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2016年6月30日 (木)

どこまで図に乗る中共支那、南シナ海にミサイル・戦闘機を配備・10

南シナ海の他国領海で横暴な侵略行為を強行している中共支那が、スプラトリー諸島のファイアリークロス礁を勝手に埋め立てて造成した飛行場へ強引な侵略飛行を行なったのに続き、今度はベトナムから強奪したパラセル諸島のウッディー島に地対空ミサイル8基を配備し、さらに対空機関砲の設置に加えて戦闘機まで進出させた。
一方でベトナムと領有権めぐって係争中のスプラトリー諸島にあるクアテロン礁などには、高周波レーダー施設を設置したことも明らかになった。

同諸島はかねてよりベトナムと中共がその領有権めぐって係争中であり、こうした地域を一方的に自国領と断言し軍事施設を建設して、支配権の既成事実化を試みる中共支那の好戦的・冒険的な侵略行為は、ベトナム・フィリピンなど近隣諸国や関係国および公海上の海上交通路(シーレーン)の安全を脅かし、いたずらに紛争の危険性を高める、国際法上認めることの出来ない危険な挑発行為である。

この中共の重大かつ危険な挑発行為に対して、アメリカなどがこうした危険な行為を停止するよう要求しているにもかかわらず、これに対して中共は「最も重要なことは(自国の設置した)レーダーなどではなく、(米軍の)戦略爆撃機や駆逐艦を含む最新兵器が日々、南シナ海に出現していることだ」として居直り、こうした一連の行為が「(自国の)主権の範囲内」と強弁している。

こうした中共の態度は、世界の秩序を完全に愚弄する思い上がり図に乗ったものであり、中共がこうした態度を改めない限り、この地域での紛争・戦争の危険は日に日に増大するものと見なければならず、その結果中共軍は敗走して共産党の威信は失墜し、国内の暴動によって中共は崩壊するだろう。

このような凶暴かつ愚劣な行為を改めなければ、招来する重大な結果について、中共支那はその一切の責任を負わなければならない。

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リンク:中国軍、最大の国産軍用輸送機「運20」の運用開始 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:焦点:南シナ海の仲裁裁定を控え、中国のプロパガンダが過熱 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海に迫る「キューバ危機」、試される安保法制 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国、艦隊主力を集結 南シナ海演習、最大級 「米軍と衝突視野」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日本人所長の公平性に疑義=仲裁人選定は「意図的」―中国次官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海で軍事演習開始=実効支配を誇示―中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海での軍事衝突に備えるべき、中国国営紙が社説掲載 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「深刻な主権侵害」=中国の演習に抗議―ベトナム - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国不利の見方強まる=南シナ海仲裁判決まで1週間 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国軍、南シナ海で演習 示威、ハーグ裁定直前まで - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国軍、南シナ海で演習…仲裁裁判けん制か - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:インドネシア EEZ侵犯に強硬姿勢示す 違法操業船を拿捕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:5日から南シナ海で軍事演習=中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:別所国連大使「南シナ海、深く懸念」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国覇権阻止のパートナー・ベトナム - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:三重「正論」懇話会 石平氏「赤裸々な華夷秩序路線に戻った」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<中国>「領有権は一歩も譲らず」習氏、共産党95周年演説 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海情勢 フィリピン新外相「中国の履行に期待」 仲裁判断めぐり「誇示しない」とも - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:習主席「権益放棄せず」=南シナ海判決前に強硬姿勢―共産党創立95年で演説・中国 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:比ドゥテルテ大統領就任 南シナ海問題、対中軟化「穏便に」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海問題 仲裁裁判所12日に判断 中国「受け入れず」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国、比新政権に接近=「嫌米」大統領取り込みか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国が東シナ海で日本を威嚇する本当の理由 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<比大統領>ドゥテルテ氏就任、過激な発言が目立つが… - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<南シナ海>中国は拒否声明 仲裁裁判所「12日に判断」に - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ドゥテルテ氏「誇示しない」=比新政権、仲裁判決の対応協議 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国軍機への緊急発進ほぼ倍増、統合幕僚長「空も海も活発化」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<比大統領>ドゥテルテ氏就任式 中国との対話に意欲 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海問題への対応焦点=ドゥテルテ新大統領が就任―比 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:上陸戦部隊を追加編成=19年度からアジアで活動―米軍 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:比新大統領就任、南シナ海は「中国の湖」となってしまうのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:南シナ海問題で来月仲裁判断、中国拒否なら「無法国家」の声も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:フィリピン、ドゥテルテ新大統領が就任 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

仲裁裁判官人選、中国がクレーム「公正でない」
読売新聞 7月7日(木)7時29分配信

 【北京=竹腰雅彦】南シナ海の仲裁裁判を巡り、中国の劉振民外務次官は、中国共産党理論誌「求是」(最新号)への寄稿で、中国と海洋問題で争いがある日本の柳井俊二・国際海洋法裁判所長(当時)が仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の裁判官を任命し、その裁判官らが審理を進めてきたことについて「客観的でなく公正でない」と批判した。

 劉氏は「中日間には領土主権と海洋境界を巡る争いがあり、日本は南シナ海問題への介入を企図している」と主張した。

 ただ、国連海洋法条約の付属書は、仲裁裁判所の裁判官選定について紛争当事者が合意できなければ「国際海洋法裁判所長が必要な任命を行う」と規定する。中国に不利な判決が予想される中、なりふり構わぬ宣伝の一環と言えそうだ。


中国軍、最大の国産軍用輸送機「運20」の運用開始
AFP=時事 7月6日(水)17時52分配信

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中国南部・広東省珠海での航空ショーで試験飛行する同国最大の国産軍用輸送機「運20」(2014年11月11日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】(更新)中国軍は6日、同国最大の国産軍用輸送機「運20(Y-20)」の運用を開始した。中国国防省が発表した。東シナ海(East China Sea)および南シナ海(South China Sea)の領有権をめぐり、中国と近隣諸国との緊張が高まる中、国際的な役割の拡大を目指すと主張している中国にとって、戦闘部隊を世界中に配備する能力を増強する形となった。

 中国国防省のウェブサイトに発表された声明によると、運20は中国の国産としては最大の輸送機で、部隊や貨物を「さまざまな気象条件の下で遠距離」輸送することを目的としている。

 2013年に試験飛行が行われた際の報道によると、運20の最大積載量は66トン、最長航続距離は4400キロ。55トンの積載量で中国西部からエジプト・カイロ(Cairo)まで飛行可能だという。

 しかし、当時、AFPの取材に応じた専門家らは、運20のエンジンはロシアで開発された「非常に旧式」であるため、実際の最大積載量と最長航続距離は報道されているデータを下回るはずだと述べていた。【翻訳編集】 AFPBB News


焦点:南シナ海の仲裁裁定を控え、中国のプロパガンダが過熱
ロイター 7月6日(水)16時52分配信

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 7月3日、南シナ海の領有権をめぐりフィリピンが中国を訴えた国際的な仲裁裁判の判断が迫るなか、日本や米国、東南アジアの当局者が神経を尖らせている一方で、中国高官は「気にしていない」と明言する。写真は中国が埋め立て開発を進める南沙諸島のファイアリー・クロス礁。米海軍が2015年5月撮影(2016年 ロイター/U.S.Navy)

[香港/ロンドン 3日 ロイター] - 南シナ海の領有権をめぐりフィリピンが中国を訴えた国際的な仲裁裁判の判断が迫るなか、日本や米国、東南アジアの当局者が神経を尖らせている一方で、中国高官は「気にしていない」と明言する。

南シナ海での領有権を主張する中国と、極めて重要な国際貿易ルートでもある同海域における同国の行動に反発したフィリピンの提訴を受け、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は今月12日、裁定を下す。

南シナ海の9割に主権が及ぶと中国は主張しており、フィリピンは国連海洋法条約(UNCLOS)に基づき、異議を申し立てている。

「実際いつ裁定が下されるのか、知らないし、関心もない。どのような裁定が下るにせよ、全面的に間違っていると考えるからだ」。中国の劉暁明駐英大使は、ロンドンでの昼食会でロイターに語った。

「(裁定は)中国や、それらの岩礁や島嶼(とうしょ)についての中国の主権に何らの影響を与えるものではない。それは重大で不当な、悪しき前例となるだろう。この件について法廷で争うつもりはないが、自らの主権のために、もちろん戦うことになる」

仲裁裁判所の裁定を無視しようとする中国政府の方針は、国際法に基づく秩序の拒絶と同時に、米国に対する直接的な挑戦を意味する。米国は、中国が軍事及び民生用目的で同海域の島々と岩礁を開発しており、地域の安定を脅かしていると考えている。

また、それは領有権紛争リスクをさらに高めることになると、弁護士や外交官、安全保障の専門家らは指摘する。

裁定結果が下された後で、米政府がどう対処するかによって、この地域における同国の信頼性が試されると広く受け止められている。米国は第2次大戦以降、自己主張を強める中国に対抗して、この地域において圧倒的な安全保障のプレセンスを維持してきた。

中国は、米国に対して自国の領土と政治的な主権を守るための問題として認識している。

また、南シナ海で領有権を主張する他の国々は、米国を味方に付けていると感じることで勇気づけられ、中国に挑んでいると劉大使は語る。

「これらの国々は、米国が(味方に)いることで、中国との状況を好転できると感じている。私は米国の動機について非常に疑わしく思う」

差し迫る裁定を一蹴する中国だが、自らの主張を広めるための国際的なプロモーション活動も怠らない。

外交官やジャーナリストと会合を持ち、世界各地での論説や学術論文において、自国の主張を説いている。

「フィリピン政府の主張には正当な根拠がない」。チャイナデイリーのニュージーランド創刊号に掲載された記事にはそう書かれていた。

中国の外交官は常に、そして、あらゆるレベルでこの問題を提起しているとアジアと西側諸国の外交官は指摘する。

「それは執拗なものだ。こんなことは何年も目にしたことがない」とアジアに拠点を置く西側の公使は語る。

中国は、このような領有権問題は国際仲裁ではなく、二国間協議によって解決されるべきとの同国の主張を40カ国以上が支持していると述べているが、公の場で中国への支持を表明した国はほんの一握りだ。

今回の裁定は、単に南シナ海の領有権にとどまらず、中国の台頭がもたらす、より広範な米中の緊張関係を物語ることになる、と中国と西側双方のアナリストは指摘する。

「これは、米国の優位性の衰退を露呈するものだ」と香港にある嶺南大学で中国安全保障問題を専門とする張宝輝氏は語る。「中国の行動に指図はできないと米国に示すことで、中国は自らの評判を高めることができる」

<中国とフィリピンの主張>

フィリピンが自らの主張の拠り所にしているUNCLOSは、島や岩礁などのさまざまな地理的な特徴から、どのような領有権を主張できるかを規定している。中国はこの条約の調印国であり、これは同国が国連に加盟後、最初に合意した国際条約のうちの1つだ。

とはいえ、中国は、南シナ海の大半において同国が議論の余地のない、歴史的権利と主権を有しているため、今回の問題はUNCLOSやハーグ裁判所の権限を超えていると主張している。

中国は、いわゆる「九段線」を基準に自国の領有権を主張する。それは、第2次世界大戦で日本が敗戦した後で、地図上に引かれた、境界があいまいなU字型の破線だ。

フィリピンが訴えた15項目では、中国の主張する領有権と、豊かな漁場であり、エネルギー資源の宝庫でもある7つの岩礁における同国の埋め立て工事の正当性に異議を唱えている。

また、フィリピンは、UNCLOSで認められた200カイリの排他的経済水域(EEZ)で開発を行う自国の権利保障を求めている。

フィリピン政府の弁護士チームに近い関係者は、海上における中国の今後の行動に大きな圧力をかけるに足る、十分な項目において有利な裁定を得ることができるだろうと自信をのぞかせる。

昨年11月にフィリピンが法廷で展開した主張の多くは、難解な法律用語で表現されていたが、中国が建築を進める工事の規模を強調するため、弁護士チームは1つのスライドショーを用いた。

それには、オランダ首都アムステルダムにある広大なスキポール空港が、中国が南沙(英語名スプラトリー)諸島のスビ礁に設置した新たな滑走路にぴったり重ね合せられていた。

「裁判官が全員スキポールを利用していたことを知っていた」とフィリピン政府の弁護士チームに近い関係者は話す。「彼らには真意が伝わったと思う」

<統一行動はできるか>

裁定を控え、英国やオーストラリア、日本などの国々は、米政府ともに、航行の自由や法の秩序を尊重することの重要性を強調している。

米国は東南アジア諸国にも、この問題で統一戦線を張るよう働きかけているが、まだ成果は上がっていない。

仲裁裁判所に自国の主張を伝え、独自提訴の可能性も排除しないベトナムは1日、仲裁裁判所が「公平で客観的」な裁定を下すことを求めた。

主要7カ国(G7)と欧州連合(EU)は、中国の反対があったとしても、裁定は拘束力を持つべきだと述べている。ベトナムは、裁定を支持するとの見解を裁判所に提出した。

法律の専門家は、裁定は技術的に拘束力があるとはいえ、UNCLOSの裁定を執行する機関が存在しないと指摘する。

また、アジアの軍や政府当局者の間では、いかなる裁定が下されたとしても、中国は新たな軍事行動や工事増強によって自身の主張を強調しようとするのではないかとの懸念が強まっている。

中国は、南沙諸島の新たな施設で戦闘機やミサイルを配備したり、防空識別圏の設定、あるいはフィリピンとともに実効支配する浅瀬で新たな埋め立て工事を開始したりする可能性があると米国やアジア域内の軍事当局者は指摘する。

岩礁は中国の領土であり、米国の挑発に対抗するため自国領土に「自己防衛」設備を設ける権利があると中国は主張している。

中国がフィリピンに近いスカボロー礁付近でも、岩礁の上に建造物を設置して恒久的な海上プレゼンスを確保するのではないかと、米当局者は神経を尖らせている。

中国の劉大使は、南シナ海ではさまざまな民間設備が完成もしくは建造中だと述べた。同大使は、軍事施設も建造中だと認めている。

「中国はなぜ軍事施設を建造してるのかとの質問を受けたが、それは米国に問うべきだ。彼らがわれわれを脅かしてきた。われわれが脅かしているのではない。彼らはすぐ近くにいるのだ」

マレーシアとベトナム、ブルネイ、台湾が領有権を主張する海域で、米国は自らの軍事プレゼンスを高めてきた。フランスは欧州諸国も南シナ海における共同パトロールに参加するよう提案している。

米国の取り得る対応としては、軍艦による航行の自由作戦の強化や、軍用機による領空通過、もしくは東南アジア諸国に対する防衛協力の強化などが含まれる、と米当局者は匿名を条件に語った。

中国は領有権問題を二国間協議で解決することを望んでいると劉大使は語る。「これらの国と戦争はしないし、戦いを望んでいない。それでも、われわれは、島々の主権を主張する」

(Greg Torode記者, Mike Collett-White記者、翻訳:高橋浩祐 編集:下郡美紀)


南シナ海に迫る「キューバ危機」、試される安保法制
Wedge 7月6日(水)11時20分配信

 南シナ海でキューバ危機の再来か─。中国が今夏にも戦略的要衝のスカボロー礁の埋め立てに着手する可能性が出てきた。米中軍事バランスを変えかねないこの動きに、米国は海上封鎖も検討せざるを得ない。日本は安保法制をどう適用するのか。

 今年3月、南シナ海に浮かぶスカボロー礁周辺で中国船が測量を行っており、新たな人工島を造成するための埋め立ての兆候が見られることを、米海軍が明らかにした。スカボロー礁は、フィリピン・ルソン島のスービック湾から西へ約200キロに位置し、2012年に中国がフィリピンから実効支配を奪って以降、2隻の中国政府公船が常駐している。4月には5隻の政府公船が確認され、米比など関係国はいつ埋め立て作業が開始されるのかと警戒している。

 中国の南シナ海での領有権主張が国際法に違反するとして、フィリピンが提訴した国際仲裁裁判所の判決がこの夏前にも出ると見込まれており、ハリス米太平洋軍司令官はその前後に埋め立てを始める可能性を指摘している。オバマ政権は人工島の建設が始まってもこれを実力で阻止することはなかったため、中国はオバマ政権の弱腰につけ込み、次期米政権が軌道に乗る前に埋め立てをする可能性が高い。米軍は、おそらく中国による埋め立てを牽制するため、スカボロー礁周辺でA-10攻撃機を飛行させたことを公表した。だが、このような牽制は中国に自衛措置として南シナ海のさらなる軍事化の口実を与えるだけであろう。

スカボロー礁を奪取した中国の姑息なやりくち
 12年4月、フィリピン海軍がスカボロー礁で違法操業している中国漁船を拿捕したところ、これに対抗して中国が政府公船を派遣した。フィリピン側も海軍に代わって沿岸警備隊を派遣し、中比の政府公船が対峙する状況が続いた。両国は非難の応酬を繰り広げたが、台風シーズンの到来を控え、6月に中国が緊張緩和のために両国の政府公船と漁船の撤収を提案した。フィリピンは自国船を撤収させたが、中国は船を撤収せず、むしろ礁の入り口を塞(ふさ)ぎ、そのまま実効支配を完成させた。

 振り返ってみれば、中国が漁船をスカボロー礁に送り込んだ時から、この環礁に人工島を建設し、軍事利用するという壮大な計画がすでにあったと考えるべきである。スカボロー礁は、米軍がすでに利用している旧米海軍基地のスービック湾や、クラーク旧米空軍基地などに近い。

 4月下旬に、カーター米国防長官は、中国によるスカボロー礁の埋め立てに強い懸念を示し、「軍事衝突を引き起こし得る」と発言した。スカボロー礁に軍事基地ができれば、スービック湾を含めルソン島の軍事施設を監視し、直接ミサイル攻撃できるようになるからである。

 また、中国が九段線に基づいて南シナ海上空における航空優勢を確立するためには、西沙諸島と南沙諸島に加え、スカボロー礁を埋め立てなければならない。西沙諸島、南沙諸島、そしてスカボロー礁の3カ所に空軍基地を持つことで、九段線内全域の上空監視が可能となり、戦闘機による事実上の防空識別圏の運用も可能となるのである。西沙諸島は3000メートルの滑走路を備え、レーダー施設、対空ミサイル、戦闘機の配備によって事実上の空軍基地となっている。南沙諸島の人工島でも、3000メートルの滑走路が完成し、レーダーの配備も確認され、戦闘機が配備されるのも時間の問題であろう。スカボロー礁が空軍基地となれば、現在は九段線内の盲点となっている北東部をカバーすることができるようになる。

 中国は海南島に新型の晋級戦略ミサイル原子力潜水艦を配備しており、長距離ミサイルJL-2が搭載されるのも時間の問題と考えられている。中国は九段線内をこの戦略ミサイル原潜のための「聖域」とする必要があり、スカボロー礁を埋め立てるのは対米核抑止を強化するという戦略的観点からも急務である。南シナ海問題の中核は、中国が陸上配備の移動式大陸間弾道ミサイルの開発に加え、海中配備の核抑止力の保持を目指している点にある。中国が対米核報復(第二撃)能力を向上させるためには、米海軍が常時行っている中国沿岸部での情報収集・偵察・監視活動を阻止しなくてはならない。このため、南シナ海とその上空における優勢を確立するために人工島を建設しているのである。

 スカボロー礁の埋め立ては、すぐに米中間の軍事バランスや戦略核バランスを劇的に中国に有利なものにすることはない。有事になれば、米軍は南シナ海の人工島を容易に破壊または奪取できる。また、中国の戦略ミサイル原潜が米本土を攻撃するためには、南シナ海から太平洋の真ん中まで捕捉されずに出ていかなくてはならないし、指揮命令システムも十分に構築されていない。ただ、少なくとも平時において、中国は米軍の監視活動の妨害をしやすくなる。平時の監視活動、特に潜水艦の位置の捕捉は、有事の際に極めて重要である。

 米戦略国際問題研究所(CSIS)のクーパー研究員とポリング研究員は、中国がスカボロー礁の埋め立てを強行する場合は、フィリピンが行う「隔離」、つまり海上封鎖を支援するべきであると主張している。「隔離」は、1962年のキューバ危機で、ソ連船がミサイル部品をキューバに海上輸送するのを阻止するために、米海軍がカリブ海で実施した。キューバ危機で米ソは核戦争の一歩手前までいったが、米海軍が「隔離」を実施する中、米ソは威嚇と誤解、対話と譲歩、そして幸運によって危機を回避した。中国がスカボロー礁の埋め立てに着手するなら、フィリピン海軍と沿岸警備隊が中国作業船の領海内への進入を阻止し、米国を中心とする有志連合の政府公船および軍艦が領海外で支援し、埋め立てをあきらめさせるのである。

 もちろん、岩礁の埋め立ての阻止のために、中国との軍事衝突を引き起こしかねない海上封鎖など論外というのが一般的な見方であろう。世界を消滅させる可能性があったキューバ危機はわずか13日間であったが、中国が「中国のカリブ海」で行っていることはより長期的な問題で、切迫感はないかもしれない。

 だが、国際社会が現状変更を実力で止める覚悟がないことを中国は見抜き、既成事実を作り上げてきた。埋め立てが始まってもこれを看過すれば、南シナ海はいずれ中国の「湖」になる。そうなってからでは手遅れである。国際社会はスカボロー礁の埋め立てが「レッドライン」であることを中国に伝え、それを越えた場合、「隔離」を実施する覚悟を持たなければ、いずれ深刻な危機が訪れるであろう。

ホムルズ海峡の答弁踏まえ安保法制をどう適用するか
 仮に米軍が「隔離」を行う場合、日本は、平和安全保障法制の下で、日本の平和と安全に重要な影響を与える重要影響事態に認定するかどうかの判断を迫られる。南シナ海情勢は重要影響事態の対象となり得ることは、安倍首相が国会答弁で言及している。事態認定ができれば、自衛隊による補給、輸送、捜索救難、医療など多岐にわたる後方支援が可能となる。

 ただ、キューバ危機では、米海軍の「隔離」に対して、ソ連海軍は潜水艦を派遣し、米海軍がこれを強制浮上させることがあったし、キューバ上空で偵察機U-2が撃墜されることもあった。南シナ海の「隔離」でも、中国が同様の挑発行為をしてくることが想定されるため、自衛隊には米軍の「アセット(装備品等)防護」が求められる。ただ、そのためには米軍が日本の防衛に資する活動をしているという認定が必要である。

 さらに、中国が「隔離」を妨害するために機雷を敷設した場合、米海軍は世界一の掃海能力を誇る海上自衛隊に支援を要請するであろう。だが、機雷掃海は武力行使に当たるため、これに応えるためには集団的自衛権を行使が許される存立危機事態の認定が必要となる。また、重要影響事態における船舶検査では、船長の承諾が必要なため、中国船に検査を拒否されれば、実効性は薄まってしまう。強制的な検査実施のためには、やはり存立危機事態の認定が必要である。

 南シナ海の「隔離」で日本が役割を果たすためには、存立危機事態の認定が必要である。そのためには、事態が日本の存立を脅かすだけでなく、武力行使以外に方法がない、武力行使は必要最小限という新三要件を満たさなくてはならない。集団的自衛権の行使に関して、政府はホルムズ海峡の封鎖を例にこれまで説明してきた。だが、他に代替ルートのないホルムズ海峡とは違い、南シナ海には代替ルートが存在するため、新三要件に当てはまるかどうか議論が分かれるであろう。政府は平和安全保障法制の目的をどのような事態にも「切れ目なく」対応するためと説明してきたが、南シナ海情勢がその試金石となる可能性がある。

* * *

●重要影響事態とは
そのまま放置すれば日本に対する直接の武力攻撃に至る恐れのある事態など、日本の平和及び安全に重要な影響を与える事態

●存立危機事態とは
日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃が発生し、これにより日本の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態

●集団的自衛権による武力行使の「新三要件」
(1) 存立危機事態であること
(2) 日本の存立を全うし、国民を守るために他に適当な手段がないこと
(3) 必要最小限度の実力行使にとどまるべきこと


中国、艦隊主力を集結 南シナ海演習、最大級 「米軍と衝突視野」
産経新聞 7月6日(水)7時55分配信

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中国の軍事演習海域(写真:産経新聞)

 【北京=矢板明夫】中国人民解放軍は5日、南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺で大規模な軍事演習を始めたもようだ。海軍の三大艦隊から複数の艦船が参加し、演習規模としてはこれまでで最大級だという。12日にオランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海をめぐる問題で裁定を示すのを前に、この海域で海軍力を誇示し、主権問題で妥協しない強硬姿勢を内外に示す狙いがあるとみられる。

 軍事に詳しい中国人ジャーナリストによると、今回の演習には南シナ海の防衛を担当する南海艦隊以外からも多くの艦船が参加。北海艦隊からは瀋陽、東海艦隊からは寧波などのミサイル駆逐艦も加わる。これらの艦船は7月初め以降に、海南島の三亜港周辺に結集したという。三大艦隊の主力艦を参加させ、南シナ海問題で譲らない姿勢を強調する狙いがうかがえる。

 演習について、中国国防省は「年度計画に基づいた定例の演習だ」と中国メディアに説明している。しかし、演習期間は5日から仲裁裁の裁定発表前日の11日までの約1週間で、裁定が念頭にあるのは明らかだ。

 中国海事局が「船舶の進入禁止」に指定した広い海域の上空は、米国の偵察機などがよく活動する場所でもある。2001年4月、米中の軍用機が衝突した海南島事件の発生地も含まれている。

 中国の軍事評論家は、「中国に不利な裁定が下されれば、米軍がこの海域で中国に対する軍事的圧力を強化するとみられる。このため、今回の演習は、米軍との軍事衝突という事態も視野に入れて行うものだ」と指摘した。中国紙、環球時報は5日付の社説で、仲裁裁が下す結論は「受け入れられない」と強調した上で米国が深く介入しており公平ではないと断じた。

 また、「南シナ海問題で私たちはこれまで忍耐を重ねてきたが、もうこれ以上引くことはできなくなった」とし、「私たちはいかなる軍事的圧力にも、対抗できる準備をしなければならない」と主張した。


日本人所長の公平性に疑義=仲裁人選定は「意図的」―中国次官
時事通信 7月5日(火)23時20分配信

 【北京時事】中国の劉振民外務次官は共産党理論誌「求是」最新号に、南シナ海をめぐりフィリピンが起こした仲裁裁判を批判する文章を寄稿し、国際海洋法裁判所の柳井俊二所長(当時)が「意図的」に中国の立場に反対する仲裁人を任命したと主張して、公平性に疑問を呈した。

 劉次官は寄稿で、仲裁人5人のうち4人を柳井氏が任命したと指摘。その上で「中日間には領土主権と海洋境界をめぐる争いがあり、日本は南シナ海問題への介入を企図している」として、日本人の柳井氏は仲裁人選定を避けるべきだったと訴えた。

 また、柳井氏が任命した仲裁人には中国の立場と類似した主張に強く反対していた人物が含まれているとして、「柳井氏の動機と目的が意図的だったとしか解釈しようがない」と強調した。


南シナ海で軍事演習開始=実効支配を誇示―中国
時事通信 7月5日(火)18時12分配信

 【北京時事】中国軍は5日、ベトナムなどと領有権を争う南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島の周辺海域で軍事演習を開始したもようだ。

 演習は11日までの予定。南シナ海の領有権をめぐりフィリピンが中国を相手取り提訴した国際仲裁裁判所の判決が出る12日の前日まで武力によって実効支配を誇示する狙いがあるとみられる。


南シナ海での軍事衝突に備えるべき、中国国営紙が社説掲載
AFP=時事 7月5日(火)17時55分配信

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南シナ海の西沙諸島(英語名:パラセル諸島)で軍事演習を行う中国の南海艦隊(2016年5月5日公開、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】中国共産党の機関紙・人民日報(People's Daily)系の英字紙・環球時報(Global Times)は5日、中国政府は南シナ海(South China Sea)での「軍事衝突」に備えなければならないとする社説を掲載した。一方、南シナ海の領有権をめぐる国際的な仲裁裁判の判決を1週間後に控え、中国は同水域で海軍による演習を開始した。

 時に国家主義的な論調で知られる環球時報は、中国は防衛力の強化を急ぎ、「いかなる軍事衝突にも備えなければならない」と主張。「短期的には米軍の軍事力に後れを取るかもしれないが、米国が南シナ海での争いに武力で介入してきたら、耐え難いほどの代償を払わせることはできるはずだ」と述べている。

 資源に富み戦略的にも重要な南シナ海のほぼ全域に対して、中国は領有権を主張しており、同じく領有権を主張する東南アジアの近隣諸国と対立している。また、そうした国々と重要な防衛条約を締結している米国との緊張も高まっている。

 その一方で中国は同日、南シナ海の西沙諸島(英語名:パラセル諸島、Paracel Islands)周辺で1週間に及ぶ海軍の軍事演習を開始した。

 フィリピンが中国を訴えた国際仲裁手続きでは、1週間後にオランダ・ハーグ(Hague)にある国連(UN)の常設仲裁裁判所(PCA)が判決を下すことになっている。

 中国政府はこの数年、岩礁を埋め立てて、軍事利用できる施設を備えた人工島の造成を急ピッチで進めている。【翻訳編集】 AFPBB News


「深刻な主権侵害」=中国の演習に抗議―ベトナム
時事通信 7月5日(火)17時51分配信

 【ハノイ時事】ベトナム外務省報道官は、中国が南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島を含む海域で5日から軍事演習を行うと発表したことに対し、「深刻な主権侵害だ。国際法に違反する」と抗議する声明を4日付で発表した。


中国不利の見方強まる=南シナ海仲裁判決まで1週間
時事通信 7月5日(火)14時33分配信

 【マニラ時事】南シナ海問題をめぐり、国連海洋法条約に基づきフィリピンが中国を相手に起こした国際仲裁手続きで、仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判決まで5日で1週間となった。

 南シナ海問題をめぐる国際司法の判断は初めて。判決は一部主張で中国に不利になるとの見方が強まっている。

 フィリピンが訴えているのは15項目。大別すると、(1)中国が南シナ海で主張する「九段線」は国際法上根拠がなく違法(2)南沙(英語名スプラトリー)諸島で中国が造成する人工島の基盤となる岩礁は満潮時に海面に沈む「低潮高地」か、「岩」で、実効支配するスカボロー礁も「岩」にすぎない(3)スカボロー礁での中国によるフィリピン漁民の活動妨害―などだ。

 裁判所は昨年10月、フィリピンの主張のうち、岩礁が「低潮高地」か「岩」に当たるかや漁民活動妨害など7項目について「裁判所の審理対象になる」と判断。最大の焦点となっている「九段線」については判断するか現時点で明らかにしていない。

 ただ、「低潮高地」や「岩」に当たるかについてフィリピン側は大量の衛星画像や測量データを裁判所に提出している。特に「低潮高地」かどうかはこうした資料で判断しやすく、フィリピンの主張が認められる公算が大きくなっている。


中国軍、南シナ海で演習 示威、ハーグ裁定直前まで
産経新聞 7月5日(火)7時55分配信

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中国が軍事演習を行う予定の海域(写真:産経新聞)

 【北京=西見由章】中国人民解放軍が5~11日、南シナ海のパラセル(中国名・西沙)諸島周辺の海域で軍事演習を実施することが明らかになった。12日にオランダ・ハーグの仲裁裁判所が南シナ海問題をめぐる裁定を示す直前にこの海域で軍事力を誇示し、領有権に関して一切妥協しない姿勢を示す狙いとみられる。

 中国海事局は3日、パラセル諸島全域にまたがる海域で5日午前8時から11日午前8時までの間、軍事演習を行うため、船舶の進入を禁止すると発表した。演習の規模や内容は明らかにしていない。

 パラセル諸島は中国が実効支配しているが、ベトナムなども領有権を主張。中国は同諸島のウッディー(永興)島に滑走路を整備し、地対空ミサイルなどの配備も確認されている。

 中国共産党機関紙・人民日報系の環球時報は4日、軍事演習について「中国軍が南シナ海の主権を守る決意と意思の表明だ」とする軍事専門家のコメントを伝えた。中国の安全保障に詳しい茅原郁生・拓殖大学名誉教授は「仲裁裁判所の裁定を無視する姿勢を実力行使で示そうとしている」と分析。「もし南シナ海を管轄する南海艦隊以外の艦隊や陸空軍が参加する大がかりな統合訓練になれば、国家としての強い意思表明につながる」と指摘した。

 一方、中国英字紙「チャイナ・デーリー」は4日、関係筋の話として「(提訴した)フィリピンが仲裁裁判所の裁定を棚上げすれば、中国側は共同開発などに関する交渉を始める用意がある」と伝えた。フィリピンに圧力をかけつつ懐柔する狙いがあるようだ。

 一部の中国メディアは、中露が2012年以降、毎年実施している海軍合同演習について「今年は9月に南シナ海で実施する」との予測を伝えた。


中国軍、南シナ海で演習…仲裁裁判けん制か
読売新聞 7月4日(月)18時46分配信

 【北京=蒔田一彦】中国海事局は3日、南シナ海でベトナムなどと領有権を争うパラセル(西沙)諸島を含む海域で中国軍が5~11日にかけて軍事演習を実施するため、「進入を禁止する」と通知した。

 南シナ海を巡っては、フィリピンの提訴を受けた仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が12日に判決を示す。「判決を受け入れない」と反発している中国は直前の演習で内外に実効支配をアピールする狙いがあるとみられる。

 通知は一般船舶も対象にしたもので、中国軍の演習前に行われることがある。同局によると、演習が行われるのは海南島の南東海域。演習の具体的な内容や規模は不明だが、4日付の中国紙・環球時報は、海南島三亜の海軍基地に多数の艦船が集まっており、中国国防省筋が「年度計画に基づいた定期演習だ」と述べたと報じた。「(演習は)仲裁を認めず、中国軍が南シナ海の主権を守る決意を示すものだ」とする軍事専門家の見方も伝えた。


インドネシア EEZ侵犯に強硬姿勢示す 違法操業船を拿捕
SankeiBiz 7月4日(月)8時15分配信

 インドネシアは、南シナ海の海域における漁業権をめぐって中国と対立している。6月にはインドネシア海軍が中国漁船を拿捕(だほ)し、両国間で正当性をめぐる論争が巻き起こった。同国のスシ海洋・水産相は、周辺諸国を含めてインドネシアの排他的経済水域(EEZ)を尊重するよう主張。違法操業に対して強い姿勢で臨む意向を示した。国営アンタラ通信などが報じた。

 同国海軍は6月17日、南シナ海ナトゥナ諸島沖のEEZ内で中国漁船を拿捕した。これに対し中国は、インドネシア海軍による「国際法違反」に相当する武力行為によって負傷者が出たとして抗議した。

 中国は南シナ海のほぼ全域の管轄権を主張しており、インドネシアのEEZが一部重複している。拿捕の現場となった海域も含まれており、中国政府は自国の「伝統的な漁場」だとする立場を取っている。

 一方、インドネシア政府は、拿捕した海域は同国のEEZ内であり、国際法に反する行為も行っていないと反論。スシ海洋・水産相は、同国のEEZ内で操業する中国漁船はインドネシアの国内法に明確に違反していると強調した。

 同相は中国の「伝統的漁場」との主張について、現在、インドネシアのEEZ内で伝統的漁場の名のもとに操業を認めているのはマレーシア漁船だけであり、しかもマラッカ海峡に限定されると指摘。中国とはいかなる同意も結んでいないとしたうえで「どの国であろうと、誰の船であろうと違法操業は認めない。発見すれば外交関係には配慮せず、迷わず法を執行する」と述べた。

 拿捕現場となったナトゥナ諸島沖は中国漁船の活動が活発化しており、今年3月にはインドネシアの監視船が摘発した漁船を中国公船が体当たりして奪還する事件も起きた。

 インドネシア政府は2014年10月以降、中国船1隻を含む151隻の違法操業船を爆破処分してきた。今年も、摘発され有罪となった漁船30隻を7月半ばに爆破処分し、改めて強硬姿勢を示す方針だ。

 インドネシア当局は今年1~6月に57隻の違法操業船を摘発した。中国船は3隻とベトナムの49隻と比べて少ないが、スシ海洋・水産相は中国漁船が公船によって守られているとし「なぜ国が違法操業を繰り返す漁船を守るのか理解に苦しむ」と批判した。(シンガポール支局)


5日から南シナ海で軍事演習=中国
時事通信 7月4日(月)0時35分配信

 【北京時事】中国海事局は3日、南シナ海の西沙(英語名パラセル)諸島を含む海域で軍事演習を行うため、5日から11日まで船舶の進入を禁止すると発表した。

 南シナ海の領有権をめぐる国際仲裁裁判の判決を12日に控え、国際社会をけん制する狙いがあるとみられる。


別所国連大使「南シナ海、深く懸念」
産経新聞 7月3日(日)7時55分配信

 国連安全保障理事会の7月の議長国となった日本の別所浩郎国連大使は1日、中国やフィリピンなどが領有権を争っている南シナ海問題について「深く懸念している」と述べ、安保理メンバー国などから要請があれば安保理の議題として取り上げる意向を示した。議長国として取り組む重点項目には、アフリカの平和構築、中東情勢、安保理の議事運営方法、次期国連総長選の4つを挙げた。議長国は、常任理事国と非常任理事国の計15カ国が1カ月交代で務め、安全保障上の問題が起きた場合は緊急会合を招集する権限を持つ。(ニューヨーク 上塚真由)


中国覇権阻止のパートナー・ベトナム
Wedge 7月2日(土)12時10分配信

 ウォールストリート・ジャーナル紙の5月23日付け社説が、オバマ政権の対越武器禁輸解禁につき、アジアへの軸足移動の前進であり、人権改善を促す梃子にもなり得る、と高く評価しています。社説の要旨、次の通り。

 オバマは5月23日、ベトナム訪問の際、対越武器禁輸の解除を発表した。決定は、近隣国への嫌がらせが反発を招くという明白なメッセージを、中国指導者に送ることにもなる。

 ベトナムには、中国の意図につき深い懸念を抱く理由がある。中国は南シナ海で争いのある岩礁を埋め立て、近隣国の主張を脅かす軍事基地を建設している。2014年には、中国はベトナムのEEZ内に石油掘削リグを持ち込み、両国海軍のにらみ合いとなった。

 ベトナムの最高指導者グエン・フー・チョン書記長は昨年7月ホワイトハウスを訪問し、米国を「地域安定のための勢力」と呼んだ。南シナ海の軍事化と航行の自由についての彼の懸念は、「米国が地域で厄介を引き起こしている」との中国の主張への反論となる。

 ベトナム軍は、中国軍には大きく凌駕されるが、東南アジアでは最強であり、スプラトリー諸島の23カ所の砂州に駐留し(中国は7カ所)、カムラン湾の海軍基地を米国などに提供し得る。米越両国は関係が安定的で、継続的であるようにすべきである。

 米国はすでに、6隻のDefiant75哨戒艇のベトナム沿岸警備隊への供与を含む海洋安全保障に関する武器売却を認めている。ベトナムは、先進的な武器の対露依存を低下させ、米国との軍事関係を緊密化させることを望んでいる。ストックホルム国際平和研究所によれば、ベトナムは2011~2015年に、世界で43位から8位の武器輸入国になった。ベトナムは、日本、イスラエル、シンガポール、インドとの安全保障関係を強化してきた。2009年には、ロシアから6隻のキロ級攻撃型潜水艦とSu-30戦闘機を購入した。

 今ベトナムは、空軍のさらなる強化を求め、ロシアのSu-35戦闘機の購入を検討している。しかし米国がF-16の改良版のような先進的な戦闘機を提供すれば、両国の将来の安保協力を強化することになろう。Black HawkヘリとP-8哨戒機も可能性がある。

人権擁護にも配慮
 人権擁護派は、ベトナムが国内の反体制派への抑圧を続けていると非難している。ベトナム政府は5月20日、重要な政治犯であるカトリック司祭のNguyen Van Lyを釈放した。しかし、ベトナムは多くの平和的批判者を監禁し続けている。

 武器禁輸解除は、人権についての米国の梃子を強化しなければならない。武器売却は人権も考慮しつつ、ケースバイケースで決定される、と米高官は指摘している。

 中国の圧力はまた、ベトナムが民主国家からの投資に広く開放する刺激となってきた。韓国と日本が二大投資国である。ベトナムのTPPへの参加決定は、より多くの海外企業がベトナムに展開するよう促した。それによる急速な成長は、政治的変化の触媒となり得る。

 我々は、オバマのアジアへのリバランスを中身がないとして非難してきたが、ベトナムとの外交、経済、安保上の関係強化は、前進である。

出典:‘America’s Vietnam Pivot’(Wall Street Journal, May 23, 2016)

*   *   *


オバマ大統領はG7サミット出席のために訪日の前にベトナムを訪問しました。この社説はこの訪問に際して発表された対ベトナム武器禁輸解除を含む米越関係強化を歓迎しています。適切な内容です。

 ベトナムは共産党一党独裁の国であり、基本的な価値を米国や日本と共有しているわけではありませんが、中国の脅威をひしひしと感じ、米国や日本などの民主主義国との関係強化を希望しています。TPP参加などその証左です。このベトナム側の態度に、日米などは積極的に応じていくべきでしょう。

 人権擁護や民主化は、経済発展や民主主義国との緊密な関係の中で進んでいくように思われます。たとえばTPPの労働についての規定実施は、労働権の承認、独立労働組合の許容につながり、人権擁護につながります。

 中国はアジア地域で覇権を求めています。中華民族の復興、偉大な夢の実現はそれを求めています。日本に対して、「中国脅威論や中国経済減退論をまき散らすな」との要求のほかに、対中対抗心を捨てるようになど、いささか驚くような要求をしています。ベトナムにも種々の圧力を加えているのでしょう。

「中国の覇権に反対せよ」トウ小平の言葉通りにする
 昔、トウ小平は、覇権主義に反対、中国が覇権を求めれば、日本は反対したらいい、と述べたことがあります。日本もベトナムも、まさにトウ小平のその言葉通り、中国が国際法無視のごり押しをするのにはともに対抗、反対すべきです。

 ASEANにおいては、実力のある国はベトナムとインドネシアでしょう。ベトナムは人口も9000万以上ある。ベトナムを観察している人は、労働の質も国民の活力も高く、今後大きく発展していくであろうと言います。そういう期待を持って、日越関係を強化していくことが、対中戦略の一部としても有用でしょう。


三重「正論」懇話会 石平氏「赤裸々な華夷秩序路線に戻った」
産経新聞 7月2日(土)0時4分配信

Heiseki
三重「正論」懇話会で講演する拓殖大客員教授の石平氏=津市(写真:産経新聞)

 三重「正論」懇話会の第5回講演会が1日、津市大門の津都ホテルで開かれ、評論家で拓殖大客員教授の石平氏が「中華帝国史から解き明かす習(近平)政権の野望」をテーマに講演した。

 石平氏は、中国の秦の始皇帝以来の王朝史を解説。「中華帝国には領土という概念がなく、東アジアはいつでも領土にできるという華夷秩序の考えがある。その外で独立を保ってきた唯一の国が聖徳太子の時代以降の日本」と指摘した。

 現代中国は、他国の支援を受けて経済力を蓄えるため伝統的な膨張志向を隠してきたが、軍事・経済大国になって隠す必要がなくなったと指摘。南シナ海での人工島の造成やアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立について「華夷秩序路線に戻ったことの表れ。日本人がそのことに危機感を持たないことこそ本当の危機だ」と強調した。


<中国>「領有権は一歩も譲らず」習氏、共産党95周年演説
毎日新聞 7月1日(金)19時24分配信

 【北京・河津啓介、上海・林哲平】中国共産党は1日、党成立95周年を祝う式典を北京の人民大会堂で開催し、習近平・党総書記が重要演説をした。習氏は外交政策について「中国は国際秩序の擁護者だ」として国際社会との協調姿勢を強調した。ただし「我々は決して自らの正当な権益を捨てはしない」とも述べ、南シナ海、東シナ海の領有権問題などの「核心的利益」を巡っては一歩も譲らない立場を示した。

 また、習氏は党の業績を振り返りつつ「初心を忘れてはならない」と繰り返して党の腐敗や規律の緩みに厳格に対処する姿勢を強調した。経済成長の鈍化、貧富の格差、環境汚染などの課題が山積する中、5年後の100周年を成功裏に迎えるため、党内の引き締めに力点を置いたとみられる。

 習氏の重要演説は約1時間20分に及んだ。習氏は党の腐敗を許せば「執政(与党)の資格を失い、歴史から淘汰(とうた)されるのは避けられない」と指摘。新中国建国や改革開放政策のような過去の業績に頼るだけでは、共産党統治の正統性がゆるぎかねないとの危機感をにじませた。習指導部は今年に入って、党、軍幹部の反腐敗運動にとどまらず、全国規模で党規約の学習運動を展開するなど末端党員にまで綱紀粛正を徹底している。

 中国共産党は1921年7月、上海で第1回全国代表大会(党大会)を開き、結党を宣言した。中国各地では95周年に合わせて党の宣伝活動が盛んに行われており、上海では1日、第1回党大会の記念館がリニューアルし一般公開された。

 大規模な展示内容の変更は17年ぶりで、米、露で収集した資料など従来の倍近い約280件を展示。過去の指導者らの写真の前で入館者が追悼するコーナーが新設されるなど、党への「忠誠」を促す狙いもうかがえた。


南シナ海情勢 フィリピン新外相「中国の履行に期待」 仲裁判断めぐり「誇示しない」とも
産経新聞 7月1日(金)19時15分配信

 【マニラ=吉村英輝】フィリピンのヤサイ外相は1日、新政権発足後初の記者会見で、南シナ海の中国による領有権主張を巡り、国連海洋法条約に基づき仲裁裁判所が7月12日に示す判断を「中国が履行することに期待する」と述べた。一方、フィリピンに有利な結果となった場合でも、「誇示したりしない」と、中国に配慮する方針を示した。内容を精査したうえで、南シナ海問題で中国と二国間協議を再開することにも意欲を示した。

 ヤサイ氏は、7月15日にモンゴルで開幕するアジア欧州会議(ASEM)首脳会議で、仲裁裁判所の判断が「注目される可能性が高い」とも指摘。ただ、政権が発足して間のないことから、ドゥテルテ大統領は欠席する可能性を示した。


習主席「権益放棄せず」=南シナ海判決前に強硬姿勢―共産党創立95年で演説・中国
時事通信 7月1日(金)14時8分配信

 【北京時事】中国共産党の習近平総書記(国家主席)は1日、北京・人民大会堂で開かれた党創立95周年の祝賀大会で演説し、「中国はわれわれの正当な権益を決して放棄しない。どの国もわれわれが核心的利益を差し出すと期待してはならない」と強調した。

 南シナ海の領有権をめぐる国際仲裁裁判所の判決が12日に出ることを念頭に、国際社会に対し一歩も引かない強硬姿勢を示した形だ。

 中国政府は南シナ海の大部分の領有権を主張しているが、判決は中国に不利な内容になると予想されている。しかし、習主席は「(権益を守るために)事を起こさないが、(事が他国によって)起きても恐れない」と語り、「自国領土」を守るために手段を選ばない姿勢を訴えた。


比ドゥテルテ大統領就任 南シナ海問題、対中軟化「穏便に」
産経新聞 7月1日(金)7時55分配信

 【マニラ=吉村英輝】フィリピンで30日、ロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が大統領に就任した。任期は6年。外交面の最大の懸案である南シナ海の問題では、中国の領有権主張は国際法に反するとして、フィリピンが求めた仲裁手続きの判断が12日に示される。だが、ドゥテルテ氏は30日の初閣議で、判断の内容にかかわらず「穏便な決着」とするよう指示。前アキノ政権の「対中強硬路線」の修正が早くも示された形だ。

 ドゥテルテ氏は30日、首都マニラのマラカニアン宮殿での就任宣誓後、招待客約600人を前に演説し、「条約と国際的な義務を尊重する」と、国際社会の一員としての覚悟を語った。前政権が進めた米国との新軍事協定を堅持する姿勢を示すとともに、仲裁裁判に反発する中国に対し、判断を受け入れるよう牽制(けんせい)したとも読み取れた。

 その一方、就任式直後に開いた初閣議で、仲裁裁の判断が中国に不利な場合でも、「あざけったり、(判断内容を)ひけらかしたりはしない」と、中国に配慮する姿勢を示し、ヤサイ外相も賛同した。

 中国の反発を受けながら仲裁手続きに踏み切ったアキノ政権は、主張が認められれば強硬な声明を一致して出すよう、東南アジア諸国連合(ASEAN)など国際社会に求めていた。

 ドゥテルテ氏は、内政では、長く市長を務めた南部ダバオで実績を残した治安回復と、汚職撲滅を最重点課題に掲げる。だが、外交手腕は未知数。南シナ海問題でも首尾一貫しない発言を繰り返しており、今後の対応は予断を許さない。

 ■「記者はゴロツキ多い」…舌禍事件数々

 フィリピン大統領に就任したドゥテルテ氏は、過激な発言から、米大統領選で共和党の候補指名が確定したドナルド・トランプ氏になぞらえて「フィリピンのトランプ」とも称される。5月の当選後も、多くの舌禍事件を起こしている。

 フィリピンで相次ぐ記者殺害について「金をたかるゴロツキも多い」と容認するような発言をしてメディアと摩擦を起こすと、「(大統領)任期中は会見を開かない」と開き直り、30日の宣誓式も大幅に取材を制限した。ダバオ市長時代は自ら短銃を忍ばせて薬物を取り締まり、米映画で有名な「ダーティハリー」の異名をとった。薬物犯罪撲滅へ「国軍の出番だ。腕利きの狙撃手が欲しい」と強権発動をちらつかせ、復活を目指す死刑制度は「犯罪者に報復する手段だ」とした。

 人口抑制策導入構想などで反論を受けたキリスト教会には「おまえらは頼み事が多すぎる。恥ずかしくないのか」と反発。自身も含め国民の8割がカトリックながら、タブーも恐れない。(マニラ 吉村英輝)


南シナ海問題 仲裁裁判所12日に判断 中国「受け入れず」
産経新聞 7月1日(金)7時55分配信

 【北京=矢板明夫】中国が軍事拠点化を進める南シナ海の問題で、仲裁裁判所が12日に判断を示すと発表したのを受け、中国外務省の洪磊報道官は、30日の定例記者会見で、「勝手に自ら権限を拡大し、それを乱用して国際法を破壊した」と厳しく批判した。その上で、いかなる裁定が下されても「受け入れられない」と従来の立場を主張した。

 仲裁裁の判断では、南シナ海の大半を自国領と主張する中国の「九段線」に、国際法上の根拠があるか-が最も注目される。否定的な判断であれば、南シナ海に進出する中国の正当性は一気に崩れ、習近平政権が推進する外洋拡張政策にも影響を与えそうだ。

 フィリピンで親中的とされる新政権が誕生し、南シナ海問題で中国に対し歩み寄りの姿勢をみせたとしても、ベトナムなど南シナ海の問題で中国と対立する他の国々が対中批判を強めるのは必至で、新たに仲裁の申し立てを行う可能性さえある。

 中国はそれを見越して、資金援助などを通じて支持国を集めている。ジンバブエ、タンザニア、ベラルーシなど40カ国以上が支持を表明しているが、日米のほか欧州の主要国は中国に裁定を受け入れるよう主張している国が多い。仲裁裁が判断を下した後、中国の国際社会での孤立は深まりそうだ。


中国、比新政権に接近=「嫌米」大統領取り込みか
時事通信 7月1日(金)7時16分配信

 【マニラ時事】南シナ海での領有権をめぐりフィリピンと対立する中国は、ドゥテルテ新政権に対し、協調姿勢を鮮明にしている。

 南シナ海問題で仲裁裁判所が7月12日に出す判決が中国に不利な内容になるとの見方が広がる中、フィリピン側の軟化を引き出すためだが、「嫌米」感情が強いとされるドゥテルテ氏に接近することで、同盟関係にある米比両国の離反を促す狙いもあるとみられる。

 中国はアキノ前政権が2013年に南シナ海問題で国際仲裁手続きを取ってから、フィリピンへの態度を硬化。昨年11月にマニラで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でも2国間会談を行わないなど、対決姿勢をあらわにしてきた。

 ところが、今年5月の大統領選でドゥテルテ氏が勝利すると、方針が一転。趙鑑華中国大使は選挙後にドゥテルテ氏と会談した際、「両国は良き隣人で親類だ」と友好関係を強調。同氏が優先課題に掲げる国内の鉄道建設計画にも支援を申し出た。

 一方、ドゥテルテ氏は、02年に地元ダバオ市で起きた米国人が関与したとみられる爆発事件を機に米国への不信感を強めた。事実上の米軍再駐留を目的にアキノ前政権下で結ばれた米比の新軍事協定についても「南シナ海問題の解決にこの協定を使うことは許さない」と主張。米国が南シナ海の中国人工島近海で実施する「航行の自由作戦」にも加わらない考えを示した。

 このため、自国防衛で米国の関与を強化する戦略を進めたアキノ前政権に比べ、新政権は対米関係で一定の距離を置くとの見方も出ている。


中国が東シナ海で日本を威嚇する本当の理由
JBpress 7月1日(金)6時20分配信

 世界は今、英国のEU離脱問題で揺れている。いずれこの問題が、「レファレンダム」(住民投票)という政治的意思決定の手段と意義に関わる形で、香港や台湾に影響が及ぶこともありうるだろう。

 それは、広義において、法治社会のあり方をめぐる問題につながる。香港や台湾で住民の意思が問われることになれば、中国の対応が改めて注目されることになるのは明らかだ。

 英国政府はレファレンダムの結果を厳粛に受け止めたが、政治民主化を否定する中国政府あるいは共産党指導体制が「民意を問う」こと自体ありえない。とはいえ、例えば台湾のように共産党の統治が及んでいない場所で、かつて陳水扁政権が試みようとして実現しなかった住民投票が本当に実施されて中国に不利な結果が出た場合、中国はどう受け止めるのか。それを無視するのは勝手だが、国際社会の厳しい目を覚悟しなければならない。

■ いよいよ常設仲裁裁判所が裁決

 そしてまさに今、同様なことが問われようとしている。中国が主張する南シナ海の主権をめぐって、2013年にフィリピンがオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に提訴した。いよいよその裁決が7月上旬に出される時期を迎え、俄然南シナ海をめぐる情勢が緊迫してきたからだ。

 習近平政権は国内で盛んに「法治」を強調してきたが、国際社会における行動準則たる国際法にどう対応するのか。

 中国は、例えば国連海洋法条約の「排他的経済水域」の設定基準の曖昧さを突いて、東シナ海の「排他的経済水域」の設定で「中間線」でなく「大陸棚延長論」を主張し、自分に都合のいい部分だけ「つまみ食い」しようとしてきた。だが、南シナ海の事例でそれは通用しそうもない。

 常設仲裁裁判所から中国にとって不利な裁決が出されることは広く予想されている。それに対して中国は一切を無視する姿勢を崩していない。常設仲裁裁判所の裁決は強制執行する手立てがない以上、評決そのものに拘束力があるわけではない。

 しかし、中国に裁決無視の対応を許せば、南シナ海は「無法地帯」になりかねないことも事実である。

■ 中国に明白な警告を発したカーター米国防長官

 6月18日から20日にかけ、米海軍が南シナ海に隣接するフィリピン東側海域で、「ジョン・ステニス」と「ロナルド・レーガン」の2隻の原子力空母を中核とした海軍戦力を集結させ、中国に米軍の戦闘力を誇示する形で軍事演習を行った。先週は、同じ西太平洋海域で、「ジョン・ステニス」も参加した米・日・印の3カ国演習「マラバール」を行ったばかりであった。

 6月18日付けの「ニューヨーク・タイムズ」の記事によれば、空母2隻による演習は予定を前倒しして行われたという。前倒しの理由は何なのか。

 6月3日から5日にかけて、シンガポールでアジア安全保障会議、通称「シャングリラ・ダイアローグ」が行われ、アシュトン・カーター米国防長官が6月4日にスピーチを行った。カーター米国防長官はスピーチの中で、南シナ海で人工島建設など拡張主義的行動を取り続ける中国に対し、「不幸にも中国がこうした行動をとり続ければ、自らを孤立させる万里の長城を築いてしまうことになるだろう」と牽制した。また、質疑応答で、中国がスカボロー礁の埋め立てを開始した場合の対応を問われ、「そうならないことを願うが、もしそうなったら米国と地域の諸国がともに行動を起こす結果になり、それは地域の緊張を高めるのみならず、中国を孤立させることになるだろう」と答えた。米国による中国に対する明白な警告である。

 これに対し、翌5日に中国代表の孫建国副参謀長(海軍上将)は、米国海軍の「航行の自由作戦(FONOP)」は明白な軍事的挑発であると非難し、フィリピンの常設仲裁裁判所への提訴の不当性を訴え、「我々がトラブルを起こすつもりはないが、トラブルを恐れるものでもない」という強気の発言を繰り出した。

 しかし、中国がいくら強弁しようと、南シナ海における人工島建設など、一方的な現状変更を強行し、かつ国際法などの裏付けのない「九段線」をあたかも「海上国境」のごとく主張し続けることで、中国は外交的に「孤立感」を強めてきたことは間違いない。

 カーター米国防長官の発言は正鵠を射たものであった。さらに今度は空母2隻を中国の近海で展開するという米海軍の露骨とも言える軍事力の誇示に中国は晒されたわけだ。

 中国はオバマ政権の対中慎重姿勢をいいことに、人工島建設に代表される「一方的な現状変更」を継続的に行ってきた。これに対し、米国はそれを阻止するための具体的行動を取りあぐねてきたことも事実である。しかし、常設仲裁裁判所の裁決を機会に、中国の南シナ海における行動に懸念を深める国々を糾合し、国際的な圧力で中国を抑えこもうという米国の意思は証明されたと言っていいだろう。

■ 中国の南シナ海問題への対処法、ポイントは3つ

 ここで問題を整理しておきたい。中国にとって南シナ海問題への対処は、
(1)域外国、特に米国、日本等の干渉排除、
(2)関係国、特にASEAN諸国の分断、
(3)域外国と関係国との連携による中国包囲網の形成阻止、
が重要となる。

 (1)については、昨年来、米国による「航行の自由作戦」が展開されると中国はこれに強く抗議し、対抗策として西沙諸島に対空ミサイルを配備するなど、南シナ海の軍事化に拍車をかけつつ、「海軍艦船を南シナ海に入れた米軍への対抗措置だ」として自己正当化を図っている。中国にとって許容できないのは、米軍と連動して日本の海上自衛隊が南シナ海で哨戒活動をすることであろう。

 (2)については、中国の“息のかかった”国を味方につけることである。南シナ海で中国と領有権を争っているのはフィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイだ。中国としては領有権争いに加わっていない国々、とりわけ中国の経済援助に依存するラオスやカンボジアを味方につけ、分断を図りつつ、領土問題については中国が優位に立てる二国間交渉に持ち込むことが基本的な戦略となる。カンボジアやラオスなどが中国の主張を支持すれば、「コンセンサス」を重視するASEANとして、中国に厳しい統一見解を出すことは難しくなる。

 (3)は、中国にとって最悪のシナリオを回避することであり、これは(2)を成功裏に進めることによって可能となるように見える。しかし、米国とベトナムの関係改善による武器供与の解禁や、米国とフィリピンとの軍事協力の進展、さらには日本とフィリピンやベトナムとの海上警察行動における協力などによって、事実上の「対中包囲網」が形成されつつあると言える。ただし、フィリピンの次期大統領に就任予定のドゥテルテ氏は嫌米親中とされており、今後のフィリピンの「立ち位置」が問われることとなる。

■ 東シナ海での領海侵犯は南シナ海から注意をそらせるため

 こうした状況のもとで、6月14日、中国雲南省玉渓で中国の主催によるASEAN・中国特別外相会議が開催された。

 南シナ海における領有権問題をめぐる常設仲裁裁判所の判断が近く示される見通しの中での開催である。この会議が注目されたのはいわば当然のことであった。

 しかし、会議の結末は唖然とさせるものだった。ASEAN側の複数の外相が中国に対し「深刻な懸念」を訴えた(バラクリシュナン・シンガポール外相)ものの、結局ASEAN側の共同声明は取り下げられ、中国・ASEANの共同記者会見もキャンセルされたのだ。

 この結末から垣間見えるのは、ASEAN側が「対中懸念」で結束しそうなところを中国が圧力をかけて反故にした構図である。領土問題では当事者ではないシンガポールやインドネシアなどのASEANのメンバーにしても、中国の「仲裁裁判そのものが無効」という姿勢に対して議論が紛糾したことが窺える。

 現状から言えることは、中国は、(1)の域外国による南シナ海への関与を有効に封じ込めることに失敗し、(2)についてのASEAN諸国間の分断も、現状では「かろうじて」凌いでいるレベルであろう。

 そうなれば、(3)の対中包囲網をいかに防ぐかが中国にとって課題となる。中国海軍戦闘艦の尖閣諸島の接続水域への侵入や、中国海軍情報収集艦のトカラ海峡での領海侵犯事例は、今後の海上自衛隊艦艇の南シナ海での哨戒活動を阻止すべく、東シナ海、南西諸島など日本周辺海域に注意を集めさせる(踏みとどまらせる)ための「陽動作戦」と解釈することもできよう。

 尖閣諸島海域に中国海軍の戦闘艦が侵入した事案は、もちろんこれまでの緊張レベルが一段上がったことを意味するわけで、今後は海上保安庁と海上自衛隊とのより一層の緊密な連携をもって対処せねばならないだろう。ただし、中国が海軍情報収集艦の領海侵犯について「無害航行」を主張し、「航行の自由」に言及したことは、今後、海上自衛隊が南シナ海を航行するときにも同じことを言えることになる(中国は排他的経済水域での他国海軍艦船の航行については事前の承認を求めている。すなわちダブルスタンダードである)。また、米海軍同様に「航行の自由」を標榜することによって日中の対等をアピールすることもできる。問われるのは、日本政府の「中国を刺激したくない」という消極姿勢であろう。

 中国は南シナ海問題で、はっきり言えば「窮地」に陥っている。尖閣諸島など東シナ海に手を出したのは、関心をそらせるためである。フィリピン次期大統領という不確定要素はあるものの、中国包囲網の形成は着実に進展していると言ってよいだろう。窮地に陥った中国が今後どのような手を打つのか、予断を許さない。


<比大統領>ドゥテルテ氏就任、過激な発言が目立つが…
毎日新聞 6月30日(木)20時10分配信

 【バンコク岩佐淳士】5月のフィリピン大統領選で勝利したロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が6月30日、大統領に就任した。任期は6年。過激な発言から「フィリピンのトランプ氏」と称されるが、南シナ海問題で対立してきた中国とは対話重視の姿勢を示す。一方で「米国嫌い」とも言われ、中国をにらみフィリピンとの防衛協力を強化してきた米国や日本の安全保障戦略に影響を及ぼす可能性もある。

 南シナ海を巡ってはフィリピンが申し立てた仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)の判断が12日に出される。ドゥテルテ氏は「判断が出るまで発言はしない」とするが、ヤサイ外相は毎日新聞の取材に「南シナ海を不安定化させる中国の行動は全ての国の利益に反する」と明言。国際社会と共に中国に「法の支配」に従うよう促す方針を示した。

 ただ、新政権は「対中強硬派」だったアキノ前政権とは明らかに異なるスタンスを取ろうとしている。ドゥテルテ氏は「(中国と領有権を争う南シナ海の)スカボロー礁のためには戦争はしない」と強調。前政権が拒んできた中国との2国間協議に前向きな姿勢を示すほか、資源の共同開発の可能性も示唆する。

 前政権は中国に対抗し米国との同盟関係を再強化。日本とも防衛協力を進めた。これに対し、ドゥテルテ氏は「米国には依存しない」。米国との相互防衛条約に懐疑的ともとれる発言もしている。

 フィリピン人はかつて植民地支配を受けた米国に対し、愛憎相半ばする複雑な感情を抱く。ドゥテルテ氏が南部ダバオ市長時代、爆発事件の関与が疑われた米国人男性が逃亡。米当局が逃亡を手助けしたとされ、ドゥテルテ氏は米国への不信を強めたと言われる。

 過激な発言が目立つドゥテルテ氏だが、「クレバーな実利主義者」(地元記者)との評もある。南シナ海問題では中国に主権を譲らない立場も強調。米中を両てんびんにかけ、フィリピンの独立性を確保するしたたかな外交を図るのではないかとの見方もある。


<南シナ海>中国は拒否声明 仲裁裁判所「12日に判断」に
毎日新聞 6月30日(木)19時32分配信

 【北京・石原聖】中国外務省の洪磊(こう・らい)・副報道局長は30日声明を発表し、仲裁裁判所(オランダ・ハーグ)が7月12日に南シナ海を巡るフィリピンの申し立てに判断を示すと発表したことについて「中国は第三者が示したいかなる解決方式も受け入れない」と判断に従わない姿勢を改めて強調した。声明はまた「仲裁裁判所には(この案件を扱う)管轄権がなく、判断を出すべきではない」と反対した。

 洪副報道局長は30日の定例会見で、習近平国家主席が、フィリピンの新大統領に就任したロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)に「中比関係が改善に向かうようともに努力したい」との祝辞を贈ったと明らかにした。


ドゥテルテ氏「誇示しない」=比新政権、仲裁判決の対応協議
時事通信 6月30日(木)16時22分配信

 【マニラ時事】フィリピンのドゥテルテ新大統領は30日、初閣議を開き、7月12日に出される南シナ海問題をめぐる仲裁裁判所の判決後の対応について協議した。

 ドゥテルテ氏は「何が起きてもなじったり、誇示したりすることはない」と述べ、判決を冷静に受け止める姿勢を強調した。

 また、「ソフトランディング(軟着陸)を図るだけだ」とも話し、仮にフィリピンに有利な判決内容になったとしても過度に中国を刺激する方針は取らないことも示唆した。


中国軍機への緊急発進ほぼ倍増、統合幕僚長「空も海も活発化」
ロイター 6月30日(木)15時7分配信

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 6月30日、自衛隊の制服組トップの河野克俊統合幕僚長は、航空自衛隊の航空機による中国軍機に対する緊急発進が、4─6月期は前年度に比べ80回以上増加したことを明らかにした。写真は2014年11月防衛省で撮影(2016年 ロイター/Thomas Peter)

[東京 30日 ロイター] - 自衛隊の制服組トップの河野克俊統合幕僚長は30日の定例会見で、自衛隊機による中国軍機への緊急発進(スクランブル)が、4─6月期は前年度に比べて80回以上増加したことを明らかにした。詳細は来週発表する。

前年同期は114回。ほぼ倍増したことになる。6月17日には、中国が領有権を主張する沖縄県尖閣諸島(中国名:釣魚島)方面へ南下した事例もあった。

河野統幕長は「(東シナ海の)海上においても、空においても、中国軍の活動範囲が拡大し、活発化している。エスカレーションの傾向にある」と語った。

また、河野統幕長は、南シナ海の領有権紛争をめぐる国際仲裁手続きの判決が7月12日に出ることについて、「中国は裁判の判決に従わないと言っている。判決が出た後、中国側がどういう行動に出るか懸念し、関心を持っている」と述べた。

(久保信博※)


<比大統領>ドゥテルテ氏就任式 中国との対話に意欲
毎日新聞 6月30日(木)13時28分配信

 【バンコク岩佐淳士】5月のフィリピン大統領選で当選したロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が30日、首都マニラのマラカニアン宮殿で就任式に臨んだ。型破りな発言で「フィリピンのトランプ氏」とも言われ、人々は格差解消などに剛腕の発揮を期待するが、人権軽視の姿勢に不安も広がる。外交面では中国との対話に意欲を示すが、米国との同盟を冷え込ませる懸念もある。

 アキノ大統領は安定した政権運営で、年平均6%の経済成長を実現。しかし、選挙ではドゥテルテ氏がアキノ氏の後継候補らに圧勝した。ドゥテルテ氏は南部ダバオ市長。中央政界に不満を持つ有権者が地方政治家に「改革」を求めた。

 ドゥテルテ氏は首都への富の集中を批判し、地方振興に力を入れる方針。ダバオ市長時代に実績のある治安対策にも自信を示す。

 ただ、選挙期間中から問題視されていた暴言は止まらない。5月31日には相次ぐ記者の暗殺について「腐敗していたからだ。記者だから暗殺を免除されるわけではない」と発言。メディアから一斉に批判されたが、謝罪を拒否し、「取材のボイコット」を宣言した。独善的とも言える性格が表面化し、地元記者は「国政でダバオのやり方は通じないのでは」と不安を語る。

 一方、南シナ海問題で対立する中国とは関係改善に意欲を見せる。アキノ政権は中国をにらみ米国との同盟関係の再強化に動いたが、ドゥテルテ氏は「米国には依存しない」と発言している。


南シナ海問題への対応焦点=ドゥテルテ新大統領が就任―比
時事通信 6月30日(木)13時19分配信

 【マニラ時事】フィリピン大統領選で当選したロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)が30日、首都マニラのマラカニアン宮殿で行われた宣誓式で大統領に就任した。

 任期は6年。南シナ海問題で「対中強硬派」だったアキノ政権に比べ、ドゥテルテ氏は中国との対話を重視する姿勢を示している。中国が南シナ海の軍事拠点化を進める中、新政権の対中政策は、周辺諸国の安全保障にも大きな影響を与える可能性がある。

 ドゥテルテ氏は選挙中、南シナ海問題に関し「中国の人工島に国旗を掲げる」と挑発的な発言をする一方、領有権問題を棚上げして経済協力を進める考えも示すなど、一貫していなかった。しかし、選挙後の記者会見では「妥協することは不可能。南沙(英語名スプラトリー)諸島はわれわれのものだ」と述べ、領有権で譲らない姿勢を強調した。

 南シナ海問題では、フィリピンが提起した仲裁裁判の判決が7月12日に予定され、判決を受けた新政権の出方が当面の焦点となる。ドゥテルテ氏は「国軍などと協議して決める」として具体的方針を明らかにしていないが、ヤサイ次期外相は「対話なしに問題解決はできない」と、早期に中国との2国間交渉を開始する姿勢を示している。


上陸戦部隊を追加編成=19年度からアジアで活動―米軍
時事通信 6月30日(木)11時56分配信

 【ワシントン時事】米海兵隊総軍のウィスラー司令官は29日、ワシントン市内で講演し、海兵隊の上陸戦部隊と強襲揚陸艦など艦船3隻で構成する「両用即応グループ」を追加編成し、2019会計年度(18年10月~19年9月)から南シナ海を含むアジア太平洋地域で哨戒任務に就かせる方針を明らかにした。

 司令官によれば、同グループは1回につき90日間の哨戒任務を年2回行う予定。米西海岸配備の艦船を活用する方向という。南シナ海への中国の海洋進出などで動揺するアジア太平洋地域で、米軍の存在感を高める狙いがある。


比新大統領就任、南シナ海は「中国の湖」となってしまうのか
Wedge 6月30日(木)11時30分配信

 6月30日、フィリピン大統領にロドリゴ・ドゥテルテ氏が就任する。選挙期間中、「人権など忘れろ」、「犯罪者は殺す」などの過激な発言を繰り返し、「フィリピンのトランプ」と呼ばれた。年率6%を超える高い経済成長を続けるフィリピンだが、中間層は国民のわずか1割にすぎず、汚職も蔓延し、長年の課題である治安も一向に改善されていない。そうした中、フィリピン国民は、国内で最も危険とされてきたダバオ市の治安を劇的に改善したドゥテルテ氏に現状を変えてくれることを期待したのだ。

 「反エスタブリッシュメント」と「自国第一主義」――この2つのトレンドは、アメリカだけではなく、EU脱退を選んだイギリスなどヨーロッパでも見られて、世界各地に広がりつつある。ドゥテルテ氏はまさにこのような世界的な潮流の中で大統領に選ばれた。現状の否定を掲げるドゥテルテ大統領の下で、フィリピンの対外政策も大きく変わる可能性がある。地域安全保障の観点からは、新大統領が緊張の高まる南シナ海問題にどのよう対処するかに注目が集まっている。

経済的利益を優先か?
 ここ数年、中国は南シナ海問題について対話や平和的解決を掲げながら、他方でフィリピンからスカボロー礁を奪い、南沙諸島に人工島を建設して、着実に現状変更を積み重ねてきた。このため、アキノ前政権は中国との南シナ海紛争で対話を断念し、日米との防衛協力を強化する一方、国連海洋法条約に基づく仲裁手続きを取り、国際法に基づく平和的な紛争の解決を模索した。この路線が新政権でも継承されるかどうかによって、南シナ海情勢は大きく影響を受ける。

 すでに、ドゥテルテ氏は経済的利益を優先して、南シナ海政策を転換する可能性を示唆している。選挙期間中に、ドゥテルテ氏は、中国が仲裁裁判の裁定を尊重しないならば、中国に占拠されたスカボロー礁にジェットスキーで乗り付けて国旗を立てると発言する一方、中国から経済支援が受けられるのであれば、南シナ海の領有権問題を棚上げする考えを示した。当選後には、ドゥテルテ氏は領土問題でフィリピンの主権を譲らないと強調する一方、中国の趙鑑華・駐フィリピン大使との会談では、「中比関係を改善したい」と伝えたという。実際に、ドゥテルテ氏は中国からマニラの慢性的渋滞解消のため、鉄道建設に関する協力の申し出があり、アーサー・トゥガーデ新運輸通信相を北京に派遣すると述べている。パーフェクト・ヤサイ・ジュニア新外相も、中国との協議に言及している。

 仲裁判断が7月上旬にも出ると見込まれている中、ドゥテルテ新政権が仲裁手続きを取り下げるという噂まで広まっている。中国はこの仲裁手続きに参加せず、裁定も受け入れないという立場を貫いている。裁定が中国に不利な場合、国連海洋法条約から脱退することも検討していると伝えられている。だが、それは中国にとってもできれば避けたい選択肢だろう。代わりに、仲裁裁定を受け入れないことに対する国際的な非難をかわすため、水面下で中国からドゥテルテ陣営に関係強化のための様々な働きかけがなされているだろう。

埋め立て着手は時間の問題
 南シナ海における次の注目点は、いつ中国がスカボロー礁の埋め立てに着手するかということだ。海南島、西沙諸島、南沙諸島に加えて、スカボロー礁に軍事基地を持つことで、初めて中国は九段線の軍事的支配を完成させることができる。仲裁裁定がスカボロー礁における中国の行動を違法とみなせば、これを受け入れないことを示すために埋め立てに着手するというのが大方の見方だ。だが、中国はドゥテルテ政権を懐柔することを優先し、しばらくは埋め立てを先延ばしにするだろう。だが、あくまでも先延ばしであり、埋め立て着手は時間の問題である。

 スカボロー礁は、米軍がすでに利用している旧米海軍基地のスービック湾や、クラーク旧米空軍基地などに近い。スカボロー礁に軍事基地ができれば、中国はルソン島の軍事施設を監視し、直接ミサイル攻撃できるようになる。4月下旬に、カーター米国防長官は、中国によるスカボロー礁の埋め立てに強い懸念を示し、「軍事衝突を引き起こし得る」と発言した。だが、フィリピン自身が中国との経済協力を重視し、領土問題で妥協をするなら、アメリカがスカボロー礁を守ることも、南シナ海の平和と安定を維持することも難しくなる。

 米比同盟の今後も不透明だ。フィリピンの憲法は外国軍の常駐を禁止しているが、アキノ政権がオバマ政権と結んだ防衛協力強化協定(EDCA)は、米国の実質的な駐留に道を開き、南シナ海における米軍のプレゼンスを強化する一方、米軍がフィリピン軍の近代化や能力構築にも貢献する内容となっている。このEDCAについて、ドゥテルテ氏は外国軍の駐留には懐疑的だが、最高裁がこれを合憲とした判断を尊重するとも述べており、当面は受け入れるだろう。たが、当選後にドゥテルテ氏は、これまでの慣行には従わず、最初にアメリカ大使ではなく、日本次いで中国の大使との会談を選んだ。これが彼の対外政策上の優先度を示しているのかもしれない。アメリカのゴールドバーグ大使との会談では、ドゥテルテ氏は中国との軍事紛争でアメリカはフィリピンを支援するのかと尋ね、アメリカに対する不信をのぞかせた。

 米比同盟は、旧宗主国と旧植民地の間の同盟である。根底にはフィリピンの反米感情とナショナリズムがあり、それが1992年に米軍のフィリピン撤収につながった。冷戦が終結し、米軍にとってのフィリピンの価値が下がったこと、またフィリピンと中国の関係が改善したことも米軍撤収を後押しした。しかし、米軍撤収後に中国がフィリピンからミスチーフ礁を奪ったため、米比両国は1999年に派遣米軍に関する協定(VFA)を結び、米軍のフィリピン常駐を慎重に避けながらも、軍事協力を徐々に拡大してきた。そして、2012年に中国がスカボロー礁を奪ったことを機に、EDCAに関する協議が始まった。米比両国は南シナ海における中国の脅威を共有し、同盟の価値を再発見したのだ。

 しかし、ドゥテルテ政権が公約通りに人権を無視するような政策を実施するなら、アメリカ議会が黙ってはいまい。アメリカ議会の批判に過剰反応して、ドゥテルテ政権がナショナリズムと米国への不信を煽る一方で、対中宥和の道を選ぶなら、米比同盟は再び困難な時期を迎えるだろう。加えて、同盟に懐疑的なドナルド・トランプ氏がアメリカの大統領になれば、米比同盟は崩壊する可能性もある。仮にそうなれば、中国は南シナ海を文字通り「中国の湖」とすることに邁進するだろう。

 このようにフィリピンに新政権ができ、米比同盟の今後も不透明であるが、南シナ海の安定を維持するため、日本の役割は大きい。ドゥテルテ氏の出身地であるダバオ市は日本と関係が深く、当選後の同氏は真っ先に日本の石川和秀大使と会い、日本との関係を一層強化する意向を示した。安倍政権は「開かれ安定した海」を重視し、国際法に基づく海洋紛争解決を訴えている。南シナ海で現状変更を繰り返す中国に対し、日本は法の支配を通じた南シナ海の平和と安定の維持という代替案をドゥテルテ政権に提示し、どちらがフィリピンの、そして地域の利益になるかを問わなければなるまい。


南シナ海問題で来月仲裁判断、中国拒否なら「無法国家」の声も
ロイター 6月30日(木)10時18分配信

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 6月30日、オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は、南シナ海の約90%に主権が及ぶとする中国の主張に反発してフィリピンが提訴した仲裁手続きについて、7月12日に判断を下すと29日に発表した。写真は、ミスチーフ礁付近の海域で作業しているとみられる中国の浚渫(しゅんせつ)船。米海軍が撮影した映像から。昨年5月提供(2016年 ロイター)

[北京/アムステルダム/ワシントン 30日 ロイター] - オランダ・ハーグの常設仲裁裁判所は29日、南シナ海の約90%に主権が及ぶとする中国の主張に反発してフィリピンが提訴した仲裁手続きについて、7月12日に判断を下すと発表した。

これに対し、中国外務省の洪磊報道官は「仲裁裁判所はこの問題で裁判権を持たず、審理を開いたり、裁定を下したりすべきではないことをあらためて強調する」と反発。「フィリピンが一方的に提訴したことは国際法に反している」と述べた。

また、「海をめぐる領域や紛争の問題について、中国は第三者による解決策、強制された解決策はいかなるものであっても受け入れない」と表明した。

一方、フィリピンのコロマ大統領府報道担当官は「地域の平和と安定を促進する、公正かつ公平な判断を期待している」と述べた。

米国務省のリッチー・アレン報道官は、米国は仲裁裁判所を支持すると強調。「われわれは平和的な南シナ海の紛争処理を支持する」とした。

中国国営メディアの新華社は、仲裁裁判所について「法の侵害」だとし、今回のケースは南シナ海の領有権問題を悪化させるだけだと主張。「フィリピンは、そのような仲裁が南シナ海でさらなる問題を引き起こし、当事国の利益に少しもならないということを理解していない」としている。

<九段線>

中国は、いわゆる「九段線」を基準に自国の領有権を主張している。九段線は東南アジア中心部の海にまで広がっており、その範囲内には各国が領有権を争う多くの島嶼(とうしょ)や岩礁、豊かな漁場、石油やガスの鉱床が存在する。

フィリピン側の弁護団を率いるポール・ライクラー氏は、フィリピンに有利な判断が下されることをまったく疑っていないとし、中国に不利な裁定は「中国から主張の法的根拠を奪う」ことになると、ロイターに語った。

さらに同氏は、仲裁裁判所による裁定を拒否することは、中国が法の支配を尊重しない「無法国家と宣言しているようなもの」との見方を示した。

フィリピンは2013年、中国の主張が国連海洋法条約(UNCLOS)に違反し、同条約で認められた200カイリの排他的経済水域(EEZ)に含まれる南シナ海で開発を行う自国の権利が制限されているとして、仲裁裁判所に提訴した。

一部の東南アジア諸国が、統一された前線を築こうとする米国の努力に応じるべきか、二の足を踏む兆候がみられる一方で、ベトナムやインドネシア、マレーシアといった領有権を争う他の国々からも、裁定に従うよう求める圧力に中国は直面することになると、ライクラー氏は予測する。

「無秩序な無法状態をつくり出すことからは、得るよりも失うことの方が大きいということに、中国は気づくようになるだろう」と同氏は述べた。

しかしフィリピンにとって南シナ海の領有権問題が重大である一方、優先事項は国内のイスラム武装勢力の壊滅だと、同国の新国防相に就任したデルフィン・ロレンザーノ氏はロイターに語った。

同氏の発言は、南シナ海問題をめぐるドゥテルテ次期大統領の方針に対する不透明感をさらに増すものだ。ドゥテルテ氏は中国と相対すると語る一方で、対話を通じて関与するとも述べている。

米当局者らは、中国に不利になるとみられている裁定に対し、同国が2013年に東シナ海で行ったように、南シナ海でも防空識別圏を設定するというような反応を示すことを懸念している。また、南シナ海で人工島の建設や要塞化を強化するような態度に出ることも考えられる。

そのような中国の動きに対し、米国は、外交的圧力に加え、東南アジア諸国への防衛支援とともに、米艦船による「航行の自由」哨戒作戦や米戦闘機による上空通過を、さらに加速させて対応することが可能だと、米当局者らは語る。

仲裁裁判所の判断を控え、南シナ海をめぐる緊張が広がっている。インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は、同国領ナトゥナ諸島付近の海域での海底油田探査や商業的漁業の拡大を命じた。ナトゥナ諸島では、インドネシア海軍の艦艇と中国漁船との間で衝突が発生している。


フィリピン、ドゥテルテ新大統領が就任
産経新聞 6月30日(木)9時56分配信

 【マニラ=吉村英輝】フィリピン大統領選で当選したロドリゴ・ドゥテルテ氏(71)の就任宣誓式が30日、首都マニラのマラカニアン宮殿で行われた。任期は6年。

 南部ダバオの市長時代から、中央政界のエリートに反発する姿勢を続け、就任式は招待客約600人の地味な規模。メディアとの摩擦から記者会見を拒否しており、式典取材も大幅に制限された。

 南シナ海問題では、フィリピンが求めていた常設仲裁裁判の裁定が7月12日に予定される。ドゥテルテ氏は、裁定を受けて対応を決める方針だが、「対中強硬派」だったアキノ政権から路線転換し、中国との対話に意欲を見せている。

 大統領就任後3カ月以内の「犯罪一掃」を訴えており、式典終了後の30日午後に早速、閣僚に指名した側近らと初閣議を開く予定。死刑制度の復活や、憲法改正による連邦制の導入などを政策方針としている。

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