては武力行使も辞せずという強硬な構えを公然ととる。オバマ政権は南シナ海での中国との対決をなお避けているようだが、フィリピンはアメリカの同盟国だ。そのフィリピンが中国から軍事の威嚇や攻撃を公然と受けた場合、アメリカは座視するわけにはいかないだろう。ここにも米中軍事衝突の土壌が存在するわけだ。

(3)の北朝鮮の金正恩政権の崩壊というシナリオが指摘するのは、米軍が韓国軍とともに朝鮮半島の平和維持や統一という目的を掲げて、北朝鮮領内に進撃する可能性である。

だがそんな事態に中国が動かないはずがない。中国軍も中朝国境を越えて南下するだろう。その場合には米中間にきちんとした不戦の合意はまずないだろう。最初から北朝鮮、あるいは朝鮮半島全体の米中両国の戦略が相互の合意を得ていれば、トラブルは少ない。だがそうでなければ米中両軍が北朝鮮領内で戦闘を始める危険がまちがいなく高くなる。

(4)は台湾をめぐる米中両国の年来の対立から起きうる戦争の可能性である。中国は台湾を自国領土とみなし、台湾の独立への動きは武力を使っても阻むと宣言している。アメリカはその宣言に反対し、「台湾関係法」で台湾の安全保障へのアメリカの関与をうたっている。この点に米中衝突の可能性は長年、常に存在してきた。中国側が台湾有事での米側からのパワー・プロジェクション(兵力遠隔投入)を恐れて、新鋭の弾道ミサイルなどによる「接近阻止」や「領域否定」の戦力強化に努めてきたことも周知の事実なのだ。

(5)は南シナ海をも含めての東アジア全域での偶発的な衝突の可能性である。領海ではないが沿岸国の特権が認められる排他的経済水域(EEZ)は国連海洋法では他国の軍事艦艇の通航も認められる。だが中国だけは国内法で自国EEZの外国の軍艦の航行は中国側の事前の許可を必要とするとしている。アメリカなどの諸国は実際には中国のこの主張を無視しているが、紛争の素地は常に存在するわけだ。また公海でもその上空でも米空両国の軍艦や軍用機が異常接近し、あわや事故という事態も頻繁に起きている。そんな事態が米中間の戦争につながる危険があるというわけだ。

ランド研究所の報告書は以上のようなケースを米中戦争勃発の契機としてあげるのだった。

(その1の続き。その3に続く。全5回。毎日18時配信)


米中戦争は起こりうる その1 なぜ戦いが始まるのか
Japan In-depth 8月26日(金)18時1分配信

アメリカと中国は戦争に突入しうる!
こんなショッキングな研究結果がアメリカでも最有力の安全保障研究機関「ランド研究所」から公表された。しかもその米中戦争では日本の動向が枢要のカギとなる、というのだ。こんな衝撃の予測を日本の大手マスコミはまだ報じていない。いまここでその内容を伝えよう。アメリカの首都ワシントンで取材活動にあたるジャーナリストとしてこの予測の報道は義務とも思える日本への重要な警鐘だからである。戦争は防ぐためにこそ、その可能性の現実を知っておく必要があるのだともいえる。

報告書のタイトルは「中国との戦争」と、まさにずばりの表題である。しかも副題には「考えられないことを考える」と記されていた。米中戦争なんて、と顔をそむける向きにはぜひとも知ってほしい報告書なのである。なぜなら米中戦争という事態はわが日本の存続そのものを左右するからだ。

この報告書はランド研究所がアメリカ陸軍当局から委託されて作成した。膨大なデータを駆使し、最高級の専門家集団の知力と体験をインプットして、調査、分析、予測に長時間をかけてこの7月末に作成を終えた報告書である。最終完成品としては約120ページのレポートとなった。こんご2025年までの状況の予測だった。

さてなぜ米中戦争が起きうるのか。そもそもアメリカも中国も核兵器の保有国ではないか。非核の通常戦力もともに強大な規模を保持する。しかも米中両国は経済面では相互依存の関係にもある。万が一にも全面戦争となれば、両国にとっての破壊や損失は測りしれない。そんな危険がわかっている両国が戦争をするはずがないではないか。こんな考えは常識のようにも思える。ところがその「常識」にも穴があるというのだ。

その米中戦争の可能性について報告書は次のように述べていた。「米中両国は軍事的な対決や衝突につながりうる地域紛争での対立案件を抱えている。そしてそれら地域周辺に両国とも大規模な軍事力を配備している。このため偶発的な衝突や危機が深くなった際には、両国いずれにとっても、攻撃される前に攻撃に出ることへの動機が強く存在する。現実に両国は陸海空、宇宙、サイバー空間などの広大な領域で戦闘をするのに必要な兵力、技術、工業力、要員を十分に保有しているのだ。だから米中戦争は大規模で代償の大きい戦闘も含めて、単に『考えられる』というだけでなく、実際の思考が必要な可能性なのだ」

アメリカと中国はまちがいなく対立している。南シナ海での海洋紛争が最大例である。東シナ海の尖閣諸島への中国の威圧的な攻勢もアメリカの立場とは対立する。さらにさかのぼれば台湾への態度でも米中両国は対立する。これらの対立案件で米中両国がともに、相手国が軍事力までを使って、自国の主張を通すのではないかと警戒する疑心暗鬼は常にあるわけだ。相手が軍事力を使いそうならば、こちらが先に攻撃してその危険を取り除いてしまおうとう発想もそこに生まれるわけだ。戦争の原因はまず対立の存在、そして双方の軍事力の存在、さらにその対立を自国に有利に変えようという意図の存在と、こんな要素の積み重ねで起きていくメカニズムなのである。

こうした姿勢や認識はわが日本の常識からすると、非常に物騒にみえる。好戦的にさえひびく危険な発想とも思える。だがアメリカでは戦争を想定してのこの種の有事研究は「起こしてはならない」という前提や「どのように防ぐか」という意図の下に常時、なされているのだ。同時に中国の側も国益のためには戦争をも辞さないという基本思想はいやというほど誇示している。

(その2に続く。全5回。毎日18時配信予定)


ハーグ判決が高めたアジアの戦争危機
Wedge 8月26日(金)12時10分配信

 米国のシンクタンクAEIのマイケル・オースリンが、7月20日付のウォール・ストリート・ジャーナル紙で、南シナ海問題に関する国際仲裁裁判所の判決を契機に、関係国が相互に強硬な対応に出て、アジア情勢の緊張が高まり戦争の危険もあると述べています。オースリンの論旨は、次の通りです。

日本の満州事変を想起させる
 1933年、日本は満州問題で国際連盟を脱退した。その後、日本は西洋列強と対決し、太平洋戦争につながった。同じことが中国との間で起きるのか。ハーグの仲裁裁判の判断への中国の反応は日本の国際連盟の脱退を想起させる。

 2013年、フィリピンが南シナ海問題で訴訟を提起した際、中国は国際仲裁裁判所の管轄権を否定した。これは誤りであった。中国は、国連海洋法条約に従い、土地の所有権に関する訴訟を拒否しうるが、今回の訴訟は海洋権益に関するものであった。判決は、中国が当事者である国連海洋法条約により拘束力がある。

 中国はずっと南シナ海での所有物は「島」であり、排他的経済水域、建設などの権利も持つと言ってきた。しかし、裁判所は「岩」または「低潮高地」であるとした。また、裁判所は、中国が主張していた「九段線」内の資源に対する歴史的権利を否定した。判決は法的問題をはっきりさせたが、地政的競争を解決することにはならない。北京は判決を無視するとし、国際社会に反対する姿勢をとっている。中国は、協力ではなく、隣人に脅威を与える政策を強化しかねない。 

 国際法秩序の正統性が、中国により試練を受けている。北京は「南シナ海での領土主権と海洋権益は影響されない」と言っている。中国はこれからも隣国の漁船にいやがらせをするだろう。さらに北京は南シナ海での建設を決してやめないと言っている。スカボロー岩礁に軍事基地を作るとの決定をしかねない。法を後ろ盾に、中国の隣国はもっと力強く中国を押し返すだろう。海洋での衝突の可能性は劇的に増加する。中国も譲歩していないことを示すために自己主張を強めるだろう。米国は、地域の同盟国・パートナーを支持するように、航行の自由作戦を強化し漁船への嫌がらせを阻止するように、との要求に直面する。

 ハーグ判決はアジアの海洋の支配のための闘争を解決しなかった。代わりにそれを悪化させ、戦争の危険を増大させた。

出 典:Michael Auslin ‘China Takes Asia Back to the 1930s’ (Wall Street Journal, July 20, 2016)

 このオースリンの論説はあまり感心しない論説です。国際常設仲裁裁判所の判決は尊重されるべきであって、そのことを強く主張していくことが重要です。中国が判決を拒否し、強引なことを続ける以上、アジアの緊張が激化するのは当然です。南シナ海は重要な通商路に当たること、中国の「九段線」と歴史的権利の主張は法外に過ぎることに鑑みれば、国際社会はこういう緊張の激化やリスクを冒すに値します。ここはしっかりと対応しておくということでしょう。

中国のサラミ戦術
 アジアの海域の支配をめぐる闘争が先鋭化、戦争の危険が増大するなどと評価し、警鐘を鳴らすのは対中宥和策の提案につながりかねません。航行の自由作戦の際の小競り合いや、中国の埋め立てとその妨害での小競り合いはあるでしょうが、戦争になることはないと思います。まだ中国の海軍は米海軍と互角に戦えるものではありません。今度の中国の国際仲裁裁判の判決拒否を、日本の国際連盟脱退と比較するのも適切とは思えません。

 中国はサラミ戦術で少しずつ攻め込んでくることを得意とします。情勢の悪化を懸念して、少しずつ譲るという対応をすると、ずるずると後退することになります。

 今回の判決を、国際社会は中国の理不尽な「九段線」主張や歴史的権利の主張を、断固として排撃する材料にすべきです。そうすることが、中国に反省をさせ、情勢の健全化に資することになります。中国の李克強首相は、この判決が出た後も、中国の行為は国際法に合致していると安倍総理に述べたと報じられていますが、中国が国際法の内容を決められるかのような前提での発言です。こういう発言を聞くと、ますます中国は牽制しておくべきと考えます。


フィリピン大統領、中国に配慮と牽制 南シナ海問題裁定
産経新聞 8月26日(金)7時55分配信

 ■ASEAN首脳会議では保留、2国間協議に

 【シンガポール=吉村英輝】フィリピンのドゥテルテ大統領が、南シナ海問題で中国との2国間協議を優先する姿勢を鮮明にしている。来月6日からラオスで始まる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議でも、この問題を議題として持ち出さない意向だ。南シナ海での中国の主権主張を否定した仲裁裁判所の裁定をテコに、多国間協議で中国に「法の支配」を迫ってきた日本や米国は戦略の見直しも迫られそうだ。

 ドゥテルテ氏は23日、首脳会議の場で裁定を取り上げるかとの質問に、「そう思わない。誰かが言い出せば協議することはありえる」と答えた。中国への配慮の背景には、7月のASEAN外相会議で共同声明で裁定に言及するよう求めたが、カンボジアの反対などで実現できず、失望を抱いたとの指摘も聞かれる。

 ドゥテルテ氏は、南シナ海問題担当特使に中国とパイプのあるラモス元大統領を任命。今月、香港を訪問したラモス氏から、中国の元外務次官で全国人民代表大会(全人代=国会)外事委員会の傅瑩主任らとの会談の報告を受けた。23日には、中国との2国間協議開始の時期について、「おそらく年内」とした。

 首都マニラを中心とした利権構造の改革を目指すドゥテルテ氏は、地方のインフラ整備への協力を申し出ている中国を重視。日米などと協力し、南シナ海問題で中国に圧力をかけたアキノ前政権からの路線転換を明確にしている。

 一方で、ドゥテルテ氏は23日、中国側に「フィリピン人の権利を考慮すべき時期だ」とも要求した。裁定は、中国が2012年からスカボロー礁の実効支配を始め、フィリピン漁民を排除している行為を違法だと認定したが、中国はその後も漁民締め出しを続けており、世論は反発している。

 また、中国が「紙くず」と称する裁定をドゥテルテ氏は協議の「前提」としており、溝は深い。ASEAN関連首脳会議では、日米中も参加する東アジアサミット(EAS)などもあり、南シナ海問題が取り上げられるのは必至だ。

 デ・ラサール大学(フィリピン)のリチャード・ヘイダリアン助教は、ドゥテルテ政権の南シナ海政策を「中国へ短期的な歩み寄りはあるが、予測不能」と指摘。中国がフィリピン漁民の権利回復など具体的な約束ができなければ、「ドゥテルテ氏はアキノ氏以上に強硬な反中姿勢に転じる可能性がある」とみている。


領土拡大の野心が招いた中国外交の深刻な"八方ふさがり"  今、日本が通すべき「スジ」は?
現代ビジネス 8月26日(金)7時1分配信

外相会談が東京で開かれた意味

 日本と中国、韓国の外相会談が1年5ヵ月ぶりに東京で開かれた。

 尖閣諸島や南シナ海情勢が緊迫する中「成果は期待できない」という声もあったが、会談の開催自体に意味があるのだ。中国は少なくとも外交的には八方塞がりになりつつある。

 まず外相会談を開いて、尖閣諸島などの問題がたちまち解決するか。するわけがない。なにかと言えば「話し合いで問題解決を」と唱える日本共産党じゃあるまいし、そんな期待を抱くほうがどうかしている。まったくトンチンカンだ。

 南シナ海で人工島の軍事基地化を進め、尖閣諸島周辺には軍艦を派遣して領海を脅かす中国は、そもそも国際法などどこ吹く風で、尖閣における日本の主権も認めていない。「実力で奪い取ったもん勝ち」と腹を固めている。これが現状認識の出発点である。

 では、なぜ外相会談に応じたかといえば、軍事優先に変わりはないが、さりとて会談に応じず外交努力を放棄すれば、国際社会の批判と非難が一層、高まってしまうからだ。

 9月4、5日には中国・浙江省杭州で主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議を控えている。それでなくても東アジアや日米欧が対中批判を強めているのに、3ヵ国外相会談をボイコットすれば「中国はなんだ、話し合いも拒否するのか」という非難が高まってしまう。

 外交戦の勝ち負けは第3国を交えた国際社会の評判にかかっている。G20で中国非難が高まるのは外交的敗北にほかならない。だから、とりあえずポーズだけでも会談に応じないわけにはいかなかった。

 そうみれば「会談が東京で開かれた」というだけで、日本は1点ゲットである。

日本の攻勢、防戦一方の中国
 そのうえで中身をみると、日本の岸田外相が「中国の一方的行動は認められない。事態の完全な沈静化、再発防止を求める」と攻勢をかけたのに対して、中国の王毅外相は「東シナ海の情勢悪化を防ぎ、不測の事態を回避することが重要だ」と防戦に回らざるを得なかった。

 中国は日本の言い分に耳を貸さず、たとえば「オレたちは自分の領海を守っているだけだ」と居直ることもできた。そうせずに「情勢悪化を防ぐ」と言わざるを得なかったのは、強腰一辺倒では他国の理解を得られないと分かっていたからだ。

 これで、日本は2得点目を挙げた形だ。

 加えて岸田外相はG20での日中首脳会談について「東シナ海の状況が改善すれば、大局的な観点からG20での日中首脳会談を含め、対話を通じて日中関係の改善を進めたい」と述べた。

 これは「東シナ海の状況が改善しなければ、日中首脳会談には応じられないよ」と言ったも同然である。逆に「改善すれば、対話を進めてもいい」と通告している。べつに「何が何でも対話(=外交努力)で解決しましょう」と言っているわけではない。

 あくまで状況が改善するかどうかは中国にかかっている、という認識である。それは当然だ。事態を一方的に悪化させているのは中国である。

 しかも実際の行動を見る限り、自ら引き下がって普通の対話=外交路線に戻る気配はない。日本は「どうするかはあなた次第だ」と押した。これがダメ押しの3点目だ。

 中国は軍事力にモノを言わせて縄張りを拡張したいというのが本心なのに、G20を控えて国際世論に配慮せざるを得ないから、日本に会談の流れを支配されてしまった。

 外相である王毅とすれば、会談を決裂させてしまえばG20が大荒れになり、国内で「お前は何をしているんだ」という批判が高まる。自分の立場が一段と弱くなりかねない。だから内心「クソっ」と思っていても、ここはしおらしく振る舞う以外に手はなかったのである。

朝日新聞の「お花畑思考」
 そんな外相会談の深部を見ずに、2国間の話し合いだけで問題解決が可能であるかのような「お花畑思考」にとらわれていると「とにかく首脳会談をやれ」という主張になる。

 典型は朝日新聞だ。

 朝日は8月25日付社説で「首脳会談も年内に必ず実現させるべきだ」と書いた。そうではない。岸田外相が王毅外相に告げたように「中国が東シナ海で乱暴なふるまいを慎めば、日本は応じてもいい」という立場を貫けばいいのである。

 日本側が「何が何でも首脳会談をやりたい」などと言い出したら、相手に足元を見られて「それならああしろ、こうしろ」と無理難題を突き付けられるだけだ。

 そんなイロハも分からず「必ず首脳会談をやれ」などというのは「最初から譲歩しろ」と言っているようなものだ。外交のリアリズムを少しは勉強したらどうか。

 繰り返すが、日本が勝利した要因は中国が国際社会の目を気にせざるを得なかったからだ。国内の軍事優先派は「実力で押し切ればいい」と思っているだろうが、外交当局としては中国の評判を落とすわけにはいかなかった。

 ここは重要である。日本としては軍事的に防御姿勢を固めつつ、外交的には中国を国際社会の場に引っ張りだす。そして「バカなことを続けていると、評判が落ちるだけだよ」と諭していく。

 他国を巻き込みながら、中国を絡めとっていく。そんな外交戦が重要になる。首脳会談を開けば成功で、開けなければ失敗などという単純な話ではない。

予期せぬ武力衝突に備えよ
 中国は3ヵ国外相会談で日本にやられっぱなしになったくらいだから、G20でも攻勢に出るチャンスはまずない。南シナ海や東シナ海での軍事行動を言葉でゴリ押しして正当化すれば、日本だけでなく米欧などさらに多くの国から非難を浴びるだけだ。

 北朝鮮は中国の言うことを聞かず核ミサイル開発を続け、韓国は高高度防衛ミサイル(THHAD)の配備を決めた。台湾では独立派の蔡英文政権が誕生し、香港でも反北京勢力が力を蓄えている。東アジアでも反中国派が身構えている。総じて中国外交はあきらかに失敗しつつある。

 日本が注意しなければならないのは、外交的に失敗し続けているからこそ、中国の軍部が強気になって挑発を強める可能性だ。日本は予期しない武力衝突(contingency)の事態に備える必要がある。

 韓国についても書いておこう。

 日本は元慰安婦を支援するために韓国が設立した「和解・癒やし財団」に対して10億円の拠出を決めた。ソウルの日本大使館前に置かれた慰安婦像が撤去されないのに10億円を払うのはどうか、という批判がある。

 それはよく分かるが、韓国との関係が前進することで対中および対北包囲網が一層、強固になる側面もある。実際、韓国は中国の猛反対を押し切ってTHHAD配備を決めた。中国には間違いなく大打撃である。

 これまで文句ばかり言ってきた韓国を日本が優しく抱きしめる度量を見せた。それで中国が頭に来たなら効果はあった、と理解していいのではないか。


尖閣諸島に漁船・公船が集結…習近平が焦る事情
デイリー新潮 8月26日(金)5時51分配信

 お前の物はオレの物、オレの物もオレの物――「世界のジャイアン」中国が、さかんに尖閣諸島にちょっかいを出している。

「8月15日までで13日連続、尖閣諸島周辺で中国政府所属の公船が確認されるという異常事態が生じています。領海のすぐ外の接続水域では200~300隻の中国漁船が操業し、最大15隻もの公船が集結。5日から繰り返された領海侵入は延べ28回にも及びます。こんなことは過去に例がなく、なぜ今になって突然、と不可解です」(国際部記者)

 禁漁が明けた夏の時期に、尖閣諸島周辺に中国漁船が大量に現れるのは例年のことだという。だが、領海に侵入し、海上保安庁から退去警告を受けた漁船の数は今回、5日間で72隻に及ぶ。昨年1年間で70隻だから、この執拗さは尋常でない。

「海警局の巡視船や漁業監視船といった中国公船の領海侵入が確認された5日からは、日本政府も参事官から事務次官、大使、外相に到るまで、中国にあの手この手で厳重な抗議を30回以上、行なったのにどこ吹く風。公船が11回も領海侵入した7日など、朝から晩まで10回も抗議したが止む気配がない。いよいよ尖閣奪取に本腰か、と警戒感が高まっています」(同)

 海上保安庁によれば、中国は1000トン以上の大型公船を2012年9月段階では40隻しか保有していなかったが、昨年末にはその3倍、120隻にまで増強。ある米シンクタンクはこの猛スピードの増強により日中の海上警備力は逆転しかねないと分析しており、東シナ海での中国の脅威は確実に大きくなっているのだ。

 とある政治部記者は言う。

「尖閣諸島の接続水域に中国の公船が確認された3日は第3次安倍改造内閣が発足した日。新内閣がどこまで我慢できるか揺さぶろうとしているのでは、などとの憶測も流れています」

■高まる内圧こそ恐怖
 だが、政治解説者の篠原文也氏は言う。

「そうした要素もあるかもしれませんが、最も考えられるのは南シナ海問題の影響でしょう」

 7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は南シナ海での中国の領有権に関する主張を全面的に退けた。

『毛沢東 日本軍と共謀した男』の著者で筑波大学名誉教授の遠藤誉氏は言う。

「これがいかに中国に衝撃であったかは、判決を〈紙くず〉、〈政治的茶番〉と切り捨て、日本の陰謀とヒステリックに言い立てた反応からも明らかです」

 南シナ海での領有権が国際法上、認められないとなれば、中国の領海法が定める「台湾、尖閣諸島、澎湖諸島、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島」といった領土の根拠もまた揺らぐ。ジャイアンも必死になるはずだ。

「そこで7月24日からのASEAN外相会議では一部の国をチャイナ・マネーで抱き込み、国際法の遵守を説くアメリカにはそっちこそ国連海洋法条約に加盟せよと居直った。ハーグ判決前、“まず行動を起こせ! 後から言っても何にもならない”という趣旨の発言をしていた習近平は、これで南シナ海問題は逃げ切れた、次は尖閣だ、と乗り出してきたのでしょう」(同)

 だがなぜそこまで焦るのか。前出の篠原氏は言う。

「日中問題は常に両国の国内問題と不可分です。実は、南シナ海問題を政権の外交失策ではないかとする声は根強い。これを挽回し、9月に杭州で開催されるG20までに国内の不満を抑えこみたいのでしょう」

 遠藤氏も言う。

「一党支配体制の中国にとって人民の爆発こそ最大の恐怖。内圧を高めてはならないのです。よい例が11日に尖閣近辺で起きた中国漁船衝突事故。中国船員6人が日本の海上保安庁に救助されて“海警船は何をしていたのだ”と中国内のネットは大炎上。面目丸潰れの中国は慌てて日本に謝意を表明する羽目になりました」

「世界のジャイアン」も、自国民だけには音痴な歌を聞かせられないのだ。

「週刊新潮」2016年8月25日秋風月増大号 掲載


中国外交手詰まり G20へ協調…譲歩はできず
産経新聞 8月25日(木)7時55分配信

 【北京=西見由章】中国の王毅外相は、日中韓外相会談や日中外相会談で隣国との協調を演出した。9月初旬に浙江省杭州で主催する20カ国・地域(G20)首脳会議の成功が習近平政権にとって最優先課題であるためだが、孤立回避のための対外的な譲歩は政権批判につながりかねず、外交戦略は行き詰まっている。

 「中日関係は依然として困難に直面し最も大事な時期だ。努力し続けなければならない」。中国外務省によると、王氏は日中外相会談でそう述べ「中国は日本との政治的な基盤を固め、各分野で交流を展開し、G20首脳会議などで相互に協力したい」とアピールした。

 そうしたポーズはみせながらも、南シナ海や東シナ海、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」などの核心的な問題をめぐって「中国が譲歩することはできない」(共産党機関紙、人民日報系の環球時報)との姿勢は変わらない。

 官製メディアでは、外交的な苦境への言及が増えている。国営新華社通信は、今回の外相会談開催にあたって「中国側が誠意を示した」と譲歩を示唆。タカ派の環球時報も社説で「中日関係で最も重要なのは軍事衝突にいたらないことだ。今回の会談を通じて日韓との緊張が薄まり、象徴的な緊張緩和を演出できればそれでよい」と論じた。

 中国側は、外交的孤立の根本原因は米国だとみている。習政権の外交政策に影響力を持つ北京大学の王緝思教授は中国紙への寄稿で、安全保障や経済面で摩擦が表面化している米中関係について「『新常態』に入った」と表現し、衝突回避への努力を主張した。

 中国が日本による尖閣諸島の実効支配を崩そうとする動きも、今後は米国側の対中姿勢をより意識したものになりそうだ。


比大統領、中国に「落とし前をつける」と警告 南シナ海問題
AFP=時事 8月24日(水)23時34分配信

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フィリピン・マニラのマラカニアン宮殿(大統領府)で演説する同国のロドリゴ・ドゥテルテ大統領(2016年8月23日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領は24日、南シナ海(South China Sea)の領有権争いで解決がみられなければ、いずれ中国と「落とし前」をつける時が来るだろうと警告した。

 オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)は先月、南シナ海をめぐる中国の主張の大半には法的根拠がないとの判決を下した。この判決は、訴えを起こしたフィリピン側の圧倒的勝利とみられた。

 ドゥテルテ大統領はこれまで、攻撃的な対応で中国を怒らせたくないとの考えを繰り返し示し、緊張緩和のために特使を派遣していたが、24日には中国との対立も辞さない姿勢を示した。

 ドゥテルテ大統領は軍基地で兵士たちを前に演説し、「今は、判決についてわめき散らすことはしない。だがいずれ、このことについてわれわれが何らかの落とし前をつけなければならない時が来るだろう」と語った。

 中国側は、仲裁判決を無視する方針を明言している。

 ドゥテルテ大統領は「中国は本当の望みを明らかにするべきだ。望むと望まないにかかわらず、中国はフィリピンのみならずここ東南アジアの全ての国によって、仲裁判決の順守を要求されることになるからだ」と述べた。

 さらに、強大な軍事力を擁する中国に対し、フィリピンへの攻撃について警告し「私が保証する。ここに入り込もうものなら、血塗られたものになるだろう。われわれは簡単には屈しない」と語った。【翻訳編集】 AFPBB News


ランド研がリアルに予測、米中戦争はこうして起きる
JBpress 8月24日(水)6時10分配信

 米国と中国の間には戦争勃発の可能性があり、起きた場合、その展開は日本の動向に大きく左右される──。米国の大手安全保障研究機関、ランド研究所がこんな衝撃的な予測を打ち出した。日本の今後の対中政策や対米政策を考える上で、大いに注目すべき分析だと言えよう。

 ランド研究所は、安全保障や軍事の研究に関して米国で民間最大の組織と言われる。同研究所は、米陸軍当局からの委託で米中戦争に関する調査や研究を進め、その結果を7月末、約120ページの「中国との戦争」という報告書にまとめた。予測期間は2025年までとされている。

■ 米中戦争の勃発は十分にありうる

 同報告書の副題には「考えられないことを考える」とある。報告書はまず、「米中戦争は両国に与えるダメージがあまりに大きいため、起こり得ないとされてきたが、現実はそうではない」とし、誤算や事故による米中戦争の勃発は十分にあり得ると述べる。

 その背景としては、以下の骨子を記していた。

 「米中両国は、軍事的な対決や衝突につながる地域紛争での対立案件を抱え、その地域周辺に大規模な軍事力を保っている。そのため両国は、偶発的な衝突や危機が勃発した場合、攻撃される前に率先して攻撃に出ることへの動機が両国いずれの側にも強く存在する。

 現実に両国は、陸海空、宇宙、サイバー空間などの広大な領域で、戦闘をするのに必要な兵力、技術、工業力、要員を十分に保有している。だから、米中戦争は単に『考えられる』というだけでなく、実際に起こり得るという思考が必要なのだ」

 こうした姿勢や認識は日本の常識からすると、非常に物騒にみえる。“好戦的”とさえ言える危険な発想とも思える。だが米国では、この種の戦争の予測的な総合研究は、「どのように防ぐか」という意図の下に常に続けられているのである。

■ 近い将来に戦争が起きた場合は米国が有利だが・・・

 同報告書は、米中戦争が勃発するきっかけとして以下のような事態を想定していた。

 ・東シナ海の尖閣諸島などをめぐる日中両国の軍事摩擦
・南シナ海での中国のフィリピンやベトナムへの軍事威圧
・北朝鮮の政権崩壊に伴う米中双方の朝鮮半島への軍事介入
・中国の台湾に対する軍事的な攻撃あるいは威嚇
・排他的経済水域(EEZ)や、その上空での艦艇、航空機の事故

 以上のような小規模な軍事的摩擦や衝突が米中両国の戦争へとエスカレートしうるという。さらに同報告書は、米中戦争の規模などは以下のようになるだろうと予測していた。

 ・米中戦争は非核の通常戦力による戦闘となる。
・戦闘では主に水上艦艇、潜水艦、航空機、ミサイルが用いられる。宇宙とサイバー空間も戦いの場となる。
・戦闘は東アジアで始まり東アジアで続くが、西太平洋の広大な地域も戦場となる。
・通常兵器での戦闘が激しくなっても、核兵器は使われないだろう。
・中国は米国本土への攻撃は行わないだろう。
・米国は逆に中国本土へ激しい攻撃を加えるだろう。
・地上戦闘はほとんど起きない。

 同報告書は以上のように米中戦争の特徴を予測し、さらにその戦闘の形態について、(1)短期で激烈、(2)長期で激烈、(3)短期で軽微、(4)長期で軽微――の4つのパターンを挙げていた。

 その上で、それぞれのパターンついて、経済や政治など非軍事面での両国の損失を推定し、戦争の帰趨までを予測していた。その予測によると、数日から数週間の「短期」の場合、そして今から近い将来に戦争が起きた場合には、米国が圧倒的に有利だとしている。

 一方、2025年に近い時期に米中戦争が起きた場合は、中国軍が「A2/AD」(接近阻止・領域否定)戦略の戦闘能力を着実に強化しているので、勝敗の決まらない膠着状態となる可能性が高いとしていた。

■ 中国軍は日本の米軍基地や自衛隊基地も攻撃

 同報告書で特に注目されるのは、米中戦争の勃発と展開に日本が非常に重要な役割を果たすと強調している点である。具体的には、日本は次のような形で関与する可能性があるという。

 ・中国は尖閣諸島周辺における日本との対立で、米国の日米安保条約の誓約を過少評価し、尖閣で日中間の戦闘が起きても米軍は介入しないとみて軍事行動に出る可能性がある。

 ・中国は米国との戦争になれば、日本の米軍基地や自衛隊基地を攻撃する確率が高い。その場合、日本はほぼ自動的に米国と共に戦うことなる。

 ・北朝鮮が中国の「同盟国」として米軍や在日米軍基地にミサイル攻撃を加える可能性がある。その場合も、日本は米国の味方としての立場を明確にするだろう。

 このように同報告書は、米中戦争では日本が最初から米国の同盟国として戦う見通しが強いことを強調する。日本が集団的自衛権の一部行使を容認したことで、その展望はさらに現実的なものとなったとしている。

■ 日本の全面支援で膠着状態は米軍有利に

 同報告書は、米中戦争の勝敗の帰趨についても日本の動向が決定的な要因になり得るとして、以下のような点を強調していた。

 ・米中戦争において、米国の同盟国、友好国の動きはきわめて重要である。中でも日本の役割は決定的となる。特に2025年近くの米中戦争では、日本の潜水艦、水上艦艇、戦闘機、ミサイル、情報・監視・偵察(ISR)などの能力は米側にとって不可欠な基本戦力となる。

 ・米中戦争が長引けば長引くほど、日本の軍事的な対米協力の効果が大きくなる。日本の支援のおかげで、米軍は他の地域の米軍部隊を中国との戦争に転用する必要が減るだろう。中国軍にとって、日米連合の部隊と戦うことは困難になる。

 ・中国軍は2025年頃までには、年来の対米軍戦略の基本である「A2/AD」戦略の能力を大幅に高め、対米戦を勝敗のつかない長期戦に持ち込むことができるようになる。しかし、日本が米軍を全面支援することで均衡は変えられ、米軍は有利になる。

■ 米国の現実的な姿勢を認識しておくべき

 以上の日本に関する数々の指摘の中で、「米中戦争が、尖閣諸島をめぐる日中の対立から勃発し得る」という点は、現在の日本にとってきわめて深刻な意味を持つと言えるだろう。

 同時に、米中関係が表面的に経済交流などで協調的、友好的にみえても、水面下では最悪の状態にあり、米中戦争の発生も想定しているという米国の現実的な姿勢も、日本はしっかり認識しておく必要がある。


南シナ海領有権問題、中国と1年以内に協議=フィリピン大統領
ロイター 8月24日(水)3時33分配信

[マニラ 23日 ロイター] - フィリピンのドゥテルテ大統領は23日、南シナ海における領有権問題について、中国と1年以内に協議するつもりだと述べた。

9月に開催される東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議では、中国側の主張を却下した国際仲裁裁判所の判断に触れない方針であることも明らかにした。

オランダ・ハーグの仲裁裁判所は7月、中国は南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)に対する「歴史的権利」を有しておらず、フィリピンの国家としての権利をさまざまな形で侵害してきたと判断した。

中国はこれに対し反発を強めており、ASEANの加盟10カ国とその「協議国」である中国と米国、日本が出席する首脳会議の場でこのことを取り上げれば、中国の反発が一層高まるとみられる。

ドゥテルテ氏はマニラの大統領府で記者団に対して「中国当局者を怒らせるよりも外交的対話を続ける方が良い」と述べた。

2国間協議の日程について質問されると「1年以内」と答えた。

中国は南シナ海のほぼ全域にわたって主権を主張している。南シナ海は年間5兆ドル相当の海運貿易の輸送路となっているほか、石油や天然ガス資源も豊富とされており、ブルネイやマレーシア、フィリピン、台湾、ベトナムも一部の主権を主張している。

ドゥテルテ氏は首脳会議で仲裁裁判所の判断を取り上げるつもりはないとしながらも「誰かがこだわれば協議する。ただフィリピンは、話し合いの姿勢でいる」と付け加えた。

ドゥテルテ氏は、中国との正式な交渉が失敗に終わった場合について「その後はどうすればいいのだ」と自問した。

対中交渉の担当特使に任命されたラモス元大統領は8月初めに香港を訪問し、中国との関係再構築を図った。ラモス氏は平和と協力の道を中国と追求するために話し合いたいと伝えた。

ドゥテルテ氏は、係争領域であるスカボロー礁で、フィリピンの漁業者が漁業を再開できるように中国と協議したいとした。

2012年に中国はスカボロー礁を実効支配し、フィリピン漁船は近づけなくなった。これを受けフィリピンは国際仲裁手続きを申し立てた。

中国が主権を主張する南沙諸島の砂州や領有地では200カイリの排他的経済水域(EEZ)を認めることができないとする仲裁裁判所の判決を中国は無視し続けている。

中国が実効支配する南シナ海の砂州で建設活動を続けていることに対しては、領有権を主張する他の国のほか、フィリピンの同盟国である米国や日本も警戒感を示している。

中国は活動は平和な目的で行われているとし、自国の領内ではやりたいことをする権利があると主張している。


中国との協議、年内開始=仲裁判決棚上げは「不可能」―比大統領
時事通信 8月23日(火)21時55分配信

 【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ大統領は23日、南シナ海問題で対立する中国との2国間協議について、年内に開始されるとの見通しを明らかにした。

 大統領はこれまでも、中国との協議に積極的な意向を示してきたが、具体的な時期に触れたのは初めて。マニラのマラカニアン宮殿で記者団の質問に答えた。

 大統領は中国とパイプを持つとみられるラモス元大統領を対話のための特使に指名。ラモス氏は今月、香港を訪れ、中国全国人民代表大会(全人代)外事委員会の傅瑩主任委員らと会談した。

 大統領は「ラモス氏はいい仕事をしてくれた」と評価。中国との公式協議が近いかどうか問われると「そうだ。年内だ」と答えた。また、ラオスで9月に開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議では、フィリピンが勝訴した仲裁裁判所の判決について、自分から取り上げる考えはないことも示した。


<稲田防衛相>原子力空母を視察 横須賀基地
毎日新聞 8月23日(火)20時21分配信

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米空母ロナルド・レーガンを視察する稲田防衛相=神奈川県横須賀市で2016年8月23日午後3時8分、村尾哲撮影

 稲田朋美防衛相は23日、米海軍横須賀基地(神奈川県)に配備されている原子力空母ロナルド・レーガンを視察した。米海軍第7艦隊司令官のジョセフ・アーコイン中将とも艦内で会談し、東シナ海や南シナ海での「法の支配」の重要性で一致した。沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入を繰り返す事態を踏まえ、日米同盟の強化をアピールする狙いがある。

 会談では、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対し、日米韓の協力を促進することも確認した。稲田氏は会談で「日米同盟が非常に重要で、この関係をしっかり続けたい」と述べた。

 稲田氏はその後、海外に唯一配備されている同空母について、記者団に「同盟の強さを心強く感じた」と強調。「中国と連携を図ることが重要だ」とも述べ、日中間の緊張がこれ以上高まらないよう冷静に対応する考えも示した。

 稲田氏はこれに先立ち、海上自衛隊横須賀基地も視察し、「緊張感を持って取り組んでほしい」と訓示した。【村尾哲】


稲田朋美防衛相、中国と北朝鮮を念頭に「緊張感をもって取り組んで」と海上自衛隊を激励
産経新聞 8月23日(火)18時7分配信

 稲田朋美防衛相は23日、海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)を視察し、日本周辺における中国や北朝鮮の挑発的な行動を念頭に「緊張感をもって任務に取り組んでいただきたい」と訓示し、隊員を激励した。視察では海自最大艦艇のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」、そうりゅう型潜水艦「こくりゅう」に乗艦した。

 稲田氏はまた、米海軍横須賀基地(同)に配備された原子力空母ロナルド・レーガン艦上で第7艦隊司令官のジョセフ・アーコイン中将らと会談。東シナ海や南シナ海における法の支配の重要性で一致した。

 視察後、稲田氏は記者団に対し、中国の海洋進出について「日本の防衛に万全を尽くす。さらに日米同盟を強固なものにし、しっかりと情報、分析も進めていく」と強調。在沖縄米軍基地に関しては「できるだけ早い時期に視察したい」と述べた。


日本に「適切な行動」要求へ=中国、外相会談で
時事通信 8月23日(火)18時6分配信

 【北京時事】中国外務省の陸慷報道局長は23日の記者会見で、南シナ海問題をめぐる日本の対応を批判した上で、王毅外相が24日の岸田文雄外相との会談で「適切な行動を取るよう要求する」との見通しを示した。

 陸報道局長は「日本は南シナ海問題を誇張している」と改めて主張。「王外相は日本側に中国の厳正な立場を伝え、健全で安定した正しい軌道に中日関係を向かわせるよう求める」と語った。


南シナ海問題で台湾を抱き込みたい中国
Wedge 8月23日(火)12時12分配信

 台湾は南シナ海をめぐる中比仲裁裁判を受け入れないとしていますが、台北タイムズの7月14日付社説は、蔡英文総統は従来の「U字線」ではなく実効支配に基づく主権主張をしていると分析、南シナ海の「島」への主権主張に向けて新たな法的構成を構築するよう説いています。要旨、以下の通り。

絶対に判決を受け入れない
 南シナ海をめぐる中比仲裁裁判の判決(7月12日)は、台湾を法的に拘束するものではないが、台湾が支配する太平島(Itu Aba)を含む、スプラトリー諸島の全ての「高潮時地物」を岩に格下げしたのは驚きだ。太平島は、元来フィリピンが提起した仲裁に含まれていなかったが、台湾外交部の発表によれば、仲裁裁判所は自らの権限を拡大し、太平島は排他的経済水域(EEZ)を持たない岩であると宣言した。

 蔡英文政権は、馬英九前政権が支持していた中華民国の「U字線」政策への調整を行っていた。U字線、あるいは「11段線」は、1947年に中華民国により引かれた。これを、国民党が国共内戦に敗れ台湾に逃れた後、中国共産党が1953年にベトナムに配慮して「9段線」とした。蔡政権は最早、太平島への主権を「歴史的権利」ではなく、実効支配に基づき主張しているようである。12日夜、総統府は、判決を「絶対に受け入れない」との声明を発表したが、U字線への如何なる言及も避けた。

 総統府は、「太平島についての仲裁裁判所の決定は、台湾の南シナ海における島と付随する水域への権利を深刻に損なった」と述べた。太平島のみならず南シナ海の「島」への主権をU字線政策無しでいかに維持するのか疑問が残るとの議論があり得るが、蔡政権は、台湾の主張とレトリックを国際慣行に沿ったものとする努力をした。

 仲裁裁判では、台湾は「中国の台湾当局」と言及され、台湾外交部は「中華民国の主権国家としての地位を貶めるものだ」と非難している。しかし、「一つの中国」の枠組みの下での昨年の馬英九と習近平の会談を考えると、台湾と中国が連携しているとの認識を世界が振り払うのは困難かもしれない。国民党は、蔡政権はU字線を支持するよう主張しており、国民党には、台湾に共に先祖伝来の財産を守るよう呼びかけている中国との協力を主張する立法委員もいる。

 判決は、太平島を岩に格下げしたが、同島への台湾の実効支配や主権をはく奪するものではない。蔡は太平島につき強硬な姿勢をとるよう圧力を受けるかもしれないが、台湾の将来の法的議論の構築には、新たな基盤と努力が可能であるし、そうすべきである。

出典:‘Rock-solid sovereignty over Itu Aba’(Taipei Times, July 14, 2016)

 南シナ海についての国際仲裁裁判所の判決は中国の「9段線」に関する主張を拒絶した点で歴史的意義を有するものとなりました。ただし、この裁決は、台湾との関係では、台湾当局を特殊な問題に直面させることになりました。
本社説は、台湾が主権を主張し、実効支配してきた「太平島」について、台湾としては、新たな法的論拠を構築して今後とも主権を確保する必要がある、と述べています。この社説の内容は、今日の蔡英文政権の立場を反映するものです。

台湾との共闘を探る中国
 蔡政権としては、裁定を受け入れることはできない、との立場をとっていますが、中国の本件裁定に対する立場とは一線を画しており、中国の主張する9段線を含むいわゆる「U字線」についての歴史的主張を行うことなく、ただ、「太平島」が島としての十分な条件を備えたものであり、単なる岩ではないとの主張を行うにとどめています。

 今回の裁定が台湾当局に言及した際、「中国の台湾当局」と記述した点は、複雑な中台関係に対して十分な配慮が行われていないものとして、台湾では与野党がともに裁定を非難しています。中国としては、今回の仲裁裁判の裁定直後に、台湾との間で、南シナ海問題全体に関し、「共闘できないか」との態度を示したことがありましたが、蔡政権としては、あくまでも「太平島」の主権問題は歴史的経緯をもつ9段線(「U字線」)の問題とは関係がなく、「太平島」という特定の島の主権問題であるとして、はっきりと中国の立場と距離を置く対応をしています。

 台湾では、これまで民進党政権、国民党政権ともに、「太平島」をEEZを持つ島として扱い、陳水扁、馬英九の両総統はともにこの「島」を訪問したことがあります。日本にとって直接関連を持つ島の主権問題として「沖ノ鳥島」があります。馬政権の末期に台湾は「沖ノ鳥島」は島ではなく、岩であるとの立場をとり、日本政府の立場に強く異を唱えましたが、蔡政権になってから、これを急きょ変更し、「沖ノ鳥島」が島であるか、岩であるかは、国際ルールに従うべきであって、それまでは台湾としてはいかなる法的立場もとらない、との基本方針を打ち出しています。

 日本としては、「沖ノ鳥島」をめぐる歴史的経緯、地理的条件などに加え、国際ルールについての自らの立場を十分に理論武装しておくことが、中国、韓国のほか、台湾に対処するうえでも喫緊の課題となるでしょう。


稲田朋美防衛相、南シナ海問題で中国牽制
産経新聞 8月22日(月)19時19分配信

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稲田朋美防衛相(写真:産経新聞)

 稲田朋美防衛相は22日、訪日中のタイ軍トップのソンマイ司令官と会談し、中国と東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国などが領有権を争う南シナ海について「ASEAN一体となって法に基づく解決が必要だという声を上げることが重要だ」と述べた。中国の主権を全面的に否定した仲裁裁判所の裁定にもかかわらず、南シナ海の軍事拠点化を継続する中国を牽制(けんせい)したものとみられる。

 タイは2014年のクーデター後、外交・安全保障面で中国に接近している。稲田氏の呼びかけに対し、ソンマイ氏は「話し合いで解決するのがいい」とだけ述べた。日ASEAN間の防衛協力を一層強化したい考えも示した。

 また、稲田氏は11月中旬にラオスで開催が予定されている日ASEAN(東南アジア諸国連合)防衛相会議に出席したいとの意向も示した。


米空軍、爆撃機3機種を初の同時配備 グアム島
CNN.co.jp 8月21日(日)15時30分配信

(CNN) 米空軍は21日までに、B52、B1、B2の戦略爆撃機3機種の全てを米領グアム島のアンダーセン空軍基地に同時に配備したと発表した。

配備は今月実施されたもので、同基地に3機種がそろうのは初めて。領有権論争が高まる南シナ海や北朝鮮による威嚇的な核開発やミサイル発射が続く北東アジア地域で任務に当たる。

米空軍当局者などはグアム島での3機種の展開はアジア太平洋地域における信頼出来る防衛力の誇示につながると強調した。


米爆撃機3機種が同時展開 中国牽制か 五輪閉会式前後の尖閣強奪懸念
夕刊フジ 8月20日(土)16時56分配信

 米太平洋軍が、戦略爆撃機のB52、B1、B2の3機種を同時にアジア太平洋地域に展開している。東シナ海や南シナ海で軍事的覇権を強める中国が、リオデジャネイロ五輪の閉会式(21日)前後に暴発することを牽制する狙いとみられる。安倍晋三首相が日本を留守にする「重要警戒Xデー」とは。沖縄県・尖閣諸島に、中国の海上民兵が強行上陸する暴挙だけは、日米の絆で断固阻止しなければならない。

 「地球規模での安全保障への米国の関与と、信頼性のある戦略防衛能力を示した」

 米太平洋軍は17日、3機種の爆撃機展開を発表し、こうコメントした。爆撃機は米領グアムのアンダーセン空軍基地を離陸し、南シナ海や北東アジアで活動したという。同じ空域で同時に活動するのは初めてだ。

 B52は「ストラトフォートレス(成層圏の要塞)」との愛称を持つ長距離戦略爆撃機。全長48・5メートル、全幅56・4メートルと巨大で、航続距離は約1万6000キロ。核爆弾や巡行ミサイルなどを大量に搭載でき、「死の鳥」と恐れられている。

 B1は、低空を超高速で敵地に侵入する戦略爆撃機で、全長44・8メートル、全幅41・6メートル、最大速度はマッハ1・2。可変後退翼を採用する。愛称は「ランサー(やり)」だ。

 B2は、全翼機という特殊な形状で、高いステルス性能を持つ。全長21メートル、全幅52・4メートル。大ヒット中の映画「シン・ゴジラ」にも登場した。

 習近平国家主席率いる中国は今月に入って、尖閣周辺の接続水域や領海に大量の公船や漁船を侵入させている。漁船には、軍事訓練を受けた100人以上の海上民兵が乗り込んでいるという。

 安倍首相は、リオ五輪の閉会式に出席するため、20日に政府専用機で出発し、23日まで日本を留守にする。自衛隊の最高指揮官が不在のスキを狙って、中国の海上民兵が尖閣強奪に着手する危険性はあり得る。

 当然、海上保安庁や陸海空自衛隊が最高レベルの警戒態勢を敷いているが、同盟を組む米軍も黙ってはいない。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「米軍が3機種の爆撃機を同時展開するのは異例だ。中国に対して『場合によって空爆も辞さない』という明確なメッセージを伝えるものだろう」といい、続けた。

 「中国は『平和の祭典』であるリオ五輪の最中も、東・南シナ海での挑発をやめていない。米国としては、『リオ五輪が終わり、習氏が議長を務める中国・杭州でのG20(20カ国・地域)首脳会議が始まる前が危ない』と分析したのではないか。そもそも、昨年の米中首脳会談で、習氏は『南シナ海の埋め立てはやめる』と約束したが守っていない。オバマ米大統領がケジメを付けるため、空爆を決断する可能性はある」


負傷した越漁民、ヘリで救助=南シナ海の西沙海域―中国
時事通信 8月20日(土)15時19分配信

 【ハノイ時事】ベトナムのメディアは20日、南シナ海・西沙(英語名パラセル)諸島海域で操業中に負傷したベトナム漁民を救助するため、中国の海難・捜索当局がヘリコプターを派遣したと報じた。

 漁民は海南島へ運ばれ、手当てを受けたという。

 報道によると、漁民は16日に漁船のスクリューでけがをした。船長からの救助要請を受け、ベトナムの関係当局が中国側に連絡。中国当局は17日にヘリコプターを現場海域へ送り、出血で衰弱していた漁民を搬送した。

 中国が実効支配する西沙諸島付近では12日、荒天を避けるためボンバイ(中国名・浪花)礁へ待避しようとしたベトナム漁船が、中国に停泊を拒否されている。


<中国海軍>日本海で演習…機関紙「定例訓練」
毎日新聞 8月19日(金)21時37分配信

 【北京・河津啓介】19日付の中国軍機関紙・解放軍報によると、中国海軍は18日、日本海で軍事演習を実施した。記事は「定例の訓練で、特定の国家、地域、目標に対するものではない」と説明しているが、沖縄・尖閣諸島や南シナ海の問題で緊張が高まる日本をけん制する意図がありそうだ。

 詳しい演習海域は伝えていない。

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