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2016年8月23日 (火)

尖閣の接続水域に中共海警局15隻と支那漁船300隻以上来襲 海警が領海侵入繰り返す・4

日本の外務省は6日午前、沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に中共支那海警局の船6隻とその周辺に支那漁船約230隻を確認したとして、中国側に抗議したと発表した。

海上保安庁は6日、中国海警局の船1隻を新たに接続水域内で確認したと発表した。接続水域内を航行する中国海警局の船は計7隻になった。
さらに海上保安庁は7日、中国海警局の公船2隻を新たに接続水域内で確認したと発表した。計9隻のうち2隻が領海内に侵入した。

外務省によると、接続水域に入った中共海警局の船のうち、4隻はその外観から砲のような武器を搭載しているのを確認している。

金杉憲治アジア大洋州局長が在日中共大使館の公使に対し「緊張をさらに高める一方的な情勢のエスカレーションで、決して受け入れられない」と抗議した。

※以上、産経新聞の報道をもとに構成

従来から中共支那は尖閣諸島に対してあからさまな侵略意図を示しており、今回の大量の艦艇による接続水域侵入は、暴力・軍事力による同諸島強奪の姿勢をさらに一段と高める行為と認識せざるを得ない。

こうした中共の態度は、世界の秩序を完全に愚弄する思い上がり図に乗ったものであり、中共がこうした態度を改めない限り、この地域での紛争・戦争の危険は日に日に増大するものと見なければならず、その結果中共軍は敗走して共産党の威信は失墜し、国内の暴動によって中共は崩壊するだろう。

このような凶暴かつ愚劣な行為を改めなければ、招来する重大な結果について、中共支那はその一切の責任を負わなければならない。

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3番目の記事

リンク:<尖閣海域>中国公船が減少 28日は接続水域進入ゼロに - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣の北西300キロに中国が新軍事拠点 藤井厳喜氏が警告「公務員の常駐を」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:台湾の海洋調査船1隻、尖閣EEZ内から出る - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:台湾船、日本のEEZ内で活動…海保が中止要請 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米中戦争は起こりうる その3どんな戦いとなるのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:あつれき抱え、G20へ=威信懸けた国際舞台に―中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:安倍首相の「G20荒らし」を恐れる中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣沖EEZに台湾調査船…中国公船3隻は外へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米中戦争は起こりうる その2どう戦いが始まるのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣接続水域に中国公船3隻、EEZ内に台湾船 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日中韓、懸案抱え「協力」=尖閣では日中譲らず〔深層探訪〕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国公船3隻、尖閣沖の接続水域内を航行 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米中戦争は起こりうる その1 なぜ戦いが始まるのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣諸島・接続水域内、中国公船3隻航行 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:領土拡大の野心が招いた中国外交の深刻な"八方ふさがり"  今、日本が通すべき「スジ」は? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣諸島に漁船・公船が集結…習近平が焦る事情 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日中韓外相会談 関係改善、火種は中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣沈静化要求、北対応でも注文…日中外相会談 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日中外相会談 岸田文雄外相、尖閣領海侵入に抗議 王氏は「中国の領土」と主張、溝は埋まらず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣対応で大型巡視船新造=補正過去最大、600億円超―海保 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:岸田氏、領海侵入の沈静化要求=尖閣問題で―日中外相会談 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:領海侵入の沈静化要求=岸田氏「首脳会談の前提」―日中外相会談 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:岸田外相、尖閣問題で中国に抗議 北はSLBM発射 日中韓外相会談 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日中韓外相会談 関係改善、火種は中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国外交手詰まり G20へ協調…譲歩はできず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:海自とアメリカ第7艦隊の戦力分散を画策する中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:東シナ海情勢を懸念=紛争可能性、南シナ海より高い―前米海軍トップ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ランド研がリアルに予測、米中戦争はこうして起きる - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<稲田防衛相>原子力空母を視察 横須賀基地 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:稲田朋美防衛相、中国と北朝鮮を念頭に「緊張感をもって取り組んで」と海上自衛隊を激励 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国公船4隻、尖閣沖の接続水域内を航行 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:海保、過去最大の補正予算案を計上する方針 対中国へ「尖閣死守」シフト - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国公船4隻、尖閣沖の接続水域内を航行 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:緊迫の南・東シナ海、進撃する中国を阻止する米国の戦略とは? - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

<尖閣海域>中国公船が減少 28日は接続水域進入ゼロに 
毎日新聞 8月29日(月)21時48分配信

 沖縄県・尖閣諸島周辺海域で活動する中国公船が減少し、28日には接続水域に入った船がゼロになった。9月4、5両日に中国・杭州で開かれる主要20カ国・地域(G20)首脳会議を前に中国側が自制した可能性があり、政府は引き続き情勢を注視している。

 海上保安庁によると、中国公船の挑発的な活動が始まったのは5日。接続水域に入った3隻のうち2隻が計3回、領海に侵入し、日中間の緊張が高まった。8日には過去最多の15隻が接続水域を航行し、7~10日はいずれも10隻を超えた。領海侵入も、7日に6隻で計11回▽8日に3隻で計4回▽9日に4隻で計10回--と活発化した。

 背景には、仲裁裁判所が7月、南シナ海で中国が主張する管轄権を否定する判決を出し、日本が米国などとともに判決受け入れを迫ったことに対する中国側の反発があるとみられる。

 中国公船の動きに対し、政府は中国政府に再三抗議してきた。岸田文雄外相は11日、フィリピンでドゥテルテ大統領やヤサイ外相と会談し、国際法順守を中国に求めることで一致した。

 岸田氏はさらに、24日に東京で行われた日中韓外相会談に合わせて、中国の王毅外相と個別に会談し、尖閣問題の沈静化を要求。G20首脳会議の際の日中首脳会談について「東シナ海の状況が改善すれば」と注文をつけた。会談後、王氏は「事態は既に正常に戻った」と記者団に語った。

 王氏の言葉を裏付けるかのように、25~27日に接続水域を航行したのは3~4隻で、今月初旬並みになった。領海侵入は21日を最後に行われていない。

 24日の日中韓外相会談直前に北朝鮮が日本海に向けて潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)とみられるミサイル1発を発射し、3カ国外相は連携を確認。G20首脳会議の成功に向けて協力することでも一致した。政府関係者は「中国が議長を務めるG20に向け、事態収拾を図っているのではないか」と指摘する。

 ただ、今後もこうした状態が続く保証はない。外務省幹部は「数が減ったのは事実だが、領海侵入は一隻も認めないのが日本の立場だ」と強調。今月下旬に接続水域の航行が減ったことに関しては「水や燃料の補給、台風の到来など政治と関係ない物理的な原因もあり得る」と見る向きもある。【田所柳子】


尖閣の北西300キロに中国が新軍事拠点 藤井厳喜氏が警告「公務員の常駐を」
夕刊フジ 8月29日(月)16時56分配信

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日本政府は「尖閣への公務員常駐」を決断できるのか(写真:夕刊フジ)

 習近平国家主席率いる中国の、軍事的野望がまた発覚した。沖縄県・尖閣諸島から北西に約300キロにある島に、軍艦用の埠頭(ふとう)や、艦載機用のヘリポートを整備していたのだ。尖閣強奪の軍事拠点にする可能性が高い。日本政府は覚悟を決めて、警察官や海上保安官などの「尖閣諸島常駐」に踏み切るべきではないのか。

 中国の暴挙が止まらない。軍事拠点が構築されていたのは、浙江省温州市の南●(=鹿の下に机のつくり)(なんじ)列島最大の島・南●島だ。埠頭は長さ70~80メートルで、複数の軍艦の出入りが目撃されているという。今年春には軍用機も参加した演習が行われたとの情報もある。共同通信が19日、報じた。

 南●列島は、自衛隊や米軍の基地がある沖縄本島よりも約100キロも尖閣に近い。

 8月に入り、尖閣周辺海域には、中国公船や漁船が大量に押し寄せ、一部が領海に侵入している。漁船には100人以上の海上民兵が乗り込んでいるとの報道もある。日本政府が再三抗議しても、やめる様子はない。

 26日も、機関砲を搭載した中国海警局の公船3隻が接続水域を航行した。尖閣周辺で中国船が確認されるのは24日連続。尖閣強奪を狙っている可能性が高い。

 日本政府は今こそ「自国の領土を守る」という断固たる姿勢を示し、効果的な対策を講じる必要がある。違法行為を行った中国漁船の臨検・拿捕(だほ)に加え、尖閣への公務員常駐は即効性のある対策の1つだ。

 実は、自民党は2013年に公表した総合政策集「J-ファイル2013」で、尖閣への公務員常駐を明記している。

 「尖閣諸島の実効支配強化と安定的な維持管理」との項目で、「わが国の領土でありながら無人島政策を続ける尖閣諸島について政策を見直し、実効支配を強化します」「島を守るための公務員の常駐や周辺漁業環境の整備や支援策を検討し、島及び海域の安定的な維持管理に努めます」と記載しているのだ。

 自衛隊を常駐させれば、緊張状態を高める可能性がある。取り急ぎ、違法操業や不法入国取り締まり目的の「警察権の行使」として、尖閣諸島に警察や海上保安庁の「監視所」を設置すべきではないのか。

 国際政治学者の藤井厳喜氏は「政府は早急に警察官や海上保安官をはじめとする公務員を常駐させるべきだ。中国が尖閣に漁民に偽装した海上民兵を上陸させ、『救援・救出』の名目で南●列島からヘリコプターを飛ばし、一気に人員や物資を運び込む危険性もある。時間の問題ではないか。300キロはヘリで1時間の距離だ。世界から『日本は自信がないから尖閣の無人政策を取っている』とみられる」と警告を発した。


台湾の海洋調査船1隻、尖閣EEZ内から出る
読売新聞 8月29日(月)11時25分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、29日午前7時57分頃、沖縄県石垣市の尖閣諸島・久場島沖の排他的経済水域(EEZ)内から、台湾の海洋調査船1隻が出るのを海上保安庁の巡視船が確認した。

 この調査船は27日朝から、尖閣諸島沖のEEZ内でワイヤのようなものを繰り返し海中に垂らすなどしていた。


台湾船、日本のEEZ内で活動…海保が中止要請
読売新聞 8月28日(日)21時43分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、28日午前6時25分頃、沖縄県石垣市の尖閣諸島・大正島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、台湾の海洋調査船1隻がワイヤのようなもの4本を海中に垂らしているのを海上保安庁の巡視船が確認し、中止を求めた。

 同日午前9時現在、ワイヤのようなものを引き揚げ、同水域内を航行している。


米中戦争は起こりうる その3どんな戦いとなるのか
Japan In-depth 8月28日(日)18時0分配信

ランド研究所の報告書「中国との戦争」はもし米中戦争が起きた場合、その形態や地域などについて次のように予測していた。
・米中戦争は非核の通常兵器での戦闘となる。

(アメリカも中国もともに核兵器の保有国だが、予測される米中戦争ではいずれの国も核兵器は使わず、通常兵器だけでの戦闘になる。アメリカは通常兵器での戦闘がきわめて激しくなっても、勝利への見通しと、自国の大被害への懸念から、核兵器はあくまで不使用で進む。中国ももしアメリカに対して核兵器を使えば、核での大量報復を受け、国家壊滅という事態をも招くとみて、核不使用のままで進むと予測される)

・戦闘は主として水上艦艇、潜水艦、航空機、ミサイル、さらに宇宙とサイバーのハイテクの戦いとなる。

(米中両国とも東アジアにすでに強大な軍事力を配備しており、戦争の契機からみても水上、海中、そして空中での戦闘となる見通しが強い。両国ともハイテクを動員し、各種ミサイルのほかにドローン(無人機)も多用される。宇宙利用も多く、とくに中国軍は米軍の依存する人工偵察衛星などの宇宙システムの破壊に力を入れる。両国ともサイバー攻撃を拡大する。米中両軍の地上戦闘は朝鮮半島有事以外ではほとんど起きないだろう)

・戦闘は東アジアで始まり、東アジアで続くが、西太平洋の広大な地域も戦場となる。

(米中両軍の戦闘は日本の尖閣、さらには東シナ海、南シナ海、台湾海峡、朝鮮半島などで起きるとみられるが、西太平洋のより広い水域、空域に広がることも予測される。ただし中国がアメリカ本土への攻撃に出る可能性は低い。そのための遠距離攻撃の能力の不十分さやその結果としての効用の限度がその理由となる。逆にアメリカが中国本土に対しては激しい攻撃を加える見通しが強い。しかし米軍が中国本土の地上戦闘を展開することはまずない) 

同報告書は米中戦争の形態を以上のように予測したうえで、さらにその戦闘の期間、規模、程度などについて次のように分類していた。

(1)短期で激烈

(2)長期で激烈

(3)短期で軽微

(4)長期で軽微

同報告書は以上の4つのパターンのうち「短期」は数日から数週間、「長期」は1年以上と推定し、ほとんどの場合は米軍の勝利や優勢に終わると予測していた。しかし米中戦争の時期が2025年までに向けて先に延びれば延びるほど、中国軍の戦力が相対的に強くなって、「長期」戦では両軍がいずれも決定的な勝利を得られず、膠着状態になる可能性が高くなる、とも指摘していた。中国軍は米軍の遠隔地からの増援部隊の接近を阻むための「A2/AD」(Anti-Access/Area Denial:接近阻止・領域否定)の戦闘能力を着実に強化していくので、米軍の完全勝利は年月が経てば経つほど、難しくなるというわけだ。

同報告書はさらに4つの戦争パターンのそれぞれについて経済や政治など非軍事面での両国の損失を推定し、戦争の帰趨への影響を予測していた。非軍事面でも中国の方がアメリカよりも消耗や損失がずっと多くなるというのが予測の基調だった。

(その2の続き。その1。全5回。毎日18時配信)


あつれき抱え、G20へ=威信懸けた国際舞台に―中国
時事通信 8月28日(日)14時28分配信

 【北京時事】中国の浙江省杭州で9月4~5日に20カ国・地域(G20)首脳会議が開催される。

 初めて議長国となる中国は、習近平国家主席がかつてトップを務めた同省での国際舞台に、国家の威信を懸けて臨む。しかし、南・東シナ海や地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備問題で日米韓などとのあつれきを抱える中、難しいかじ取りを迫られている。

 南シナ海をめぐっては、中国側の主張を退けた仲裁裁判の判決を受け、日米などが中国への圧力を強めている。中国側は「経済問題に焦点を合わせることが妨げられてはならない」(外務省高官)とG20での議題化を阻止しようと懸命だ。

 南シナ海問題に加え、東シナ海問題では沖縄県・尖閣諸島をめぐり日本との緊張が続いており、THAAD問題では韓国との蜜月関係に大きなひびが入った。

 英国もメイ新政権が、中国企業が一部出資する原発建設事業計画を再検討する方針を示したことを受け、英中関係の「黄金時代」継続に赤信号がともっている。

 一方で、G20の「成功」を優先し、批判拡大を避けるための融和姿勢も目立つ。南シナ海問題では、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国との高官協議で、2017年半ばまでに法的拘束力を持つ「行動規範」の枠組み合意を目指す方針で一致し、初めて策定時期の目標を定めた。

 24日に東京で開催された日中韓外相会談には王毅外相を派遣。王外相は「G20の円満な成功を確保することで合意した」として、日中、中韓首脳会談開催への地ならしを進めた。北朝鮮の弾道ミサイル発射を非難する国連安全保障理事会の声明採択でも、かたくなな態度を転換して採択に同意し、日米に歩み寄りの姿勢を見せた。

 中国はG20首脳会議前に、地球温暖化対策の新たな国際枠組み「パリ協定」を批准する予定で、米国と共同発表するとの報道もある。気候変動問題は米中間の数少ない「協力案件」の一つ。習主席とオバマ米大統領との首脳会談を円満に開催し、G20の成功につなげたいとの思いがにじむ。


安倍首相の「G20荒らし」を恐れる中国
Wedge 8月28日(日)12時30分配信

 8月23日から24日、日中韓外相会談が東京で開かれ、中国の王毅外相が就任以来初めて日本を訪問した。23日の晩、王外相は日本の岸田文雄外相主催の歓迎晩餐会に出席。翌日にはメインの三カ国外相会談に参加したほか、旧知の自民党の二階俊博幹事長と会い、岸田外相との日中外相会談にも応じた。最後には、韓国外相と共に安倍晋三首相への表敬訪問も行った。

急に変化した対日姿勢
 このようにして、王外相は短い日程の中で精力的な対日外交を展開したことがよく分かるが、さらに注目されるのは、一連の会談において王外相の示した、意外とも言えるほどの柔軟な対日姿勢である。

 たとえば、岸田外相との会談後、王外相は「小さい問題が残っているが、日本側も(中国側と)同様に前向きな意志があれば、われわれはすぐに合意できる」と述べ、海洋での不測の事態回避に向けた「海空連絡メカニズム」に関して、高級事務レベル協議を開いた上で早期にスタートできるとの認識を示した。

 今まで、日本側が同メカニズムの早期運用を強く要求してきたが、中国は難色を示してきた。しかし今回、王外相は一転して合意への意欲を示し、「双方の努力で海上摩擦をコントロールする」と前向きな姿勢を見せた。

 同時に、王外相は日中首脳会談の早期開催にも積極的な姿勢を見せた。中国側が想定しているのは、一つは年内開催予定の日中韓首脳会談であり、もう一つは、9月4日から中国杭州で始まる20カ国・地域(G20)首脳会合に合せての日中首脳会談である。

 実際、東京での日中外相会談の翌日、北京では中国外交担当トップの楊潔チ国務委員(副首相級)が日本の国家安全保障会議(NSC)の谷内正太郎国家安全保障局長と会談し、まさにG20に合わせた安倍首相と習近平国家主席の首脳会談の開催に向けて調整したとみられる。当日、中国の李克強首相までが「数段格下」の谷内氏と会ったことからも、中国政府の「対日重視姿勢」がことさらに示された。G20に合わせた日中首脳会談の開催はほぼ確定事項となっている模様だ。

 このように、日中韓外相会談を機に、中国政府が急スピードで対日関係の改善に乗り出したことは明々白々であるが、つい最近までの中国側の厳しい対日姿勢とはまさに打って変わっての豹変ぶりであろう。今年の夏に入ってから、中国は軍艦を日本の領海に侵入させ日本に対する軍事的恫喝を行ったり、公船や偽装漁船を大量に日本の近海に来襲させ、緊張を高めてきた。中国側の一連の軍事的挑発行動によって、日中関係は一時「開戦前夜」のような危険水域に入ったのはつい8月中旬までのことであるが、下旬になると、前述のように中国政府は今までの対日強硬姿勢から一転して日本との関係改善に急ぐような外交を始めたのは、いかにも不自然な方針の急転換である。こうした外交姿勢の180度の急転換の背後には、一体何があるのか。

 この答えとなるキーワードは先ほどすでに登場した。そう、中国が議長国となる「G20首脳会合」の開催なのである。

すべては、G20を成功させるため
 王外相は前述の岸田外相との会談後に記者団に対し、来るべきG20について「日本側も成功に向けて中国と共に努力したいと表明した」と強調したが、実は日本側からの、「中国と共に努力したい」という態度表明こそ中国政府が喉から手が出るほど欲しかったセリフであり、王外相はまさにこの言質一つを取るために日本にやってきて一連の対日改善外交を展開していたと言っても良い。

 すべては、中国が議長国となるG20を成功させるためなのである。

 9月4日、5日の2日間、中国浙江省杭州市で開催される予定のG20は、中国にとって、とりわけ中国の習近平国家主席にとって、どれほど重要な会議であるかは、この半年間の中国を取り囲む国際環境の変化を一目見れば十分に分かる。

 まずは5月下旬に開かれた伊勢志摩サミットを見てみよう。伊勢志摩サミットの首脳宣言は、サミットとしては初めて南シナ海問題を取り上げた。名指しこそ避けているものの内容は中国に対する牽制と警告と批判となっていることは明白である。矛先は完全に、中国に向いている。

 一方、オバマ大統領がサミットで日本に来る前に、まずベトナムを訪問した。その際、オバマ大統領はベトナムに対して、今後アメリカはベトナムに対する武器の禁輸を、全面的に解除すると宣言した。アメリカが社会主義国家に対して武器の禁輸を全面解除するというのは驚きであるが、その狙いはただ一つ、ベトナムの後押しを以って中国に対抗するためである。

 伊勢志摩サミット終了直後から、シンガポールで毎年恒例のアジア安全保障会議が開かれたが、ここでもまた、中国にとって大変衝撃的な出来事が起きた。

アメリカと歩調を合わせると言うフランス
 会議ではアメリカが先頭に立ち、カーター国務長官が中国を厳しく批判したが、中国にとって一番意外だったのは、会議に参加したフランス国防大臣の発言であろう。

 アメリカは去年から断続的に、南シナ海で中国を封じ込める為に航行の自由作戦を展開してきていることは周知の通りだが、上述のアジア安全保障会議において、フランスの国防大臣はフランスもいずれこの南シナ海の航行の自由作戦に参加すると宣言した。それだけではなく、フランスは今後、EU各国に呼びかけて、アメリカと歩調を合わせて南シナ海で航行の自由作戦に参加するとも言い出した。

 今までフランスは、南シナ海の問題に関してはいわば「部外者」の立場を取っていてあまり口出しはしなかった。しかもどちらかと言えば中国とは友好関係にある。このフランスまでが、アメリカと歩調を合わせて中国を押さえつけ封じ込める姿勢に出たことにより、習近平政権の孤立化がより一層深まったといえよう。

 そして7月、周知のようにオランダ・ハーグの仲裁裁判所が、南シナ海における中国の主張や行動は国連海洋法条約違反だとしてフィリピンが求めた仲裁手続きについての裁定を公表した。それは、中国が南シナ海の広い範囲に独自に設定した「九段線」に「法的根拠はない」と明確に認定した画期的な裁定であった。

 この裁定内容は、南シナ海の主権に関する中国政府の主張をほぼ全面的に退けたものだ。いわゆる九段線の「歴史的権利」が完全に否定されることによって、南シナ海全体への中国支配の正当性の根拠が根底からひっくり返されたのである。

 裁定に対する中国政府の反応について、6月1日掲載の私の論考で詳しく記述しているが、それはまさに「凄まじい」との一言に尽きる。ありとあらゆる手を使い、裁定に反発したのだ。

 このように、今年5月の伊勢志摩サミットから7月の国際裁判所の南シナ海裁定までの一連の流れにおいて、いわば南シナ海問題を巡って、習近平政権の進める覇権主義外交は国際社会の反発と抵抗に遭ってかなりの劣勢に立たされ、中国の孤立化が進んでいることは明らかだ。こうした中で、7月13日、これまでにアジアの中でも突出して中国と親密関係にあった韓国が、習政権の強い反発を跳ね返して米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を韓国国内に配備することを決めた。中国はこれで、アジア最大の「親友」であるはずの朴政権に対しても厳しい姿勢で臨む羽目になり、孤立感がよりいっそう深まったはずだ。習政権からすると、今の中国周辺はまさに「敵ばかり」のような状態であろう。

「主題は経済成長であり、妨害はさせない」
 このような外交的行き詰まりをどうやって打開するのかは、習近平政権にとって重大かつ緊急の課題となっているが、そこで習政権が目を付けたのは当然、久しぶりに中国で開かれる国際的重要会議のG20である。中国が議長国として采配を振るい、日米首脳を始め世界の先進国とアジア主要国の首脳が一堂に集まるこの会議は、習政権にとってはまさに劣勢挽回のための起死回生のチャンスとなる。これを最大限に利用しない手はないのである。

 実際、習政権がこの会議にかける意気込みは並々ならぬものである。8月17日の産經新聞の記事によると、会議の開催地となる中国浙江省の杭州市では、早くも厳戒ムードが広がっているという。市内に向かう他省ナンバー車に厳格なチェックが義務づけられ、不審物を警戒し会議場付近や観光地でマンホールが封印された。大気汚染対策として周辺の工場に停止命令を出したりするなど、強権的な措置も相次いで発動されているのである。習政権は会議の「円満成功」に全力を挙げていることがよく分かる。

 もちろん中国政府もよく分かっているように、この首脳会議を中国の望む形で「成功」させるためには、現地の保安体制の強化程度ではまったく不十分だ。G20を中国の外交的劣勢挽回のチャンスとして最大限に生かすためには、中国がいくつか、重要な外交戦略を講じなければならないのである。

 その一つはすなわち、会議の議題を中国のアキレス腱となっている「南シナ海問題」から完全に切り離して、会議全体の基調を中国にとって有利な方向へと誘導していくことである。

 8月15日、中国外務省の李保東次官は、9月のG20会議に関する記者会見を行ったが、彼がそこで語ったことに、中国の思惑のすべてが凝縮されていると感じられる。

 李次官はまず、会議の議題について「主題は経済成長であり、妨害はさせない」として、南シナ海問題を議題にしようとする動きを議長国として強く牽制した。

 李次官はさらに、世界経済について「依然として比較的大きな下振れ圧力に直面し、国際貿易は低迷し、保護主義が台頭するなど、不安定で不確定な要素が増加している」と指摘した。こうした中で、参加国は会議や中国に大きな期待を抱いているとして「世界経済の行方を指し示すといったG20の指導力の発揮と、国際的な経済協力の強化、協力のための新たなメカニズムの創設」などを目標に掲げた。

 海外メディアが「南シナ海問題について、中国の立場を説明するよい機会ではないのか」と質問すると、李氏は「国際会議では、一部の国が自ら関心のある問題を持ち出そうとするが、参加国の総意は経済問題に集中することだ」と釘を刺した。

 李次官のこの一連の発言から、習近平政権の企む「G20戦略」は火を見るより明らかだ。要するに、中国の外交的劣勢の原因となる「南シナ海問題」に関する議論を会議から一切排除した上で、会議の関心点と方向性を、中国と周辺国との紛争の源である領土・領海問題とは無関係の「国際経済問題」へと持っていくことである。そうすることによって、中国は面倒なことが避けられ、参加国から批判の嵐に晒されずにすむであろう。そして、中国が「指導力」を発揮して「国際的な経済協力のメカニズムを創出する」という形を作り出すことによって、中国は「アジアの問題児」であるどころか、むしろ「世界のリーダー」として再び、国際社会での主導権を握ることになる。もちろんその結果、南シナ海問題から発したところの中国の外交的劣勢は完全に払拭されることになる、という目論見であろう。

安倍首相を懐柔する以外にない
 以上が、G20首脳会議開催に向けての中国政府の外交戦略の概要であるが、その目的達成のために、中国政府はもう一つ、急いで講じなければならないのがまさに「日本対策」なのである。

 G20会議を中国にとっての「成功」へと導くために、南シナ海問題が会議で提起されることを排除しなければならないのは前述の通りだが、この点に関して、中国にとって安心材料となるのは、今、南シナ海の領有権問題で中国ともっとも激しく争っているベトナムとフィリピンの両国が、G20会議の参加国ではないことである。その他のアジアからの参加国に関していえば、インドにしてもインドネシアにしても韓国にしても、「南シナ海紛争」とは一定の距離をおいているから、これらの国々の動向も中国にとってそれほどの心配はない。

 その中で、中国がもっとも警戒しているのはやはり日本であり、日本の安倍政権こそが、中国の心配と悩みの種なのである。

 少なくとも中国から見れば、前述の伊勢志摩サミットを中国批判の方向へと誘導したのはまさに日本の安倍晋三首相であり、例の南シナ海裁定を全面的に支持しているのも日本である。そして日本政府こそが今まで、あらゆる国際会議を利用して南シナ海問題を持ち出して中国批判を強めてきている、という考えであるから、G20会議を「成功」させるためには、安倍首相の「会議荒らし」をいかに事前に防ぐのかが、中国政府にとっての重大な外交課題となっている。

 しかし一方、議長国として安倍首相の会議参加を拒否することは当然できないし、一国の首脳の発言を会議の席で封じ込めることも出来ない。そうすると、中国政府にとっての選択肢はただ一つしかない。要するに、会議の開催の前に急いで日中関係の改善に乗り出して安倍首相を懐柔する以外にない、ということである。

 だからこそ、8月24日からの中国王外相の一連の慌ただしい対日外交の展開が見られたのであり、中国は一転して意外とも言えるほどの「対日友好姿勢」を示し始めたわけである。この一連の対日外交工作の仕上げはすなわち、G20会議に合わせての日中首脳会談の開催であるが、おそらく習政権からすれば、それほどの友好姿勢を示して安倍首相と日本政府に好意を寄せた以上、さすがに安倍首相はG20会議では中国の意を汲んで南シナ海問題に言及せず、もっぱら経済問題を語り中国主導の「国際的経済協力メカニズム」の創立に協力してくるのであろう。そうなれば、中国の目的は自ずと達成できることになるのである。

 以上が、王毅外相の日本訪問から始まった一連の「対日友好外交」の真意と、G20首脳会議にかけた中国側の思いと戦略的思惑であるが、問題は、G20会議が中国側の思惑通りに運ばれて中国の目的が達成した暁には、一時的な便宜としての「対日友好姿勢」は果たしてそのまま継続するかどうかである。

 日本政府と安倍首相はこの点も見据えた上で、今後の対中外交の方針と日本自身の「G20戦略」を定めていくべきであろう。


尖閣沖EEZに台湾調査船…中国公船3隻は外へ
読売新聞 8月27日(土)18時49分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、27日午後3時11分頃、沖縄県石垣市の尖閣諸島・大正島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、台湾の海洋調査船1隻がワイヤのようなものを海中に垂らしているのを、海上保安庁の巡視船が確認した。

 同諸島・久場島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を航行していた中国海警局の公船3隻は、同日午後1時13分頃までに同水域を出た。


米中戦争は起こりうる その2どう戦いが始まるのか
Japan In-depth 8月27日(土)18時0分配信

アメリカの大手研究機関「ランド研究所」の「中国との戦争」と題する報告書は戦争への契機として以下のようなケースをあげていた。
つまり米中戦争はどのような原因で始まりうるのかという想定である。

(1)東シナ海の尖閣諸島などをめぐる日中両国の軍事摩擦。

(2)南シナ海での中国のフィリピンやベトナムへの軍事威圧。

(3)北朝鮮の政権崩壊による米中双方の朝鮮半島軍事介入。

(4)中国の台湾に対する軍事的な攻撃あるいは威嚇。

(5)排他的経済水域(EEZ)やその上空での艦艇、航空機

の事故的な被害。

以上のような小規模な軍事的摩擦や衝突が米中両国の戦争へとエスカレートしうるというのだった。

日本にとっては米中戦争のその発端の(1)が尖閣諸島をめぐる衝突だというのはショッキングである。尖閣事態は米中戦争の危機をもはらんでいるというのだ。

尖閣諸島に対しては中国は明らかに非平和的、非外交的な解決の道を走り出した。海軍の艦艇や空軍の戦闘機を尖閣近くへ送り、実際の尖閣の日本領海へは先兵として中国海警の武装艦艇を侵入させてくる。日本側がまったく無抵抗とわかれば堂々と尖閣諸島へと上陸してくるだろう。尖閣は中国領土だと宣言しているからだ。

この状況に対しアメリカはもし中国軍が尖閣を攻撃すれば、日本を支援して共同防衛にあたるという方針を示唆している。アメリカの意図にかかわらず、中国と日本が軍事衝突をする危険はすでに目前にあるわけだ。こんな事態に米軍が介入すれば米中全面戦争にエスカレートする可能性も十二分にあることとなる。

(2)の南シナ海では米中の対立はすでに明白である。中国は国際仲裁裁判所の裁定を無視して、新たな人工島などで軍事拡張を続けている。フィリピンやベトナムに対しては武力行使も辞せずという強硬な構えを公然ととる。オバマ政権は南シナ海での中国との対決をなお避けているようだが、フィリピンはアメリカの同盟国だ。そのフィリピンが中国から軍事の威嚇や攻撃を公然と受けた場合、アメリカは座視するわけにはいかないだろう。ここにも米中軍事衝突の土壌が存在するわけだ。

(3)の北朝鮮の金正恩政権の崩壊というシナリオが指摘するのは、米軍が韓国軍とともに朝鮮半島の平和維持や統一という目的を掲げて、北朝鮮領内に進撃する可能性である。

だがそんな事態に中国が動かないはずがない。中国軍も中朝国境を越えて南下するだろう。その場合には米中間にきちんとした不戦の合意はまずないだろう。最初から北朝鮮、あるいは朝鮮半島全体の米中両国の戦略が相互の合意を得ていれば、トラブルは少ない。だがそうでなければ米中両軍が北朝鮮領内で戦闘を始める危険がまちがいなく高くなる。

(4)は台湾をめぐる米中両国の年来の対立から起きうる戦争の可能性である。中国は台湾を自国領土とみなし、台湾の独立への動きは武力を使っても阻むと宣言している。アメリカはその宣言に反対し、「台湾関係法」で台湾の安全保障へのアメリカの関与をうたっている。この点に米中衝突の可能性は長年、常に存在してきた。中国側が台湾有事での米側からのパワー・プロジェクション(兵力遠隔投入)を恐れて、新鋭の弾道ミサイルなどによる「接近阻止」や「領域否定」の戦力強化に努めてきたことも周知の事実なのだ。

(5)は南シナ海をも含めての東アジア全域での偶発的な衝突の可能性である。領海ではないが沿岸国の特権が認められる排他的経済水域(EEZ)は国連海洋法では他国の軍事艦艇の通航も認められる。だが中国だけは国内法で自国EEZの外国の軍艦の航行は中国側の事前の許可を必要とするとしている。アメリカなどの諸国は実際には中国のこの主張を無視しているが、紛争の素地は常に存在するわけだ。また公海でもその上空でも米空両国の軍艦や軍用機が異常接近し、あわや事故という事態も頻繁に起きている。そんな事態が米中間の戦争につながる危険があるというわけだ。

ランド研究所の報告書は以上のようなケースを米中戦争勃発の契機としてあげるのだった。

(その1の続き。その3に続く。全5回。毎日18時配信)


尖閣接続水域に中国公船3隻、EEZ内に台湾船
読売新聞 8月27日(土)10時52分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、27日午前9時現在、沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を、中国海警局の公船3隻が航行している。

 また、同6時30分頃、同諸島・久場島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、台湾の海洋調査船がワイヤのようなものを海中に垂らしているのを海上保安庁の航空機が確認した。


日中韓、懸案抱え「協力」=尖閣では日中譲らず〔深層探訪〕
時事通信 8月27日(土)8時28分配信

 5年ぶりの日本開催となった24日の日中韓外相会談。この日を狙い定めたように北朝鮮が潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)を発射したのを受け、3カ国外相は北朝鮮に挑発の自制を求めることで足並みをそろえた。ただ、北朝鮮をめぐり日韓と中国の対応にはずれがあり、日中韓の協力の基盤は不安定なままだ。

 「さまざまな懸案を政治的英知で乗り越え、3カ国の協力を進めていくことが重要だ」。岸田文雄外相は24日の3カ国外相会談後の共同記者発表で、会談開催の意義を強調した。

 外相会談開催へ向けた調整はぎりぎりまでもつれた。8月に入り、中国の公船が前例のない規模で沖縄県・尖閣諸島周辺を航行し、領海侵入が相次いだためだ。こうした中で対話を進めれば、「実効支配の既成事実化を黙認したと受け取られかねない」(外務省関係者)。政府内には、公船の活動沈静化が確約されない限り、3カ国外相会談の開催は難しいとの見方も一時あった。

 挑発行動をやめない北朝鮮の存在が3カ国会談の開催を後押ししたのは間違いない。北朝鮮の相次ぐミサイル発射を受け、国連安保理では、非難声明が模索されたが、中国の反対で見送られた。こうした経緯を念頭に岸田氏は外相会談で「国際社会の取り組みを日中韓が主導していくことが重要だ」と訴え、中国の役割に期待を示した。

 ◇中朝接近も
 中国の王毅外相が、南・東シナ海問題をめぐり「国内で批判の矢面に立たされるリスク」(日中関係筋)を抱えながら、3カ国外相会談に臨んだのは、9月4、5両日に中国が議長国として開催する20カ国・地域(G20)首脳会議への協力を取り付けるためだ。

 王氏は会談後の共同記者発表で「G20の円満な成功を確保することで合意した」と述べ、日韓が協力を確約したと強調した。

 一方、王氏は共同発表で「朝鮮半島の緊張を引き起こすいかなる言動や、国連安保理決議への違反に反対する」と表明。表向き日韓と歩調を合わせたものの、対話を通じた解決を志向する中国と、圧力強化を目指す日韓との温度差は依然小さくない。

 中朝関係をめぐっては、貿易統計などから、6月以降、中国の北朝鮮に対する制裁が緩和されたとの見方も出ている。

 中国は南シナ海問題で日米と対立。韓国とも地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の在韓米軍配備計画をめぐり関係が悪化している。こうした中、「北朝鮮が中国に接近し、制裁緩和や経済協力拡大を模索する」(韓国の専門家)可能性もある。

 ◇中国のメンツ逆手
 日中外相会談は尖閣問題で双方が主張をぶつけ合う展開となった。報道陣に公開された会談冒頭、王氏は笑顔を見せず岸田氏と握手。撮影が終わるまで硬い表情を崩そうとしなかった。

 岸田氏は会談で王氏に対し、「尖閣周辺の活動の完全な沈静化と再発防止」を要求。G20での習近平国家主席との日中首脳会談実現には、東シナ海での状況改善が前提になるとの考えを伝えた。王氏は「基本的に話し合いを通じて事態をコントロールしたい」と応じたが、具体的な対応は明言しなかった。

 岸田氏の発言は、G20で日本が首脳会談に応じなければ「議長国中国のメンツがつぶれる」ことを計算したとの見方もある。東シナ海の緊張をめぐる神経戦は今後も続きそうだ。


中国公船3隻、尖閣沖の接続水域内を航行
読売新聞 8月26日(金)23時30分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、26日午後7時現在、沖縄県石垣市の尖閣諸島・魚釣島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を、中国海警局の公船3隻が航行している。

 また、25日午前に海上保安庁の巡視船が同県・与那国島沖の排他的経済水域(EEZ)内で中国の海洋調査船1隻を確認。同調査船は、26日も箱状の物体を海中に投入するなど活発に活動。同日午後3時現在、与那国島沖のEEZ内を航行するなどしている。


米中戦争は起こりうる その1 なぜ戦いが始まるのか
Japan In-depth 8月26日(金)18時1分配信

アメリカと中国は戦争に突入しうる!
こんなショッキングな研究結果がアメリカでも最有力の安全保障研究機関「ランド研究所」から公表された。しかもその米中戦争では日本の動向が枢要のカギとなる、というのだ。こんな衝撃の予測を日本の大手マスコミはまだ報じていない。いまここでその内容を伝えよう。アメリカの首都ワシントンで取材活動にあたるジャーナリストとしてこの予測の報道は義務とも思える日本への重要な警鐘だからである。戦争は防ぐためにこそ、その可能性の現実を知っておく必要があるのだともいえる。

報告書のタイトルは「中国との戦争」と、まさにずばりの表題である。しかも副題には「考えられないことを考える」と記されていた。米中戦争なんて、と顔をそむける向きにはぜひとも知ってほしい報告書なのである。なぜなら米中戦争という事態はわが日本の存続そのものを左右するからだ。

この報告書はランド研究所がアメリカ陸軍当局から委託されて作成した。膨大なデータを駆使し、最高級の専門家集団の知力と体験をインプットして、調査、分析、予測に長時間をかけてこの7月末に作成を終えた報告書である。最終完成品としては約120ページのレポートとなった。こんご2025年までの状況の予測だった。

さてなぜ米中戦争が起きうるのか。そもそもアメリカも中国も核兵器の保有国ではないか。非核の通常戦力もともに強大な規模を保持する。しかも米中両国は経済面では相互依存の関係にもある。万が一にも全面戦争となれば、両国にとっての破壊や損失は測りしれない。そんな危険がわかっている両国が戦争をするはずがないではないか。こんな考えは常識のようにも思える。ところがその「常識」にも穴があるというのだ。

その米中戦争の可能性について報告書は次のように述べていた。「米中両国は軍事的な対決や衝突につながりうる地域紛争での対立案件を抱えている。そしてそれら地域周辺に両国とも大規模な軍事力を配備している。このため偶発的な衝突や危機が深くなった際には、両国いずれにとっても、攻撃される前に攻撃に出ることへの動機が強く存在する。現実に両国は陸海空、宇宙、サイバー空間などの広大な領域で戦闘をするのに必要な兵力、技術、工業力、要員を十分に保有しているのだ。だから米中戦争は大規模で代償の大きい戦闘も含めて、単に『考えられる』というだけでなく、実際の思考が必要な可能性なのだ」

アメリカと中国はまちがいなく対立している。南シナ海での海洋紛争が最大例である。東シナ海の尖閣諸島への中国の威圧的な攻勢もアメリカの立場とは対立する。さらにさかのぼれば台湾への態度でも米中両国は対立する。これらの対立案件で米中両国がともに、相手国が軍事力までを使って、自国の主張を通すのではないかと警戒する疑心暗鬼は常にあるわけだ。相手が軍事力を使いそうならば、こちらが先に攻撃してその危険を取り除いてしまおうとう発想もそこに生まれるわけだ。戦争の原因はまず対立の存在、そして双方の軍事力の存在、さらにその対立を自国に有利に変えようという意図の存在と、こんな要素の積み重ねで起きていくメカニズムなのである。

こうした姿勢や認識はわが日本の常識からすると、非常に物騒にみえる。好戦的にさえひびく危険な発想とも思える。だがアメリカでは戦争を想定してのこの種の有事研究は「起こしてはならない」という前提や「どのように防ぐか」という意図の下に常時、なされているのだ。同時に中国の側も国益のためには戦争をも辞さないという基本思想はいやというほど誇示している。

(その2に続く。全5回。毎日18時配信予定)


尖閣諸島・接続水域内、中国公船3隻航行
読売新聞 8月26日(金)11時6分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、26日午前9時現在、沖縄県石垣市の尖閣諸島・久場島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を中国海警局の公船3隻が航行している。

 また、25日午後3時48分頃から26日午前6時23分頃の間、同県与那国町沖の排他的経済水域(EEZ)内で、中国の海洋調査船1隻がワイヤのようなものを繰り返し海中に投入するのを海上保安庁の巡視船が確認した。


領土拡大の野心が招いた中国外交の深刻な"八方ふさがり"  今、日本が通すべき「スジ」は?
現代ビジネス 8月26日(金)7時1分配信

外相会談が東京で開かれた意味

 日本と中国、韓国の外相会談が1年5ヵ月ぶりに東京で開かれた。

 尖閣諸島や南シナ海情勢が緊迫する中「成果は期待できない」という声もあったが、会談の開催自体に意味があるのだ。中国は少なくとも外交的には八方塞がりになりつつある。

 まず外相会談を開いて、尖閣諸島などの問題がたちまち解決するか。するわけがない。なにかと言えば「話し合いで問題解決を」と唱える日本共産党じゃあるまいし、そんな期待を抱くほうがどうかしている。まったくトンチンカンだ。

 南シナ海で人工島の軍事基地化を進め、尖閣諸島周辺には軍艦を派遣して領海を脅かす中国は、そもそも国際法などどこ吹く風で、尖閣における日本の主権も認めていない。「実力で奪い取ったもん勝ち」と腹を固めている。これが現状認識の出発点である。

 では、なぜ外相会談に応じたかといえば、軍事優先に変わりはないが、さりとて会談に応じず外交努力を放棄すれば、国際社会の批判と非難が一層、高まってしまうからだ。

 9月4、5日には中国・浙江省杭州で主要20ヵ国・地域(G20)首脳会議を控えている。それでなくても東アジアや日米欧が対中批判を強めているのに、3ヵ国外相会談をボイコットすれば「中国はなんだ、話し合いも拒否するのか」という非難が高まってしまう。

 外交戦の勝ち負けは第3国を交えた国際社会の評判にかかっている。G20で中国非難が高まるのは外交的敗北にほかならない。だから、とりあえずポーズだけでも会談に応じないわけにはいかなかった。

 そうみれば「会談が東京で開かれた」というだけで、日本は1点ゲットである。

日本の攻勢、防戦一方の中国
 そのうえで中身をみると、日本の岸田外相が「中国の一方的行動は認められない。事態の完全な沈静化、再発防止を求める」と攻勢をかけたのに対して、中国の王毅外相は「東シナ海の情勢悪化を防ぎ、不測の事態を回避することが重要だ」と防戦に回らざるを得なかった。

 中国は日本の言い分に耳を貸さず、たとえば「オレたちは自分の領海を守っているだけだ」と居直ることもできた。そうせずに「情勢悪化を防ぐ」と言わざるを得なかったのは、強腰一辺倒では他国の理解を得られないと分かっていたからだ。

 これで、日本は2得点目を挙げた形だ。

 加えて岸田外相はG20での日中首脳会談について「東シナ海の状況が改善すれば、大局的な観点からG20での日中首脳会談を含め、対話を通じて日中関係の改善を進めたい」と述べた。

 これは「東シナ海の状況が改善しなければ、日中首脳会談には応じられないよ」と言ったも同然である。逆に「改善すれば、対話を進めてもいい」と通告している。べつに「何が何でも対話(=外交努力)で解決しましょう」と言っているわけではない。

 あくまで状況が改善するかどうかは中国にかかっている、という認識である。それは当然だ。事態を一方的に悪化させているのは中国である。

 しかも実際の行動を見る限り、自ら引き下がって普通の対話=外交路線に戻る気配はない。日本は「どうするかはあなた次第だ」と押した。これがダメ押しの3点目だ。

 中国は軍事力にモノを言わせて縄張りを拡張したいというのが本心なのに、G20を控えて国際世論に配慮せざるを得ないから、日本に会談の流れを支配されてしまった。

 外相である王毅とすれば、会談を決裂させてしまえばG20が大荒れになり、国内で「お前は何をしているんだ」という批判が高まる。自分の立場が一段と弱くなりかねない。だから内心「クソっ」と思っていても、ここはしおらしく振る舞う以外に手はなかったのである。

朝日新聞の「お花畑思考」
 そんな外相会談の深部を見ずに、2国間の話し合いだけで問題解決が可能であるかのような「お花畑思考」にとらわれていると「とにかく首脳会談をやれ」という主張になる。

 典型は朝日新聞だ。

 朝日は8月25日付社説で「首脳会談も年内に必ず実現させるべきだ」と書いた。そうではない。岸田外相が王毅外相に告げたように「中国が東シナ海で乱暴なふるまいを慎めば、日本は応じてもいい」という立場を貫けばいいのである。

 日本側が「何が何でも首脳会談をやりたい」などと言い出したら、相手に足元を見られて「それならああしろ、こうしろ」と無理難題を突き付けられるだけだ。

 そんなイロハも分からず「必ず首脳会談をやれ」などというのは「最初から譲歩しろ」と言っているようなものだ。外交のリアリズムを少しは勉強したらどうか。

 繰り返すが、日本が勝利した要因は中国が国際社会の目を気にせざるを得なかったからだ。国内の軍事優先派は「実力で押し切ればいい」と思っているだろうが、外交当局としては中国の評判を落とすわけにはいかなかった。

 ここは重要である。日本としては軍事的に防御姿勢を固めつつ、外交的には中国を国際社会の場に引っ張りだす。そして「バカなことを続けていると、評判が落ちるだけだよ」と諭していく。

 他国を巻き込みながら、中国を絡めとっていく。そんな外交戦が重要になる。首脳会談を開けば成功で、開けなければ失敗などという単純な話ではない。

予期せぬ武力衝突に備えよ
 中国は3ヵ国外相会談で日本にやられっぱなしになったくらいだから、G20でも攻勢に出るチャンスはまずない。南シナ海や東シナ海での軍事行動を言葉でゴリ押しして正当化すれば、日本だけでなく米欧などさらに多くの国から非難を浴びるだけだ。

 北朝鮮は中国の言うことを聞かず核ミサイル開発を続け、韓国は高高度防衛ミサイル(THHAD)の配備を決めた。台湾では独立派の蔡英文政権が誕生し、香港でも反北京勢力が力を蓄えている。東アジアでも反中国派が身構えている。総じて中国外交はあきらかに失敗しつつある。

 日本が注意しなければならないのは、外交的に失敗し続けているからこそ、中国の軍部が強気になって挑発を強める可能性だ。日本は予期しない武力衝突(contingency)の事態に備える必要がある。

 韓国についても書いておこう。

 日本は元慰安婦を支援するために韓国が設立した「和解・癒やし財団」に対して10億円の拠出を決めた。ソウルの日本大使館前に置かれた慰安婦像が撤去されないのに10億円を払うのはどうか、という批判がある。

 それはよく分かるが、韓国との関係が前進することで対中および対北包囲網が一層、強固になる側面もある。実際、韓国は中国の猛反対を押し切ってTHHAD配備を決めた。中国には間違いなく大打撃である。

 これまで文句ばかり言ってきた韓国を日本が優しく抱きしめる度量を見せた。それで中国が頭に来たなら効果はあった、と理解していいのではないか。


尖閣諸島に漁船・公船が集結…習近平が焦る事情
デイリー新潮 8月26日(金)5時51分配信

 お前の物はオレの物、オレの物もオレの物――「世界のジャイアン」中国が、さかんに尖閣諸島にちょっかいを出している。

「8月15日までで13日連続、尖閣諸島周辺で中国政府所属の公船が確認されるという異常事態が生じています。領海のすぐ外の接続水域では200~300隻の中国漁船が操業し、最大15隻もの公船が集結。5日から繰り返された領海侵入は延べ28回にも及びます。こんなことは過去に例がなく、なぜ今になって突然、と不可解です」(国際部記者)

 禁漁が明けた夏の時期に、尖閣諸島周辺に中国漁船が大量に現れるのは例年のことだという。だが、領海に侵入し、海上保安庁から退去警告を受けた漁船の数は今回、5日間で72隻に及ぶ。昨年1年間で70隻だから、この執拗さは尋常でない。

「海警局の巡視船や漁業監視船といった中国公船の領海侵入が確認された5日からは、日本政府も参事官から事務次官、大使、外相に到るまで、中国にあの手この手で厳重な抗議を30回以上、行なったのにどこ吹く風。公船が11回も領海侵入した7日など、朝から晩まで10回も抗議したが止む気配がない。いよいよ尖閣奪取に本腰か、と警戒感が高まっています」(同)

 海上保安庁によれば、中国は1000トン以上の大型公船を2012年9月段階では40隻しか保有していなかったが、昨年末にはその3倍、120隻にまで増強。ある米シンクタンクはこの猛スピードの増強により日中の海上警備力は逆転しかねないと分析しており、東シナ海での中国の脅威は確実に大きくなっているのだ。

 とある政治部記者は言う。

「尖閣諸島の接続水域に中国の公船が確認された3日は第3次安倍改造内閣が発足した日。新内閣がどこまで我慢できるか揺さぶろうとしているのでは、などとの憶測も流れています」

■高まる内圧こそ恐怖
 だが、政治解説者の篠原文也氏は言う。

「そうした要素もあるかもしれませんが、最も考えられるのは南シナ海問題の影響でしょう」

 7月12日、オランダ・ハーグの仲裁裁判所は南シナ海での中国の領有権に関する主張を全面的に退けた。

『毛沢東 日本軍と共謀した男』の著者で筑波大学名誉教授の遠藤誉氏は言う。

「これがいかに中国に衝撃であったかは、判決を〈紙くず〉、〈政治的茶番〉と切り捨て、日本の陰謀とヒステリックに言い立てた反応からも明らかです」

 南シナ海での領有権が国際法上、認められないとなれば、中国の領海法が定める「台湾、尖閣諸島、澎湖諸島、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島」といった領土の根拠もまた揺らぐ。ジャイアンも必死になるはずだ。

「そこで7月24日からのASEAN外相会議では一部の国をチャイナ・マネーで抱き込み、国際法の遵守を説くアメリカにはそっちこそ国連海洋法条約に加盟せよと居直った。ハーグ判決前、“まず行動を起こせ! 後から言っても何にもならない”という趣旨の発言をしていた習近平は、これで南シナ海問題は逃げ切れた、次は尖閣だ、と乗り出してきたのでしょう」(同)

 だがなぜそこまで焦るのか。前出の篠原氏は言う。

「日中問題は常に両国の国内問題と不可分です。実は、南シナ海問題を政権の外交失策ではないかとする声は根強い。これを挽回し、9月に杭州で開催されるG20までに国内の不満を抑えこみたいのでしょう」

 遠藤氏も言う。

「一党支配体制の中国にとって人民の爆発こそ最大の恐怖。内圧を高めてはならないのです。よい例が11日に尖閣近辺で起きた中国漁船衝突事故。中国船員6人が日本の海上保安庁に救助されて“海警船は何をしていたのだ”と中国内のネットは大炎上。面目丸潰れの中国は慌てて日本に謝意を表明する羽目になりました」

「世界のジャイアン」も、自国民だけには音痴な歌を聞かせられないのだ。

「週刊新潮」2016年8月25日秋風月増大号 掲載


日中韓外相会談 関係改善、火種は中国
産経新聞 8月25日(木)7時55分配信

 日中韓外相は24日の会談で、3カ国の連携こそが東アジアの平和と安定に資するとそろって強調したが、その不安定要因となっているのは中国の動向だ。

 「直接会って会談したのは今回で12回目だ。こうした頻繁な意思疎通が図られていることを歓迎したい」

 24日午後、東京の外務省で尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談した岸田文雄外相は、にこやかに語りかけた。だが、その直後の日中外相会談で、岸田氏は王毅外相を同じ部屋で出迎えたが、両氏に笑顔はなかった。冒頭発言は報道陣に公開せず、険悪ムードが続く両国関係を象徴するような場面だった。

 慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意を機に関係改善に動く韓国に対し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に中国公船を相次いで侵入させ、一方的に対日攻勢をかける中国。中韓関係もぎくしゃくしている。米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を国内に配備する韓国に対して中国が圧力を強めているからだ。

 最近まで、韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権は歴史認識で中国と足並みをそろえ、反日一辺倒だったため、日中韓は日本が孤立する「1対2」の関係だったが、日韓関係の改善で「2対1」になりつつあるように映る。

 「中国とは対話ができるステージになってきた」

 7月ごろ、外務省幹部は日中関係の改善に向けた見通しを持っていた。9月には、中国・杭州で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれ、習近平国家主席が議長を務める。自らが争いの“火種”となって、G20の議論が不調に終われば、「大国」を自称するメンツがつぶれ、習氏による体制統治に影響が生じかねない。

 だが、8月に入ると、局面は変わった。中国が仲裁裁判所裁定で領有権主張を否定された南シナ海の対外膨張政策に行き詰まり、尖閣に触手を伸ばしてきたからだ。外務省内でも「中国は何を考えているんだ」(幹部)と中国への怒りと不信感は強まっている。

 日中韓外相会談では、11月に日本で開催を目指す3カ国首脳会談に向けた環境醸成が図られた形だ。だが、外務省幹部は「心配なのはG20が終わったら、元に戻ることだ」と中国の動向を注視する。安倍政権は今後、国際世論を糾合し、中国への抑止力を強められるかどうかが問われることになる。


尖閣沈静化要求、北対応でも注文…日中外相会談
読売新聞 8月24日(水)22時5分配信

 岸田外相は24日、中国の王毅(ワンイー)外相と外務省で会談し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で中国公船が領海侵入などを繰り返していることに抗議し、事態の沈静化を要求した。

 王氏は、両国が状況の悪化を防いで日中関係の改善につなげていくべきだとの考えを示した。

 会談は約1時間行われた。岸田氏は尖閣諸島周辺の領海侵入について、「中国が一方的な行動を続けていることは認められない。事態の完全な沈静化、再発防止を求める」と述べ、艦艇や飛行機による偶発的な衝突を避けるための緊急連絡体制「海上連絡メカニズム」の早期運用開始を求めた。

 王氏は、尖閣諸島の領有権を主張する中国の立場は変えなかったものの、「東シナ海の情勢悪化を防ぎ、不測の事態を回避することが重要だ」と語り、関係改善を目指す意向を示した。


日中外相会談 岸田文雄外相、尖閣領海侵入に抗議 王氏は「中国の領土」と主張、溝は埋まらず
産経新聞 8月24日(水)21時26分配信

 岸田文雄外相は24日、中国の王毅外相と外務省で会談し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺で中国公船が相次いで領海侵入していることに対して抗議するとともに、事態の沈静化と再発防止を要求した。王氏は尖閣諸島を中国の領土とする独自の立場を主張し、溝は埋まらなかった。

 岸田氏は会談で「東シナ海の状況が改善すれば、主要20カ国・地域(G20)首脳会議の際の首脳会談を含め、対話を通じて関係改善を進めたい」と強調した。王氏は会談後、記者団に東シナ海情勢について「事態は基本的に正常な状態に戻った」と述べた。

 ただ、岸田氏は会談後、「東シナ海は尖閣諸島だけではなく、資源開発など全体の問題だ。全体について改善を求めていきたい」と述べ、中国が日中中間線付近の中国側海域で続けるガス田開発や、海洋プラットホームの増設を中止しなければ「正常な状態」ではないと指摘した。

 一方、両外相は9月に中国・杭州で開かれるG20首脳会議の際の日中首脳会談開催に向け、調整を進めることで一致した。また、日本政府は谷内正太郎国家安全保障局長が24日から26日の日程で中国・北京を訪れ、中国の楊潔●(=簾の广を厂に、兼を虎に)国務委員と意見交換を行うと発表。首脳会談に向けた環境整備を図るとみられる。

 北朝鮮による潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)発射についても意見交換し、岸田氏は中国に北朝鮮への厳しい対応を求めた。


尖閣対応で大型巡視船新造=補正過去最大、600億円超―海保
時事通信 8月24日(水)19時56分配信

 海上保安庁は24日、沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船が頻繁に領海侵入している事態を踏まえ、2016年度第2次補正予算案に大型巡視船3隻新造や新型ジェット機の整備費など計674億円を盛り込んだ。

 過去最大だった15年度補正予算(255億円)を大幅に上回る規模となった。

 尖閣諸島周辺で大量に航行する中国漁船に対処するため追跡能力を高めた小型巡視船の建造を前倒し。沖縄県・宮古島を拠点とした同船の9隻体制が18年度末に完成する。20年の東京五輪を見据えたテロ対策費用として、巡視船新造などに34億円を計上した。


岸田氏、領海侵入の沈静化要求=尖閣問題で―日中外相会談
時事通信 8月24日(水)18時9分配信

 岸田文雄外相は24日、中国の王毅外相と外務省で会談した。

 岸田氏は、沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船による領海侵入が相次いでいる問題について、事態の完全な沈静化と再発防止を要求。9月に中国・杭州で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた日中首脳会談の実現には、東シナ海での状況改善が前提となるとの考えも伝えた。これに対し、王毅氏は「東シナ海情勢の悪化を防ぎ、不測の事態を回避することが重要で、日中関係を改善したい」と述べた。


領海侵入の沈静化要求=岸田氏「首脳会談の前提」―日中外相会談
時事通信 8月24日(水)17時36分配信

 岸田文雄外相は24日、中国の王毅外相と外務省で約1時間会談した。

 沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船による領海侵入が相次いでいる問題について、事態の完全な沈静化と再発防止を要求。9月に中国・杭州で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせた日中首脳会談は、東シナ海の状況改善が前提になるとの立場も伝えた。

 両外相の会談は7月下旬にラオスで行われて以来。岸田氏は「中国側が一方的な行動を続けていることは認められない。事態を完全に沈静化させてほしい。東シナ海全体の状況を改善すべきだ」と強く抗議。王氏は「東シナ海情勢の悪化を防ぎ、不測の事態を回避することが重要で、日中関係を改善したい」と応じたという。

 G20での日中首脳会談について、岸田氏は「東シナ海の情勢が改善すれば、大局的な観点からG20での首脳会談を含め、対話を通じて関係改善を進めたい」と表明。王氏は「話し合いを通じて事態をコントロールしたい」と述べた。ただ、王氏は会談後、記者団に「日本側が希望しており、中国が検討している。良好な雰囲気がつくられることを希望する」と語り、首脳会談実現には日本側の努力が不可欠との立場を示した。

 岸田氏は、海上などでの不測の事態を避けるための防衛当局間による「海空連絡メカニズム」も取り上げ、早期の運用開始を要請。王氏は双方の高級事務レベル協議を急ぐ考えを示した。この後、王氏は記者団に「双方の努力により海洋摩擦をコントロールすることで共通認識に達した」と説明。尖閣諸島周辺の中国公船・漁船の動きに関しては「漁期であり、(日本側は事態を)あおり立てている」と主張し、「事態は既に正常に戻った」とも語った。


岸田外相、尖閣問題で中国に抗議 北はSLBM発射 日中韓外相会談
夕刊フジ 8月24日(水)16時56分配信

 日中韓外相は24日、東京都内で会談し、北朝鮮問題や経済、防災など幅広い分野での連携を確認した。年内の日中韓首脳会談実現につなげられるかが焦点だが、日本としては個別会談も含めて、中国による軍事的覇権に自制を求め、中国と韓国の分断を巧みに図る。こうしたなか、3カ国が警戒する北朝鮮が同日朝、日本海で、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験を行った。

 「断じて容認できない」

 岸田文雄外相は24日午前、中国の王毅外相と、韓国の尹炳世(ユン・ビョンセ)外相との会談冒頭で、北朝鮮のSLBM発射を批判し、連携強化を呼び掛けた。

 会談では、日中韓の自由貿易協定(FTA)締結交渉の加速などを申し合わせ、午後に共同記者発表を行う。文書の発出は見送る。岸田氏は中韓外相と個別に会談。両外相は安倍晋三首相への表敬も予定している。

 外相会談に先立ち、岸田氏は23日夜、中韓外相を招いて、都内のホテルで夕食会を開いた。岸田、王両氏はこの後、非公式に接触し、1時間ほど意見交換した。沖縄県・尖閣諸島の周辺海域に、中国の公船や漁船が連日侵入している問題について、岸田氏が厳しく警告した可能性が高い。

 この問題について、王氏は23日の来日直後、「日本があおっている部分がある」と開き直っており、岸田氏にも反論したとみられる。

 外相会談に合わせるように、日本政府は24日午前の閣議で、元慰安婦女性を支援するため韓国で発足した財団への10億円拠出を決定した。岸田氏は同日の尹氏との外相会談で伝え、同時にソウルの日本大使館前に設置された慰安婦像の早期撤去を要請する。

 米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」の韓国配備をめぐり、中国と韓国は緊張関係を高めている。日本としては、慰安婦問題の“手切れ金”を払うことで、韓国に配慮し、中韓分断を進める意向もありそうだ。

 3カ国の思惑が交錯するなか、北朝鮮が動いた。

 聯合ニュースによると、韓国軍合同参謀本部は24日、北朝鮮が同日午前5時半(日本時間同)ごろ、東部咸鏡南道新浦付近の日本海で、SLBMの発射実験を行ったと明らかにした。

 ミサイルは約500キロ飛行し、日本の防空識別圏内で落下したとみられる。同日午前時点で被害は確認されていない。


日中韓外相会談 関係改善、火種は中国
産経新聞 8月25日(木)7時55分配信

 日中韓外相は24日の会談で、3カ国の連携こそが東アジアの平和と安定に資するとそろって強調したが、その不安定要因となっているのは中国の動向だ。

 「直接会って会談したのは今回で12回目だ。こうした頻繁な意思疎通が図られていることを歓迎したい」

 24日午後、東京の外務省で尹炳世(ユン・ビョンセ)外相と会談した岸田文雄外相は、にこやかに語りかけた。だが、その直後の日中外相会談で、岸田氏は王毅外相を同じ部屋で出迎えたが、両氏に笑顔はなかった。冒頭発言は報道陣に公開せず、険悪ムードが続く両国関係を象徴するような場面だった。

 慰安婦問題をめぐる昨年末の日韓合意を機に関係改善に動く韓国に対し、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に中国公船を相次いで侵入させ、一方的に対日攻勢をかける中国。中韓関係もぎくしゃくしている。米軍の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」を国内に配備する韓国に対して中国が圧力を強めているからだ。

 最近まで、韓国の朴槿恵(パク・クネ)政権は歴史認識で中国と足並みをそろえ、反日一辺倒だったため、日中韓は日本が孤立する「1対2」の関係だったが、日韓関係の改善で「2対1」になりつつあるように映る。

 「中国とは対話ができるステージになってきた」

 7月ごろ、外務省幹部は日中関係の改善に向けた見通しを持っていた。9月には、中国・杭州で主要20カ国・地域(G20)首脳会議が開かれ、習近平国家主席が議長を務める。自らが争いの“火種”となって、G20の議論が不調に終われば、「大国」を自称するメンツがつぶれ、習氏による体制統治に影響が生じかねない。

 だが、8月に入ると、局面は変わった。中国が仲裁裁判所裁定で領有権主張を否定された南シナ海の対外膨張政策に行き詰まり、尖閣に触手を伸ばしてきたからだ。外務省内でも「中国は何を考えているんだ」(幹部)と中国への怒りと不信感は強まっている。

 日中韓外相会談では、11月に日本で開催を目指す3カ国首脳会談に向けた環境醸成が図られた形だ。だが、外務省幹部は「心配なのはG20が終わったら、元に戻ることだ」と中国の動向を注視する。安倍政権は今後、国際世論を糾合し、中国への抑止力を強められるかどうかが問われることになる。


中国外交手詰まり G20へ協調…譲歩はできず
産経新聞 8月25日(木)7時55分配信

 【北京=西見由章】中国の王毅外相は、日中韓外相会談や日中外相会談で隣国との協調を演出した。9月初旬に浙江省杭州で主催する20カ国・地域(G20)首脳会議の成功が習近平政権にとって最優先課題であるためだが、孤立回避のための対外的な譲歩は政権批判につながりかねず、外交戦略は行き詰まっている。

 「中日関係は依然として困難に直面し最も大事な時期だ。努力し続けなければならない」。中国外務省によると、王氏は日中外相会談でそう述べ「中国は日本との政治的な基盤を固め、各分野で交流を展開し、G20首脳会議などで相互に協力したい」とアピールした。

 そうしたポーズはみせながらも、南シナ海や東シナ海、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」などの核心的な問題をめぐって「中国が譲歩することはできない」(共産党機関紙、人民日報系の環球時報)との姿勢は変わらない。

 官製メディアでは、外交的な苦境への言及が増えている。国営新華社通信は、今回の外相会談開催にあたって「中国側が誠意を示した」と譲歩を示唆。タカ派の環球時報も社説で「中日関係で最も重要なのは軍事衝突にいたらないことだ。今回の会談を通じて日韓との緊張が薄まり、象徴的な緊張緩和を演出できればそれでよい」と論じた。

 中国側は、外交的孤立の根本原因は米国だとみている。習政権の外交政策に影響力を持つ北京大学の王緝思教授は中国紙への寄稿で、安全保障や経済面で摩擦が表面化している米中関係について「『新常態』に入った」と表現し、衝突回避への努力を主張した。

 中国が日本による尖閣諸島の実効支配を崩そうとする動きも、今後は米国側の対中姿勢をより意識したものになりそうだ。


海自とアメリカ第7艦隊の戦力分散を画策する中国
JBpress 8月25日(木)6時10分配信

 8月17~20日、中国海軍が日本海で軍事演習を実施した。演習の詳細は発表されていないが、2つの戦隊による対抗演習(想定敵戦隊と中国戦隊による実働戦闘訓練)を行った模様である。

 中国海軍はロシア海軍との各種合同訓練を日本海で実施したことはあるが、中国海軍単独での日本海における本格的軍事演習は今回が初めてである。

■ 日本海で実施された中国海軍対抗演習

 8月12日に駆逐艦1隻、フリゲート1隻、それに補給艦1隻により編成された中国戦隊が東シナ海から太平洋に抜け出て北上した。同戦隊は8月14日、オホーツク海から宗谷海峡を横切って日本海へ進入した。そして8月16日、フリゲート2隻と補給艦からなる中国戦隊が対馬海峡を北上して日本海へと入った。

 この2つの戦隊が日本海での対抗演習を実施したレッド(仮想敵)戦隊とブルー(味方)戦隊である。人民解放軍による報道発表では、「この対抗演習は特定の国をターゲットにしていない」ことを強調しているが、海上自衛隊戦隊を仮想敵戦隊としていることには疑いの余地がない。

 引き続いて8月18日と8月19日には、それぞれ早期警戒機と爆撃機数機からなる航空部隊が対馬海峡上空を抜けて日本海の演習空域へ飛来し、また対馬海峡上空を経て東シナ海上空へ達し、中国本土へ帰投している。

■ 小規模だが戦略的意義のある演習

 公海上で行われるこの種の海軍演習は、海上自衛隊や米海軍をはじめ世界中の海軍も行っている。そのため、中国海軍による対抗演習それ自体は何ら問題はない。

 ただし、南シナ海そして東シナ海での中国海洋戦力(海軍、海警、海上民兵)による海洋攻勢が激しさを増しているこの時期に、公海上とはいえ日本海で対抗演習という実戦的訓練を行ったということには戦略的意義がある。

 すなわち、海上自衛隊とアメリカ第7艦隊の戦力を分散させるための布石の1つと考えられるからだ。

■ 東シナ海と日本海それにミサイル防衛への戦力分散

 現在、尖閣諸島周辺に、海上民兵や海軍特殊部隊を含むであろう多数の中国漁船や、それを監視保護する名目で多くの巡視船が出没しており、東シナ海から西太平洋にかけての海域や上空での中国軍艦や軍用機の活動も活発になっている。

 そうした中国海洋戦力の動きに対処するため、海上保安庁は尖閣諸島を中心とする東シナ海の巡視能力を強化し、海上自衛隊も東シナ海での中国艦艇の動きに目を光らせる態勢を固めている。

 ただし、イージス駆逐艦をはじめとする海上自衛隊の主力艦は、北朝鮮ならびに中国の弾道ミサイルに対抗するため、弾道ミサイル防衛(BMD)艦隊としての役割も負わされている。そのため中国との軍事的緊張が高まった場合には、少なくとも2つのBMD艦隊が日本海に展開し、少なくとも1つのBMD艦隊が東シナ海に展開しなければならない。

 中国による対日弾道ミサイル攻撃を監視し、発射された弾道ミサイルを捕捉し撃破するイージス駆逐艦と、それを敵の水上戦闘艦艇や潜水艦、それに航空機による攻撃から防御する任務を負った護衛艦艇からなるBMD艦隊には、中国艦艇それ自体を追尾したり攻撃する余裕はない。

 したがって有事の際に、中国海軍が東シナ海だけでなく日本海にもそれぞれ数個の水上戦隊を展開させた場合には、海上自衛隊は3つのBMD艦隊に加えて、それらの中国水上戦隊に対抗するだけの戦力を東シナ海と日本海に投入しなければならなくなる。

■ 北朝鮮やロシアに構える港湾補給拠点

 中国は直接日本海に面する領土を有していないため、中国艦艇が日本海で活動するには対馬海峡をはじめとする日本の海峡部を通過しなければならない。しかし、人民解放軍が日本と軍事的に対決する決断を下した場合、戦闘が開始される前に必要な艦艇を日本海に送り込んでしまえば、無傷で日本海に軍艦を展開させられる。

 そして、日本との軍事衝突が始まった後は、日本海に展開する中国軍艦は、北朝鮮の羅津、先鋒、清津などに中国が確保しつつある港湾拠点や、ロシアのポシェット湾に中露共同で建設されている大規模港湾施設(本コラム2014年9月18日「南シナ海・東シナ海の次は日本海、中ロが北東アジア最大の貿易港建設を計画」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/41729 参照)などからの補給を受けることが可能である。場合によっては、それらの中国の息がかかった港湾施設を中国艦艇が秘密裏に使用する事態も十二分に想定できる。

 北朝鮮やロシアの日本海沿海地域のこうした中国港湾施設は、中国吉林省からは陸路でわずかな距離しかない。よって、中国本土からはそれらの港湾施設に安定した補給ができる。

 だが、海上自衛隊や航空自衛隊には、それらの港湾補給拠点を攻撃する能力は備わっていない。港湾拠点から日本海上の中国艦艇への補給ラインを遮断する戦力もまた欠乏している。

 そして、吉林省からは港湾施設に対する補給ルートが延びているだけではなく、吉林省や黒竜江省の航空基地を飛び立った各種航空機が北朝鮮の上空を通過して日本海に繰り出してくることになる。

 今回の対抗演習では、中国軍機が東シナ海から対馬海峡の上空を北上して日本海に飛行したが、それは日本に対するデモンストレーションのためにわざわざ遠回りをしたのである。有事の際には満州側から直接日本海上空へ向かえば良いのだ。

 要するに、中国が海洋戦力を日本海にも繰り出すとなると、海上自衛隊や航空自衛隊は東シナ海に集中させようとしていた防衛資源を日本海にも分散させなければならなくなる。しかし、ただでさえ戦力が十分とは言えない海上自衛隊や航空自衛隊に、そのような分散展開はきわめて困難である。その上、上記のように、海上自衛隊は弾道ミサイル防衛の責務も遂行しなければならないのである。

■ さらに分散を迫られるアメリカ第7艦隊

 日中間の軍事衝突が発生しそうな場合に日本を支援し中国を牽制する役割が期待されているアメリカ海軍第7艦隊(本拠地は横須賀)も、戦力分散という難題に直面することになる。そして、その分散の度合いは海上自衛隊より大きい。

 中国による人工島基地群の建設や、スカボロー礁への侵攻姿勢の強化など、南シナ海情勢が緊迫している。そのため、第7艦隊は南シナ海への出動を常に念頭に置いておかなければならなくなっている。

 ところが、南シナ海に加えて東シナ海でも尖閣諸島周辺を中心に中国海洋戦力の展開が急速に活発化しており、東シナ海での有事の際に海上自衛隊を支援して中国海軍と対決する準備態勢を整えておく必要も生じてしまった。

 それに加えて、中国海軍や航空戦力が日本海でも作戦を展開するとなると、第7艦隊も海上自衛隊を補強するために、日本海に展開させる戦力を用意しなければならなくなる。さらに、海上自衛隊同様に第7艦隊も在日米軍施設を北朝鮮や中国の弾道ミサイルから防衛するために、弾道ミサイル防衛態勢も維持しなければならない。

 空母打撃群を擁し多数の戦闘艦艇(原子力潜水艦3隻、イージス巡洋艦3隻、イージス駆逐艦7隻など)の威容を誇る第7艦隊といえども、南シナ海、東シナ海、日本海、それにミサイル防衛に戦力を分散させてしまっては、中国海洋戦力に対する抑止戦力とはなり得なくなってしまうのだ。

■ 日本版A2/AD戦略の整備が急務

 中国海軍による日本海での初めての対抗演習は、訓練規模そのものは脅威を感ずるほどのものではない。しかしこの演習は、中国海洋戦力が、東シナ海や南シナ海に加えて日本海でも作戦行動を本格的に始める先触れであると考えられる。そのため、海上自衛隊や航空自衛隊そしてアメリカ第7艦隊にとっては、深刻な戦略的課題を突きつけられたことになるのだ。

 日本政府は、海上自衛隊そして航空自衛隊に対して、東シナ海方面と日本海方面に対して同時に十二分なる戦力を展開できるだけの防衛資源(人員、装備、資金、戦略)をあてがわなければならない。

 しかしながら、海軍力や航空戦力を増強するには、陸上戦力の強化に比べると長い時間と莫大な予算を要する。

 そこで、伝統的な海洋戦力(艦艇、航空機)の強化と平行して日本版「A2/AD」戦略(※)を実施するのがとりあえずは急務である。

 (※)「A2/AD」戦略とは、外敵が日本の領域に接近してくるのを阻止するための戦略。ミサイル戦力が中心となるA2/AD戦略態勢の整備は、伝統的な海洋戦力の強化に比べて時間も費用もかからない。


東シナ海情勢を懸念=紛争可能性、南シナ海より高い―前米海軍トップ
時事通信 8月24日(水)6時39分配信

 【ワシントン時事】ジョナサン・グリナート前米海軍作戦部長は22日公表されたシンクタンク「全米アジア研究所」のインタビューで、沖縄県・尖閣諸島をめぐる日中の対立を念頭に「東シナ海の問題は感情やナショナリズムの影響を受けやすい」と指摘した。

 その上で「紛争が発生する可能性は南シナ海よりも高い」と懸念を示した。

 グリナート氏は、日中間には歴史問題がある一方、外交関係や軍同士の関係が弱いため、「平和的解決の手段を欠いている」と説明。海洋問題をめぐる争いを外交的解決に導くための関係がなく、南シナ海の領有権問題よりも取れる選択肢が少ないと語った。


ランド研がリアルに予測、米中戦争はこうして起きる
JBpress 8月24日(水)6時10分配信

 米国と中国の間には戦争勃発の可能性があり、起きた場合、その展開は日本の動向に大きく左右される──。米国の大手安全保障研究機関、ランド研究所がこんな衝撃的な予測を打ち出した。日本の今後の対中政策や対米政策を考える上で、大いに注目すべき分析だと言えよう。

 ランド研究所は、安全保障や軍事の研究に関して米国で民間最大の組織と言われる。同研究所は、米陸軍当局からの委託で米中戦争に関する調査や研究を進め、その結果を7月末、約120ページの「中国との戦争」という報告書にまとめた。予測期間は2025年までとされている。

■ 米中戦争の勃発は十分にありうる

 同報告書の副題には「考えられないことを考える」とある。報告書はまず、「米中戦争は両国に与えるダメージがあまりに大きいため、起こり得ないとされてきたが、現実はそうではない」とし、誤算や事故による米中戦争の勃発は十分にあり得ると述べる。

 その背景としては、以下の骨子を記していた。

 「米中両国は、軍事的な対決や衝突につながる地域紛争での対立案件を抱え、その地域周辺に大規模な軍事力を保っている。そのため両国は、偶発的な衝突や危機が勃発した場合、攻撃される前に率先して攻撃に出ることへの動機が両国いずれの側にも強く存在する。

 現実に両国は、陸海空、宇宙、サイバー空間などの広大な領域で、戦闘をするのに必要な兵力、技術、工業力、要員を十分に保有している。だから、米中戦争は単に『考えられる』というだけでなく、実際に起こり得るという思考が必要なのだ」

 こうした姿勢や認識は日本の常識からすると、非常に物騒にみえる。“好戦的”とさえ言える危険な発想とも思える。だが米国では、この種の戦争の予測的な総合研究は、「どのように防ぐか」という意図の下に常に続けられているのである。

■ 近い将来に戦争が起きた場合は米国が有利だが・・・

 同報告書は、米中戦争が勃発するきっかけとして以下のような事態を想定していた。

 ・東シナ海の尖閣諸島などをめぐる日中両国の軍事摩擦
・南シナ海での中国のフィリピンやベトナムへの軍事威圧
・北朝鮮の政権崩壊に伴う米中双方の朝鮮半島への軍事介入
・中国の台湾に対する軍事的な攻撃あるいは威嚇
・排他的経済水域(EEZ)や、その上空での艦艇、航空機の事故

 以上のような小規模な軍事的摩擦や衝突が米中両国の戦争へとエスカレートしうるという。さらに同報告書は、米中戦争の規模などは以下のようになるだろうと予測していた。

 ・米中戦争は非核の通常戦力による戦闘となる。
・戦闘では主に水上艦艇、潜水艦、航空機、ミサイルが用いられる。宇宙とサイバー空間も戦いの場となる。
・戦闘は東アジアで始まり東アジアで続くが、西太平洋の広大な地域も戦場となる。
・通常兵器での戦闘が激しくなっても、核兵器は使われないだろう。
・中国は米国本土への攻撃は行わないだろう。
・米国は逆に中国本土へ激しい攻撃を加えるだろう。
・地上戦闘はほとんど起きない。

 同報告書は以上のように米中戦争の特徴を予測し、さらにその戦闘の形態について、(1)短期で激烈、(2)長期で激烈、(3)短期で軽微、(4)長期で軽微――の4つのパターンを挙げていた。

 その上で、それぞれのパターンついて、経済や政治など非軍事面での両国の損失を推定し、戦争の帰趨までを予測していた。その予測によると、数日から数週間の「短期」の場合、そして今から近い将来に戦争が起きた場合には、米国が圧倒的に有利だとしている。

 一方、2025年に近い時期に米中戦争が起きた場合は、中国軍が「A2/AD」(接近阻止・領域否定)戦略の戦闘能力を着実に強化しているので、勝敗の決まらない膠着状態となる可能性が高いとしていた。

■ 中国軍は日本の米軍基地や自衛隊基地も攻撃

 同報告書で特に注目されるのは、米中戦争の勃発と展開に日本が非常に重要な役割を果たすと強調している点である。具体的には、日本は次のような形で関与する可能性があるという。

 ・中国は尖閣諸島周辺における日本との対立で、米国の日米安保条約の誓約を過少評価し、尖閣で日中間の戦闘が起きても米軍は介入しないとみて軍事行動に出る可能性がある。

 ・中国は米国との戦争になれば、日本の米軍基地や自衛隊基地を攻撃する確率が高い。その場合、日本はほぼ自動的に米国と共に戦うことなる。

 ・北朝鮮が中国の「同盟国」として米軍や在日米軍基地にミサイル攻撃を加える可能性がある。その場合も、日本は米国の味方としての立場を明確にするだろう。

 このように同報告書は、米中戦争では日本が最初から米国の同盟国として戦う見通しが強いことを強調する。日本が集団的自衛権の一部行使を容認したことで、その展望はさらに現実的なものとなったとしている。

■ 日本の全面支援で膠着状態は米軍有利に

 同報告書は、米中戦争の勝敗の帰趨についても日本の動向が決定的な要因になり得るとして、以下のような点を強調していた。

 ・米中戦争において、米国の同盟国、友好国の動きはきわめて重要である。中でも日本の役割は決定的となる。特に2025年近くの米中戦争では、日本の潜水艦、水上艦艇、戦闘機、ミサイル、情報・監視・偵察(ISR)などの能力は米側にとって不可欠な基本戦力となる。

 ・米中戦争が長引けば長引くほど、日本の軍事的な対米協力の効果が大きくなる。日本の支援のおかげで、米軍は他の地域の米軍部隊を中国との戦争に転用する必要が減るだろう。中国軍にとって、日米連合の部隊と戦うことは困難になる。

 ・中国軍は2025年頃までには、年来の対米軍戦略の基本である「A2/AD」戦略の能力を大幅に高め、対米戦を勝敗のつかない長期戦に持ち込むことができるようになる。しかし、日本が米軍を全面支援することで均衡は変えられ、米軍は有利になる。

■ 米国の現実的な姿勢を認識しておくべき

 以上の日本に関する数々の指摘の中で、「米中戦争が、尖閣諸島をめぐる日中の対立から勃発し得る」という点は、現在の日本にとってきわめて深刻な意味を持つと言えるだろう。

 同時に、米中関係が表面的に経済交流などで協調的、友好的にみえても、水面下では最悪の状態にあり、米中戦争の発生も想定しているという米国の現実的な姿勢も、日本はしっかり認識しておく必要がある。


<稲田防衛相>原子力空母を視察 横須賀基地
毎日新聞 8月23日(火)20時21分配信

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米空母ロナルド・レーガンを視察する稲田防衛相=神奈川県横須賀市で2016年8月23日午後3時8分、村尾哲撮影

 稲田朋美防衛相は23日、米海軍横須賀基地(神奈川県)に配備されている原子力空母ロナルド・レーガンを視察した。米海軍第7艦隊司令官のジョセフ・アーコイン中将とも艦内で会談し、東シナ海や南シナ海での「法の支配」の重要性で一致した。沖縄県・尖閣諸島周辺で中国公船が領海侵入を繰り返す事態を踏まえ、日米同盟の強化をアピールする狙いがある。

 会談では、北朝鮮の弾道ミサイル発射に対し、日米韓の協力を促進することも確認した。稲田氏は会談で「日米同盟が非常に重要で、この関係をしっかり続けたい」と述べた。

 稲田氏はその後、海外に唯一配備されている同空母について、記者団に「同盟の強さを心強く感じた」と強調。「中国と連携を図ることが重要だ」とも述べ、日中間の緊張がこれ以上高まらないよう冷静に対応する考えも示した。

 稲田氏はこれに先立ち、海上自衛隊横須賀基地も視察し、「緊張感を持って取り組んでほしい」と訓示した。【村尾哲】


稲田朋美防衛相、中国と北朝鮮を念頭に「緊張感をもって取り組んで」と海上自衛隊を激励
産経新聞 8月23日(火)18時7分配信

 稲田朋美防衛相は23日、海上自衛隊横須賀基地(神奈川県横須賀市)を視察し、日本周辺における中国や北朝鮮の挑発的な行動を念頭に「緊張感をもって任務に取り組んでいただきたい」と訓示し、隊員を激励した。視察では海自最大艦艇のヘリコプター搭載型護衛艦「いずも」、そうりゅう型潜水艦「こくりゅう」に乗艦した。

 稲田氏はまた、米海軍横須賀基地(同)に配備された原子力空母ロナルド・レーガン艦上で第7艦隊司令官のジョセフ・アーコイン中将らと会談。東シナ海や南シナ海における法の支配の重要性で一致した。

 視察後、稲田氏は記者団に対し、中国の海洋進出について「日本の防衛に万全を尽くす。さらに日米同盟を強固なものにし、しっかりと情報、分析も進めていく」と強調。在沖縄米軍基地に関しては「できるだけ早い時期に視察したい」と述べた。


中国公船4隻、尖閣沖の接続水域内を航行
読売新聞 8月24日(水)10時57分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、24日午前9時現在、沖縄県石垣市の尖閣諸島・久場島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を、中国海警局の公船4隻が航行するなどしている。


海保、過去最大の補正予算案を計上する方針 対中国へ「尖閣死守」シフト
夕刊フジ 8月23日(火)16時56分配信

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尖閣諸島(写真:夕刊フジ)

 中国が、沖縄県・尖閣諸島への侵略意図をあらわにするなか、海上保安庁と自衛隊が「尖閣死守」のため、過去最大の予算確保に着手した。大型巡視船の新造や、新型地対艦ミサイルの研究開発費などに充てる。周辺海域に、公船や漁船を連日集結させる中国に対して、「領土・領海・領空を守る」という断固たる決意を示すものだ。

 「(日本と中国の)2国間の懸案事項は2国間会談で取り上げる。日本の考えを明確に直接伝えたい」

 岸田文雄外相は22日、東京で24日に開催される日中韓外相会談を前に、記者団にこう語った。岸田氏は、中国の王毅外相と個別に会談して、尖閣周辺での中国公船などの挑発行為に抗議し、自制を求める方針だ。

 警告だけでない。保安・防衛能力も強化する。

 海上保安庁は2016年度第2次補正予算案に、過去最大となる約600億円を計上する方針を固めた。同庁全体で、尖閣警備専従部隊への応援態勢を取りながら、その他の日本周辺海域の治安を通常通り維持することを目指し、大型巡視船3隻程度を新造する。各種巡視船艇の高性能化なども併せて進め、全国的な対応能力を高める。

 防衛省も17年度予算の概算要求で、米軍再編経費などを含む総額として過去最大の5兆1685億円を計上する方針を固めた。尖閣諸島など離島防衛を念頭に、23年度配備を目指した新型地対艦ミサイルの研究開発費も盛り込む。

 新型地対艦ミサイルは、現行の最新型12式地対艦誘導弾(射程約200キロ)の改良型。射程を300キロ前後に延ばすことを目指す。尖閣諸島のほか、有事の際に沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通航する外国艦艇の牽制につなげる。

 中国は今月に入り、尖閣周辺の接続水域や領海に大量の公船や漁船を侵入させている。漁船には軍事訓練を受けた100人以上の海上民兵が乗り込んでいるとされる。

 「既成事実を積み重ね、実効支配を強めていくのが中国のやり方」(公安関係者)だけに、海上民兵が尖閣に強行上陸したうえで、中国当局や軍が「自国民保護」名目で乗り込んでくる危険性が懸念されている。

 こうした暴挙を食い止めるには、スキのない海上保安体制を構築し、離島防衛能力を高めることが不可欠なのだ。


中国公船4隻、尖閣沖の接続水域内を航行
読売新聞 8月23日(火)11時50分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、23日午前9時現在、沖縄県石垣市の尖閣諸島・久場島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を中国海警局の公船4隻が航行している。


緊迫の南・東シナ海、進撃する中国を阻止する米国の戦略とは?
nikkei BPnet 8月23日(火)9時57分配信

 中国は、2016年7月12日の南シナ海の管轄権に関する仲裁裁判の判決を「紙くず」だと一蹴した。それから1カ月もたたない8月7日、今度は東シナ海上で一気に緊張を高める行動に出た。中国の公船と漁船約230隻で尖閣諸島付近に押し寄せ、一部の漁船と公船が繰り返し領海に侵入。これほど多くの船で、しかも尖閣諸島が自分の領海であるかのように振る舞う今回の行動は、これまでとは一線を画した過激さだ。

 米国は、このような状況を戦争の前段階と捉え、柔軟抑止オプション(FDO)を活用して対処してきた。しかし、このまま中国の過激な行動が止められなかった場合、米国は中国をどのように判断し、対処していくのか。

 最終的に米国は、中国との戦争を望むのか。その時、米国の友好国や同盟国は、どう行動すべきか。そして、日本はどのような決断を迫られるか――。

●中国はこれからも過激になるのか

 以前までの東シナ海における中国の公船や軍艦の行為は、「クリーピング・エクスパンション」と呼ばれていた。まるで植物が地をはってゆっくりとツルを伸ばすように(Creeping)、徐々に日本の領海に近づける回数を増やし、時には領海に侵入する。

 最初は中国公船の領海侵入に驚いていたが、徐々に慣れてきた私たちは「ああ、またか」と思うようになる。この状態が続くと、尖閣諸島周辺には中国が恒常的にいるのだ、と無意識に錯覚する状態が作り出される。こうして、本来は日本の領土であるにもかかわらず、中国との間で領有権問題があると“感覚的”に認めさせようとする。

 ところが、ここ数カ月の中国の行動はこれまでと全く異なる。2016年6月17日の東シナ海上空での“空中戦”まがいの行為や、8月7日以降に見られる多数の中国船舶による領海侵入は、これまでの緩やかな緊張カーブを打ち破り、新たな作戦の段階に突入したと言える。尖閣は自分たちの所有する島であると「力で主張」するステージに入ったのだ。

 中国は、これまで念願だった強力な軍事力を手にしてしまっている以上、この動きを止めることは難しいだろう。中国の国防費は、冷戦中の1988年から起算すると27年間で約41倍に膨れ上がっている。母親のお腹に宿る小さな赤ん坊が、体重80kgの屈強な男に成長したようなものだ。欲しいもがあれば、腕力でつかみ取ることもできる。

 しかも、このような軍事力の拡大は急には止められない。通常、戦略の構想から兵器の設計、製造、購入、配備までは長期間を要し、いったん着手すると余程の理由がない限り計画を中止することは無い。兵器の配備は莫大な長期投資だから、利益の回収と効果の発揮に時間がかかるからだ。

 今年中に実戦配備が計画されている米空軍の最新鋭ステルス攻撃機F-35Aの場合、構想の初期段階から起算すると実に20年以上が経過している。日本の防衛計画を策定するプロセスでも、10年ほど先の将来を分析して「長期情報見積り」や「技術動向見積り」と呼ばれる文書をまとめ、それらを参考に構想・計画を策定するよう防衛省訓令で規定されている。

 9月には自国の杭州での20カ国・地域(G20)首脳会議を控えていることから、中国は、参加各国との関係や自らの立場を考慮し、短期的には南シナ海での目立った挑発行為は控えるだろう。一方で、東シナ海では日本に対する過激な行動が顕在化するだろうし、危機管理上、長期的には南・東シナ海での過激な行動を続けると捉えて準備せざるを得ない。

米国は中国と戦争をする覚悟があるのか
 では、米国はどう対応するのか。

 米国にとって、中国はこれまでに対抗したことの無い新しいタイプの国だ。旧ソ連のように、核兵器を含む強力な軍事力を持って対抗してくる上に、互いに経済的な利益を共有している。(下図参照)。シンプルな方法で対応して良い相手ではない。

 特に、核兵器保有国であることが状況を複雑にする。双方が核兵器を持っている場合、事態が急激にエスカレートしてしまうと、相手に対する不信感が募り、先に核兵器を使用したい誘惑にかられるリスクを抱える。ダメだと分かっていても、だ。

 この状態を未然に防止するためには、通常兵器で相手国の政治的意図を変更させる必要がある。これは、全面核戦争を想定した「大量報復戦略」に対して「柔軟反応戦略」と呼ばれる戦い方で、既にベトナム戦争で採用された。当時は、状況に応じて空爆をコントロールし、ソ連を刺激し過ぎることなく全面核戦争の回避を試みた。

 その結果どうなったか。決定的な機会に必要な軍事力を投入できず戦争が泥沼化し、米国は敗北した。その後、この経験を教訓に軍の戦い方を見直し、湾岸戦争ではイラクを早期に、完膚なきまでに空爆。イラク戦争では大量破壊兵器を保有している“疑惑”の段階で先制攻撃に踏み切った。

 しかし、これは相手が核保有国ではなかったからできた戦術である。核兵器保有国と戦う場合は湾岸戦争のようにはいかず、ベトナム戦争のように軍事行動オプションがシンプルに決定できない実情がある。だから、米国は中国との戦いを困難で複雑だと捉えるはずであり、戦争に踏み切るには自然とハードルが高くなる。

 一方で、米国は強いスピリットを持つ国家でもある。米国にとっての核心的な利益が侵害されるような事態になれば、黙ってはいないだろう。軍事技術は日進月歩で変化しており、取り得る選択肢も以前とは異なる。将来における米中2大パワーの衝突は、十分に想定し得る。

新たな対中軍事戦略「統合エアシーバトル」
 では、どのような戦い方になるのか。

 一つは、「統合エアシーバトル」戦略だ。これは、中国との戦いにおいて地勢的に劣勢に立たされる米国が考案した新たな戦略だ。

 かつて日本と戦った際、マッカーサーはパプアニューギニアを起点に島から島へと攻勢に転じ、ついには沖縄まで北上した。陸を経由することによって、初めて陸軍という目に見える力が日本に肉薄し、相手を脅すことができた。

 ところが、中国がA2AD(接近阻止/領域拒否)能力を向上させてきた。そうなると、たとえ友好国の島々を利用して中国に陸軍で肉薄しようとしても、長距離を飛行可能な航空機や弾道ミサイルによって、中国大陸に近い友好国の基地が容易に先制攻撃を受ける恐れが出てきた。

 こうなると、マッカーサーがやったような戦い方では中国に勝てない。なぜなら、最初から攻撃を受ける場所に軍を配備することになり、損害を受ける可能性が高まるからだ。そこで、米国は軍事技術の向上を自分に有利なように活用する方法として、新たな「統合エアシーバトル」戦略の始動に着手している。これは、戦力をネットワーク化・統合化して急所に対する縦深攻撃を可能にしようとする試みだ。

 例えば、長距離を飛行可能な海軍の無人ステルス偵察機や敵地に事前に潜伏する潜水艦が得た情報を、ネットワークで連接された空軍のステルス爆撃機と共有する(米海・空軍戦力を統合)ことにより、絶好のタイミングを得て敵の急所を攻撃することが可能となる。

 これにより、米軍は容易に接近できない敵に対しても、前線を突破して急所を攻撃する能力を持とうとしている。現在、この一つの戦略を基準に、米軍は、陸・海・空のみならず、宇宙やサイバー空間を含む全ての作戦領域における戦力や戦いのあり方、組織のあり方を見直す大転換に挑戦している。

米国のもう一つの戦略「オフショア・コントロール」
 一方で、この「統合エアシーバトル」戦略に対しては、米国内から実行可能性を疑問視する声が上がっている。中国本土を直接攻撃することを前提とするこの戦略は、効果的な戦術を提案しているものの、戦争終結のストーリーを描くまでには至っておらず、最終的には相互に疲弊して出口が見えない戦いに陥ってしまうのではないか、という疑問だ。

 その声の主は、興味深いことに米軍自身だ。2012年、米国防大学T.X.Hammes氏は、中国本土を攻撃しない「オフショア・コントロール」戦略を提唱。沖縄、台湾、フィリピンをつなぐ第一列島線上の友好国・同盟国と協力し、中国本土から少し離れた第一列島線の以東から南・東シナ海をコントロールしようとする方法だ。

 南シナ海には中国の輸出入貿易に欠かせないシーレーンがある。米軍を含む友好国・同盟国チームで、この海域で優位な状況(海上優勢)を作り出し、中国の商船の動きをコントロール可能な状態にし、経済的な打撃を与える作戦だ。これにより、軍事的な攻撃の前段階で中国政府に対して自らの考え方を見直す機会を与え、行動を変更させようとするものだ。

 この戦略は中庸な選択肢に見えるため、政治的なハードルは低くなる。一方で、欠点も指摘されている。コントロールの考え方と紛争の出口は描かれているが、それを実行するための具体的な方法が棚上げされている点だ。マレーシアやインドネシアの海峡を封鎖したり、南シナ海での航行を制限する理想は掲げられているものの、実際に海軍や空軍のアセットをどのように運用して海上での優位な状態を作り出すのかは具体的に言及されていない。

米国の対中軍事戦略の行方と日本の選択
 このように、米国の対中軍事戦略は決してシンプルに語れるものではない。実際の戦略は、これら二つの考え方が事態の推移に応じて組み合わされると考えられる。今後、10~15年の時間軸で米中の戦力バランスを分析しながら、現在と今後の投資のバランスを決定していくことになるだろう。

 同時に、友好国・同盟国は米国の対中軍事戦略に大きな影響を与える。前述した米国の二つの戦略には、共に友好国・同盟国との協力が織り込まれている。中国の動きをけん制し、封じ込めていくためには、日本を含むアジア太平洋地域における米国の“同志”をどの程度頼りにして良いのかーー。

 不確定要素が多く不安定で複雑な安全保障環境の中、私たちは現状を直視してオプションを整理し、最適な答えを選択していくほか、道はない。日本は、間違いなく米国の戦略に大きな影響を受け、そして、大きな影響を与える存在である。

 日本の選択が、アジア太平洋地域の平和と安定に大きなインパクトを与えるのだ。

 次回、想定される米中軍事衝突のシナリオ・ケースを列挙し、友好国・同盟国に求められる役割、そして日本が直面し得る戦略オプションを具体的に考えてみたい。

※この連載の内容は筆者個人の見解であり、所属する組織の公式的な見解ではありません。

(文/上村康太=日本GE株式会社 安全・危機管理部長)

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