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2016年3月25日 (金)

ベルギー・ブリュッセルで多発テロ、34人死亡 ISが犯行声明・10

ベルギーの首都ブリュッセルで22日朝(日本時間22日夕)、ブリュッセル国際空港と、欧州連合(EU)本部などがある官庁街の地下鉄駅で大きな爆発が相次いで起こった。

ベルギー公共放送によると、これらの爆発で少なくとも計34人が死亡、約200人が負傷した。イスラム過激派テロ組織IS(イスラム国)が犯行声明を出した。テロを受け、欧州全域の空港や交通機関で、緊急厳戒態勢が敷かれた。

ISは22日の犯行声明で、「戦闘員たちが爆弾ベルトで一連の爆破を実行した」とし、テロ攻撃の理由について、ベルギーが「(IS掃討の)有志連合に参加している」と指摘した。ベルギーのミシェル首相は記者会見で、「(空港と地下鉄駅の)二つの攻撃は、卑劣な攻撃だ。我々が恐れていたテロが起こった」と非難した。

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リンク:テロ攻撃……欧米で起きたほうが注目される? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「私はブリュッセル市民」=米国務長官、哀悼の意―ベルギー - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:仏で逮捕の「テロ計画」の男、昨年7月にベルギーでパリ同時テロ犯とともに有罪判決 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「自爆犯」の兄を非難、ベルギーのテコンドーチャンピオン - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ISのテロは「プロパガンダ」、賛同者確保が目的 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:【ブリュッセル連続攻撃】ベルギー警察、6人逮捕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギー爆弾攻撃で6人逮捕、フランスでは攻撃計画阻止 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:テロ現場の空港、乗客が荷物引き取り 「突然皆が床に…」恐怖語る - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ブリュッセル連続テロは「IS弱体化」の証だ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギー連続テロ事件で国交省、ANA航空機の安全確認や旅行者に注意喚起など対策 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギー司法相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ブリュッセルで捜索に当たる警官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:フランス、テロ計画の疑いで容疑者逮捕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:同時テロ、7人拘束=米長官、ブリュッセル入り―新たな容疑者も浮上・ベルギー - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:仏でテロ計画の男、パリ郊外で拘束…AFP通信 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<ベルギー同時テロ>無言の訴え「私はテロリストではない」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<米国務長官>8月までにシリア新憲法案策定など露側と合意 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<ベルギー同時テロ>市中心部など3カ所捜索6人新たに拘束 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:テロ関与か、6人を拘束…EUは情報共有強化へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:日本が「テロの標的」になる日が迫っている - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギーの捜索現場 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギーテロは予想されていた 当局の失態か? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギー同時テロ 2グループでパリ型テロ計画か 銃撃によるテロも計画? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:岸田外相、G7でテロ対策、暴力的過激主義対策議論 トルコでの邦人拘束「改めて広報を強化」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:情報共有の必要性で一致=EU緊急会合 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「フランスでテロ計画」の男、パリ近郊で逮捕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギー警察、テロ関連で急襲作戦 6人を拘束 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:仏でテロ画策か、男拘束=パリ郊外 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:凶行「信じたくない」=自爆犯の弟 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:凶行「信じたくない」=自爆犯の弟が会見―ブリュッセル - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:IS壊滅へ協力訴え=ロ大統領とテロ対策協議―米国務長官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギー、自爆犯の事前情報「無視」で批判 2閣僚が辞意 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:欧州震撼「安全な場所はない」2つのテロ凶行 根深い過激派ネットワーク - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギー爆弾テロの背景に政府の対策の甘さ - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

テロ攻撃……欧米で起きたほうが注目される?
BBC News 3月25日(金)18時54分配信

マイク・ウェンドリング、BBCトレンディング

テロ攻撃は欧米で起きた方が、欧米で起きたというただそれだけの理由で、ソーシャルメディア(SNS)や報道機関に注目されるのだろうか? 

攻撃があるたびに、同じような展開が繰り返される。悲しいほど同じだ。テロ攻撃があるたびに何百万もの人が悲しみ、ネット上では衝撃が広がる。爆弾攻撃や銃撃の速報が伝わるや否や、いろいろなハッシュタグが次々と登場する。その町の名前や名所のイラストを使って、「Pray for ... (どこそこのために祈ろう)」と。

続けてたちまち、まだ被害者が道端や病院で実際に苦しんでいる内から、感情的な政治論争が始まる。イスラム教について、外交政策について、移民政策について。時には北大西洋条約機構(NATO)や欧州連合(EU)などについても。

特にSNSでは毎回同じ批判が繰り返される。SNS利用者と伝統的な報道機関はどちらも、西欧と北米の外で起きるテロ攻撃は常に無視する――という批判だ。たとえば2015年11月のパリ連続襲撃のあと、BBC.comで最も読まれた記事のひとつは、7カ月前のケニア襲撃に関するものだった。どうやら多くの人が、自分たちの言い分の裏付けとしてこのニュースを共有していたようだ。

22日のブリュッセル攻撃の後にも、似たような発想の流れが繰り広げられた。SNS上で話題になっているのを見てネット系ニュースメディアは、「なぜブリュッセルは大事でイスタンブールは違ったのか」とか、「ブリュッセルの前にも攻撃があった……けど聞かなかったはず」などの見出しを付けたまとめ記事を掲載した。

けれども、これは本当にそうなのか?  SNSや報道機関の人間は本当に、トルコやケニアの人たちが爆弾で殺されたとき「静か」だったり「沈黙」したりしていたのか? 

まずSNSを見てみよう。

22日の攻撃の後、「Pray for Brussels(ブリュッセルのために祈ろう)」や「Pray for Belgium (ベルギーのために祈ろう)」というハッシュタグは、約65万回ツイートされた。3月19日のイスタンブール爆弾攻撃の後は、「トルコのために祈ろう」や「アンカラのために祈ろう」を含めれば、同様のハッシュタグは約40万回ツイートされた(フランス語やトルコ語でのツイートも含む)。

22日の攻撃の後、「ブリュッセル」の英語名や仏語名もツイッターで600万回以上使われた。イスタンブールの攻撃の後は「トルコ」や「イスタンブール」の単語が220万回使われた。

こうした数字がいずれも、大まかな概算に過ぎないことは念頭においてもらいたい(たとえば、町や国名に言及しても攻撃には触れないツイートもたくさんある)。しかし、いくつか結論を数字から導くことはできる。数字は同じではないが、トルコについてSNSが「沈黙」していたことにはならない。

一方でニュース・メディアの報道ぶりは、SNSとは別の話で、これはなかなか興味深い。

SNSでの会話量とは別に、グーグルで英語報道を検索すると、ブリュッセル攻撃に関する記事の数はトルコでの爆弾攻撃についての記事よりもはるかに多い。BBCトレンディングがざっと計算したところ、グーグル・ニュースが過去1カ月に取得した記事に「Istanbul attack(イスタンブール攻撃)」という表現が登場するのは10万回未満。一方で「Brussels attack(ブリュッセル攻撃)」という表現は1400万回ヒットした。3月13日のアンカラ爆弾攻撃にように死傷者数がほぼ同数の惨事と比べても、「アンカラ攻撃(Ankara attack)」という表現は200万ヒットに留まった。

ニュース記事の調査手法としてこれは不完全なものだ。けれども英語ニュースサイトの編集者たち、特にそのほとんどが欧州や北米にいるのだろう編集者たちはもっぱら、トルコの爆弾攻撃よりもブリュッセル攻撃の方が読者には関心が高いニュースだろうと判断した様子だ。

SNSがニュースの世界をいかに塗り替えているか、論評は尽きない。そしてそのほとんどは正しい。フェイスブックやツイッターはニュース業界を塗り替えたし、人がニュースを観たり読んだりする方法を大きく変えた。以前なら見逃したかもしれないニュースがSNSでいかに大きく注目されるかを知って、記者たちはSNSの反応に敏感になったし、SNSは取材する側にとって新しい情報源や調査手段となった。

けれども報道機関の報道の形はいまだに編集者と、編集者のニュース判断が決める。日々の報道の中でどのニュースを大きく扱うべきか選ぶのは、編集者だ。そして編集者のそうした判断は、SNSで何が人気かどうかと必ずしも一致していないのだ。

(英語記事 Do terror attacks in the Western world get more attention than others? )


「私はブリュッセル市民」=米国務長官、哀悼の意―ベルギー
時事通信 3月25日(金)18時28分配信

 【ブリュッセル時事】ベルギーの首都ブリュッセルを訪問したケリー米国務長官は25日、ミシェル首相と会談後に共同記者会見し、同時テロで多くの犠牲者を出したベルギーに対し哀悼の意を表すとともに「私はブリュッセル市民だ」と宣言し、連帯を表明した。

 
 長官は「この悲劇に際し、米国は断固としてベルギーを支え、欧州諸国民と共にある」と強調。捜査への支援を続けていくと約束した。


仏で逮捕の「テロ計画」の男、昨年7月にベルギーでパリ同時テロ犯とともに有罪判決
AFP=時事 3月25日(金)18時19分配信

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仏パリ北西部で強制捜査に加わる警察官ら(2016年3月25日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フランスでの攻撃を計画していたとして24日夜にパリ(Paris)近郊で逮捕された男が、ベルギーで昨年7月、パリ同時テロの首謀者とされるアブデルハミド・アバウド(Abdelhamid Abaaoud)容疑者とともに有罪判決を受けていたことが分かった。警察当局筋が25日、述べた。

 警察当局筋によると、パリ近郊で逮捕されたのはレダ・K(Reda K.)容疑者で、過激派ネットワークに参加しシリア入国を計画していたとして、ベルギー・ブリュッセル(Brussels)の裁判所で被告不在のまま有罪判決を言い渡されていた。【翻訳編集】 AFPBB News


「自爆犯」の兄を非難、ベルギーのテコンドーチャンピオン
AFP=時事 3月25日(金)18時1分配信

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ベルギーの首都ブリュッセルにあるテコンドー協会の本部で記者会見するムラド・ラーシュラウイさん(2016年3月24日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で22日に起きた連続テロ事件で、空港で自爆したとみられるナジム・ラーシュラウイ(Najim Laachraoui)容疑者の弟である同国のテコンドーチャンピオンが24日、兄の事件への関与を「強く」非難した。

 弟のムラド・ラーシュラウイ(Mourad Laachraoui)さんは、兄が、31人が死亡し約300が負傷したブリュッセルのテロ事件の自爆犯の一人だと聞いて打ちのめされたし、記者会見で「動揺し衝撃を受けた。兄だとは信じたくなかった。だが、自分の家族は選べない」と語った。

 ムラドさんによると、兄のナジム容疑者が2年以上前にベルギーを離れてシリアに渡って以来、兄弟の間で接触はなかったという。

 同容疑者についてムラドさんは、まったく普通の若者で、イスラム教の教えを実践していたが、過激派に成り下がってしまったことは家族を驚かせたと話し、「兄はいい男だったし、とりわけ賢かった」、「サッカーを少しやり、読書もしていた」と付け加えた。

 ナジム容疑者は、22日にブリュッセルの空港で自爆した2人目の容疑者として警察筋に特定されたほか、昨年11月に130人が死亡したフランス・パリ(Paris)での同時テロ事件で使われた爆弾を製造した疑いも持たれている。

 24日に発表した声明でムラドさんは、「ムラド・ラーシュラウイは、兄の行動とフランスやベルギーで兄が関与した攻撃を断固として非難する」と述べた。

 ムラドさんは、昨年5月にロシアで行われた(テコンドーの)世界選手権のベルギー代表。また、韓国で行われた同7月のユニバーシアードでは、銀メダルを獲得している。【翻訳編集】 AFPBB News


ISのテロは「プロパガンダ」、賛同者確保が目的
ウォール・ストリート・ジャーナル 3月25日(金)16時27分配信

 ベルギーの首都ブリュッセルで発生した連続テロは、4カ月前に仏パリから発せられた警告をさらに強めるメッセージとして世界に伝わることになった。それは、過激派組織「イスラム国」(IS)には欧州の中心地で破壊的なテロ攻撃を遂行する能力が備わっているというものだ。このメッセージの効果を維持させるためには、同じことをもっと行わねばならない――。

 ISには2つの戦略的優位性がある。シリアやイラクの紛争がISに拠点を築かせる状況を許したこと。大量の難民が欧州に流入しているおかげで、紛争地帯から逃げる大勢の人々に中に戦闘員を潜り込ませることができたことだ。

 難民に紛れている戦闘員の中には、百選錬磨のジハーディスト(聖戦主義者)に加え、生まれ育った故郷に戻る欧州出身者も含まれている。これは武器や爆弾作りに関する豊富な知識を備えた戦闘員が、地元の情報に通じた同調者から、隠れ家や支援の提供を得られることを意味する。

 ベルギーのギーンス法相はパリ同時テロの実行犯が拠点にしていたブリュッセルのモレンベーク地区のことに言及し、「(テロは)モレンベーク出身の数人の仲間同士がやったことだと人は考えているが、それは違うと私は繰り返し言ってきた。(何人かは)当局が把握していなかった人物であり、そういう人物はたいてい、それ以前に欧州には来たこともない」と話した。

 欧州連合(EU)の欧州刑事警察機構(ユーロポール)のロブ・ウェインライト長官は2月に、ISと一緒に訓練したり戦ったりするために、約5000人の欧州出身者がイラクやシリアに渡航したとの見方を示した。そのうちの数百人はすでに帰国しているほか、他の地域から来た人物も大勢いると考えられているという。

 米軍関係者は2001年9月11日の米同時多発テロを実行したとされる国際テロ組織アルカイダとISには根本的な違いがあると指摘する。どちらも米国や西側諸国を嫌っているのは同じだが、アルカイダの目的は欧米諸国を最終的に破壊することだった。

 一方、ISは別の理由で欧米諸国を攻撃しているという。それは、プロパガンダだ。ISは預言者ムハンマドの後継者「カリフ」を最高指導者に戴くイスラム国家をシリアとイラクに建設することが最大の目標だ。そのためには賛同者の安定的な流入が必要だ。

 ISの拠点が米国主導の有志連合による空爆を受けるなか――また、戦闘行為を通してISの支持が弱まる状況であればなおさらのこと――ISは欧米諸国で攻撃を遂行することで、賛同者や仲間になりそうな人々に対し、自分たちの妥当性を示さねばならない。

 テロリストたちの動機を専門に研究するフランス系米国人のスコット・アトラン氏はアルカイダを「おおまかに言えば、かなり裕福かつ学歴の高い人物に率いられた、自主参加の人々による分散的な活動」だと表現する。

 一方、ISは「統制、組織、物資面で(アルカイダより)勝り、本拠とする領域を持ち、その行動はより強硬でより残酷だ」と指摘する。

 仮にこの分析が正しければ、ISは9/11と比肩するような壮大な成功を必要としない。そういう意味ではアルカイダによるテロよりも脅威は小さいと言える。だが、ISは欧州での攻撃を成功させ続ける必要があり、その意味でははるかに危険は大きい。

 スペインのパブロ・デ・オラビデ大学で政治とテロリズムを研究する専門家のマニュエル・トレス氏は「(テロ対策のための)アナリストが貢献できるようになるまでには多大な訓練と時間がかかる」と指摘する。 

 欧州は今、セキュリティー強化をかなり進めている。だがトレス氏は、今のところ当局者が追いつくスピードより、脅威が広がるスピードのほうが速いと話した。


【ブリュッセル連続攻撃】ベルギー警察、6人逮捕
BBC News 3月25日(金)15時29分配信

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【ブリュッセル連続攻撃】ベルギー警察、6人逮捕

31人が死亡した22日のブリュッセル連続攻撃に関連して、ベルギー警察は24日、ブリュッセルのスカルベック地区で6人を逮捕した。逮捕者の身元や事件との関連は明らかにされていない。これに先立ちベルギー政府は同日、実行犯のひとりについてトルコ政府から警告を得ていたが対応しなかったと、不手際を認めた。またフランスでは、攻撃を計画していた容疑者がパリ近郊で逮捕されたという。

ベルギー警察は24日夜、スカルベック地区の住宅を一軒ずつ捜索し、6人を逮捕した。

同じ24日夜、カズヌーブ仏内相は、フランス出身の男性を攻撃計画の疑いで逮捕したと発表。男は国内で攻撃を実行する計画を「かなりの段階まで進めていた」という。昨年11月のパリ連続襲撃は今月のブリュッセル攻撃と関連は見つかっていないという。この逮捕後に、フランス警察はパリ北西アルジャントゥイユで対テロ捜査を実施した。

これに先立ちベルギー政府は24日、ザベンテム空港で自爆死したとされるブラヒム・エルバクラウイ容疑者について、「ミスを犯した」と認めた。昨年夏にトルコ政府がシリア国境付近で拘束し強制送還する際、ベルギー政府とオランダ政府に「外国人のテロ戦闘員」だと警告していたが、ベルギー政府はこれを「無視した」という。

ベルギーのヤンボン内相とヘンス司法相はこれを受けて辞表を提出したが、ミシェル首相は受理しなかった。

ブラヒム容疑者は、ザベンテム空港の防犯カメラがとらえた男性3人のうち中央の人物。自爆死したとみられている。空港では11人が死亡した。

弟のハリド容疑者は、メルベック地下鉄駅で自爆死したとみられている。地下鉄駅では20人が死亡した。

未確認情報によると、空港で撮影された3人のうち向かって左側にいたのは、ナジム・ラシュラウイ容疑者ではないかとされる。空港で自爆死したとされる。パリ連続襲撃に関連する爆発物から、同容疑者のDNAが採取されている。

向かって右側の帽子をかぶった男性は、身元が特定されていない。空港から逃走したとみられている。

メルベック地下鉄駅での攻撃について、当局が2人目の容疑者を追跡しているという情報もある。捜査筋はAFP通信に対して、駅の防犯カメラが、ハリド容疑者の隣で大きいバッグを持った男性の姿をとらえていると話している。

一方で、ベルギーの公共放送VRTは、連続攻撃を計画・実行した過激派勢力の「セル」(組織内の小集団)はそもそもパリ連続襲撃のように、自爆攻撃に銃撃も組み合わせた大規模な攻撃を計画していたという前提で、当局は捜査を進めていると報じた。

ブリュッセルとパリの攻撃のつながりも浮上している。調べによるとハリド容疑者は、パリ連続襲撃の共犯として18日にブリュッセル・フォレ地区で逮捕されたサラ・アブデスラム容疑者が潜伏していたアパートを、偽名で借りていたという。

アブデスラム容疑者は24日、フランスへの身柄引き渡しを受け入れると弁護士を通じて明らかにした。それまでは、引き渡しに抵抗する姿勢を示していた。

ベルギー生まれでフランス国籍を持つアブデスラム容疑者を弁護するスベン・マリー弁護士によると、逮捕後しばらく取り調べに協力していた容疑者は、ブリュッセルの攻撃後は事情聴取に応じなくなっている。ブリュッセル攻撃については何も知らなかったと供述しているという。

アブデスラム容疑者を含む容疑者3人の勾留審判は4月7日まで延期された。

欧州刑事警察機構(ユーロポール)のロバート・ウエインライト長官はBBCに対して、欧州におけるイスラム聖戦主義者のネットワークは「当初恐れていたより広範囲にわたる」と述べた。「欧州で過激化された約5000人が、戦場経験を得るためにシリアやイラクへ渡航し、その一部が欧州に戻ってきている」ことが懸念されているという。

(英語記事 Brussels attacks: Belgian police arrest six suspects)


ベルギー爆弾攻撃で6人逮捕、フランスでは攻撃計画阻止
ロイター 3月25日(金)15時28分配信

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 3月25日、ベルギーの首都ブリュッセルで22日発生した同時攻撃について、ベルギーの警察当局は新たに6人の容疑者を逮捕した。写真はブリュッセルのスカールベーク地区で家宅捜索する捜査員たち(2016年 ロイター/Christian Hartmann)

[ブリュッセル 25日 ロイター] - ベルギーの首都ブリュッセルで22日発生した同時攻撃について、ベルギーの警察当局は新たに6人の容疑者を逮捕した。フランスでも、同国内での無差別攻撃を計画した疑いで、武力組織メンバー1人が逮捕された。

ベルギーの検察当局は24日、ブリュッセルのスカールベーク地区などで行われた家宅捜査で、今回の事件に関連して6人が新たに逮捕されたことを明らかにした。

少なくとも31人が犠牲となり約270人が負傷したベルギー同時攻撃では、過激派組織「イスラム国」が犯行声明を出しており、欧州各国の治安機関は現在も警戒態勢を続けている。

同組織は昨年11月に発生し130人が死亡したパリ同時多発攻撃でも犯行を認めている。

フランスではカズヌーブ内相が24日夜、フランス国内で無差別攻撃を計画していた疑いで、武装組織メンバーのフランス国籍の人物を24日朝に逮捕したと明らかにした。

同内相は、逮捕により「計画が進んでいたフランスでの攻撃を未然に防いだ」と語った。


テロ現場の空港、乗客が荷物引き取り 「突然皆が床に…」恐怖語る
AFP=時事 3月25日(金)15時13分配信

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ベルギー連続テロ事件直後、荷物を持たずにブリュッセル国際空港から出る利用客(2016年3月22日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】2日前、ベルギー史上最悪のテロ事件を生き延びたロジャー・ラマザニさんは、ブリュッセル国際空港(Brussels Airport)からようやく荷物を持ち出せた。

 22日、出発ロビーで2回の爆発が起きたとき、ラマザニさんは同じターミナルビルの中でコンゴ(旧ザイール)のキンシャサ(Kinshasa)行きの便の搭乗券を握っていた。11人が死亡した恐怖の現場へ事件後、初めて戻ったラマザニさんの記憶では、煙とパニックの中、突然、皆が床へ横たわった。だが1人の女性が、開いているドアの外へと人々をせきたてた。

 ブリュッセル郊外に住むラマザニさんら、爆発事件の渦中に居合わせた何千人もの空港利用者のうち何十人かは24日になって、リュックサックやスーツケース、ベビーカーといった荷物を取りに空港を再び訪れた。

 冷たく広々とした格納庫には5000個以上の荷物がきちんと並び、持ち主を待っている。24日に荷物を取り戻せた人々はそれでも幸運だ。彼らの荷物は爆発が起きたとき、旅客機の格納庫にあった。一方、事件当時にターミナルビルにあった荷物はしばらくそのままだ。まだ捜査が進行中で、一般旅客や空港スタッフは立ち入りできないためだ。

 ドイツ人のミヒャエル・マツィリスさん(65)も荷物を取りに来ていた。事件当時は到着便の機内の窓から外を見ていた。ターミナルから吐き出される黒煙を見て、恐怖が走ったと言う。「われわれが飛行機から降りてロビーへ入ると…とにかく全員が走っていて、何が起きたのか分からなかった」

 バッグを両手に持ったリュック・ブーネンさん(52)が夫婦で乗っていた便は事件当時、滑走路に止まったままで、小一時間したころにニュースを知った。「操縦士から説明があった。『爆発があった』と。ショックだった」

 ブリュッセル首都圏に住むブーネンさんは、最悪の場面を目撃しなかったのは幸いだったと言い、自分は死と隣り合わせの体験からどうにか立ち直ったが、妻はまだ立ち直れずにいると語った。「妻は眠れていない。とにかく泣いている」【翻訳編集】 AFPBB News


ブリュッセル連続テロは「IS弱体化」の証だ
東洋経済オンライン 3月25日(金)15時0分配信

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爆破テロに見舞われたブリュッセルの空港内部。提供写真 (写真:ロイター/Jef Versele/Handout)

原文はこちら  ブリュッセルでの連続爆破テロによる犠牲は甚大だ。警察の発表によると、少なくとも31人が死亡、270人近くが負傷した。悲惨で受け入れがたい残虐行為だ。しかし、西側は過激派組織「イスラム国(IS)」との戦いが勝利の兆しを見せていることを銘記すべきだろう。今回のテロはISの強さというよりもむしろ、ある種の弱さに起因しているのだから。

【詳細画像または表】

 ISはこのところ、手痛い打撃を受け続け、弱体化してきている。まず重要なことに、イラクとシリアにまたがるISの支配地域は、過去1年3カ月にわたって縮小を続けている。2015年1月以来で22%狭まったとみられ、今年に入って8%を失った。

 さらに過去1カ月の間に、ISの数千もの文書が欧州のメディアにリークされた。その中には構成員の名前や年齢、学歴、スキルなどが記された名簿も含まれている。そして、ブリュッセルのテロが起きる4日前に、昨年11月のパリでの同時テロ実行グループ主犯格でベルギー出身のサラ・アブデスラム容疑者が同国で逮捕された。

■ 追い込まれて暴挙に

 支配地域縮小や名簿流出、そしてISのネットワークや将来計画を把握しているとみられる大物の逮捕といった状況が重なり、ブリュッセルのIS組織はパニックに陥った可能性がある。そして今回の自爆テロに走ってしまったのではないだろうか。

 西側が見逃しているかもしれないのは、今回の爆破テロの手口が、かつての国際テロ組織アルカイダと似ている点だ。空港など交通システムを狙ったブリッュセルでの今回のテロは、2004年のマドリード列車爆破テロや2005年のロンドン同時爆破テロをほうふつとさせる。

 そして北大西洋条約機構(NATO)や欧州委員会が本部を置く都市として世界的に有名なブリュッセルでこうした事件が起きたことは、2001年の米同時多発テロ事件(9.11)を連想させる。

 だが、アルカイダの一連の攻撃と、今回のブリュッセルでのISによるテロとの間には、注目すべき違いがある。9.11やマドリード、ロンドンでの事件を起こした当時のアルカイダは勃興期にあり、その破壊力が世界を震撼させていた。アルカイダの指導者オサマ・ビンラディンは1998年のケニアとタンザニアの米大使館爆破など多くのテロを繰り返して米国の気を引こうとしたが果たせなかった。この状況は9.11により一変した。

 パリでの同時テロ勃発の直前にオバマ米大統領は、西側によるシリアとイラクでの対IS作戦が成功を収めていると発言した。そして専門家の一部はパリでのテロについて、中東の支配地域縮小に苛立ったISが、武器を有効活用しやすい欧州に構成員を送り込んだと分析した。

 裏にあるのが強さなのか弱さなのか、あるいは苛立ちなのか自信なのかという点は非常に重要だ。ブリュッセルのテロに西側がどう立ち向かうかに関するヒントになるからだ。

 第一義的に、相次ぐテロに最前線で対処する法執行者は、何が起きているのか正確に把握すべきだ。そして犯罪者の広いネットワークを割り出して武器を押収し、今回の爆破テロの容疑者を逮捕しないといけない。

■ 重要なのはひるまないこと

 しかし、それだけではもっと大きな問題の解決は無理だ。ブリュッセルでのテロが、パニックに陥ったISの一部組織が絶望にかられ起こしたものなのであれば、適切な対応は恐怖ではなく、悲哀や喪失の念を抱くことだ。公的機関やメディアや役人や政治家は、不正確なものに屈して不安定で弱い感情に流されるべきはない。

 瀬戸際に追い込まれているISは、破れかぶれになって今後、さらなる暴力に訴えるかもしれない。しかし、西側は内外でISへの圧力をかけ続けるのを思いとどまるべきではないのだ。

 この世の現実として、そして恒久的な問題として、テロには絶え間ない警戒が必要だ。それ以上でも以下でもないのだ。

 *筆者のカレン・J・グリーンバーグは米フォーダム大学法科大学院の国家安全保障センター理事で、テロや人権などの研究者。このコラムは彼女個人の見解に基づいている。


ベルギー連続テロ事件で国交省、ANA航空機の安全確認や旅行者に注意喚起など対策
レスポンス 3月25日(金)14時57分配信

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ベルギー・ブリュッセルの空港と地下鉄で同時テロ(3月22日)

国土交通省は、ベルギー・ブリュッセルにおける連続テロ事件に対する対応策を公表した。

ベルギー・ブリュッセルで発生した連続テロ事件を踏まえ、安倍総理から、国土交通省に対して海外にいる日本人の安全確保、国内の警戒警備徹底など、緊張感を持ってテロ対策にあたるよう指示があった。

国交省では昨年11月にフランス・パリで発生した連続テロ事件を受けて、石井国土交通大臣が旅行者や所管事業者(海外勤務者)の安全確保、水際対策の徹底、重要施設の警戒警備の実施など、テロ対策を徹底するよう指示。さらに今回の連続テロ事件を踏まえ、大臣指示を改めて周知徹底するとともに、警戒・警備の一層の徹底を図っていく。

連続テロ事件を受けた国交省としての具体的な対応としてベルギーに航行中の全日本空輸(ANA)航空機について、安全確認を実施するとともに、ANA社員の安否確認を指示した。旅行業協会を通じ、外務省から発出されたスポット情報を周知するなど、旅行業者に注意喚起要請した。旅行業協会を通じ、海外旅行者の安全確保に万全を期すよう周知を図る。

また、鉄道事業者、自動車運送事業者、海事関係事業者、埠頭保安管理者、港湾管理者、空港設置管理者、航空運送事業者、物流関係事業者にテロ対策の徹底について周知を図る。河川管理施設などでのテロ対策徹底を指示した。

ほか、各海上保安本部に対し、即応体制と関係機関との連携の確保、関連情報の収集、臨海部重要施設などの警戒監視に万全を期すよう指示した。

《レスポンス レスポンス編集部》


ベルギー司法相
時事通信 3月25日(金)14時52分配信

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24日、ブリュッセルの連邦議会で、ベルギー同時テロ犠牲者を追悼する式典に出席するヒーンス司法相(左から2人目)。


ブリュッセルで捜索に当たる警官
時事通信 3月25日(金)14時42分配信

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24日、ブリュッセルのスカールベーク地区で捜索に当たる警官。

(AFP=時事)


フランス、テロ計画の疑いで容疑者逮捕
CNN.co.jp 3月25日(金)14時40分配信

(CNN) ベルギー・ブリュッセルの連続テロを受けて欧州全土で警戒が強まる中、フランスのカズヌーブ内相は24日、テロを計画していた疑いでフランス国籍の容疑者を逮捕したと発表した。

カズヌーブ内相によると、容疑者はテロネットワークの一員で、フランス国内でテロを計画していた。計画は「進行した段階」だったとしている。当局は数週間に及ぶ捜査を経て、今回の逮捕に至ったという。

警察は同容疑者の逮捕後、パリ郊外のアルジャントゥイユで対テロ作戦を実施。建物に住む住民は避難した。作戦について、パリやブリュッセルの連続テロ事件との明確な関係はないと内相は説明している。

同容疑者がかかわっていたとされるテロネットワークは不明だが、捜査当局は、過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」が欧州でさらに複数のテロを計画しているとみて調べている。

複数の米テロ対策当局者によれば、通信内容の傍受や関係者の証言、データベースの解析情報から、ISISがパリ同時テロ以来の数カ月で、テロの標的としてさらに複数カ所に狙いを定めていることが分かったという。

フランスではテロ関連で今年に入って75人が逮捕されている。


同時テロ、7人拘束=米長官、ブリュッセル入り―新たな容疑者も浮上・ベルギー
時事通信 3月25日(金)14時33分配信

 【ブリュッセル時事】ベルギー捜査当局は24日夜から25日午前にかけ、首都ブリュッセルを22日に襲った同時テロに絡み、新たに7人を拘束した。

 7人についての詳細は公表されていない。引き続き犯行グループの全容解明に当局は努めるが、新たな容疑者が存在する可能性も浮上し、イエス・キリストの復活を祝う「イースター(復活祭)」を前に街は重い空気に覆われている。

 モスクワを訪問していたケリー米国務長官は25日、ブリュッセル入りし、レインデルス外相、ミシェル首相、フィリップ国王、欧州連合(EU)のユンケル欧州委員長と相次ぎ会談。ツイッターを通じ「(犠牲者に)心からの哀悼の意を表明する」と発信した。首相との会談後の共同記者会見では「私はブリュッセル市民だ」と宣言してベルギーや欧州との連帯を表明した。

 検察当局は24日夜、ブリュッセルのスカールベーク地区などでの家宅捜索で6人を拘束した。さらに公共放送RTBFは、25日午前に別の1人がフォレ地区で拘束されたと伝えた。

 複数の地元紙は25日、欧州の治安機関のリストに載っているシリア人のナイム・ハメド容疑者(28)が今回のテロに関与した疑いがあると報道。ブリュッセルでのテロで、どのような役割を演じたかは不明だが「非常に危険で、武装しているようだ」と伝えられている。ベルギーでは24日、地下鉄駅での爆破に関して、逃走中の容疑者がいる可能性が浮上していた。

 一方、昨年11月のパリ同時テロ実行犯グループの一人で、ベルギーのテロの4日前に逮捕されたサラ・アブデスラム容疑者(26)と、空港や地下鉄駅で自爆した実行犯2人との間で、隠れ家の提供を含む協力関係があったことが明らかになっている。


仏でテロ計画の男、パリ郊外で拘束…AFP通信
読売新聞 3月25日(金)12時40分配信

 【パリ=三好益史】AFP通信によると、フランスの捜査当局は24日、パリ郊外のアルジャントゥイユで捜索を行い、国内でテロを計画していたとしてフランス国籍の男を拘束した。

 カズヌーブ内相は同日、地元メディアに対し、「高いレベルでテロ計画に関わっていた疑いがある。我々の国を攻撃しようとするテログループに属している」と指摘したが、ベルギーやパリの同時テロとの関係について「関連を示す明らかな証拠はない」とも述べた。

 捜索は男を拘束後も建物周辺に非常線を張って続けられ、不発弾処理の専門家らも動員された。男は数週間にわたって当局の監視下にあった。


<ベルギー同時テロ>無言の訴え「私はテロリストではない」
毎日新聞 3月25日(金)12時18分配信

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無言でメッセージボードを掲げるザキア・ムハンマドさん=ブリュッセルで2016年3月24日、賀有勇撮影

 【ブリュッセル賀有勇】ベルギー同時テロの犠牲者を追悼する集会が行われたブリュッセル中心部の広場で24日、メッセージボードを抱えて無言で訴える女性がいた。オランダ語でボードに書かれた言葉は「私はイスラム教徒ですが、テロリストではありません。私はシリア人ですが、テロリストではありません」。

 女性はブリュッセルに住む高校生のザキア・ムハンマドさん(20)。内戦が続くシリアから逃れてきた。北部アレッポで生まれ育ったが、2012年7月、暴力の連鎖が続くなか、母と欧州を目指した。トルコにたどりついたものの母は心臓を患い、歩き続けることが困難になった。

 「先に一人で行きなさい。安全な場所に早く行って普通に暮らして」。諭すように話す母に促され、当時17歳だったザキアさんは一人で歩を進めた。ブリュッセルに着いたのはシリアを出発してから8カ月後だった。

 母ともう一度暮らしたい。その一心で年下の生徒に交じって勉強し、ベルギーの公用語の一つ、オランダ語を日常生活で使いこなせるまでになった。

 だが、願いはかなわなかった。ザキアさんの後を追ってトルコからギリシャ、マケドニアへと北上を続けた母は昨年11月、スロベニアで息を引き取った。

 パリ同時多発テロでは実行犯の一部がシリア難民を偽装し、欧州に入り込んだとされる。また、ブリュッセルの同時テロの実行犯の一人と地元メディアに報じられているナジム・ラーシュラウイ容疑者(24)もシリアに渡航歴があった。

 生死をかけて逃れようとする難民になりすます行為や、祖国で市民を殺害している過激派組織「イスラム国」(IS)に戦闘員として参加した容疑者らが許せなかった。そして何より、イスラム教徒とシリアに対してテロの印象を植え付けたテロリストたちを許せなかった。ザキアさんはその思いをメッセージボードに込めた。

 将来の夢を尋ねると、犠牲者の思いを代弁するように語った。

 「平和を取り戻したシリアに帰りたい。そのために働き、勉強したい。母が亡くなったスロベニアにも行きたい。やりたいことは山ほどあるけど、命を奪われたら何もできない。テロとはそういうもの」


<米国務長官>8月までにシリア新憲法案策定など露側と合意
毎日新聞 3月25日(金)12時14分配信

 【モスクワ杉尾直哉】ケリー米国務長官は24日、訪問先のモスクワでラブロフ外相、プーチン大統領と相次いで会談し、シリアの新統治機構の発足と新たな憲法草案の策定を今年8月までに完了することで合意した。ラブロフ氏との共同記者会見でケリー氏が明らかにした。

 両外相によると、シリアのアサド政権と反体制派の和平プロセスを加速するため、米露で協力していくことでも合意した。ただ、シリアのアサド大統領の処遇を巡る対立は解けなかった。2月に発効した一時停戦を維持し、人道支援を拡大することでは一致した。

 ケリー氏の訪露は昨年5月と12月に続き、この1年で3度目。ラブロフ氏、プーチン氏との会談はそれぞれ4時間以上にわたり、シリア問題やウクライナ危機、北朝鮮情勢など広範囲に及んだ。ウクライナとシリア問題で対立を深めた米露だが、プーチン氏は会談冒頭、「我々は互いに接点を見つけ、国際問題、両国問題の解決で前進できる」と述べ、期待感を示した。

 ケリー氏は記者会見で、シリアに本拠を置く過激派組織「イスラム国」(IS)がベルギー同時テロで犯行声明を出したことに言及し、シリア正常化の緊急性を訴えた。その上で、「アサド氏の正しい判断を促すようロシアも決断すべきだ」と述べ、反体制派との和平協議にアサド政権が積極的に参加し、将来的にはアサド氏が退任するようロシア側が働きかける必要性を訴えた。ラブロフ氏はアサド氏の処遇について言及しなかった。

 ウクライナ東部紛争では、昨年2月の停戦合意(ミンスク合意)の履行を確認した。ラブロフ氏は合意履行に向け、ロシアが親ロシア派武装勢力に圧力をかけると表明し、米国にもウクライナ政府側に圧力をかけるよう求めた。ケリー氏は、「ウクライナの主権保持を支持する」と述べ、ロシアによるクリミア半島の編入を認めない姿勢を改めて示した。ただ、ミンスク合意が完全履行された際に「対露(経済)制裁を解除する」と述べた。


<ベルギー同時テロ>市中心部など3カ所捜索6人新たに拘束
毎日新聞 3月25日(金)12時10分配信

 【ブリュッセル斎藤義彦】ベルギー同時テロを受け、欧州連合(EU)は24日、緊急の内相・法相会議を開き、機密情報の共有強化で合意した。今年1月に設立した「テロ対策センター」に各国との連絡グループを設置し、情報交換を進める。一方、ベルギー治安当局は、市中心部など3カ所で家宅捜索を実施。6人を新たに拘束した。空港爆破テロの現場から逃亡した男の行方を重点的に追っている模様だ。ベルギー政府はテロ警戒レベルを1段階引き下げレベル3とし、兵士や警官の警戒は続けながら都市機能の正常化を図る。

 EU緊急会議はベルギーでの「おぞましいテロ」を厳しく非難。EU全体での「テロとの戦いの能力を高める」ことで合意した。具体策として、共通の警察機構ユーロポールへの機密情報提供が5カ国程度にとどまっている現状を是正し、情報共有の強化を図る。ユーロポール内に今年1月に設置した「テロ対策センター」に各国がテロ専門家を出向させて「共通連絡チーム」を作り、各国の意思疎通を円滑にする。また、国境管理で旅行者情報、移民・難民情報、治安情報がバラバラに運用されている事態を問題視し、3分野相互の情報交換を強化する。

 ベルギーのヒーンス司法相は、各国の協力の申し出に謝意を示し、情報共有や捜査協力で「(EUは)テロとの戦いで共闘姿勢を築きつつある」と述べた。

 一方、ベルギー治安当局は24日、空港や地下鉄で自爆した兄弟の住居がある北部スカーベーク地区や北西部のジェット地区などで家宅捜索を行い、6人を拘束した。空港のテロでは1人の容疑者が逃走したことが確認されているが、拘束した6人との関連は不明。

 パリ北部のアパートでも家宅捜索が行われ、男1人を拘束した。男はテロを実行する段階にあり、当局は阻止に成功したという。

 ベルギー政府の危機管理委員会は24日、テロの警戒度を最高の「レベル4」から「レベル3」に引き下げた。これまでは、公共交通機関を使う全ての乗客に荷物チェックを行っていたが、抜き打ち検査に変更する。ただ、「テロの危機はなお残っている」として警官や兵士の公共施設での厳重な警戒は継続する。

 ベルギーでは24日午後、犠牲者を追悼するため全土で黙とうがささげられた。ブリュッセルではミシェル首相、フィリップ国王が犠牲者に花輪を供えて黙とうした。首相はテロを防止するため「全力を注ぐ」と述べた。市民による追悼集会はベルギー各地で開かれた。


テロ関与か、6人を拘束…EUは情報共有強化へ
読売新聞 3月25日(金)12時3分配信

 【ブリュッセル=笹沢教一】ベルギーの首都ブリュッセルで起きた同時テロを受け、欧州連合(EU)は24日、緊急の内相・法相理事会を開き、航空機の乗客予約記録(PNR)を含む個人情報の収集や共有、銃や爆薬原料の取り締まり強化などテロ対策10項目を盛り込んだ共同声明をまとめ、早期の制度化を目指すことで合意した。

 ベルギーの捜査当局は24日もテロ実行犯とみられる男2人の捜索を続け、事件に関与したとみられる6人をブリュッセルなどで拘束したと明らかにした。

 共同声明には、テロ対策のため、PNRの収集と活用を急ぐ方針が盛り込まれた。昨年11月のパリ同時テロを受けて、収集・活用の方針が打ち出されていたが、個人情報の取り扱いに関して慎重な意見も多く、進んでいなかった。共同声明では、4月には欧州議会の承認を得て、早期の実行に移すとした。また、欧州の犯罪記録システムの運用を欧州外のトルコや北アフリカ、中東にも拡大し、テロ対策の協力を進めるとした。


日本が「テロの標的」になる日が迫っている
東洋経済オンライン 3月25日(金)11時45分配信

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3月23日、爆発テロによる犠牲者を追悼する市民たち(写真:ロイター/アフロ)

 3月22日、ベルギーの首都ブリュッセルの空港と地下鉄の駅でテロ攻撃が発生し、事件発生の翌日の時点で30人以上が死亡、230人以上が負傷という惨劇になった。

 このテロを対岸の火と考えてはならない。伊勢志摩サミットや五輪などビッグイベントを控える日本も、真剣にテロ対策を考えなければならない。

■ 狙われるヨーロッパ諸国

 今、ヨーロッパではテロが連続的に起きている。4カ月前には、パリで死者130人、負傷者300人以上の被害を引き起こした連続襲撃事件が起こったばかりだ。

 パリとブリュッセルで起こったテロ事件は関連があると見られている。今回のテロ事件の数日前、ベルギー政府はパリの事件の容疑者として追われていたサラ・アブデスラムをブリュッセル市内で逮捕したばかりだった。

 レンデルス外相はアブデスラムがブリュッセルで新たな攻撃を計画していた可能性があることを指摘し、ベルギー当局は「大量の重火器を発見し、(容疑者の)周囲でブリュッセル市内に新しいネットワークが作られていたのを見つけた」と発言していた。

 なぜベルギーのブリュッセルがテロの標的になったのか。いくつかの事情が重層的に絡んでいるようだ。

 その理由を4つに分けて分析しよう。

 第1に、ブリュッセルはパリのようにヨーロッパ文明の代表とは言えないかもしれないが、パリ同様豊かな大都会である。ここで事件を起こせば、その衝撃は大きい。

 第2に、ブリュッセルはパリに負けない国際的な都市だ。国際機関としては、まず「欧州委員会」があげられる。

 EUの機構は複雑で、欧州議会はフランスのストラスブール、欧州裁判所はルクセンブルグと機能ごとに本拠地が違っているが、ブリュッセルには「欧州委員会(EC委員会とも呼ばれる)」がある。これは「委員会」という名称だが、実際はEUの行政機関、つまり政府であり、外交、経済、教育、環境など諸分野の行政を行っている。

 今回のテロ攻撃が起こった地下鉄の駅は「欧州委員会」から遠くない場所にある。

■ ブリュッセルは交通の便が良い

 また、ブリュッセルには「北大西洋条約機構(NATO)」の本部があり、重要な決定はすべてそこで行われている。つまり、米国とヨーロッパの安全保障の総本山がブリュッセルにあるのだ。

 さらに、ブリュッセルがヨーロッパのなかでも交通の便がとくによいという指摘もある。交通の便がよいのは事実だが、テロ攻撃はむしろEUとNATOの中枢がブリュッセルにあることと関係が深いと思われる。

 第3に、ブリュッセルには多数のイスラム教徒が居住しており、「ヨーロッパのイスラム教徒の首都になっている」と言われることもあるくらいだ。統計的には、1994年時点で、ベルギーのイスラム教徒は全人口の3%であったが、その後大幅に増加しており、とくにブリュッセルに集中している。

 アブデスラム容疑者が長い間逮捕されなかったのはイスラム教徒の社会で隠れていたからだ。ブリュッセルには強い不満を抱えながら生活しているイスラム教徒が多いので隠れやすかったと言われている。

 第4に、ベルギー政府の対応に問題はなかったか。前述したように、レンデルス外相はテロ攻撃の危険性を予知していた。しかし、ブリュッセルにおけるテロ警戒度は最高のレベル4から3に引き下げられていた。最高レベルの警戒態勢を長く維持すると住民の生活に与える影響が大きくなりすぎて困難だからだろうが、それにしても今から思えばベルギー政府の対応が適切であったか疑問が残る。

 今後について肝心なことは「テロの襲撃を防ぐこと」だが、それはできるのだろうか。

 まず、テロの襲撃対象だが、今回の犯行では、「防備の弱いところ」が攻撃されている。その結果として、無辜の市民が多数犠牲になった。パリの場合も同様であった。

 空港では、搭乗手続きを終えた先のエリアにおける警備が厳しいが、それ以外の場所は無防備に近い。空港全体が厳戒態勢の下にある空港もあるが、それは例外的である。ブリュッセルに限らずほとんどすべての空港では誰でも自由にロビー内に入れる。日本でも同様だ。

 空港よりも厳しいのが鉄道である。とくに地下鉄の駅は、監視カメラなどがあるとはいえ、どこも突発的なテロに対して無防備といえる。

 一般的な犯罪は特定の人や施設を標的にするものだが、テロの場合は防備の弱いところが無差別的に攻撃される。つまり、襲撃の対象はだれでもよく、人が大勢集まっており、防備が弱ければ狙われるわけである。

■ 「自発的参加型」のテロは監視が困難

 次にテロ襲撃をする主体だが、今回もパリの時も過激派組織IS(イスラム国)が犯行声明を出しており、パリの犯行についてはフランス政府もISによる犯行だったと断定した。ブリュッセルのケースに関してはまだ若干の時間が必要かもしれないが、ベルギー政府も同様にISによることだったと断定する可能性が大きい。

 しかし、今回の事件もパリの事件も過激派組織ISからの直接の指示で行われた犯行でないようだ。どうやら、犯行者が自発的に事件を起こした可能性が高い。米国でもそのような自発的参加型のテロ事件が起こっている。つまり、昨今のテロ襲撃は、犯行の主体も対象も特定しにくいのが特徴であり、それだけに未然に防止するのがきわめて困難だ。

 しかし、打つ手がないと言ってあきらめることはできない。今後は「防御」と「自覚」が被害を少なくするカギだ。

 「防御」については説明するまでもないように思われるかもしれないが、ブリュッセルの事件では、前述したように事前に情報をつかんでいても十分な対応ができていなかった恐れがある。事件発生後に多数の警官が投入されているのを見ると、当然だと思うのと同時に、後手にまわっているという印象もある。ともかく、「防御」の面でさらに改善する余地はあるはずだ。

 「自覚」は、人を殺傷することがいかに罪深いかの「自覚」であり、いわゆる「聖戦」という名目で無辜の人を殺傷することの罪深さの「自覚」だ。多くの人にとって人を殺傷してはならないことは当たり前であっても、そう考えない人が出てきているのが現実である。

 人が「自覚」するには何が必要か。特効薬のような便利なものはなさそうだが、イスラムの世界において若者が誤った極端な思想に走らないよう導いていくことが必要だ。イスラムの教えを正しく伝える努力はすでに多くの人々によって行われているが、さらに強化されることを期待したい。イスラム教徒の中の誤った考えを正すのは、イスラム教の指導者が行うほうが効果的だ。

■ テロ攻撃を受ける側に必要な「自覚」

 一方、テロ攻撃を受ける側でも「自覚」を持たなければならない。とくに、貧困と差別が犯罪の温床を作り出していることについての「自覚」だ。

 ヨーロッパにはブリュッセル級の都市が他にもいくつかある。多数の人を殺傷する無差別テロはこれらの都市で起こりうることについても「自覚」が必要だ。

 多くの異民族が往来し、交わるのはヨーロッパの伝統であり、特徴だ。日本はこれに比べ、異民族が交わる程度ははるかに低いが、だからと言って安心することはできない。人が集まるところは多数あるし、若者が不満を持つことはヨーロッパ諸国と大して変わらない。

 今年は主要国の伊勢志摩サミットが開催される。2020年にはオリンピックが開催される。テロの標的には事欠かないと見るべきだ。


ベルギーの捜索現場
時事通信 3月25日(金)11時30分配信

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24日夜、ブリュッセルのスカールベーク地区を捜索するベルギーの警官


ベルギーテロは予想されていた 当局の失態か?
Wedge 3月25日(金)11時20分配信

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テロの犠牲者を悼んでブリュセル市内の広場に集まった人々(Getty Images)

 ベルギーの首都ブリュッセルの国際空港と地下鉄で起きた同時テロは欧州に深く広く根を張る過激派組織「イスラム国」(IS)のテロ・ネットワークの一端を浮き彫りにした。ベルギーだけではなく、各国の治安機関はさらなるテロに備えて厳戒態勢を敷いているが、テロ続発の恐怖が欧州全体を覆っている。

90人が指令待つ
 3月22日に起きたテロではこれまでに、国際空港で11人、市内の地下鉄マルベーク駅で20人が死亡、250人が重軽傷を負った。日本の生命保険協会からブリュッセルの国際保険協会連盟に出向中だった邦人男性2人も駅でのテロに巻き込まれ、1人は重体だ。

 しかし、今回のテロは全く寝耳に水の事件ではなかった。ベルギーのレインデルス外相は先週、3月18日に逮捕したパリの同時多発テロ(昨年11月)の生き残り犯サラ・アブデスラム容疑者が「新たなテロを計画していた」事実を明らかにし、テロが近く起こりうることを示唆していた。

 フランスの情報機関「国内治安総局」の元局長はこの数週間、治安当局の情報として、欧州でテロが起きるのは「時間の問題」と警告。テロの直前にも「テロリストがすでに準備を整えていると思われることから、より深刻なテロが発生する恐れがある」と述べ、治安関係者の間でテロが切迫しているとの認識が広まっていることを仄めかしていた。

 それにもかかわらずテロを食い止めることができなかったベルギーの治安当局に対して、失態だと指摘する声も強い。特に空港で自爆した、イブラヒム・バクラウイ(29)と、地下鉄で自爆した弟のハリド・バクラウイ(27)は、アブデスラム容疑者とつながりがあることが分かり、15日からその行方を追っていたにもかかわらず、公開手配をせず、結果として空港でのテロを容易にしたのではないか、との批判が強い。

 一方で一段と鮮明になりつつあるのが、欧州、特にベルギーの移民地区モレンベークを拠点とするテロ・ネットワークの広がりだ。モレンベークはパリの同時多発テロの首謀者アブデルハミド・アバウド(死亡)ら実行犯3人の出身地。ここでパリ事件の爆弾や銃・弾薬などが調達・準備されたが、これまでの数々のテロ事件でも武器の調達をした場所として知られている。

 アバウドはパリ事件の前にいとこに対して「90人の工作員が(欧州で)待機中だ」と自慢しており、モレンベークを中心に潜伏し、作戦の指示を待っているテロリストが多く存在している恐れが強まっている。欧州からは約5000人がシリアに入ってISに加わったと見られ、その一部は欧州に再び舞い戻っている。

 ベルギーは人口1100万人の小国だが、これまでに約500人がシリアに向かった。人口比のIS加入率では、欧州で最大だ。すでに約120人が治安機関のチェックを受けることなくベルギーに帰国したとされており、これら帰国組がテロ・ネットワークの一翼を担っているのではないかと見られている。

爆弾づくり容疑者が逃亡
 テロが再び懸念されているのには、22日の朝にイブラヒム容疑者とともに空港に現れた第三の容疑者が逃亡していることもある。同容疑者はナジム・ラシュラウイというシリア帰りの男。ISで爆弾づくりを習得したといわれ、パリのテロで現場に残されていた自爆ベルトからラシュラウイのDNAが検出されている。

 ラシュラウイは昨年9月、パリ事件の生き残り犯アブデスラムとハンガリーに一緒にいたことが判明しており、パリのテロや今回のブリュッセルのテロで爆弾を製造した疑いが強く、両事件のカギを握る重要な人物だ。空港で自爆した兄弟とともに爆弾を爆発させようとしたが、起爆がうまくいかず逃亡したものと見られている。

 しかし空港での警備・警戒のやり方が今回のテロで見直しを迫られることは必死だ。治安当局はこれまで空港の手荷物の検査システムに膨大なカネをかけてきたが、今回のようにチェックイン・カウンターの近くで自爆攻撃を仕掛けられるとなすすべがない。

 チェックイン・カウンターへのアクセスなど空港全体の安全システムを検討する必要があるが、「過激派の象徴であるあご髭を生やしているだけでテロリストの疑いはかけられない」(治安筋)という状況の中で、早くも警備の限界を指摘する声も上がっている。


ベルギー同時テロ 2グループでパリ型テロ計画か 銃撃によるテロも計画?
産経新聞 3月25日(金)11時15分配信

 【ブリュッセル=宮下日出男】ベルギーの同時テロで、同国メディアは24日、昨年11月のパリ同時多発テロの実行犯として逮捕されたサラ・アブデスラム容疑者らが、空港などでの自爆と同時に、銃撃によるテロを計画していた可能性があると報じた。パリのテロのような大規模な計画だった可能性があるという。

 報道によると、犯行グループはブリュッセルの国際空港や地下鉄での自爆テロと並行し、別のグループが市内で無差別発砲を繰り広げることを想定していた可能性が、捜査当局の調べで浮上した。だが、銃撃グループに予定されたモハメド・ベルカイド容疑者が15日、潜伏先の捜索で射殺されため、計額が頓挫したとしている。

 米CNNも同日、ベルギー治安当局者の話として、ブリュッセルにははイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)とつながる2つのグループが存在すると伝えた。1つはアブデスラム容疑者のグループで、残る1つは空港の自爆犯とされるラーシュラウイ容疑者のグループという。

 CNNはまた、米治安当局者の情報として、ISが欧州でさらに複数のテロを計画していると報道。パリやベルギーのテロの実行グループとも関係する可能性があるとしている。

 一方、ベルギー警察当局は24日、テロ捜査の関連でブリュッセルなどで計6人を拘束した。同国の危機管理当局は同日、同時テロが起きた22日に引き上げたテロ警戒水準を最高度「4」から「3」に1段階引き下げることを決定した。

 欧州連合(EU)28加盟国の内相・法相は24日、同時テロを受けた緊急の会合をブリュッセルで開催。共同声明でベルギーへの「支持と連帯」を示した上、テロを「われわれの開かれた民主的社会への攻撃だ」と非難し、テロとの戦いのため、各国間の情報共有の拡大を確認した。


岸田外相、G7でテロ対策、暴力的過激主義対策議論 トルコでの邦人拘束「改めて広報を強化」
産経新聞 3月25日(金)10時38分配信

 岸田文雄外相は25日午前の記者会見で、ベルギーで起きた同時テロで日本人男性2人が重軽傷を負ったことを受け、「先進7カ国(G7)でもテロ対策、暴力的過激主義対策は最重要課題の一つであり、しっかりと議論していかなければならない」と述べた。

 また、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)に参加しようとした日本人男性がトルコ治安当局に拘束され、国外退去処分になったことについて「退避勧告地域への渡航は極めて危険であり、渡航することがないように今までも強く呼びかけてきた。改めて広報についても徹底しなければならない」と強調した。


情報共有の必要性で一致=EU緊急会合
時事通信 3月25日(金)10時37分配信

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EUは24日、ベルギー同時テロを受け、加盟国の内相と法相を集めた緊急会合を開き、ベルギーとの連帯を確認した上で、加盟国の情報共有を強化する必要性で一致した。写真は会合に先立ち、黙とうをささげる出席者


「フランスでテロ計画」の男、パリ近郊で逮捕
AFP=時事 3月25日(金)10時13分配信

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フランスのパリ近郊のアルジャントゥイユで、強制捜索が行われている間に通りで話す警官と爆発物処理班(2016年3月24日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フランス・パリ(Paris)近郊で24日、同国に対する攻撃計画で「進んだ」段階にあったとされる男が逮捕された。ベルナール・カズヌーブ(Bernard Cazeneuve)内相が発表した。

 カズヌーブ内相が記者団に語ったところによると、警察がパリ北西のアルジャントゥイユ(Argenteuil)で行った強制捜索が、「重要な逮捕」につながった。ただ、今回の攻撃計画は昨年のパリ同時テロ、22日のベルギー・ブリュッセル(Brussels)の連続テロのいずれに関しても「つながりを示す明白な証拠はない」という。

 逮捕された男はフランス国籍で、「攻撃計画に高いレベルで関与している疑いがある」とされ、「フランスへの攻撃を企てたテロリストのネットワーク」に属しているという。

 警官は共同住宅の他の住民を避難させた上で家宅捜索を実施。現場では、24日夜の時点でも捜索活動が続けられている。【翻訳編集】 AFPBB News


ベルギー警察、テロ関連で急襲作戦 6人を拘束
CNN.co.jp 3月25日(金)9時59分配信

(CNN) ベルギーの首都ブリュッセルで起きた連続テロ事件に関連して、警察が24日夜、急襲作戦を実行して6人を拘束した。

連邦検察は6人の身元や拘束した理由については現時点で明らかにせず、勾留を続けるかどうかは25日に判断すると説明している。

22日にブリュッセル空港と地下鉄の駅で起きた連続テロ事件では31人が死亡、330人が負傷した。これまでの捜査によれば、実行犯は5人いたとみられ、うち3人は死亡、2人はまだ逃走中の可能性もある。当局はこの5人の写真などを公開した。

捜査当局は防犯カメラの映像や、郊外の潜伏先だったと思われる場所から押収した爆発物を調べて居所が分かっていない2人の行方を追うとともに、欧州でのテロ再発防止に全力を挙げている。

地下鉄の爆弾事件では実行犯のハリド・エル・バクラウィ容疑者が死亡した。当局はこの爆発にもう1人、未確認の人物が関与したと見ているが、その人物の生死は不明。

空港で自爆死したイブラヒム・エル・バクラウィ容疑者については、2015年にシリア国境付近でトルコ当局に拘束され、オランダに送還されて釈放されていたことが判明。この時点でベルギー当局も連絡を受けていたことが分かった。

CNN系列局のRTLによると、同容疑者はベルギーで強盗事件を起こして警官に発砲した罪で2010年に禁錮9年を言い渡されたが、刑期は満了していなかった。

ベルギーのヤンボン内相はこの問題について24日、「なぜ特定の人物が早期に釈放されたのか、同容疑者がトルコにいた時点で我々がなぜ拘束する機会を逸したのか、疑問を持たれるのも無理はない」と語った。ヤンボン内相は辞表を提出したが、ミシェル首相はこれを受理しなかった。

当局は23日から24日にかけて、ブリュッセル市内のバクラウィ兄弟の自宅など複数カ所を捜索した。

このうちスカールベーク地区では複数ブロックにわたって一帯が封鎖されている。


仏でテロ画策か、男拘束=パリ郊外
時事通信 3月25日(金)9時46分配信

 【パリ時事】フランス捜査当局は24日、パリ郊外アルジャントゥイユの集合住宅を家宅捜索し、国内でテロを画策していたとみられる仏国籍の男を拘束した。

 ベルギー同時テロや、昨年11月のパリ同時テロとの関連は不明。カズヌーブ内相が地元メディアに明らかにした。

 内相はこの男に関し、「フランスへの攻撃を企てた組織に所属していた。高いレベルでテロ計画に関与していた疑いがある」と語った。


凶行「信じたくない」=自爆犯の弟
時事通信 3月25日(金)9時20分配信

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24日、ブリュッセルで記者会見する自爆テロ容疑者の弟、ムラド・ラーシュラウイさん(中央)。兄の凶行について「がくぜんとした。(犯人が)兄だと信じたくなかったが、家族を選ぶことはできない」などと語った。


凶行「信じたくない」=自爆犯の弟が会見―ブリュッセル
時事通信 3月25日(金)9時14分配信

 【ブリュッセルAFP=時事】ブリュッセルの国際空港で自爆テロを起こしたナジム・ラーシュラウイ容疑者の弟、ムラド・ラーシュラウイさんは24日、記者会見し、兄の凶行について「がくぜんとした。(犯人が)兄だと信じたくなかったが、家族を選ぶことはできない」などと語った。

 
 ムラドさんは、テコンドーの国際大会でベルギー代表にも選ばれた有力選手。会見に先立ち、声明で「フランスとベルギーで兄が関与して起きた攻撃を強く非難する」と表明した。


IS壊滅へ協力訴え=ロ大統領とテロ対策協議―米国務長官
時事通信 3月25日(金)8時50分配信

 【モスクワ時事】ケリー米国務長官は24日、ロシアのプーチン大統領とモスクワで会談後に記者会見し、「シリア内戦を解決し、過激派組織『イスラム国』(IS)壊滅に注力するのがわれわれの課題だ」と米ロ協力の重要性を強調した。

 ベルギー同時テロを受け、会談ではテロ対策も協議したとみられる。


ベルギー、自爆犯の事前情報「無視」で批判 2閣僚が辞意
AFP=時事 3月25日(金)8時49分配信

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ベルギーの首都ブリュッセルの証券取引所前にある広場「プラス・ド・ラ・ブルス」で、連続テロの犠牲者を追悼し置かれた花束などの周りに集まった人々が1分間の黙とうをささげる中、悲しみに暮れる女性(2016年3月24日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】ベルギーの首都ブリュッセル(Brussels)で起きたイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」による連続自爆テロ事件をめぐり、情報対応を誤ったとして強い批判にさらされていた内相と法相が24日、その「過失」を認め、辞意を表明した。

 空港で自爆したブラヒム・バクラウィ(Ibrahim El Bakraoui)容疑者は、過去にシリア国境付近でトルコ当局により逮捕され、昨年7月にオランダへ強制送還されていた。トルコ政府は、その際ベルギーに対し同容疑者は「テロリストの外国人戦闘員」だとして警戒を促していたにもかかわらず、その情報が無視されたと主張している。

 ヤン・ヤンボン(Jan Jambon)内相とコーエン・ギーンス(Koen Geens)法相はこれを受けて辞意を表明したが、シャルル・ミシェル(Charles Michel)首相は受理しなかった。

 一方、ブラヒム容疑者の弟で、地下鉄で自爆したハリド・バクラウィ(Khalid El Bakraoui)容疑者について、検察当局は、パリ同時テロに絡んで国際指名手配されていたことを認めた。同容疑者は、ベルギーのシャルルロワ(Charleroi)市でパリ同時テロ実行犯らが使用していたアパートを借りていた人物だったとされる。

 ベルギーは連続テロ後に国内のテロ警戒レベルを最高度の「4」に引き上げていたが、これを24日に1段階下げて「3」に戻した。

 しかし、捜査当局は現在も、空港で自爆に失敗した3人目の容疑者と、地下鉄駅でハリド容疑者と話している姿が防犯カメラに写っていた男の行方を追っている。主要な場所には兵士らによる警備が続いており、街は不気味なまでに静まり返り、公共交通機関も同日夕方から再び閉鎖されている。【翻訳編集】 AFPBB News


欧州震撼「安全な場所はない」2つのテロ凶行 根深い過激派ネットワーク
産経新聞 3月25日(金)8時29分配信

 欧州連合(EU)本部があるブリュッセルを標的としたベルギー同時テロと、130人の犠牲を出した昨年11月のパリ同時多発テロ。欧州の主要都市を直撃した2つの大規模テロをつなぐ線がくっきりと浮かび上がってきた。欧州に巣くう過激派のネットワークの底知れない根深さを示している。

 「どうすればいいのか分からない。どこにいても追われ、安全な場所はない」

 ブリュッセル国際空港で自爆したベルギー人、ブラヒム・バクラウィ容疑者は犯行直前、自身のパソコンに残した遺書でこうつづっていた。遺書には次のような一文もあった。

 「彼と一緒に刑務所に入れられたくはない」

 「彼」とはパリのテロの「最重要人物」として18日に拘束されたサラ・アブデスラム容疑者をさすとみられ、捜査当局はその関係者とみてブラヒム容疑者の行方を追っていた。空港の自爆は追い詰められた末の凶行だったのか。

 パリとベルギーのテロをつなぐ接点の一つとなったのが、ブリュッセル首都圏フォレ地区のアパートだ。捜査当局が15日、パリのテロの捜査の一環で捜索したところ銃撃戦となり、警官4人が負傷した。

 アパートを借りていたのは、ブラヒム容疑者の弟、ハリド・バクラウィ容疑者(27)。ブリュッセルの地下鉄マルベーク駅の自爆犯だ。室内からはアブデスラム容疑者の指紋が見つかり、3日後の拘束につながった。ブラヒム容疑者も一緒に潜み、捜索の際に逃走していた可能性がある。

 もう一人の空港での自爆犯とされるモロッコ系ベルギー人、ナジム・ラーシュラウイ容疑者の行動も、2つのテロの結びつきを雄弁に物語る。

 ラーシュラウイ容疑者はパリで使われた自爆ベルト以外に、昨年12月に捜索されたブリュッセルのアパートでもアブデスラム容疑者とともに指紋が検出された。アパート室内では爆発物も見つかった。

 2人は昨年9月、フォレの銃撃戦で射殺されたモハメド・ベルカイド容疑者(35)とハンガリーからオーストリアへ車で移動したことも確認されている。

 「爆発物の専門家」(仏メディア)とも呼ばれるラーシュラウイ容疑者は2013年2月、内戦中のシリアに渡航。現地では「技術的な訓練」を受けたとされ、爆発物の取り扱いなどを習得したともいわれる。

 容疑者間の個人的つながりなどの解明はこれからだが、今回のテロで再び突き当たるのは、容疑者らが欧州出身という事実だ。バクラウィ容疑者兄弟はともに犯罪歴があるが、過激派との接点はこれまで確認されておらず、過激化の経緯の解明も課題だ。

 「他に数人の関係者がいる可能性がある」(ベルギー検察当局者)

 「最初に考えたよりも関係者は多い」(オランド仏大統領)

 捜査の進展に従い、欧州に潜む過激派ネットワークの闇も広がりを見せている。(ブリュッセル 宮下日出男)


ベルギー爆弾テロの背景に政府の対策の甘さ
ダイヤモンド・オンライン 3月25日(金)8時0分配信

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事件が起きたブリュッセルをはじめ欧州各地で追悼の動きが続いている Photo:AP/AFLO

 ベルギーの首都ブリュッセルで22日朝に発生した連続爆弾テロ事件。これまでに少なくとも31人が死亡、300人以上が負傷しており、EUやNATOの関連施設も多い「欧州の首都」は一転して厳戒態勢が敷かれることになった。同時に、ベルギーのテロ対策の甘さを指摘する厳しい声も出始めている。(取材・文/ジャーナリスト 仲野博文)

● 30人以上の命を奪った爆弾テロ 「欧州の首都」が厳戒態勢に

 ベルギーの首都ブリュッセルで22日、空港と地下鉄駅の2ヵ所で連続して爆発が発生し、少なくとも31人が死亡し、300人以上が負傷する大惨事となった。これらの爆発で、2人の日本人も重軽傷を負っている。ブリュッセル空港で二度の爆発が発生したのが、現地時間の22日午前8時ごろ。爆発のあった空港内のターミナルビルは激しく損傷しており、少なくとも一回の爆発ではスーツケース爆弾が使用された可能性が指摘されている。現場では爆弾が取り付けられたベストや自動小銃も発見されている。1時間後の午前9時過ぎには、ブリュッセル市内中心部、EU本部に近い地下鉄のマールベーク駅で、発車直後の地下鉄で爆発が起こった。

 事件発生から間もなくして、ベルギー政府はテロの警戒水準を最高レベルの4まで引き上げ、ブリュッセル市内の公共交通機関はストップし、国内の原子力発電所でもほとんどの職員に対して避難指示が出され、市民は極力外出を控えるよう伝えられた。ブリュッセル在住のジュリー・タイレルさんは、「こういったテロの可能性は以前から語られていたものの、実際に町の機能が全てストップしている光景に驚きを隠せません。今はメッセンジャーなどを使って家族や友人の無事を1人ずつ確認しています」と語った。

 事件発生後、IS(通称:イスラム国)と繋がりがあるとされるニュースサイトがISの関与を伝えており、事実上の犯行声明とみられる。ベルギーの警察当局は空港の防犯カメラがとらえた3人の男性の写真を公表。3人のうち2人は自爆したとみられ、当局は残る1名の情報を市民に求めている。

● 「テロの温床」とかねて指摘の町 犯罪発生率が高く警察も捜査に消極的

 昨年11月にフランスのパリで発生した同時テロでは、バタクラン劇場の無差別銃撃でも多くの市民が殺害された。事件発生後に周辺の捜査を行っていたフランスの警察当局は、劇場近くに停められていた外国ナンバーのレンタカーを発見。車内にはクシャクシャの状態で放置された駐車違反のチケットがあり、そのチケットはベルギーのブリュッセル近郊のモーレンベークで発行されたものと判明した。

 その情報がベルギーの警察当局にわたり、モーレンベークで家宅捜索を行った警察は、パリの連続テロ事件で車両の提供などに協力した疑いで3人を逮捕している。ベルギーはISの戦闘員としてシリアやイラクに渡る人口別の割合がヨーロッパ内で一番高く、その中でもモーレンベークは、以前から「テロリストの温床」と国内外のメディアから指摘されてきた。

 ISの戦闘員としてシリアに渡航したベルギー人は推定で500人弱とされており、シリア以外にもイラクやアフガニスタンに戦闘員として渡ったベルギー人も少なくない。この傾向は10年以上前から続いており、2005年にはイラクで米軍の車列で自爆テロを起こしたメンバーの中に、ベルギー南部シャルルロワ出身で、イスラム教に改宗した女性も含まれていた(イラクで自爆テロを行った最初のヨーロッパ人女性とされる)。また、アフガニスタンでタリバンと共闘していたベルギー人らが帰国後に国内でテロを計画したが、治安当局によって未然に阻止されている。

 移民の多いモーレンベークの失業率は25%以上で、定職に就けない若者の不満を地元の過激派ネットワークが上手く利用しているとの報道もある。人口は過去10年で約25%も増加しており、モロッコからの移民を中心としたイスラム系コミュニティが存在する。現在はイスラム教徒が町の人口の約4割を占めており、ベルギーの他の町よりもイスラム教徒の比率は高い。犯罪発生率も高く、地元警察も踏み込んだ捜査には消極的とされ、そこに旧ユーゴ諸国やアルバニアで70年代から80年代にかけて製造されたライフルなどが大量に流れ込み、銃などの密売が日常的に行われていると、複数のメディアは報じている。

 ブリュッセルのテロの背景を考える際に、モーレンベーク地区の若者に代表される社会システムに不満を抱える移民の第二、第三世代の存在はこれまでにも数多くのメディアで取り上げられてきた。それに加えて、自動小銃などが簡単にベルギー国内のブラックマーケットで取引され、ISによる戦闘員のリクルートの大部分がネットを経由して、普段は付き合いのない第三者によって行われている実態も注視すべきであろう。

● 市民が200万丁の銃を所持 過半数が未登録で密売も横行

 皮肉な話だが、ブリュッセルに拠点を置くシンクタンク「フランドル平和研究所」はテロ前日の21日に、ベルギーに違法なルートで持ち込まれる重火器類に関する調査の結果を発表していた。フランドル平和研究所の調査によると、ベルギー国内で市民が所持している重火器類は最大で約200万丁。そのうち、正規の手続きで登録が済まされたものは約90万丁で、過半数が登録されていない現状が存在する。2009年から2015年にかけて、判明しているだけで銃の違法売買の摘発が1225件あったものの、実際にはこれをはるかに超える回数の取引が闇マーケットで行われていると推測される。

 銃の多くは90年代後半の国家危機の際に武器庫から多くの銃が盗み出されたアルバニアや、同じく90年代に紛争を経験した旧ユーゴ諸国のひとつであるモンテネグロが中心となり、西ヨーロッパに流されている模様だ。フランドル平和研究所の調査では、ほぼ全てのケースで陸路が使われ、数丁から数十丁の拳銃や自動小銃が自家用車などに詰め込まれ、西ヨーロッパに向かうのだという。このような比較的小規模な取引がメインとなっているため、警察当局も密輸される重火器類全てをチェックするのが極めて困難な実情がある。

 また、ドイツの外国語放送「ドイチェ・ヴェレ」は世界中の紛争地で使用されているカラシニコフ銃のバルカン半島における「売値」が500ユーロ程度なのに対し、西ヨーロッパでは最大で2000ユーロの値が付くため、マフィアなどとは無縁の一般人がアルバイト感覚で車に銃を積んで西ヨーロッパを目指すケースも存在したと伝えている。

 カラシニコフといえば旧ソ連諸国で生産されているイメージが強いが、昨年11月にフランスのパリで発生した同時テロ事件では、少なくとも2丁のザスタヴァ社製M70自動小銃が使用されている。ザスタヴァ社はセルビアで自動車と小火器の生産を行う企業だが、M70自動小銃は旧ユーゴ政権下の1970年代に現地でライセンス生産されたカラシニコフ銃であった。また、昨年1月のシャルリ・エブド襲撃事件でも、バルカン半島から持ち込まれた自動小銃が使われていたことが判明している。

● ソーシャルメディアが勧誘ツール 外国人戦闘員の75%がSNS経由

 ISがソーシャルメディアを事実上の勧誘ツールにしている点も、改めて認識しておくべきだ。昨年3月、米ブルッキングス研究所の研究員らがツイッター上におけるIS関連のアカウントについて調査した結果を発表。ISのメンバーが関係している可能性の高いアカウントが4万6000以上存在することが判明した。これらのアカウントは、ISの行動を称賛するプロパガンダ的な役割を果たすものがほとんどであるが、これらを経由してISの関係者とコンタクトを取り、実際にISに戦闘員として参加する若者も存在する。

 ツイッターやフェイスブック、タンブラーといったSNSが、勧誘ツールという点で大きな役割を果たしているという指摘は英オックスフォード大学の研究者からも出ており、ISの外国人戦闘員の約75%はSNSの投稿をきっかけに、「ジハード」に参加したというデータも存在する。これまで考えられてきた、家族や近所のモスク関係者による勧誘ではなく、普段の生活で繋がりのない第三者にSNS上でオルグされていくという部分に特徴がある。

 23日にはシリアとの国境に近いトルコ南部のガジアンテプで、23歳の日本人男性がトルコ軍警察に身柄を拘束される事件が発生している。この男性には国外退去処分を下される見通しだが、現地当局は男性がソーシャルネットワークでISの関係者と連絡を取り合っていた疑いがあり、男性が「戦闘員としてISに参加するつもりだった」と取り調べで語ったことを発表している。

● 文化的に二分、一枚岩になれず 官僚や警察の情報共有にも問題

 長きに渡って異なる言語や文化をめぐって国内で対立が続いている、ベルギー独特の国内事情も理解しておくべきだろう。ベルギーは文化的に、北部のフラマン語圏と南部のワロン語圏に二分され、前者はオランダ文化圏で後者はフランス文化圏になる。首都ブリュッセルでは公用語としてフランス語とオランダ語の両方が使われ、交通標識なども複数の言葉で書かれたものが珍しくない。多言語国家であるベルギーでは、他にもドイツ語が話される地域も存在するが、言葉によって警察の管轄が大きく分かれ、互いをライバル視し、情報共有に消極的になる傾向が1980年代から続いてきた。

 数字だけを見れば、ブリュッセル周辺ではフランス語を使う市民の数が圧倒的に多いものの、ブリュッセルは地理的に南部のフランス文化圏の最北端に位置しており、ブリュッセルから少し離れると完全なオランダ文化圏に入ってしまうのだ。

 ベルギーでは2010年6月に行われた総選挙のあとで、フランス語圏とオランダ語圏の議員の間で対立が深刻化。2011年暮れまでの約1年半、内閣不在の状態が続くという異常事態も発生している。北部と南部における文化的な違いは前述したが、北部のオランダ語圏が経済的により恵まれているといいう背景もあり、イタリアの南北問題に似た事情も存在する。

 そのため、文化的に1つになれないベルギー(事実、ベルギーからの分離・独立を主張する地域もある)が、国内政策で一枚岩の結束を誇れない事情も見え隠れする。ブリュッセル在住の42歳の男性は22日、米バズフィードの取材に対し、「まともな政府が存在せず、二分した官僚政治が存在した結果、テロを防ぐことができなかった」と語っている。

● テロ対策緊急予算発表は先月 人員・予算投入の遅れがあだに

 ベルギー、とりわけブリュッセル近郊のモーレンベークが「テロネットワークの温床」と指摘されてきたものの、22日にブリュッセルで発生したテロを政府が未然に防げなかった原因は、政府内の文化的対立だけが問題ではない。より具体的な原因として、テロ対策に多くの人員や予算を投入してこなかったツケが回ってきたのだという厳しい指摘も存在する。

 ベルギーの諜報関係者は英ガーディアン紙の取材に対し、テロ組織と関係があるとみられる数千人の行動確認をわずか数百人の諜報部員で行っており、「あまりにも人員が少ないため、みんな疲弊している」と匿名でコメントしている。

 2年前にブリュッセルで発生したユダヤ人博物館襲撃事件や昨年11月のパリ同時テロ事件では、それぞれの首謀者がモーレンベークを拠点にしており、厳しい姿勢での摘発を望む声は以前から存在したが、ベルギー政府が総額で約200億円規模のテロ対策用緊急予算について発表したのは先月のことであった。後手に回ったベルギー政府の対応にも批判が噴出するのは必至だ。

 ベルギー政府の対応をめぐっては、ブリュッセルで発生したテロの実行犯に対する監視が徹底していなかったと、トルコのエルドアン大統領から批判されており、ベルギーの治安関係者の大失態が早くも指摘されている。ブリュッセル空港で自爆したとされるイブラヒム・バクラウイ容疑者は昨年6月に、ISの戦闘員としてシリアに渡る直前にトルコ当局によって拘束されていた。

 バクラウイ容疑者の情報はベルギー政府にも送られたが、ベルギー側は「差し迫った脅威はなしと判断した」と一週間後にトルコ政府に返答し、身柄引き渡しの要求も行われなかったため、ベルギー国籍のバクラウイ容疑者は自らの希望でEU加盟国のオランダに送られ、そこからの消息は途絶えていた(同様の情報はオランダ政府にも送られたと、トルコ政府は主張している)。バクラウイ容疑者は2010年に銀行強盗を試みた際に、警察官に発砲する事件を起こしており、懲役9年の刑が確定したが、2014年に保釈されていた。

 テロ対策で予算も人員も足りなかったとされるベルギーだが、ブリュッセル事件から間もなくして、国家としてのこれまでのテロ対策に対して国内外から厳しい指摘を受けている、EUの中心地であるはずのベルギーが、予算不足や多言語主義がマイナスとなって発生した縄張り意識によって、ヨーロッパ基準のテロ対策を実施できていなかった事実は何とも皮肉な話である。

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