« 東日本大震災等および原発事故関連のニュース・2139 | トップページ | 終戦記念日の今日15日、高市総務相、丸川五輪相、萩生田官房副長官の閣僚らが靖国神社参拝 »

2016年8月14日 (日)

尖閣の接続水域に中共海警局15隻と支那漁船300隻以上来襲 海警が領海侵入繰り返す・3

日本の外務省は6日午前、沖縄県・尖閣諸島周辺の接続水域に中共支那海警局の船6隻とその周辺に支那漁船約230隻を確認したとして、中国側に抗議したと発表した。

海上保安庁は6日、中国海警局の船1隻を新たに接続水域内で確認したと発表した。接続水域内を航行する中国海警局の船は計7隻になった。
さらに海上保安庁は7日、中国海警局の公船2隻を新たに接続水域内で確認したと発表した。計9隻のうち2隻が領海内に侵入した。

外務省によると、接続水域に入った中共海警局の船のうち、4隻はその外観から砲のような武器を搭載しているのを確認している。

金杉憲治アジア大洋州局長が在日中共大使館の公使に対し「緊張をさらに高める一方的な情勢のエスカレーションで、決して受け入れられない」と抗議した。

※以上、産経新聞の報道をもとに構成

従来から中共支那は尖閣諸島に対してあからさまな侵略意図を示しており、今回の大量の艦艇による接続水域侵入は、暴力・軍事力による同諸島強奪の姿勢をさらに一段と高める行為と認識せざるを得ない。

こうした中共の態度は、世界の秩序を完全に愚弄する思い上がり図に乗ったものであり、中共がこうした態度を改めない限り、この地域での紛争・戦争の危険は日に日に増大するものと見なければならず、その結果中共軍は敗走して共産党の威信は失墜し、国内の暴動によって中共は崩壊するだろう。

このような凶暴かつ愚劣な行為を改めなければ、招来する重大な結果について、中共支那はその一切の責任を負わなければならない。

最初の記事
2番目の記事

リンク:海保、最大600億円計上へ 補正予算 尖閣めぐり巡視船新造 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国「尖閣襲来」より五輪が話題!? 日本の「平和ボケ」ここに極まる もはや「挑発」ではない - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:改良型ミサイル、南西諸島配備へ…離島防空強化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<尖閣周辺の領海>中国の公船4隻 外務省が抗議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国公船侵入で外務省が抗議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:東シナ海 外務省、中国公船の領海侵入に抗議「わが国主権の侵害、断固として認められない」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国公船4隻、尖閣沖の領海内に侵入 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国公船が領海侵入=今年26日目―沖縄・尖閣沖 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣防衛へ新潜水艦 来年度概算要求 那覇の空自、格上げ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣沖接続水域内に中国海警局の公船3隻 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米爆撃機3機種が同時展開 中国牽制か 五輪閉会式前後の尖閣強奪懸念 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「軍靴の音」は中国から響いている --- 梶井 彩子 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣漁船衝突で習近平の対日政策に変化はあるか? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「中国への対応は日本が決めること」と米専門家 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣念頭に新型ミサイル 5兆1685億円で防衛費過去最大要求 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「尖閣強奪の動き」と非難=中国に抗議決議―沖縄・宮古島 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<尖閣領海>中国公船4隻が侵入 外務省が抗議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣で暴走する中国漁船の正体は“海上民兵”だった 訓練を受けた百人以上が乗船 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:外務省「主権の侵害」、中国公船侵入で抗議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:外務省が中国側に抗議「わが国主権の侵害であり、断固として認められない」 中国公船領海侵入で - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国海警局の公船4隻、尖閣沖の領海に侵入 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:領海侵入で中国に抗議=外務省局長が公使に - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国公船が領海侵入=8日ぶり、外務省が抗議―尖閣沖 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国民兵は全30万人、東シナ海も武装化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣に迫る中国、日本はどう対応すべきか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣・尖閣沖の接続水域、中国の公船4隻航行 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<尖閣海域>中国漁船が領海侵入 海保、映像公開 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国船「尖閣領海侵入」の瞬間とらえた 海上保安庁が動画を公開 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:領海侵入の中国船動画公開=外務省と海上保安庁 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:海保、尖閣周辺の中国公船・巡視船など映像公開 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国衝撃、尖閣漁船衝突 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣に押し寄せる大量の中国船、東シナ海と南シナ海問題が連動する理由 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣防衛、ミサイル開発へ…23年度の配備目標 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:尖閣問題、中国の主張には2つの誤りがある - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

海保、最大600億円計上へ 補正予算 尖閣めぐり巡視船新造
産経新聞 8月23日(火)7時55分配信

 中国公船が尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に頻繁に侵入している事態などに対応するため、海上保安庁が平成28年度第2次補正予算案に過去最大となる約600億円を計上する方針を固めたことが22日、分かった。同庁全体で尖閣警備専従部隊への応援態勢を取りながら、その他の日本周辺海域の治安を通常通り維持することを目指し、大型巡視船3隻程度を新造する。各種巡視船艇の高性能化なども併せて進め、全国的な対応能力を高める。

 尖閣諸島周辺の領海や接続水域では今月に入り、中国の200隻以上の漁船とともに公船が航行。8日には、過去最大規模となる公船15隻が侵入し、岸田文雄外相は9日、中国の程永華駐日大使に抗議していた。

 今年2月までに配備されている同部隊の大型巡視船は14隻相当(実数12隻)だが、海上保安官のローテーションや修理を考慮すると、5隻までしか同時運用できない。このため、全国の管区からの応援を受けて対応していた。

 中国は、仲裁裁判所の裁定で領有権主張を否定された南シナ海の海洋政策に手詰まり感があり、東シナ海で活動を活発化させる可能性が高まっている。「全国的に隙のない海上保安体制の構築」を目指す海上保安庁は、尖閣諸島周辺海域に中国公船が大挙して押し寄せた場合、全国の管区から応援を出した上で日本周辺海域の治安を維持するためには全国的に大型巡視船の増強が必要と判断した。

 今月中旬以降、尖閣諸島周辺の接続水域や領海内を同時に航行する中国公船の数はおおむね4隻前後。先月までは3隻前後だったのに対し、高い水準が定常化しつつある。公安関係者は「既成事実を積み重ね、実効支配を強めていくのが中国のやり方だ」と指摘している。


中国「尖閣襲来」より五輪が話題!? 日本の「平和ボケ」ここに極まる もはや「挑発」ではない
現代ビジネス 8月23日(火)6時31分配信

リオ五輪に一喜一憂した2週間
 8月上旬から中旬にかけて、中国を回っていて、2週間ぶりに帰国してみると、日本はオリンピックのメダルラッシュに沸いていた。

 というより話題はそれ一色。NHKのニュースをつけると、頭から約30分間も、アナウンサーが顔を火照らせながら、オリンピックの日本人選手たちの健闘ぶりを称えているではないか。

 オリンピックを否定するつもりは毛頭ない。私だって日本人選手たちの活躍ぶりには感動を覚える者の一人だ。だがオリンピックの最中にも、世界では戦争も起こっていれば、経済マーケットも変動しているのだ。

 北京でも、中国選手の活躍ぶりは連日、報道されていたが、それはあくまでもニュースの「ごく一部」であって、大部分は通常と同様、国内外の情勢を伝えていた。オリンピックをとことん見たい人は、中国中央テレビの5チャンネル(スポーツ専用チャンネル)で見てくださいというわけだ。

 世界は24時間365日、休むことがないというのに、日本では「オリンピック以外」が排除されたかのように映った。もしかしたら、メディアのスポーツ担当以外の人たちが長い夏休みを取りたかったのかもしれないが、国民もすんなりと、そうした現実を受け入れている。

 一言で言うと、日本は「平和ボケ」状態なのである。

 中国が、8月5日から9日にかけて、尖閣諸島周辺に「船団」を繰り出し、日本が騒然となったことは、まだ記憶に新しい。だが、そうしたことすら「昔起こった地震」のようなもので、日本中がリオのオリンピックの日本人選手の動向に、一喜一憂した2週間だった。

 Pokémon GOに浮かれ、オリンピックに浮かれる。日本のこうした現象は、野望を実現すべく虎視眈々と歩を進めている隣の大国にとっては、大変好ましいことなのである。

 ちなみにPokémon GOに関しては、ある人が習近平主席に話したら、「何だ、それは?」と興味津々だったという。先月このコラムで記したように、中国はグーグル自体を禁止しているため、Pokémon GOはインストールできない(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/49282)。

「中国の夢」実現に向けた一歩
 中国の野望については、この夏に上梓した拙著『パックス・チャイナ 中華帝国の野望』(講談社現代新書)で詳述した。それはひと言で言えば、21世紀のアジアに、「パックス・チャイナ」(中華帝国のもとでの平和)を築き上げること。習近平主席の言葉を借りれば、「アジアを甲午戦争(日清戦争)以前の状況に戻すこと」である。

 中国から見れば、アジアは古代から「パックス・チャイナ」(冊封体制)の秩序のもとに平和と安定を維持してきたが、1840年にイギリスがアヘン戦争を仕掛けたことで、中国は世界ナンバー1の座を失った。それから約半世紀後の日清戦争(1894年~1895年)で、日本にも大敗北を喫したことで、中国はアジアナンバー1の座からも転落。20世紀前半は、半植民地的生活を余儀なくなれた。

 それが1949年に毛沢東率いる共産党政権が全土を統一し、それから半世紀余りを経て、21世紀にアジアナンバー1の経済大国の座を取り戻したところで、自分にバトンタッチされた。そこで習近平主席は、時計の針を逆に回そうと考えたのである。

 すなわち、まずは日本を完全に抑え込んで、名実ともにアジアでナンバー1の座を取り戻す。その期限は、中国共産党創建100周年を迎える2021年である。

 続いて、アジアの海に鉄壁の「海の万里の長城」を築いて、アメリカ軍をアジアから放逐する。その期限は、新中国建国100周年を迎える2049年である。これを「二つの100年」と呼び、その目標達成のために日々邁進しているのが、いまの中国の姿なのだ。

 8月上旬に中国船団が、まるで江戸時代末期の黒船のように襲来した時、私は北京にいたが、「加害者」である中国側は悠然と構えていた。なぜなら習近平政権は、前述のような気宇壮大な「中国の夢」の実現に向けて、計画に沿ってコマを“一歩”進めただけのことだからだ。

 今回のすべての原因は、南シナ海にあった。中国人民解放軍は、2012年11月に党中央軍事委員会主席(軍トップ)に就任した習近平に、中国が「九段線」と称する南シナ海全域の「占領計画」を新たに提案。習近平新主席は、直ちにこのオペレーションを承認した。

 「中国の夢」をスローガンに掲げる習近平政権にとって、南シナ海はまさに、「海の万里の長城作戦」の要衝である。中国は「九段線」を掲げているが、本当に重要なのは「三段線」だ。

 一つ目の線は、ベトナム近海の西沙諸島(パラセル諸島)である。ここは1974年以降、中国が実効支配していて、すでに軍用飛行場、軍事用レーダー、地対艦ミサイルという「3点セット」を配備した。

 二つ目の線は、マレーシアやインドネシアに近い南沙諸島(スプラトリー諸島)である。ここは周知のように、主に2014年以降、上記3点セットの配備に向けた作業を加速している。

 そして三つ目の線が、フィリピン近海の中沙諸島にある黄岩島(スカボロー礁)である。ここは2012年4月に、中国がフィリピンから奪還したが、フィリピンは二つの戦法――アメリカ軍を援軍につけることとオランダの常設仲裁裁判所に提訴すること――で対抗した。

南シナ海の確保が必要条件
 中国はこの「三段線」を確保した段階で、南シナ海に防空識別圏を設定するつもりでいる。そして他国の軍艦を寄せつけないようにして、自らの核搭載原子力潜水艦を防空識別圏内に配備する。

 これによって、中国に「3つの幸福」が訪れると考えている。

 第一に、アメリカに対抗できる核戦力を確保できることだ。地対地のICBM(大陸間弾道弾)だけでは、アメリカの核戦力に遠く及ばないが、新たな南シナ海からの艦隊地核ミサイルを加えれば、晴れてアメリカ軍と同等のレベルに辿り着くと踏んでいるのである。

 第二に、中東から東アジアに向かうシーレーンを確保することによって、東アジアの命脈を握れることだ。今後、仮に日中が一触即発の事態に陥った場合、中国は南シナ海を封鎖することによって、日本の息の根を止めることができる。

 これは、1941年にアメリカが日本に対して取った措置であり、日本は「窮鼠猫を噛む」方式で真珠湾を爆撃し、破滅の道を辿った。それを思えば、日本は南シナ海を「自国の海」にした中国に対して、容易には手出しできなくなる。

 第三に、南シナ海を確保することは、今後の東シナ海確保へ向けた大きな布石となる。これは習近平主席の幼なじみを始め、習主席を直接知る誰もが口にしていることだが、かつて17年も台湾に隣接した福建省に勤務した習近平主席は、自分の時代に台湾統一という「中国の夢」を果たそうと、本気で考えている。そのためには、まずは南シナ海の確保が、必要条件なのである。

 中国がライバル視するアメリカは、もちろんこうした中国の野望については、重々承知している。だからこそ、三つ目の線――スカボロー礁の軍事要塞化だけは絶対に阻止しなければならないと、必死になっている。そのためアメリカ軍は、この地域に空母を派遣して中国軍を牽制する一方で、一刻も早く自衛隊も「南シナ海防衛軍」に加わってほしいと、日本に要請している。

 そんななか、7月12日に、オランダのハーグにある常設仲裁裁判所が、中国が南シナ海で主張する「九段線」には、何ら国際法的根拠はないという判決を下したのである。

 中国はこれを、「日米合作による陰謀」と結論づけた。この訴えは、スカボロー礁の軍事要塞化阻止を目論むフィリピンからのものであり、フィリピンを陰に陽に支持するアメリカと日本が、常設仲裁裁判所を“活用”して中国に痛打を浴びせたと受けとめたのだ。

外交部と国防部、それぞれの対抗策
 この判決を予測していた「中南海」(中国最高幹部の職住地)からは当然、中国外交部と国防部に対して、「対抗策を考えよ」との指令が下ったことだろう。

 まず外交部は、6月30日にフィリピンの大統領が反中派のラモスから、「フィリピンのトランプ」の異名を取るドゥテルテに替わったのは、中国にとって好機であると説明したものと思われる。その上で、ドゥテルテ新大統領に影響力を持つフィリピン政界の大物、ラモス元大統領(88歳)に白羽の矢を立て、「フィリピン懐柔作戦」に出ることを提案したに違いない。

 この提案はすぐに採用された模様だ。その証拠に、8月10日、11日に、香港でラモス元大統領と、傅莹(フー・イン)全国人民代表大会外事委員会主任(元外交部アジア局長)との会談が実現した。

 王毅外交部長(外相)が直接出向かなかったのは、アメリカに気兼ねしたフィリピン側が、あくまでも非公式会談であることを強調するため、公式な外交官の派遣に難色を示したからだろう。会談場所も、中国の領土でありながら「第三国」を演出できる香港にした。

 こうしてラモス元大統領と傅主任は、シャンパンで乾杯し、豪華広東料理のディナーを共にしながら、中比友好と、二国間の話し合いによる領土問題の解決を確認し合ったのだった。

 一方、国防部が提案したのが、 かねてから温めてきた「釣魚島(尖閣諸島)海域急襲作戦」だったものと推察される。漁船という民兵集団は、有事に備えて準備をしてきたものだろう。この提案も、すぐに採用されたはずだ。

 ただし、外交部はこのプランに反対したのではなかったか。なぜなら、中国で今年最大の国際イベントである9月4日、5日の杭州G20を前に、東シナ海で派手な挙措に出れば、世界から一斉に非難を浴びて、G20が台無しになるリスクがあると危惧したためだ。

 中国の伝統的な外交は、重要な外交イベントを国内で控えた時には、周辺諸国に対して、「微笑外交」を貫くというものだ。

 例えば、2014年11月に北京でAPEC(アジア太平洋経済協力会議)を開催した際には、それまで決定的に対立していた日本の安倍晋三政権にまで、秋波を送ってきた。昨年9月に、やはり北京で抗日戦争勝利70周年軍事パレードを挙行した際にも、最後まで安倍首相を招待しようと画策した。

 「小不忍則乱大謀」(小さいことを我慢しないと大きい混乱が起きる)として、大事の前に自己を戒めるのが、中国外交の鉄則なのである。

 そのため、最重要イベントである杭州G20を1ヵ月後に控えた8月に、尖閣沖を急襲することは、中国外交にとって、大きなリスクを背負い込むことを意味していた。

日本の動きを封じ込める
 だが結果として、「中南海」はこのプランに、ゴーサインを出した。それは、次のような反論がなされたからだと推測される。

 ① 日本との直接的な軍事衝突が起こらない限り、世界は釣魚島(尖閣諸島)の問題に関心を抱かない
② 日本は中国の「攻撃」に委縮し、南シナ海に自衛隊を派遣するのを躊躇するようになる
③ 加えて委縮した日本は、8月15日に主要閣僚が靖国神社を参拝しなくなる(靖国参拝は習近平主席が最も嫌がっていることだ)
④ その後、8月下旬に日中韓外相会談で王毅外相を訪日させれば、対日関係はある程度、修復できる
⑤ 今回の行動で釣魚島(尖閣諸島)を巡る日本との戦いを、一段階アップさせることができ、今後この状態を常態化させられる

 最高指導者に対して、軍と外交当局がまるで反対のプランを持ってくることは、どの国でもあることだ。だが、習近平主席のこれまでの決断を分析すると、ほぼ確実に、軍のプランの方を採用している。それは今回も同様だった。

 実際の「襲来」の時は、私は北京にいて、中国では海外のインターネットやSNSがシャットアウトされているため、詳細は帰国後に確認した。ただ、中国側から見ていて思ったことを、二つ指摘したい。

 一つは、中国にとって今回の「襲来」は、日本に対する「挑発」ではなく、「反撃」だったということだ。前述のように、日本は息のかかった常設仲裁裁判所を利用して、中国の南シナ海支配阻止を目論んだ。このまま黙っていては、自衛隊の南シナ海派遣という「悪夢」が現実のものとなってしまう。そこで、日本に対して反撃を試みたというわけだ。

 もう一つは、今回のような漁船を活用した「尖閣進撃」が、今後は常態化するということだ。このことについて、ある年老いた中国の元外交関係者は、次のように述べた。

 「1949年に国民党軍が台湾に敗走した時、毛沢東は共産党軍に、あえて金門島を占領しないで台湾側に実効支配させるようにした。金門島は、台湾本土からは270㎞も離れているが、厦門(アモイ)からはわずか2kmの距離だ。この島を故意に台湾に預けたのは、台湾側が何か事を起こせば、いつでも占領するぞという威嚇の材料として使えるからだ。

 習近平主席も、尊敬する毛沢東元主席の戦術をよく学んでいる。すなわち今回、釣魚島(尖閣諸島)を日本に実効支配させたままで、いつでも奪取するぞと威嚇したことで、今後の日本の動きを封じ込めることに成功したのだ」

 中国は今回、国内での統制も、用意周到だった。中国メディアに対して、尖閣諸島への「襲撃」を報道することを禁じたのである。それは、中国国内で大々的に報道したら、4年前と同様、中国全土で反日暴動に発展するリスクがあったからだ。大規模な反日暴動が起こっては、さすがに杭州G20が吹っ飛んでしまう。

外務省は30回も抗議したのに
 中国とまさに対照的な反応をしたのが、日本だった。日本では8月16日に、海上保安庁がホームページ上で、今回の「襲撃」の模様を、異例の動画で公開した。全編4分2秒で音声は入っていないが、やはり映像で見ると衝撃的だ(http://www.kaiho.mlit.go.jp/)。

 海上保安庁のホームページには「愛します!  守ります!  日本の海」と大書されているが、実際に国境を守るのが、いかに壮絶な作業かが垣間見られる。

 また、外務省も8月6日にホームページ上で、東シナ海の日中中間線近くで中国が軍事要塞を築いている14枚の写真を公開し、中国の脅威に対して警鐘を鳴らした(http://www.mofa.go.jp/mofaj/area/china/higashi_shina/tachiba.html)。

 8月19日には、外務省と海上保安庁が共同で、「尖閣諸島周辺海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について」と題した7ページの資料を公開した。それによると、8月5日から9日までの5日間で、日本の領海に侵入した中国公船が延べ28隻、退去警告を与えた漁船が72隻、合わせて100隻に上っている。

 まさに「中国襲来」である。そしてこの間、外務省は中国側に計30回も抗議している。

 私は日本に帰国後、周囲の10人以上の日本人に、これらの動画や写真、発表資料などを見たかを尋ねたが、一つでも「見た」と答えた人は皆無だった。人々が夢中になっていたのは、中国の脅威の映像ではなくて、リオのオリンピックの映像だったのである。

いまの日本はまるで19世紀末の清国
 私は今回の訪中で、北京から高速鉄道と車と船に乗り換えながら、山東省にある劉公島まで足を運んだ。そこは日清戦争(中国語では「甲午戦争」)の激戦地となった場所の一つで、日本帝国海軍に大敗北を喫した清の北洋艦隊の将軍らが自決した地としても知られる。

 劉公島では、中国甲午戦争博物院を訪問したり、中国でベストセラーになった『甲午海戦』の著者である作家の鴻鳴氏にお目にかかったりした。

 その結果、一つの興味深い発見をした。それは、19世紀末の日中の状況と、21世紀の現在の日中の状況との「酷似」である。すなわち、19世紀末の日本と現在の中国、及び19世紀末の中国と現在の日本とが、酷似しているのだ。

 19世紀末の大日本帝国は、明治維新後の富国強兵、殖産興業の政策が功を奏し、隣の清国(中国)を抜いて、アジアナンバー1の経済大国、及び軍事大国として台頭しつつあった。その台頭は狭い日本国内だけにとどまらず、東アジア全域に拡張しようとしていた。

 これに対し、旧大国の清国では、インテリや、創設してまもない海軍の将軍たちが盛んに、「日本の脅威」を進言するが、北京の故宮は聞く耳を持たない。最高実力者である西太后の還暦祝いが一番の関心事という平和ボケ状態で、あげくの果てに軍艦の建造費までそちらに流用してしまう。

 加えて日本の脅威に対しては、自国の軍隊を出すことを惜しみ、「以夷制夷」(夷を以って夷を制す)という政策を取った。すなわち、欧米軍に頼って日本軍を封じ込めてもらおうとしたのである。

 その結果、1894年7月に、朝鮮半島の豊島沖で突如、日本帝国海軍の襲撃を受けて以降、連戦連敗で、翌年終戦。結局、この敗戦が遠因となって、清国自体が滅んでしまったのである。

世界は「自国第一」の時代
 さて、21世紀の現在、中国は日本を抜いて、アジアナンバー1の経済大国及び軍事大国となり、3つの海域(南シナ海、東シナ海、黄海)で支配を広げようと、「サラミ戦術」でコマを進めている。実際、2012年にフィリピンから黄岩島を奪い、2014年からは南シナ海の軍事要塞化を加速し、この夏には東シナ海の尖閣近海にも「襲来」してきた。

 これに対して、この夏の日本の話題は、Pokémon GO、天皇の生前退位、そしてオリンピック。完全な平和ボケ状態だ。おまけに尖閣諸島は、同盟国のアメリカ軍が守ってくれると、高をくくっている。

 世界は、「自国第一」の時代を迎えつつある。アメリカのトランプ候補は「アメリカ第一」と唱え、ロシアのプーチン大統領は「ロシア第一」を実践し、イギリスは「イギリス第一」を国民が示した。中国の習近平主席もまさに、「中国第一」で突き進んでいるのである。

 今回の訪中で私が認識したのは、まことに遺憾なことではあるが、中国が進める「中国第一政策」は、いまのところ成功の途上にあるということだ。この先、「21世紀の日清戦争」が勃発しないことを願うばかりである。


改良型ミサイル、南西諸島配備へ…離島防空強化
読売新聞 8月22日(月)7時19分配信

 政府は、沖縄県の尖閣諸島など離島の防空を強化するため、迎撃能力を向上させた改良型地対空ミサイルを南西諸島に配備する方針を固めた。

 2017年度予算の防衛省の概算要求にミサイル導入費177億円を盛り込み、21年頃の配備を目指す。尖閣諸島周辺では中国軍機が活動を活発化させており、改良型地対空ミサイルの配備で抑止力を高めたい考えだ。

 導入するのは、車両搭載型の地対空ミサイル「03式中距離地対空誘導弾」の改良型。戦闘機のほかに高速の巡航ミサイルも迎撃可能で、現在配備されている誘導弾より射程や複数目標への対処能力が高い。複数年かけて購入する予定で、概算要求には、発射機やレーダーなどで構成される誘導弾システム1セットを計上する。


<尖閣周辺の領海>中国の公船4隻 外務省が抗議
毎日新聞 8月21日(日)20時12分配信

 沖縄県・尖閣諸島周辺の領海で21日、中国海警局の公船4隻が航行しているのを海上保安庁の巡視船が確認した。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は同日、駐日中国公使に対して電話で「現場の緊張を高める一方的な行動で、受け入れられない」と抗議した。中国公船の領海侵入は17日以来。

 海上保安庁によると、公船4隻は21日午前10時ごろから相次いで領海に入り、同11時半までに領海外側に出た。【田所柳子】


中国公船侵入で外務省が抗議
時事通信 8月21日(日)14時35分配信

 外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は21日、中国公船が沖縄県・尖閣諸島周辺の領海に侵入したことを受け、在京中国大使館の郭燕公使に対し、「累次の抗議にもかかわらず中国側が現場の緊張をさらに高める一方的な行動を継続していることは全く受け入れられない」と電話で抗議した。


東シナ海 外務省、中国公船の領海侵入に抗議「わが国主権の侵害、断固として認められない」
産経新聞 8月21日(日)14時29分配信

 尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に21日、中国公船4隻が侵入したことを受け、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は同日、中国大使館の郭燕(カク・エン)公使に対し「中国公船による尖閣諸島周辺の領海への侵入はわが国主権の侵害であり、断固として認められない。累次の抗議にも関わらず、中国側が現場の緊張をさらに高める一方的な行動を継続していることは全く受け入れらない」と抗議し、領海からの即時退去を求めた。


中国公船4隻、尖閣沖の領海内に侵入
読売新聞 8月21日(日)12時3分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、21日午前10時1分頃から同23分頃にかけて、沖縄県石垣市の尖閣諸島・久場島沖の領海内に中国海警局の公船4隻が相次いで侵入した。


中国公船が領海侵入=今年26日目―沖縄・尖閣沖
時事通信 8月21日(日)11時34分配信

 沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で21日、中国海警局の「海警」4隻が日本の領海に侵入した。

 中国公船の領海侵入は17日以来で、今年26日目。

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、海警「2101」「2102」「2306」「31239」が午前10時~同25分ごろの間に、久場島の北で領海に入った。


尖閣防衛へ新潜水艦 来年度概算要求 那覇の空自、格上げ
産経新聞 8月21日(日)7時55分配信

 防衛省が、海上自衛隊の最新鋭潜水艦「そうりゅう型」の後継となる新型潜水艦を建造することが20日、分かった。平成29年度予算案概算要求に1隻分の建造費として約760億円を計上し、33年度末までに導入する。また、那覇基地に司令部を置き、沖縄の防空を担う航空自衛隊の南西航空混成団について、戦闘機部隊が倍増したことを受け、南西航空方面隊に格上げする。

 いずれも尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の海空域で威嚇と挑発を強める中国への抑止力と対処力を強化する狙いがある。

 海自の潜水艦は通常型と呼ばれるディーゼル動力艦だけで原子力潜水艦は保有していないが、そうりゅう型はAIPという動力装置を搭載し、長時間の潜航が可能で通常型で世界最高水準とされる。政府はオーストラリアの共同開発対象として、そうりゅう型を売り込んだが、今年4月に受注競争でフランスに敗れた。

 海自に導入する新型潜水艦は、敵の潜水艦や水上艦の位置や艦種を探る音波探知機(ソナー)の能力を強化させるのが特徴で、敵に見つかりにくくするため静粛性も高める。海自は、潜水艦の退役時期を延ばして従来の16隻から22隻態勢に増強中だが、新型の導入でさらなる質の向上を図る。

 中国は潜水艦を約60隻保有し、能力向上も急ピッチで進めている。有事の際、空母など米軍艦艇が東シナ海に進出することを阻む接近阻止戦略を追求する上で、隠密性に優れた潜水艦が周辺海域で待ち受けることがカギを握るためだ。

 それに対抗し、日米の抑止力を強化するには海自潜水艦の増強が喫緊の課題となっている。

 一方、南西航空混成団では今年1月、飛行隊が2つに増えてF15戦闘機も約40機に倍増し、51年ぶりの新編となる第9航空団が編成されている。


尖閣沖接続水域内に中国海警局の公船3隻
読売新聞 8月20日(土)21時38分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、20日午後7時現在、沖縄県石垣市の尖閣諸島・久場島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内で、中国海警局の公船3隻がとどまっている。


米爆撃機3機種が同時展開 中国牽制か 五輪閉会式前後の尖閣強奪懸念
夕刊フジ 8月20日(土)16時56分配信

 米太平洋軍が、戦略爆撃機のB52、B1、B2の3機種を同時にアジア太平洋地域に展開している。東シナ海や南シナ海で軍事的覇権を強める中国が、リオデジャネイロ五輪の閉会式(21日)前後に暴発することを牽制する狙いとみられる。安倍晋三首相が日本を留守にする「重要警戒Xデー」とは。沖縄県・尖閣諸島に、中国の海上民兵が強行上陸する暴挙だけは、日米の絆で断固阻止しなければならない。

 「地球規模での安全保障への米国の関与と、信頼性のある戦略防衛能力を示した」

 米太平洋軍は17日、3機種の爆撃機展開を発表し、こうコメントした。爆撃機は米領グアムのアンダーセン空軍基地を離陸し、南シナ海や北東アジアで活動したという。同じ空域で同時に活動するのは初めてだ。

 B52は「ストラトフォートレス(成層圏の要塞)」との愛称を持つ長距離戦略爆撃機。全長48・5メートル、全幅56・4メートルと巨大で、航続距離は約1万6000キロ。核爆弾や巡行ミサイルなどを大量に搭載でき、「死の鳥」と恐れられている。

 B1は、低空を超高速で敵地に侵入する戦略爆撃機で、全長44・8メートル、全幅41・6メートル、最大速度はマッハ1・2。可変後退翼を採用する。愛称は「ランサー(やり)」だ。

 B2は、全翼機という特殊な形状で、高いステルス性能を持つ。全長21メートル、全幅52・4メートル。大ヒット中の映画「シン・ゴジラ」にも登場した。

 習近平国家主席率いる中国は今月に入って、尖閣周辺の接続水域や領海に大量の公船や漁船を侵入させている。漁船には、軍事訓練を受けた100人以上の海上民兵が乗り込んでいるという。

 安倍首相は、リオ五輪の閉会式に出席するため、20日に政府専用機で出発し、23日まで日本を留守にする。自衛隊の最高指揮官が不在のスキを狙って、中国の海上民兵が尖閣強奪に着手する危険性はあり得る。

 当然、海上保安庁や陸海空自衛隊が最高レベルの警戒態勢を敷いているが、同盟を組む米軍も黙ってはいない。

 軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「米軍が3機種の爆撃機を同時展開するのは異例だ。中国に対して『場合によって空爆も辞さない』という明確なメッセージを伝えるものだろう」といい、続けた。

 「中国は『平和の祭典』であるリオ五輪の最中も、東・南シナ海での挑発をやめていない。米国としては、『リオ五輪が終わり、習氏が議長を務める中国・杭州でのG20(20カ国・地域)首脳会議が始まる前が危ない』と分析したのではないか。そもそも、昨年の米中首脳会談で、習氏は『南シナ海の埋め立てはやめる』と約束したが守っていない。オバマ米大統領がケジメを付けるため、空爆を決断する可能性はある」


「軍靴の音」は中国から響いている --- 梶井 彩子
アゴラ 8月20日(土)7時10分配信

中国のモードチェンジ
50年後、100年後の将来。2016年現在は「戦前期」と定義されているのではないか。いや、すでに戦中なのかもしれない。

終戦記念日の8月15日、海上保安庁は尖閣沖中国船の映像を公開した。8月11日の漁船沈没事故のほか、中国船がひっきりなしに近海に現れるのを危惧してのことだ。だが映像公開後の8月17日にも中国公船は4隻、領海に侵入した。

6月には中国軍艦が日本の接続水域に続いて、領海をも侵犯した。日本政府が抗議をした矢先、今度は北大東島周辺の接続水域に侵入。日本政府の抗議に対し、中国側は「国際法の概念に合致している」「日本側の対応は不可解」と述べた。

その傲慢さは度を越している。

少し前にエリザベス女王が英国来訪時の習近平主席一行の態度を「とても失礼だった」と批判する映像が世界に流れた(おそらく中国を除く)。経済力をつけ、軍事力を蓄えてきたにもかかわらず、尊大な振る舞いが仇となり、中国は国際社会から「いっぱしの国扱い」をされていないことに不満を持っている。

ならば今まで以上に強い国家としての威厳を示さなければならない。でなければ、国内の権力闘争にも勝ち残れない――。米国の軍事戦略家、エドワード・ルトワック氏が『中国4・0』(https://goo.gl/75cYkw)で示したように、中国は「穏健的台頭」という選択肢を捨てたのである。南シナ海に関する国際仲裁裁判の判決に対し「紙クズ」などと言い捨てたのもそのせいだろう。

この中国のモードチェンジを、日本人はもっと強く頭に叩き込むべきだ。10年の尖閣沖衝突事件は将来、教科書に「あれが戦争の端緒だった」と明記されうるのである。

今さら「困り顔」の朝日新聞
にもかかわらず、「平和を愛する」懲りない面々は、このような中国の強権的対応に危機感を強く示さずに来た。朝日新聞の紙面がその象徴であることは言うまでもない。

6月に接続水域を侵犯されて朝日が書いたのは〈日中の信頼醸成を急げ〉(6月11日付社説)。領海にまで踏み込まれてようやく17日に〈これを偶発的な出来事とは、片づけられない〉〈静かであるべき海を荒立てる艦艇の動きに加え、法の原則まで我が物扱いしようとする中国政府の姿勢を憂慮する〉と書いたが、その批判の度合いはいかにも弱い。

驚くべきことに、同日の新聞では中国軍艦領海侵入の記事よりも、安倍政権の黒幕と彼らが目す「日本会議」の教義(家族観)について、大きく紙面を割いていたのである。

中国よりも、日本政府やその支持者に警戒せよ、とメッセージを送っていたのだ。

中国非難の声を「危険を煽るな」と制し、「無害通航権がある」と言って中国を招き入れる。では仮に日本の海上自衛隊の艦船が中国の領海内に侵入したら、朝日新聞は「無害通航権がある」「中国は日本を刺激するな」と書くのか。書くわけがない。そうして中国船が大挙して押し寄せてくる段になって〈中国の不透明さ、予測の難しさという性質こそ、周辺国にとって深刻なリスク〉(8月10日)などと眉間にしわを寄せ困り顔を見せているが、いかにも遅すぎる。

それどころか、CSIS日本部に客員研究員として出向中だという朝日新聞の林望記者が、「日本はいまこそ中国の南シナ海での無法な行動に理解を示し、中国抑止の国際的な動きに加わらず、対中関係を改善すべきだ」と主張している(http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160809-00010000-jindepth-int)として話題になっている。

朝日新聞や記者が日々「平和のために」と書いていることは、実際は中国を招き入れる誘いの言葉である。さらに言う。朝日新聞がやっていることは、いざことが起きた時、「やはり日本に非があったのだ」「相手を挑発したのだ」「日本人は戦争をしたかったのだ」とするための証拠づくり、アリバイ作りなのではないかとさえ思う。

「戦前真っ暗論」のアリバイ作り
朝日やリベラル勢力は、この2、3年、「軍靴の音が近づいている」としてきた。〈「二度と戦争を起こさないぞ」って言うけど、いや、もう起きてるんじゃないの?〉(http://gendai.ismedia.jp/articles/-/44681)という対談も公開され、話題にもなっている。

確かにその通りだ。ただし軍靴の音の主は中国人民解放軍である。ところが朝日他は「日本の自衛隊の軍靴の音」であることを臭わせる。

10年以内に軍事衝突が起きた場合、その戦前期にあたる「今現在」はどう描かれているか。

朝日新聞によれば、日本は戦前回帰上等のヒトラー顔負けの独裁政治が誕生し、特定秘密保護法によって言論の自由が規制され、安保法制の成立で解釈改憲が行なわれて戦争への準備を整え、自衛隊の軍靴の音が高まって、平和を愛する勢力が爪弾きにされた暗黒期、ということになる。一方、中国の横暴は過小に書かれている。

安全保障や政府関連の記事だけではない。「戦前」は排外主義が横行し、戦前回帰を目論む組織が国民の間で台頭し、愚かな日本人が望んだからこそ戦争が起きたのだ、と受け取られかねない記事を、朝日は毎朝せっせと印刷しては配っている。

それらの記事を、いずれ中国側が「日本の世論が支持する新聞が、我々よりも日本政府を批判してきた」と自己正当化の材料とするだろう。

あるいは50年後、これから起こる衝突を未来の日本人が精査する。当時を知るためにと朝日新聞を読めば、先のような文言を目にすることになる。「“戦争”の前から、日本は少しずつおかしくなっていたんだなあ」「朝日は必死に中国との融和を説いていたのに批判されたんだなあ」と思うだろう。こうして「戦前真っ暗論」は出来上がる。意図的か、あるいは無自覚なのか。

まだしも現代はネットやデータベースなどの情報が豊富でよかった。他紙や朝日以外の論調と比較すれば、それが作られたものであることは明らかだからだ。将来の日本人のリテラシーに期待したい。


尖閣漁船衝突で習近平の対日政策に変化はあるか?
週刊文春 8月20日(土)7時1分配信

 中国側の「奇襲」というべき挑発だった。8月5日から中国海警局公船と漁船が大量に尖閣諸島周辺に押し寄せた事件。実に200~300隻の漁船が操業、8日には過去最多の15隻の公船が同時に接続水域を航行した。9日までに公船による領海侵入は28回に達した。

 王毅外相が就任後初めて訪日するための調整が進む中、実は中国外務省にとっても想定外の事態だった模様だ。

 8月初めからは河北省の避暑地・北戴河で習近平国家主席や長老が一堂に集結。今回の挑発の背景には何らかの政治指令があったのは確実だ。

 一つには、習近平自らが指揮して「日本」に強硬姿勢を誇示して求心力を高めようとする狙い。北京の共産党筋は「外交・経済政策、反腐敗闘争をめぐる習主席への不満が党内で高まっている」と解説する。特に南シナ海問題の仲裁判決「全面敗北」で党内批判が高まる中、尖閣周辺で日本の実効支配を崩しているという実績を誇示する狙いがあったという見方だ。

 もう一つは、習に反対する軍勢力が、対日関係改善に舵を切ろうとした習指導部や外務省を牽制したという説だ。一部の漁船は軍の指揮を受ける「海上民兵」とみられる。

 ところが11日早朝、尖閣沖でギリシャ船籍の貨物船と衝突した中国漁船が沈没し、海上保安庁巡視船が漁船の乗員6人を救助すると事態は一変。奇妙なことにその直後、公船は、8日ぶりに接続水域からいなくなり、侵入は沈静化した。中国のネット上では「(漁船保護を目的とした)中国の公船はなぜいなかったのか」という批判が噴出した。

 中国外務省報道官は当初は日本の救助に触れなかったが、改めて出した談話で「日本側が表した協力と人道主義精神を中国は称賛する」と付け加えた。談話を2度出すのは異例で、その間に政策転換があったとみられる。

 政治の季節を迎える習にとって「対日弱腰」という選択肢はないが、9月初めに杭州でのG20首脳会議を控え、日中衝突は避けたい。そこに降ってわいた救助劇は、絶妙のタイミングで危機回避を演出した形となった。しかし共産党関係者は「軍には(過去の戦争への)対日報復思想が強く存在する」と言い切る。尖閣の緊張状態は続く。

<週刊文春2016年8月25日号『THIS WEEK』より>


「中国への対応は日本が決めること」と米専門家
JBpress 8月20日(土)6時10分配信

948
政府が公表した尖閣諸島周辺海域で確認された中国公船の概要(出所:外務省ホームページ「尖閣諸島周辺海域における中国公船及び中国漁船の活動状況について」2016年8月18日)

 8月に入って中国の尖閣諸島(沖縄県石垣市)に対する攻勢が一段とエスカレートしている。

 中国はなぜこの時期に、中国海警や民兵組織を大動員して日本の領海や接続水域への侵入を繰り返すのか。目的は何なのか。前回(「尖閣に迫る中国、日本はどう対応すべきか」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/47631)に続き、米国海軍大学 中国海洋研究所のピーター・ダットン所長の見解を紹介しよう。

 ダットン氏は中国の海洋戦略研究では全米でも有数の専門家である。元々は米海軍パイロットだったが、その後、法律や安全保障を学び法学博士号を取得した。中国海洋研究所の研究員となってからは、東アジアの安全保障、特に中国人民解放軍の海洋戦略を中心に研究を重ねてきた。南シナ海や東シナ海での中国の動向に関する論文の発表も多く、連邦議会の公聴会や民間シンポジウムで証言することも頻繁にある。

■ 二国間協議に日本を引きずり出すのが狙い? 

 ダットン氏との一問一答の内容は次の通りである。

 ――8月に入ってから中国海警や「漁船」と称する小舟艇が尖閣諸島周辺に頻繁に接近、侵入してくるようになりました。ここにきて中国がそうした動きに出る目的をどうみていますか。

 ピーター・ダットン所長(以下、敬称略) 第1には、中国指導部が最近の国内経済の停滞や、その他の政策の行き詰まりの悪影響を懸念していることが考えられます。つまり、海洋での拡張能力の強化を誇示することで、国家意思の前向きさと強さを国民に示そうとしているのです。

 第2には、南シナ海での中国の領有権の主張を不当だとした国際仲裁裁判所の裁定に反発している可能性があります。裁定に怒りをぶつけるような形で尖閣諸島に攻勢を仕掛け、国際社会全体との対決も辞さないという姿勢を見せているのです。

 しかし、この動きが怒りから生じた衝動的な反応なのか、あるいは実はもっと計算された行動で、今後も続けられるのか、まだ判断は下せません。

 ――中国は日本に何を求めているのでしょうか。

 ダットン 8月に入ってからの中国の動きは、日本を威圧する作戦が明らかに新たな段階に入ったことを示しています。南シナ海でフィリピンなどに対してとった、いざとなれば軍事行動をも辞さないという強硬な出方です。

 中国がそのように日本を威嚇する狙いは、尖閣諸島の領有権をめぐる二国間の協議に日本を引きずり出すためでしょう。中国公船や“漁船”のエスカレートする行動をやめてほしければ、中国との二国間の協議に応じろ、ということです。

■ 具体的な対応は日本が決めること

 ――日本はどのように対応すべきだと思いますか。

 ダットン 日本がどう対応すべきかについて、今はコメントを避けたいと思います。

 ただし日本側も、現状のままの対応では中国の今の行動を止めさせられないことは認識しているかもしれません。では、具体的にどうするかというのは、あくまで日本自身が考えて決めることです。

 ――尖閣諸島をめぐる日中の対立は、日本の同盟国である米国にとっても深刻な懸念材料のはずです。オバマ大統領は、『尖閣諸島は日米安保条約の適用範囲内だ』と言明し、尖閣が軍事攻撃を受けた場合には、条約の共同防衛の規定が適用され米軍も出動するという趣旨の政策を示しました。米国は現在の事態をどうみるのでしょうか。

 ダットン 米国の当面の役割は、あくまで日本と中国との軍事衝突を抑止して、地域の安定を保つことです。

■ 「軍事衝突」の危険性を憂慮

 ダットン氏は以上のように中国の現在の行動の背景を分析し、尖閣諸島への攻勢がエスカレートしていることを強調しながらも、日本のとるべき対応についてはコメントを拒んだ。

 それは、やはりまずは日本自身が中国とどこまで対峙するのか、あるいは譲歩するのかを決めるべきだというもっともな反応のように思えた。さらにダットン氏は、米国の出方についても控えめなコメントに終始した。

 しかし、「日本と中国との軍事衝突」という表現をはっきりと述べたことは留意すべきだろう。それだけダットン氏は、軍事衝突が現実に起こり得る危険性を憂慮しているということである。


尖閣念頭に新型ミサイル 5兆1685億円で防衛費過去最大要求
産経新聞 8月19日(金)9時39分配信

 防衛省は平成29年度予算の概算要求で、米軍再編経費などを含む総額として過去最大の5兆1685億円を計上する方針を固めた。28年度当初予算(5兆541億円)比で2・3%増。尖閣諸島(沖縄県石垣市)など離島防衛を念頭に、35年度配備を目指した新型地対艦ミサイルの研究開発費も盛り込む。

 新型地対艦ミサイルは、現行の最新型12式地対艦誘導弾(射程約200キロ)の改良型。射程を300キロ前後に延ばすことを目指す。尖閣諸島のほか、有事の際に沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡を通航する外国艦艇の牽制につなげる。

 また、新たな海上配備型迎撃ミサイル「SM3ブロック2A」の取得費を初めて計上する。SM3ブロック2Aは海上自衛隊のイージス艦に搭載しているSM3の改良型。航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の改良型の取得費も計上する。

 離島奪還作戦などを念頭に、国産の水陸両用車の研究開発費も計上。三菱重工業が開発を進める技術をベースとして31年度末まで初期研究を行う予定で、早ければ30年度予算案に日米共同研究経費を盛り込む。


「尖閣強奪の動き」と非難=中国に抗議決議―沖縄・宮古島
時事通信 8月18日(木)11時9分配信

 沖縄県宮古島市議会は18日、同県石垣市の尖閣諸島沖で今月、中国公船と漁船が相次いで日本の領海や接続水域に入ったことを受けて臨時会本会議を開き、中国への抗議決議を全会一致で可決した。

 「尖閣諸島強奪に向けた動きとも捉えられる」と非難、警戒監視体制の充実や漁業者の安全確保を日本政府に求める意見書なども採択した。

 決議は、中国海軍の艦艇が6月に尖閣諸島周辺の接続水域を航行したことにも言及。「国際法を無視する行為は、沖縄県民に強い衝撃を与え、漁業者へ大きな不安と恐怖をもたらしている」と訴えた。


<尖閣領海>中国公船4隻が侵入 外務省が抗議
毎日新聞 8月17日(水)20時47分配信

 沖縄県の尖閣諸島周辺で17日、中国公船4隻が領海侵入した。公船の侵入は9日以来。外務省の金杉憲治アジア大洋州局長が駐日中国公使に対し、「わが国主権の侵害であり、断固として認められない」と厳重に抗議した。

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、17日午前10時ごろ、尖閣諸島の久場島(くばしま)の北北東で公船4隻が相次いで侵入し、約1時間40分航行した。海上保安庁の巡視船が確認した。4隻のうち1隻は機関砲のようなものを搭載していた。

 尖閣周辺では8月に入り、最大で15隻の中国公船が接続水域を航行。5~9日に延べ28隻が領海侵入した。【小田中大】


尖閣で暴走する中国漁船の正体は“海上民兵”だった 訓練を受けた百人以上が乗船
夕刊フジ 8月17日(水)16時56分配信

 沖縄県・尖閣諸島周辺海域に、中国海警局の公船とともに、約300隻もの漁船が連日のように押し寄せているが、この中に軍事訓練を受けた100人以上の海上民兵が乗り込んでいることが分かった。武装をしている可能性も高い。日本政府は、中国の暴走を防ぐためにも、万全の態勢を整える必要がありそうだ。

 衝撃のニュースは、産経新聞が17日報じた。

 海上民兵とは、退役軍人などで構成される準軍事組織で、警戒や軍の物資輸送、国境防衛、治安維持などの役割を担う。中国の軍事専門家によれば、現在の総勢は約30万人という。

 他の漁民を束ねるとともに、周辺海域の地理的状況や日本側の巡回態勢に関する情報収集などの任務を担っている。海警局の公船などと連携を取りながら統一行動をとる。今回の行動のため、福建省や浙江省で海上民兵を動員して軍事訓練を重ねたとされる。

 常万全国防相も出発前の7月末、浙江省の海上民兵の部隊を視察し、「海上における動員準備をしっかりせよ。海の人民戦争の威力を十分に発揮せよ」と激励した。

 帰国後は政府から燃料の補助や、船の大きさと航行距離、貢献度に応じて数万~十数万元(数十万~200万円)の手当てがもらえるという。

 中国・杭州では9月、習近平国家主席が議長を務めるG20(20カ国・地域)首脳会議が開かれる。ここで、南シナ海問題が議題にならないよう、尖閣問題とすり替えるために挑発を高めているとの指摘もある。

 海上保安庁だけでなく、自衛隊の総力を結集して、尖閣強奪を許してはならない。


外務省「主権の侵害」、中国公船侵入で抗議
読売新聞 8月17日(水)13時5分配信

 尖閣諸島の領海内に中国の公船4隻が侵入したことを受け、外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は17日午前、在日中国大使館の郭燕公使に「わが国主権の侵害で、断固として認められない。累次の抗議にもかかわらず、緊張をさらに高める一方的な行動を継続していることは全く受け入れられない」と電話で抗議し、領海、接続水域から立ち去るよう要求した。


外務省が中国側に抗議「わが国主権の侵害であり、断固として認められない」 中国公船領海侵入で
産経新聞 8月17日(水)13時3分配信

 外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は17日午前、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の領海に中国公船4隻が侵入した情勢を受け、中国大使館の郭燕公使に対し「中国公船による尖閣諸島周辺の領海への侵入はわが国主権の侵害であり、断固として認められない。累次の抗議にも関わらず、中国側が現場の緊張をさらに高める一方的な行動を継続していることは全く受け入れらない」と強く抗議し、領海や接続水域からの即時退去を求めた。


中国海警局の公船4隻、尖閣沖の領海に侵入
読売新聞 8月17日(水)12時57分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、17日午前10時頃から同16分頃にかけ、沖縄県石垣市の尖閣諸島・久場島沖の領海内に、中国海警局の公船4隻が侵入した。

 海上保安庁の巡視船が退去するよう警告している。


領海侵入で中国に抗議=外務省局長が公使に
時事通信 8月17日(水)12時28分配信

 外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は17日、中国公船4隻が沖縄県・尖閣諸島沖の領海に侵入したことを受け、在京中国大使館の郭燕公使に電話で抗議した。


中国公船が領海侵入=8日ぶり、外務省が抗議―尖閣沖
時事通信 8月17日(水)12時18分配信

 沖縄県石垣市の尖閣諸島沖で17日、中国海警局の「海警」4隻が日本の領海に侵入した。

 中国公船の領海侵入は9日以来で、今年25日目。尖閣周辺では小康状態がしばらく続いていたが、8日ぶりの領海侵入で日中間に再び摩擦が生じそうだ。

 外務省の金杉憲治アジア大洋州局長は領海侵入を受け、在京中国大使館の郭燕公使に対し、「わが国主権の侵害であり断固として認められない」と厳重に抗議。領海と接続水域からの速やかな退去を求めた。

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、海警「2101」「2102」「2306」「31239」が午前10時~同15分ごろ、久場島の北北東で領海に入った。

 尖閣沖では今月、中国公船による領海侵入が頻発。5~9日の5日間で延べ28回侵入したほか、8日には過去最多の15隻が同時に接続水域を航行した。11日に沈没した中国漁船の乗組員を日本の海上保安庁が救助してからは、領海侵入は確認されていなかった。


中国民兵は全30万人、東シナ海も武装化
産経新聞 8月17日(水)7時55分配信

 中国で「民兵」とは、退役軍人などで構成される準軍事組織で、警戒や軍の物資輸送、国境防衛、治安維持などの役割を担う。このうち漁民や港湾労働者らなど海事関係者が組織するのが海上民兵といわれる。

 中国の民兵は、改革開放当初の1970年代末は3千万人いたのが、2011年には800万人まで減少した。しかし、海上民兵だけは重要視され増強される傾向にあり、中国の軍事専門家によれば、現在は総勢約30万人の海上民兵が存在するという。

 海上民兵が近年、一層重視されるようになったのは、2013年4月、中国の習近平国家主席が海南島の海上民兵部隊を視察して激励したのが契機とされる。その後、南シナ海に武装した海上民兵部隊が出現。東シナ海に面する福建省と浙江省でも同様の準備が進められている。毛沢東時代の海上民兵の主な仮想敵は台湾だったが、近年は東、南シナ海での緊張の高まりとともに、仮想敵は東南アジア諸国と日本になったという。

 地元紙によると、浙江省の海上民兵、漁船船長の徐文波氏が今年2月、地元の軍区から「重大な海上軍事任務を完遂した」として「二等功」を授与され、表彰された。具体的な任務は伏せられたが、記事には「約20時間も航海した」との記述があり、距離からして尖閣諸島周辺での任務を実行した可能性もある。


尖閣に迫る中国、日本はどう対応すべきか
JBpress 8月17日(水)6時10分配信

 8月に入ってから、尖閣諸島(沖縄県石垣市)海域で中国による威圧的行動が急速にエスカレートしてきた。

 武装した中国海警の艦艇が頻繁に日本領海に侵入してくる。本来ならば立ち入る際に日本の了解を得るべき尖閣周囲の接続水域にも、十数隻の武装艦艇が連日のように入ってくる。しかも、数百隻という「中国漁船」を従えている。まさに日本の権益を二重三重に踏みにじる行動である。

 中国のこうした行動は一体何を意味するのか。日本はどう対応すべきなのか。そして、日本の同盟国である米国はどう受け止めているのか。その点についての見解を、中国の海洋戦略について研究している米国の4人の専門家たちにワシントンで質問してみた。

 結論を先に述べるならば、専門家たちは誰もが、中国の今回の動きは単に尖閣奪取にとどまらず、東シナ海全体で覇権を確立する野心的な目標への新たな展開だと口を揃えた。

■ 米国は軍事衝突を抑止する役割を担っている

 今、米国の首都ワシントンはなんとも奇妙な空気の中にある。真夏だから当然暑いし、休暇をとって遠出をしている人たちも多い。人や車はふだんよりもずっと少ない。一方で大統領選挙の本選が近づき、目に見えない高揚感が街を包みつつある。選挙キャンペーンはもちろん全米各地に及ぶが、政治の中心地ワシントンでもさまざまな選挙関連のイベントが開かれている。

 ワシントン市民の関心が大統領選に向けられているのに対し、もはや過去の人となりつつあるのが現職のオバマ大統領だ。任期満了が近づいたオバマ政権はもう長期的な政策を語れない。特に中期的、長期的な政策を必要とする外交課題への取り組みでは、明らかに弛緩が見え始めた。不安定さを増す世界情勢の中で、米国の対外政策は焦点がぼやけてきた観が禁じえない。

 だが、そんな状況の中で、旧知の中国軍事研究の専門家たちに連絡をとってみると、それぞれが自分の専門領域の調査や研究を堅実に続けている様子がすぐに伝わってきた。国政が混乱し弛緩している中でも中国の軍事動向をしっかりウォッチして分析を続けるシステムは、さすが超大国だと実感させられた。

 さて、最近の中国の尖閣諸島への攻勢は何を意味しているのか。米国はどう受け止めているのか。まず、米海軍大学の中国海洋研究所のピーター・ダットン所長に尋ねると、こう答えた。

 「中国の最近の尖閣海域での動きは、明らかに日本を威圧する作戦が新たな段階に入ったことを意味します。日本を領土問題で二国間協議に引き出すことが当面の狙いでしょう」

 ダットン氏はさらに「米国は日本と中国の軍事衝突を抑止する役割を担っています」と強調した。現在の尖閣情勢が軍事衝突に発展する危険があることを懸念しているのだ。ダットン氏が「軍事衝突」という言葉を使ったこと自体が、事態の重大さと深刻さを感じさせた。

■ 日本は南シナ海に出ていくべき

 同じ中国海洋研究所の研究員で、海軍大学の教授、トシ・ヨシハラ氏は別の角度から同様の懸念を語った。「中国のこうした活動拡大によって、東シナ海全体でのパワーシフトが進むことを最も懸念しています」。パワーシフトとは、もちろん中国の力が強くなることを指す。

 中国側の狙いについて、ヨシハラ教授は次のように語った。

 「中国はまず尖閣海域に恒常的なプレゼンスを確立して、日本側の施政権を突き崩そうとしています。尖閣への上陸が可能な軍事能力を築きながら、日本側の出方をうかがっているのです」

 「では、日本はどう対応すべきだと思いますか」と問うと、ヨシハラ教授は慎重に言葉を選びながらこう述べた。

 「日本は深刻なジレンマに直面したといえます。尖閣諸島に人員を配置するなどの措置は、当面はとらないほうが賢明だと思います。中国は日本に『挑発行動』をとらせたいと意図している気配があるからです。

 その代わり、日本側は対抗策として『水平エスカレーション』に出るのも一案でしょう。米国などと協力して日本も南シナ海で積極的に安保行動をとるのです。この対応によって、尖閣諸島での中国の挑発をとどまらせることができるかもしれません」

 日中両国が尖閣諸島周辺で新たな措置をとれば「垂直エスカレーション」となる。しかし、尖閣からは離れた南シナ海で日本が中国の膨張抑止という措置に出れば、中国に対する水平エスカレーションになるというわけだ。

■ 米国は「中立」という立場を変えよ

 元国防総省日本部長で現在は民間のアジア安保研究機関「グローバル戦略変容」会長を務めるポール・ジアラ氏にも見解を尋ねてみた。ジアラ氏は長年日米安保関係の研究を専門としてきたが、ここ数年は中国の軍事動向に注意を向けるようになったのだという。

 「中国は、事実上の民兵組織である『漁船』を多数、動員するという極めて独特な手法で、日本に軍事圧力をかけています。その攻勢に対して、日本はまず尖閣諸島周辺の防衛能力を高めなければなりません。現在の事態は米国にとっても深刻であり、日米同盟としての対処が求められます」

 米国政府はこれまで尖閣諸島の主権争いについて「中立」の立場を保ってきた。しかしジアラ氏は、米国はその立場を変えて日本の主張を支持し、尖閣海域で米軍の演習を実施すべきだとも主張した。米軍が出動して、その実力を誇示し、中国側の攻勢を抑える時期がきたというのである。

■ 中国の「漁船」は普通の漁船ではない

 中国の軍事戦略を研究する民間シンクタンク「国際評価戦略センター」のリチャード・フィッシャー主任研究員も、日本は危機的な状況を迎えていると強調する。

 「中国は尖閣諸島に対する今回の攻勢で、日本側の防衛の能力や意思を探っています。日本側の抑止が弱いとなれば必ず攻撃をかけてくるでしょう」

 フィッシャー氏はまず、日本側は中国側の「漁船」を普通の漁船のように認識しているかもしれないが、実際にはこれらの「漁船」は中国人民解放軍の指揮によって動く民兵組織であり、命令ひとつで一気に武装舟艇や戦闘要員に変わるという点を強調した。

 「中国側は、数の多い『漁船』民兵とヘリコプターや潜水艦を使った尖閣奇襲上陸作戦を計画している気配が濃厚です。さらに最近ウクライナなどから調達した大型ホバークラフトの使用もありうるでしょう」

 フィッシャー氏はそのうえで、中国の攻撃を抑止するために日本側は先島諸島のミサイルや沖縄などのオスプレイを増強すべきだと訴えた。

 以上4人の米国の専門家たちに共通するのは、現在の尖閣諸島をめぐる事態が日本の国家危機、日本の国難だという認識である。この厳しい認識にくらべると、当の日本の対応は官民ともに、なんとリラックスしているのだろうか。


尖閣・尖閣沖の接続水域、中国の公船4隻航行
読売新聞 8月16日(火)20時55分配信

 第11管区海上保安本部(那覇市)によると、16日午後7時現在、沖縄県石垣市の尖閣諸島・久場島沖の接続水域(領海の外側約22キロ)内を中国海警局の公船4隻が航行、漂泊している。

 また、16日午前9時21分頃には、同諸島・久米島沖の日本の排他的経済水域(EEZ)内で中国の海洋調査船1隻がワイヤのようなものを海中に垂らしているのを、海上保安庁の航空機が確認し、中止を求めた。


<尖閣海域>中国漁船が領海侵入 海保、映像公開
毎日新聞 8月16日(火)15時3分配信

 海上保安庁は15日、沖縄県・尖閣諸島周辺の海域で、中国海警局所属の公船や中国漁船が領海に侵入して航行する様子を映した映像を公開した。同庁や外務省のホームページで閲覧できる。

 映像は5~9日、海保の巡視船と航空機から魚釣島沖を撮影したもので、約4分間に編集。音声はなく、説明文をつけている。領海に侵入した公船や漁船に対し、海保の巡視船が無線や電光表示板で退去するよう求める様子が映っている。

 尖閣諸島周辺では、5日から公船や漁船の活動が活発化している。一時200隻を超える漁船が操業し、8日には過去最多の15隻の公船が接続水域を航行しており、海保が警戒を強めている。


中国船「尖閣領海侵入」の瞬間とらえた 海上保安庁が動画を公開
J-CASTニュース 8月16日(火)12時56分配信

942
中国船に「出域」を呼びかける巡視船(画像は当該動画より)

 海上保安庁や外務省は2016年8月15日、沖縄県・尖閣諸島周辺の領海で中国公船や漁船が航行する様子を公式サイトに動画で公開した。

 動画は7つの場面で構成。同庁の巡視船が「貴船は我が国領海内に侵入している。ただちに出域されたい」と中国船に呼びかける緊迫したシーンもおさめられた。

■「直ちに出域されたい」

 動画は16年8月5日から9日の間に、魚釣島沖で撮影された。収録時間はおよそ4分で、音声はなく、ところどころに説明書きが加えられている。

 動画は終始、領海を侵犯する大量の中国船に、海上保安庁の巡視船が対応する様子を映す。終盤、巡視船の電光掲示板に表示された中国語の警告文が「貴船は我が国領海内に侵入している。日本領海内における無害でない通航は認められない。直ちに出域されたい」と日本語訳され、テロップで流れる。

 尖閣諸島周辺の接続水域では、ここ最近、中国船が領海侵入を繰り返している。6日には、中国の漁船約230隻と海警局の船6隻が確認されたとして、外務省が在日中国大使館に抗議する事態になっていた。動画を公開することで、中国を牽制する狙いがあるとみられる。


領海侵入の中国船動画公開=外務省と海上保安庁
時事通信 8月16日(火)0時26分配信

 外務省と海上保安庁は15日、沖縄県・尖閣諸島周辺海域で中国海警局の公船が領海侵入を繰り返した事態を受け、公船や中国の漁船の行動を映した動画をウェブサイトで公開した。

 国内外に実態を示し、中国側をけん制する狙いとみられる。

 動画は今月5~9日に尖閣諸島の魚釣島沖で撮影されたもので、領海に侵入した公船や漁船に対し、海上保安庁の巡視船が警告を発するシーンなど。音声はなく、「中国公船と中国漁船に退去要求等を行う海上保安庁巡視船」などの説明文が付いている。


海保、尖閣周辺の中国公船・巡視船など映像公開
読売新聞 8月15日(月)21時46分配信

 東シナ海の尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の接続水域や領海で、多数の中国海警局の公船が侵入を繰り返している問題で、海上保安庁は15日夜、同庁のホームページに、周辺海域で中国公船や漁船に対応する巡視船などの映像を公開した。

 同庁が、尖閣周辺を航行する中国公船などの様子を公開するのは異例。

 公開された映像は約4分間で、今月5日から9日までの間、尖閣周辺の接続水域や領海に侵入した公船や漁船を、海上保安庁の巡視船が警戒する様子などが映されている。

 海上保安庁によると、今月3日以降、接続水域などに侵入する公船は増え続け、7日に13隻、8日には15隻が接続水域を航行するなど過去最多を更新した。


中国衝撃、尖閣漁船衝突
遠藤誉 | 東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士
2016年8月15日 8時0分配信

11日に尖閣沖で起きた中国漁船とギリシャ貨物船の衝突により、中国漁民を日本の海保が救助したのを受け、中国の海警は何をしていたのかと中国のネットが炎上。面目丸つぶれの中国政府は日本へ謝意。衝撃が走った。

◆尖閣沖で衝突事故
第11管区海上保安庁によると、11日5時頃、尖閣諸島沖の公海上で、中国漁船「○晋漁05891」(○:門構えに虫。みん)とギリシャ船籍の貨物船「ANANGEL COURAGE」が衝突した。日本の海上保安庁の巡視船は沈没した中国漁船の船員救助に尽力し、船員6人が救助され中国側に引き渡された。
11日の中国メディアは、日本のメディア報道をなぞる形で、ただ単に文字で「中国側は謝意を表したとのこと」と、他人事のように書き、炎上するネットのコメントの削除に躍起になっていた。
しかし中国政府を非難するコメントは増えるばかりで、中国大陸のネットが炎上し始めた。
すると11日の夜になって、中国外交部(外務省)の華春瑩・報道官(外交部新聞司副司長)は「日本側の協力と人道主義の精神に称賛の意を表す」と明確に口頭で表明するところに追い込まれたのである。
それまでは「関係部門が協力的な姿勢で適切に処理することを望む」としか言っていなかった中国が、なぜ「人道主義の精神に称賛の意を表す」という表現を用いるに至ったのか、ネットパワーを検証してみよう。

◆炎上する中国大陸のネット
2016年6月統計で、中国のネットユーザーの数は7.1億人に達したが、多くのユーザーが尖閣沖における中国漁船の沈没と日本による人命救助に関して、中国政府への不満をぶつけた。
11日の昼間までにネットに溢れていたコメントのうちの、いくつかの例をご紹介しよう。以下に書いてある地域名はユーザーの登録地名である。ウェブサイトによっては、書いてない場合もある。
●天津市:感謝すべきことは感謝するというのが礼儀だろう。相手(日本)は我が国の漁民を助けたのだから、感謝するのが道理だ。
●河南省:日本が今回やったことは、非常に人道的だ。感謝すべきだ。
●陝西省:ありがとう! 命を尊重してくれたことを感謝する。
●四川省:いつ、どこであろうとも、人道主義は称賛に値する。
●山東省:筋が通った強さと制度によって作られた民度の高い国民の善良さ。(筆者注:日本国民のことを指していると推測される。)
●上海市:救助する能力があるってことは、結局、制御する力も持っているってことになるんじゃないのかい?
●河南省:中国の救助船は、どこに行ってたの?
●浙江省:わが中国の海警船は何をしていたんだい?
●河南省:ねぇ、お父さんはどこに行ってしまったの? お母さんはどこに行ってしまったの? 肝心かなめの時に、われらが海警船はいったいどこに行ってしまったの?
●江蘇省:中国の公船はどこにいってしまったんだい?強盗(日本のこと。筆者注)に命を救われたなんて、もう絶句だよ!
●中国政府は、どの面ぶら下げて、こんな恥知らずな報道をしてるんだ!
●江蘇省:重要なのはさ、ギリシャは「日本に通知した」ってことだよね。ということは「国際社会は釣魚島(尖閣諸島)の管轄権は日本にある」って、認めているってことじゃない?
――いやいや、早合点しちゃいけないよ。日本の自作自演で、ギリシャの船舶に偽装していたのかもしれないよ。事故は、日本側がわざと起こしたのに決まってるじゃないか。そうじゃなきゃ、中国政府はいくらなんでも面汚しだろ?
●河北省:結局のところさ、(尖閣諸島は中国の)自分の地盤じゃないってことだよ。盛んに「我が国の領土」って言いまくってるけど、自分の家に帰ってないのと同じ(中国は管轄できてないという意味。筆者注)。そのくせ、俺の家を建て壊して地上げする時だけは手が早いんだからな。
●広東省:中国海警局の船がいったい何をしていたのかが問題だ。十隻以上、釣魚島(尖閣諸島)を警備していたんじゃないのか? 中国は普段は筋骨を見せて強がって見せてるけど、それって、上っ面だけじゃなかったのかな?いざという時に、役立たないじゃないか!もしかしたら、日本と戦争することになったら、中国はダメなんじゃないのか?
●新疆ウィグル自治区:今回は中国政府の方が、完全にメンツをつぶされた格好だ。
●上海市:中国って、結局、無力なんじゃないか? 管制ができてないってことだろ?
●湖北省:漁船の位置に関する衛星システムは何をしてるんだ?自国の船が沈んでしまったんだから、本当なら中国が一番最初にその情報をキャッチしていなければならなかったはずだろ?地上の衛星制御センターは漁船の時々刻々の位置情報を捉えていなければならないはずだ。漁船が座標から突如消失したのなら、コントロールセンターが知っているはずだが、動かなかったのか?
●ハンドルネーム「Mrhuang」:海警局の船は、ただ単なる飾り物なのさ!
●ハンドルネーム「大官人」:私は中国人だ。私は中国のやり方に、ものすごく怒っている!毎日のように釣魚島を守れとか、釣魚島は中国のものなどと叫んでいるくせに、何だ、このざまは!これで、釣魚島が中国のものだなんて言えるとでも思っているのか?釣魚島の周辺の治安さえ守れないんだとすれば、口先だけの喧嘩を(日本に)売ってないで、さっさと(日本に)あげちゃえよ!もし本当に中国の領土だと言うんなら、こんな事態にはならないはずだ!

以上、数多くあるコメントの中で、代表的なものを拾ってみた。

◆面目丸つぶれの中国政府
ほとんどのコメントは次から次へと削除されていってはいるが、中国政府としては面目丸つぶれである。
これ以上、ネットの炎上とコメントの削除の鬼ごっこをしていると、反政府運動へと広がりかねない。
「自国の民を守れない中国」
「結局、軍事力が弱い中国」
「軍事力があったとしても、制度と民度の弱い国は何もできない。それが中国だ」
「相手国が自国民を助けてくれても、潔く感謝できない中国。それが民度の低さを表している。」
こういったイメージが、爆発的に広がり始めていた。日頃から中国政府への不満を抱いているネットユーザーは、この機会を利用して、思いっきり「言論で」暴れまくろうとしていた。
そこで中国外交部は遂に観念して、日本への謝意を公けの場で口にしたものと推測される。
中国の強硬策は、必ずいつか「自滅」をもたらす。
中国の浙江省杭州市で9月4日から始まるG20(20カ国・地域)首脳会談で中国が非難されないよう、つぎの一手に中国はいま手をこまねいている。経済問題を中心に据えて、安全保障問題からは目をそらさせるつもりだった。
だから尖閣問題で日本を威嚇し、南シナ海問題に関して中国包囲網が形成されないようにG20に備えていたはずだったが、中国漁船の衝突事故で、すべては水泡に帰したと言っていいだろう。というより逆効果となってしまった。
悪いことはできないものである。
いま中国政府内には衝撃が走っている。
日本はG20で、この漁船衝突事故を大いに活用した外交戦略を練るといいだろう。

遠藤誉
東京福祉大学国際交流センター長、筑波大学名誉教授、理学博士


尖閣に押し寄せる大量の中国船、東シナ海と南シナ海問題が連動する理由
Wedge 8月14日(日)12時10分配信

945
尖閣沖に現れた中国公船 (提供:第11管区海上保安本部/AP/アフロ)

 2016年8月6日午前8時過ぎ、尖閣諸島の接続水域に中国海警局の巡視船6隻が侵入し、周辺海域に中国漁船約230隻が出現した。同日午後には、海警局の巡視船1隻が加わって7隻が接続水域に侵入し、8日に至って、海警局の巡視船及び他の公船の隻数は15隻、漁船の数は400隻にも上った。

 一体、これが、単なる漁業活動だと言えるだろうか? 日本政府の再三の抗議にも、中国は公船の活動を低下させるどころか、エスカレートさせている。後述するが、日本と中国は、互いに互いが自分をけん制していると考えているため、状況がより複雑になってしまっているのだ。

 今回の中国公船及び漁船の活動は、「軍事力ではなく法執行機関の船舶等を用いて尖閣諸島周辺海域における優勢を高め、日本の実効支配を崩す」という中国の戦略に沿ったものだ。しかし、これだけあからさまに日本を挑発するには、理由がなくてはならない。中国指導部は、「日本のことを不愉快に思っている」ということを示したのである。

 中国が不愉快に思うのは、日本が南シナ海問題への関与を強めていると考えるからだ。安倍政権の内閣改造も影響している可能性がある。日本が南シナ海問題から手を引くよう、東シナ海で緊張を高め、日本をけん制しているのだと言える。

「南シナ海問題において日本は無関係」 という中国の考え
 しかし、これは日本の見方である。中国は、「日本が中国をけん制している」と捉える。中国では、「中国が東シナ海における行動を鎮静化するよう、南シナ海における中国の行動を日本が繰り返し批判し、国際社会における中国の立場を悪化させることで、中国をけん制している」と考えられているのだ。

 そのため、中国は、「日本が南シナ海問題を利用して中国をけん制しても、中国は東シナ海における行動を抑えることなどない」ということを示そうとしている。尖閣諸島周辺に、中国海警局を始めとする法執行機関の巡視船と漁船を大量に送り込み、中国は尖閣諸島を実効支配でき、またその意思があることを示そうというのだ。

 中国は、「日本は南シナ海問題に全く無関係だ」と考えているということでもある。中国が南シナ海を領海化しようとするのは、米国が中国の発展を妨害するのを阻止するためである。中国は、米国の軍事攻撃を真剣に恐れている。

 南シナ海全体を中国のコントロール下におこうとすることで、周辺の東南アジア諸国と軋轢を生じていることは、中国も理解している。しかし、それは、中国にとってみれば、中国と当事者である東南アジアの国との間の領土紛争である。しかも、中国を防衛するために東南アジア諸国が「少々の」犠牲を払うことは「仕方がない」ことなのだ。

 そして、この中国のストーリーの中に、日本は出てこない。「無関係であるにもかかわらず、日本は米国の尻馬に乗って中国を叩いている」と考えるから、余計に日本に腹を立てるのだ。さらに、中国は、こうした日本の行動には、南シナ海問題以外に目的があるからだと考える。中国の認識では、その日本の目的が、尖閣諸島を巡る領有権争いにおいて、日本が有利に立つことなのである。

 つまり日本と中国は、双方とも、「相手が自分をけん制している」と考えている。そして、中国は、中国に対するけん制など効かないということを実力で証明しようとしているのだ。日本からすれば、それは中国の誤解である。日本は、南シナ海における状況に無関係な訳ではない。もちろん日本は、中国をけん制するために、南シナ海問題において中国に嫌がらせをしている訳でもない。単に、「国際的な問題を解決するのに軍事力等の暴力的手段を用いない」という最低限のルールを守って欲しいだけだ。

中国の「被害者意識」と「権利意識」
 日本と中国では、南シナ海問題の認識の仕方がまるで異なる。日本にとって、南シナ海は重要な民間海上輸送路である。「誰にでも開かれた海」という原則があって、初めて日本のシーレーンは安全に航行できる輸送路になる。日本は、「中国が軍事力や法執行機関という実力を行使する組織を用いてこの原則を変えようとしている」と受け止めている。そして、それは、「暴力的手段を用いれば国際的なルールを変えられる」という国際社会の出現につながるものだと考えるからこそ、中国がとる手段に反対するのである。

 一方の中国にすれば、南シナ海問題は、中国を防衛するために必要な安全保障上の問題に過ぎない。国際秩序に対する挑戦であるということを、中国は認めようとしない。そもそも、中国にしてみれば、現在の国際秩序は欧米諸国が勝手に決めたものに過ぎない。それを中国が守る必要などない、というわけだ。中国の認識によれば、国際秩序や国際社会のルールは、大国が決めるものなのだ。中国がプレイすべきは、大国間のゲームだと認識しているのである。「認識している」というより、「信じている」といった方が正しいかも知れない。

 これまで、自分たちの利益のためなら軍事力でも用いてきた欧米諸国、特に米国が、ひとたび自分たちの権益が満足するレベルに達したら、自分たちの権益を守れるように作ったのが、現在の国際秩序であり国際的なルールだと考えるのだ。そのストーリー中では、中国は「欧米諸国に不当に抑圧される被害者」である。「戦勝国であり大国である中国が、本来、国際秩序を形成すべきであるにもかかわらず」という前提が付くことによって、被害者意識はさらに高まり、鬱憤が溜まることになる。

 中国は、このような強い被害者意識と権利意識を背景に、「強くならなければ、いつまでも不当に抑圧される」と考える。実際に、中国の研究者たちは、「中国が軍備を増強して強くなったからこそ、米国が中国に対する態度を変えた。米国は、中国と衝突を避けなければならないと考えるようになったので、事態をエスカレートさせないように慎重に対応するようになった」と主張する。中国の軍事力増強が地域を安定させ、中国の安全を保障していると言うのである。

尖閣問題において「対等」を狙う中国
 この考え方は、東シナ海にも適用されている。中国は、「これまで、尖閣諸島周辺海域で日本の海上保安庁が圧倒的に優勢を保っていたために、尖閣諸島領有に関する議論は常に日本有利に進められてきた」としている。そして、中国が海警局を強化し、大量の漁船による漁業活動を展開するようになって、日中の勢力が対等になった今、尖閣諸島の領有について日中が対等な立場で議論できるようになったと言うのだ。

 問題は、中国が言う「対等」とは何かである。現状が不公平だと言う認識では、現状を変えることができて初めて公平だということになる。「対等」であるという意味は、中国が勝てる状態のことを言っているに等しい。

 一方で、中国の研究者等は、日本の対応を非常に気にかけている。会って話をすると、必ず、「日本はどう対応するのか?」と質問してくる。しかも、表現を変えつつ、何度も質問されるのだ。例え、挑発的な行動に出たとしても、中国の本音は、日本と軍事衝突したくないのである。日本と軍事衝突すれば、米中戦争にエスカレートする可能性がある。そして、米中戦争になれば、中国は敗北する。

 中国が狙うのは、日本が海上警備行動を発令しない範囲において、尖閣諸島の実効支配を奪うことである。日本が手を出しにくいように、少しずつエスカレートさせてきたのだ。しかし、今回の事案で、中国側が日本の出方に神経質になっているのは、自分たちでも「エスカレーションの度合いが強かった」と認識しているからに他ならない。

背景にあるのは権力闘争か
 それにもかかわらず、なぜ中国は、大量の漁船と公船を送り込むという行動に出たのだろうか? そこには、中国の内政、特に権力闘争が関係している可能性がある。習近平主席とその周辺、或いは習主席の「やり方」に反対するグループのいずれかにとって、日本を怒らせ騒がせることが、有利に働くということだ。

 そのどちらが仕掛けているのか断定することはできないが、状況からは、習主席の「やり方」に反対するグループが、習主席に外交上の失点を上積みするために、日本に危機感を抱かせ、国際社会に働きかけさせようと企図したように見える。今、日本が国際社会に「中国の悪行」を吹聴して中国が困るのは、G20の直前だからだ。

 2016年のG20サミットは、中国の杭州で、9月3日及び4日の2日間の日程で開催される。議長国である中国は、この場で他の参加国の首脳から非難の集中砲火を浴びるようなことになれば、完全に面子を失う。外交の大失態どころか、習主席の権威さえ脅かしかねない。

 中国の研究者たちによれば、中国国内で、王毅外交部長(日本で言う外務大臣)がG20前に訪日するという噂が囁かれているという。中国は、自分で日本を怒らせるようなことをしておきながら、G20の場で中国を非難しないように日本に働きかける、という訳だ。同じ人間が指示しているとしたら、おかしな話だ。

 さらに今回の事案が中国国内の権力闘争に関係していると考えさせるのは、中国が大量の漁船と公船を尖閣周辺海域に送り込んできたのが、中国で北戴河会議が開かれている時期だからである。北戴河会議とは、毎年夏に共産党の高級幹部が北戴河という避暑地に集まり、5年に1度の党大会に向けて、党の方針や人事等の調整を行う会議である。

 現地では、自らの保身・出世のために、家族ぐるみで様々な工作が行われると言う。2000年代半ばころから「北戴河会議はなくなった」とも言われるが、自分だけが行かなかった場合のリスクを考えれば、恐ろしくて「行かない」という選択をすることは難しい。結局のところ、現在でも、夏の北戴河には、党の指導者たちが集まっている。

 今年の北戴河は熱いだろう。習主席とその「やり方」に反対するグループの闘争がし烈になっているだろうからだ。大量の漁船や公船が尖閣諸島周辺海域にやって来たのは、まさにこの時期なのである。本来であれば、中国の指導者たちは、権力闘争以外の問題にかまっている余裕などないはずである。その時期に起こった事案は、権力闘争に利用するために起こされた可能性があるのだ。

独裁体制を目指す習近平?
 中国の権力闘争が激しくなったのは、習主席の「やり方」が、他の指導者たちにとって受け入れられないものだからだと考えられる。表には出てこないものの、習主席の「やり方」とは、政治局常務委員制を廃止することではないかと言われる。常務委員制を廃止するということは、集団意思決定体制を廃止し、習主席が一人で全てを決定する独裁体制にするということなのだ。

 胡錦濤前主席は、習主席に全ての権力を移譲する際、江沢民派の影響を削ぐために、政治局常務委員を9名から7名に削減した。習主席は、いきなり常務委員を無くすのではなく、4名に削減することを考えているとも聞く。4名だと、2対2になって、最終的に習主席が決定するという構図だ。習主席の常務委員削減は、胡前主席の削減とは全く意味が異なる。

 来年秋の19回党大会に向けて、中国共産党内の権力闘争は激しさを増すだろう。それまでの間は、外交は権力闘争の道具程度にしか扱われない可能性もある。尖閣諸島周辺海域に存在する大量の漁船や公船が引き上げるかどうかは、まず、北戴河会議において、仕掛けた側が、満足する程度に相手が失点したと考えるかどうかによるだろう。もし、習主席の失点が十分でないと考えれば、G20に向けて、さらに行動をエスカレートさせる可能性もある。

 日本に対する強いけん制の意味があることは間違いがなくとも、日中関係が主たる問題ではないとすると、日本の対応は難しくなる。日本が中国に対して何を働きかけようが、中国の関心は国内政治にあるからだ。

 日本に対する強硬な姿勢に中国の権力闘争が影響していることは、中国の研究者たちも認めるが、大量の漁船と公船を送り込んだのは習主席側であるという話も聞く。習主席の政策に批判的な指導者たちの反対を抑え込み、党内の結束を図るために日中間の危機を演出しているというものだ。中国国内政治は、日本で言われるように、「太子党(或いは紅二代)」、「共青団(共産党青年団)」、「江沢民派(或いは上海幇)」間の闘争といった単純な構造ではない。個人の権益等によって、合従連衡を繰り返している。そのために、北戴河会議のような場が重要なのだ。中国の権力闘争の様相がよくわからないように、内政が対外政策に及ぼす影響の度合いも計ることは難しい。

問われる日本の覚悟
 しかし、日本にとって、その理由がどうであれ、尖閣諸島周辺海域に中国が大量の漁船と公船を送り込んできている事実が重要である。中国が力の信奉者であるとすれば、日本が自衛隊を使用しないと考える範囲において、エスカレートする行動を止めることはない。また、日本が抗議しても、中国に非があるとは考えないだろう。それどころか、強く抗議をすれば、「日本が国際社会を煽っている」とさえ捉えかねない。

 日本は、中国との間で、軍事衝突を避けるための議論を進めなければならないのは当然である。一方で、中国の行動を止めるためには、最終的に日本は自衛隊を使用しなければならないことを覚悟しなければならない。その時に、国際社会から非難されないためには、普段から、尖閣諸島周辺海域における中国のエスカレーションの状況を、日本国内外に明確に知らしめなければならない。そして、実際に衝突した際には米軍が必ず参戦するよう、腰が引け気味の米国を巻き込んでおかなければならない。

 危険な状況になりつつある尖閣諸島を巡る状況に対して、日本がやらなければならないことは多いはずだ。「その時に日本はどう対応するのか」についての議論は、一刻も早く始めなければならないのではないだろうか。


尖閣防衛、ミサイル開発へ…23年度の配備目標
読売新聞 8月14日(日)7時26分配信

940
(写真:読売新聞)

 政府は、沖縄県・尖閣諸島などの離島防衛を強化するため、新型の地対艦ミサイルを開発する方針を固めた。

 飛距離300キロを想定している。宮古島など先島諸島の主要な島に配備する方針で、尖閣諸島の領海までを射程に入れる。2017年度予算の防衛省の概算要求に開発費を盛り込み、23年度頃の配備を目指す。中国は尖閣周辺での挑発行動を繰り返しており、長距離攻撃能力の強化で抑止力を高める狙いがある。

 開発するのは、輸送や移動が容易な車両搭載型ミサイル。GPS(全地球測位システム)などを利用した誘導装置を搭載し、離島周辺に展開する他国軍艦などを近隣の島から攻撃する能力を持たせる。13年に閣議決定した防衛計画の大綱(防衛大綱)では、離島防衛強化が打ち出されており、開発はこの一環だ。


尖閣問題、中国の主張には2つの誤りがある
東洋経済オンライン 8月13日(土)6時0分配信

946
漁船だけではなく中国公船の領海侵入もあった。写真は中国海警局の船舶。南シナ海で2014年3月撮影(2016年:ロイター/Erik De Castro)

 8月5日から中国漁船に続いて、中国公船(中国政府に所属する船舶)による尖閣諸島周辺の領海・接続水域への侵入が始まった。その後、公船の数は十数隻にまで、また漁船数は200~300隻にまで増加した。

 日本側からは岸田文雄外相はじめ各レベルで中国側に抗議するとともに、我が国の領海・接続水域から直ちに立ち去るよう求めたが、中国船はその後もなかなか退去しなかった。

 中国の公船による我が国領海・接続水域への侵入は過去何回も繰り返されてきたが、今回はその規模、行動の執拗さなどから見てまれにみる悪質なものである。中国はなぜそのような行動をとるのだろうか。ここであらためて歴史的経緯を含めて検証しておこう。

■ 国際法的に日本の領土であることは明らか

 尖閣諸島は、日本政府が1895年1月、無主の地であることを確認して日本の領土に編入して以来日本の領土となっている。サンフランシスコ平和条約でも沖縄の一部として扱われており国際法的にも日本の領土であることは明らかだ。日本政府は、表現は若干違うところもあるが大筋はこのような立場であり、かつ、有効に支配している。

 一方、中国は、尖閣諸島は中国「固有の領土」だと主張し、また、尖閣諸島についての記述がある古文献を持ち出してその主張の正当性をアピールしようとすることもある。

 しかし、このような中国側の主張にはあまり説得力がない。古文献には、かつて中国人が航海した際に目印となっていたことを示す記載はあっても、中国が実効支配していたことを裏付けるものはない。それどころか、中国の領土は明代まで原則中国大陸の海岸線までであったことを示す文献が多数存在している。

 このような事情から、日本政府は、尖閣諸島については「解決しなければならない領有権の問題は存在しない」という見解であり、中国側が国際司法裁判での決着を望むならいつでも受けて立つという姿勢である。

 厄介なのは、日本が軍国主義の下で中国から領土を奪取したという歴史観が中国にあることであり、それは、具体的な表現はともかく、筋道としては誤りでない。

■ 日本が尖閣諸島を編入したのは侵略の一環? 

 たとえば、中国は、1895年に日本が尖閣諸島を日本領に編入したことを日本の侵略の一環としてとらえている。日本政府は、日清戦争(1894年6月~1895年3月)とは関係ないことであったとの立場だが、中国側は狭い意味での戦争行為のみならず、日本の行動全体を問題視しているのだ。この両者の異なる立場について明確なかたちで白黒をはっきりさせるのは困難だろう。

 しかし、中国の主張には明らかな誤りが2点ある。その1つは、日本が編入するまで尖閣諸島は中国領だという前提に立っていること。もう1つは、中国が尖閣諸島は台湾の一部と考えていることだ。しかし、地理的な近接性が領有権の根拠とならないことは確立された国際法である。

 中国の歴史観は、1992年に制定した「中華人民共和国領海及び接続水域法(領海法)にも表れている。この法律では、「台湾、尖閣諸島、澎湖諸島、東沙諸島、西沙諸島、南沙諸島は中国の領土である」と途方もないことを規定したのだが、これらはたしかに、かつて日本が領有していた島嶼・岩礁であった。

 中国は南シナ海、台湾、東シナ海を含む広大な海域について、「管轄権」を持つと主張することもあるが、同じことである。

 国際法的には、サンフランシスコ平和条約の解釈が決定的な意味を持つ。同条約では、台湾は日本が放棄すると明記されたが、尖閣諸島の扱いは何も記載されなかった。しかし、その後の米国による沖縄統治の間に尖閣諸島は沖縄の一部として扱われた。したがって国際法的には尖閣諸島は沖縄の一部であったと解されていたのである。

 今回の侵入事件のきっかけとなったのは、さる7月12日、南シナ海におけるフィリピンと中国との紛争に関し国際仲裁裁判所が中国側全面敗訴の判決を下したことだ。この裁判は台湾や尖閣諸島を対象にしていないが、中国にとって今回の仲裁裁判結果は、台湾や東シナ海についての領有権主張も「根拠がない」と判断されることを示唆する危険な判決だ。

 尖閣諸島についての根拠の有無は前述した。台湾の状況は尖閣諸島と同じではないが、やはり中国の主張には問題がある。

 台湾が中国によって支配されるようになったのは、1683年以降である。当時の中国は清朝であり、その年より以前は鄭成功が統治していた。この人物は明時代の人物だが明朝廷の命を受けて台湾を統治したのではなく、個人としての行動であり、また、その期間は22年という短期間であったので、明は台湾を支配していなかったというのが通説だ。

■ 清朝は台湾の一部を支配していただけ

 また、清朝は台湾の一部を支配していただけであった。台湾の西半分であり、東半分は最北端の一地方だけであった。そして清朝政府は統治外の地域、すなわち東半分の大部分を「番」と呼ぶ住民の居住地とみなして漢人がその地域へ入ることを厳禁するなど、統治下と統治外の地域を厳格に区別していた。

 このような歴史的経緯は台湾の教科書に明記されていることであり、中国としてもそれは百も承知のことである。にもかかわらず、台湾を中国の「固有の領土」と主張するのは、繰り返しになるが、日本から取り戻したいからである。

 ただし、台湾についてはもう一つの事情が加わっている。中国にとって、台湾の中国への統一が実現しない限り第二次大戦直後から始まった中国の内戦は終わったことにならないのだ。

 中国は今回の判決後、むしろスプラトリー諸島(中国名「南沙諸島」)などでの攻勢を強めているきらいがあり、そのため今回の裁判はあまり有効でなかったという見方もあるようだが、真相は全く違うと思う。

 中国としては南シナ海、台湾、東シナ海の領土問題の根底には、日本の軍国主義との戦いがあり、手を緩めることはできない。もし国際社会の言うように物分かりの良い態度をとれば政治的に大問題になる恐れがあるのであり、今回の判決のように中国にとって危険なことが起これば強い態度で出ざるを得ないのだと思う。戦闘的な行動形式は今や多数の国家にとって無縁かもしれないが、中国にとっては、いざという場合には必要なことだろう。

 中でも中国軍は、日本によって奪われていた領土を取り戻すことをもっとも強く主張している機関であり、「日本が南シナ海の仲裁裁判に不当に関与したので懲らしめてやろう」という気持ちが強く出たのかもしれない。軍に比べ中国外交部の地位は相対的に弱いといわれており、今回の事件についてはこのような内部事情も影響している可能性がある。

 しかし国際社会においては中国の内部事情がどうであれ、中国のそのような特異な考えは認められない。日本が仲裁裁判に関与したなどという裁判批判は荒唐無稽だ。

■ 国際法にのっとって解決することが必要

 日本が放棄した島嶼や岩礁の帰属問題は国際法にのっとって解決することが絶対的に必要だ。各国が国際法を無視して取り合い合戦を始めれば新帝国主義的争いとなる危険さえある。

 日本政府が「国際法と国内法令に基づいて、今回の事件について冷静に、かつ毅然とした態度で処理する」という方針で臨んでいるのは正しいと思う。また、米国との情報交換などもよく行っているようだ。

 一方、中国のフラストレーションにも注意が必要だ。中国は、南シナ海の問題、あるいは尖閣諸島の関係で不満が高じると、ほかの問題で代償を求めてくることがありうる。外相会談が開催できない原因を日本側に押し付けてくるようなことはすでに始まっているようだ。

 残念ながら、共産党による事実上の一党独裁の中国では、分野あるいは案件をまたがっての政策調整は比較的簡単にできるが、民主主義国家では困難だ。そのため中国政府がとりうる政策手段の幅は日本などよりはるかに広く、時として日本の対中外交は困難に陥るが、日本としては安易な妥協は禁物であり、国際法に従って問題を処理することが、結局は中国にとっても利益であることを粘り強く説得していくことが肝要だ。

 また、領土問題に関する主張の奥には、日本などとは比較にならない危険な政治状況がありうるということを常に念頭に置いておくことが必要だ。

« 東日本大震災等および原発事故関連のニュース・2139 | トップページ | 終戦記念日の今日15日、高市総務相、丸川五輪相、萩生田官房副長官の閣僚らが靖国神社参拝 »

ニュース」カテゴリの記事

侵略・支配・抑圧」カテゴリの記事

国防・軍事・安全保障」カテゴリの記事

領土・外交」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/566606/64068826

この記事へのトラックバック一覧です: 尖閣の接続水域に中共海警局15隻と支那漁船300隻以上来襲 海警が領海侵入繰り返す・3:

« 東日本大震災等および原発事故関連のニュース・2139 | トップページ | 終戦記念日の今日15日、高市総務相、丸川五輪相、萩生田官房副長官の閣僚らが靖国神社参拝 »

2017年5月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31