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2016年8月 2日 (火)

どこまで図に乗る中共支那、南シナ海にミサイル・戦闘機を配備・22

南シナ海の他国領海で横暴な侵略行為を強行している中共支那が、スプラトリー諸島のファイアリークロス礁を勝手に埋め立てて造成した飛行場へ強引な侵略飛行を行なったのに続き、今度はベトナムから強奪したパラセル諸島のウッディー島に地対空ミサイル8基を配備し、さらに対空機関砲の設置に加えて戦闘機まで進出させた。
一方でベトナムと領有権めぐって係争中のスプラトリー諸島にあるクアテロン礁などには、高周波レーダー施設を設置したことも明らかになった。

同諸島はかねてよりベトナムと中共がその領有権めぐって係争中であり、こうした地域を一方的に自国領と断言し軍事施設を建設して、支配権の既成事実化を試みる中共支那の好戦的・冒険的な侵略行為は、ベトナム・フィリピンなど近隣諸国や関係国および公海上の海上交通路(シーレーン)の安全を脅かし、いたずらに紛争の危険性を高める、国際法上認めることの出来ない危険な挑発行為である。

この中共の重大かつ危険な挑発行為に対して、アメリカなどがこうした危険な行為を停止するよう要求しているにもかかわらず、これに対して中共は「最も重要なことは(自国の設置した)レーダーなどではなく、(米軍の)戦略爆撃機や駆逐艦を含む最新兵器が日々、南シナ海に出現していることだ」として居直り、こうした一連の行為が「(自国の)主権の範囲内」と強弁している。

こうした中共の態度は、世界の秩序を完全に愚弄する思い上がり図に乗ったものであり、中共がこうした態度を改めない限り、この地域での紛争・戦争の危険は日に日に増大するものと見なければならず、その結果中共軍は敗走して共産党の威信は失墜し、国内の暴動によって中共は崩壊するだろう。

このような凶暴かつ愚劣な行為を改めなければ、招来する重大な結果について、中共支那はその一切の責任を負わなければならない。

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リンク:中国、スプラトリーの人工島に格納庫…米研究所 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:緊迫・南シナ海 ベトナム、中国・人工島に向けロケット砲配備か インドからミサイル購入も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ロケット砲発射台配備か=ベトナム、中国に対抗―南シナ海 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプの中国好きが高める台湾海峡リスク - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:EXCLUSIVE-ベトナムが南シナ海にロケット弾発射台を配備、「正当な権利」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ファイアリクロス礁の衛星写真 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国、南シナ海の各礁で航空機格納庫を建設か=米シンクタンク - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国、南沙諸島に補強格納庫=米シンクタンクが画像分析 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:朝日新聞記者の媚中記事DCから発信 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ナチスに酷似する中国、宥和では悲劇再現も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海で爆撃機など飛行=中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:越HP「南シナ海は中国領」=ハッカーが侵入か - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:岸田氏10日から訪比…仲裁裁判決で結束確認へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国製インフラ、混乱続き 米などの高速鉄道計画が頓挫・延期 南シナ海裁定も痛手 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:領有権裁判で赤っ恥の中国、周辺諸国を丸め込む“カネの力” - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米空軍、グアムにB1配備 中東で作戦従事後 - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:南シナ海のスカボロー礁、比政府が自国漁師に操業を避けるよう警告 - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:南シナ海問題、中国は「不法侵入者」を訴追の姿勢 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国最高裁、東・南シナ海の主権を改めて強調 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海問題、平和的解決へ 米・シンガポール首脳が会談 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国連海洋法条約の順守を=「南シナ海」で中国に迫る―米シンガポール首脳 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:防衛白書 中国「関係悪化をそそのかし」強い不満 韓国は竹島記述に「不当な領有権主張」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<防衛白書>安保法制へ理解促す 中朝への批判高める - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<防衛白書>「増強の口実」中国側が反論 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:空母艦載機パイロット事故死 中国「なぜそんなに勇敢なのか」と「烈士」扱い… - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ついに領海侵犯した中国の「灰色の船」。日本は「言うだけ番長」でいいのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベトナムの食堂に「中国人客の入店おことわり」張り紙 南シナ海問題で高まる反中国感情 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<防衛白書>中国海洋進出「強い懸念」 北朝鮮の脅威強調 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

中国、スプラトリーの人工島に格納庫…米研究所
読売新聞 8月10日(水)20時30分配信

 【ワシントン=大木聖馬】米政策研究機関「戦略国際問題研究所」(CSIS)運営のウェブサイト「アジア海洋透明性イニシアチブ」(AMTI)は、中国が南シナ海・スプラトリー諸島の人工島で戦闘機や爆撃機、偵察機などが収容可能な格納庫の建設を進めているとの分析を明らかにした。

 中国による軍事拠点化の着実な進行に懸念が高まっている。

 AMTIが公開したのは同諸島のファイアリー・クロス、スービ、ミスチーフ礁の衛星写真で6月上旬から7月下旬にかけて撮影された。ファイアリー・クロス、スービ礁では戦闘機用格納庫が完成に近づいている。ミスチーフ礁での格納庫建設は初期段階とみられる。

 同サイトによると、最も多く設置が進んでいる小型格納庫には、中国軍の戦闘機が収容可能。中型格納庫は爆撃機や早期警戒管制機、大型格納庫は大型輸送機や空中給油機などが収容できるという。


緊迫・南シナ海 ベトナム、中国・人工島に向けロケット砲配備か インドからミサイル購入も
産経新聞 8月10日(水)18時41分配信

 【シンガポール=吉村英輝】ベトナムが南シナ海のスプラトリー(中国名・南沙)諸島に移動式のロケット弾発射装置をひそかに設置したことが10日、分かった。ロイター通信が複数の欧米の当局者の話として伝えた。ロケット弾は中国が軍事拠点化を進めている同諸島の人工島を射程に収めるとされ、中国の反発で緊張が高まる恐れがある。

 ロケット弾発射装置は、ベトナムがイスラエルから調達した最新鋭のEXTRAロケット弾発射システム(最大射程150キロ)とみられ、数カ月前にベトナム本土から同国が実効支配する岩礁など5カ所の拠点に船で移送された。数日中に稼働を開始できるという。

 ロケット弾は重さ150キロの高性能爆薬やクラスター爆弾を搭載でき、発射装置の機動性も高いため、敵の上陸作戦にも効果的に対処できる。現在の配備地点からは、中国が滑走路などを建設したミスチーフ(美済)礁、スービ(渚碧)礁、ファイアリークロス(永暑)礁が射程に入る。

 ベトナム外務省はロイターに情報は「不正確」としたが、専門家らは、南シナ海での主権主張を仲裁裁判所に否定された中国が強硬手段に出る事態を警戒し、ベトナムが防衛体制の強化に動いたと分析している。

 一方、インドからの報道では、モディ首相は9月に訪越し、南シナ海問題などを協議する見通し。インドは中国を牽制する思惑から、ベトナムに最新式の巡航ミサイルや対潜魚雷を供与する方向で協議を進めると予想されている。


ロケット砲発射台配備か=ベトナム、中国に対抗―南シナ海
時事通信 8月10日(水)18時28分配信

 【ハノイ時事】ロイター通信は10日、ベトナム政府が南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島に確保している五つの拠点に、ロケット砲の移動式発射台を配備したと香港発で報じた。

 領有権を争う中国が南沙諸島海域で造成した滑走路や軍関連施設への攻撃が可能としている。

 また、複数の西側外交筋や軍当局者による情報として、ベトナムが最近数カ月の間に発射台を現地へ送り、それらは空から見えないよう隠されていると伝えた。ロケット砲は装着されていないが、2~3日で態勢を整えることができるという。

 軍事アナリストは、南シナ海でのベトナムによる主権確保のための軍事活動としては、この数十年間で最大のものだと指摘した。


トランプの中国好きが高める台湾海峡リスク
Wedge 8月10日(水)12時10分配信

 米ブルッキングス研究所のオハンロン上席研究員が、7月4日付の米ウォール・ストリート・ジャーナル紙で、トランプ大統領候補のアジア政策は、台湾の核化の動きを助長するなど、台湾海峡の戦争リスクを増大すると警告しています。主要点は次の通りです。

 ドナルド・トランプはアジアからの米軍撤退を主張し、日韓は核武装をするのが最善かもしれないと示唆している。この考えは基本的に間違っている。それは日中戦争のリスクをもたらし、NPT不拡散体制を揺るがす。

台湾海峡の戦争リスク
 しかし、最大の危険は台湾海峡に戦争リスクをもたらすことである。在日米軍基地なくして、米国は中国の台湾攻撃を抑止できない。その場合、中国は、台湾への武力行使について今まで程には躊躇しなくなるだろう。

 さらに、台湾は核武装に向かうかもしれない。中国はこれまで台湾が核化すればそれを阻止するため攻撃することを明らかにしている。米国は、1979年台湾関係法により台湾防衛にコミットしている。これは、NATO条約第5条ほど明確な規定ではないが、今まで中国抑止の効果を発揮してきた。今の状況は安定的であるが微妙である。中国は、2つのこと、すなわち台湾の独立と台湾の核化の場合には武力を行使すると述べてきている。

 トランプが大統領になれば、台湾の指導者は大きなジレンマに直面する。台湾は1970年代と1980年代末期に核開発をしようとしたことがある。核の傘がなくなれば、台湾にとって核化のインセンティブは大きくなる。トランプのアジア戦略を実行すれば、米国にとって、海軍と長距離爆撃機を除き、台湾を防衛する手段がなくなる。これらの能力だけでは中国による台湾の封鎖を解除することは難しい。

 このような状況は米国にとり決して望ましいことではない。台湾を、中国に対して自らで守らねばならないような状況に追いやることは危険である。トランプのアジア政策の最悪の結末はここにある。

出 典:Michael O’Hanlon ‘If a President Trump Turns His Back on Taiwan’ (Wall Street Journal, July 4, 2016)

 上記論説は、全くの正論です。トランプ候補の政策は、中国に間違ったシグナルを送り、台湾の核化インセンティブを強めるという2つのことにより、海峡情勢をこの上なく危険にするとオハンロンは主張します。台湾の現状を動かすことは、中国に行動のキッカケを与えることになりかねません。注意深く現状を維持、強化していくことが肝要です。

 トランプの対外政策、同盟政策は非常に問題が多いです。しかし、トランプが共和党候補になったという現実は直視する必要があります。当面出来ることは、種々頭の体操をしながら、大統領選挙の行方をフォローするしかないように思われます。トランプの外交政策の問題は、国際秩序の維持に係る米国の国際的役割を全く理解せず、他の多くの国と同じような自国第一主義を取っていることです。

中国にとって好都合なトランプ
 中国は、トランプを好んでいると言われます。米国のアジアからの撤退は、中国にとっては戦略的に好都合です。場合によっては、米中間の「新たな大国関係」が築けるかもしれません。G2でアジアと世界を仕切れるかもしれません。南シナ海のような問題についても矛先が弱まると思っているかもしれません。

 過去、台湾による核開発疑惑が問題となったことがあります。その都度、米国は一貫して台湾の核化に反対の立場を取ってきました。台湾は、1971年の国連中国代表権問題の決着により、中国が国連に入った後、NPT条約の締約国ではなくなりました。しかし、台湾は、IAEAとの特別査察協定と米台原子力協定により、IAEAの査察を受けています。このような枠組みの中で台湾が核化することは実際不可能に近いことです。更に、核の問題で米国の後ろ盾を失うことは台湾にとり存亡の危機に直面することを意味するので、簡単にはそれに乗り出せないでしょう。しかし、トランプが大統領になれば、台湾で核化の声が大きく成りうることは、オハンロンが指摘する通りです。それは、海峡情勢の危険を高めます。

 米国のある国際政治学者は、核は保有する国が多ければ多いほど、国際均衡は安定すると論じましたが、それは恐怖の均衡による安定です。台湾の核化が起きれば、それは単に核不拡散の問題にとどまらず、台湾海峡の危険増大という極めて深刻な地域問題となります。


EXCLUSIVE-ベトナムが南シナ海にロケット弾発射台を配備、「正当な権利」
ロイター 8月10日(水)10時15分配信

[香港 10日 ロイター] - ベトナムが、領有権問題が生じている南シナ海の複数の島でひそかに武装化を進めている。複数の西側当局者によると、同海域で中国が設置した滑走路や軍関係施設・設備を攻撃できる移動式のロケット弾発射台を新たに配備したという。実効支配を進める中国との緊張が高まる可能性がある。

複数の外交筋や軍当局者が、情報機関が入手した情報として明らかにしたところによると、ベトナムはここ数カ月間に、ロケット弾発射台を南シナ海の南沙諸島(スプラトリー諸島)の5拠点に送った。発射台は空からは見えないようになっており、ミサイルはまだ設置されていないが、2─3日で態勢を整えることが可能という。

ベトナム外務省は、詳細には踏み込まず、情報は「不正確」と述べた。

6月、ベトナム国防省のNguyen Chi Vinh次官はロイターに対し、スプラトリー諸島に発射台や武器を配備してはいないが、そのような措置を講じる権利はある、と語っていた。

同次官は「われわれの主権の及ぶ領域内で、いつどこにでもいかなる武器を動かそうとも、それは自衛のためのわれわれの正当な権利である」と話した。

ベトナムのロケット発射台配備は、スプラトリー諸島で中国が造成する7つの人工島の設備増強に対抗することが狙い。ベトナム軍の戦略担当は、中国による滑走路建設やレーダー設置などにより、ベトナム南部および島の防衛が脆弱になることを懸念している。

軍事アナリストは、今回のベトナムの動きがここ何十年もの間で、南シナ海における最も大きな防衛行動と指摘している。

フィリピンがオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴した裁判で、中国の主張を否定する裁定が下され、緊張の高まりが予想されるなか、ベトナムはロケット弾発射台の配備を必要としていたと、外交筋は語る。

ベトナム、中国、台湾がスプラトリー諸島全域の領有権を主張している一方、フィリピン、マレーシア、ブルネイはその一部の領有権を主張している。中国国防省はロイターに対し、「中国軍は、南沙諸島周辺の海上と上空の状況を厳重に監視し続けている」と、ファクスでこう回答した。

<最新のシステム>

外交筋と軍事アナリストは、ベトナムが配備した発射台は、最近イスラエルから購入した最新鋭のEXTRAロケット弾発射装置システムの一部だとみている。

射程距離は最大150キロメートルで、重量150キロクラスのさまざまな弾頭を搭載できる。複数の標的を同時に攻撃することも可能だ。

この最新システムによって、ベトナムは、南沙諸島の渚碧礁(スビ礁)、永暑礁(ファイアリークロス礁)、美済礁(ミスチーフ礁)で中国が建設した長さ3000メートルの滑走路と施設を、自国が領土とする21の島嶼(とうしょ)と岩礁の多くから射程に入れることができる。

「ベトナムがEXTRAシステムを入手した時、スプラトリー諸島に配備されるだろうと常に思われていた。それは完璧な武器となる」と、ストックホルム国際平和研究所で武器専門のシニアリサーチャー、シーモン・ウェゼマン氏は述べた。

ただこれまでのところ、発射実験を行ったり、移動させたりした様子はないという。


ファイアリクロス礁の衛星写真
時事通信 8月10日(水)0時1分配信

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6月3日に撮影された南シナ海・南沙諸島ファイアリクロス(中国名・永暑)礁の人工衛星写真。複数の格納庫が写っている(CSIS Asia Maritime Transparency提供)


中国、南シナ海の各礁で航空機格納庫を建設か=米シンクタンク
ロイター 8月9日(火)14時46分配信

[ワシントン 8日 ロイター] - 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)は8日、最近の衛星写真を調べたところ、中国は南シナ海の各礁で航空機格納庫を建設したようだと明らかにした。

7月下旬に撮影された写真によると、スプラトリー(中国名・南沙)諸島のファイアリークロス(永暑)礁、スビ(渚碧)礁、ミスチーフ礁(美済礁)で建設された格納庫は中国空軍のいかなる戦闘機でも格納できる余裕があり、いずれの格納庫も構造補強の痕跡が見られるという。

CSISはリポートで「今年に軍輸送機がファイアリークロス礁に短時間滞在したのを除き、中国が軍用機をこれらの前哨基地に展開した証拠はない。しかし、3礁すべてで補強された格納庫が短期間で建設されたことは、現状変更の可能性を示唆している」とした。

中国の外務省と国防省からは今のところコメントを得られていない。


中国、南沙諸島に補強格納庫=米シンクタンクが画像分析
時事通信 8月9日(火)14時38分配信

 【ワシントン時事】米シンクタンク、戦略国際問題研究所(CSIS)は8日、最近の人工衛星画像から、中国が南シナ海・南沙(英語名・スプラトリー)諸島で、軍用機も利用できる補強した航空機格納庫を建設しているという分析結果をまとめた。

 中国が軍事拠点化を強めている可能性がある。

 画像は南沙諸島のファイアリクロス(中国名・永暑)礁、スービ(渚碧)礁、ミスチーフ(美済)礁で6~7月にかけて撮影された。いずれも軍用機は写っていない。

 画像に写った格納庫は、小型のものでも中国軍の全てのタイプの戦闘機を収容できる。中型のものは爆撃機H6や空中給油機H6Uを収容可能で、最も大きい格納庫は大型輸送機「運20(Y20)」なども収めることができるという。


朝日新聞記者の媚中記事DCから発信
Japan In-depth 8月9日(火)0時0分配信

「日本はいまこそ中国の南シナ海での無法な行動に理解を示し、中国抑止の国際的な動きに加わらず、対中関係を改善すべきだ」――こんな骨子の記事が英文でワシントンから発信された。
中国の行動を非難せずにすべて受け入れるべきだとする中国政府の主張と同様のこの媚中論調は中国側からではなく、日本の朝日新聞記者からだった。

アメリカの首都ワシントンも8月の第一週となると、かなり静かになる。やはり多くの人たちが夏休みで旅行に出たりするからだろう。そんななかで旧知のアメリカ人元外交官から「こんな奇妙な記事をみたのだが、どう思うか」という問いあわせのメールがあった。貼り付けられた記事をみると、大手のシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」の日本部が発信しているニュースレターの一部だった。

英文のその記事は「南シナ海裁定後の日中関係の新段階」というタイトルだった。発信の日付は8月1日、冒頭に筆者の名前がないので、とくにかく読み始めた。冗長な記事だが、我慢して読み進んだ。内容は確かに奇異だった。 

この記事はまず国際仲裁裁判所から中国が南シナ海での領有権主張を「根拠なし」と排されたことについて、もっぱら「中国は主権問題では第三国や国際機関の裁定は一切、受け入れないと以前から決めていた」「中国政府が国内のナショナリズムに配慮して対外的に強硬な行動や言明をとるのはやむをえない面もある」「中国外交は伝統的に言葉は強硬だが、穏健な問題管理の方法をきちんと見いだしてきた」などと、中国政府側の立場を擁護する。

さらに「中国はベトナムとの南沙諸島の領有権紛争では共同開発という穏健な解決も求めたことがあり、習近平政権は同様に妥協するかもしれない」などという明らかに事実に反する記述もあった。その一方、この記事は中国のそもそもの無法で侵略的な海洋攻勢を非難することはなく、また中国がアメリカや東南アジア諸国から厳しく糾弾されている事実にもほとんど触れない。

そしてこの記述がいかにも中国政府のプロパガンダのように響くのは、とくに日本関連の部分だった。今回の国際裁定に対し中国各地で抗議デモが起きたことを取り上げ、2012年の反日のデモや暴動になぞらえて、「先の事態では日中両国でナショナリズムが高まり、政府の政策選択を狭くした」「日本もナショナリズムの再現を防がねばならない」「日本は中国を今回の事態で追い詰めてはならない」というふうに、しきりに日本側の自制を求めるのだ。そのへんには論理がうかがわれない。

さらにこの記事は最大ポイントの主張として、日本が南シナ海での警戒航行など海上自衛隊をアメリカ海軍などとの共同安全保障行動に参加してはならないという点を再三、強調していた。「日本の南シナ海での軍事プレゼンスは日中両国間に深刻な緊張を生む」「日本は第二次大戦で南シナ海をも侵略の対象としたのだから、中国側はそもそも日本は南シナ海問題に関与する資格はないとみなす」などというのだ。とにかく自衛隊が南シナ海に出ていくことへの執拗な反対を繰り返すのだ。

まさに中国政府の主張そのものを転電したような記事だった。いまの日本に中国の南シナ海での無謀な拡大や国際仲裁での敗北に対してナショナリズムが高まっているなどという気配はどこにもない。日本の官民ともアメリカなどと歩調をともにして、国際裁定を支持し、中国の膨張戦略を批判するという範囲である。なのにこの記事は日本側に対してナショナリズムを排して、慎重に中国に向き合えと求めるのだ。

この奇妙な記事の文末に記された筆者の名をみて驚き、そしてなるほどとも感じた。筆者は朝日新聞記者の林望氏、CSIS日本部に客員研究員として出向中だというのだ。この林記者の記事がいかに奇妙で媚中であるか、その最終部分をさらなる例証として紹介しよう。

「中国の王毅外相が7月に意外にも日本の杉山晋輔外務次官と会談したことは日本との近隣外交を復活させる意思の表示だろう。日本はこの機会に国際仲裁裁判所の裁定を使って、中国との二国間関係を改善するべきだ。その日本の動きは中国政府に対する中国内部の圧力を緩和させ、より穏健で責任のある道へと進むことを助けるだろう。日本のそのような外交はアジア太平洋地域の安定への寄与を推進するだろう」

日本は今回のそもそもの南シナ海での中国の国際規範違反の行動も、その行動を悪だとした国際裁定もまったく無視して、ひたすら中国との関係を中国側が求める言動をとることによって進めよ、と主張するわけだ。これこそ日本の国益も国際的な規範も考えずに、ただただ中国に媚びる論調だといえよう。

私に最初にこの記事への問題提起をしてきた元アメリカ人外交官も「国際世論や米国の政策、そして日本の多数派の意見までを無視して、中国側の主張だけを正当化して宣伝するこんな記事がなぜCSISの名の下に出るのか、理解できない」と述べていた。ただし記事の末尾には「CSIS日本部はこの種の個別の記事や論文の内容には無関係である」という注釈がついていた。

ちなみに日本のネットで筆者の林望氏について検索すると、以下のような記述が出てきた。

≪林望(はやし のぞむ)は朝日新聞の記者、北京特派員。石原前東京都知事による尖閣購入計画や、日本政府による尖閣国有化に反対し、日本側が挑発して日中関係が悪化した、悪いのは日本側だとする視点からの記事を書き続けている≫

古森義久(ジャーナリスト・国際教養大学 客員教授)


ナチスに酷似する中国、宥和では悲劇再現も
JBpress 8月8日(月)6時15分配信

 フイリピンがオランダ・ハーグの仲裁裁判所に提訴していた南シナ海への中国進出、いわゆる「九段線」という南シナ海全域に及ぶ歴史上の管轄権は、正当性がなく国連海洋法条約(UNCLOS)違反と認定された。

 その他においても中国の主張は全面的に認められなかった。

 すなわち、中国の南沙諸島における埋め立て(ミスチーフ礁、ファイアリー・クロス礁など)は低潮高地(満潮時水没)の人工島であり領海や排他的経済水域(EEZ)は認められない、フイリピン200海里内の水没しないスカボロー礁は中国のEEZや大陸棚の根拠たる島でなく岩である、というものである。

 また、中国の漁業妨害、環境保護違反なども指摘されている。

■ 半世紀近い海洋進出の歴史

 中国は、予想以上の厳しい判決に狼狽し、それが強制力を伴わないことを盾に、拒否する声明と9か国語の反論文書を発出した。また裁判における日本人判事の政治的陰謀、判決は紙くずに過ぎない、法衣をまとった政治的茶番劇などとヒステリックな非難を繰り返している。

 さらに南シナ海で数次の演習を繰り返し、判決拒否の態度をあからさまに示している。国連安保常任理事国そして国連海洋法条約締結国としての責任と矜持があるのかと疑わざるを得ない。

 振り返ると、1970年代、当時の南ベトナムから武力で西沙諸島を奪い、1980年代後半さらに南沙諸島に一方的に進出し実効支配を強めてきた。海洋進出は「偉大なる中華民族復活」の象徴として、すでに半世紀近く継続している。

 判決後も「南シナ海は核心的利益、あらゆる手段を駆使して守る」と全く譲歩しない姿勢を堅持して、資源開発、シーレーンへの影響力強化の経済上と原子力潜水艦の太平洋進出の拠点化という軍事上の目的を達成しようとしている。

 この間の中国の政治、外交は、1933年(昭和8年)のナチスドイツの独裁体制確立以降の姿勢に近似している。

 アドルフ・ヒトラーは、ベルサイユ体制の破棄による「大ドイツの建設」、優秀民族たるゲルマンは「相応する生存権を確保すべき」という目標のもとに、ヨーロッパにおいて独善的な行動を開始した。

 1933年の再軍備から、2年後には常備軍制限撤廃を宣言し、一挙に36個師団、55万人という西欧諸国を圧倒する陸・空軍力を整備した。36年にはライン川左岸地区非武装地帯へ進駐し、英国の譲歩によって総排水量42万トンに及ぶ海軍の建設を推進した。

 この軍事力を背景に1938年にはオーストリア併合さらにズデーデン地方進駐、隣接するチェコスロベキアの併合と恣意的に拡大の一途を進んだ。

 擬えてみると、中国の西沙諸島進出は、ライン川左岸進駐であり、南沙諸島進出とそれに伴う防空識別圏の設定がオーストリア併合になろう。

 中国は南シナ海の中央領域を西沙から南沙諸島さらにスカボロー礁へ、いわば線から一辺700キロ~900キロに及ぶ3角形の面へ拡大を企図している。

 今後の焦点はスカボロー礁における中国の活動である。同礁は2012年以降中国が実行支配し既に周辺海域の測量を開始し人工島造成への準備を行っているとの情報もある。

 もし、スカボロー礁埋め立てによる人工島造成、滑走路整備、軍事施設の配置が実行されるならば、ズデーデン地方進駐、ひいてはチェコ併合に匹敵する拡大行為である。

■ ナチス躍進の歴史と酷似

 このエスカレートが予測される行動は、アジアの平和と安定を崩し、ひいては軍事力優先の世界に逆戻りするターニングポイントといっても過言ではない。

 いまや国際社会は、海洋における中国の過剰な権益主張と既得権を狙った人工島造成などを阻止すべき最終段階にあることを認識せねばならない。

 もし、スカボロー礁の埋め立て、滑走路建設、レーダー基地などの設置を許すならば、ヒットラードイツに西欧社会が数次の宥和と譲歩を重ねている間に機を失し、第2次大戦という最悪の状況に追い込まれていった歴史に重なる。

 すなわち、英国の宥和的態度、フランス国内混乱、ソ連の老練な外交(ドイツと英仏を天秤にかけた)、米国の不干渉主義など主要国の協調がなかったため断固とした対抗手段もとれず、チェコ併合の段階に至ってにわかに強硬姿勢に転じたが、すでに時遅しという轍を踏んではならない。

 この教訓に鑑み、いまこそ国連海洋法条約に加盟する166か国や地域と関連するアジア諸国は協力して中国に自制を促すだけでなく断固たる処置をとる覚悟が必要である。

 国際社会の要となるのが、海洋の公共財としての価値と航行の自由を標榜する米国である。

 経済的な米中連携に配慮するバラク・オバマ大統領は中国の海洋進出に宥和的であったが、南沙諸島ファイアリー・クロス礁の300メートル級滑走路建設、レーダー配置など軍事拠点化に危機感を持ち、一方的な防空識別圏内にB-52を飛行させ、昨年10月から、航行の自由作戦を開始した。

 その後、ベトナムへの武器輸出解禁、インドへの軍事技術供与、THAADの韓国配備(直接は北朝鮮対処であるが、中国への圧力ともなる)などの対処を始めた。さらにフリピンには事実上の米軍駐留を四半世紀ぶりに再開した。

 しかしながら、今回の判決に対しては、明快に支持のコメントを発していない。また、中国へ米海軍高官を派遣して話し合いを模索したが、中国海軍の居丈高の強硬姿勢になすすべもなかった。中国は米大統領選挙(11月)までの政治空白も巧みに利用している。

 「意見の食い違いがあるからこそ真摯な対話が必要」という考え方を否定するわけではないが、中国がそれに応え得る体制にあるかが問題である。

 習近平主席は「戦って必ず勝利する軍隊」のため軍改革を進め、なかでも、陸・海・空軍を横断的に再編成、統合運用可能な部隊を編成し、自らが迷彩服を着用した姿も報道させている。

 経済停滞による共産党に対する不信感を「強い軍隊の建設」で一掃し国民の求心力を得ようとしていると思われる。人工島完成ごとに大々的な宣伝を行い、愛国心の高揚を図っている状況から、対外的に強硬姿勢を軟化させることはあり得ない。

 日本に対しても、東シナ海の尖閣列島のみならず、鹿児島沖のトカラ海峡を一方的に国際海峡として海軍情報艦を航行させ、既成事実を積み重ねようとしている。事案は些細なことかもしれないが、まさに、南シナ海の人工島造成と同様のやり方である。

■ 米国の泣き所

 問題は米国側にもある。

 それは、米国が国連海洋法条約を批准していないことである。

 批准には上院の3分の2以上の賛成が必要であるが本条約は後進国に有利で、米国の国益にそぐわないとして見送られている。米国は従来から順守してきた慣習法で十分であり、強力な海軍力を保持することが米国の国益に資するとしている。

 しかしこの態度は、中国に言いがかりを与える。米国は海洋問題に関連する国際会議などに積極的に参加して実質的には加盟国と同等の活動を行っているので問題はないとされるが、海洋の自由を尊重する国としてはふさわしくない。

 また中国が条約脱退をして米国と同じ立場を採ることも考えられる。早急に批准して条約加盟国として海洋の自由を堂々と主張すべきではないか。

 中国と領土、領海を直接接するASEAN(東南アジア諸国連合)の一致協力は何より重要であるが、南シナ海から隔離し経済上のつながりが深い親中のカンボジア、ラオスなどは判決承認に消極的である。

 反面、ASEANの有力国であるインドネシアなどは中国と距離を置き始めている。日本は「南シナ海行動規範(COC)」の策定を支持し、海洋の自由と法の支配こそがアジアの発展と友好につながることを粘り強く訴え続けねばならない。

 また、インフラ整備のため経済援助の推進、領海警備の艦船、航空機、レーダー、通信機などの装備でASEANを支援することも重要である。

 今後、我が国として留意することは、「政経分離」の甘言に惑わされることなく、法と正義に基づく毅然とした日中関係を確立することである。

 この際、米国との同盟関係のもと、同じ価値観を有するオーストラリア、インド、EUとの連携にも配慮せねばならない。そして、我が国は不法な行為や侵略に対して、遅疑逡巡することなく国際的な経済制裁あるいは有志連合として断固たる姿勢を示さねばならない。

 さらに何よりも重要なことは、不法、侵略行為が領土、領海に及んだ場合は米国頼みでなく、まずは自力で守り抜くという気概と態勢を保持することである。

■ 心配な沖の鳥島

 今回の判決で注意すべき点は沖の鳥島である。経済的活動や人間の居住がない場合は島でなく岩とされる。

 中国は判決拒否の態度とは矛盾するが「沖の鳥島は人工島であり領海や排他的経済水域はない」という従来からの主張が裏づけられたとして日本非難を強める可能性がある。これに耐えうるよう海底資源開発などの実際的な活動が実施されねばならない。

 現在、我が国は北方領土問題で、クリミア併合で国連から経済制裁を受けているロシアと交渉進展を図っている。

 中国は海洋へ、ロシアはクリミアへと共に軍事力を背景として現状の国際秩序を変更することで急速に接近し、今年中には南シナ海での海軍共同演習も計画している。

 そこで、中国を非難しながらロシアと友好的に交渉するというのは、外交上のダブルスタンダードになる。中国の行動を抑止しようとする国際社会の結束を乱さない慎重な交渉が望まれる。

 最後に、今回の強者中国に対するフイリピンの法律戦戦略には見習うべき点が多い。

 国連海洋法条約では締結国は海洋の境界画定について裁判対象から外す権利を認めている。これにのっとって中国は「領海の線引きについて仲裁裁判所で争うことをしない」と、はやばやと宣言していた。

 フイリピンは、これを逆手にとって中国が実効支配している(西沙諸島のウッデイ礁、南沙諸島のミスチーフ礁、ファイアリー・クロス礁)のは人工島であり、本来は低潮高地(満潮時水没する)である点を争点にした。

 人工島には、条約上、領海や排他的経済水域は存在しない。これを根拠として中国の主張する領海などを間接的に否定する方法をとった。また仲裁裁判所の判決は上訴がなく1回の判決で確定する点も考慮に入れている。

 フイリピンの法律戦における深謀遠慮は見事というほかはない。

 「戦わずして勝つ」国際法の戦いで有利な地位を獲得したことを他山の宝石とすべきである。


南シナ海で爆撃機など飛行=中国
時事通信 8月6日(土)16時34分配信

 【北京時事】中国メディアによると、中国空軍報道官は6日、爆撃機H6Kや戦闘機スホイ30を含む複数の種類の軍用機が南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)付近などの空域を飛行したと明らかにした。

 同礁は中国とフィリピンが領有権を争っており、爆撃機などの飛行で実効支配を誇示したとみられる。


越HP「南シナ海は中国領」=ハッカーが侵入か
時事通信 8月5日(金)20時34分配信

 【ハノイ時事】ベトナムの学生向け新聞シンビエン・ベトナムのウェブサイトが5日、接続できない状態となった。

 インターネットメディアのVNエクスプレスは「南シナ海は中国固有の領域」などと書かれた画面が現れた後、接続不能になったと報じた。

 中国の有名なハッカー集団「1937CN」の名とともに、中国の南シナ海領有権を主張するメッセージが表示されたという。

 また、ベトナムのネット保守機関のウェブサイトも4日に何者かの攻撃を受け、接続できなくなった。


<岸田外相>10~12日にフィリピンを訪問
毎日新聞 8月5日(金)17時58分配信

 岸田文雄外相は5日の記者会見で、10~12日にフィリピンを訪問すると発表した。6月に就任したドゥテルテ大統領やヤサイ外相と会談する予定。仲裁裁判所が南シナ海問題で中国の主張を否定したことを踏まえ、フィリピンと連携して中国に判決の順守を求める考えだ。

 岸田氏はドゥテルテ氏の早期来日も要請する見通し。会見で「新政権との意思疎通は大変重要だ。安全保障、経済関係を含め、さまざまな分野での協力を議論したい」と述べた。【前田洋平】


外相、10日から比訪問=大統領らと会談へ
時事通信 8月5日(金)10時43分配信

 岸田文雄外相は5日午前の記者会見で、フィリピンを10日から12日の日程で訪問すると発表した。

 6月に就任したドゥテルテ大統領やヤサイ外相と会談し、日比の協力関係強化を確認する。南シナ海問題では中国の主権を否定した仲裁裁判所の判決の順守を求めていくことで足並みをそろえたい考えだ。

 ドゥテルテ氏の就任後、日本の閣僚が会うのは初めて。岸田氏は「新政権との間で戦略的なパートナーシップを確認し、安全保障、経済関係などさまざまな分野の協力について議論したい」と述べた。


岸田氏10日から訪比…仲裁裁判決で結束確認へ
読売新聞 8月5日(金)9時16分配信

 岸田外相は10日から12日の日程でフィリピンを訪問する方針を固めた。

 6月末に就任したドゥテルテ大統領やヤサイ外相と会談する。南シナ海における中国の主権主張を否定した仲裁裁判所の判決を踏まえ、日本とフィリピンが結束して中国に判決順守を求めていくことを確認する見通しだ。安全保障分野での両国の協力強化についても意見交換する。

 日本の閣僚がドゥテルテ氏と会談するのは初めて。岸田氏は南シナ海問題で日本がフィリピンを後押しする姿勢を改めて打ち出し、ドゥテルテ政権との関係構築を図りたい考えだ。


中国製インフラ、混乱続き 米などの高速鉄道計画が頓挫・延期 南シナ海裁定も痛手
産経新聞 8月5日(金)7時55分配信

 中国が次なる成長戦略として野心的に進める、高速鉄道計画を中心とした「中国製インフラ」輸出が、世界各地で頓挫や延期などの混乱を引き起こしている。(上海 河崎真澄)

 ◆水力発電事業も中断

 「建設に大幅な遅延が生じる」。米ネバダ州ラスベガスとカリフォルニア州ロサンゼルスを結ぶ高速鉄道計画(全長370キロ)で、米企業のエクスプレスウエストは6月、中国鉄道総公司が率いる中国企業連合に合弁解消を通告した。

 同プロジェクトは総投資額127億ドル(約1兆3500億円)。昨年9月の習近平国家主席の訪米時に調印した、中国による初の対米鉄道輸出だ。中国側は「無責任だ」と猛反発したが、米国側はすでに新たな合弁相手を探している。

 中国は、日本に競り勝つ形でインドネシアでも高速鉄道計画を受注したが、なんと建設許可も得られない手続き不備のまま1月に着工式に踏み切り、建設遅延など混乱が続く。シンガポールでは納入された都市型鉄道車両のうち、大半でヒビなど重大な欠陥が判明。ミャンマーでは水力発電事業が中断に追い込まれた。

 習指導部は、中国を起点に陸路と海路で欧州までインフラ建設で結ぶ「新シルクロード(一帯一路)」構想を掲げている。需要を無視した過剰生産で積み上がった建設資材も、インフラ輸出と組み合わせれば一石二鳥で解消できる狙いだ。

 昨年12月に発足した中国主導型の国際金融機関、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も輸出金融を支える目的だった。だが、そもそもインフラ輸出で経験の少ない中国。にもかかわらず世界各地で一気にプロジェクトを推し進めようとしたため計画遂行はギクシャクするばかり。事業パートナーとして国際的な「信頼」を得られずにいる。

 ◆「国際的な信頼失墜」

 さらに障害となりそうなのが、南シナ海をめぐる仲裁裁判所の裁定を、中国が「紙くず」と全面否定したことだろう。国際法を無視し、自国の主張だけを声高に叫ぶ姿勢が改めて明らかになったからだ。仮に南シナ海で一方的な軍事行動などをとれば、「国際的なビジネス相手として信頼が失墜する」(大手商社幹部)との懸念も広がっている。

 中国は今年12月、世界貿易機関(WTO)加盟から15年を迎えるにあたり、通商面で有利になる「市場経済国」に認定するよう日米欧などに迫っている。だが対外トラブルの数々や国際法軽視の行動などで、「国際社会の一員として中国を扱い続けることは難しくなる」(同)のも事実だ。

 国際社会にとっては、浙江省杭州で9月に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議で、議長国の中国との距離感をどう取るかも微妙なところだ。


領有権裁判で赤っ恥の中国、周辺諸国を丸め込む“カネの力”
デイリー新潮 8月5日(金)5時50分配信

 7月12日にオランダ・ハーグの仲裁裁判所が下した判決は、〈(中国が南シナ海において)歴史的な権利を主張する法的根拠はない〉と、中国の主張を全面的に退けるものだった。これを受け中国メディアは〈あまりにバカバカしい〉などと書き立てたが、こうした“逆上”は「国内世論を意識してのこと」(東京福祉大学国際交流センター長の遠藤誉氏)であるという。

 一党支配体制を敷く共産党の求心力を高める手段でもあった南シナ海進出に待ったをかけられたことで、中国政府の面子は丸潰れだ。しかし、ASEM(アジア欧州会議)で安倍晋三総理と会談した李克強首相は「介入をしないように望む」と牽制し、鳩山由起夫元総理を中国主導のAIIB(アジアインフラ投資銀行)の顧問役に引き入れたりと、中国は「逆襲」の布石も打っている。

 こうしたパフォーマンスは、当然、国内世論だけでなく国際世論を意識した一面も持っている。

 大手メディアの国際部記者が解説する。

「ASEMでの李克強と安倍総理との会談には驚きました。完敗判決直後のタイミングで、よく日本の総理と会ったなと。つまり、この会談自体、中国による宣伝・外交戦の一環と言えます。最も敵対的な関係である日本のトップとも対話できるのだから中国は孤立していないと、国際的にアピールする場として利用したんです」

■フィリピンへのアメ玉
 無論と言うべきか、「したたか」な中国は国内的、国際的なイメージ戦略とともに、当事者を懐柔することも忘れていないようだ。

 京都大学名誉教授の中西輝政氏は、今後の中国の出方をこう読む。

「フィリピンに経済的援助というアメ玉を与え、この問題をもう蒸し返さないと言わせようとするでしょう。そもそも、今回の判決には拘束力はあるものの強制力はありませんからね」

 先の遠藤氏も、フィリピン側の動向に注目する。

「フィリピンが提訴したのはアキノ大統領時代の2013年でしたが、今年6月に就任したドゥテルテ大統領は判決前に、『戦争を望まない。我々に有利な判決が出ても中国と話し合う』と述べていました。そして、この発言を中国メディアは繰り返し報道しています」

 実際、ドゥテルテ大統領は、

「就任前から在フィリピンの中国大使と接触し、鉄道整備への支援を取り付けた親中派です。したがって、中国がカネの力でフィリピンを丸め込み、当事者同士が問題ないとしているのだからと、幕引きを図る可能性がある。その証拠に、早速、ASEMでは同じく親中派のカンボジアに570億円の経済支援を約束し、『陣営』の引き締めを行っています」(前出・国際部記者)

 とどのつまり、中国が判決におとなしく従い、国力に劣るフィリピンに領有権を譲るという漢気(おとこぎ)を見せる兆候は微塵も感じられないのだ。

「特集 仲裁裁判で完敗した『中国』共産党はどうする?」より

「週刊新潮」2016年7月28日号 掲載


米空軍、グアムにB1配備 中東で作戦従事後
CNN.co.jp 8月4日(木)16時18分配信

(CNN) 米空軍は4日までに、アジア太平洋地域における米軍の軍事力強化のため複数の戦略爆撃機B1を米領グアム島のアンダーセン空軍基地に派遣すると発表した。機数は伝えられていないが、今月6日に到着予定。

同基地当局者は、配備の期間は無期限と表明した。同基地を拠点に作戦に従事してきた第69遠征爆撃機編隊所属の戦略爆撃機B52の任務を引き継ぐ。グアムに送られるのは第34遠征爆撃機編隊のB1で、米太平洋軍の指揮下に入る。

同編隊のB1は昨年の1~7月にイラクやシリア、アフガニスタンの軍事作戦に従事し、630回以上にわたって出撃していた。米太平洋軍司令部は声明で、グアムへの今回の配備により、太平洋軍と地域の同盟国、パートナー諸国は信頼出来る戦略的な作戦遂行能力を保有することになると強調した。

アジア情勢は現在、南シナ海の領有権論争や北朝鮮による相次ぐ弾道ミサイル発射実験などで緊張が高まっている。この中で米軍はB52を朝鮮半島上空などを飛行させ北朝鮮をけん制する軍事力を誇示してきた。

B52は今年4月、アンダーセン基地に配備されていた。5月19日には同基地での訓練中に墜落、炎上する事故も起きていた。事故原因の解明作業は依然続いている。


中韓のイチャモン すべて「NO!」と蹴っ飛ばせ!
WiLL 8月4日(木)12時20分配信

「I am Japanese!」
高山 バングラデシュのダッカで起きたイスラムテロ(7月1日夜)を報じた産経新聞の社会面トップの見出しを見ましたか。「日本人です。撃たないで」とデカデカと出ていた。「I am Japanese, Don't shoot!」と叫んだのに、おかまいなしに撃たれたというんだ。
宮脇 日本人が7人、イタリア人9人が殺されました。人質にコーランを暗誦させて、イスラム教徒の現地人は逃がしたのね。
高山 昔なら、“I am Japanese“と言えば絶対に撃たれなかった。イスラム社会では、日本人だというだけで大歓迎されたんです。90年代にバングラデシュに行ったとき、ダッカの街を歩いていたら、「日本の方ですか」って日本語で話しかけられたことがある。日本に出稼ぎに行っていたという人だった。バングラデシュはみんな敬虔なイスラム教徒で、実に親日的でね。
 イランにいたときなんか、「シナ人かコリアンか」と聞かれて、「いや、日本人だ」と答えると、態度がガラッと変わって、表情も見る見るゆるんで。白人と戦争して勝った国と言う印象だった。イスラム圏では日本人はほんとに特別待遇だった。
宮脇 二十世紀の白人中心の世界を変えたのは日露戦争だし、白人に虐げられた有色人種を鼓舞したのは日本人だということを、日本の教科書は教えようとしない。なぜ日本の誇るべき歴史を教えないの。嘘でもわが国は立派だったと教えるのがどの国でもあたりまえなのに、逆に「日本が悪かった」という嘘を教育者が教えたがるというのは本当に信じられない。
高山 イラクとシリアの国境線を引いたガートルード・ベル女史の『シリア縦断紀行』に、ふだんは無口なベドウィン(アラブの遊牧民族)が夜ごと集まってうれしそうに騒いでいたという記述がある。話題は日露戦争で、彼らは日本軍の勝利を「自分たちの部族の勝利のように喜びあった」と書いています。メッカに向かう巡礼たちから情報が集まるんだろうね。そこから驚きと喜びが波紋のように広がってイスラム教徒を奮い立たせた。日本はイスラムの憧れ、希望の星だった。
 エジプト紙「アル・モヤド」は「イスラムは日本と同盟すべきだ」と書き、詩人ハフェズ・イブラヒムは「日本人は東洋にかつての日々を取り戻し、黒い人にも褐色の人にも同じ権利を認めさせた」と詠んだ。彼が書いた「日本の乙女」という詩が、長い間イスラム圏の教科書に載っていました。FBIには「イスラム系組織は日本を白人との戦いのために再臨した預言者と呼んだ」「マルコムXは俺が入りたい軍隊はただ一つ、日本陸軍だと言った」という記録が残っている。
 彼らには「日本は負けていない」っていう日本の不敗神話があるんだ。イラン・イラク戦争で激戦地のホベイゼに行ったときのことだけれど、イランの革命防衛隊パスダランたちはみな赤い布を額に巻いていた。「神は偉大なり」と書いてあった。「日本のハチマキに似ている」と言ったら、「日本人の真似をしたんだ。イスラム聖戦士は武士と同じだ」って胸を張る。本当に感激するぐらい、彼らは強い日本が好きなんです。だから、中東通ぶっている鳥越俊太郎がどこかで「イスラムの民は平和を愛する日本を尊敬している」と発言をしたので驚いた。「米国と組む好戦的日本はイスラムのイメージを壊している」、だから狙われるみたいなことを言いたいらしいが、それは真っ赤な嘘だ。
宮脇 もし日本がなかったら、有色人種の奴隷世界がそのまま続いていたと言ってもいい。日本一国だけで世界秩序を変えたわけです。しかも精神的に変えてしまったから、キリスト教圏はものすごくショックを受けた。その意味でいえば、モンゴル帝国が十三世紀にキリスト教圏にまずショックを与えている。イスラムもオスマン帝国が十六世紀と十七世紀に神聖ローマ皇帝の本拠地であるウィーンを包囲したことがあるけれど、二十世紀には日本が世界に大ショックを与えたわけですよ。
高山 アメリカのメディア博物館「ニュージアム」が、1999年に「二十世紀の百大事件」を発表しています。一位が原爆を投下して日本を降伏させたこと。二番目が月面着陸で、三位が真珠湾攻撃、四位がライト兄弟の有人動力飛行の成功だったかな。日露戦争は百位までには入っていないけれど、ホロコーストよりも、日本人が白人支配に対して抵抗したことのほうが大事件だったんだ。
 日本が第二次大戦で再び白人国家を相手に戦争を始めたとき、メッカから「エゼキエルの船」の設計図が日本に送られたという話まであります。これは旧約聖書に出てくる無敵の空飛ぶ空母のことですが、要するに、「共に戦おう」というメッセージなんだろうね。少なくとも第二次大戦まではイスラム圏と日本というのはものすごく仲がよかった。それがいつ変わったか。

バングラテロは朝日の罪
高山 2004年に、今井紀明、高遠菜穂子、郡山総一郎という三人がイラクの武装勢力に捕まった。今井というのは親が共産党員で、本人も民青。高遠は革マルか何かの極左の女なんだ。それで「ノー小泉」とかなんとか言って、イラクに自衛隊を派遣した小泉首相が悪い、PKOがいけないと、マスコミや左の連中が騒ぎ始めた。だけど、そもそもアラビア語も英語もしゃべれない三人のやりとりをタクシーの運転手が聞いて、それで人質にされたといういい加減な始まりだった。あの三人は間違いなく、どこかからイスラム圏に送り込まれて「右傾化する日本」をイスラムに吹き込もうとした政治臭ぷんぷんだった。
 しかも、そのあと安田純平と渡辺修孝というのが人質になった。これはもう完全な馴れ合いで、すぐ釈放されて帰って来たんだけれど、渡辺は「自分たちを助けるために政府は自衛隊を撤退させるべきだったのに、あやうく命を落とすところだった」と言って、日本政府に対して五百万円の損害賠償を求める訴訟を起こした。もちろん全面敗訴したけれど、イラクから脱出するときにかかった政府負担の帰国費用をヤツはまだ払っていない。
 こうした一連の怪しげな出来事をデカデカと取り上げて自衛隊派遣を批判していたのが朝日新聞だった。自衛隊の部隊がイラクのサマワに派遣されると、朝日は「日本はかつてブッシュに金を出した。イスラムの敵だ」と書き立てた。
宮脇 朝日って、戦前は「暴支膺懲(暴虐な支那を懲らしめろ)」なんて言ってシナ事変を煽った新聞でしょう。戦後になると180度変わって、反省と称して“南京大虐殺“や“従軍慰安婦“を捏造して中国人や韓国人を煽った。そうして今度はイスラムに反日を広めようとしている。もう理解不能。
高山 まるで自衛隊員の墓標のような、ヘルメットをかぶせた銃剣を地面に突き刺したカットまで朝日は載せた。自衛隊員はイラクへ行って殺されればいいと言わんばかりだった。特派員の川上泰徳たちはサマワの自衛隊宿営地を正確な地図付きで紹介して、宿舎のイラストも付けた。そのせいで迫撃砲弾が宿舎に三発撃ち込まれたんだ。イスラムが日本を敵とみなした瞬間だった。それもこれも日本の悪口を吹き込んだ朝日新聞の罪だ。しかも、危険が迫ったサマワから民間人が退去することになったとき、朝日はその日時から移動のコースまで記事にしました。「ここを狙えば殺せるぞ」というわけです。
 朝日はいま安保法に反対して「自衛隊員が死んだらどうするのか」なんて言っている。いったいどの口で言うのか。朝日がイスラム圏に対して煽った反日の成果がバングラテロです。朝日はあのテロの確信的共犯者だと言っていい。

手綱を失った朝日
宮脇 朝日新聞がイスラムを反日にする動機は何なんだろう。
高山 60年安保騒動があったでしょう。朝日が煽って安保反対のデモ隊が国会前に二、三十万人押しかけ、東大生の樺美智子が押しつぶされて死んだ。あのままいったら、暴力革命が起きたかもしれない。
 ところが、そうならなかったのは、朝日の論説主幹だった笠信太郎が、在京各新聞社の編集局長を呼んで、「一切の暴力を排除して議会主義を守れ」という統一社説を書かせたからです。テレビやラジオも右へならえして、騒動は収まった。これはアメリカの意向によるものです。実は、笠信太郎はCIA長官アレン・ダレスの子分だった。これはかくれもない事実ですよ。
 アメリカは、戦後処理を朝日新聞に任せていたと見ると分かりやすい。日本が二度とアメリカに盾突かないように世論を誘導し、国力を弱体化させるのに朝日はちょうどいい存在だった。それで60年安保闘争をどんどん煽ったら、やり過ぎて樺美智子という死者を出し、共産主義革命が起こりそうになった。それで日本を赤くしてどうするんだってダレス様に叱られて、笠信太郎が騒ぎを押さえた。つまり、当時の朝日は落としどころを知っていたわけだ。
 朝日新聞が米国から与えられた役割は常に政府を攻撃して日本社会を混乱衰微させることだけれど、政府を倒すまではやってはいけない。ところが、笠信太郎が死に、そのあたりをわきまえている連中もどんどん物故してしまった。
宮脇 アメリカの差し金だというのは、すごくよくわかります。いろんなところで見えつかくれつして、いまだに生き残っている。
高山 『WiLL』に載っていた朝日OBの長谷川●(ひろし)と永栄潔の対談なんかを読むとよくわかる。今までは、駒として使われていた左傾化した記者たちが、手綱を失って反日・反政府で暴走しているだけなんだ。日本叩きをやって日本を孤立させるというのが朝日新聞の使命であることに変わりはないんだけれど、落としどころがわからなくなっているわけだ。イスラムに対してさんざん反日を煽った川上泰徳は「どこから生まれた敵意なのか」なんていまごろ言っている。バカか、お前が蒔いた種じゃないか。「方向を見失ってしまいました」ということを自らさらけ出しているようなものだ。もう制御不能で、何もわからず暴走しているんだよ。

EUは食いつめ者の互助会
高山 今回のイギリスのEU離脱は英国民が判断を誤ったという見方が多いけれど、古森義久が、キッシンジャーをはじめとするアメリカの評論家の発言を引いて、「それは決して悪いことじゃない」と産経のコラムに書いていた。各国の主権を抑える超国家組織としてのEUの存在が問われているという内容です。つまり世界政府みたいな発想は破綻したということだね。
 イギリスの国民投票の結果は、欧米エリートの超国家による統治という「夢」を打ち砕いた。エリートたちは、愛国心や国家への愛着を非合理なものとしてバカにしていたんだ。ところが英国民はそんな「夢」はいらない、グローバリズムくそくらえという判断を下した。それでエリートたちが感情的になって英国民を糾弾しているというわけだ。
宮脇 日本でも、何かというとビジネスの損得の話ばかりで、EU離脱に投票した英国民は経済がわかっていないという論調ばかりですからね。超国家的な組織に対して自国の主権と価値観を守るという視点がまったく欠けている。
高山 EUは、そもそもドイツとフランスがお互いもう戦争を起こさないようにしようというところから始まった。普仏戦争(1870~71年)以来、第一次世界大戦、第二次大戦まで、ドイツとフランスは戦争ばかりしていたからね。だけど、それは無理だよ。白人から戦争を取ったら何も残らないもの。
宮脇 最初は欧州石炭鉄鋼共同体(ECSC。1951年設立)でしたね。フランスとドイツ(当時西ドイツ)の石炭と鉄鋼の生産を共通機関の管理下に置いた。当時、石炭と鉄鋼は戦争に欠かせない資源だったから、それを共有するということは、お互いに戦争しないことを意味した。
高山 最初はドイツとフランスとベネルクス三国(オランダ、ベルギー、ルクセンブルク)、それにイタリアの六カ国が参加した。この顔ぶれには共通点がある。EUの本性と言ってもいい。それはみな植民地を失った負け犬国家と言うことだね。ドイツは、第一次大戦で早々に全植民地を失った。青島から南太平洋から、ナミビアまですべて失ってジャガイモばかり食っていた貧しい中世のドイツに立ち戻った。国民の不満を背景にヒトラーが熱狂的な支持を集めて第二次大戦に突っ走ったけれど、また負けた。ところが、勝ったはずのフランスや英国やオランダも、第二次大戦後、植民地をあらかた失ってスゴスゴ引き揚げてきた。最初のEUは食えなくなった者同士の互助会だった。
宮脇 それもこれも日本が白人支配に対して立ち上がったせいです。ヨーロッパの国々は日本に対して恨み骨髄ですよ。

日英露三国枢軸同盟
高山 日本へのルサンチマンをもとに独仏伊、ベネルクスが手を組んだ。やってみたらうまくいった。で、その枠を少し広げよう、もっと貧しいチェコやルーマニアとかの東欧を含めば安価な労働力が手に入るし、自分たち欧州人たちだけの市場にもなる。それがEUに発展した。もっとさかのぼれば、EUの構想はルーズベルトとチャーチルが調印した大西洋憲章の流れで生まれている。この八カ条の憲章には欧米圏の白人たちだけの経済協力と通航の自由と関税障壁の撤廃が語られ、ルーズベルトは、憲章の対象は白人のみ、有色人種は含まないと語っている。
宮脇 EUは欧州連合という名前にとらわれて、ヨーロッパの故郷であるギリシャを排除できなかったのよ。ヘロドトスの時代にはヨーロッパといえばギリシャのことだったから。だけど、十五世紀にオスマン帝国に征服されて、昔のギリシャ人はほとんどいなくなったし、習慣も食べ物もトルコ化して、いまではヨーロッパ人とは全然違う人たちです。
高山 ギリシャも東欧も入れたのはメンバーとしてというよりも、独占的経済圏の域内植民地、つまり労働力の補給源兼市場と見ているのじゃないか。
宮脇 そう、商品を売りさばく市場が広がるだけでなく、安い労働力が手に入るから。東ヨーロッパも加えたのは、介護や清掃、肉体労働を担ってくれる人たちがそこにいる。しかも言葉も近くて、顔つきも似ている人たち。それが、EUが広がった理由でしょう。
高山 ところが国境をなくしたら、本来埒外であるはずのシリアやリビアから英仏海峡トンネルを通って移民がドヤドヤ入ってきた。英国にしてみれば、白人同士の互助会で市場を広げようと思っていただけなのに、トルコ人はいるわ、エチオピア人は来るわ、シリア人は来るわ、リビア人は来るわ。「移民の割当てだって? 冗談じゃないよ」というのが本音だろう。
 しかも、敗戦国だったはずのドイツが盟主みたいに威張っていて、そのお付きにフランスがいて、かつての大英帝国はその下にいる。アジアで言えばまるで中国が親分で、朝鮮が代貸し、日本がナンバースリーみたいなものだ。やってられるかって言いたくもなるでしょう。
宮脇 日本では国際経済がどうなるかという心配ばかりしているけれど、こういうとき、明治時代の政治家なら、これを好機ととらえて、日本はどう立ち回ればいいかと考えたはずです。たとえば第三次日英同盟を結ぶとかね。
高山 中国が英国のシティに接近して、人民元の国際通貨化が進むだろうとか、のんきに言うヤツがいるけれど、いちばん頼れる通貨は円であって、だからどんどん円高になっている。元高なんか聞いたこともない。
宮脇 世界情勢の変化もまるで他人事なんです。自分たちはどうするかという主体性がない。
高山 朝日新聞でベタ記事の扱いだったけれど、ヒッチンズ駐日英大使が、英国や欧州にとって日本は重要な投資国だと発言している。英国のEU離脱にあたって、日本は自らの影響力を過小評価せず、自分たちの要求をハッキリ言ってほしいとね。
 これは懇願だよ。ヒッチンズ大使は「何で日本は傍観者のような態度をとるのか」と言いたいんだ。日本はいまや国際的にプレイヤーの役割を求められている。にもかかわらず自分はプレイヤーじゃないといつまで思いこんでいるのかということです。
宮脇 本当にそのとおり。日本人はどうして自分たちを矮小化して見るんだろう。いつも受け身で、これからどうなるのかって遠くからながめているばかり。外交上の戦略がまったく感じられない。
 EUができたとき、それに対抗して、日本・中国・韓国と台湾の儒教圏でアジア共同体をつくったらどうかって、言った人がいましたよね。そんなバカなことばっかり。ヨーロッパとアジアでは全然歴史が違うということがわかっていない。中国や韓国と協力してやっていけるわけがないじゃありませんか。
高山 日本のせいで植民地を失った国々が作り上げた貧乏人互助会を当の日本人がうらやましがってどうする(笑)。そんなことより、安倍総理は、プーチンと緊密な関係をつくろうとしているし、EUの親玉ドイツは日本が大嫌いだし。ロシアと英国を誘って日英露三国枢軸同盟を結ぶというのはどうだろう。アメリカ、EUに対抗する一大勢力ができるよ。

中国人は恥ずかしくないのか
宮脇 中国軍の戦闘機が、スクランブル発進した自衛隊機に攻撃動作を仕掛けて、自衛隊機が戦域から離脱したということを、元航空自衛隊司令官の織田邦男さんが公表しましたね。防衛省では誰が織田さんにリークしたんだって犯人捜しをしていたとか。防衛省幹部は「中国機が実際にどこまで空自機に迫ったかが問題だ」なんて能天気なことを言っていました。都知事選に出た鳥越さんは、「いったいどこの国が日本に攻めてくると言うんですか。そんなの虚構です」と言ったらしいけれど、実際に中国は戦争を仕掛けてきたんですよ。
 防衛省も、ハッタリでもいいから「今度仕掛けてきたら黙っていないぞ」くらい言わなければ、中国は「これくらいはまだ大丈夫だ」と判断して、もっと過激な挑発行動をとってくる恐れがある。中国に間違ったサインを送ったらダメなんです。
高山 オランダ・ハーグの仲裁裁判所が、中国の南シナ海支配は国際法上無効であるという判決を下したけれど、中国は「紙くずだ」とか言って従う気はない。それどころか猛反発して新たな軍事行動に出る恐れがあると言われています。日本は中国に対してもっと強く出ないといけない。
宮脇 横っ面張るべきでしょう。日本の悪口を言ったり、脅しをかけたりしてくるのは向こうの勝手だし、彼らなりの理由もあるでしょう。だけど日本がそれに同調する必要はない。日本は日本の国益でものを言えばいいのよ。
高山 習近平はアジアに向かって偉そうに勝手なことばかり言っているけれど、お前には中国がアジアを裏切ったという認識はないのかと聞きたくなるね。ベトナムの国士、潘佩珠(ファン・ボイ・チャウ)(1867~1940)が言った「欧鯨米虎」──欧州の鯨とアメリカの虎にアジアが飲み込まれそうな危機にあって、アジア諸国とともに戦うどころか初めから欧米やソ連についてアジアを裏切り、日本を裏切った。それを恥ずかしく思う神経はないのか。
宮脇 ないない。人間が何人死のうが、自国民がどうなろうが、そんなことは何も考えないのが中国人です。日本と同文同種なんて、真っ赤な嘘。中国人には人権なんていう意識は一切ありません。本当は少数民族は全部殺してしまって、彼らのいる土地だけがほしいんです。ウイグル人やチベット人が何万人死のうが、その土地の資源が大事なだけですから。
「アジアを裏切った」なんて言われたって、そもそもアジアという概念がないから、何のことかわからないと思う。「アジア? 何それ。なんで縁もゆかりもない人間を助けなければいけないんだ?」くらいが関の山でしょう。日本人がどんなに理想を語ろうと、自分たちの理解できないことを言われると、日本人は何かよからぬ目的のために壮大な嘘をついているとしか考えない。
高山 劉震雲(りゅうしんうん)という作家が書いた『人間の条件1942─誰が中国の飢餓難民を救ったか(原題:温故一九四二)』という本がある。四年前に映画化もされています。1942年に河南省で干ばつが起きて、自分の子供を煮て食うような凄惨な飢餓が続いた。蒋介石は重慶で知らんふりを決め込んでいた。それを救ったのが日本軍だった。日本軍が食料を分けてくれたおかげで村人たちは生き延びることができた──そういう内容です。
宮脇 だって蒋介石は、日本軍が追ってこられないようにわざと洪水を起こして、自国民を殺して逃げた人だもの。そのときも日本軍が村人を救ったんです。日本軍の行く先々でそういうことがあった。日本兵がいる村のほうが安全で、掠奪もない。食糧はちゃんとお金を払って調達した。現地の人と仲よくやっていこうとして親切にしたんです。シナ人にひどいことをしたのはシナの軍隊です。シナ人にとって歴史とは政治のことだから、事実なんて関係ない。戦後になってすべて日本が悪いということにしたんです。

怒る国とつけ上がる国
高山 とんでもない連中だというのはよくわかるけれど、じゃあ、そんな国にどうやってモノを言えばいいんだろう。
宮脇 政府じゃなくて、一般の日本人が怒らなければダメ。中国の商品は買わないとか、民間企業がもう協力しないとか。
 以前、毒入り餃子問題で、日本人が中国の食品を買わなくなったとき、中国政府は日本に対して、中国食品は安全だとマスコミが宣伝すべきだと文句を言った。もちろん、「日本は中国と違って民主国家だからそんなことはできない。国民だってだまされません」と言い返したんですけどね。政府や外交官が言っても聞かないけれど、日本国民がこぞって反中国になれば考える。だから、実はいま中国政府は台湾と香港を怖れているの。
 本来なら、あの国は敬して遠ざけるのがいちばんなんです。できるだけ関係を持たず、感情抜きの無機質な政治・経済上の付き合いだけにすべきなの。明治以降、日本は中国と真面目に付き合って損をした。日本がアメリカに負けて一つだけよかったことは大陸から手を引くことができたことだと、私の師であり夫である岡田英弘は言っています。そのおかげで敗戦から復興し、高度成長もできた。江戸時代にあれだけ平和で豊かな社会が続いたのも、大陸や半島とほとんど付き合いがなかったからです。彼らと付き合ってはいけないことは歴史が証明している。
高山 シナ人にとって歴史は政治であるという話だけれど、シロをクロと言いくるめる習近平の発言に対して、日本国民は漠然とした違和感を抱いている。
 少し前に、何人もの男を殺した容疑で捕まった木嶋佳苗の裁判があったでしょう。ところが状況証拠ばかりで決定的な直接証拠がない。そのとき検察は「朝起きたら雪景色だったとすれば、誰も見ていなくとも夜中に雪が降ったのは疑う余地がない。誰かがトラックで雪を撒いた可能性はあるけれど、健康な日本人はどう判断するだろう」と主張した。日本人には、夜中に雪が降ったのは動かし難い事実だという健康な常識がある。
 ところが中国の主張は「雪は誰かが夜中にトラックで運んできて撒いたのだ」と言っているようなものだ。そこに日本人は「違和感」を覚える。
 でも、シナ人には「違和感」という言い方が理解できないらしいね。中国語にはない言葉なの。
宮脇 日本の造語でしょう。古いシナの「四書五経」にはないんです。フワッとした感情や漠然とした気持ちを表わす漢語は古典にはなかった。
高山 ただ、はっきりした直接証拠を持ち出しても中国は絶対認めようとしない。それはしかたないとして、日本人は「夜中に雪が降ったのは疑う余地がない」という状況証拠を積み上げて真実を語るべきだと思う。岡田英弘先生の「岡田史学」が優れていると思うのは、そうやって東洋史全体、世界史全体を見ていることだよ。
宮脇 歴史家として言わせていただければ、そんなに都合のいい史料がポンポン出てくるわけではない。すごく偏ったものばかりが史料として残っているわけで、いくつかの絶対的な証拠があればいいけれど、そううまくはいきません。史書にしてもそれを残した側の立場から書かれたもので、そこには自らを正当化するための嘘も混じっている。それを考慮して、事実かどうかを一つずつ確かめていかなければならない。


リムパックで海上自衛隊を露骨に侮辱した中国海軍
JBpress 8月4日(木)6時15分配信

 2年ごとにアメリカ海軍が主催してホノルルを拠点に開催される世界最大規模の多国籍軍合同海洋軍事演習である「リムパック(RIMPACK)」が8月4日に閉幕した。

 今年のリムパック2016には、前回に引き続き中国海軍が参加するということで、一部のアメリカ海軍関係者たち(対中強硬論者たち)の間では、中国海軍の参加(というよりはアメリカ政府が招待したことに関して)活発な論議が交わされていた。

 しかし、前回と違って、メディアは中国海軍の2回目の参加に高い関心を寄せてはいなかった(中国海軍からは、2012年にまず観戦武官だけが参加し、2014年から艦艇・部隊が参加している)。

■ 対中融和派に押し切られた対中強硬派の「反対」

 リムパック2014では、中国海軍はリムパックに参加していた4隻の艦船(駆逐艦、フリゲート、補給艦、病院船)以外にも情報収集艦(スパイ艦)を演習海域に派遣した。(本コラム2014年7月24日「ホノルル沖に出現した招かれざる客、中国海軍のスパイ艦『北極星』」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41297)この情報収集艦「北極星」は、主としてアメリカ海軍空母に寄り添うようにして執拗に多国籍海軍の電子情報の収集に努めていた。

 合同演習参加国が、参加艦艇以外の軍艦それも情報収集艦を派遣して、演習“仲間”の各種情報をスパイするという行動は前代未聞の挙であったため、多くのアメリカ海軍関係者たちが怒りをあらわにした。アメリカのメディアも取り上げ、「中国海軍のリムパックへの参加は、今回が最初で最後となるであろう」という声を上げる対中強硬派の連邦議員もいた。

 このスパイ艦派遣事件にもかかわらず、アメリカ政府は2016年のリムパックにも中国海軍を招待することにしたため、一部のアメリカ海軍関係者や連邦議員などからは強い疑義が呈された。

 しかし、中国海軍招待はオバマ政権の意向でもあるし、アメリカ海軍内部にも「中国海軍とアメリカ海軍による軍軍関与(mil-mil engagement)を深めることは両海軍の相互理解を促進し不測の衝突を避けることにもつながる」といった声も少なくなかった。そのため、対中強硬派の反対は対中融和派に押し切られてしまったのである。

■ 表面的には問題を起こさなかったが・・・

 さすがにリムパック2016では、5隻の演習参加艦船(駆逐艦、フリゲート、潜水艦救難艦、補給艦、病院船)以外の中国海軍艦艇がホノルル沖に出没することはなかった。

 ただし、中国スパイ艦に代わって、ロシア海軍駆逐艦が合同演習を監視し情報収集活動を実施していた。ロシアは2012年にリムパックに参加したが、前回も今回も参加していない。よって、このロシア駆逐艦は2014年の中国情報収集艦とは意味合いが全く違う。

 中国海軍情報収集艦「北極星」が問題になったのは、多国籍演習参加国が“海軍仲間の信義”を踏みにじってスパイ艦を派遣したからである。参加国でないロシアが公海である演習海域に駆逐艦を派遣しようが情報収集艦を派遣しようが、海軍演習には織り込み済みの事態であり、目くじらを立てる問題ではない。

 今回、中国海軍はスパイ艦を派遣しなかっただけではなく、各種演習でも何のトラブルも起こさなかった。そのため、米中海軍の軍軍関与を重視しているアメリカ海軍関係者たちは「やはり中国海軍をリムパック2016に招いたことは成功であった」と公言している。主催者側の公式記者会見などでも、中国海軍が何らかのトラブルをもたらしたとの発表はなかった。

 しかしながら、少なからぬアメリカ海軍関係者たちの間からは、中国海軍が再び“海軍仲間の信義”を踏みにじる事件を引き起こしていたとの指摘がなされ、「中国海軍には軍軍関与の意義など当初から眼中にない」との声が上がっている。

■ 再び海軍の信義をないがしろにした中国

 アメリカ海軍の公式発表や報道などで取り上げられなかった「中国海軍による“海軍仲間の信義”を踏みにじる事件」というのは、海上自衛隊に対するきわめて無礼な態度である。

 20カ国以上もの海軍が参加する大規模な多国籍海軍演習であるリムパックには、各種海洋軍事作戦能力の研鑽という目的に付随して、対中融和派が強調するように米中間のみならず様々な参加国間の軍軍関与を進化させるという役割も存する。そのため、およそ1カ月にわたるリムパック開催期間中に、各国の軍艦では参加国の代表たちを招いてのレセプションを開催したり、参加国の将兵だけでなく一般の人々にも軍艦を公開する“オープンハウス”を実施したりする。

 このような交流・親善の機会を設けることにより、わだかまりのある国家間といえども、少なくともリムパック期間中には“海軍仲間”として友好的に振る舞うのが当然とされている。

 例えば、リムパックの常連である日本と韓国の“仲の悪さ”を、主催者であるアメリカ海軍は気にしているが、海上自衛隊と韓国海軍はレセプションや“オープンハウス”などでもきわめて友好的に交流を続けている。

 ところが、今回のリムパックでは、中国海軍が海上自衛隊に対して露骨に侮辱的な態度をとった。

 アメリカ海軍関係者が問題にしているのは、少なくとも2件の“海軍儀礼上あってはならない”事件である。

 その1つめは、海上自衛隊軍艦で参加国代表者たちを招いて開催されたレセプションに招待された中国代表団が欠席したという、リムパックでは前代未聞の出来事である。

 そして2つめは、中国軍艦で開催されるレセプションに海上自衛隊を招待しなかったというこれまたこれまでのリムパックでは起こりえなかった事態である。

 後者のトラブルに関しては、中国海軍が公式レセプションから海上自衛隊を排除しようとしているとの情報を得たアメリカ海軍が、主催者として中国側に警告を発したため、結局は海上自衛隊も招待されることになった。

 このほかに、中国艦で開催されていた“オープンハウス”を訪問した海上自衛官たちが乗艦を拒否されたケースもあったといい、少なからぬアメリカ海軍関係者たちは中国海軍の非礼を非難している。

■ 公式には聞こえてこない中国による対日侮辱

 このような、一部のアメリカ海軍関係者たちから見ると“海軍の信義”を踏みにじった中国海軍による海上自衛隊への侮辱的態度は、主催者であるアメリカ海軍の公式報道でも、アメリカのメディアの報道でも取り上げられることはなかった。

 以前よりリムパックへの中国海軍の参加に疑義を呈していた米海軍関係者たちは、次のように声を荒げている。

 「中国海軍による海上自衛隊に対する無礼な振る舞いが、中国政府の意向に基づいていることは明白である。中国にとって、露骨に侮辱しても反撃してこない日本は、今後も格好の標的に違いない。この事例から見ても、中国に対して軍軍関与の効果など期待しても無駄なことは今や明白だ。南シナ海での人工島軍事基地群の建設をはじめとする中国の軍事進出という現状に直面しているにもかかわらず、中国に対して融和的な態度に終始していると、とんでもないことになる」

 しかしながら、このような対中強硬論的な声は米海軍関係者の中でも少数派である。そのため、なかなか公式声明などには反映されない。

 リムパックでの中国による日本を侮辱した事件を問題にする勢力が、アメリカ海軍の中でも少数派にとどまっているのが現状であることを、我々は肝に銘じなければならない。


長期政権にあぐらかく安倍首相、中国の思う壺に
JBpress 8月4日(木)6時0分配信

 中国は東シナ海の日中中間線付近でも、日中合意を無視して一方的にガス田開発を進めている。

 「防衛白書」は早い段階から、「中国はわが国を含む周辺諸国との利害が対立する問題を巡って、高圧的とも指摘される対応を示すなど、今後の方向性について不安を抱かせる面もある」と指摘していた。

 米議会の諮問機関「米中経済安全保障調査委員会」も年次報告で、中国が尖閣諸島の周辺海域で「軍事、民間の両面でプレゼンスを静かに増大し続けている」(産経新聞27.11.19)と警鐘を鳴らしていた。

 こうしたことが明示的になったのが2008年12月8日、中国が海洋調査船2隻(海監46号、海監51号)を尖閣諸島の日本領海内に侵入させたことである。2010年9月7日には、尖閣諸島沖で不審船の取り締まりをしていた海上保安庁所属の巡視船に、中国漁船が追突する事案が発生する。

 日本は逮捕した船長たちを法的手続きできちっと裁き、管轄権を明確にする絶好のチャンスであったが、中国が繰り出すあの手この手の圧力に菅直人政権は腰砕けとなる。

 この対中軟弱姿勢が、中国に一段と大胆な行動を取らせる誘因になった可能性がある。

 爾後、中国が問題を起し日本が抗議すると、中国は「古来から中国の領土」という謳い文句で、あべこべに日本が事案や騒ぎを起こしたと理不尽な報道官コメントを国際社会に向けて行い、圧力をかける状況を繰り返す。

 安倍晋三政権になってからも、公船の接続水域侵入が続き、領海侵犯もしばしば起きている。しかし、安保法制成立以後は長期政権を視野に入れ始めたのか、対中外交で軟弱姿勢に転じたのではないかと仄聞する。

■ 「隣国への情け」などあり得ない

 追突事案の半年後の2011年3月11日、日本は千年に一度とも言われた東日本大震災に見舞われる。茫然自失の菅政権は国の守りそっちのけで、自衛隊の半数を大震災対処に当たらせる未曾有の態勢をとる。

 権謀術策で生き延び、隣国の混乱は自国のチャンスとみる中国に、日本の困惑への思いやりなどあるはずもない。国家海洋局所属のヘリが3月26日、海自艦「いそゆき」に水平約90メートル、高度約60メートルに接近し周回する威嚇行動を取る。

 さらに4月1日にも同局の航空機が同じ間隔まで接近周回する極めて危険な飛行を行い、許し難い威嚇を行う。

 しかし、日本政府はこうした中国の意図的と思われる威嚇行動に対して、何らの対応行動をとることもなかった。日本で初めて起きた福島第一原子力発電所のメルトダウン食い止めに汲汲であったし、こういう時期の中国の威嚇行動など思いもよらなかったのかもしれない。

 日本のこうした対応状況は中国軍にしっかりメモリーされ、尖閣諸島周辺における中国の行動はエスカレートしていく。本来は国が対処すべきことでありながら放任状態におかれているため、都知事の石原慎太郎氏が大きな危惧を抱き動き出す。

 知事がワシントンのヘリテージ財団主催のシンポジウムで尖閣諸島の買い取り合意を明らかにしたのは12年4月16日である。購入の動機については、島に港湾施設などを整備して日本の有効支配を確たるものにするためとした。

 都による尖閣諸島購入の流れに中国政府は外交部の声明で激しく反発。このため日本政府(野田毅内閣)は中国政府の反発を和らげ「平穏かつ安定的な維持管理」をするためとして、国有化を決め、9月11日に移転登記などを済ませる。

 政治主導を掲げて登場した民主党政権であったが、国民の期待に応えることができずに3年3か月余で自民党に政権を奪還される。

 代わって登場した安倍政権は、第1次政権時代に引き続き安全保障における意思決定システムやシームレスな対応を可能にする安保法制の整備を進めた。

 この間にも、中国公船による接続水域入域や領海侵犯は増加し、また領空接近に対するスクランブル発進回数は急激に増大している。

 その都度、政府は「毅然とした対応」を語るが、行動が伴っているのだろうか。言葉遊びに終わっているように思えてならない。中国は確実に行動をエスカレートしているからである。

■ 憂国の士からきたメール

 今年6月9日には尖閣諸島の接続水域に中国の軍艦が侵入した。従来の公船とは画然と意味を異にし、中国はステージを挙げたのである。そして15日は領海に侵入する。

 友人から萩生田光一官房副長官に当てたという下記内容のメール(概要)が来た。

 「口永良部島の領海に侵入した中国の軍艦に対し海上警備行動または防衛出動を発令しなかったのはどういう理由でしょうか?」

 「無害通航をしたのかもしれないなどと相手の行動を許してしまったのは、非常に危険です。侵入して反撃されず、攻撃されず、悪意を善意に解釈されて、侵略を無害航行や訪問として許されてしまえば、彼らは日本のどこにでも侵入してくる、それも数日うちにやってくることが予測できます」

 それが的中したかのように、2日後の東シナ海上空で中国はいまだかつてなかったスクランブル発進した自衛隊機に対する攻撃動作を仕かけてきたのである。

 友人は、「領海侵入したらすぐさま、射撃する、撃沈するという態度を示さない限り、日本の中心までずかずかと入ってきてしまうのです。防衛出動を下令するのは総理大臣です。安倍さんは多弁によって、国家非常事態をまぎらわせ、中国の意図を調査するなどとごまかしている。調査しているあいだにどんどん侵略されてしまうのです」と続ける。

 難産の安保法制は3月に施行されたが、例えば南スーダンに派遣されている部隊などにはすぐには適用されない。

 たぶん法制に基づく教育や訓練が間に合っていないからであろうと推察されるが、そもそもの問題は自衛隊が軍隊でないために、通常の軍事行動がとれず、世界の常識を疑わせるような制約ばかり課されているからである。

 今次の領海侵入も日米印が海上共同訓練を実施している状況下で、しかもインドの軍艦を追尾する形での情報収集艦の侵入である。無害通航ではない軍事的行動とみてもおかしくないが、政府は海上警備行動を取るどころか、抗議もしないで、懸念の伝達だけで済ませた。

 日本が独立した国家として、国際慣習法に基づく防衛行動さえとり得ない根本は憲法9条にあるが、早急に見直される気配はない。侵略され、国民の生命財産が蹂躙されてから、対処行動を取るとでもいうのであろうか。

 「すでに中国人は数百万人日本にいる。国防動員法(注:6年前に施行)が中国から発令されたら彼らは日本全土で蜂起するのです。満州人、内モンゴル人、チベット人やウィグル人のように日本民族は絶滅されてしまう」と、無抵抗に終わらざるを得ない現状を嘆く友人は、正しく憂国の士である。

 中国の行動は目に見えて拡大している。日本は中国の行動に反比例して、刻一刻と「死に体」に近づいているのかもしれない。

■ 日本政府は消極的すぎないか

 東シナ海上空で一触即発の事態が発生した状況については、元戦闘機パイロットで航空自衛隊航空支援集団司令官も務めた空将の織田邦男氏がJBpressで公開した。

 記事によると、「これまで中国軍戦闘機は東シナ海の一定ラインから南下しようとはせず、空自のスクランブル機に対しても、敵対行動を取ったことは一度もなかった。だが今回は、(中略)これまでのラインを易々と越えて南下し、空自スクランブル機に対し攻撃行動を仕かけてきた」と述べる。

 産経新聞(28.6.29付)によると、防衛省幹部は大筋で事実関係を認めたが、「実際にどこまで中国機が空自機に迫ったかが問題だ」と指摘した由である。

 織田氏は「常識を度外視して、中国軍機が尖閣上空まで近づいてきている。これが常態化すれば、領空の安定は守れなくなる」と強調している。

 萩生田光一官房副長官は6月29日の記者会見で、「17日に中国軍用機が南下し、自衛隊機がスクランブル発進をしたことは事実」と認めるが、「攻撃動作やミサイル攻撃を受けたというような事実はない」と説明。

 そのうえで、「現役(自衛官)の応援の意味も含めての発信だと思うが、国際社会に与える影響も大きい。内容については個人的には遺憾だ」とコメントしている。

 中国も符丁を合わせるかのように、「内容は事実無根」と否定し、日本のメディアの報道ぶりを批判している。

 内閣官房が否定するので防衛省も詳しくは言えないのだろうが、産経新聞の取材に対して大筋で認めたということが大切であろう。

 南シナ海に関しては仲裁裁判所の判決で、中国の主張に法的根拠がないとなったが、中国は一切認めないとしている。今後は、力で既成事実化を一層推進していくに違いない。

 安倍政権が中国の傍若無人的な行動に今後も「抗議」でもない「懸念」表明だけで済ますならば、いずれは菅政権の二の舞になるのではないだろうか。

■ 軟弱外交がもたらした残酷物語

 中国の無法ぶりは今に始まったことではない。中国がよく主張する「古来から」は「無法社会」の接頭語にこそふさわしいと言える。

 アヘン戦争以来、中国は欧米諸国に蚕食されてきた。その欧米諸国が今日的用語法で言えばウィン‐ウィンの関係で、中国の領土保全と近代化に尽力してやろうと知恵を絞ったのがワシントン会議(1921‐22年)である。「支那に関する9か国条約」「支那の関税に関する条約」「山東懸案解決に関する条約」などが結ばれた。

 しかし、支那(当時の中国)は、条約に基づく解決ではなく、米英などを味方につけて混乱をもたらし、愚直に条約を守る日本にその責任を押しつけて解決しようとした。

 1927年3月、蒋介石の北伐中に暴徒化した革命軍が排外暴動を起こし、外国の権益や領事館、居留民団を襲い、虐殺、暴行、掠奪の限りを尽くした。米英仏の軍艦は城内に向けて砲撃するが、日本(の駆逐艦)は中央の命により隠忍する。世に言う南京事件であり、幣原軟弱外交である。

 革命軍はこれをいいことに、焦点を日本に絞り、暴虐の限りを尽くす。「領事が神経痛のため、病臥中をかばう夫人を良人の前で裸体にし、薪炭車に連行して27人が輪姦したとか、30数人の婦女は少女に至るまで凌辱され、(中略)警察署長は射撃されて瀕死の重傷を負った。抵抗を禁じられた水兵が切歯扼腕してこの惨状に目を被うていなければならなかった」と佐々木到一少将は記している。

 翌1928年5月にも16人が虐殺・凌辱され、暴行・略奪される済南事件が起きる。「手足を縛し、手斧様のもので頭部、面部に斬撃を加へ、あるいは滅多切りとなし、婦女は全て陰部に棒が挿入され」(佐々木少将)た状況で、酸鼻の極みであったという。

 その後も同じような事案が繰り返され、1937年7月7日の盧溝橋事件、その3週間後には日本人居留民約350人が掠奪、暴行された揚げ句、婦人・子供を含む260人が虐殺される通州事件が起きる。

 事件の都度、日本政府の不拡大方針により現地解決の線で話がまとまる。しかし、共産党の画策ですぐに停戦協定は破られる。こうした状況を何回も繰り返す。

 中国は日本の外交を「良し」とするどころか、日本「与し易し」として、その後も日本人居留地だけを襲い、同様の蛮行を繰り返すことになる。

 条約に責任を負うべき米英も、日本の条約遵守を尊ぶどころか、中国に味方して増長させ、支那事変に発展していく。

■ おわりに

 習近平政権は、南シナ海や東シナ海の内海化によって共産党の偉大さと統治の正統性を示そうとしているように思える。しかし、南シナ海については仲裁裁判で法的根拠がなくなったので、力による実効支配を一段と強めるとみられる。

 他方で、米国の大統領選は混乱を極めており、オバマ政権より一層内向的になるともみられる。従来は米国が世界の警察官として目を光らせていたが、その力も意志もなくしつつある米国である。

 こうして、法の支配を無視する中国の傍若無人ぶりは、一段とエスカレートするに違いない。

 かつて、南シナ海で発生した米国の偵察機への中国軍機の異常接近などが、東シナ海でも発生しているし、日本に対する威嚇も上述の通りである。

 また、中国は08年6月の日中政府によるガス田共同開発の合意を無視して開発を強行している。中間線の中国側にはすでに16基のガス田掘削施設が設けられ、3基が生産活動しているとみられている。

 核を持たない日本は拡大核抑止に関しては米国に依存せざるを得ないが、その他においては台湾やインド、東南アジア、そして豪州などと価値観を共有しながら連携する必要がある。

 核心は、軍艦の接続水域や領海侵入を既成事実化させないことである。そのために「日本は常に毅然とした態度を示し続けるべきだ」と元海将の伊藤俊幸氏は言う(産経新聞28.7.18)。

 また、海上保安庁と自衛隊が警戒監視を強化すると同時に、「他国の海軍と共同パトロール」をする必要性を挙げる。その場合、日米に限らず、日米韓、日米豪、日米印、さらには4か国、5か国で「中国の行動は間違っている」というメッセージを日本以外の国も共同で発信することだという。

 こうしたうえで、「いざという時には、海上警備行動をかけて『武器を使用するぞ』とアナウンスしておくのも大事だ」と語る。これによって抑止力を高めておくというのである。

 南シナ海で中国が行ってきたことは、東シナ海へのシグナルでもあろう。しかし、南シナ海で中国が行った状況まで放置しておくことはできない。日本は一刻も早く、中国のエスカレートを止めなければならない。


南シナ海のスカボロー礁、比政府が自国漁師に操業を避けるよう警告
AFP=時事 8月3日(水)22時22分配信

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フィリピン・パラワン島で、南シナ海へ向けて航行する漁船(2012年4月25日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フィリピン政府は3日、同国の漁師に対し、中国からの妨害行為を回避するため、中国が領有権を主張している南シナ海(South China Sea)のスカボロー礁(Scarborough Shoal)には立ち入らないよう警告した。

 オランダ・ハーグ(Hague)にある常設仲裁裁判所(PCA)は最近、南シナ海の領有権をめぐる中国の主張を退けてフィリピンに有利な判断を示したにもかかわらず、今回の警告は発せられた。

 中国政府はPCAの判断を拒否し、2日には南シナ海の係争中の海域を含め、自国の領海内で「違法」操業する漁船に対して罰則を科すと発表している。

 フィリピン外務省のチャールズ・ホセ(Charles Jose)報道官は記者団に対し、「中国がスカボロー礁を占拠していることは分かっている。それゆえ、漁師たちがこれ以上嫌がらせを受けずにあの場所へ戻れる方策が明らかになるまで待とうではないか」と語った。

 ホセ報道官は、PCAの判断は明確なものだったが、「現場での現実」は異なっていると述べ、「現実には中国があの場所にいるのだから、この件について話し合わなければならない」とした。

 さらに同報道官は、フィリピンの漁師はスカボロー礁を現在のところ避けるべきという意味かとの質問に対し、「これは皆の安全のためだ」と返答した。

 フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ(Rodrigo Duterte)大統領率いる新政権は、中国に対して弱腰との批判を受けており、スカボロー礁をめぐる今回の政府の対応は、さらなる批判を招きそうだ。【翻訳編集】 AFPBB News


内閣改造 中国メディア「右翼の女性政治家が防衛相に」 稲田朋美氏起用で衝撃
産経新聞 8月3日(水)19時23分配信

 中国メディアは、3日に発表された内閣改造で、稲田朋美氏が防衛相に起用されたことに最も注目している。華僑向け通信社、中国新聞社や香港系の鳳凰(フェニックス)テレビは「右翼の女性政治家が防衛大臣となり、日中関係に衝撃を与えた」などと伝えた。

 中国新聞社(電子版)は、稲田氏は安倍晋三政権で行政改革相を経験したことがあることにふれ、「歴史問題において最も強硬な態度を取った閣僚だった。これまで複数回、靖国神社に参拝した」と強調した上で、稲田氏は安倍首相の側近の一人であることを指摘し、安倍氏が稲田氏を「将来の首相候補の一人」と言及したことも紹介した。

 中国のインターネットには「これで自衛隊の軍艦が南シナ海に入って人民解放軍と対峙する可能性が高くなった」といった書き込みもあった。(北京 矢板明夫)


南シナ海問題、中国は「不法侵入者」を訴追の姿勢
CNN.co.jp 8月3日(水)11時37分配信

香港(CNN) 南シナ海の領有権問題で中国と周辺国の主張が対立する中、中国最高人民法院(最高裁)は2日、同国の司法権について、「中国には海洋秩序と安全および利益を守り、同国が管轄権を持つ海域に対して統合管理を行使する明白な法的根拠がある」との判断を示した。

先月示されたオランダ・ハーグの仲裁裁判所判決では、中国の領有権主張が退けられていた。最高人民法院はこれには直接言及しなかったが、中国側が同海域に外国人が立ち入った場合に訴追する姿勢を示したものと見られる。

中国は、本土から1200キロ以上離れた島々も含む南シナ海のほぼ全域に対して領有権を主張。これに対して近隣国のフィリピンやマレーシア、ブルネイ、ベトナムなどが反論し、仲裁裁判所も「法的根拠がない」として中国の主張を否定していた。

最高人民法院は「司法権は国家主権の重要な要素」だと強調。自国の領海とみなす海域で違法に操業する漁船の船員は、中国籍であれ外国籍であれ刑事訴追されると明言した。

具体的には、警告を受けて立ち退かされてもその海域にとどまったり再び侵入したりした場合は「中国の領海への不法侵入」とみなされ、1年以下の禁錮刑が科される可能性があるとしている。

中国は自国の領海とみなす海域で取り締まりを強化し、同国が支配する島の近くで操業する外国籍漁船を攻撃したり、船員らを逮捕したりしている。

最高人民法院が示した解釈について香港大学のマイケル・デービス教授は、「中国が領有権を主張する海域に入った相手は訴追するという不穏な姿勢を示している」と受け止める。

今回の判断に従えば、仲裁裁判所判決がフィリピンの領有権を認定した海域で操業するフィリピン漁船の船員も、中国に逮捕されて訴追される可能性があるとデービス氏は述べ、そうした措置は「(ハーグの)判決に真っ向から対立する」と指摘した。

この海域では米国とオーストラリアも「航行の自由作戦」を展開。これに対して中国は戦闘機や船舶の緊急発進を繰り返し、両国の海軍が「中国の主権を脅かしている」と非難している。


中国最高裁、東・南シナ海の主権を改めて強調
読売新聞 8月3日(水)10時25分配信

 【北京=蒔田一彦】中国の最高人民法院(最高裁)は2日、海洋問題に関する「司法解釈」を発表した。

 領海や排他的経済水域(EEZ)、大陸棚を国内法が適用される「管轄海域」と規定し、他国船の取り締まりを「合法」とする内容。中国は、国内法に基づき、東シナ海や南シナ海に「司法管轄権」を持つとの立場だが、今回の「司法解釈」は、南シナ海を巡る仲裁裁判所の判決を受け、東シナ海も含めた主権を改めて強調する狙いとみられる。

 司法解釈は「我が国の管轄海域に不法に侵入した外国船や人員に行政機関が法に基づいて強制措置や行政処分を取ることを支持する」とした。また、「航行の自由や無害通航は、沿海国が領海、EEZ、大陸棚に持つ主権および管轄権に反するべきでない」との見解を示し、「航行の自由」を訴えて巡視活動を展開している米国をけん制した。


南シナ海問題、平和的解決へ 米・シンガポール首脳が会談
産経新聞 8月3日(水)7時55分配信

 【ワシントン=青木伸行】オバマ大統領は2日、ホワイトハウスでシンガポールのリー・シェンロン首相と会談した。会談などでオバマ大統領は、南シナ海における主権の主張を全面的に退けた仲裁裁判所の裁定を、中国が順守すべきだとの見解を重ねて表明した。

 会談後の共同記者会見で、オバマ大統領は南シナ海の問題を「国際法の原則と、共通のルールにのっとり平和的に解決する」ことの必要性を強調。「シンガポールは地域における(米軍の)プレゼンスの頼みの綱だ」と、友好関係を評価した。

 リー首相は「米国がアジア太平洋地域への関与と、不可欠な役割を維持することを強く望む」と指摘。両首脳は、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)を強力に推進することも確認し、リー首相は米議会のTPP批准に強い期待感を示した。

 これに先立ちオバマ大統領は、1日に掲載されたシンガポールのストレーツ・タイムズ紙(電子版)との書面インタビューで、裁定は「明白かつ法的拘束力がある。大国が小国をいじめるべきではない。主権を尊重すべきだ」と強調していた。


国連海洋法条約の順守を=「南シナ海」で中国に迫る―米シンガポール首脳
時事通信 8月3日(水)7時25分配信

 【ワシントン時事】オバマ米大統領とシンガポールのリー・シェンロン首相の首脳会談を受けて両国は2日、共同声明を発表した。

 中国が他国と係争を抱える南シナ海情勢について、国連海洋法条約を順守する重要性を強調。中国を名指しはしなかったが、同条約に基づいた仲裁裁判所判決の受け入れを暗に迫った。


防衛白書 中国「関係悪化をそそのかし」強い不満 韓国は竹島記述に「不当な領有権主張」
産経新聞 8月2日(火)22時56分配信

 【北京=西見由章、ソウル=藤本欣也】日本の閣議で2日に了承された平成28年版防衛白書の記述をめぐり、中国と韓国が反発を示した。中国国防省の呉謙報道官は2日に発表した声明で、「南シナ海や東シナ海の問題について騒ぎ立て、中国の軍隊への悪意に満ち、中国と隣国との関係悪化をそそのかしている」として「強烈な不満と断固とした反対」を表明。日本側に厳正な申し入れを行ったことを明らかにした。

 声明は、日本が南シナ海で「漁夫の利を得ようとしている」と非難。尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化や安全保障関連法施行を持ち出し、「これらは現状変更ではないのか」と言い立てた。

 一方、韓国政府は2日、防衛白書に竹島(島根県隠岐の島町)が日本固有の領土と記述されたことに対し、在韓日本大使館の総務公使と防衛駐在官をそれぞれ外務省と国防省に呼び抗議した。

 韓国外務省は「歴史的、地理的、国際法的に明らかに韓国固有の領土である独島(竹島の韓国名)に対する不当な領有権主張を、再び(白書に)含めたことに強く抗議する」として、即時撤回を求める報道官論評を発表した。


<防衛白書>安保法制へ理解促す 中朝への批判高める
毎日新聞 8月2日(火)21時47分配信

 政府が2日の閣議で了承した2016年版「防衛白書」は、中国の南シナ海や東シナ海での海洋進出に加え、北朝鮮の核・ミサイル開発が活発化したことを受け、前年に比べて両国に対する批判のトーンを高めたのが特徴だ。日本を取り巻く安全保障環境の厳しさを強調することで、3月に施行された安全保障関連法に対する理解を促すとともに、両国へのけん制を強める狙いがうかがえる。

 中谷元(げん)防衛相は2日の記者会見で、中国や北朝鮮の軍事動向を踏まえ、「(日本の安全保障環境は)明らかに厳しくなっている。自衛隊の対応も増え、軍事情勢の変化がより厳しくなってきている」と述べた。

 白書は海洋での中国の対応を「高圧的」と指摘。南シナ海での人工島造成や軍事拠点化を念頭に「既成事実化を着実に進め、今後の方向性に強い懸念を抱かせる」と批判した。また、国際規範の重要性に触れ、協調的な形で役割を果たすよう中国に求めた。南シナ海問題を巡る仲裁裁判所の判決後も中国は爆撃機を飛行させるなど譲歩しない姿勢を示している。防衛省幹部は「国際社会が一致して対応し、中国に責任ある行動を促すしかない」と話す。

 東シナ海での活動範囲拡大についても、6月に起きた中国軍艦による沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域航行や鹿児島県・口永良部島付近の領海侵入などを挙げ、「行動を一方的にエスカレートさせており、強く懸念される」と危機感を示した。空自機の中国軍機への緊急発進(スクランブル)も15年度は571回と過去最多を記録したと言及した。

 今年に入って4回目の核実験を実施し、弾道ミサイル発射を繰り返した北朝鮮に関しては「地域・国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」と指摘した。核兵器能力について「すでに小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も考えられる」と分析したほか、2月に発射した長距離弾道ミサイルを「テポドン2」の派生型(改良型)と断定し、「攻撃手段の多様化にもつながる」とした。

 集団的自衛権行使容認を含む安保関連法には20ページを割き、憲法との整合性や自衛隊員のリスク管理などを説明。中谷氏は会見で、「国の防衛は国民の理解と支援が不可欠だ」と語った。【村尾哲】


<防衛白書>「増強の口実」中国側が反論
毎日新聞 8月2日(火)21時4分配信

 【北京・河津啓介】中国国防省の呉謙報道官は2日、2016年版「防衛白書」について「南シナ海、東シナ海問題をあおり立て中国軍に対する悪意に満ちている。中国軍は強烈な不満と断固とした反対を表明する」との談話を発表した。

 白書を巡っては、中国国営新華社通信も同日、「何も新味はなく、中国脅威論と海洋問題をあおりたて続けている」と論評。白書が中国の動向に「強い懸念」を示したことに「(日本が)安全保障関連法や軍事力増強の口実としている」と反論した。

 南シナ海問題を巡っては、中国政府や軍は日本への批判を特に強めている。日本は第二次大戦中に南シナ海を占領しており、中国は歴史問題としても関心を寄せる。領有権問題と歴史問題は、いずれも共産党統治の正統性に直結するだけに、日本に対する強硬姿勢は今後も続くとみられる。


空母艦載機パイロット事故死 中国「なぜそんなに勇敢なのか」と「烈士」扱い…
産経新聞 8月2日(火)19時55分配信

 【北京=西見由章】中国人民解放軍の創設89周年の1日、中国メディアは空母艦載機の殲(せん、J)15のパイロットが訓練中に事故死したことを一斉に報じ、「空母艦載機の部隊で初めて身を犠牲にした烈士だ」と称賛した。事故の背景として、性急に空母打撃群の運用開始を目指す海軍の焦りを指摘する声もある。

 軍機関紙の解放軍報などによると、死亡したのは張超少佐(29)。4月27日、空母着艦を想定した陸上での訓練の際、着陸直後に電子系統が故障し、機首が急激に上がって離陸。脱出装置を作動させたがパラシュートが十分に開かないまま地面に落下した。張氏は中国初の空母「遼寧」の艦載機部隊に配属予定だったという。

 中国共産党機関紙の人民日報は1面トップで「故障判明から脱出まで4・4秒の間、懸命に操縦桿(かん)を動かし機体を救おうとした」と張氏を英雄として描写。国営新華社通信も「なぜそんなに勇敢なのか」と題した追悼記事を配信した。

 ただ、中国の空母艦載機の訓練の精度や機体の性能に疑問を呈する声もある。

 元駐中国防衛駐在官の小原凡司・東京財団研究員は「中国は着艦技術の指導者がいない中でノウハウを得なければならない。またロシアの艦載戦闘機Su33の代替機として製造した殲15は出力不足が指摘されるなど装備面も万全ではない。そうした状況で事故は当然起こりうる」と指摘する。

 殲15の訓練が6月中旬に再開されたことについても「事故調査や全機検査が2カ月で終わるとは考えにくい」と指摘。中国海軍は2020年までに空母打撃群を世界の各海域に展開することを目標に掲げており、「空母建造とともに運用確立に向け相当焦っているのではないか」と分析する。

 中国は遼寧のほか少なくとも国産空母2隻を建造中で、東シナ海や南シナ海への派遣が予想される。人民日報は「犠牲は空母艦載機部隊の前進に影響しない」とし、運用開始への決意を示した。

 解放軍報によると、中国海軍は1日、東シナ海で大規模な実弾演習を実施し、百隻以上の艦艇や数十機の戦闘機が参加した。


ついに領海侵犯した中国の「灰色の船」。日本は「言うだけ番長」でいいのか
PHP Online 衆知(Voice) 8月2日(火)17時10分配信

名実ともの「グレーゾーン」事態
 6月16日、沖縄県・北大東島周辺の接続水域に、人民解放軍(中国海軍)のドンディアオ級情報収集艦一隻が入域した。
 この情報収集艦は6月15日に鹿児島県・口永良部島周辺の「領海を航行した艦艇と同一」(防衛省)である。つまり前日、日本の領海を侵犯した中国艦が翌日も接続水域に侵入した。そういう経緯である。
 以上は、6月9日未明に起きた尖閣諸島周辺の接続水域への中国海軍ジャンカイI級フリゲート(艦)による侵入を含めた一連の動きとして捉える必要がある。
 9日の接続水域侵入事案では、ロシア海軍の駆逐艦など3隻が尖閣付近の接続水域に入り、北東に航行したあと接続水域から出た。現時点では、ロシアに日本の海を侵犯しようという意図はなかったと考えてよい。
 だが、その動きに合わせるように9日午前0時50分ごろ、中国フリゲートが尖閣諸島の久場島北東の接続水域に入域。海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」が監視と無線による呼びかけを続けた。自民党政権に戻り警戒監視体制が強化された経緯が功を奏した。
 政権交代の効果は外交でも表れた。外務省の斎木昭隆事務次官が深夜午前2時に中国の程永華駐日大使を外務省に呼び、速やかに接続水域外に出るよう強く求めた。中国フリゲートは2時間20分近く接続水域内を航行したあと、午前3時10分、久場島と大正島のあいだを北に向かい、接続水域から出た。
 中国の意図はどこにあったのか。海軍の艦艇が尖閣諸島付近の接続水域に入ったのは、今年6月9日が初めてである。これまで中国海警局の公船が領海や接続水域に侵入したことは何度もあったが、軍の艦船が侵入したことはない。
 中国の「海警」は、国際法上「その他の政府船舶」に当たるが、フリゲートは国際法上も「軍艦」である。実務上、両者は区別されている。現場の隠語でいえば「海警」は「白い船」だが、フリゲートは「灰色の船」である。実際、前者は白く塗装されているが、中国海軍や海上自衛隊には灰色(グレー)の塗装を施した艦船が多い。
 日本の海上保安庁は、海の警察(または消防)である。陸を走るパトカーが白いのと同じように、海保の巡視船は白く塗装されている。他方、軍艦は目立たないよう灰色に塗装される。兵士が迷彩服を着るのと同じ理由だ。まさに一見してわかるとおり、両者の任務や役割、その能力は格段に違う(詳しくは山田吉彦教授との共著『尖閣激突 日本の領土は絶対に守る』扶桑社にて)。
 その「灰色の船」が尖閣に現れ、日本の海に侵入した。
 当初、中国は民間の漁船や抗議船を差し向けてきた。海上保安庁の制止を振り切り、乗員が不法上陸したケースもある。次が中国政府の公船。「海監」そして「漁政」と派遣される艦船の規模能力が拡大し、昨年12月22日には機関砲を搭載した中国公船が接続水域に侵入。その後、当該船舶は領海も侵犯した。
 そして、ついに軍艦の登場となった。いわば名実ともの「グレーゾーン」事態が発生した(なお尖閣周辺には、民主党政権下の2012年9月にも中国フリゲートが2隻展開したが、当時の経緯等は月刊『正論』8月号拙稿に譲る)。

「暴走」できるほど中国軍は甘くない
 中国の狙いは何か。9日夜放送の「報道ステーション」(テレビ朝日系)が報じたとおり、専門家のあいだでも見方が分かれている。
 中国はいまや四面楚歌だ。5月末の広島でのG7外相会談でも、伊勢志摩サミットでも「海洋安全保障」がテーマとなり(名指しは避けたが)中国の行動に対する懸念が共有された。シャングリラ会議(第15回アジア安全保障会議、6月3~5日)や米中戦略・経済対話(6月6日・7日)でも中国批判や中国に対する牽制が相次いだ。シャングリラ会議ではアシュトン・カーター米国防長官が36回も「原則(principle)」という言葉を使い「原則に基づく安全保障のネットワーク(principled security network)」を築くと演説した。いわゆる「九段線」を主張し、南シナ海のほぼ全域が「古来より中国の海」と主張する中国に対して、フィリピン沖スカボロー礁の埋め立てはけっして容認しないと強く牽制。「中国は孤立の“万里の長城”を築いている」とも指弾した。会議で中国を支持した国はなく、中国の孤立が際立った。
 米主導の“対中包囲網”に対する反発があったのかもしれない。南シナ海の問題から世界の目を逸らそうと、東シナ海で挑発した可能性もありうる。当時実施されていた日米印の共同軍事演習に対する牽制の可能性もある。実際、6月15日の領海侵犯はインド軍艦艇を追尾する航跡だった。それがたんなる偶然とは考えにくい。
 同様に、9日の接続水域侵入も、中国フリゲートがロシア艦を追尾する航跡だった。たんなる偶然とは思えない。「日米同盟への挑戦といった趣旨ではなく、中国が領域を主張している尖閣周辺海域を、ロシアの軍艦が通航したことを受けた中国としての主権的行動」と見る専門家もいる。以上どれか1つだけが正しい見方ということではあるまい。
 要は、中国が機会をうかがっていた最中、絶好の機会が訪れた。ロシア艦の出現は、日本の接続水域に入る格好の口実になった。そういうことであろう。
 一部マスコミは「軍の暴走」説を唱えたが、フリゲートや情報収集艦には、中国共産党の政治担当士官が乗艦していた蓋然性が高い。その意向を無視して「暴走」できるほど、中国軍は甘くない。
 正確にいえば、中国に「中国軍」など存在しない。中国国営CCTVのニュースを見ると、中国人アナウンサーが「日本人が中国軍と呼ぶ人民解放軍」と話す場面に出くわす。べつに正式名称を論っているのではない。
 中華人民共和国(中国)の憲法は、その前文で「中国共産党の領導の下、マルクス・レーニン主義」云々と明記し、共産党が中国を「領導」する執政党(政権担当政党)と位置付けている。「領導」は「指導」よりも強く、上下関係のなかで用いられ、「上から命令し、服従を強いる」のが「領導」である。
 人民解放軍(中国軍)はどうか。憲法第93条と国防法第13条が「中華人民共和国中央軍事委員会は全国の武装力量を領導する」と明記。国防法は「中華人民共和国の武装力量は、中国共産党の領導を受け、武装力量内にある共産党組織は共産党の規則に従って活動する」(第19条)と明記する。解放軍は共産党が領導する、いわば「党の軍隊」であり、国家の軍隊(中国軍)ではない。「党が鉄砲(軍)を指導するのであって、鉄砲が党を指導するのではない」(毛沢東)。
 日本の自民党は「自衛隊」を「国防軍」とする憲法改正草案を公表しているが、中国共産党内の議論は真逆である。
 もし、解放軍を「国防軍」にすれば、「党の軍隊」ではなく「国家の軍隊」となってしまう。軍の防護対象が共産党(政権)ではなく国家そのものとなる。それでは、もし内乱が起こり、軍が中立を維持すれば、政権が倒れてしまうかもしれない。共産党にとって、それは避けたい。だから解放軍の「国防軍」化論は潰されてきた(拙著『日本人が知らない安全保障学』中公新書ラクレ)。
 共産党の人民解放軍である以上「軍の暴走」という見方自体が的を射ていない。

トカラ海峡は「国際海峡」ではない
 中国の公船は、昨年度も一昨年度も34回にわたり領海に侵入した。およそ月に3回の頻度で領海侵入を繰り返している。遺憾ながら、日本政府として黙認しているようにも見える。
 なぜ、こんなことになってしまうのか。そもそも中国船は、領海の外側の接続水域で何日間も待機している。待機しながら、海上保安庁の隙を突くように領海侵入し、たとえば3時間航行したあと、また接続水域に戻る。こうしたパターンが「常態化」している。
 そして今回「白い船」ではない「灰色の船」(軍艦)が入ってきた。「白い船」で常態化した右パターンを「灰色の船」で既成事実にする腹であろう。そうなれば、地域の安全保障環境は激変する。絶対に阻止しなければいけない。
 日本国にそうした危機感があるだろうか。マスコミも中国公船が接続水域に入ろうが、領海に入ろうが、ベタ記事扱いだ。国民も驚かない。中国に慣らされてしまっている。軍艦が入っても一過性の報道で終わり。今日もマスコミは中国艦ではなく、都知事選や参院選の行方を報じている。
 中国の海洋進出は「サラミ・スライス」戦術と評される(6月15日放送フジテレビ報道チャンネル「ホウドウキョク あしたのコンパス」拙コメント)。サラミを薄くカットするように、目立たないように、少しずつ敵対勢力を切り崩し、徐々に既成事実を積み重ねていく。最初は漁船や抗議船だったのが公船となり、やがて公船の規模能力が拡大。兵装した公船から軍艦となり、その軍艦が接続水域に侵入し、ついに領海侵犯した。もはや薄い「サラミ・スライス」というより「厚切りハム」(福島香織氏)に近い。重大な危機感をもって厳正に対処すべき事態である。
 いつものごとく中国側は正当性を強弁している。領海侵犯に関し「(屋久島、種子島と奄美群島付近の)トカラ海峡は、国際航行に使われている海峡であり、中国軍艦の通過は国連海洋法条約に規定された航行の自由の原則に合致する」との国防省談話を出した。外務省報道局長も当日の定例会見で「トカラ海峡は、国際航行に使われる海峡であり、各国の艦船は通過通航権を有し、事前通告もしくは承認は必要なく、国際法に違反していない」と主張した。
 いずれも国際法上の根拠を欠く。日本の「識者」ですら誤解しているが、当該海峡は国連海洋法条約(海洋法に関する国際連合条約)が定める「国際海峡」ではない。国際海峡に関する規定は「海峡内に航行上及び水路上の特性において同様に便利な公海又は排他的経済水域の航路が存在するものについては、適用しない」(第36条)と明記されている。当該海峡は中央に公海が存在しており、国際海峡には当たらない。ゆえに「通過通航権」も発生しない。もちろん「航行の自由の原則」もない。それは公海上の権利であって、領海では「無害通航権」しか認められない。それが世界の常識である。

誤解を招く海上保安庁の表現
 問題は通過通航権である。これが認められると「海峡又はその上空を遅滞なく通過すること」や「武力による威嚇又は武力の行使(中略)その他の国際連合憲章に規定する国際法の諸原則に違反する方法によるものを差し控えること」(条約第39条)などの義務を遵守するかぎり、沿岸国つまり日本の海岸スレスレを、中国の潜水艦が潜没航行できる。中国の戦闘機が上空を飛行できる。中国が「国際海峡」と言い出した背景には、以上の事情があるのではないだろうか。
 かつて領海は3カイリだった。それが12カイリとなり、それまで国際航行に使用されてきた海峡が沿岸国の領海でカバーされてしまうことになったことから「国際海峡」の「通過通航権」が認められた。
 島国であり、安全保障上も重要な海峡を有する日本は困ったことになった。具体的には「宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡東水道、対馬海峡西水道及び大隅海峡」である。海峡の幅が24カイリ以内であり、中央の公海部分がなくなれば「国際海峡」となってしまう。
 そこで日本は「領海及び接続水域に関する法律」の附則で「特定海域に係る領海の範囲」を定めた。「特定海域」とは右の5海峡である。「当分の間、(中略)特定海域に係る領海は、それぞれ、基線からその外側三海里の線及びこれと接続して引かれる線までの海域とする」と明記した。つまり原則は領海12カイリだが、特定海域は例外として(基線から)3カイリまでが領海と規定した。
 この結果、《津軽海峡等は「通過通航権」の認められる「国際海峡」ではなく、ただの海峡ということ》になった(高野雄一『国際法概論』弘文堂)。この点、海上保安庁公式サイトが「国際航行に使用されるいわゆる国際海峡である宗谷海峡、津軽海峡……」と表記しているが、誤解を招く表現ではないだろうか。もし私が中国当局者なら今後、「日本政府が認めているとおり国際海峡」と主張する。
 津軽海峡などを中国の情報収集艦が堂々と通航する現状に憤慨し、「きちんと12カイリを主張し、重要な海峡を領海で塞げ」と主張する保守派の「識者」が少なくないが、そうなれば安全保障上も失うものが大きい。3カイリに留めた「日本の対処は賢明で合理的といえよう」(高野前掲著)。

本当に「無害通航」だったのか
 無害通航権はどうか。たとえばNHKニュースは「軍艦には領海での無害通航権が認められています」と報道した。民放や新聞も例外でない。マスコミ報道を鵜呑みにしたのか、自民党の国防族議員までが「国連海洋法条約で、無害通航権がある」と指摘した。テレビ番組で「無害かそうでないかは航行の態様で決まる、航行の目的は関係ない」と解説した防衛大臣経験者もいるが、いずれも妥当でない。日本を代表する国際海洋法学者の教科書を借りよう。
 そもそも「軍艦に対して無害通航権が認められるかどうかについては、今日も一般条約上の規定がなく、解釈が対立している」「国連海洋法条約でも、軍艦の無害通航権について明文の規定をおくことに合意が成立せず、問題は未解決のままである」(山本草二『国際法』有斐閣)。
 フィンランドやイラン、ルーマニア、スウェーデンなど、事前許可制その他の国内法上の規制措置を適用する旨、(海洋法条約310条による)解釈宣言を行なっている国もあれば、英米はじめ、それに反対する旨の宣言を行なった国もある(山本草二『海洋法』三省堂)。
 以上をどう解釈するかは、通過通航権を含め、津軽海峡を米軍の核搭載原潜が航行するケースで悩ましい問題をもたらす。「事前協議」(日米交換公文)の対象となり、「持ち込ませず」との非核三原則を貫くのか。なら、そうした「船種別規制」を強行する国際法上の根拠は何か。戦後日本は、こうした問題を直視せず、見て見ないふりを続けている。中国側の主張と行動は、そうした日本の隙を突いた格好ともなった。
 論点を喫緊の問題に戻そう。6月15日の領海侵犯は本当に「無害通航」だったのか。
 国連海洋法条約は「通航は、沿岸国の平和、秩序又は安全を害しない限り、無害とされる」と規定した上で「次の活動のいずれかに従事する場合には、沿岸国の平和、秩序又は安全を害するものとされる」とし、「沿岸国の防衛又は安全を害することとなるような情報の収集を目的とする行為」(や「調査活動」)を挙げた(第19条)。
 6月15日に領海侵入したのは「情報収集艦」である。まさに「情報の収集を目的とする行為」ではないだろうか。ならば国際法上「無害通航」とはいえない。かつて私は中国公船による領海の侵入を、NHK等が「領海侵犯」と報じ、保守派がそうとう騒ぎ立てたことに異議を表明してきた。国連海洋法条約第17条により「すべての国の船舶は(中略)領海において無害通航権を有する」からである。
 だが今回は違う。それこそ領海侵犯と評すべき事態である。数日前まで中国フリゲートの接続水域侵入で大騒ぎしながら軍艦の領海侵入を「無害通航(だから、やむをえない)」と報じ、官民挙げてそう受け止めている。本末転倒ではないか。このままでは中国軍艦の領海侵犯が「常態化」してしまう。
 最大の問題は今後の対応である。国連海洋法条約は「軍艦が領海の通航に係る沿岸国の法令を遵守せず、かつ、その軍艦に対して行われた当該法令の遵守の要請を無視した場合には、当該沿岸国は、その軍艦に対し当該領海から直ちに退去することを要求することができる」(第30条)と明記するが、それ以上の規定がない。このため、沿岸国の退去要求に従わない軍艦に対し、武器の使用や武力の行使を含めた措置を取りうるのか、国際法上の論点となっている。
 しかも、対応する日本の国内法が未整備なため、現状では実効的な対処が難しい。そこで2012年「日本を取り戻す。」と大書した自民党の「重点政策2012」(民主党でいうマニフェスト)で「『領海警備法』の検討を進めます」と明記されたが、法整備は(護憲派が「戦争法案」とバカ騒ぎした)平和安全法制でも見送られた。いまこそ再検討すべきではないだろうか。
 共同通信によると、6月9日未明の接続水域侵入に外務次官が対応した際「もし領海に侵入したら、必要な行動を取る」と中国大使を脅したらしい。事実なら、嘆かわしい。なぜなら、その6日後の15日、実際に領海侵犯されたにもかかわらず、日本政府は海上警備行動を発令しなかったからである。
 政府は一昨年の5月14日「我が国の領海及び内水で国際法上の無害通航に該当しない航行を行う外国軍艦への対処について」閣議決定した。そこでは「海上における警備行動を発令し、自衛隊の部隊により行うことを基本とする」と明記された。併せて「特に緊急な判断を必要とし、かつ、国務大臣全員が参集しての速やかな臨時閣議の開催が困難であるときは、内閣総理大臣の主宰により、電話等により各国務大臣の了解を得て閣議決定を行う。この場合、連絡を取ることができなかった国務大臣に対しては、事後速やかに連絡を行う」とも明記された。要は、電話閣議で自衛隊を出動させるとの閣議決定である。
 だが、海上警備行動は発令されなかった。それどころか、中国に対する「抗議」すら控え「懸念」の表明に留めた。いったい何のための閣議決定だったのか。大きな疑問を禁じえない。安倍内閣にして、この有り様。なんともやりきれない。正直、私は落胆した。

日本版「海兵隊」を
 政府が海警行動すら控える以上、もはや何を書いても空しいが、さらなる問題が控えている。海警行動が発令されても、法律上、正当防衛か緊急避難に該当する場合(または重大凶悪犯罪の現行犯や逮捕した被疑者が逃亡する場合)を除いて「人に危害を与えてはならない」。それ以前の問題として「必要であると認める相当な理由のある場合において」「その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において」しか「武器を使用することができ」ない。こんな縛りでは現場が困る。
 そこで「船舶の進行の停止を繰り返し命じても乗組員等がこれに応ぜずなお」「抵抗し、又は逃亡しようとする場合」「進行を停止させるために他に手段がないと信ずるに足りる相当な理由のあるときには、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる」よう法改正された。
 だが、それも中国軍艦には適用できない。なぜなら「軍艦(略)を除く」と明記されたからである。いわゆる警察作用でしかない海警行動が法的根拠であるかぎり、撃沈はおろか危害射撃も許されない。
 中国による一連の行動は、国連憲章にも、国連海洋法条約にも、日中共同声明にも違反する。国際法上も許されない。
 だが、仮に日本がそう「抗議」したところで、中国人は聞く耳をもたない。「法」や「言葉」ではなく、「力」だけが中国の行動を抑制できる。
 結果的に、日本は「言うだけ番長」のごとき対応に終始した(6月20日時点)。領海侵犯されたら、遅滞なく海警行動を発令する。実効的な対処を可能とすべく法律を早急に改正する。諸悪の根源たる憲法九条の改正も進める。陸自の「水陸機甲団」を中核とした日本版「海兵隊」を創設する。
 いますぐ、そうした作業に着手すべきだ。そうでなければ、すべてが無に帰す。このままなら、中国の高笑いが続く。


ベトナムの食堂に「中国人客の入店おことわり」張り紙 南シナ海問題で高まる反中国感情
産経新聞 8月2日(火)14時34分配信

 米政府系放送ラジオ自由アジアによると、ベトナム中部ダナンの食堂で、このほど中国人客の入店を拒絶する張り紙が張り出された。南シナ海の領有権問題を争うベトナムでは、ハーグでの仲裁裁判の裁定を受けて反中国感情が高まっていた。

 張り紙は、中越両国語で「中国人に売る物はありません」と明記。張り紙は地元メディアで報じられて注目を集めたが、地元当局が観光客誘致に影響するとの理由で、店主に撤去するよう命じた。

 それでも、店主は中国人客の受け入れを拒むと主張しているという。その理由として、この店で飲食した中国人客の団体が、些細な注文の取り違えを理由に飲食代全額を踏み倒すなど、店主は繰り返される横暴な振る舞いに堪忍袋の緒が切れたと訴えている。(シンガポール支局)


<防衛白書>中国海洋進出「強い懸念」 北朝鮮の脅威強調
毎日新聞 8月2日(火)11時8分配信

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海上自衛隊観艦式で隊列を組んで洋上を航行する艦船=横須賀沖の相模湾で2012年10月、本社ヘリから森田剛史撮影

 政府は2日の閣議で、2016年版「防衛白書」を了承した。南シナ海や東シナ海で海洋進出を強める中国について、「既成事実化を着実に進め、今後の方向性に強い懸念を抱かせる」と批判。今年に入り4回目の核実験を強行し、弾道ミサイル発射実験を繰り返している北朝鮮に関しては「地域・国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」と指摘した。

 中国と北朝鮮に関する記述は前年より計10ページ増えた。南シナ海で中国が進める人工島造成を念頭に、「高圧的とも言える対応を継続させている」と言及し、南沙(英語名スプラトリー)諸島で「砲台といった軍事施設のほか、滑走路や格納庫など軍事利用しうるインフラ整備を推進している」と指摘。「中国を含む各国が緊張を高める一方的な行動を慎み、法の支配の原則に基づく」よう求めた。

 東シナ海での中国軍の活動に関しては、沖縄県・尖閣諸島近くまで軍艦と軍用機の活動範囲が拡大しているとし、「行動を一方的にエスカレートさせており、強く懸念される」と表明。「今後も強い関心を持って注視していく」と言及した。

 北朝鮮が「水爆実験」と主張した1月の核実験については「地震の規模から考えにくい」としつつ、「4回の実験を通じた技術的成熟などを踏まえれば、すでに核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も考えられる」との見解を示した。

 今年2月に発射したミサイルについては、長距離弾道ミサイル「テポドン2」の派生型(改良型)と断定。6月の新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射成功も踏まえ、「技術的信頼性が前進した」と分析した。4月の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験で固体燃料が使用された可能性を指摘し、「攻撃手段の多様化につながる」と危機感を示した。

 過激派組織「イスラム国」(IS)をはじめとする国際テロの脅威については「中東・北アフリカにとどまらずグローバルに拡散しており、我が国自身の問題として正面から捉えなければならない」と記述した。

 今年3月に施行した安全保障関連法の説明には、集団的自衛権行使容認を含めて20ページを割いた。憲法との関係について、自国の存立を全うするための自衛の措置を認めた砂川事件最高裁判決の範囲内であるとして「憲法に合致したもの」と強調。また、新任務に伴う自衛隊員のリスクは「生じる可能性はある」としながら、活動地域に関する情報収集や十分な装備、適切な訓練などを通じてリスクを「極小化、局限化し、隊員の安全対策に全力を挙げる」とした。【村尾哲】

 ◇2016年版「防衛白書」のポイント

 ・中国は高圧的とも言える対応を継続。既成事実化を着実に進め、今後の方向性に強い懸念を抱かせる。

 ・北朝鮮の核実験と弾道ミサイル発射は地域・国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威。

 ・国際テロの脅威はグローバルに拡散、我が国自身の問題として正面から捉えなければならない。

 ・安全保障関連法は憲法に合致。自衛隊員のリスクが生じる可能性はあるが、安全対策に全力を挙げる。

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