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2016年5月 2日 (月)

どこまで図に乗る中共支那、南シナ海にミサイル・戦闘機を配備・7

南シナ海の他国領海で横暴な侵略行為を強行している中共支那が、スプラトリー諸島のファイアリークロス礁を勝手に埋め立てて造成した飛行場へ強引な侵略飛行を行なったのに続き、今度はベトナムから強奪したパラセル諸島のウッディー島に地対空ミサイル8基を配備し、さらに対空機関砲の設置に加えて戦闘機まで進出させた。
一方でベトナムと領有権めぐって係争中のスプラトリー諸島にあるクアテロン礁などには、高周波レーダー施設を設置したことも明らかになった。

同諸島はかねてよりベトナムと中共がその領有権めぐって係争中であり、こうした地域を一方的に自国領と断言し軍事施設を建設して、支配権の既成事実化を試みる中共支那の好戦的・冒険的な侵略行為は、ベトナム・フィリピンなど近隣諸国や関係国および公海上の海上交通路(シーレーン)の安全を脅かし、いたずらに紛争の危険性を高める、国際法上認めることの出来ない危険な挑発行為である。

この中共の重大かつ危険な挑発行為に対して、アメリカなどがこうした危険な行為を停止するよう要求しているにもかかわらず、これに対して中共は「最も重要なことは(自国の設置した)レーダーなどではなく、(米軍の)戦略爆撃機や駆逐艦を含む最新兵器が日々、南シナ海に出現していることだ」として居直り、こうした一連の行為が「(自国の)主権の範囲内」と強弁している。

こうした中共の態度は、世界の秩序を完全に愚弄する思い上がり図に乗ったものであり、中共がこうした態度を改めない限り、この地域での紛争・戦争の危険は日に日に増大するものと見なければならず、その結果中共軍は敗走して共産党の威信は失墜し、国内の暴動によって中共は崩壊するだろう。

このような凶暴かつ愚劣な行為を改めなければ、招来する重大な結果について、中共支那はその一切の責任を負わなければならない。

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中共支那と支那人という種は、他人・他国・他民族との「平和共存」という概念を理解出来ない狂人(あるいは凶人)・野蛮人・テロリストである。そのことは、南シナ海でのこれらフィリピン・ベトナムだけではなく、この残忍な野蛮国が、東シナ海での他国の領土領海を奪い取ろうとする露骨な侵略行為、またもともと支那とは無関係の独立国であったチベットや先日テロ事件が発生した旧東トルキスタンの新疆ウイグル地区などにおける凶暴凶悪な行為を見れば明らかである。特に習近平現政権になってから、この好戦的で残虐な性格がさらに一層明らかになっている。

中共はまぎれもない侵略テロリスト国家である。中共が国際法を遵守するモラルを身につけない限り、世界は中共とは共存出来ない。地球人類にとっての癌である残忍で凶暴な中共支那と支那人(漢人)の、一日も早い崩壊と絶滅を切に希望する。

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リンク:南シナ海巡って米中高官が初の舌戦!日本のメディアが報じない「アジア安全保障会議」の舞台ウラ - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:南シナ海で防空識別圏設定なら「挑発的行為」、米国務長官が警告 - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:焦点:米越の関係改善、南シナ海狙う中国の「頭痛の種」に - 速報:Yahoo!ニュース.
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リンク:「南シナ海」でASEANに全面協力…岸田外相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日タイ外相「紛争の平和解決を」…南シナ海念頭 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

アジアの橋頭保ベトナム、強か外交に磨きかける
JBpress 6月8日(水)6時15分配信

 「したたか」「二枚舌」「ズル賢い」――。

 (その国の人の)小柄で華奢でおとなしそうな外見とは裏腹に実は、大国・中国に、そう言わしめるほどの小国がアジアにある。

ベトナム・ハノイの農村で見つけた日本との親和性とは?

 したたかな朝貢外交を展開し、中国のみならず、米国、フランス、ロシアに至ってまで、「山椒は小粒でもピリリと辛い」と知らしめているのが、実はベトナムだ。

 1000年にもわたる中国の侵略や支配、約70年にも及ぶフランス下での植民地支配に屈せず、さらには20年続いた米国とのベトナム戦争、その後は中越戦争を経験した。

■ 何度も痛い目に遭わされてきた中国

 「China and Vietnam: The Politics of Asymmetry(中国とベトナム、その非対称な政治)」の著者で、米国における中国政治外交の専門家、ブラントリー・ウォマック博士は、「中国の力は、再三、ベトナムという岩の上で砕け散ってきた」と言う。

 ベトナム戦争でロシア軍や米軍が置きざりにした戦闘車など、お古の兵器を駆使して中国に勝利してきたのである。

 
 ベトナムの強さの秘密は、強靭な忍耐力と精神力に裏づけられたべトコン戦術の「硬」と、朝貢外交で至れり尽くせりの「軟」を、1つのコインの裏表のようにして巧みに使い分けながら、超大国を翻弄させる戦略にある。

 また、戦争で1つの大国と戦う一方で、同時に別の大国を引き込むしたたかな戦術も強さの秘訣と言える。

 ベトナム戦争では、中国と旧ソ連の超大国を激突させ、一方で米国との闘いのための後ろ盾として両国の支援を引き出した。日本などより、ずっと外交上手と認めざるを得ない。

 そんなベトナムが、日本の伊勢志摩開催のG7サミット(主要国首脳会議)では拡大会合で初デビュー。4月に就任以来、初来日を果たしたグエン・スアン・フック首相が安倍晋三首相と初の首脳会談で国際舞台で日越の蜜月を演出した。

 G7開催前には、米国のバラク・オバマ大統領がベトナムへの歴史的訪問を実現。

 約半世紀ぶりになる米国からの全面的な武器輸出解禁合意で、「昨日の敵は、今日の友となった」(チャン・ダイ・クアン国家主席)と、アジアの小国でありながら日越連携に続き「米越同舟」を巧みに演出、中国への牽制を国際社会にアピールした。

 共同声明には明確化されていないが、ベトナムは武器輸出解禁を条件に、米軍がベトナム戦争時、のちには2002年にロシア軍が撤退するまで使っていた東西冷戦時代の要衝で、長年閉鎖されていたカムラン湾への米海軍寄港を認めたとみられる。

 寄港とは言え、南シナ海軍事防衛の戦略的最重要拠点に米海軍が入る意味は大きい。

 中国と陸続きのベトナムは、南シナ海に面した南北に長い約3000キロの海岸線を持ち、多くの港湾を抱え、主要な海洋ルートの交差点にある。そのため、経済や安全保障などの観点から、米国の対中戦略において他の東南アジアの国より重要な拠点となり得る。

 さらに、対中強硬路線を敷いてきたフィリピン・アキノ大統領の後を継ぐドゥテルテ次期大統領の親中政策によって南シナ海での中国による軍事拠点化が進む可能性があることから、ベトナムの戦略的価値がこれまで以上に高まっている。

■ 中国、突然の石油掘削

 ベトナムは、冷戦期では旧ソ連が最大の支援国で、最大の貿易相手国であった。しかし、1991年の旧ソ連の崩壊後、かつての敵である中国、米国、フランスなどと国交回復するなど、全方位外交を敷いてきた。

 そんな中、ベトナムに全方位外交の限界を思い知らしめたのが2014年5月の中国の国際法違反と見られる一方的な石油掘削作業開始だった。

 これまで幾度もの中国の軍事的脅威に対し、軍事的直接対決を避け、海軍共同巡視や高官交流などで信頼醸成を築き、「南シナ海は防衛可能」と見ていたベトナムの希望的観測は見事に打ち砕かれた。

 言い換えれば、今後、これまでの全方位外交は修正が迫られる。

 特に、国内の経済システム改革と貿易相手国の拡大を図り、経済失速が顕著になっている中国への過度の経済的依存度を軽減する方策へシフトせざる得ない。多国との経済連携は安全保障の強化にもつながる。

 FTA(自由貿易協定)やTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を推し進め、さらに米国や日本との外交軍事的連携強化とともに、対中政策でインドなどとの関係強化にも積極的に取り組んでいく必要がある。

 ベトナムは、最大の輸出相手国「米国」と慢性的な貿易赤字に悩まされる最大の輸入相手国「中国」に加え、保有する武器のほぼ100%を調達する最大の軍事武器供与大国「ロシア」という複雑な3大国の狭間に立ちながらも、ラストリゾート(最後の命綱)をこのいずれの超大国には依存しないことを固く誓っているからである。

 現に、カムラン湾には今回の米国との“密約”以前に、実はロシア、インドなどが使用している。特定の対中勢力に限定的にカムラン湾を使用させることを避けつつ、米国を巻き込むことで、中国との関係悪化を回避するしたたかな全方位外交が見てとれる。

 しかし、中国の軍事脅威が日増しに強くなっている状況では、ベトナムはかつてない難しい舵取りを迫られている。そのため、日本、インド、スリランカ、オーストラリアなど諸外国と包括的な連携を深めている。

 日本にとっても決して対岸の火事ではない。この連携が機能しなければアジア太平洋地域全体の発展や安定に影を落とす危険性がある。

■ オバマ訪問の真の狙いはロシア対策

 さらに、今回のオバマ大統領の訪越ではメディアは「中国牽制報道」に終始していたが、実は訪越の最大の狙いは、対ロシア戦略にあることを忘れてはならない。

 ロシアはベトナムに武器や兵器を供与し続け、2015年からはカムラン湾でベトナムと共同訓練を実施するとともに、ロシア軍の戦略爆撃機などが同湾の基地を給油拠点とし、アジア太平洋地域で活動を活発化させている。

 ロシアの軍事的な関与拡大が明確になってきており、米国はベトナムに接近することで、ロシアを牽制する姿勢を鮮明にするという狙いがある。

 実は、4月に就任当時、ベトナムのグエン・スアン・フック首相は初めての外遊を伊勢志摩のG7サミットする予定だったと言われている。しかし、実際には、ロシアを初の外遊先に選んだ。

 オバマ大統領の訪越を睨んで、ロシアのプーチン大統領が5月19、20日に開催の「ロシア・アセアン(東南アジア諸国連合)首脳会議」(ロシア・ソチ)で初外遊するよう促したと見られている。

 ロシアでアセアンとの首脳会議が開かれるのは初めて。

 同首脳会議はロシアにとって、アジア地域で米中が覇権を争う中、同地域での「超大国」としての存在感を国際社会にアピールする絶好の機会だった。しかし、米国がこれを牽制、「フィリピンとマレーシアが米国から欠席を促され、結果的にフィリピン以外の9カ国の首脳が出席」(ロシア政府筋。ロシア・アセアン首脳会議では、今回、プーチン大統領に”忠誠を誇示”したマレーシアのナジブ首相が大統領にピタリと寄り添う姿が世界に配信された)。

 ベトナムはオバマ大統領の訪越、日本でのG7での安倍首相との初の首脳会談を前に、歴史的な友好国で、しかも中国が警戒するロシア訪問でその蜜月ぶりをアピールしたことになる。

 軍事だけでなく経済連携でも再び接近するロシアに仁義を切り、巧みな外交的バランスを取ったと言えるだろう。

 しかも、フック首相は他のアセアン首脳より一足先の16日にロシア入り。サミットに先立って、べトナム投資家による約30億ドル(約3250憶円)という大規模プロジェクトの巨大な牛乳加工工場建設の着工式典に出席している。

 アセアンの中でもロシアとの際立った親密ぶりを披露した。

 実は、アセアンの中でロシアの最大の貿易相手国がベトナムである。2015年の両国の貿易額は約28億ドル(約3100億円)。

■ 対中依存脱却、ロシアへ急接近

 さらに、ベトナムは、2015年5月、アセアンで初めて、ロシア、ベラルーシ、カザフスタンなどが加盟するユーラ シア経済連合(EEU)ともFTAを締結した。

 両国の2020年の貿易額は、2014年比で約3倍の100億ドル(約1兆1000億円)に達すると見込まれている。対中依存からの脱却、ロシアとの経済面での連携を拡大し、安全保障の基盤強化を急ピッチで進めている。

 今回の露越首脳会談の際、プーチン大統領が「ベトナムはロシアにとって、アジア太平洋地域での最重要のパートナー」と二国間関係の重要性を強調する一方、フック首相もチャン・ダイ・クアン国家主席からの伝言として、プーチン大統領にベトナムが主催国で2017年開催のAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に合わせ、ベトナムを公式訪問するよう招聘。

 ウクライナ問題で欧米から経済制裁を受けるロシアは、政治・経済両面で中国への依存を拡大させている一方、対アジア外交で戦略的な均衡を図ることが急務とされる。

 同じように中国への経済的依存が大きいベトナムとの関係強化をアピールすることで、ベトナムとの軍事経済的関係を図るオバマ政権に対抗する狙いもある。

 プーチン大統領としては、中国にエネルギー交渉で主導力を誇示される中、さらに軍事外交面でも“中国より劣勢”になることはどうしても避けたい。

 ベトナムを中心に アセアンへの武器輸出を通じて東南アジアへの関与を深め、ひいては南シナ海に進出拡大する中国や、それに対抗し軍備増強を進める米国に警戒させる思惑もある。

 ロシアはベトナム戦争時、戦車や戦闘機を北ベトナム軍に援助するなど、ベトナムが使用する武器や兵器のほぼ全量がロシア製だ。

 ベトナムの過去最大の武器購入も、昨年、総額で数十億ドルに上った6隻のロシア製潜水艦で、米軍の間では「ブラックホールズ」と総称される「キロ級潜水艦(ロシアの通常動力型潜水艦)」だ。

 潜水艦は弱者の兵器とよく言われる。海深くに潜んで、相手の艦隊に効率的にダメージを与えられるため、戦力に大きな開きがある場合には特に有効な兵器とされる。ベトナム戦争時代のベトコンの地下トンネルのイメージを思い浮かべてもいいかもしれない。

■ 兵器のほとんどがロシア製

 アセアンでは最強でも中国に比べれば圧倒的劣勢にあるベトナムにとって、中国を牽制するには最適な兵器であり、これをロシアから調達していることにも大きな意味がある。

 今回、ベトナムの人権問題など障壁があるにもかかわらず、米国がベトナムとの関係改善に踏み切ったのは、こうした背景もある。もちろん、米国の狙いは、東西冷戦時代の要塞で、今では南シナ海の要衝となった、カムラン湾にある。

 同湾から南沙(英語名スプラトリー)や西沙(同パラセ ル)の両諸島までの距離が、各々約600キロと近距離であることから、同湾を活用すれば、南シナ海の偵察・監視能力は大きく高まる。

 日本も4月、戦艦としては戦後初めて、海上自衛隊の護衛艦「せとぎり」と「ありあけ」をカムラン湾に派遣している。ベトナムにとって、南沙や西沙の両諸島など南シナ海の監視能力増強は緊急課題だ。昨年、ダナンに日本の海上自衛隊の対潜哨戒機「P-3C」が降り立ったとき、多くのベトナム軍人の関心を呼んだ。

 ベトナムは3月、カムラン湾に軍民共用の「カムラン国際港」を開港。原則、世界のどの国も活用できるが、どの国の寄港を許可するかは、ベトナム政府に選択権があり、戦略的な運用を目指す方向だ。

 その意味では、すでにカムラン湾に定期寄港している事実から、日本もTPPなどの経済的側面以外の安全保障面からもベトナムの期待を背負っているといっても過言ではないだろう。

 南シナ海情勢が、ベトナムや中国、さらにはアセアンや日米などが複雑に絡む段階に発展した今、全方位軍事外交の見直しが迫られるベトナムは、今後さらに難局に直面することが予想され、困難な舵取りが要求されるだろう。

 日本にとって経済、安全保障における戦略的パートナーのベトナムの存在は、その重要性が高まる一方である。それは、南シナ海をめぐる国家間の緊張が、予測不可能な新たな局面を迎えていることをも同時に示唆している。


南シナ海問題、中国「米国は建設的な役割を」 米国は自制訴え
ロイター 6月7日(火)18時55分配信

[北京 7日 ロイター] - 中国の楊潔チ・国務委員(外交担当)は、米中戦略・経済対話の最終日の7日、南シナ海の平和維持に向けて米国は建設的な役割を果たすべき、と主張した。ケリー米国務長官は、対話と平和的な解決を訴えた。

楊国務委員は、中国には自身の領土主権と海洋権を守る権利がある、と強調。記者団に対して「中国は、自由な航行と上空通過に関する国際法の下ですべての国が享受する権利を尊重、保護する」と述べた。

そのうえで、紛争は関係各国が対話を通じて解決すべきだとし「米国が、どちらか一方に肩入れしないという約束を順守し、南シナ海の平和と安定の維持に向け建設的な役割を果たすことを望む」と強調した。

ケリー国務長官は、米国は南シナ海の領有権問題で特定の立場をとってはいないと表明。すべての関係国は自制すべきだ、と主張した。

「米国は法の支配に基づく交渉と平和的解決を支持しており、関係国が現状を変えるような一方的行動をとることを懸念する」と述べた。


海自が米・インドと共同訓練、中国にらみ沖縄の東方で 
ロイター 6月7日(火)17時37分配信

[東京 7日 ロイター] - 海上自衛隊は7日、米国、インドの海軍と沖縄本島の東方海域で共同訓練を行うと発表した。10日から17日まで。昨年10月のインド洋に続き、日本の南西諸島周辺で3カ国が共同訓練をすることで、海洋進出を強める中国をけん制する。

海上自衛隊からは空母のような形をした大型護衛艦や、新型の国産哨戒機、インドとの間で輸出協議を進めている救難飛行艇が参加する。対潜水艦や対空などの戦闘訓練を行う。米海軍からは空母が参加する見込み。

この訓練は「マラバール」と呼ばれ、もともとは米印2カ国が毎年行ってきた。日本は2007年に初めて加わり、今回で5回目となる。前回は昨年10月、インド洋のベンガル湾での訓練に参加した。

南シナ海とインド洋、東シナ海で動きを活発化させる中国に対し、米国やインド、日本などは警戒を強めている。米国は、中国が南シナ海で造成する人工島の近くに艦船を派遣。また、懸念を共有する各国が、共同訓練や装備協力を通じて連携しつつある。

(久保信博)


南シナ海巡って米中高官が初の舌戦!日本のメディアが報じない「アジア安全保障会議」の舞台ウラ
現代ビジネス 6月7日(火)11時1分配信

アメリカが中国に拳を振り上げた!
 南シナ海は、南海トラフに似ている。南海トラフとは、フィリピン海プレートと、大陸からのユーラシアプレートがぶつかり合う大地震の危険地帯だ。同様に、南シナ海も、海洋からのアメリカ軍と、大陸からの中国軍がぶつかり合う、アジアの新たな「火薬庫」となっている。

 そのことを象徴するような「シャングリラ対話」――第15回アジア安全保障会議(IISS)が、6月3日から5日まで、シンガポールのシャングリラホテルで開かれた。

 この会議は、毎年この季節に同地で、英国国際戦略研究所が主催して行われる、いわば「軍事サミット」だ。世界の主な国防大臣がズラリ顔を揃えることで知られ、日本からは中谷元防衛大臣が参加した。

 今年の会議の主役は、アメリカのアシュトン・カーター国防長官と、中国の孫建国・中央軍事委員会連合参謀部副参謀長だった。米中両国が、南シナ海問題を巡って、世界の国防関係者たちを巻き込んで、ガチンコのバトルを繰り広げたのである。

 思えば前任のヘーゲル国防長官は、コワモテの外貌ながら、中国の空母「遼寧」に乗りに、いそいそと訪中したりして、「隠れ親中派」とも言える国防長官だった。それに較べて、昨年2月に就任したカーター国防長官は、柔和な笑顔とは裏腹に、中国に対して非常に強硬である。4月にはフィリピンのガズミン国防相を空母「ジョン・C・ステニス」に乗せて、ともに中国に向かって吠えたりしている。

 アメリカのこの頃の対中強硬姿勢について、日本外務省内では、「8年目のオバマ」という言葉が使われているという。「これまで親中派と思っていたら、任期最終年の8年目になって、ようやく『反中親日』変わってくれた」という意味らしい。

 だが思うに、オバマ大統領が「変わった」のではなくて、最後の一年ということで、内政や自分のレガシー作りに集中しているため、軍事問題を国防総省に委ねるようになったのではなかろうか。古今東西、政権末期の体制によく見られる現象だ。

 国防総省の方も、11月に万が一、トランプ大統領が誕生したら、青天の霹靂のようなことが起こりかねないため、いまのうちに「既成事実」を固めてしまおうとしているように思える。

 その結果、強硬派のカーター国防長官率いる国防総省が、中国に対して拳を振り上げているのである。理由はどうあれ、日本にとってはありがたい話である。

アジア太平洋地域の原理原則
 そんなカーター国防長官が、6月4日に「シャングリラ対話」で、最前列に座った孫建国副参謀長を前に、スピーチを行った。この日は、1989年に中国人民解放軍が自国の若者たちに銃弾を向けた天安門事件の27周年にあたる記念日だった。

 スピーチのタイトルは、「アジア太平洋の原則的なセキュリティ・ネットワーク」。A4用紙13枚にも上る長い演説だった。

 カーター国防長官はまず、アジアの最近の発展を誉め上げ、これらは原理原則が皆に共有されてきたからだと説いた。

 「昨晩はディナータイムに、タイのプラユット首相の感慨深い基調演説があった。8月にオバマ大統領は、シンガポールの首相をワシントンに招く。この地では中国とインドが台頭し、若いイノベーションのハノイ、IT産業のムンバイ、中継基地のビルマ、学園都市のソウル、それに昨日私が渡ってきた活況を呈するマラッカ海峡。これらを可能にしたのは、この地に長く根づいてきた原則が、誰にでもシェアされてきたからだ。

 しかしながら、南シナ海の緊張は高まり、北朝鮮は相変わらず核やミサイルを開発し、恫喝を続けている。そんな中、いかにして安定と繁栄を続けるために、こうした原則を守るネットワークを構築するかが問われている。

 今後ともセキュリティの協力が継続可能ならば、南シナ海においてアメリカ、中国、インドの共同海上訓練や、日本と韓国も加わった災害救助訓練、ASEANの広範なセキュリティ・ネットワークの構築も、可能になるだろう。実際、中国もインドも、アメリカが主催するRIMPAC(環太平洋合同演習)に、再び参加する予定だ。これには27ヵ国が参加する」

 カーター国防長官は続いて、アメリカがアジア太平洋地域のセキュリティ・ネットワーク作りに、積極的に関与していく決意を示した。

 「アメリカはこれまで、アジア太平洋地域の原則に基づいたセキュリティ・ネットワークに、全面的にコミットしてきたし、今後ともコミットしていく。それはアメリカの外交、経済、安全の分野での国益が、アジア太平洋地域に深く根ざしているからだ。そしてアジア太平洋地域へのリバランス(軍事的重視)は、一時的なものではなく、これからも耐えて進めていくものだ。

 先週、オバマ大統領は、ベトナムと日本に歴史的な訪問を行った。オバマ大統領にとって10回目のこの地への訪問だった。私も今回で5回目の訪問であり、しかも今回が最後ではない。来週には何人かの閣僚が(北京で)米中戦略・経済対話に参加する。

 アメリカは、アジア太平洋地域で経済的な結びつきも強化してきた。例えば、過去7年でアメリカとASEANは55%も貿易が伸びた。11ヵ国とともにTPPも結ぼうとしている。

 そのようなわけで、国防総省はアジア太平洋地域に、最優秀の人材と最新の兵器を投入していく。アメリカは世界一の兵器を維持してきたし、今後10年かそこらで、アメリカの国防能力を凌駕する国が現れるとは思われない」

「中国の南シナ海における行動は、孤立している」
 続いて、アメリカの同盟国及び友好国との幅広い活動について披瀝した。

 「例えば米日同盟は、アジア太平洋地域の安全保障の礎石だ。昨年、私と中谷防衛相が、新たな防衛ガイドラインにサインした。いまほど米日同盟が強化され、地域の安全に貢献している時はない。

 同様に、米豪同盟も、ますますグローバルになってきている。フィリピンとの同盟も、かつてと同様に緊密になっている。米印の軍事協力も、過去で最も親密になっている。オバマ大統領の先週の歴史的訪問で、ベトナムとの関係も劇的に強化され、武器輸出も解禁する。

 アメリカは昨年来、東南アジアの海上セキュリティ・ネットワークの構築に、5年で4億2,500万ドルを拠出する。初年度から、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、タイなどを援助している。

 また、3ヵ国の枠組みも進んでいる。アメリカ、日本、韓国の3ヵ国のパートナーシップで北朝鮮の挑発行為に対応している。アメリカ、日本、オーストラリアや、アメリカ、日本、インドの協力も進んでいる。これらが進んでいけば、インド洋から西太平洋までをカバーできる。アメリカとタイ、ラオスのプログラムも成功している。

 他にも、日本とベトナム、インドとベトナム、インドネシアとマレーシア、フィリピンといった協力も始まっている。9月に、アメリカとラオスは非公式の国防相対話を共同で開催する」

 ここまで述べた後で、いよいよ南シナ海での「仮想敵国」となりつつある中国について言及した。

 「アメリカは、平和で安定した、そして繁栄する、そして地域の原則あるセキュリティ・ネットワークの中で責任ある役割を果たす中国を歓迎する。

 だが不幸なことに、この地域では懸案が大きくなっている。それは海洋と、サイバースペースと、上空での中国の活動だ。南シナ海において中国は膨張し、過去に前例のない行動に出ている。それは中国の戦略的意図に関わるものだ。

 結果として、中国の南シナ海における行動は、孤立している。いまや地域全体として寄り添い、ネットワーク作りを進めているにもかかわらずだ。不幸なことだが、もし中国がいまの行動を続けるなら、中国は孤立した万里の長城を築いて終わるだろう。

 アメリカは引き続き、原則のある将来を保証するため、中国とともにコミットしていく。両国には長く続く軍事交流関係がある。通常の米中軍事対話がハワイで開かれたし、中国は今年、RIMPACに戻ってくる。アメリカは今後とも、中国との軍事交流を拡大させていきたい。

 実際、原則に基づいたセキュリティ・ネットワークを通じて、米中は共通の挑戦に直面している。ロシアの憂うべき行動や、北朝鮮の核ミサイルの挑発などだ。われわれは皆で協力しあって、原則のある地域の将来を構築していこうではないか」

 以上が、カーター国防長官のスピーチの骨子である。

 前後に美辞麗句を並べながらも、「中国は南シナ海に孤立した万里の長城を築いて終わる」と言い切った。アメリカの高官が、これほど厳しい表現で、中国の南シナ海の埋め立てを非難したことはない。

「アジア各国は、冷戦時代の思考から脱却しなければならない」
 これに対して翌5日、中国の孫建国副参謀長が登壇した。前半は、中国がいかに世界と地域に貢献しているかということを述べた。

 「私はこの二日間の立て続けの会談で、よく声が出なくなってしまった。先にそのことをお詫びしたい。

 まず言いたいのは、アジア太平洋の人々は、興衰の同伴者だということだ。世界の人口の40%、GDPの57%、貿易総量の48%を占め、世界最速で、潜在力が最大で、最も活況を呈した地域だ。

 中国はこの地域に対して、『一帯一路』を提唱し、AIIB(アジアインフラ投資銀行)を設立し、シルクロード基金を設立した。中国軍も、常に世界平和と地域の安定に貢献してきた。

 中国は、国連安保理の5大国中、最大の人員と、2位の経費を拠出している。国内では、30万人の軍人を削減した。兵士一人あたりの経費は6万ドル程度で、米英仏日などの20ドルから30ドルと較べると格安だ。

 中国には、覇権を取ろうという野心はない。アメリカとは、相互信頼、提携、衝突しない、持続可能という新型の中米軍事関係を築こうと努力している。日本とも防衛協力を回復させているところだ。

 中米両軍は、『海空遭遇安全行為準則』を定め、『重大軍事行動相互通報体制』を拡充させている。中国は2017年にASEANの軍隊と、湛江や他の場所で海上捜索救助訓練を行う予定だ。

 アジア各国は、冷戦時代の思考から脱却しなければならない。第三者と衝突せず、対抗せず、敵対せず、ダブルウインの安全提携を目指すべきだ。それは、対抗でなく対話、結盟せず同伴の新たな交流の道だ」

「われわれは、事を起こすことを恐れない」
 続いて後半は、南シナ海における中国の立場の説明と、名指しこそしなかったものの、アメリカへの非難を行った。

 「最近、南シナ海の問題が注目を集めている。私が強調したいのは、中国と周辺国の長年の努力によって、南シナ海は安定していて、航行の自由に一切の影響はないということだ。交渉と協議によって平和的に争議を解決すべきであり、南シナ海の平和と安定を堅持すべきだ。

 中国とASEANは、南シナ海の平和と安定を維持し保護する能力を有している。そのため域外の国は、建設的に行動すべきで、その反対であってはならない。

 現在、南シナ海の問題がホットになっているのは、個別の国家が私利私欲に走って、無茶な行動に出ているからだ。フィリピンは国際仲裁案を提起した。私は強調するが、そのようなやり方は仲裁の方法として不適当だ。中国とフィリピンは、両国の交渉と、『南シナ海行動宣言』によって解決を目指すべきだ。

 中国は何度も表明しているが、仲裁には参加しないし、その結果を受け入れることもない。それは国際法に反した行為ではなく、国際法が定める権利を行使する行為だ。

 注意してほしいのは、某国が南シナ海で『航行の自由作戦』と称して、公然と武力行使していることだ。そして同盟国を巻き込んで中国に対抗し、中国に国際仲裁の判決を受け入れるよう圧力をかけている。

 中国はこうした行為に、断固として反対する。われわれは、あえて事を起こす気はないが、事を起こすことを恐れるものではない。中国は自国の主権と安全の侵犯を許さないし、少数の国家が南シナ海を攪乱するのを座視することもない。

 重ねて申し上げるが、中国の南シナ海における政策は変わらなかったし、これからも変わることはない。争議の当事国でもない国は、私利私欲のためにわれわれの進んでいる道を破壊すべきではない」

 このように、アメリカを名指しすることはなかったが、アメリカに対する強い対抗心を見せたのだった。

いまそこにある危機
 孫建国副参謀長は冒頭で、「この二日間で立て続けに会談を行って声が出ない」と詫びたが、確かに軍人でないと不可能なくらいのタイトなスケジュールで、各国の国防相らとの会談をこなした。具体的には、以下の通りだ。

 ①イギリスのホートン参謀長と、昨年10月に習近平主席が訪英して以来の「中英黄金時代」を確認
②ラオスのスウェン副国防相兼総参謀長に、両軍のさらなる交流と軍事援助を約束
③ベトナムの阮志咏副国防相と、軍事学術交流と国境国防交流を確認
④ブルネイのアチズ副国防相に、軍事訓練などの協力を約束

 ⑤シンガポールの黄永宏・新国防相と、地域の安全に協力することを確認
⑥ロシアのアントノフ副国防相と、両軍の海上合同軍事演習など、友好を見せつけた
⑦タイのソンマイ最高司令官と、地域の安全と安定について合意
⑧ニュージーランドのブランリー国防相と、両軍の対話前進を確認

 ⑨インドネシアのリアミジャルド国防相と、軍事交流のさらなる提携を確認
⑩オーストラリアのビンスージン国防司令官と、両軍の交流強化を確認し、年内の訪中を要請
⑪カンボジアのディバン副首相兼国防相と、軍事を含めた両国の運命共同体を確認
⑫NATOのパウエル主席に、対話継続、人員交流強化、多方面での提携、海賊問題などでの協力を提案
⑬日本の三村亨防衛審議官に、中日関係を高度に重視していることをアピールし、南シナ海問題に関わらないよう要請

 ⑭スイスのパルモラン国防相と、軍事交流強化を提案
⑮フランスのガイディナ国防安全書記長と、シリア問題などを協議
⑯EUのカスカラクス軍事委主席と、マリの平和維持活動などを協議
⑰韓国の韓民求国防長官と、朝鮮半島の安全について協議

 以上である。孫建国副参謀長は、この17人に対してそれぞれ、南シナ海に関する中国の立場を説明し、合わせてアメリカ批判をブッたのである。中国の畏るべき執念を感じざるを得ない。

 オバマ政権は、あと半年余りだが、前述のように、強硬派の国防総省主導で進むため、今年後半は、「航行の自由作戦」を拡大していくだろう。一方の中国も、南シナ海での埋め立てをますます加速させていくことが想定される。

 そうなると、南シナ海における「米中激突」は、まさに「いまそこにある危機」ということになってくる。ある日本政府関係者は、こう漏らした。

 「先の伊勢志摩サミットでの日米首脳会談で、オバマ大統領は、『日本も自衛隊を南シナ海に派遣する覚悟はできているんだろうな』と、安倍総理に問い質した。南シナ海問題は、日本にとっても、いよいよ対岸の火事ではなくなってきた」

 たしかに、南シナ海が中国の「内海」となれば、中東から日本へ至るシーレーンを中国が支配することになり、日本の生殺与奪を中国に握られる。南シナ海問題を、日本の問題として考える時が来ている。

  <付記>
日増しにヒートアップしていく南シナ海問題。習近平政権は、なぜここまで強引に南シナ海を取りにくるのか。その狙いについて詳述した新著です。どうぞご高覧ください! 

 『パックス・チャイナ 中華帝国の野望』
著者: 近藤大介
(講談社現代新書、税込み918円)
南沙諸島や尖閣諸島を巡る強硬な外交で、周辺国やアメリカと軋轢を生んでいる習近平政権。「海の万里の長城」を築き、大海洋国家を目指す習近平の野望ははたして実現するのか!?


エリザベス女王に嫌われてもどうでもいい中国の本心
JBpress 6月7日(火)6時15分配信

 厳戒態勢の中で行われた伊勢志摩サミットは大きな混乱もなく無事に閉幕した。G7=主要7か国の首脳会議は、世界の経済や平和について話し合う会議であり、第1回会合はG5として1975年にフランスのランブイエで開かれた。その後、イタリアとカナダが加わってG7になり、1998年からはロシアが加わってG8となった。ただ、ウクライナ問題が原因でロシアの参加は2014年から停止されている。

世界経済のエンジンが逆回転、原因は中国の・・・

 一度はロシアもメンバーになったくらいだ。世界第2位のGDPを誇る中国にも十分に参加資格がある。正式メンバーになりたい。中国は心の底ではそう考えているはずである。また、現在G7のメンバーだって世界経済について話し合うのであれば、中国を仲間に入れた方がよい。そう思っているはずだ。

 だが、それは今のところ表立った動きにはなっていない。そして、習近平が主席になってから、中国を正式メンバーに加えようとする動きはどんどん弱くなっているように思える。その最大の原因は南シナ海を巡る問題だろう。

 今回の会合では南シナ海での中国の動きに対して国際法を順守するように苦言を呈したが、中国はこれに対して強く反発している。これでは先進国会議の正式メンバーになるどころが、一時は招待されていたように、客人として迎えられることも難しいだろう。

■ 不思議なキャンペーン「中国の夢」

 中国を見ているとその発想に古さを感じることが少なくない。そして習近平政権になってから、その度合いは加速しているように思える。

 その良い例が「中国の夢」と言う不思議なキャンペーンである。「夢」が具体的に何を指すのか明らかにされていないが、清朝以来の屈辱の歴史を晴らして、世界に冠たる大国として振る舞うことを「夢」と称していることは確かなようだ。南シナ海の環礁の埋め立てもその延長上にあると思ってよい。

 だが、少し冷静に考えれば、その「夢」は帝国主義が跋扈した19世紀の発想であることは明らかである。人やモノや情報が自由に行き来する21世紀に、領土拡張を目的に南の環礁を埋め立てて軍事基地を作るなどという発想は尋常ではない。

 現代社会では、無人島を無理やり占領して軍事基地を作っても、得られるものはほんの僅かだ。海底油田の領有を強調する向きもあるが、南シナ海から得られる石油や天然ガスは僅かなもの。

 そして、原油価格が低迷する昨今、海底から石油を生産することは現実的ではない。遠い将来を考えても、南シナ海を領有する経済的なメリットはほとんどないと言わざるを得ない。
 
 経済的なメリットがないのに、中国はなぜこのように世界から嫌われる行動をとるのであろうか。

 現に、多くの国が中国を嫌い始めている。日本だけではない。ベトナムやフィリピン、そして穏健な外交政策を推し進めていたオバマ大統領でさえも、南シナ海の環礁埋め立てに怒り、軍艦を派遣する事態にまで発展した。

 中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)への参加を表明し、良好な関係が喧伝されていたイギリスも、エリザベス女王が先の習近平の訪問を非礼と酷評したように、中国を嫌い始めている。中国の外交は世界中で失敗している。

■ 中国にとって周辺国は野蛮人

 なぜ、このようなことになってしまったのであろうか。その答えは中国の歴史にあると考える。それはアヘン戦争以来の屈辱の歴史ではない。東洋の大国として君臨してきた3000年の歴史である。

 世界は中国とその周辺の小国から成り立つ──これが中国人の世界観だ。周辺の国は小さくてかつ野蛮だ。時に西域や北方の国が武力で中国を侵略することがあったが、そのような強国でさえ文化を持たない国として馬鹿にしてきた。

 実際、西域や北方の軍事強国も、満州族が中国を乗っ取って清朝を樹立すると満州族自身が中国化してしまったように、文化の面では中国を尊敬してきた。

 そんな歴史を持つ国である。中国にとって外交とは周辺の野蛮人との交流を意味する。だから、外交を重視していない。

 現在、中国の外務大臣は王毅だが、彼は中国共産党では約200人いる中央委員の1人に過ぎない。China7(政治局常務委員)どころか、18人いる“平(ひら)の政治局委員”でもない。そのような軽量級の人物に外交を担当させている。

 中国が外交を軽視している証拠である。なお、王毅より序列が上の政治局委員は北京、上海、重慶の市長や広東省の書記を務めており、日本でいえば都知事や大阪や京都の府知事、また北海道知事の方が外務大臣より序列がずっと上ということになる。

 外交より内政が大事。これが中国政治の現実である。共産党が政権を担当しているからではない。中国の歴史がそうさせている。自国が世界で一番優れていると思い込んでいるから、他国の指図は受けない。また、一度言い出したら改めることはない。

 これは広大な国を治める上で考え出された知恵である。中国の歴代王朝が周辺の国や民衆に妥協することはなかった。論語にある“由らしむべし知らしむべからず”が中国の伝統である。

 世界第2位の経済力を誇るようになった中国は対外関係についても、その伝統を踏襲するようになった。そうであれば、エリザベス女王でなくとも、中国の外交使節に接する人びとが中国人をとても非礼な人びとだと思ってしまうのは仕方がないことであろう。

■ 「中国人」とは仲良くなれても

 本稿は、なにも中国を非難しようと思って書いているわけでない。筆者は何人もの中国人留学生を教えてきた。その一部とは今も交流している。中国人は世界の中で特に変わった人びとではない。

 最近、JBpressで人気を集めている“中国人家族の日本訪問記”(「ここに来て伊勢丹ですか! 中国人家族が京都で紛糾」jbpress.ismedia.jp/articles/-/46937 ほか)に見られるように、ごく普通の人たちである。たしかに、ちょっとガサツで厚かましいところもあるけれど、微笑ましい家族愛に満ちた人びとだ。

 だが、それが政府となると途端に強硬な態度を取る。それに対して、日本だけでなく世界が辟易とし始めた。

 世界は多様である。現代の世界で、中国の皇帝だけが天帝の意を受けて即位したのだからその他の国は中国皇帝を敬いその意に沿うべきだ、などといった考えが通じるわけはない。外交は妥協の産物である。相手の言うことを聞くことは外交的敗北ではない。この道理を理解しなければ、中国が国際社会で生きていくことは難しい。

 GDPが世界第2位になったと言っても、1人当たりのGDPは8000ドルに過ぎず、いまだ中進国の域に留まる。その段階で歴史意識に目覚めてしまい、“中国の夢”を語り始めたことは、その進路を不安定なものにしている。

 中国では既にバブルの崩壊が始まっている。筆者は急激な崩壊はないと考えるが、それでも投資に重点を置いた成長を続けられないことは明らかであろう。

 今後、成長するにはサービス産業を充実させなければならないが、それには世界と交流し、また言論の自由を保障することが欠かせない。そのような時期に、自分の論理だけを声高に叫んで南シナ海の問題を悪化させ、G7に入れてもらえないことは、中国の国益を大きく毀損している。

 その行動が短期的な政治的理由ではなく歴史意識に基づいているだけに、中国がちょっとやそっとのことで対外姿勢を軟化させることはないだろう。そうであれば、中国は永遠に主要国首脳会議のメンバーになれない。そして国際的に孤立してしまえば、今以上の繁栄することも難しい。

 中国は自ら日本の“嫌中派”が喜ぶような道を選択して、それを突き進み始めたようである。


南シナ海で防空識別圏設定なら「挑発的行為」、米国務長官が警告
ロイター 6月6日(月)10時25分配信

[ウランバートル 5日 ロイター] - ケリー米国務長官は5日、中国が南シナ海で防空識別圏(ADIZ)を設定すれば、米国は「挑発的で不安定化を招く行為」とみなすとの考えを示した。

ケリー長官は訪問先のモンゴルで、こうした行為は「緊張を高め、南シナ海の領有権をめぐる対立に外交的に対応するという中国の確約に疑問を投げかけることになる」と指摘。「中国が挑発的で一方的な行為を取らないよう求める」と述べた。

ケリー長官はモンゴル訪問後に中国を訪れる予定。

中国は2013年に東シナ海にADIZを設定し、日米から批判を受けていた。


G7首脳宣言に中国が反発するワケ
Wedge 6月5日(日)12時30分配信

 2016年5月27日に発表されたG7 伊勢志摩首脳宣言の中で、中国が名指しで批判されることはなかった。

 首脳宣言は、ただ、「我々は,東シナ海及び南シナ海における状況を懸念し,紛争の平和的管理及び解決の根本的な重要性を強調する」と述べたに過ぎない。中国に対するけん制というよりも、当事国全てに向けられた要求でもある。それにもかかわらず、中国が反発するのはなぜなのだろうか?

欧州は中国を「脅威」と認識していない
 宣言は、さらに続けて、「我々は,海洋安全保障に関するG7 外相声明を支持する」という表現を用いている。「海洋安全保障に関するG7外相声明」は、G7伊勢志摩サミットに先立つ4月11日に、G7外相会談において出されたものだ。この時も、中国外交部は敏感に反応している。

 「外相声明」は、「我々は、東シナ海及び南シナ海における状況を懸念するとともに、紛争の平和的管理及び解決の根本的な重要性を強調する」と述べて、南シナ海問題を提起した。「首脳宣言」は、「外相声明」と同様の表現を用いたのである。

 一方、「外相声明」は、「我々は、現状を変更し緊張を高め得るあらゆる威嚇的、威圧的又は挑発的な一方的行動に対し、強い反対を表明するとともに、すべての国に対し、大規模なものを含む埋立て、拠点構築及びその軍事目的での利用といった行動を自制し、航行及び上空飛行の自由の原則を含む国際法に従って行動するよう要求する」と、さらに突っ込んだ内容になっている。

 この部分について、中国国内でも、中国をけん制しているという見方が多く、反発につながったのだ。しかし、「首脳宣言」ではその内容を繰り返さなかったことからもわかるように、G7は中国を刺激したくなかった。と言うより、そもそも欧州各国は、中国に対する脅威認識を、日本と共有していない。

 欧州で開催される安全保障に関する会議などでの、欧州各国の国防部や軍、さらにはNATO関係者の発言を聞けば、欧州における最大の脅威はロシアであると理解できる。最近では、「脅威は東だけではない」と言い始めた。「東」とはロシアのことだ。そして、「脅威は南からもやってくる」という。

 「南から」やってくるのは、大量の難民であり、それに紛れ込むテロリストである。そして、問題の根源となっている中東である。しかし、欧州の意識が届くのは、せいぜいここまでだ。中国に関する問題は、経済の問題が主であり、安全保障上の問題としては形式的に少し触れる程度に過ぎない。

 日本が、「中国は脅威だ」と言ったところで、欧州諸国はそれを肌感覚として理解できないのだ。欧州諸国の、「ウクライナに実質的な軍事侵攻を行った」というロシアに対する恐怖感が、日本人にはピンと来ないのと同様である。そこで、最初の疑問になる。中国に対する配慮が示されたにも関わらず、なぜ、中国は反発したのだろうか?

中国がこだわる「国連」の枠組み
 実は、中国が反発しているのは、宣誓の内容というよりも、G7の枠組みについてなのだ。中国が国際秩序を形成する際に使用したい枠組みは、G7ではなく、国連である。なぜなら中国が戦勝国としてのステータスを保持しているからである。中国は、国連安全保障理事会の常任理事国だ。

 日本語では「国連」と名前を変えたこの組織は、そもそも集団安全保障の共同体である。第2次世界大戦の反省を踏まえて、日本やドイツのような「悪者」がまた戦争を起こしたら、「国連」が、すなわち、戦勝国であり戦後世界を牛耳る安保理常任理事国が、この「悪者」をやっつけることを目的としている。日本語とは異なり、英語でも中国語でも名称は変わっていない。「連合国」である。

 中国は戦勝国である。といっても、1945年に第2次世界大戦が終結したとき、中華人民共和国、すなわち現在の中国は、まだ成立していなかった。中華人民共和国の成立は1949年。中国は、戦勝国のステータスを引き継いだが、国力が不足していたこともあり、戦後の国際秩序構築に十分に関わることができなかった。

 中国は、現在の国際秩序は欧米諸国によって都合のよいように構築されたと考えている。だからこそ、中国外交部の、「現在の国際関係は不平等が突出している」といった発言になるのである。経済発展によって国力をつけてきた今こそ、戦勝国たる中国が、国際秩序形成に関わるべきだと考えているのだ。

 そのために使用される枠組みは国連でなければならない。中国には、国際秩序形成に関わる権利があるという認識でもある。ところが、戦後の国際秩序は、すでに経済を回復した先進諸国によって固められてきた。G7は、この先進諸国によって形成される枠組みだ。

 中国は、先進7か国に含まれていない。そして、「あろうことか、敗戦国である日本が含まれている」のである。G7が国際秩序形成の主役になるというのは、中国にとっては許せない。中国は、戦勝国であるにもかかわらず、国際秩序形成において影響力を行使できないまま、「不当に」抑え込まれるという意味だからだ。

 中国の、G7に対する憎しみにも似た反発は、今回の伊勢志摩サミットに対する中国国内の論調からも窺うことができる。中国のネット上では、「G7の言うことは気にする必要がない。中国は南シナ海や東シナ海の開発を進め、力をつけるためにまい進すれば良い」、「中国はG7の存在がなくても中国は世界一の大国になれる」、「G7は世界の将来が見えていない。日米はすでに衰退している」、「G20でやり返してやる」と、批判一色だ。

議長国・日本への批判も
 こうした、子供じみた中国国内の反発に反応したところで意味がない。しかし、日本は、G7サミットを主催したからと言って、安穏としていて良い訳でもない。日本は、欧州諸国と情勢認識を共有できていないことを真剣に考えなければならないのだ。中国に対する脅威認識について、日本と欧州諸国に差があることは述べたとおりだが、国際経済の状況についても、日本と欧州の認識の差は明らかだった。

 純粋に認識の差があるだけなら、まだ良いかも知れない。今回のサミットで、日本が「リーマンショック以来の危機」であるかのような表現を用いたことについて、欧州各国の首脳から批判が出ていると報じられている。

 さらに、「G7伊勢志摩サミット議長記者会見」において、安倍首相が日本の国内問題である消費税引上げの問題に触れたことも、一部の海外メディアに違和感を以て報じられた。「消費増税延期の口実」にG7サミットが利用された、というのである。

 どの国も多かれ少なかれやっていることであるとは言え、日本が、国内問題処理の口実としてG7の枠組みを利用した、と認識されるのは、日本にとって決して良いことではない。欧州各国の日本に対する評価を下げてしまうことにもなりかねない。日本が孤立してしまっては、国際社会における日本の主張が通らなくなる。

いかに国際社会の支持を獲得するか
 一方の中国は、最近になって、「世界40か国以上が、南シナ海における中国の立場を支持している」と主張している。中国も、国際社会から孤立しては、中国が求める国際秩序の変更がおぼつかないことを理解しているのだ。

 現在、米国、日本、中国は、国際社会における支持の獲得競争を展開しているとも言える。軍拡競争よりはましだ、と言えるかもしれないが、国際社会における支持の獲得においても、中国を侮って良い訳ではない。

 中国は、米国のシンクタンク等にも巨額の資金を投じていると言われる。国際会議等において、米国の研究者等から、「中国は国際社会に対する挑戦者ではない」といった発言や、「日本が核武装するかもしれない」といった、まるで他人ごとのような発言が聞かれることもある。

 日本は、すでに、米国との同盟関係を安全保障の基礎という決断をしている。米国の核の傘に守られることによって、日本は核武装をしないという選択をしてきた。万が一、米国の、「日本を防衛する」という意欲が下がったら、日本の安全保障は根底から揺らぐことになる。

 国際社会とともに国際秩序を維持し、平和に貢献するために、日本は中国と同様の手法で各国の支持を獲得しようとする必要はない。しかし、日本が国際社会の中で何を求め、どのように貢献するのかは明確にしなければならない。日本も、国際社会の中で孤立しては生きていけないのである。


焦点:南シナ海で態度を硬化、マレーシアは「親中国」返上か
ロイター 6月4日(土)21時23分配信

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 6月1日、マレーシアは、経済と安全保障のバランスを模索しつつ、さまざまな戦略を進めている。写真は中国の沿岸警備艇。南シナ海で2014年3月撮影(2016年 ロイター/Erik De Castro)

[ミリ(マレーシア) 1日 ロイター] - マレーシアのサラワク州沖で3月、同国の沿岸警備艇が大型の船舶を確認した。乗組員たちは仰天した。その船が警告のサイレンを響かせながら、高速でこちらに突き進んできたからだ。その後、同船が針路を変えると、船腹に「中国海警局」の文字が刻まれているのが見えた。

マレーシア海上法令執行庁(MMEA)の当局者によれば、油田で潤うミリ市沖合の南ルコニア礁付近では、以前にも中国海警局の艦艇が何度か目撃されている。だが、今回のように攻撃的な遭遇は初めてだという。

「私たちからは、恐らくこちらをどう喝するために突進しようとしているように見えた」とある当局者は言う。この人物は、公的に発言する資格はないものの、ロイターの取材に対して、これまでに報道されていなかった同事件を記録した動画を見せてくれた。

この事件の他にも、同じ時期に当該海域に100隻ほどの中国漁船が現れたことに刺激されて、マレーシア国内の一部では、強大な隣国である中国に対し、従来は控えめだった批判を強めつつある。

ある上級閣僚は、南シナ海で領有権をめぐる対立が起きている岩礁・島しょの周辺で中国が力を誇示しているなかで、マレーシアはこうした領海侵犯に対抗しなければならない、と話している。

フィリピン、ベトナムなど、南シナ海での領有権紛争に関与している諸国は、以前から中国の強引な姿勢への警戒心を強めていた。米中間の対立も高まっており、この2つの大国は、年間約5兆ドル(約540兆円)もの貿易を支える重要な水路を軍事化しているという非難を応酬している。

だがマレーシアの場合、中国との「特別な関係」を掲げ、また貿易と投資への依存度が高いため、従来、この地域での中国の活動に対する対応は、西側諸国の外交関係者から「控えめ」と表現される程度のものだった。

サラワク州から50カイリも離れていないジェームズ礁で2013年・2014年の2回にわたって中国が実施した海軍演習についても、マレーシアは重要視しなかった。さらに2015年には、中国海警局の艦艇の武装船員による威嚇行為があったとしてミリ市のマレーシア漁民が懸念する声を挙げたが、おおむね無視された。

<漁業紛争>

ところが3月に多数の中国漁船が、領有権が争われている南沙(スプラトリー)諸島の南方にあり、豊かな漁場の広がる南ルコニア礁付近に侵入した際には、マレーシアは海軍艦艇を派遣し、中国大使を召喚して説明を求めるという異例の動きを見せた。

中国外務省は、「関連の水域」において自国の漁船が通常の漁業活動を行っていただけであるとして、事態を重要視しなかった。

わずか数週間後、マレーシアはミリ市の南にあるビントゥル付近に海軍の前進基地を設ける計画を発表した。

マレーシアの国防相は、この基地にはヘリコプター、無人機、特殊部隊を配備し、過激派組織「イスラム国」に同調する勢力が自国の豊かな石油・天然ガス資産を攻撃する可能性に対処することが目的だと強調している。しかし、そうした勢力が拠点としているのは、北東方向に何百キロも離れたフィリピン南部だ。

一部の当局者や有識者は、この基地の設置に関してもっと大きな要因となっているのは、サラワク州沖における中国の活動だと話している。

「石油・天然ガス資産の安全保障を強化する場合、国家・非国家双方の脅威に対して防衛することになる。だから、国防相の発言にもいくばくかの説得力はある」と語るのは、シンガポールの東南アジア研究所(ISEAS)で南シナ海問題を専門とするイアン・ストーリー(Ian Storey)氏。

「だが、ダーイシュ(イスラム国の別称)対策が本来の動機だろうか。私にはそうは思えない」とストーリー氏は言う。

マレーシアの態度硬化を裏付けるように、上級閣僚の1人はロイターの取材に対し、「領海侵犯には断固たる行動を取らなければならない。さもなければリスクが容認されたことになってしまう」と話している。

デリケートな問題だけに匿名を希望しつつ、この閣僚は、3月にマレーシアが見せた対応と、その数日前に隣国インドネシアで起きた同様の事件との対比を強調した。

「インドネシアの水域に侵入した中国漁船は、ただちに追い払われた。しかし中国の船舶がわが国の水域に侵入しても何も起きない」とこの閣僚は言う。

マレーシア議会では先月、副外相が他の東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国と同様にマレーシアも中国の主張する悪評高い「九段線」を認めていないことを繰り返した。中国は「九段線」を掲げて、南シナ海の90%以上の水域について自国の権利を主張している。

<限られたオプション>

MMEA当局者の説明する事件について、中国外務省は、中国・マレーシア両国は対話と協議を通じた海事紛争の処理について「高いレベルのコンセンサス」を共有している、と述べている。

同省の華春瑩報道官は、「この件については引き続きマレーシアと緊密な連絡を取る予定だ」としている。

マレーシア政府がさらに強硬な姿勢を取ることに及び腰なのは、マレーシアが中国に大きく依存していることからある程度説明できるかもしれない。

中国はマレーシアにとって最大の輸出先であり、マレーシアはASEAN10カ国のなかで中国からの財・サービスの輸入が最も多い。

また複数の中国国有企業は昨年、マレーシアの政府系投資ファンド1MDBから数十億ドル相当の資産を購入している。1MDBは債務超過に苦しんでおり、ナジブ首相にとって大きな悩みの種になっていた。

マレーシアの国内問題への中国の影響力も、マレー人が多数を占める国家にとって常に懸念事項となっている。マレーシアの中国系住民は人口の約4分の1を数える。

昨年9月、中国・マレーシア両国の外交関係に緊張が走った。マレー系住民によるデモに先立って駐マレーシア中国大使が首都クアラルンプールにあるチャイナタウンを訪れ、「中国系住民の権利に影響するような行動に対しては、中国政府は遠慮なく批判させてもらう」と警告したのである。

大使は召喚され、発言について説明を求められたが、中国外務省は大使を擁護している。

マレーシアは、監視・防衛能力を強化する一方で、2002年に中国とASEAN諸国のあいだで調印された行動規範の履行を推進するなど、経済と安全保障のバランスを模索しつつ、さまざまな戦略を進めている。

さらに注意を要する選択肢としては、米国との軍事提携の強化がある。

ある政府高官はロイターに対し、「マレーシアは、中国政府を刺激しないようひそかにではあるが、情報収集に関する支援と沿岸警備能力の強化に向けて米国に打診を行っている」と話した。

前出のストーリー氏は、中国に対して強引な領有権の主張を控えるよう説得を試みるソフト外交と合わせて、米国との軍事提携の強化を確保する動きがあるかもしれないが、それでも問題解決は困難だろうと話す。

「こうした戦略のどれも、大きな成功を収めているわけではない。だが他に何ができるだろうか」とストーリー氏は言う。「この領有権をめぐる争いは非常に長引くだろう」

(Joseph Sipalan記者、翻訳:エァクレーレン)


南シナ海問題、「海洋秩序を著しく逸脱」と中谷防衛相
ロイター 6月4日(土)13時1分配信

[シンガポール/東京 4日 ロイター] - 中谷元防衛相は4日、南シナ海で人工島を造成する中国を「国際法の原則に基づく海洋秩序を著しく逸脱する」とけん制した。そのうえで、地域の安定に向け日本が関与を強める姿勢を示した。シンガポールで開催中のアジア安全保障会議(シャングリラ対話)の講演で語った。

中谷防衛相は、中国を名指しすることは避けたものの、南シナ海で大規模な埋め立てと軍事拠点化が進んでいることに言及。「現状変更やその既成事実化は、国際法の原則に基づく秩序への挑戦にほかならない」と非難した。

これまで中国側は「南シナ海での主権と海洋権を守る権利がある」(鄭沢光外務次官)とし、日本や米国など域外国が関与すべきでないと主張してきた。しかし、中谷防衛相は「領有権を争う当事者の問題にとどまるものではなく、いかなる国も部外者たりえない」と語った。

そのうえで、東南アジア諸国による海上の監視能力向上を支援する必要があると指摘。日本がフィリピンに海上自衛隊の航空機を貸与する例を挙げ、「装備協力といったハード面での支援とともに、教育や訓練といったソフト面での支援も実施する、日本ならではの持続的な取り組みを進めていく」と語った。

また、フィリピンが中国との紛争解決に向けて仲裁裁判所に提訴したことを念頭に、「関連の裁判所によって下されたあらゆる決定は、関連する国際法に従い紛争当事国により完全に履行されなければならない」と述べた。

仲裁裁判所は近く判決を下す見込み。中国は、いかなる判決も受け入れないと主張している。

中谷防衛相は北朝鮮の核とミサイル開発にも言及し、米オバマ大統領の広島訪問に触れながら、「核兵器のない世界の実現に向けたメッセージを国際社会は重く受け止めなければならない」と語った。日米韓の3カ国で弾道ミサイルに対する警戒演習を6月中に実施することも明らかにした。

(北野将之、久保信博 編集:田巻一彦)


次期比大統領ドゥテルテ氏、南シナ海の権利では譲歩せず
ロイター 6月3日(金)19時21分配信

[ダバオ 2日 ロイター] - フィリピンの次期大統領ロドリゴ・ドゥテルテ氏は2日、中国と領有権を争う南シナ海のスカボロー礁(中国名・黄岩島)について、自国の権利を譲ることはないと述べた。

「スカボロー礁をめぐる領有権で譲ることは決してない」と、同氏は駐フィリピン中国大使との会談後の記者会見で指摘した。

「これは領土問題ではない。中国が行っている建設工事で我が国が妨害を被っている。同礁は我が国の排他的経済水域(EEZ)内にあり、国連海洋法条約で保護されている権利を我々は自由に行使できない」と述べた。

先月の比大統領選で勝利した前ダバオ市長のドゥテルテ氏は、南シナ海をめぐる領有権問題の平和裏な解決に向け、多国間協議を推進していく意向。


中国の「不戦而勝」戦略に勝つための処方箋
JBpress 6月3日(金)6時10分配信

 本稿は、4月20日付の拙稿「中国への見方を大きく変えた米国、日本は再評価:2030年のグローバルトレンドと日米対中国戦略」(http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46626)の続編である。

 前稿では元太平洋軍司令官デニス・C・ブレア大将の論文“Assertive Engagement:AN UPDATED U.S.-JAPAN STRAREGY FOR CHINA(主張する関与:最新の米国および日本の対中国戦略)”を紹介し、その中国認識と日米共通の対中国戦略「主張する関与」について紹介した。

 ブレア大将は、米国の同盟国としての日本の重要性を深く認識した上で、日米同盟関係を背景として「日米共通の対中国戦略を構築すべきである」と主張している。

 わが国にとっては非常にありがたい主張であると同時に、日本の真価が問われる厳しい主張でもある。さて、本稿ではブレア論文などを踏まえて、前稿で予告した具体的な対中国戦略についてその一端を、特に南シナ海情勢を焦点に紹介する。

■ 1 台頭する中国への対応は米国を中心とした対中連合が基本

 中国は、海洋強国を宣言しているが、一帯一路構想などを見ると大陸国家と海洋国家の二兎を追っているように思えてならない。

 しかし、アルフレッド・セイヤー・マハンが主張するように大陸国家と海洋国家の両立は難しく、中国は大風呂敷を広げすぎてしまっているのではないかというのが筆者の評価である。

 また、中国は東シナ海と南シナ海の2正面作戦を実施している。わが国は、尖閣諸島を巡り中国と領土問題を抱えるが、東シナ海の問題は南シナ海問題と密接不可分な関係にあることを認識する必要がある。

 わが国は、東シナ海問題を巡り単独で中国と対抗する愚は避けるべきであり、米国などと協力して中国の2正面作戦を余儀なくさせ、その弱点を利用することが重要である。

 中国は、南シナ海で九段線を根拠に過大な領土要求を実施し、人工島を建設しその軍事拠点化を進め、米軍の航行の自由作戦にも抵抗するなど確かに手強い。

 手強い中国に対しては、米国でさえ単独で対応するには荷が重く、米国を中心とした対中連合(coalition)で対処することが基本戦略となる。その連合は、米国を中心として日本、オーストラリア、フィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシア、台湾などで構成すればいい。

 中国は、現在、経済の失速に伴う諸問題に直面しているし、権力闘争も激化している。過去の経済力、特にお金の力を利用した膨張的な対外政策は曲がり角に来ている。さらに、中国は、領土問題を抱える周辺諸国すべてと対立関係にある。

 米国を中心とする対中連合により、中国の強圧的な政策をより協調的な政策に転換させる必要がある。

 以上が筆者の基本的な認識であるが、この認識は日本政府が現在実施している諸施策と一致していると思う。

 伊勢志摩サミットにおいて、中国の強烈な反発を受けながらも東シナ海問題や南シナ海問題を討議したことに賛辞を送りたい。そして、バラク・オバマ米大統領のベトナム訪問とベトナムへの武器輸出禁止の解除は対中連合形成にとって大きな成果である。

 以下、日米共通の対中国戦略について説明する。

■ 2 不戦而勝(戦わずして勝つ)

 本稿においては、「不戦而勝(ふせんじしょう)」(中国語で「不战而胜」)をキーワードとして、中国の強圧的な台頭にいかに対処するかを考えてみる。

 「不戦而勝」は、孫子の兵法の「戦わずして勝つ」を出典とするが、中国の専売特許ではなく、米国をはじめとして多くの国で活用されている。なぜなら、不戦而勝は各国の抑止戦略そのものであるからである。

 冷戦終結後の戦略環境では、経済的な相互依存関係などにより大国間の戦争の蓋然性が低下していると言われている。

 軍事力を使った戦争が不可能であれば、各国はいかにして自らの国益を防護し実現していくか。その方策が「戦争には至らない手段を駆使して相手を屈服させる」戦略、つまり「不戦而勝」戦略なのである。

 中国は、米国との決定的な軍事衝突を避けて、目的を達成しようとしている。現時点で、中国の軍事力が米国の軍事力よりも劣っていると認識しているからである。

 私が注意喚起したいしたい点は、中国はぶれることなく長期にわたり「不戦而勝」戦略を貫徹している点である。だから手強いのである。

 日本をはじめとする民主主義国家においては、政権が交代するたびに安全保障政策が変わり、長期にわたる一貫した安全保障政策の追求が困難である。しかし、マイケル・ピルズベリーが「100年マラソン」で指摘するように、中国は100年単位の長期的スパンで終始一貫した政策を追求してきたのである*1
。 中国は、「不戦而勝」の考えに基づき、軍事力の直接的な使用を避け、非軍事的な手段を用いて中国の国益を追求する戦略を採用している。

 その具体的な方策が、地経学(geoeconomics)、サラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)、「戦争には至らない準軍事的作戦」[POSOW(Paramilitary Operation Short of War)]、サイバー戦、三戦(世論戦、心理戦、法律戦)などの活用である。

 前述のブレア論文のみならず、ワシントンDCに所在する著名な安全保障関係シンクタンクの各種論文、例えばCSISとSPF USA共同の“The U.S.- Japan Alliance to 2030”、ランド研究所の“The Power to Coerce”*2
(強制のためのパワー)、カーネギー国際平和基金に所属する戦略家アシュレイ・テリスの“Balancing without Containment*3
”などの対中国戦略の結論も不戦而勝である。 そもそもこれらの論文の前提が「戦争以外の方法で中国の強圧的な台頭をいかに抑止し、いかに対処するか」であるがゆえに、経済、外交などの非軍事的手段を使った活動などに焦点を当てた政策が多い。結果的に中国の「不戦而勝」と米国の「不戦而勝」の戦いの構図となっているのである。

 米国における戦争以外の方法で対中国戦略を考えるトレンドの背景には、オバマ大統領の対外政策の特徴である「世界の諸問題の解決において、まず外交などの非軍事的な手段で対処し、軍事力の使用を努めて避ける」という方針があると思う。

 このオバマ大統領の非軍事的な手段による問題解決には米国内でも賛否両論がある。

 ブレア論文をはじめとした各論文に共通するのは、オバマ大統領の対中国関与政策が軟弱すぎて効果的ではない、より強い関与政策が必要であるという主張である。

 オバマ政権7年半にわたる対中政策は、中国の「不戦而勝」戦略により、特にサイバー戦および南シナ海問題において敗退してきたというのが筆者の結論である。

 それでは今後、いかなる不戦而勝戦略をもって対処すべきかを考えてみたい。まず、ランド研究所の“The Power to Coerce”の論文を紹介しながら議論を進めていく。

 *1=Michael Pillsbury、“The Hundred-year Marathon”

 *2=David C. Gompert、Hans Binnendijk、The Power to Coerce、 RAND Arroyo Center

 *3=Ashley J. Tellis, Balancing without Containment, Carnegie Endowment for International Peace

■ 3 強制力(P2C)の活用(ハードでもソフトでもない第3のパワー)

 ランド研究所の“The Power to Coerce”に記述されている「目的達成のためのパワー」(下図1を参照)を見てもらいたい。

 パワーを単純に区分すると、ハードパワー(軍事力)と、ソフトパワー(文学・美術・教育などの文化、民主主義などの価値観、国家が採用する人権政策などの政策)になる。

 しかし、ランド研究所のユニークな点は、強制力(P2C:Power to Coerce、例えば経済制裁などの地経学的手段)という造語を導入した点であり、このP2Cを不戦而勝の手段として駆使しようというのである。

 米国の意思を中国に強要するために、ハードパワーである軍事力を使い戦争を実施するという選択肢はあるが、ハイリターンの可能性がある一方で、あまりにもハイリスクでハイコストであり、現時点で採用できない選択肢である。

 ソフトパワーは、ローリターンであるが、ローリスク、ローコストであり、各国において頻繁に使用されている。

 P2Cは、その中間で、ハイリターンであるが、ローリスク、ローコストで必要な時にいつでも実施できる非暴力の手段で、時に軍事力の代替となり得る。

 P2Cの手段としては、地経学的な要素が中心で、例えば経済制裁、兵器・技術の禁輸、エネルギーの供給または停止、攻撃的サイバー戦、海上阻止行動、敵の敵(Adversaries’ Opponents) に対する支援(例えば、中国と南シナ海の領有権を争うフィリピンに対する支援)などである。

 P2Cは、平時において我が意思を相手に強制することのできる有力なパワーである。

■ 4 地経学(Geoeconomics)による対処

 ここで、P2Cの代表的な手段である地経学的手段について考えてみる。

 地経学は、地政学と共に長い歴史を持ち、国家安全保障戦略の重要な要素である。最近、地経学の重要性が再認識されているように思う。例えば、オバマ大統領が多用する経済制裁の発動(クリミアを併合したロシアに対する経済制裁)や経済制裁の解除(イラン核合意に伴う経済制裁の解除)はその典型例である。

 そして、地経学の復権を象徴するかのように、著名なシンクタンクCFR(Council on Foreign Relations:外交問題評議会)に所属するロバート・ブラックウィル(Robert D. Blackwill)とジェニファー・ハリス(Jennifer M. Harris)*4
の共著で出版された“ War by Other Means(他の手段による戦争)”は読むに値する良書である。以下、“ War by Other Means”を紹介しながら対中不戦而勝戦略を考えてみる。 ●地経学とは何か? 

 地経学とは、「国益を増進し防護するためおよび有益な地政学的結果を得るために、経済的手段を使用することや、ある国の地政学的目標に対する他の諸国の経済的活動の効果*5
」を研究する学問である。 ●主要な地経学の手段

 貿易政策、投資政策、経済制裁、サイバー戦(例:中国が米国などの企業秘密を窃取するために実施しているサイバー戦による情報窃取)、経済援助、財政および金融政策、エネルギーおよび商品(commodities)を管理する国家政策(例:ロシアが欧州に対する天然ガスの供給を政治的理由により50回以上停止した)、主要な地経学的資質(例:対外投資をコントロールする能力、国内市場の規模・国内市場をコントロールする程度)

 ●地経学に基づく政策的処方箋

 ブラックウィルとハリスは、20もの地経学に基づく処方箋を提示しているが、主要なもののみを列挙する。

 米国の力強い経済成長、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の批准、政治的・軍事的脅威に焦点を当てた同盟国の地経学的行動、中国に対処するための長期的な地経学的政策の構築、国家が主導する地経学的なサイバー攻撃への対処である。

 以上のような地経学の政策的処方箋が平時における対中国戦略の中心になる。そして、平時から有事までを含んだ国家安全保障戦略の重要な政策になるのである。

 ●中国による地経学的手段の活用

 中国こそ経済力を徹底的に利用した地経学的手段を使った対外政策を行っている国家である。例えば、北朝鮮に対する経済支援(石油や食糧)は、北朝鮮の崩壊阻止や中国の影響力の保持などを狙いとしていて、朝鮮半島情勢に大きな影響を及ぼしている。

 わが国に対しても何度も経済制裁などを実施してきた。

 例えば、2001年の小泉純一郎首相の靖国神社参拝に反発して、日本車の輸入を年間40~60%削減した。尖閣諸島における漁船衝突事件(2010年)に対する報復として、日本に対するレアアースの対日輸出制限を実施した。

 2011年には日本企業の生産拠点と技術の中国への移転を強要する為に再度レアアースを手段に使った。2012年の尖閣諸島国有化の際には、中国からの経済制裁や日本製品不買運動を受けた。

 さらに、日本の企業特に防衛産業に対するサイバー戦による情報窃取を繰り返しているが、中国によるサイバー戦はわが国にとって現在も大きな脅威となっていて対策が急務となっている。

 しかし、日本は、レアアースを武器とした中国側の攻撃に対して、代替物の開発や入手先の多様化で対応し、結果的にはその後のレアアースの暴落で中国側にも大きな損害が出た。

 また日本は、市場を中国外のベトナムなどに求めたために、中国にとってもマイナスの側面が出てきている。いずれにしろ、中国の経済力を利用した攻撃的な対外政策には、こちらも経済的要素を活用した政策で対抗しなければいけない。

 ●地経学に基づく具体的な対中国政策

 “ War by Other Means”と前述の各シンクタンクの対中戦略を総合して地経学に基づく具体的な対中国政策を導き出すと以下の様な政策になる。

 この政策が対中「不戦而勝戦略」の重要な要素になる。

 改めて強調するが、地経学的な政策は、日本や米国の国家安全保障戦略の核となる重要な要素であり、わが国においても政府およびNSC(国家安全保障会議)を中心として体系的かつ総合的に検討されるべきものである。

 ・地経学的政策に関する日米のコンセンサスの構築。日本単独ではなく、米国との協調が不可欠であり、日米のNSCなどにおける緊密な調整が不可欠である。

 ・強い日本経済および米国経済の維持・増進。これは地経学の基盤である。

 ・米国の同盟国および友好国に対する国力増強を支援[例えば、経済援助、沿岸警備隊(coast guard)の能力構築に対する支援]する。これにより中国のパワーを相殺する。

 ・サイバー戦能力の向上による中国のサイバー戦への実効的な対処を実施する。防御的なサイバー戦のみでは限界があり、より積極的なサイバー戦により中国のサイバー戦を抑止すべき。

 ・中国に対する経済制裁、特に中国のサイバー戦による情報窃取(cyber theft、cyber espionage)に対する経済制裁、WTO(世界貿易機関)の規則に違反した鉄鋼などのダンピングに対する制裁を実施する。

 ・中国に対する投資や技術協力を戦略的に実施する。

 ・中国に対して有利な経済関係を構築する。選択的にグローバリゼーション(TPPやアジアインフラ投資銀行AIIBへの関与など)を深化させ、中国が完全に市場を開放した時のみこれを受け入れる。市場を開放しなければ中国を除外する。

 ・中国国内の民主主義グループに対する支援を実施する。

 *4=Robert D. Blackwill, Jennifer M. Harris, “War by Other Means”, Belknap Press of Harvard University Press

 *5=“War by Other Means”、P20

■ 5 中国の不戦而勝戦略=サラミ・スライス戦略にいかに対処するか? 

 ●中国のサラミ・スライス戦略の成功

 中国の不戦而勝戦略の具体的な戦略の1つがサラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)であり、サラミ・スライス戦略の具体的な作戦の1つが「戦争には至らない準軍事作戦」POSOW(Paramilitary Operations Short Of War)であり、POSOWの具体的な戦術の1つがキャベツ戦術である。それぞれの戦略、作戦、戦術にいかに対処するかを考えていきたい。

 中国の不戦而勝戦略の具体的な戦略は、サラミ・スライス戦略(salami-slicing strategy)である。

 私がサラミ・スライス戦略という言葉を初めて使用したのは、2014年6月末、中華民国の国防部に招待されて国際安全保障フォーラムに参加した時であった。出典は、ロバート・ハディック(Robert Haddick)の “Salami Slicing in the South China Sea”である。

 サラミ・スライス戦略とは、1本のサラミを丸ごと一挙に盗めばすぐにばれるが、薄くスライスして盗んでいけばなかなかばれない。このように、相手の抵抗を惹起しない小さな行動を積み重ねることにより、最終目標を達成しようとする戦略である。

 南シナ海を最終的に中国の海にするために、長い時間をかけて一つひとつの成果を積み重ねてきていて、もしも米国が真面目に介入しなければ、中国の目標は達成されることになるであろう。

 中国の南シナ海や東シナ海におけるサラミ・スライス戦略の経緯を概説する(図2参照)。

 1950年代にフランス軍の撤退に伴い中国がパラセル諸島(西沙諸島)の半分を占拠、米軍のベトナム撤退に伴い75年ベトナム軍との戦いに勝利しパラセル諸島全域を支配、80年代に在ベトナムソ連軍縮小に伴いスプラトリー諸島(南沙諸島)に進出。

 1988年スプラトリー諸島6か所を占領、在フィリピン米軍撤退に伴い95年フィリピンのミスチーフ礁を占拠、2012年にスカボロー礁において中国船とフィリピン沿岸監視船の睨み合いの末にフィリピンが撤退し、中国がスカボロー礁を事実上支配。

 2014年からスプラトリー諸島で大規模な人工島を建設、2015年から2016年にかけて人工島の軍事拠点化(3000メートル級の滑走路の建設、対艦ミサイルや地対空ミサイルの配備など)を進めている。

 これらの事実の一つひとつがスライスされたサラミの一片であり、60年以上をかけて中国の南シナ海の聖域化が進行しているのである。

 人工島については、中国のみが構築しているのではなくて、図3が示すように各国が建設しているが、その規模と機能が圧倒的に違うのである。3000メートル級の滑走路を保有することによりいかなる航空機でも離発着可能となるし、港湾の整備により大型艦艇の利用も可能となる。

 図4を見てもらいたい*6
。各国の航空機がスプラトリー諸島の滑走路を使用した場合の飛行半径である。中国は、ファイアリー・クロス礁の滑走路を洋上監視機Y-8Xが使用したとして1000マイル、爆撃機H-6Gが使用したとして3500マイルの戦闘半径を有する。 また、戦闘機J-11の場合は870マイルの戦闘半径を有する。人工島を利用して何が可能かを以下に数点列挙する。

 ・洋上監視機Y-8X、レーダー設置などによる海上監視能力の向上が期待できる。

 ・やがて対艦ミサイル及び対空ミサイルを配備することによりA2/AD能力の向上が期待できる。

 ・戦闘機部隊の訓練基地とし活用する(日本の硫黄島と同じ)。

 ・中国が海の万里の長城と呼ぶ海底監視網の構築の作業拠点として活用できる。

 ●中国のサラミ・スライス戦略への対処要領

 ・米国が、中国に対して越えてはいけない線(レッドライン)を明確に引き、レッドラインを越えると軍事行動を辞さないことを外交などを通じ中国に警告し続けることが重要である。

 レッドラインの設定と相手がレッドラインを越えた時の軍事行動の決意がないと、中国のサラミ・スライス戦略を打破することはできない。

 中国の狙いは、人工島を領土、その周辺12カイリを領海、その上空を領空であると主張し、その主張を軍事力で強制することである。結果的に南シナ海の大部分が中国の領海やEEZになってしまう。

 米軍のみならずすべての国家の艦船や航空機が航行の自由および飛行の自由を制限される事態になる。

 このような事態は絶対に避けるべきである。中国が尖閣諸島周辺の日本の領海内に侵入をしつこく繰り返しているが、その行動を我々も見習うべきである。

 米国が設定すべき南シナ海におけるレッドラインは、「FONOPを実施する米軍の艦艇や航空機に対する中国PLAによる攻撃」である。FONOPに対する軍事力をもってする攻撃だけは絶対に許してはいけない。

 結論として、米海軍は、航行の自由作戦FONOPを頻繁にしつこく継続することが重要である。

 オバマ大統領は、東シナ海や南シナ海におけるFONOPに関する権限を米海軍に完全に分権し、過度の統制を加えるべきではない。米海軍の行動に連携して海上自衛隊やオーストラリア海軍もFONOPを実施すると一層効果的である。

 ・東シナ海におけるレッドラインは、「航空機による領空侵犯および尖閣諸島への上陸」である。絶対にこの2つを許してはいけない。

 ・さらに、米国を中心として米国の同盟国(日本、オーストラリア、韓国、フィリピン、タイ)と友好国(インドやASEAN=東南アジア諸国連合など)で連合を形成し中国の地域覇権を抑止するべきである。

 ・紛争当事国であるフィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどの対処能力の向上である。当事国自身の自助努力を前提として、日米はこれらの諸国の能力構築に協力すべきである。

 ・日米は、南シナ海の領土及びEEZ問題全ての多国間による解決をサポートすべきである。この行動は、中国を除くすべての関係国の支持を得なければいけない。多国間での解決は、国際規準に則った合理的な解決のための努力であるが、中国をさらに孤立させることになろう。

 ・日米は、伝統的な共同演習、ISR(情報・監視・偵察)を十分な頻度と規模で実施すべきである。その行動は、前例となり権利を確立することになる。

 ・米国は、国連海洋法条約(UNCLOS)を批准すべきである。米国はUNCLOS批准国でないために中国に十分に反対できてない。

 *6=この図では台湾のP-3Cがスプラトリー諸島のItu Aba 島の滑走路を使用したら1549マイルを監視できるとしている

 6 中国の「準軍事組織による戦争に至らない作戦」への対処

 中国は、サラミ・スライス戦略の一手段としてPOSOW(Paramilitary Operations Short Of War) *7
(準軍事組織による戦争に至らない作戦)を南シナ海やわが国周辺海域で多用している。 POSOWの特徴は、軍事組織であるPLAN(人民解放軍海軍)を直接使用しないで、非軍事組織(海上民兵=武装した漁民、海洋調査船)および準軍事組織(中国の沿岸警備隊である海警局)を使用して目的を達成する点にある。

 図5「中国のキャベツ戦術」を見てもらいたい。中国が得意なキャベツ戦術では、以下のような戦術がとられている。

 (1)武装した漁民が乗った漁船で攻撃目標(例えば、フィリピンの漁船、奪取したい島)を取り囲む。

 (2)漁船や海洋調査船の保護を名目に海警局の舟艇が漁船の周りを取り囲む、しばしば相手国の沿岸警備部隊の舟艇の活動を妨害する。

 (3)PLAN(人民解放軍海軍)が海警局の舟艇の外側で、特に相手国の海軍艦艇を警戒監視する。

 中国のPOSOWは日米に対して極めて効果的な作戦である。POSOWは、日米の法的不備をついた作戦である。軍事組織でない漁船や海警局の舟艇に対する直接的な対応が取れない。

 最近の実例を紹介する。

 米太平洋艦隊司令官のスコット・スウィフト大将によると、航行の自由作戦を実施した昨年10月のイージス艦ラッセンと今年1月のイージス艦カーティス・ウィルバーの周辺に海上民兵が乗った船が近寄ってきて、両艦艇を取り囲んだという。

 当然ながら漁船の周辺にはPLANの艦艇がいた。2014年5月、中国が西沙諸島で石油掘削リグをベトナムとの調整なく設置した際にも、キャベツ戦術を活用した。

 それでは、キャベツ戦術をはじめとする中国のPOSOWにいかに対処するか。

 最も重要なことは、紛争当事国であるフィリピン、ベトナム、インドネシア、マレーシアなどの対処能力の向上である。

 海軍・空軍、沿岸監視部隊の能力向上などの当事国の自助努力を前提として、日米はこれらの諸国の能力構築に協力すべきである。日本のフィリピンやベトナムに対する海上保安庁の中古船舶の譲渡や売却は有力な案であるし、共同訓練による能力向上に寄与することも重要である。

 *7=Mohan Malik, “America and China’s Dangerous Game of Geopolitical Poker”, The National Interest, June 18, 2014

 結言

 ワシントンD.C.所在の著名なシンクタンクの提言には、オバマ政権の南シナ海などにおける対外政策があまりにも中国に対して寛容すぎたことへの批判が背景にあり、各シンクタンクの対策は中国に対し厳しいものである。

 私は、オバマ大統領の広島訪問時のスピーチに代表される高邁な人格には敬意を表する者であるが、南シナ海問題に対する米国大統領としての言動や決心には問題があると思っている。

 中国の南シナ海での強圧的行動に対するオバマ大統領の姿勢は、中国に対する配慮が強調され過ぎ、同盟国の懸念や不信感を引き起こしてきた。

 例えば、2014年4月の東アジア訪問における日本やフィリピンにおけるオバマ大統領の言動が典型的であるが、オバマ大統領はフィリピンにおいて、「我々の目標は、中国に対抗しようというものでも、中国を封じ込めようというものでもない。我々の目標は、国際的なルールや基準を尊重することであり、それは海洋における論争にも適用される。そして、我々は、国家間の論争において特定の立場に立たない」と発言している。

 彼の領土問題で中立的であろうとする態度が中国を大胆な行動に駆り立ててきた側面がある。南シナ海の中国の領有権の主張は南シナ海の大部分に及び、周辺諸国の排他的経済水域(EEZ)の大部分を侵害する形になっている。中国の主張がいいかに荒唐無稽であるかが分かる。

 シカゴ大学のミアシャイマー教授は、大国間の勢力均衡において、相手国に明確なレッドラインを明示することの重要性を指摘している。南シナ海や東シナ海におけるレッドラインの設定と中国がレッドライを越えた時の断固たる軍事力の発揮は極めて重要である。

 このレッドラインの設定に関してオバマ大統領は、2013年8月、シリアによる化学兵器の使用はレッドラインを越えるものであると軍事的介入を警告しておきながら、最終的には軍事力の使用を断念してしまい、米国の威信を失墜してしまった。

 二度と同じ過ちをアジアにおいて犯してもらいたくはない。

 結論として、中国に対する不戦而勝戦略の重要な要素が、米国を中心とした対中国連合の構築であり、地経学的手段の活用(経済制裁、経済援助など)、中国のサラミ・スライス戦略に対するレッドラインの設定とレッドラインを越えた場合の軍事力の使用を中国へ明示すること、南シナ海におけるFONOPの継続的かつ頻繁な実施による航行の自由の確保である。

 冒頭で言及したデニス・ブレア大将は、日米同盟関係を背景として日米共通の対中国戦略を構築すべきであると主張している。

 アジアの安全保障を考えた場合、日米同盟が核となって、米国の同盟国や友好国との連携のもとに中国の強圧的な台頭に対処しなければいけないと改めて思うのである。


南シナ海問題、米国は同盟国に肩入れすべきでない=中国外務次官
ロイター 6月2日(木)16時54分配信

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 6月2日、中国の鄭沢光外務次官は、南シナ海問題について、米国は同盟国の考えを基に政策を決定すべきではなく、一方に肩入れしない方針を貫くべきだと述べた。写真は南シナ海の南沙諸島で2014年3月撮影(2016年 ロイター/Erik De Castro)

[北京 2日 ロイター] - 中国の鄭沢光外務次官は2日、南シナ海問題について、米国は同盟国の考えを基に政策を決定すべきではなく、一方に肩入れしない方針を貫くべきだと述べた。

来週の米中戦略・経済対話を控え、フォーラムで述べた。

同次官は、中国には南シナ海での主権と海洋権を守る権利があると主張。「米国は南シナ海問題で権利を主張しておらず、領土問題で特定の立場を示さない方針を示している。われわれは米国がこの方針を貫くことを期待する」と述べた。

同次官によると、楊潔チ国務委員(外交担当、副首相級)は、ケリー米国務長官とこの問題を協議する見通し。


伊勢志摩サミット首脳宣言に猛反発 孤立する中国が狙う反撃は「G20首脳会議」
Wedge 6月2日(木)12時21分配信

 2016年5月27日に閉幕した「伊勢志摩サミット」は恒例の首脳宣言を発表した。

 その中で、注目の南シナ海問題に関しては、国家が国際法に基づき力や威圧を用いないこと、平和的な手段による紛争解決を追求することの重要性を再確認した上で、東シナ海、南シナ海における状況を懸念し、紛争の平和的管理、解決の根本的な重要性を強調した。

 上述の文言は当然、南シナ海における中国の無法な軍事拠点化の動きを強く意識して、それを牽制するものとなっているが、表現としてはサミットの首脳宣言らしく極めて抑制的で、穏やかなものである。

 中国を名指しで批判しないことは、首脳宣言の特徴の一つでもある。しかし大変興味深いことに、中国は自ら名乗り出るがごとくこれに猛反発したのだ。

日本を名指しで批判
 首脳宣言が発表された日の午後、中国外務省の華春瑩報道官は定例記者会見で「強い不満と徹底反対」を表明すると同時に、「今回、日本はG7の主催国である立場を利用して南シナ海問題を騒ぎ立て、緊張した雰囲気を作り出した。地域の安定に役立たないことだ」と日本を名指しで批判した。

 同報道官はさらに、他の参加国に対しても不快感を表明し、「G7に参加する国々は、客観かつ公正な態度を保ち、領土問題で中立的な立場を守り、無責任な言論を発表することをやめてもらいたい」と強調した。

 首脳宣言にこうして猛反発するだけでなく、中国政府はサミット開催の前後で宣伝機関を総動員して伊勢志摩サミットに対する攻撃を繰り返した。

 たとえば5月28日付中国共産党機関紙・人民日報は「問題をあおり立てて一体何が得られたか」との論評を掲載してサミットを批判した。国営新華社通信も同27日、「見解の隔たりは大きく、成果は乏しかった。日本が私欲のために(南シナ海問題などの)議題を持ち込み、サミットの意義を損なった」などと非難した。

 また新華社の別の記事では、サミットを「時代遅れの金持ちクラブ」と批判した上で、「もはや先進7カ国(G7)には国際社会を動かす影響力はない」と切り捨てた。

 こうして、中国政府は今回の伊勢志摩サミットをまるで「目の敵」であるかのように扱って貶め、首脳宣言に対しては過剰反応ともいうべきほど反発した。サミットの歴史上、中国がこれほどG7と対立して激しく反応したことがあっただろうか。それは要するに、中国政府は今、G7を中心とした国際社会の動向に対し大変な危機感と焦燥感を抱いていることのあらわれであろう。

 中国は一体何を恐れて、何に焦っているのだろうか。その背後には、今春からの南シナ海問題を巡る関連諸国の慌ただしい動きがあった。

着々と進む「中国包囲網」の構築
 まずは今年3月9日、米国がB1などの戦略爆撃機をオーストラリア北部ダーウィンの空軍基地に巡回駐留させることを豪州政府と協議していることが判明した。

 同14日、マレーシアのヒシャムディン国防相は、南シナ海での中国による軍事拠点構築に関し、「一国では(中国の)攻撃的行為を止めることはできない」とし、オーストラリア国防相と会談して連携を模索する考えを示した。

 同31日、インドネシア政府が「海賊」対策のために南シナ海南端のナトゥナ諸島に戦闘機F-16を配備する意向を示したことがブルームバーグ通信によって報じられたが、単なる「海賊」対処のためなら、戦闘機F-16の配備など必要ないことは自明である。明らかに、南シナ海での軍事拠点化を急スピードで進める中国への対抗策であろう。

 そして月が変わって4月2日、今度は安倍晋三首相がワシントンでインドのモディ首相と行った会談で、両首脳は中国の南シナ海進出への「懸念」を共有した。

 また、同日にベトナムの地元メディアが伝えたのは、ベトナム領海を侵犯した疑いで前月3月31日、ベトナム国境警備当局が中国船を拿捕したということだった。

 3日には、米国の原子力空母ジョン・C・ステニスが南シナ海に展開し、中国に対する警戒監視活動を行っていることが複数の日本政府高官によって明らかにされた。

 8日には、カーター米国防長官がステルス性能を持つ最新駆逐艦全3隻を、太平洋とインド洋を管轄する太平洋艦隊に配属する方針を表明した。これが今後、どの国の海軍への抑止力となるのかは明白であろう。

 そして12日には、日本海上自衛隊の護衛艦「ありあけ」と「せとぎり」が、南シナ海に面するベトナムの軍事要衝カムラン湾の国際港に初めて寄港した。翌13日、今度はカーター米国防長官がフィリピンを訪問して、米フィリピン両軍による定例軍事演習「バリカタン」を視察した。

 このように、今春からの短い期間で、日米と南シナ海周辺諸国は、「南シナ海問題」への対処として緊密な外交的・軍事的な動きを展開してきた。その矛先が中国であることに疑念はないだろう。関係諸国は今、米国と米軍の動きを中心に、政治的・軍事的「中国包囲網」を着々と構築している最中なのだ。

ベトナムへの武器輸出解禁の意味
 こうした「中国包囲網」の仕上げとなったのが、冒頭で取り上げた伊勢志摩サミットであるが、その前哨戦として注目されたのは、4月10日、11日に広島で開かれたG7外相会合である。

 この外相会合でも、やはり南シナ海問題を中心的な議題として取り上げた。さまざまな議論を展開した結果、外相会合は、中国の進める南シナ海の軍事拠点化を念頭に「現状を変更し緊張を高め得るあらゆる威嚇的、威圧的または挑発的な一方的行動に対し、強い反対を表明する」と声明を発表した。

 名指しこそ避けているが、中国の取った行動を「威嚇的・威圧的・挑発的な一方的行動」と厳しく批判した上で、7カ国の総意として「強い反対」を明確に表明した。それは、中国の暴走に対する世界主要国の危機感の表れであると同時に、中国に対する国際社会の圧力にもなったはずだ。

 特に中国からすれば、G7の中には、中国と関係の深いイギリスやフランスなども含まれているため、こうした国々に限って日米と同調して「反中」に転じることはないとひそかに期待していたはずだが、それが見事に裏切られたで形であろう。

 G7が一致団結して中国の行動を厳しく批判したこの状況に対して、中国政府が孤立感を感じたのと同時に、焦燥感をも抱くことになった。

中国に一層厳しい態度をとるアメリカ
 こうした中で、伊勢志摩におけるG7サミットは開催されようとしていたが、アメリカのオバマ大統領はサミット参加のために日本へ赴く前に、もう一つ重要な意味を持つ外交を展開した。

 大統領は、5月23日から一足先にまずベトナムを訪問した。ベトナムの首都ハノイでチャン・ダイ・クアン国家主席と会談した後の共同記者会見において、ベトナムに対する武器禁輸措置を全面的に解除すると発表したのである。

 ベトナムは依然として共産党独裁の社会主義国家であり、民主主義国家のリーダー役であるアメリカの決断はまさに異例中の異例であろう。「全面解除」というのは当然、性能の高い最新鋭の米国製武器がベトナム軍の手に入る道が開かれることを意味する。かつてアメリカとベトナムは、数十年間にわたるベトナム戦争において宿敵であったが、これで今やベトナム軍はアメリカの武器によって装備される時代となったのだ。

 双方の目的はただ一つ、中国からの軍事的脅威にいかにして対抗するかであろう。かつての宿敵は今、軍事協力の強化によって共同して中国に立ち向かおうとしている。

 もちろん中国からすれば、南シナ海で激しく対立する強敵のベトナムが、中国軍を圧倒する米国の武器によって装備されるようなことはもはや悪夢というしかない。習近平政権からすれば、レームダックと言われるオバマ大統領にあまりにも重い一撃を喰わされた思いであろう。

 ベトナムとの関係強化を果たしたアメリカの中国への態度は、より一層厳しくなった。伊勢志摩サミット閉幕日、カーター米国防長官は米国内から、中国に対する厳しい批判の矢を放った。

 メリーランド州アナポリスの米海軍士官学校で演説したカーター米国防長官は、中国が軍事拠点化を続ける南シナ海問題について、「米国は、航行の自由、自由な交易、平和的な紛争解決など核心的な原則を守り、パートナーと共に立ち向かう覚悟だ」と述べ、積極的に関与していく方針を改めて示した。

 カーター氏は演説の中でさらに、「中国は拡張的で前例のない活動を南シナ海でしてきた。係争海域の人工島での施設建設、軍事拠点化は他国の埋め立てをすべて合わせたよりもはるかに(規模が)上回っている」と指摘した。

 そしてこの演説において彼はなんと、中国を22回にわたって名指しする異例の強さで批判を展開したのだ。

 また、中国が米国に対し、南シナ海問題と米中関係を分けて議論するよう提案してきていることも明らかにし、「我々はそんなことはできない。中国の行動は基本原則への挑戦で、見逃すことはできない」と強調した。

 もちろん演説の中では、カーター氏はアジア太平洋地域への米軍最新鋭のステルス駆逐艦を派遣するとの明言も忘れなかった。今後中国は、南シナ海においては米国製武器によって装備される強敵・ベトナムと対峙すると同時に、最新鋭の駆逐艦で武装される米軍の軍事的圧力に直面していくこととなる。中国が劣勢にあることは明らかであろう。

 こうした中で、冒頭に取り上げた伊勢志摩サミットの首脳宣言が発表された。宣言は穏やかな言葉遣いでありながら、先進7カ国の総意として、中国による南シナ海の軍事支配と秩序破壊に「NO」を突きつけた。このままでは、中国は世界一の軍事強国のアメリカと、アジア有数の軍事強国であるベトナムを相手に無謀な対決を強いられていくと同時に、世界の主要国の大半を敵に回してしまうようなことになりかねない。

 そして前述のように、インドネシア、マレーシア、フィリピンなど東南アジアの主要国の多くは今、中国を「仮想敵」とした軍備強化に力を入れており、日本も、アメリカとの軍事同盟を基軸にして東南アジア諸国との軍事協力の強化に乗り出している。

 国際政治の駆け引きにおいても、軍事面においても、今の中国はまさに多勢に無勢、四面楚歌の状況下にあるのだ。

中国が狙う起死回生のチャンス
 このような状況の中で、中国は一体どうやって劣勢を挽回して包囲網を突破しようとするのか。

 習政権が起死回生の期待をかけるのは、今年9月に中国で開催される予定のG20首脳会議である。

 G20にはG7の他、中国・インド・ブラジルなどの新興国や、かつてのG8から離脱したロシアなどがいる。G7同様、この会合も参加国が順に議長国を務め開催地を提供することになっており、今年は中国の杭州で開催されることが決まっている。

 中国はこのG20首脳会議を、自らの孤立状態を打破するための外交チャンスとして最大限に利用しようと考えるだろう。

 G20の参加国には、今や中国唯一の「盟友」と言えるロシアと、中国と友好関係にある韓国などの国があり、中国の思惑としては当然、議長国の立場を最大限に活用して、これらの国を巻き込んで日米などの「反中国家」の中国包囲網に対する反撃を試みるだろう。

 実は伊勢志摩サミット開幕日の5月26日、中国の王毅外相は、G20首脳会議まで27日で100日に迫ったとして外務省で記者会見を行ったが、その中で王氏は、「G20は先進国と途上国が対等な立場で同じテーブルを囲み、平等に協議して決める場であり、時代の発展の潮流に合致している」と述べた。

 彼はここで、G20を持ち上げることによって先進国の「金持ちクラブ」であるG7を暗に貶めている。ここから、中国の今後の戦略がはっきりと見て取れるだろう。

 つまり、中国を批判するG7を極力貶めてその無力化を図った上で、今回中国が主導権を握るG20を国際社会の中心に持っていく。そうすることによって、劣勢を一気に挽回して中国包囲網を打ち破っていく、ということである。

 これこそが中国政府にとっての起死回生の次なる手である。南シナ海の平和と秩序を守るための国際社会と、覇権主義国家中国との闘いの舞台はいよいよ、中国の杭州へ移されようとしている。


フィリピンは米国に依存せず=ドゥテルテ次期大統領
ロイター 6月1日(水)8時27分配信

[ダバオ市(フィリピン) 31日 ロイター] - フィリピンのドゥテルテ次期大統領は31日、長年の同盟国である米国に依存することはないと述べ、中国や南シナ海をめぐる問題への対応で米国からの自立を一段と図る姿勢を示した。

ドゥテルテ氏は南シナ海をめぐる問題の解決に向け、領有権を主張する国々だけでなく、米国や日本、オーストラリアを含めた多国間協議を支持している。

また、中国に対しては、国際法の下で沿岸国に認められた200カイリの排他的経済水域(EEZ)を尊重するよう求めた。

中国との二国間協議を求めるのかとの記者団の質問には、「われわれが独自の進路を決めるということを皆に知ってもらいたい」と説明。「米国に依存することはない。フィリピン人以外の人々を満足させようとはしない」と述べた。

一方、ラッセル米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は記者会見でドゥテルテ氏のコメントについて、南シナ海での領有権を主張する国々による二国間協議は米国にとって「何ら問題はない」との姿勢を示した。

6月30日に大統領に就任するドゥテルテ氏は内閣の顔ぶれを発表。かつての級友であるカルロス・ドミンゲス氏を財務相に指名した。


中国、フィリピンとの関係回復望む=習国家主席
ロイター 5月31日(火)11時1分配信

[北京 31日 ロイター] - 中国の習近平国家主席はフィリピンのドゥテルテ次期大統領に対し、南シナ海の領有権問題をめぐり悪化した両国関係を修復したい意向を伝えた。

中国外務省によると、習主席は30日遅く、ドゥテルテ氏の次期大統領就任の正式決定を祝うメッセージを送るとともに、両国の長い友好関係に言及。「双方が二国間関係を健全で発展的な路線に戻すために懸命に取り組むことを望む」と述べた。


中国の脅威で米越接近、南シナ海に日本はどう関与すべきか
ダイヤモンド・オンライン 5月31日(火)8時0分配信

● 米国のベトナムへの武器輸出解禁 対中国で利害が一致

 5月23日、ベトナムを訪問していたオバマ米大統領は、ベトナムに対する武器輸出を全面解禁すると発表した。ベトナムは世界で唯一、米軍に勝利した国だ。そのベトナムが、今、米国から武器を購入することが可能になった。

 その背景には、南シナ海で領有権を巡って紛争が鮮明化する中国との関係がある。

 ベトナムとすれば、中国の最大のライバルである米国と親密化を図ることで、中国を牽制する意味がある。

 今回の決定は、そうしたベトナムの思惑と、対中国の抑止力強化という米国の利害が一致したことを示している。米国がベトナムの人権問題などに懸念を示しつつも、米国が歩み寄ったことで、アジア地域の安全保障にとって大きな一歩が踏み出されたことになる。

 中国は、南シナ海のスプラトリー諸島、パラセル諸島などで埋め立てを進め、軍事拠点を設営してきた。中国はベトナムの排他的経済水域に石油探査リグを設けるなど、他国の資源をも手中に収めようとしている。

 そうした中国のスタンスは、国際法あるいは倫理的な観点からも容認されるものではない。一方、中国は世界第2位の経済大国だ。ベトナムは真正面から中国と対立し、中国市場へのアクセスを失うことは避けたいはずだ。

 今までベトナムは軍事面でロシアとの関係が強かった。その中で、今回、米国の武器輸出の全面解禁という米越間の関係強化が進んでいることは、今後の同国を巡る情勢を大きく変化させることになるだろう。当然、わが国にも相応の影響があるはずだ。

 これまで中国は、南シナ海で埋め立てを行って領有権を主張し、拡張主義を進めてきたが、これは国際法上の観点からも容認されるべきものではない。それは、ベトナムやフィリピンなどの諸国との対立を生んだ。

 そうした行動は、他国の主権を無視しており、明らかに誤った政策だ。長い目で見ると、近隣諸国との関係悪化などを通して、いずれ中国自身が不利益を被る可能性が高い。すでにフィリピンは、中国の領有権主張が国際法に違反しているとオランダ、ハーグの仲裁裁判所に提訴した。

● “アメとムチ”を使い分け アジア新興国に恭順を求める中国

 中国の海洋進出を経済的な観点から考えると、同国の“一帯一路(シルクロード経済圏構想)”の提唱が一つの鍵になる。中国はアジア、中東、ロシア、北アフリカ、そして欧州経済へのアクセスを確立し、経済基盤を強化しようとしている。

 中国は、アジア新興国等に対して “アメとムチ”を使い分け恭順を求めている。アメの部分は、アジア新興国に対するインフラ開発の支援だ。

 中国は世界各国に対してAIIB(アジアインフラ投資銀行)への参加を呼びかけた。これは、各国に対して、中国の意向を尊重すれば恩恵を享受できる、とのメッセージだ。

 一方、中国の意に沿わない国に対して、力の論理をもって圧力をかけている。それがムチの部分だ。中国はベトナムに対して、水面下で海洋資源の共同開発を呼びかけたといわれている。

 しかし交渉が難航すると、中国はベトナムの排他的経済水域に進出し、無断で石油掘削装置を設置した。軍事施設の設営も、中国を尊重せよとの圧力の表れとみられる。

 中国の国内事情を考えると、海外経済の需要を取り込み、自国の成長を支える力を民衆に示すことが必要なのだろう。

 それは中国・習近平政権の威信にかかわる問題だ。共産党の影響力が弱まっていると民衆からみなされれば、国内政治の安定にも影響が出かねない。そのため、中国は自らの意を尊重しない国に対して高圧的な行動をとり、結果として領土問題を引き起こしてきた。

 しかし、そうした高圧的なスタンスは、長期的に見れば国際社会からの非難を浴びるなど限界が露呈するはずだ。習近平政権は、ある意味で危険な賭けを行っているともいえる。

 そうした中国の拡張主義に対して、ベトナムはこれまでも一定の抵抗を示してきた。ただ、ベトナムの置かれた状況は単純ではない。

● 極力、中国との衝突は避けたい ベトナムの事情

 世界第2位の中国経済へのアクセスを確保することは、ベトナム経済の成長を支えるためには欠かせない。「極力、中国との衝突は避けたい。しかし、中国が海洋進出を強く進めるのであれば、自国を守る準備も必要」というのがベトナムの本音だろう。

 今まで、ベトナムは中国に抵抗するために、自国の軍事力の増強を進める一方、経済面でもTPP協定に参加を表明してきた。ベトナムは、中国の動きを牽制するために米国との関係を改善、強化するスタンスを示してきた。

 一方、米国にとっても、中国との領土問題を抱えるベトナムとの関係を強化することは、対中国政策を強化しアジア地域での存在を確認するために重要だ。

 また、ベトナムは歴史的にロシアとの軍事的な関係が強い。そのため、中国との関係を考えた時、中国以外の国との結びつきを強化することは意味がある。中国の海洋進出を牽制するために、ベトナムはロシアから潜水艦を購入した。

 それと同時に、ベトナムは中国との経済的な関係を重視して、AIIBの創設メンバーにも名を連ねている。つまり、ベトナムは、中国・米国・ロシアの3大国との関係を利用する一方、それらの国との微妙な距離感を維持してきた。

 それが、(1)安全保障の強化を中心に関係強化を進める米国、(2)脅威であるとともに無視もできない中国、(3)社会主義というイデオロギーや軍事的関係の強いロシアとの関係になっている。

 ベトナムは米国を後ろ盾に中国を牽制したい。しかし、米国への歩み寄りが急すぎると、中国やロシアの機嫌をそこねることも懸念される。特に、米国との緊密化が中国への敵対とみなされれば、中国はさらに強く南シナ海での領有権を主張するかもしれない。ベトナムを取り巻く状況は一筋縄では行かない。

 ベトナムは、米中露のいずれの国との関係も良好に保つ必要がある。ベトナムがそうした態度を取り続けると、アジア地域の政治・経済・安全保障の問題はさらに複雑化する可能性がある。

 米国がベトナムに対する武器輸出の全面解禁を決めたことは、国際的な安全保障が新しい段階に進んだことを意味する。かつて戦火を交えた米国とベトナムが協力関係を構築することで、対中包囲網の強化が鮮明になるからだ。

● 中国の海洋進出に かなり脅威を感じている米国

 米国は中国の海洋進出をかなりの脅威と考えている。米国とすれば、中国の台頭を見逃してしまったという焦りもあるだろう。それが、今回の米国が武器の全面輸出解禁に結びついたと見られる。

 今のところ、中国は、今回の米国の決定に好意的とも取れる反応を示している。しかし本音では、中国がそうした見方をしていないのは間違いない。今後、中国は「米国がベトナムへの武器提供でアジア地域の安定が損なわれる」と批判することは十分に考えられる。ただ、中国としても、ベトナムを厳しく批判して、ベトナムがさらに米国寄りになることは避けたいはずだ。

 国際社会の注目が米中の対立に集まる中、ロシアのアジア地域への進出の動きも気になる。ベトナムへの軍事協力などを強化し、情勢が不透明さを増す可能性もある。

 こうして考えると、米越間の接近で対中包囲網が強化され、アジア地域の安定が促進されると結論するのは早計だ。少なくとも、中国は、さらなる影響力の増強を目指して拡張主義を強める可能性もある。

 リーマンショック後、米国は景気の低迷や中東政策の失敗が続き、覇権国家としての影響力が低下してきた。そうした世界情勢を“Gゼロ”、あるいは“多極化”と呼ぶ専門家もいる。

 そうした状況下、米国の世論は自国の利害重視という“内向き志向”を強めている。それは大統領予備選挙の「トランプ現象」を見ても明らかだ。

● 米国の影響力が低下 わが国はどうすべきか

 問題は、米国の影響力が低下する中、米国に代わる世界のリーダーが見えないことだ。少なくとも、拡張主義を唱える中国にはその役割は無理だ。

 中国の経済成長率が相対的に高い間、各国は中国との関係を重視せざるを得ないだろう。しかし、中国経済の実力が低下すれば、中国の拡張主義に対する批判はさらに強まるだろう。

 長期的に見れば、現在の中国の外交政策は限界に直面し、方針転換を迫られる可能性が高いとみる。最も懸念されるのは、アジアでの地位をめぐる米中の対立が深まり、軋轢が生じることだ。

 わが国にとって重要なことは、冷静にアジア各国のニーズを汲み取り、関係を強化することだ。今のところ、アジアの多くの国にとって、最も必要なものはインフラ整備だ。わが国には、それを支えるノウハウや技術がある。それを生かさない手はない。

 南シナ海の領土問題などを巡り、先行きの情勢が不安定になりやすい中、わが国は、国際法の遵守を国際社会に訴えて中国の動きを牽制し、しっかりとした経済外交を通して各国との関係強化を進めればよい。


焦点:米越の関係改善、南シナ海狙う中国の「頭痛の種」に
ロイター 5月30日(月)15時44分配信

[香港/北京 27日 ロイター] - 米国とベトナムの関係強化は、南シナ海をめぐる中国の戦略見通しを一気に複雑化してしまった。

オバマ米大統領は、ベトナムへの武器禁輸措置を全面解除するという歴史的な政策転換により、任期最後のアジア歴訪における同国訪問を飾ったが、それは直接中国に向けられたものではないと繰り返し強調した。

しかし、かつて敵国だったベトナムと米国が完全に関係を正常化したことは、中国にとって短期的にも長期的にも戦略的な頭痛の種になるだろうと、同地域の軍事筋や安全保障専門家は指摘する。

専門家によれば、運用面において中国は短期的に、ベトナムが中国軍への監視を強化するために米国からレーダーやセンサー、偵察機やドローンを手に入れる可能性に直面することになる。

長期的には、オバマ政権のアジア重視戦略において、ベトナムが主要な役割を担うことを意味する。米軍事産業は、ベトナムへの高額な兵器販売をロシアと張り合うことになる。また、南シナ海でベストな自然港であるカムラン湾を使用するという米海軍が長年抱いてきた願いがかなう可能性があると、軍事筋はみている。

外交筋によれば、たとえベトナムが軍事同盟に向けた正式ないかなる措置を避けたとしても、中国の領有権主張をめぐり、政治的な協力や情報共有の拡大がなされる可能性があるという。

このような動きは、ベトナムの軍事戦略家の目的と一致するものだ。彼らは急速に近代化する中国軍が再度べトナムを攻撃することに対する代償を高めたいとロイターに語っていた。

1980年代に中国との国境で起きた紛争や88年の南沙(英語名スプラトリー)諸島における海戦よりも、今後に起きる中国との戦いははるかに困難なものとなることをベトナムは理解している。

<外交に依存>

中国当局は今のところ、反応を示してはいない。

だが中国はベトナムが近代兵器を入手し、それらを南シナ海に配備することを注視していると、元外交官で、中国国際問題研究院の阮宋澤氏は指摘。「これが中国とベトナムの領有権問題に影響する可能性はない、とは言えない」と述べた。

中国本土の安全保障を専門とする嶺南大学(香港)の張泊匯教授は、ベトナムの政策立案者たちは近代的な中国軍には勝てないと分かっている故、中国と安定した関係を維持するためには外交に頼らざるを得なかったとの見方を示した。

オバマ大統領がベトナムを訪問した後でも、このような状況は今後も続くとみられると、張教授は指摘。同大統領のベトナム訪問を「最も安上がりな防衛手段」と評し、「ベトナムは米国を抑止戦力の強化に組み入れようとしている。中国との関係を深めるには、米国というカードを使わなければならない」と語った。

<カムラン湾>

米海軍当局者は、ベトナムへの寄港を徐々に増やしたいが、中国に圧力をかけ過ぎることに対するベトナムの懸念を承知していると話す。

ベトナム当局は、カムラン湾に外国艦船の寄港を受け入れる新たな国際港の開港を3月に発表した際、ベトナム軍の報道資料によれば、中国軍は正式な招待を受けた最初の外国軍の1つに含まれていた。

米海軍の入港は現在、長年計画されてきた正式な業務事項だが、米艦船がカムラン湾に定期的に寄港できるようにするには、提供協定が長期的な選択肢の1つだと、米軍当局者は語る。

安全保障専門家によると、例えば寄港が少し増えるだけでも、南シナ海における中国の活動を複雑化するという。中国は現在、スプラトリー諸島に建造した7つの人工島で進める軍民両用の施設建設に重点を置いている。

中国は自国の領土として、南シナ海の80%を主張。一方、台湾、フィリピン、マレーシア、ベトナム、ブルネイも、世界で最も重要な航路の1つである同海域の一部で、領有権を中国と争っている。

武器禁輸措置の解除は、米国の武器製造業者にベトナムだけでなく、急速に開発が進む他の東南アジア諸国でも商機を与えることになると、タイのプラウィット副首相兼国防相の軍事顧問は指摘する。

「米国には、ラオスやカンボジアのような、ロシアや中国の武器を使っているさまざまな国において機会と需要が開かれている。こうした国々の経済は拡大しているが、武器は古いので商機はある」

(Greg Torode記者、Megha Rajagopalan記者 翻訳:伊藤典子 編集:下郡美紀)


「東シナ海は危機。もう日本に猶予はない」と櫻井よしこ氏
NEWS ポストセブン 5月28日(土)7時0分配信

 ここ数か月、南シナ海を舞台にした中国の攻勢が、1~2年前とは違ったレベルで進んでいる。埋めたてた岩礁にミサイルを配備し、さらなる人工島も建造し始めた。日本はこの事態にどう対応すべきか。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が解説する。

 * * *
 日本は今のうちから、南シナ海が完全に奪われた後のシミュレーションを行っておく必要があります。マラッカ海峡が閉鎖されて中東の石油が入ってこなくなった時にどうすべきか。本当に大変な状況になりつつあるのです。

 南シナ海で起きることは、東シナ海でも起きると覚悟しておかなければなりませんから、日本は何としてでも米国と緊密に協力し合いながら、中国の南シナ海、東シナ海における支配を許さないよう、強い抑止力を構築していかなければなりません。中国がしていることに注目して、勝手な行動を許さない態勢を作らなければ、大変なことになります。

 中国はすでに東シナ海で侵略的な動きを加速させています。東シナ海は深く、南シナ海のように簡単に埋め立てることはできません。そこで中国が着々と進めてきたのが、ガス田開発にかこつけた海上プラットホームの建設です。

 各プラットホームはヘリポートを備えており、無人機を含む航空機の離着陸が可能です。レーダーやミサイル発射装置も十分に配備可能な、まさに「洋上基地」と呼ぶべきものです。

 加えて中国は1万2000トンの大型巡視船「海警2901」の建造を進めており、強力なエンジン10隻分をドイツから購入済みです。対して日本の海上保安庁には1万トンを超える大型船はなく、海上自衛隊にも砕氷艦「しらせ」を除けば5隻しかありません。

 今が千載一遇のチャンスと考えている中国が、南シナ海同様、今後数か月以内に東シナ海の海上プラットホームにもミサイル発射装置を配備するなど、“次の一手”に打って出る可能性は十分にあると思います。

 そうなった時に、日本の防衛能力で尖閣諸島や東シナ海を守り切れるのか。
 
 日本もアジアの国々も、中国と1対1で対峙するのはもはや不可能です。4月3日に海上自衛隊の潜水艦がフィリピンに寄港し、4月12日には同じく自衛艦がベトナムのカムラン湾に寄港したように、アジア諸国との連携を深めていくことが必要です。

 米国との同盟関係はとりわけ重要です。オバマ大統領が消極的なことが世界を不安にしていますが、それでも米国は重要な同盟相手です。日米関係をさらに強固にしつつ、米国だけに頼らない防衛体制も構築するべきです。
 
 日本に残された猶予はもうほとんどないことを、深く認識しておかなければなりません。

※SAPIO2016年6月号


南シナ海めぐるG7声明に強い不満=中国外務省
ロイター 5月27日(金)18時8分配信

[北京 27日 ロイター] - 中国外務省の報道官は27日、定例記者会見で、同国が数カ国と領有権をめぐり争っている南シナ海に関する主要7カ国(G7)の声明について、非常に不満であると語った。

26日のG7首脳会議では、南シナ海問題について討議された。G7首脳は、西太平洋の領有権問題について強いメッセージを送ることで合意した。


中国機の米軍機異常接近は両国間合意に抵触=米国防総省
ロイター 5月27日(金)17時0分配信

[ワシントン 26日 ロイター] - 米国防総省は、先週南シナ海で米軍の偵察機に中国が行ったインターセプト(進路妨害)は、昨年の2国間合意に抵触するとの結論を出した。同省当局者が明らかにした。

両国は昨年、空対空の遭遇時における行動指針と軍事ホットラインの開設で合意したと発表した。

米国防総省のビル・アーバン報道官は、「我が国の偵察機に対する中国機のインターセプトは、中国と国際民間航空機関(ICAO)の覚書が定めた基準に反する危険な行為と結論付けられた」と述べた。

一方、中国国防省の報道官は26日の記者会見で、中国機は完全に専門性をもって行動しており、その行為は国家間合意に基くものだったと主張。ただ、合意が提供するのは「技術的な基準」であり、最良の解決方法は米軍が巡回飛行を中止することだとも述べた。


主要7カ国、不在の中国を議論の焦点に-伊勢志摩サミット26日開幕
Bloomberg 5月25日(水)12時59分配信

    (ブルームバーグ):26、27の両日開かれる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)では、中国の代表は出席しないが、同国の景気減速や領有権で論争となっている南シナ海での中国による岩礁埋め立てなどが議題に上る見通しだ。

安倍晋三首相はオバマ米大統領ら主要7カ国(G7)首脳を東京の南西300キロにある賢島に向かえてサミットを開催し、中国との緊張関係を招いている複数の問題を取り上げる。中国経済のエンジンが冷め成長が鈍化する中、主要国は自国経済の押し上げに向けた財政政策を実施する是非や、どの程度講じるべきかを議論する。

南シナ海の領有権をめぐっては、フィリピンがオランダ・ハーグの常設仲裁裁判所に求めた裁定が向こう数カ月以内に下される見通しで、中国の海洋進出に影響を及ぼす可能性がある。4月に開かれたG7外相会合は声明で、東シナ海および南シナ海における「威嚇的、威圧的または挑発的な一方的行動」に強く反対する考えを表明し、すべての関係国に国際法を順守する行動を呼び掛けた。声明は中国を名指ししなかったものの、同国はこれに反発した。

同様の宣言が今週の首脳会議で出されれば、すべてのG7諸国にとって重要な貿易相手国である中国をさらにいら立たせることになる。

テンプル大学日本校(TUJ)現代アジア研究所のロバート・デュジャリック所長は「日米両国は基本的に、中国の行動への懸念表明で欧州諸国を同調させようとしている」と指摘。「えん曲な表現での声明になろうと、日米両政府にとっては勝利だろう。中国で稼ぐことを何よりも優先する諸国でさえも懸念を抱いていると、中国政府に知らしめることになる」と分析した。

原題:On the Agenda But Off Guest List, China Eyes G-7 Summit in
Japan(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:東京 Isabel Reynolds ,ireynolds1@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:
Rosalind Mathieson ;
Andrew Davis
Keith Zhai ,rmathieson3@bloomberg.net,abdavis@bloomberg.net


南シナ海に「浮かぶ原発」  中国の原子力開発の本気度
Wedge 5月22日(日)12時12分配信

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中国は南シナ海で人工島(軍事基地)の建設を進めている。写真はジョンソン南礁 (ARMED FORCES OF THE PHILIPPINES/THE NEW YORK TIMES/AFLO)

 環礁などを埋め立てて人工島を建設している南シナ海の南沙諸島や西沙諸島では、今後、飛躍的にエネルギー需要が増大するとみられている。国家大型補給基地では、5000~8000人が生活するためのエネルギーが必要になる。同基地では、周辺の石油・ガス田の採掘プラットフォームや輸送船、飛行機などに対してもエネルギーを供給しなければならず、そのためのインフラが必要となる。

 南シナ海では、今後10年以内に8カ所の大型飛行場と12カ所の軍事・民間用の港を建設する計画がある。そこでエネルギー源として期待されているのが、浮動式原子力プラントである。

 各事業者と各省政府によると、中国は計画中のものだけで、270基を超す原子力発電所の建設を予定し、軽水炉、高速炉、高温ガス炉、トリウム溶融塩炉、進行波炉、原子力船に軍事的な開発まで、原子力に対してあらゆる研究開発を行っている。

 中国は電力だけでなく熱や蒸気を供給し、海水淡水化にも利用できる浮動式原子力プラントを、海域でのエネルギー供給の本命と位置付けている。

船体部分開発を担う「719研究所」
 浮動式プラントは、船体部分とこれに搭載する原子炉に分けて開発が進められている。船体部分を担当するのが国有造船大手で10大軍需工業集団にも数えられる中国船舶重工集団公司(中船重工)。同集団傘下で、中国唯一の原子力艦船の全体設計研究機関として40年の歴史を持つ「719研究所」が設計を担当している。

 同研究所は2014年9月、国家能源局の承認のもと、中国を代表する原子力事業者である中国核工業集団公司(中核集団)と中国広核集団有限公司(広核集団)傘下の設計院等に呼びかけて「国家能源海洋原子動力技術研究開発センター」を湖北省に設立した。同センターが、浮動式プラントを配備する場所の選定や設計、製造、運用、廃止措置までを行う。

「719研究所」は、「水面浮動式」と「水中潜水式」の2つのタイプを設計している。いずれも中国海洋石油総公司向けに設計したものである。

 搭載する原子炉は、中核集団と広核集団が開発している。中核集団の専用小型炉は「ACP100S」(電気出力10万kW)、広核集団は「ACPR50S」(熱出力20万kW)で、いずれも加圧水型炉(PWR)タイプ。中核集団は年内にも実証炉の建設に着手し19年に完成させる。広核集団は17年に実証炉の建設を始め20年に完成させる。中核集団は、「ACP100S」以外にも、より小型の「ACP10S」と「ACP25S」も開発しており、需要に合わせて組み合わせて使用する。

 浮動式プラントの建造計画は、今年1月に大きく動き出した。国家発展改革委員会は中船重工が申請していた国家エネルギー重大科学技術イノベーションプロジェクトである「海洋原子動力プラットフォーム実証プロジェクト」の立ち上げを承認した。広核集団と中核集団も、浮動式プラント向けの専用小型原子炉をエネルギー重大科学技術イノベーション第13次5カ年計画に組み込むことを国家発展改革委員会が承認したことを明らかにした。

 中船重工によると、16年中にも着工し、18年に調整試運転を終えて19年に洋上試験に入る予定になっているが、搭載する原子炉は明らかにしていない。浮動式プラントで一日の長があるロシアでも、19年に調整試験を開始する予定だ。

 中船重工は実証プロジェクトに30億元(約490億円)を投じる。稼働後は40年間の耐用年数期間中の売電収入が226億元に達すると見込む。浮動式プラントの市場規模を1000億元程度と見込む中船重工は、当面の目標として20隻を建造する計画だ。シリーズ生産後には、1隻あたりのコストは20億元程度まで下がるとみている。

 浮動式プラントには曳航式と自走式があるが、現在計画されているのは曳航式。中船重工が配置を想定しているのは、東北部の渤海湾と南シナ海。渤海湾での海洋石油開発向けのエネルギー供給手段として利用することも見込んでいるが、ニーズとしてはそれほど大きくない。「小型炉を搭載した浮動式原子力プラントは“戦略的意義”を持つ」と中核集団の孫勤董事長が発言する通り、本命は南シナ海の軍事基地とみるべきであろう。

 規制当局である環境保護部(国家核安全局)原子力発電安全監督管理局の湯搏局長は、浮動式プラントの最大の問題は災害時の緊急対応能力にあるとしたうえで、海洋や気象、海事等の部門と協力して規制要件を定める必要があるとしている。

 浮動式原子力プラントの建造経験は、空母を含む原子力水上艦艇の建造に大きく寄与するともいわれている。中国政府が国家プロジェクトに組み込んだのには納得がいく。


中国軍の戦闘機、15メートル以内に接近-南シナ海上空で米軍機を妨害
Bloomberg 5月19日(木)14時35分配信

    (ブルームバーグ):中国軍の戦闘機2機が南シナ海の公海上空で米軍偵察機の飛行を妨害した。両国間の緊張が一段と高まる可能性がある。

米国防総省によると、接近があったのは17日。米偵察機1機が国際空域で通常の哨戒任務を行っていたところ、中国軍機2機が「危険な」やり方で妨害したという。2014年8月には中国の海南島近くを飛んでいた米哨戒機「P-8ポセイドン」のすぐそばを中国軍の戦闘機が飛行。両機の間の距離は20フィート(約6メートル)以内だった。今回の件はそれを想起させる。

AP通信が当局者の話を基に伝えたところによれば、今回の妨害行為は香港の南、南シナ海の北部で起きた。中国軍の「J-11(殲11)」戦闘機2機が、米軍の「EP-3アリエス」偵察機の約50フィート(約15メートル)以内に接近した。

原題:Chinese Fighters Intercept U.S. Plane Over South China
Sea (1)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:香港 David Tweed ,dtweed@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:
Andrew Davis
Nasreen Seria ,abdavis@bloomberg.net


櫻井よしこ氏「中沙諸島の軍事拠点化がポイント」と指摘
NEWS ポストセブン 5月18日(水)7時0分配信

 ここ数か月、南シナ海を舞台にした中国の攻勢が、1~2年前とは違ったレベルで進んでいる。ジャーナリストの櫻井よしこ氏が、最新の動きを解説する。

 * * *
 中国の南シナ海の軍事拠点化の動きが凄まじい勢いで加速しています。中国の横暴を黙認し、何ら有効な手だてを打てなかったオバマ大統領の任期が残り1年を切ったため、その間に「取れるものはすべて取ってしまおう」というつもりでしょう。

 中国はオバマ大統領の任期中は南シナ海を我が物とする「100年に1度のチャンス」と捉えていると考えられます。

 パラセル諸島(西沙諸島)のウッディー島では2月19日、中国が長距離地対空ミサイルを配備したことが明らかになりました。その4日後には中国人民解放軍の主力戦闘機であるJ-11とJH-7が配備済みであると米国防総省が発表しました。J-11は日本の航空自衛隊の第4世代戦闘機F-15と米国のF-16に匹敵するもので、中国はJ-11の量産に尽力し、航空戦力においても力をつけようとしています。

 ウッディー島ではさらに射程400kmの対艦巡航ミサイルが配備されたと見られています。この海域における軍事拠点化はすでに仕上げの段階にきていると見るべきでしょう。

 スプラトリー諸島(南沙諸島)では、中国が造成した7つの人工島のうち4島でレーダー施設が建設され、新たな灯台の運用も始まりました。

 次なるターニングポイントは、スカボロー礁を含む中沙諸島です。現在のところフィリピンから奪い取って実効支配を続けている状況ですが、ここが埋め立てられ、ミサイルやレーダーなど軍事拠点を作られてしまったら、南シナ海はすべて中国の軍事力にカバーされることになり、完全に“中国の海”と化してしまいます。

※SAPIO2016年6月号


米国は中国の「いじめっ子」姿勢を正せ
Wedge 5月17日(火)12時12分配信

 マケイン米上院軍事委員会委員長が、4月12日付の英フィナンシャル・タイムズ紙に、「南シナ海において米国は象徴的なジェスチャー以上のことをする必要がある」との論説を寄せ、しっかりした対応をすべきであると論じています。マケイン上院議員の論旨は、次の通りです。

対中抑止失敗招いたオバマのリスク回避姿勢
 ハリス太平洋軍司令官は、上院公聴会で中国の戦略的目的について聞かれ、「中国は東アジアで覇権を追求している。中国は南シナ海を軍事化している。そう考えないのは地球が平面と考えるようなものである」と答えた。

 オバマ政権は埋め立て、軍事化、強制に反対する、3つの「No」を言っているが、中国はそれを継続している。オバマ政権のリスク回避の姿勢が、中国の海上覇権を抑止するのに失敗し、米国の同盟国やパートナーを心配させている。

 6月初め、常設仲裁裁判所は南シナ海での中国の主張についてのフィリピンの提訴について、判決が予定されている。不利な判決の可能性に直面して、中国は既得利益の確保や拡大のために新たな措置を追求しかねない。戦略的に重要なスカボロー礁での埋め立てや軍事化、紛争地域からの他国の追い出し、防空識別圏宣言などが考えられる。

 米国はこれに対応して新しい政策を考慮する必要がある。今月、フィリピンとバリカタン軍事演習があるが、これに空母打撃部隊を派遣し、スカボロー礁の水域を監視するのを考えるべきである。カーター国防長官は、米比両国が条約上の同盟国であることを強調すべきである。フィリピンやその他の同盟国と共に、国際法違反の中国の行動に対抗する戦略を共同策定すべきである。

 もし中国が南シナ海防空識別圏を宣言すれば、ただちにその地域に軍用機を、飛行計画提出、事前通報、周波数登録なしに、飛行させるべきである。

 加えて米国はしっかりとした「自由航行作戦」を実施し、中国の海洋主権主張に挑戦すべきである。共同の監視や演習、情報収集活動も拡大・継続されるべきである。

 当該地域は、軍事バランスが変化しており、米国は地域での軍事力強化を目指すべきである。追加的な空軍、海軍、地上軍の前進配備をすべきである。

 ここ数年、中国はアジア・太平洋地域で、規則に基づく秩序の「責任ある利害関係者」ではなく、「いじめっ子」のように振る舞ってきた。米国は挑戦の規模とスピードに適応できていない。米国は、南シナ海での中国の海洋覇権に対し、決意を持った対応を示し、同盟国を安心させるべきである。

出 典:John McCain ‘America needs more than symbolic gestures in the South China Sea’(Financial Times, April 12, 2016)

将来にかえって禍根残す対中宥和政策
 この論説で示されたマケインの主張は、適切だと思います。

 中国は、ハリス司令官が言うように、東アジアでの覇権を追求しています。中国の「平和的台頭」の主張を信じる人はもういないでしょう。中国の脅威を言い立てると、その予言が自己充足し脅威になるという一部識者のまことしやかな説は、怪しげな政策論と情勢判断を混同した虚偽に近い詭弁であったことが、今は大方の人に明らかになったでしょう。マケインは現在、上院軍事委員会委員長であり、彼の意見はワシントンでそれなりの影響力があります。それに、習近平総書記は、オバマ大統領に対して南シナ海の軍事化はないと言った後、軍事化を進め、今回の核サミットでも南シナ海は中国の核心的利益というなど、オバマ大統領の要望をすげなく退けています。オバマ大統領としても、中国を刺激しない方がよいとはもう言えないのではないでしょうか。

 かつては、中国は脅威であると言うと、そういう発言はするなと制止されました。今では、中国の東・南シナ海での国際法無視の行動によって、やっと中国脅威論が当然のことのように言われるようになりました。物事を正確に認識、表現できるようになった点は歓迎すべきことです。情勢認識の点では、中国のおかげで良くなったと言えます。

 後は、この脅威にどういう政策で対応するかです。マケインの主張している点は適切ですが、米国の国防費も削減されており、どこまでできるか、やる気があるかはよくわかりません。しかし、米国の政策の方向が、マケインの言う方向をとるのは歓迎です。

 宥和政策と強硬政策を比べると、今、対中宥和策を行うのは将来に禍根を残すように思われます。こちらがまだ有利な時に、決意をもって対応しておくことが正解でしょう。


南シナ海問題には長期戦で臨め
Wedge 5月14日(土)12時10分配信

 米戦略予算評価センター(CSBA)のアンドリュー・クレピネビッチ前センター長が、同センターのサイトに3月30日付で「南シナ海長期戦」と題する論説を寄せ、南シナ海問題は重要貿易路の航行の自由にかかわり、米中間の長期的競争の一部である、ベルリンの封鎖や壁建設にトルーマンやケネディがしたような対応をするなど、軍事的に覚悟を持って取り組むべし、と論じています。同人の論旨は次の通りです。

軍事バランスの変化狙う中国
 孫子は「戦わずして敵の抵抗を破るのが最善」と言った。近代の軍事用語では、決定的な「立場上の優位」を達成すると表現される。中国は孫子に倣い、南シナ海の諸島に戦闘機、レーダー、ミサイルを配備し、軍事化を続けている。中国の短期的な狙いは東南アジア諸国に「立場上の優位」を樹立することである。長期的には彼等の米への信頼をなくさせ、中国の地域秩序構想に従うように軍事バランスを変えることである。

 中国は日本、比、韓国、台湾の戦略的貿易ルートに地位を築こうとしている。中国軍は比、越、インドネシア、マレーシア、シンガポールの近辺に展開している。

 中国が西太平洋の覇権国となることを追求する中で、地域諸国は米国の支援をあてにしているが、米国の対応は不十分である。5年前、オバマ大統領はアジアへの「リバランス」を発表したが、これはレトリックに終わっていて現実にはなっていない。

 2016年、米国は航行の自由作戦を展開、ケリー国務長官は「非常に深刻な話し合い」を北京とすると言っているが、安定した軍事バランスと同盟国の信頼を再確立するためには、もっと多くのことが必要である。

南シナ海問題で米国がすべきことは
 第1:南シナ海の航行の自由確保で米国は指導力を示すべきである。オバマは前任者たちに倣いうる。1948年スターリンがベルリン封鎖をした時に、トルーマンはベルリン空輸を実施した。フルシチョフがベルリンの壁を作ったとき、ケネディは陸軍部隊を伴う輸送車両を東ドイツ領経由ベルリンに向け送った。1973年、カダフィがシドラ湾領有を宣言した際、米国は航行の自由パトロールを行った。1987年、イランがペルシャ湾の航行の自由を阻害しようとしたとき、レーガン大統領は米海軍にクウェートのタンカーのエスコートを命じた。

 2月にハリス太平洋軍司令官は航行の自由作戦を増やすと発表したが、有益な第一歩である。日豪もこのパトロールに参加するように奨励されるべきである。航空機の飛行も行うべきであるし、民間の航空機と船舶のエスコートもすべきである。これらのことを早く実施すべきで、中国に既成事実を作らせてはいけない。

 第2:我々は中国と「立場上の優位」をめぐって長期の競争にあることを認識し、対応すべきである。比、越などは米国と協力する用意がある。マニラは4つの空軍基地と1つの陸軍基地の提供を申し出、米国はそれを受け入れた。米国はパラワン島への陸軍部隊配備をし、防空能力、ミサイル防衛、対艦巡航ミサイル、長距離ロケット砲を配備すべきである。この配備で、中国が「立場の優位」を獲得するのを拒否しうる。越は南シナ海の西側で同じようなことをするように奨励されるべきである。

 中国が「新常態」を作り出し、同盟国が米国への信頼をなくす前に、行動しなければならない。中国の平和的な意図の声明に頼る時期は過ぎ去った。米国が正面から指導する時である。

出典:Andrew F. Krepinevich,‘The South China Sea Long Game’(CSBA, March 30, 2016)

軍事力展開以外の選択肢はない
 この論説は、的を射た良い論説で、賛成できる内容です。

 今般の核セキュリティ・サミットの際のオバマ・習近平会談でも、習近平は南シナ海での中国の行動を正当化したようです。中国が軍事力を使って、9段線で囲まれる地域の主権を主張し、「核心的利益」であるとして聞く耳を持たないとの姿勢をとる以上、米国としては軍事力を展開して、対抗していく以外に選択肢はありません。この論説が推奨しているようなことをしていくべきでしょう。

 クレピネビッチは南シナ海問題とベルリン封鎖などを比較し論じていますが、国際法に反する主張を拒否するという観点からは、これらの比較も適切です。しかし、トルーマン、ケネディ、レーガンを一方におき、オバマを他方において比較すると、軍事力行使への姿勢が大きく異なります。そのうえオバマは、米国は世界の警察官ではないと述べ、米国の役割を制限する傾向を持っています。したがって今後の米の対応がこの論説の主張するようなものになるかはよく分かりません。

 中国の平和的意図の声明などに頼る時期はとうに過ぎ去ったと言うのは、その通りです。中国の行動を見ていると、中国の共産党独裁政権は信用に値しないと結論せざるを得ません。

 米中関係は今後、悪化していく可能性が高いですが、これは日本にとって悪い事ではありません。中国の脅威をきちんと認識せず、経済的利益に目を奪われて中国の無理を通す米国より、中国に対決的で、日本重視の米国の方が我が国の国益に資すると言ってよいでしょう。


人工島に揚陸艦=南シナ海、実効支配強化―中国
時事通信 5月3日(火)20時59分配信

 【北京時事】中国が整備を進める南シナ海・南沙(英語名スプラトリー)諸島の人工島、ファイアリクロス(中国名・永暑)礁に2日、中国海軍の揚陸艦「崑崙山」が到着した。

 演劇団員ら約50人が乗艦しており、現地の駐留部隊員や建設作業員を慰問した。3日、中央人民ラジオ(電子版)などが伝えた。

 軍艦の派遣は、南シナ海で「航行の自由作戦」を展開する米国などを念頭に、実効支配の強化をアピールする狙いがあるとみられる。

 崑崙山は2007年に就役した2万トン級の揚陸艦。同礁では滑走路やターミナルビル、埠頭(ふとう)、灯台、住宅などが造られ、海洋観測や海水淡水化の施設、病院も建設中という。


<海自機>フィリピン海軍に貸与で合意 初の他国移転
毎日新聞 5月2日(月)21時15分配信

 ◇14年の「防衛装備移転三原則」基づき 16年度実施へ

 中谷元(げん)防衛相は2日、フィリピンのガズミン国防相と電話協議し、海上自衛隊の練習機TC90を最大で5機、比海軍に貸与することで合意した。武器輸出の要件を緩和した2014年の「防衛装備移転三原則」に基づくもので、自衛隊航空機の他国への移転は初めて。貸し付けの期間や条件などを両政府で協議し、今年度中の実施を目指す。

 比海軍の海洋監視能力の向上を支援し、中国が進める南シナ海の軍事拠点化をけん制する狙いがある。日本は同海域を重要な海上交通路(シーレーン)と位置付けており、自衛隊機の移転が安全確保に資すると判断した。中谷氏は2日、「海洋安全保障分野の連携を強化する一環だ。フィリピンの能力向上は地域の安定につながる」と記者団に説明した。

 TC90の航続距離は、比海軍現有機の約2倍の約1900キロで、南シナ海の大半が行動範囲となる。日本はパイロットの育成や訓練、機体整備も支援する。

 ただ、日本の現行法上、フィリピンが希望した無償貸与はできない。このため政府は短期間の有償貸与を検討している。国家安全保障会議(NSC)の審議を経て、正式契約は夏以降になる見通しだ。【村尾哲】


自衛隊機、初の海外移転=日比防衛相が基本合意
時事通信 5月2日(月)19時23分配信

 中谷元防衛相は2日、フィリピンのガズミン国防相と電話会談し、海上自衛隊の練習機「TC90」をフィリピン海軍に貸与することで基本合意した。

 防衛省によると、完成品としての自衛隊機の海外移転は初めて。

 フィリピンは同機を海洋監視活動などに使用する方針。日本政府はフィリピンなど東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟国と海洋安全保障での協力を進め、南シナ海の軍事拠点化を進める中国をけん制したい考えだ。


日米、比と防衛協力強化…海自機の貸与合意
読売新聞 5月2日(月)19時12分配信

 中谷防衛相は2日、フィリピンのガズミン国防相と電話会談し、海上自衛隊の練習機(航空機)「TC90」を最大5機貸与することで合意した。

 フィリピン軍の警戒・監視能力を高め、海洋進出を強める中国に対抗する狙いがある。米国もフィリピンへの軍事面での支援を強めており、日米比3か国による防衛協力を強化する方針だ。

 中谷氏は2日、防衛省で記者団に、「フィリピンの能力向上は地域の安定化につながる」と意義を強調した。今年度中に貸与を開始する見通しだ。防衛装備移転3原則に基づく初の完成機の海外移転となる。

 日本政府は今回、対中強硬路線を貫いたアキノ大統領が6月に退任することをにらみ、合意を急いだ。大統領選は混戦模様で、新大統領次第では安全保障政策が大きく変わる可能性がある。新政権が対中政策の大きな流れを変更できないよう、今のうちに布石を打つ狙いがある。


南シナ海情勢 海自機をフィリピン軍に貸与へ 中国を牽制
産経新聞 5月2日(月)19時8分配信

 日本とフィリピン両政府は2日、海上自衛隊の練習機「TC90」をフィリピン海軍に貸与することで合意した。自衛隊機の他国への移転は初めて。日本側はフィリピンの警戒監視能力の向上を支援し、南シナ海で軍事拠点化を進める中国を牽制したい考えだ。

 中谷元防衛相とガズミン国防相が同日、電話会談して確認した。日本側は今年度から最大5機のTC90の貸与を開始する。パイロットや整備員の教育や訓練も支援する。

 中谷氏は2日の記者会見で「南シナ海の安定と平和を維持するため、地域の全ての国々との連携強化が重要だ。フィリピンの能力向上は地域の安定化につながる」と強調した。

 TC90の航続距離は、現行のフィリピン海軍機の約1.7倍に当たり、広大な南シナ海で監視活動への貢献が期待される。TC90がフィリピン海軍に導入されれば、「中国への一定の圧力」(防衛省幹部)となりそうだ。

 日比両政府は2月、自衛隊機などの提供を可能にする防衛装備品の移転協定に署名。今後、貸与の価格や期間などの条件を調整し、夏以降に正式に契約を交わす方針だ。


日本が比軍に自衛隊機を貸与へ、譲渡できず苦肉の策
ロイター 5月2日(月)18時19分配信

[東京 2日 ロイター] - 日本とフィリピンは2日、自衛隊の練習機を海上監視用としてフィリピン軍に貸し出すことで合意した。当初は譲渡を検討したが、日本が国内制度の壁を越えられず、親日のアキノ大統領退任までに間に合わせる苦肉の策として貸与することにした。

中谷元防衛相とガズミン国防相が同日午後に電話で会談して合意した。海上自衛隊が操縦士育成に使用している練習機「TC90」を最大5機、有償で貸し出す。乗員の訓練や機体の整備も支援する。南シナ海で中国と緊張が続くフィリピンの海上監視能力を高める狙い。

もともと日本は同機を譲渡する方向で検討してきた。ところが、国有財産を無償で供与したり、実勢価格より安く売却することを禁じた財政法が障害になっていた。

日本の政府関係者によると、中古の市場価格3000万円程度で売却することを打診したものの、無償供与を求めるフィリピン側と折り合わなかった。財政法を変える案も浮上したが、アキノ大統領が退任する6月までに間に合わず、貸し出すことにした。貸付条件は今後詰める。

TC90は米ビーチクラフト社が開発したビジネス機で、高い軍事能力はない。しかし、目視やレーダーで艦船を監視する程度の任務には使えるという。フィリピン海軍の現有機の2倍弱の航続距離がある。

フィリピンは海の監視能力を高める装備の供与を日本に求めており、特に対潜哨戒機「P3C」に強い関心を示している。P3Cは収集した情報の解析などに高度な運用能力が必要なことから、まずは扱いの容易なTC90が候補に上がってきた。

(久保信博)


「南シナ海」でASEANに全面協力…岸田外相
読売新聞 5月2日(月)17時50分配信

 【バンコク=米川丈士】岸田外相は2日午前(日本時間2日午後)、タイのチュラロンコン大学で講演、中国が軍事拠点化を進める南シナ海での「法の支配」の徹底に向けて、東南アジア諸国連合(ASEAN)に全面協力する考えを示し、中国を強くけん制した。

 南シナ海での行動を法的に拘束する「行動規範」の早期策定を呼び掛けたほか、ASEANに日米中露などを加えた東アジア首脳会議(EAS)の枠組みの強化を訴えた。


日タイ外相「紛争の平和解決を」…南シナ海念頭
読売新聞 5月2日(月)10時0分配信

 【バンコク=米川丈士】岸田外相は1日、タイのドーン外相とバンコクの外務省で会談し、中国による南シナ海での軍事拠点化を念頭に、「法の支配」による紛争の平和的解決が重要との考えで一致した。

 岸田氏は会談で、「南シナ海での一方的な現状変更は国際社会共通の懸念だ」と指摘した。また、タイで今年8月に新憲法案の賛否を問う国民投票が予定されていることを踏まえ、軍事政権から民政への早期復帰に期待する考えを伝えた。

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