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2016年1月 2日 (土)

フランス・パリで多発テロ、130人が死亡・61

フランスの首都パリで13日夜(日本時間14日未明)、飲食店や劇場、サッカー競技場など複数の地点で、銃撃や爆発などがおきた。劇場では観客らが人質になったと伝えられる。オランド仏大統領は同夜、テレビ演説で「前例のないテロが起きた」と断定し、国内に非常事態を宣言した。

フランス治安当局の発表では、この同時テロで129人が死亡した。
※その後、死者は130人となった。

ロイター通信などによると、週末を過ごす客でにぎわう13日夜、パリ10区のレストランと近くの劇場で銃撃が起きた。目撃者の証言では、劇場内で60人程度の観客らが人質になった。劇場内からは、散発的な銃声が聞こえているという。

また、ドイツとフランスの親善試合が行われたサッカー競技場では、少なくとも2回の爆発が起きた。自爆テロとみられており、犯人とみられる2人を含む35人程度が死亡したもよう。

オランド大統領は、「われわれは結束し、断固戦う」と国民に訴えた。非常事態の宣言にともない、フランスと周辺国の国境が閉鎖された。

フランス国内では、今年1月、イスラム過激派により週刊紙本社が銃撃されるテロ事件が起き、計17人が死亡した。

オバマ米大統領は、ホワイトハウスで記者団に対し、「民間人を恐怖に陥れる非道な企てだ」と強く非難した。

※以上、産經新聞の報道による。

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リンク:[古森義久]【NHK解説委員の歪んだテロ観】~原因は「貧困と較差」のみ?~ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米、対シリア戦略で難問=影響力低下顕著に―サウジ・イラン対立 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:仏週刊紙襲撃 事件から1年、特別号に「神」の風刺画「暗殺者はなおも逃亡中」メッセージ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:銃担いだ血まみれの「神」が表紙、仏風刺紙 襲撃から1年で特別号 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:自動小銃携えた神を表紙に=テロ1年で特別号―仏風刺紙 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:2代目「ジハーディ・ジョン」か 「英スパイ」5人殺害映像公開 英国を脅迫 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:危機と背中合わせの欧州、今年も苦難続く見通し-難民流入で - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「言うべきこと言っただけ」=過激派の発言引用でトランプ氏―米 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「テロ」で始まり、警告で閉じる一年 --- 長谷川 良 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:IS打倒、道半ば=米大統領、地上戦回避の意思固く―「受け身」批判も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「テロに気をつけろ」と言われても、何を、どう気をつければいいの? 自分の身は自分で守るしかない - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<ドイツ>テロ情報、ミュンヘンで2駅一時封鎖…当局が捜査 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:皆さんを守るのが仕事…仏大統領、テロ対策強化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:欧州警察に対テロ組織=EU各国の情報共有強化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:検証 原発はテロに勝てるか? 航空機が撃墜したら? テロリストが侵入したら? - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

[古森義久]【NHK解説委員の歪んだテロ観】~原因は「貧困と較差」のみ?~
Japan In-depth 1月5日(火)18時0分配信

NHKの解説委員たちはテロリズムの原因はすべて「貧困と格差」にあると断じていた。
無差別の大量殺戮が目前で起きていても、その残虐な犯罪行為を単なる経済問題としてしかみないのだ。テロをめぐる事実関係をみても、国際的常識をみても、まったく現実から遊離し、テロの危険性をみない点では逆に危険な認識である。

1月5日の午前零時すぎからのNHKテレビ「時論公論」という番組をみていて、こんな実感を禁じえなかった。国内政治や国際問題に経験を積んできたというベテランの解説委員4人が並んで、2016年の内外の課題を語る番組だった。

その番組でパリで起きたイスラム過激派テロ組織IS(イスラム国)の無差別大量殺人行為などについてNHK解説委員たちは次のような発言をしていたのだ。

「貧困と格差をなくさない限り、テロリストはなくならない」

「ISを潰してもまた別のテロ組織が出てくるだけ」

「いわゆるテロとの戦いは軍事だけであってはならない」

「日本でも社会の貧困と格差がテロリストを生み出すのだ」

「日本は島国だが、ホームグロウン(自国育ち)のテロリストが貧困と格差で生まれる」

「先進国と他の諸国の経済格差をなくさないと、テロが増える」

以上のような解説を島田敏男氏という委員が中心になって繰り返していた。テロのその解説には「イスラム」「過激派」「イデオロギー」「宗教」「殺戮」「暴力」などというテロリズムの核心に関する言葉や概念はまったく出てこなかった。すべて「貧困と格差」がテロの原因であり、その経済問題に対処することがテロ対策のすべてであるかのように語るのだった。

このNHK思考というのはこのコラムでも紹介してきたドイツのメルケル首相やイギリスのベン議員の対応とはまったく異なっている。イスラム過激派のテロ行動には、もちろんどこかで貧困や格差がからんでいるとしても、原因や動機の主要部分は特殊で過激なイデオロギーあるいは信仰や思想だとみるのが国際的なコンセンサスである。

だがNHK解説委員たちはそれらの主要部分にまったく触れず、すべてを経済問題ですませているのだ。これこそテロの危険を伝えず、テロに甘く、テロを許容するような諸点できわめて危険な認識だろう。

目の前で罪のない老若男女の生命が冷酷に奪われる。無差別な機関銃の掃射や無差別な爆弾の炸裂により同じ人間を多数、殺してしまう。国家や社会の秩序を暴力で破壊し、最も無防備で無関係な男女を抹殺してしまう。こんな行為は文明社会自体を否定する凶悪な犯罪である。その犯罪を「貧困と格差」が原因だから、やむをえないというふうに扱う。

大規模な無差別殺人と戦うことさえにも否定的な言辞を浴びせる。これは偽善を通り越しての、暴力の助長の犯罪に近い態度に思えるのである。


米、対シリア戦略で難問=影響力低下顕著に―サウジ・イラン対立
時事通信 1月5日(火)16時30分配信

 【ワシントン時事】イスラム教スンニ派の盟主を自任するサウジアラビアなどがシーア派大国イランとの国交を断絶したことについて、米政府は危機感を持って注視している。
 中東で両国を対立軸とする宗派抗争が激化すれば、オバマ政権が最優先事項とするシリア内戦終結を目指す和平プロセスへの影響は避けられない。過激派組織「イスラム国」(IS)掃討戦の出口も遠のくことになる。
 カービー国務省報道官は4日の記者会見で、ケリー国務長官や同省幹部が手分けして関係国の政府当局者に電話し、緊張緩和に努めるよう求めていると説明。シリアやイエメンの内戦などへの対応で「この問題が影響するのを望んでいない」と強調した。
 ケリー長官は昨年10月以降、シリア関係国会合に同国のアサド政権を支えるイランを初めて招いて和平交渉の道筋づくりに本格着手。11月のパリ同時テロを受け、IS打倒の成否に結びつくシリア危機の収拾に取り組む機運を高めてきた。
 米政府は現時点で、アサド政権とシリア反体制派の交渉が「今月中に開催されることを期待している」(カービー報道官)。しかし、サウジが反体制派を後押しする中、イランやロシアの協力を得てアサド政権を退陣させる最終的なシナリオの実現がより困難になったことは否定できない。
 一方、今回の対立の契機となったサウジによるシーア派指導者らの死刑執行を米国が阻止できなかったことは、同国の影響力低下を如実に示した。オバマ政権は昨年7月、イラン核問題を外交解決することで合意。このことがイランの宿敵サウジとの関係を悪化させるジレンマになっている。


仏週刊紙襲撃 事件から1年、特別号に「神」の風刺画「暗殺者はなおも逃亡中」メッセージ
産経新聞 1月5日(火)12時38分配信

 昨年、フランス連続テロで本社が襲撃された風刺週刊紙シャルリー・エブドは、事件から発生1年となるにあわせ特別号を発行することとなり、4日に表紙の風刺画が公開された。

 表紙には、自動小銃を持つ、ひげの長い老人の絵が描かれ、「暗殺者はなおも逃走中」との見出しが掲載されている。老人の手足には、血痕のような赤い染みも見える。

 フランスのメディアによると、老人は「神」を題材にしているといい、表現の自由や宗教対立などをめぐり、論議がおきそうだ。

 パリにあるシャルリー・エブド本社は昨年1月7日、武装した男が押し入って銃撃し、編集長や風刺画家ら計12人が死亡した。(ベルリン支局)


銃担いだ血まみれの「神」が表紙、仏風刺紙 襲撃から1年で特別号
AFP=時事 1月5日(火)8時13分配信

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仏風刺週刊紙シャルリー・エブドが公開した、イスラム過激派による本社襲撃事件から1年を機に発行する特別号の表紙。「あれから1年、殺人者は今も逃走中」との表題が付けられている(2016年1月4日提供)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フランス・パリ(Paris)の風刺週刊紙シャルリー・エブド(Charlie Hebdo)は6日、2015年1月に本社がイスラム過激派に襲撃された事件から1年を機に、特別号を100万部発行する。表紙には、ひげを生やし自動小銃を担いだ血まみれの「神」が描かれ、「あれから1年、暗殺者は今なお逃走中」との表題が付けられている。

「僕らにはシャンパンがある」 シャルリー紙、パリ同時テロ風刺画

 昨年1月7日に起きたこの事件では、シェリフ・クアシ(Cherif Kouachi)容疑者とサイド・クアシ(Said Kouachi)容疑者の兄弟が、パリ市内の同紙本社を襲撃し、12人を殺害。うち8人が同紙のスタッフだった。

 事件を受け、フランスでは数百万人が街頭に出て事件に抗議。インターネット上でハッシュタグ「#JeSuisCharlie(私はシャルリー)」が広く共有され、発行部数が低迷し危機にあった同紙は一躍、「表現の自由」の世界的シンボルとなった。

 ユダヤ系食料品店襲撃など3日間に及んだ同事件では、計17人が犠牲となった。フランスでは事件後、イスラム過激派による襲撃が相次ぎ、昨年11月にはパリ同時テロが起きた。【翻訳編集】 AFPBB News


自動小銃携えた神を表紙に=テロ1年で特別号―仏風刺紙
時事通信 1月4日(月)22時30分配信

 【パリ時事】2015年1月にイスラム過激派から銃撃されたフランスの風刺週刊紙シャルリエブドが、事件後1年を機に発行する特別号の概要が4日、仏メディアの報道で分かった。
 表紙には「暗殺者は今も逃走中」と題して自動小銃を携えた神を描き、社説では「テロリストの滅亡を見届ける」と暴力に屈しない意志を強調している。
 表紙と社説はいずれも同紙本社で襲撃を受け、負傷したものの生き延びたリス編集長が執筆した。同紙はかつてイスラム教が姿を描くことを禁じる預言者ムハンマドの似顔絵を掲載して物議を醸したが、特別号表紙の神は白髪の老人で、宗派を特定することはできない。特別号は6日午前(日本時間同日午後)に店頭に並ぶ予定。


2代目「ジハーディ・ジョン」か 「英スパイ」5人殺害映像公開 英国を脅迫
産経新聞 1月4日(月)16時55分配信

 【ロンドン=岡部伸】過激派組織「イスラム国」(IS)は3日、「英国のスパイ」としてアラブ系とみられる男性5人を殺害し、覆面姿の男が英国アクセントの英語で、ISへの空爆に参加した英国を攻撃すると脅迫する動画をインターネットに公開した。

 英BBCなどによると、動画は約10分。覆面姿の男が銃を手に、キャメロン首相を「ホワイトハウス(米国)の奴隷」「大ばかだ」と批判し、「イラクやアフガニスタンで負けたように、おまえはこの戦いに負ける」と述べ、英国内で「ジハード(聖戦)」を決行すると警告した。さらにオレンジ色の囚人服を着せた5人にアラビア語で写真を撮ったり、戦闘員の情報を流すなど「英国のためのスパイ行為」を自供させ、後頭部を撃って殺害した。

 5人はISが樹立を宣言した「カリフ制国家」の首都とされるラッカ出身。

 英情報局保安部(MI5)は、男の身元特定捜査を始めたが、英タイムズ紙は、昨年11月に米軍の空爆で死亡したとされる「ジハーディ(聖戦士)・ジョン」の通称で知られたクウェート出身の英国人に関連づけ、5人は、「ジョン」殺害につながる情報を提供したため処刑された可能性があると伝えた。一部メディアは男を「新たなジハーディ・ジョン」と報じ、科学捜査の専門家は同紙に男は両親が南西アジア出身で英国で生まれ、英国南部に育った教育水準が低い17歳から40歳と分析している。

 英外務省は「ビデオの存在を承知しており、内容を精査している」との談話を出した。

 昨年11月のパリ同時多発テロを受け、キャメロン首相はシリアでの空爆参加を決断。英下院が承認した12月に空爆を開始した。新年のビデオメッセージでも、「暴力やテロだけでなく、その根底にある有害な不満や恨みに立ち向かう」と述べ、イスラム過激派に対抗する考えを示していた。


危機と背中合わせの欧州、今年も苦難続く見通し-難民流入で
Bloomberg 1月4日(月)11時45分配信

    (ブルームバーグ):欧州の海岸で息絶えるシリア難民たち、パリの通りで発生したテロ事件、ナショナリズムの高まりによって欧州連合(EU)の結束維持への疑念が強まる-。これらが2015年の欧州のイメージだった。

今年は難民危機が緊迫した新たな段階へと移行することでEU域内の自由な移動の原則が脅かされているほか、英国はEUを脱退する可能性があり、及び腰のドイツは再びEUの政治と経済を支える役割を担うことを余儀なくされそうだ。

フランス国際関係研究所(パリ)の研究員、フィリップ・モロードファルジュ氏は「昨年はEUにとって厳しい年だったが、EUにとっての潜在的危機は引き続き計り知れない」と指摘。「ポピュリズムは東欧で最も顕著に表れているが、東欧だけに限ったことではない」と述べた。

シリアで内戦が続く中、最も見極めが難しいのは、昨年11月にパリで発生し130人が死亡した過激派組織「イスラム国」支持者によるテロ事件と同様の規模の攻撃が再び起こる可能性だろう。EUの首都機能を担うブリュッセルでは新年にテロが発生する可能性があるとして警戒が強化された。

ロシアに隣接しているほか混乱状態にある中東から空路で短時間に位置するという欧州の地理的条件に加え、EUあるいはユーロ圏は分裂するのか、スペインまたは英国はEUにとどまるのかといった不確定要素が欧州の取引環境を不安定にしている。株式市場のボラティリティ(変動性)を示す指標は昨年8月に4年ぶりの高水準に近づいた。

厄介な政治状況と社会不安とは裏腹に、欧州中央銀行(ECB)の低金利政策と原油安を背景に欧州の経済見通しは改善すると予想されている。欧州委員会はユーロ圏19カ国の16年の経済成長率を1.8%と予測。予想通りなら5年連続で米国を下回るものの、欧州としては10年以来の高水準となる。

Moo.laの創業者で最高経営責任者(CEO)のジェンマ・ゴッドフレイ氏はブルームバーグテレビジョンで「市場をより大きく動かしているのは金融政策であり、ECBは追加刺激策の余地を大いに残している。それが市場関係者に多くの希望を与え、市場を下支えするだろう」との見方を示した。

原題:Crisis-Prone Europe Faces 2015 Redux as Migration
Imperils Unity(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ブリュッセル James G. Neuger ,jneuger@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:
Alan Crawford
Gregory Viscusi, Guy Johnson ,acrawford6@bloomberg.net


「言うべきこと言っただけ」=過激派の発言引用でトランプ氏―米
時事通信 1月4日(月)6時44分配信

 【ワシントン時事】米大統領選の共和党候補指名獲得を目指す不動産王ドナルド・トランプ氏は3日、イスラム過激派が戦闘員勧誘ビデオの中で、イスラム教徒の入国禁止を唱える同氏の映像を引用して米国への反感をあおったことに関し、「言うべきことは言わねばならない」と述べ、自身の姿勢に問題はないと強調した。
 
 トランプ氏は3日放送のCBSテレビのインタビューで、昨年のパリ同時テロを受け、多くの国が国境を閉ざしつつあると指摘。その上で「政治的には道徳上正しくないかもしれないが、大きな問題がそこにあるのは確かだ」と語った。
 米メディアによると、ソマリアに拠点を置く国際テロ組織アルカイダ系のイスラム過激派アルシャバーブは、トランプ氏の映像を利用し、欧米ではイスラム教徒は歓迎されていないと呼び掛けた。


「テロ」で始まり、警告で閉じる一年 --- 長谷川 良
アゴラ 1月3日(日)17時1分配信

今年も大晦日を迎えた。ウィーンでは同日をシルベスターと呼び、街に出かけ、シャンペンをかわしながら年を明かして踊り祝い、新年を迎えるのが慣例となっている。今年も60万人余りの市民や旅行者が街に押し寄せてくるものと予想されている。

ウィーン市1区の同国ローマ・カトリック教会の精神的中心地、シュテファンスドーム大聖堂前周辺ではワルツに乗ってダンスをするカップルで一杯となる。周辺のレストランはシルベスター祭の客を見込んで、通常より高価なメニューを準備してもてなす。

ところで、オーストリア警察当局は26日、「信頼できる友邦国からの情報によると、12月24日から来年1日までの期間中、人が大勢集まる場所を狙って爆弾もしくは銃器を使用したテロが起きる恐れがあるという警告を受け取った」という声明を発表した。

警察当局によると、ウィーン市だけではなく、6カ所の欧州都市(ローマ、ワルシャワ、ブタペスト、モスクワ、パリ)がテロの警告を受けたという。ただし、シルベスターなどの慣例イベントの開催中止を主催者側に要求する理由はないという。警察側は潜在的テロリストを既に見出しており、慎重に捜査中という。

警察側のテロ警告を受け、駐オーストリア日本大使館領事部は同国に住む邦人に緊急テロ警戒情報を送信している。それによると、「報道によれば、ウィーン警察は具体的な脅威等は確認していないが、交通(移動)のハブとなるような場所や人が多く集まる場所の監視を強化中だ。また、警察による身分証明書の確認や鞄等の検査も頻繁に行われる」という。

領事部は、「人が多く集まる場所やテロの標的となりやすい施設(イベント会場とその周辺、政府施設、公共交通機関、観光施設、デパートやマーケット等)を訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場を離れるなど安全確保に十分注意」と通達している。ウィーン市の場合、シルベスター祭のほか、ニューイヤー・コンサートなどが潜在的なテロ対象と見られている。

今年はテロで始まり、テロ警告で幕を閉じようとしている。1月7日、イスラム過激派テロリストによる仏週刊紙「シャルリーエブド」本社とユダヤ系商店を襲撃したテロ事件が発生した。そして先月13日には再びパリでイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」による「同時テロ」事件が生じ、130人の犠牲者を出したばかりだ。後者のテロ事件は欧州初の「同時多発テロ」であり、国民が集まる場所を狙ったソフト・ターゲットのテロ事件だったことが特徴だ。

100万人を超える難民が北アフリカ・中東から欧州に殺到し、難民受入れで欧州連合(EU)加盟国で意見の対立が表面化するなど、その対応で苦慮した年だったが、難民の中にテロ容疑者が紛れ込んでいたことが明らかになり、欧州各国は難民への対応で再検討を強いられている。ちなみに、フランスの2つのテロ事件でも明らかになったように、ホームグロウンのテロリスト対策と欧州居住イスラム教徒の社会統合が急務と受け取られている。

なお、オーストリア連邦憲法擁護・テロ対策局(BVT)によると、オーストリアからシリア内戦に参戦した数は既に300人を超え、シリア帰りは70人と推定されている。

今年1年、当方のコラムにお付き合いして下さったことに感謝します。新年も宜しくお願いします。読者の皆さん、良き年を迎えられますように。


IS打倒、道半ば=米大統領、地上戦回避の意思固く―「受け身」批判も
時事通信 1月3日(日)14時28分配信

 【ワシントン時事】オバマ米大統領は、過激派組織「イスラム国」(IS)打倒に向け明確な道筋を描き切れないまま、現職最後の1年を迎えた。
 イラクの州都奪還など前進も見られるが、オバマ政権は「(大統領の任期末までに)任務を完遂するシナリオは想定していない」(アーネスト大統領報道官)と慎重だ。大規模地上軍の投入回避という自らに課した制約を破らずに、どこまで掃討を加速させられるか。大統領の指導力が問われる。
 オバマ政権は、米戦闘部隊による拠点制圧戦は行わないという方針の下、2014年8月にイラクで、同9月にはシリアで空爆を開始した。オバマ政権はさらに、昨年5月のイラク中西部アンバル州の州都ラマディ失陥後、イラク政府軍の訓練に当たる米兵を増員し、同10月以降も特殊部隊の派遣など戦略の修正を繰り返した。
 大統領の戦況評価は、「ISを封じ込めた」。だがこの発言直後にパリ同時テロが起き、ISが犯行声明を発表。与党・民主党内からも「時間がかかり過ぎており、状況も改善していない」(ファインスタイン上院情報特別委員会副委員長)と批判する声が上がった。
 12月にはカリフォルニア州でもISに感化された容疑者による乱射事件が発生し、過激主義の拡散に対する米国民の不安は一段と強まった。シンクタンク「外交政策イニシアチブ」のデービッド・アデスニク政策部長は大統領の戦略について「受け身で遅きに失し、より大きなリスクを招いてきた」と述べ、弥縫(びほう)策を弄(ろう)しているにすぎないと断じる。
 ただ、昨年秋の戦略修正以降、ISの守勢が明確になってきたことも事実だ。米調査会社IHSによれば、ISの支配地域は昨年1年間で約14%縮小。イラク政府は12月27日にラマディ奪還を宣言し、続いてISの最重要拠点である北部の要衝モスルの解放を目指す方針を表明した。
 これに対しISは、リビアへの浸透を図るなど、生き残りの布石を打ち始めている。「犠牲の大きい地上戦に引き込まれることがあってはならない」と訴える大統領の姿勢に共感する国民も多いが、戦場での失点の回復を狙うISによる新たな大規模テロが起きれば、大統領に戦略の転換を求める圧力が高まることは避けられない。


「テロに気をつけろ」と言われても、何を、どう気をつければいいの? 自分の身は自分で守るしかない
現代ビジネス 1月3日(日)11時1分配信

 文/菅原 出(危機管理コンサルタント)

「罪と恐怖を与える」
 ISは、日本人人質事件の際、「お前たちを場所を問わずに殺戮する。日本にとっての悪夢が始まる」と公言した。そのため、日本人の間でテロの脅威に対する不安が高まっている。

 しかし、闇雲にテロを怖がるより、渡航・活動を計画している地域でISがどのような戦略をとっているのか、どのような能力を持っているのかを分析し、脅威の度合いを知ることが先決だ。

 ISは、シリアやイラクでは直接支配する領域を持っている。このいわば「直轄領」では、敵対する治安機関などは存在しないので、ISは好き勝手な行動がとれる。また、ISがイラク政府やシリアの敵対勢力と領土の争奪戦を行っている地域では、軍事的な戦闘行為が行われている。これは前述したように一般的な意味での「テロ」とは異なる。

 ISは、イラクやシリアの「直轄領」内では敵からの攻撃を排除し、直接支配を維持することを優先している。これらの地域では、指導者の暗殺や政府施設・治安部隊に対する爆弾テロに加え、製油所や油田その他の戦略的に重要なインフラ施設を襲撃して占拠するなど、組織的で大規模な攻撃を行う可能性がある。

 また、現在の「直轄領」の防衛上、戦略的に重要な拠点を確保するためにも、隣接する地域や国でイスラム教スンニ派とシーア派の宗派抗争を煽り、分裂を促すことで自分たちの影響力を増大させ、支配領域の拡大を狙っている。

 スンニ派とシーア派の宗派抗争が激化すれば、スンニ派の人々がシーア派の過激派勢力に弾圧されたり襲撃されたりするリスクが高まる。自然とスンニ派の人々の間でシーア派不信が強まり、シーア派の過激派を打倒してほしいという願望が強まる。こうした条件が揃えば、ISのようなスンニ派過激派がスンニ派地域で活動できるチャンスが広がる。

 次にそれよりも少し離れた中東、アフリカ諸国では、現地のイスラム過激派組織と同盟・連携を強化し、それぞれの国で「イスラム国」の名の下でテロ活動を活発化させ、領域支配をさせる「フランチャイズ化」を進める戦略をとっている。

 イエメン、サウジアラビア、トルコ、エジプト、リビア、チュニジア、アルジェリア、モロッコ、ナイジェリア、中央アジア、アフガニスタン、パキスタン、インドなどがこの戦略が適用される国々だ。

 この第一弾がリビアだったが、今後はさらに多くの国々で、「フランチャイズ化」が進められるだろう。

 この地域のISのフランチャイズ組織は、直轄領で本丸のISが行う程の軍事攻撃はできないものの、油田やパイプライン・製油所を破壊したり、警備の行き届いたホテルに押し入って要人を誘拐するなど高度で組織的なテロ攻撃を実施する能力を持っている。治安機関に匹敵するような訓練された武装集団が、組織的な攻撃を仕掛ける可能性があるため、こうした地域で活動するには、高度な警備が不可欠になる。

 最後にそれよりも遠い欧州や北米それに日本などの先進国では、2015年1月にフランスのパリで起きたような個人や非常に少人数のグループによる「一匹狼型」のテロを促す戦略をとっている。

 とりわけISに対する軍事作戦に参加している国々に対しては、「罰を与えて人々に恐怖心を植え付ける」ためのテロを呼びかける。テロが発生した際には、最大限宣伝に利用するという作戦をとっている。

 カフェやレストランで小銃を乱射したり、警察官を襲ったり、食品店に人質をとって立て籠もるといったタイプのテロが中心になる。組織的なテロに比べ一般的に脅威のレベルは低いが、パリの事件のように中東で軍事訓練を受けたテロリストの場合、少人数でも高度な攻撃を実行できるため注意が必要である。

 通常「一匹狼」が個人で狙える場所は限定されており、その脅威のレベルは決して高くない。不特定多数が集まり、しかも警備が手薄なところ─駅、空港、ホテルのロビーやショッピングモール、カフェ、政治的・宗教的なイベントなどが「一匹狼型」のテロの主要なターゲットになる。

テロの「インフラ」を分析せよ
 このように国や地域によって、ISの戦略や能力、脅威のレベルは異なっている。これはISが活動する上での「下部構造(インフラ)」がどの程度存在するかによって自然と決まってくる。

 「直轄領」地域では、抑圧され不満を溜めたスンニ派住民が多数居住しており、もともとISに対する支持者が多い場所である。このような地域では政府の監視が行き届いていないため、メンバーのリクルートも容易で、様々な不法活動、例えば爆弾を製造する工場を運営したり、テロリストを訓練するキャンプを設営することができる。

 さらに隣の国と国境を接していて、隣国からヒト・モノ・カネを取り引きできるような環境にあれば、さらに活動はしやすくなる。イラク西部のアンバール県がこの条件を全て満たしている。

 このようにテロ組織が活動をするためのインフラがどの程度存在するかを分析することで、テロ能力や脅威のレベルを判定することができる。

 ISがフランチャイズ化を進めている国であっても、その国内全てに均等にISの脅威が存在するわけではない。例えば、ある地域ではIS支部の支持者が多く政府の管理が行き届いておらず、テロの「インフラ」が整っているが、同じ国の別の都市では政府の影響力が強くISメンバーは組織的な攻撃がとれないため、「一匹狼型」のテロしかできない、という場合もある。

リスクをどう見積もるか
 活動をする場所によってテロの「インフラ」が異なるので脅威レベルが変わることを説明したが、場所だけでなく、活動の内容によっても脅威は変わってくる。

 ナイジェリアという西アフリカの国を例にとってみる。

 ナイジェリアは非常に治安が悪く、ボコ・ハラムのテロ、強盗や殺人、誘拐などの凶悪犯罪、侵入盗や路上での強盗や詐欺などの一般犯罪まで様々な脅威が存在する。

 しかし、大都市ラゴスのビジネス街に滞在し、24時間体制の警備の行き届いたホテルに宿泊し、少人数でオフィスに勤務をする場合と、南部の地方空港から一時間以上車で走らないといけないような田舎のプラント施設内のキャンプで生活するのでは、自ずと脅威のタイプが異なってくる。

 前者の場合は、強盗などの一般犯罪や裕福なビジネスマンを狙った誘拐などに気をつける必要があり、2013年9月にケニアのナイロビにある大型商業施設ウェストゲートで発生した武装襲撃のようなタイプの都市型テロへ巻き込まれることに注意する必要がある。また、少人数ならば目立たず機動的に行動し、緊急事態発生時も迅速に国外退避ができる。

 一方、郊外のプラントなどは、通常は国家の重要な拠点の一つであり、国家の収入を生み出す戦略的価値のある存在として知られている。そのような場所で例えば数十名、数百名単位で働く企業は、現地では否応なしに目立ってしまう。都市部ではないため、プラントから空港へのアクセスも通常は簡単ではない。何かが起きたら迅速に国外退避とはいかないだろう。

 また脅威のタイプも、2013年1月にアルジェリアのイナメナス天然ガス施設で発生した人質テロ事件のような大規模テロを最悪事態として想定する必要がある。

 このように実際の活動に応じて、想定される脅威は異なる。だから「エジプトは危ない」「サウジアラビアは危ない」と一概に言うことはできない。それぞれの国のどのエリアがどれくらい危険かを評価する必要があるのだ。

 テロが「常態化」する世界で、海外に進出する企業、出張、赴任、留学や旅行で海外に渡航する個人は、どのように脅威から身を守ることができるのか。

 一般的なやり方として、空港に到着した時点から帰国するまで自分たちの現地での行動を詳細にシミュレートし、どこに脆弱性があるかを検討する「脆弱性と評価」という手法がある。

 空港から滞在先までの移動時にはどんな脅威があるのか。車両による強盗やカージャックなどが経路上で頻繁に起きているのかどうか。滞在先のエリアの状況はどうか。滞在するホテルの周辺には、歓楽街などがあるか。外国人を狙った強盗や誘拐事件などが起きているか。

 ホテルのセキュリティ状況はどうか。アクセスをコントロールするシステムや常駐の警備員がいるか。滞在先から勤務先への移動はどうか。勤務先周辺エリアの状況やそのセキュリティ体制や脆弱性は? 
 ショッピング街や休日に過ごすかもしれないエリア、家族や子どもも連れていく際にはその学校についても、それぞれ周辺地域の脅威、施設自体のセキュリティ状況やリスクなどを詳細に分析・評価する必要がある。

 このように、一つ一つ個々の活動や行動の潜在的な脅威やそれに対する脆弱性を検討していく。この際、実際に現地で発生している事件を参考にしながら、リスク・シナリオを考えていくといいだろう。移動時に想定されるリスクはこれとこれ、ホテル滞在中のリスクはこれ、という具合に、それぞれの行動に応じたリスク・シナリオをいくつも検討し、想定できるリスクを全てリストアップしていくのである。

 例えば、都市部で「一匹狼型」のテロは発生していても、自分たちの活動する郊外の田舎は平穏でテロの脅威が存在しない場合もあり得る。その場合は、都市部で活動する場合のみ、「一匹狼型」のテロに巻き込まれることを「想定されるリスク」に含める。郊外の田舎でしか活動しないのであれば、テロ・リスクはそれほど注意しなくてもよいということになる。

 自分たちの活動する範囲や内容と、そこで過去に発生した事案の性質を分析することで、可能な限り想定されるリスクをリストアップすることができるはずだ。この作業を「リスク評価」と呼ぶ。

 通常は現地を視察してヒアリングなどをしていけば、だいたいリスクの絞り込みができていくものだが、より精緻にリスク評価を行うのであれば、リストアップしたそれぞれのリスクについてレーティングを付けて比較する方法が一般的だ。

 先のラゴスの例を使うと、リスクの一つは「強盗」で、リスクの内容は「武装した強盗に遭って金品を盗られる。対応を誤った場合発砲され、最悪の場合殺害されることもある」というものだ。このリスクの「発生可能性」を仮に5段階中の4で、「発生した際のインパクト」を5段階中の3とすると、このリスクのレーティングは「4×3=12」となる。

 一方、「公共施設でのテロへの巻き込まれ」のリスクについては、「発生可能性」は2と低いが、「発生した際のインパクト」は最高の5だと評価できれば、リスク・レーティングは「2×5=10」となる。

 リスク・スコアが「0~1」の範囲ならば「深刻なリスクではなく対策は不要」、「2~4」ならば「低リスクであり、対策は不可欠ではない」程度の評価となろう。「5~10」は「中リスクで、対策を検討すべき」になり、「11以上」のスコアの場合「高リスクであり、対策を要導入」という評価になるだろう。

 ラゴスの例で言えば、「強盗」のリスクに対する優先順位が高く「対策を要導入」で、「公共施設でのテロへの巻き込まれ」については「中リスクであり対策を検討すべき」課題と位置づけられる。

 このように一つ一つ想定されるリスクを分析・評価することで、どのリスクから対策を検討しなくてはならないのか、優先順位をつけることができる。この脅威分析とリスク評価を、時間をかけて綿密に行い、「自分たちの活動に対する脅威やリスクは何なのか」をしっかりと認識することが何よりも重要である。

セキュリティ対策の基本は
 よく海外に渡航する人に対して、「テロには十分気をつけてね」などと気休めの言葉をかけることがある。しかし、「何に、どう気をつけるのか」までアドバイスしてくれる人は少ない。

 セキュリティ対策の基本は、確かに「気をつけること」である。では何に気をつけるのか。それはこれまで書いてきたような「脅威」に対してである。

 「脅威」とは、「強い力や勢いで脅かすこと」「個人の心理的な安定や統合を脅かしたり、物理的な安全を脅かす人、物もしくは状態のこと」だと辞書に記されている。要するに自分たちに何らかの危害を与える存在や状態のことを指す。

 ISのようなテロ組織が起こすテロリズムは、私たちが「気をつけなければならない」脅威の一つだ。ちなみに「リスク」とは、そうした脅威が被害を及ぼす可能性のことを指している。

 では、「テロの脅威」に「どう」気をつけなければならないのか。これが対策にあたる。

 その対策の第一は、自分たちに何らかの危害を与える可能性のある脅威が、いったいどんな連中なのか、どこでどんな活動をしているのかを「知ること」である。これまでISの戦略や能力、テロのインフラの分析をしてきたのは、全て「脅威分析」すなわち敵を知るための作業であった。

 その上で、「自分たちの活動の中でどこが脆弱で、どんなリスクが想定されるのか」、すなわちリスク評価が必要になる。この時点でどんなことに気をつけなければならないかが分かるはずである。つまり、「何にどう気をつければいいのか」を、「脅威分析」→「リスク評価」の手順で割り出すのである。

 リスクの割り出しができたら、それぞれのリスクにどのような対策があるのかを検討する。オフィスなどへの侵入盗対策には、フェンス、ゲート、アクセス・コントロール、監視カメラ、常駐警備の導入など、脅威に応じて機械警備システムや物理的な警備サービスが存在する。がんのリスクにはがん保険があるように、セキュリティ・リスクごとに各国のセキュリティ会社がセキュリティ・サービスを提供している。

 しかし、重要なのはこうした物理的な警備、すなわちハードの部分よりもむしろ、ソフトの部分である。監視カメラはついていたとしても、それをコントロール・ルームでモニタリングしている担当者が居眠りをしていたら、システムは機能しない。

 警備員が常駐していたとしても、教育や訓練も受けていなかったり、強盗団に友達でもいたら逆に脅威になってしまう。

 防弾車両を導入したとしても、運転手が十分な訓練を受けていなかったり、運転が乱暴であれば、逆に交通事故のリスクを高めるのと同じだ。

 海外の危険地域でセキュリティ対策を導入する際には、特にこうしたソフトの部分を重視し、業者に丸投げすることなく、常に細部の確認を怠らないことが大事である。

生活上の規則の重要性
 オフィスや住居などの建物であればセキュリティの完備された施設を選択することができるが、外出時や移動時など、テロや誘拐リスクの高い状況下でのセキュリティ対策はどうすればいいのだろうか。

 教科書通りの答えだと、〝身辺警護などのセキュリティ・エスコートをつける〟となると思われるが、よほど治安の悪いイラクのような国でない限り、移動時に身辺警護をつけるような潤沢なセキュリティ予算を持っている日本企業はほとんどない。

 そこで対策として考えられるのは、移動範囲や時間帯などを含めた行動や生活上の注意事項を赴任者に徹底させることである。テロとは前述したように、政治的な目的のための暴力行為である。このため当然、政治的な目的を達成するのに適した場所が狙われる。

 例えばフランスや米国でムハンマドの風刺画を掲載した週刊紙やイベント会場がテロのターゲットになったように、イスラムの敵である特定の個人や団体は常にISのターゲットになる。イスラエルやユダヤ教関連の施設も常に狙われる。ISが敵視する国の政府機関、政府を象徴する建物、軍や治安機関の施設も典型的なテロのターゲットだ。

 また「一匹狼型」テロの対象には、不特定多数が集まり警備の手薄な場所が選ばれることが多い。駅や空港、大型ショッピングセンターやホテル、欧米人が多数集まる有名なカフェやレストランである。

 外務省も、テロ警戒情報を発すると常に、「テロの標的となりやすい場所(政府・軍・警察関係施設、公共交通機関、観光施設、デパートや市場など不特定多数が集まる場所)は可能な限り避け、訪れる際には、周囲の状況に注意を払い、不審な状況を察知したら、速やかにその場を離れるなど安全確保に十分注意してください」というコメントをつけている。

 要するに、ターゲットになりやすい場所にいる時間を可能な限り少なくすることで、テロに巻き込まれる可能性を下げることが、重要な対策になる。

 しかし、「空港を使わなければ渡航できないし、ホテルに滞在してはいけないのであればどこに滞在すればいいのか」との疑問も湧くだろう。

 2011年1月24日に、ロシア・ドモジェドヴォ空港で爆破テロが発生したが、これは国際線ターミナルの到着ロビーにいたテロリストが自爆したものだった。それ以前にも、空港のチェックインカウンターに並んでいた観光客が、テロリストに射殺されたテロも複数回発生している。

 空港では、特に誰もが出入りすることのできるエリアが最も脆弱なので、出入り口で長時間待つようなことを避け、なるべく早く保安チェックを受けて空港内部に入る等の対策をとることができる。

 ホテルも同様で、基本的に誰もがアクセスできる駐車場やゲート付近、出入り口付近が脆弱なので、そうした場所にいる時間を短くすることで、テロ・リスクを下げることができる。

 「なんだ、リスクを下げるだけか」と不満に感じられるかもしれないが、リスクをゼロにするセキュリティ対策は存在しない。リスクはあくまで可能な限り下げるしかない。

 自分たちが活動するエリアの中に、テロのターゲットになり得るような施設がどこにどれだけあるのか。どこが脆弱なのかを認識して、そうした場所になるべく近づかない。どうしても通過する場合には、そこに滞在する時間を最小限に抑えることで、テロに巻き込まれるリスクを下げるのである。

 こうした日常的な注意の積み重ねをする以外、完璧なテロ対策などは存在しないことを認識しなければならない。

 また脅威分析やリスク評価を通じて、テロ以外にも犯罪の傾向や警戒が必要な危険な場所についての情報が収集できるはずだ。企業としては、こうした情報を基に、犯罪が多発するエリアを「立ち入り禁止区域」と設定したり、「夜七時以降はこのエリアには行かない」といったルール設定をして、赴任者に守らせることが必要になる。

 赴任者に周知徹底させるために、「立ち入り禁止区域」をマッピングした地図や、行動に関する約束事を明記した「渡航のしおり」などを作成することが望ましい。
「しおり」には緊急事態発生の際の連絡はどこにすればいいのか、救急医療機関、警察や日本大使館の連絡先等も明記しておく必要があるだろう。

 また赴任者が空港に到着したら送迎は誰がどのように行うのか、出迎えの者とはどのように連絡をとるのか、移動はどうするのか、どこで誰に必要な連絡を入れるのか等の手順についてもセキュリティの観点から綿密な計画を立て、「しおり」に記載しておくとよい。

 こうした面倒だが当たり前のことに地道に取り組むことが、有効なテロ対策になる。

 【*本記事は菅原出『「イスラム国」と「恐怖の輸出」』からの一部抜粋です】

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菅原 出(すがわら いずる)
国際政治アナリスト、危機管理コンサルタント。1969年東京生まれ。中央大学法学部政治学科卒業。アムステルダム大学政治社会学部国際関係学科卒業。国際関係学修士。在蘭日系企業勤務、フリーのジャーナリスト、東京財団リサーチフェロー、英国系危機管理会社G4S Secure Solutions Japan役員を経て現職。米国を中心とする外交、中東の安全保障やテロリズム、インテリジェンス研究が専門で、米国、アフガニスタン、パキスタン、イラクと世界中を駆け巡る。
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<ドイツ>テロ情報、ミュンヘンで2駅一時封鎖…当局が捜査
毎日新聞 1月2日(土)21時27分配信

 【ベルリン中西啓介】ドイツ南部ミュンヘンで12月31日夜、過激派組織「イスラム国」(IS)による自爆テロが実行される危険が高まったとして、警察がミュンヘン中央駅など2駅を封鎖した。封鎖は1月1日午前4時までに解除されたが、当局はシリアとイラクの出身の5~7人について捜査を始めた。

 DPA通信によると、数日前に米情報機関がドイツ側にテロの危険を警告していたが、31日になってフランスの情報機関から具体的な内容が知らされた。ISの支持者で構成されるグループが、大みそかにミュンヘン中央駅とミュンヘン西部パージング駅の構内で自爆テロを起こそうとしたとみられる。

 グループは昨年11月のパリ同時多発テロを模倣し犯行を計画したとされる。独紙ビルト(電子版)によると、自爆後に到着する警察官や救急隊員を狙った第2のテロを行う計画もあった。

 現在のところ逮捕者はおらず、実際に計画があったかや、容疑者とされる人物が独国内にいたかについては不明な点が多い。デメジエール内相は1日、地元警察の対応を「感謝している」と評価。一方で「国内でのテロの危険性は当面減少することはない」と述べた。


皆さんを守るのが仕事…仏大統領、テロ対策強化
読売新聞 1月2日(土)18時43分配信

 【パリ=本間圭一】フランスのオランド大統領は昨年12月31日の国民向けテレビ演説で2016年の方針について「私が一番最初にやる仕事は、皆さんを守ることだ」と述べ、テロ対策を強化すると強調した。

 テロへの関与などで有罪となった仏生まれの二重国籍者は、国籍を剥奪するなど、必要な憲法改正を目指す考えを示した。大統領はこのほか、「失業対策も優先課題だ」と表明。高い失業率が改善されなければ、17年の大統領選に出馬しないことを示唆している。


欧州警察に対テロ組織=EU各国の情報共有強化
時事通信 1月2日(土)15時47分配信

 【ブリュッセル時事】フランスで相次いだテロ事件を受け、欧州警察機構(ユーロポール、本部オランダ・ハーグ)は、欧州連合(EU)加盟各国の捜査機関が保有する情報の共有を強化するため、1月中に「欧州テロリスト対策センター」を本格稼働させる。
 各国が専門家を派遣し、国境を越えたテロ捜査での連携を図る。
 パリ同時テロの実行犯の多くはベルギーのブリュッセル居住者だったものの、フランスとの情報共有が進んでおらず、テロを未然に防げなかった。各国当局は手の内を知られるのを嫌い、機密情報の提供を渋る傾向があったためだ。
 パリでのテロを教訓に、EUは2015年12月の首脳会議の総括文書で、「加盟国間の情報共有を改善する」として、ユーロポールの新たなテロ対策センターに言及した。同月には、域外を結ぶ全航空便の乗客情報を収集し、当局の分析を可能にする「乗客予約記録(PNR)」制度の導入でも基本合意。制度が実現し次第、センターでもPNRを活用する方針だ。
 フランスやベルギーではさらに踏み込んで、強力な捜査権限を持つEU版連邦捜査局(FBI)を創設する案も浮上している。ただ、ユーロポールはセンター発足を前に、EUの専門家委員会に宛てた文書で「(情報の)全面的で適切な活用が実現できていない」と警鐘を鳴らした。当面はユーロポールが求める「加盟国の積極的な関与」が実現し、捜査能力の向上につなげられるかがカギとなる。


検証 原発はテロに勝てるか? 航空機が撃墜したら? テロリストが侵入したら?
産経新聞 1月2日(土)12時44分配信

 2001年に航空機を使ってニューヨークの高層ビルに衝突させた「9・11」に始まり、先月パリで発生した同時多発テロでは、武装したテロリストにより約130人が殺害されるなど、「テロの時代」とも称される今世紀。東京電力福島第1原発事故を教訓に策定された“世界最高水準”とされる新規制基準をクリアした日本の原発は、テロに勝つことができるのだろうか-。再稼働を目指す原発のテロ対策を検証してみた。

 ■巨大ヘリが原子炉に落ちたら…

 「史上最悪の原発テロ発生。巨大ヘリ墜落まで、あと8時間!」「人質は日本」-。

 平成27年秋、公開された映画「天空の蜂」の告知ポスター。物々しいキャッチコピーと、激しく炎上するヘリの写真は海外のパニック映画さながらの迫力だった。物語は、東野圭吾さんが福井県の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」をモデルに構想し、20年ほど前に刊行した同名小説が原作だ。

 テロリストが防衛省の巨大ヘリを乗っ取り、原発の真上でホバリングさせて、政府に国内の全原発停止を要求するという現実離れした設定だが、実在する原子炉をモデルにしただけあって、原発の仕組みや構造が妙にリアルに描かれており、「実際、原発に飛行機が落ちたらどうなるんだろう…」と想像をかき立てられた人も多いかもしれない。

 映画や小説の結末がどうなるかはさておき、そもそも国は原発に航空機が墜落することを想定しているのだろうか?

 ■徹底対策を求めた原発の新規制基準

 原子力規制委員会の前身である原子力安全・保安院は、9・11のテロの翌年の平成14年、「実用発電用原子炉施設への航空機落下確率に関する評価基準」を策定している。

 ここでは、航空機の落下確率を過去の事故の傾向や飛行場との位置関係から原発ごとに算出し、米国やフランスなど諸外国の基準を参考として、原子炉などに直撃する可能性が「年1000万分の1回」を超えなければ、「設計上考慮する必要はない」としている。

 しかし、福島第1原発事故後に作成された新規制基準は、原発の敷地内に航空機が落下し、爆発的な火災が発生した場合の原子炉への影響についても評価するよう求めた。

 27年8月に再稼働した九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)では、原子炉などの重要施設に航空機が落下する確率が年1000万分の1を超えないことを確認した上で、敷地内に航空機が落下し、火災が起きた場合の影響を評価した。

 検討の対象としたのは、大型旅客機の「B747-400」をはじめ、自衛隊機や米軍機でも燃料積載量が最大の「KC-767」「F-15」など。それぞれ燃料満タンの状態で敷地内に墜落、火災が発生したと場合でも、原子炉建屋の外壁コンクリートが許容温度(200度)を超えないことを燃焼モデルを使った計算で確認した。

 さらに新基準では、中央制御室などの重要施設がテロで破壊され、原発が「制御不能」となった場合についても言及している。

 原発から100メートル程度離れた高台や地下などに原子炉をコントロールする緊急時制御室を備えた「特定重大事故等対処施設」を設置することを電力会社に求めた。現状では原発そのものの審査に時間がかかっているため、設置までに猶予が設けられているが、川内原発では今後5年以内に設置される予定だ。

 ■内部にテロリストが潜入したら…

 テロの脅威は、航空機落下だけではない。原発に出入りする作業員や点検業者に紛れて、テロを誘発する「内部脅威者」が忍び込む可能性もある。

 実際、過去には19年7月に北海道電力泊原発3号機で連続不審火が発生したり、25年5月に関西電力の社員が変圧器を故意に操作して停電を起こすなど、結果として重大事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」とするような出来事もあった。

 内部脅威者については、施錠の多重化や監視カメラの設置などハードだけでなく、ソフト面の対策も必要になる。国際原子力機関(IAEA)が2011年、原発作業員の身元確認に国が関与する「個人の信頼性確認制度」の実施を勧告しており、海外の主要な原発保有国ではすでに、作業員の犯歴や薬物依存の有無などを確認する制度が導入されている。

 一方日本では、「個人情報の保護」が壁となって導入が大幅に遅れていたが、規制委が27年10月、原発などの防護区域に常時立ち入りする作業員を対象に、身元確認を行うことを決めた。

 電力会社が作業員の氏名や住所、職歴や海外渡航歴などを本人に自己申告させた上で、証明書類や適性検査などで客観的に信頼性を確認することにしており、具体的な制度設計を進めている。

 ただ、今回は他省庁との連携が難しく、海外渡航歴や犯歴の照会などの「国の関与」は盛り込まれなかった。実効性には疑問の声も上がっており、規制委は制度の運用面で電力会社との連携を強化していく予定だが、多様化、顕在化するテロへの対策は一刻を争う。(原子力取材班)

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