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2015年12月29日 (火)

東日本大震災・原発事故関連のニュース・2076

引き続き、2011年3月11日に発生した、東日本大震災ならびに東電福島第一原発事故に関連するニュース記事を伝達します。

今後も引き続き、随時追加します。

リンク:使用済み核燃料税導入へ…玄海町、財政悪化で - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:帰ってきた狛犬、震災の記憶伝えて… 西宮神社で21年ぶり設置 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:廃炉計画前に県と取り決めを=美浜1、2号機で関電に要請―西川福井知事 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:葬送 前陸上幕僚長・君塚栄治氏 10万人の震災支援隊を指揮 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:実れ! 「復興ワイン」=被災地、広がるブドウ栽培―観光資源に期待・岩手、宮城 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<緊急避難場所>義務化2年半 北海道内101市町村未指定 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<大震災被災地>復興への思い胸に…初競り、はしご乗り - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<福島原発事故>森林の全面除染へ調査研究継続求める要望書 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:放射能濃度、急上昇=井戸の地下水、年末年始に―福島第1 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<阪神大震災21年>畳屋さん、被災者へ提供の輪広がる - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<三陸鉄道>震災伝える「学習列車」昨年度1万人が乗車 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:原発事故外交記録 韓国禁輸「汚染と無関係」 日本側「不当差別で風評助長」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:輸入禁止、希薄な根拠 内陸県なのに水産物規制 証明書交渉中に尖閣問題 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:全村避難続く福島・葛尾村の成人式「いつかは村に戻って」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:津波被災地で神楽奉納=30年ぶり、復興願う―福島・南相馬 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:検証 原発はテロに勝てるか? 航空機が撃墜したら? テロリストが侵入したら? - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「復興進むように」南相馬 初日の出に願い込め 楢葉では避難指示解除後初の正月 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:被災地、初日の出に願う復興 - 速報:@niftyニュース.
リンク:「福島の苦悩を分かっているのか!」「風評被害に怒り通り越し絶望」原子力担当記者座談会 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:電力自由化で東京都民の6割が「東電離れ」? ガス、石油など100社新規参入の破壊力 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<東日本大震災>被災地に5回目の新年 復興祈る 岩手 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:被災地で初日の出 被災者らが復興祈る 宮城県名取市閖上地区 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:岩手・宮城の仮設住宅、20年までに解消へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:震災復興ずさん設計横行 - 速報:@niftyニュース.
リンク:<大震災被災地>避難生活いまだ18万人強…復興に願い - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:撤去命令受けた「脱原発テント」が美術館に!? テントに絵を描き「芸術を冒涜させない」って… - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:震災5年、終わる集中復興期間 - 速報:@niftyニュース.
リンク:<東日本大震災>震災後初、楢葉で元旦護摩祈とう - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<福島原発>汚染水が増加 海側の地下水、濃度が高く - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:2015原子力回顧 重大ニュース発表!1位は大臣が激怒したあのモンダイ… - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:岩手沿岸12市町村の人口、戦後最大8・3%減 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<もんじゅ>新組織、別の場で検討へ 有識者会合 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<福島第1原発>廃炉作業員描く漫画「いちえふ」仏独伊などで出版へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:もんじゅ検討会、出だしから難航 受け皿「まだ姿見えず」 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

使用済み核燃料税導入へ…玄海町、財政悪化で
読売新聞 1月5日(火)15時45分配信

 九州電力玄海原子力発電所が立地する佐賀県玄海町が、使用済み核燃料税を導入する方針を固めた。

 関係者への取材でわかった。町は、原発関連税収の減少で財政が悪化し、来年度には国からの地方交付税を受け取らないと運営できない「交付団体」に転落するとみており、新たな財源を探していた。近く岸本英雄町長が九電に伝える。

 玄海原発は福島第一原発事故の後、1~4号機全てが停止し、2015年3月には1号機廃炉が決まった。3、4号機は現在、再稼働に向けた安全審査が大詰めを迎えている。

 九電管内では15年8月以降、川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)が再稼働。九電の同9月の中間連結決算が5年ぶりに黒字になったことなどを踏まえ、町は使用済み核燃料税の導入方針を固めた。九電の意見を聞くなどして導入時期を決め、早ければ3月の町議会で関連条例を可決後、総務相が同意を判断する。

 九電の担当者は「玄海町から正式な要請があれば協議したい」と話している。


帰ってきた狛犬、震災の記憶伝えて… 西宮神社で21年ぶり設置
産経新聞 1月5日(火)14時21分配信

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阪神大震災で壊れ、行方が分からなくなっていた狛犬 =兵庫県西宮市の西宮神社(写真:産経新聞)

 西宮神社(兵庫県西宮市)で、平成7年の阪神大震災で壊れた後、行方が分からなくなっていた一対の狛犬(こまいぬ)が発見され、21年ぶりに据えられた。震災直後、がれきとともに境内に埋められていたとみられる。同神社は「震災の記憶を伝える存在になってもらいたい」としている。

 ◆がれきから…

 同神社によると、狛犬は寛政2(1790)年、酒の神などを祭る同神社境内の末社「松尾神社」が造営された際、地元の酒造家らが奉納した。

 松尾神社は震災で倒壊。狛犬も台座から落下、壊れた。西宮神社は安全確保のため、倒壊した松尾神社のがれきを境内の土の中に埋めた。その際、狛犬も一緒に埋められたようだ。

 ◆修復せぬまま

 平成27年春、倉庫を建設するため境内を掘り起こしたところ、狛犬を発見。一対のうち片方は頭の大部分がなくなり、もう片方は頭の一部と胴の下半分が欠けていた。西宮神社は「当時の様子を伝え、しのぶ存在になってほしい」として修復せず、27年末にそのままの姿で本殿までの参道脇に設置。傍らには「震災の記憶として後世に伝える」と書かれた銘板も添えた。

 吉井良昭宮司(64)は「20年以上たって出てきたのは『震災を忘れないで』と言いたかったのではないか。震災を知らない若い世代を含め、一人でも多くの人に見てもらえたら」と話している。


廃炉計画前に県と取り決めを=美浜1、2号機で関電に要請―西川福井知事
時事通信 1月5日(火)13時32分配信

 福井県の西川一誠知事は5日、県庁で関西電力の八木誠社長と会談した。
 西川知事は、昨年4月に廃炉扱いとなった関電美浜原発1、2号機(福井県美浜町)について「(廃炉)計画申請の前にわれわれと関電の間で廃炉に関するさまざまな約束事を決めておく必要がある」と述べ、原子力規制委員会への廃炉計画提出前に県と取り決めを結ぶよう要請した。
 関電によると、廃炉に関する取り決めは、関電が福井県と美浜町と結ぶ安全協定に追加する方向で調整中という。ただ、会談後に記者会見した八木社長は、廃炉計画提出前に県と取り決めを行う可能性については「県との今後の調整による」と述べるにとどめた。


葬送 前陸上幕僚長・君塚栄治氏 10万人の震災支援隊を指揮
産経新聞 1月5日(火)7時55分配信

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東日本大震災後、本紙の取材にメッセージを掲げる君塚氏=平成23年6月(小野淳一撮影)(写真:産経新聞)

 □平成27年12月31日、相模原市のシティホール相模斎場

 「ややもすれば熱くなり、暴走しがちな仲間をいさめ、冷静に意見を集約してくれた。人間性のなせる業だったと思う」

 陸上自衛隊に同期入隊した元陸将の寺崎芳治氏は弔辞で古い友人をしのんだ。

 東北方面総監時代に東日本大震災が発生。10万人を超える陸海空3自衛隊を統括する「統合任務部隊」の指揮官に就任し、被災者の救難支援に当たった。

 「最終バッター、最後のとりで。われわれの後はない」。自衛隊史上、空前のオペレーションに際し、そう思い極めていたという。

 刻々と移り変わる現場の状況に、迅速かつ的確な命令を発し続けた。勇将の下に弱卒なし。当時の自衛官の働きについて、今更説明を付す必要はないだろう。

 この経験が陸上幕僚長退任後の人生も決定づけた。防災をライフワークに掲げ、全国で講演活動。静岡県の防災対策アドバイザーにも就任し、災害への事前準備と教育の重要性を説き続けた。妻、順子(じゅんこ)さんは「まだまだこれから、ということだったと思う」と夫の思いを代弁する。

 告別式場の片隅には、統合任務部隊の指揮官腕章が、さりげなく飾られていた。気づくことなく通り過ぎる参列者も少なくない。その様は、自身の功績について多くを語ろうとしなかった生前の人柄と重なる。

 平成27年12月28日死去。享年63。大みそかの告別式には約300人の参列者が駆けつけた。最後は儀仗(ぎじょう)隊が見送るなか、ひつぎを乗せた車がゆっくりと式場を離れた。(石鍋圭)


実れ! 「復興ワイン」=被災地、広がるブドウ栽培―観光資源に期待・岩手、宮城
時事通信 1月5日(火)5時14分配信

 東日本大震災の被災地でワインを特産品に育てようとする動きが広がっている。
 岩手県沿岸では明治時代創業のブドウ園が自社醸造へ踏み出したほか、宮城県唯一のワイナリーが新たに開業。地元の食材と一緒に売り込むなど、ワインを通した地域の活性化に期待を寄せる。
 岩手県陸前高田市の「神田葡萄園」は1905年創業の老舗で、長く食用ブドウを栽培してきた。被災後の2012年からワイン用品種の栽培を始め、醸造免許を取得。初出荷に向け準備を進めている。熊谷晃弘代表(32)は「内陸に比べ夏が涼しく、ブドウ本来の酸味がしっかり残る」と話す。地元の海産物と一緒に楽しむワインをコンセプトにするという。
 震災では、ブドウ畑を津波が襲い、植えたばかりの苗木は全滅。工場や直売所も被災した。熊谷さんは「津波で流された高田の松原は元に戻らないが、ワイン造りが地域に広がって観光の活性化につながれば」と期待する。
 異業種からの転向組もいる。同県大船渡市の及川武宏さん(36)は東京のコンサル会社で働き、震災後は被災地の子どもを支援する財団法人に転職。14年、家族で同市に戻り、白ワイン用の2品種約600本を育てる。醸造所も新設予定だ。及川さんは、ニュージーランドのワイナリーで働いた経験から、ワインは人の交流を生み出すツールになると実感。「地域の将来を担う子どもたちが異文化に触れる機会をつくりたい」と話す。
 三陸沿岸でワイン用のブドウ栽培が盛んになったのはここ数年という。岩手県農業研究センター果樹研究室の佐々木真人室長は「品種改良や栽培技術の普及で、三陸の多湿な気候でも育てやすくなった」と説明する。
 仙台市では12月、宮城県唯一のワイナリー「秋保ワイナリー」がオープンした。運営する仙台秋保醸造所の毛利親房代表(47)は「ワインで宮城の復興、地方創生を応援したい」と意気込む。
 現在は山形県や山梨県からブドウを仕入れてワインを製造しているが、来年からは自社の畑で採れたブドウでの生産も始める。秋保地区は風通しや水はけなど栽培の条件がいいという。
 同社は宮城県南三陸町産のリンゴなどが原料のシードルも製造。一緒に南三陸のカキをPRできるようにするなど、沿岸部や県内各地の生産者らと連携する。「被災3県が中心となって、東北のワインツーリズムをやりたい」と毛利さん。観光資源となり、大きな経済効果も望める。このため、将来的にはワイン製造の技術者も育成したいという。


<緊急避難場所>義務化2年半 北海道内101市町村未指定
毎日新聞 1月4日(月)21時22分配信

 東日本大震災を教訓に市町村長による指定が義務づけられた災害時の「指定緊急避難場所」と「指定避難所」について、総務省北海道管区行政評価局が道内179市町村を調査したところ、昨年9月1日現在で半数以上の101市町村が指定を終えていないことが分かった。3月で震災発生から5年となるが、同局は「早期に指定するよう努力してほしい」としている。

 国は2013年6月、災害対策基本法を改正し、一時的に避難する「緊急避難場所」を地震や津波、洪水などの災害別に指定し、さらに避難生活を送る「避難所」を別途指定するよう市町村長に義務づけた。指定期限はないが、道は17年度までを目標としている。

 調査に対し、未指定の市町村は「調査に時間がかかる」「人員や体制、知見が不足している」などと理由を回答したという。また避難所運営マニュアルについては、135市町村(75.4%)が未作成だった。

 災害時の食料については、約3割の48市町村が「炊き出しを想定している」などとして備蓄目標を設定していなかった。国の中央防災会議は「市町村が必要量を見積もり、計画的に備蓄を推進すべきだ」と指摘している。【酒井祥宏】


<大震災被災地>復興への思い胸に…初競り、はしご乗り
毎日新聞 1月4日(月)20時33分配信

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はしごの上で見事な曲芸を披露するとび職人=福島県南相馬市小高区の相馬小高神社で2016年1月4日、大塚卓也撮影

 3月で発生から5年となる東日本大震災の被災地で4日、初競りや新春のはしご乗りなどの行事があり、復興に向けた新年の一歩を踏み出した。

          ◇

 震災の津波で1000人以上の犠牲者を出し、仮設住宅に約3800人の被災者が暮らす岩手県釜石市。「魚のまち」の復活に向けて4日、同市新浜町の第2魚市場で初競りがあり、水揚げされたイワシやイカなどを仲買人が威勢よく競り落とした。

 年に数回しか揚がらないというミンククジラ(体長約3.6メートル、重さ約550キロ)も競りにかけられ、幸先のいいスタートに。今秋には約1キロ離れた魚河岸地区に新市場が完成する予定という。

 第2魚市場の2015年4~12月の取扱高は、震災のあった11年と12年にサケの稚魚を十分放流できなかったり、サンマが不漁だったりして前年同期の約7割にとどまった。しかし、サケの稚魚放流を13~15年と3年間続けており、今後は上向くとみられる。最近はイワシが急増してイワシをえさにするブリなどの増加も期待でき、市漁協組合連合会の上村勝利会長は「これからは右肩上がりになる」と話した。【中田博維】

          ◇

 東京電力福島第1原発事故で住民避難が続く福島県南相馬市小高(おだか)区の相馬小高神社で4日、はしご乗りの行事があった。数百人が集まり、地元のとび職人が高さ約7メートルのはしご上で見せる妙技に見入った。

 1年の無病息災を祈る伝統行事で、県鳶(とび)土木工業連絡協議会相双支部の主催。日中の立ち入り規制が解除されて以降、同神社では4回目の開催となった。

 演技を終えた同支部副支部長の中里徹哉さん(56)は「今後、地元に戻るか迷っている住民も多いが、若い職人が地域の伝統を守ろうと訓練を重ねている姿が帰還の呼び水になってくれればいい」と期待を込めた。

 南相馬市は今年4月に小高区を中心とした地域の避難指示解除を目標に掲げている。現在はそれに向けた準備宿泊が始まっているが、小高区での登録者は昨年12月20日現在で413世帯1165人と震災前の人口(1万2842人)の1割以下にとどまっている。【大塚卓也】


<福島原発事故>森林の全面除染へ調査研究継続求める要望書
毎日新聞 1月4日(月)20時12分配信

 東京電力福島第1原発事故に伴う福島県内の除染を巡り、生活圏から離れた大部分の森林について実施しない方針を環境省が示したことに対し、畠(はた)利行・同県副知事らは4日、森林の全面除染に向けた調査研究を続けるよう求める要望書を丸川珠代環境相に提出した。

 要望書は、森林除染は住民が帰還を決める大きな要因だと指摘。森林全体の放射線量のモニタリングや実効的な除染方法を探る調査研究に取り組むことなどを求めたが、丸川環境相は「引き続き地域の声を聞きたい」と明言を避けた。

 森林は福島県の面積の約7割を占める。環境省は昨年末、住民の生活圏から20メートル以内と、人が日常的に立ち入る場所以外の森林は除染を見送る方針を決めた。畠副知事は面会後、報道陣に対し「現時点で除染をしないと諦めるのではなく、取り組みを続けてほしい」と話した。【渡辺諒】


放射能濃度、急上昇=井戸の地下水、年末年始に―福島第1
時事通信 1月4日(月)20時2分配信

 東京電力は4日、福島第1原発2、3号機建屋の東側にある地下水の観測用井戸で、先月31日と今月1日に採取した水の放射性物質濃度が急上昇したと発表した。
 原因は分かっていない。
 東電によると、12月31日に3号機東側の井戸4カ所でセシウム134と137が1リットル当たり計90~307ベクレル検出された。前回の同28日に採取した水は検出限界値未満が多く、濃度が高い所でもセシウム137で同1.4ベクレルにとどまっていた。1月1日になると、セシウム濃度は同1.5~2.78ベクレルに下がったという。
 また、1日に採取した2号機東側井戸の地下水からは、セシウム134が同350ベクレル、137が同1600ベクレル検出された。前回の12月29日は134が検出限界値未満、137が同6ベクレルだった。ストロンチウム90などベータ線を出す放射性物質の濃度は前回の同25ベクレルから同5000ベクレルへと200倍に上昇した。
 1月2日に再度地下水を採取して測定したところ、セシウム134は同60ベクレル、137は同280ベクレルに、ベータ線を出す放射性物質は同630ベクレルに下がっていた。
 東電は日々地下水をくみ上げて汚染水として処理している。福島原発事故から間もなく5年となるが、地下水の放射性物質濃度の急上昇は断続的に生じている。


<阪神大震災21年>畳屋さん、被災者へ提供の輪広がる
毎日新聞 1月4日(月)8時40分配信

 災害時に各地の畳店が協力し、避難所の床に敷く畳を無償で提供するプロジェクト「5日で5000枚の約束。」が全国に根を下ろしつつある。「冷たい床の上で生活するのは大変。畳の上で少しでも安らいでほしい」。阪神大震災で被災した神戸の畳店主らが約3年前に呼びかけた取り組みは畳職人の共感を呼び、その輪は42都道府県の283業者にまで広がっている。

 プロジェクトの実行委員長は、神戸市兵庫区の「前田畳製作所」社長、前田敏康さん(45)。震災当時は銀行員で、住んでいた同市東灘区の寮が半壊。支援物資や励ましの言葉に助けられた。その後、銀行を退職して家業の畳店を継いだ。

 プロジェクトのきっかけは東日本大震災だった。報道で見た被災者の姿にかつての経験を思い返し、「畳店としてできることを」と発案。大規模災害の被災地に発生5日以内に新品5000枚を届けることを目標に2013年春に始めた。参加業者が増えた今では6700枚以上を提供できる態勢になった。

 宮城県石巻市の「草新舎」代表、高橋寿さん(55)は東日本大震災の際、友人らが避難していた体育館に店の畳約60枚を提供した。「畳が一番落ち着く」と喜ばれ、「求められているのを実感した」と振り返る。その後、プロジェクトを知り、仲間に加わった。

 昨年5月の鹿児島県屋久島町の口永良部(くちのえらぶ)島・新岳の噴火では発生2日後、兵庫県や広島県などの業者が作った畳計140枚を屋久島の避難所に届けた。到着するなり、「今日は畳で寝られる」「いい匂い」と歓迎された。同9月の関東・東北豪雨でも、茨城県常総市などに計約200枚を配り、「足を伸ばしてくつろげる」「香りが良くて、ほっとできる」と喜ばれたという。

 災害発生時の受け入れを円滑に進めるため、実行委は大阪市や京都府など46自治体と防災協定を締結、各地での防災訓練にも参加している。前田さんは「東日本大震災では赤ちゃんを冷たい床に下ろすことができず、一晩中抱っこしていたという母親の話も聞いた。畳1枚で避難生活の痛みを和らげることができる」と話す。問い合わせは事務局(078・578・0172)。【村瀬優子】


<三陸鉄道>震災伝える「学習列車」昨年度1万人が乗車
毎日新聞 1月3日(日)8時31分配信

 東日本大震災から約5年。津波で大きな被害を受けた鉄路は復旧が進み、被災地復興のけん引役として地域と人を支える。岩手県の三陸海岸を走る三陸鉄道(通称・さんてつ)はその代表格だ。地域住民の足としてだけでなく、さまざまな企画で多くの観光客を引きつけている。

 南リアス線の釜石駅(岩手県釜石市)から盛(さかり)駅(大船渡市)に向けて走り出した列車は、10分ほどで海抜16メートルの地点にある唐丹(とうに)駅にとまった。海までは約300メートル。車窓から以前は住宅地だった更地が見える。

 「津波はこの駅まで押し寄せました」。ガイド役を務める同社の熊谷松一さん(52)が説明すると、乗客からは「こんな所まで」と驚きの声が上がった。2012年6月から震災の被害や教訓を伝えるために走らせている「震災学習列車」だ。一時停止したり徐行運転したりしながら、当時の状況を説明する。修学旅行などで利用されることが多く、昨年度は約1万人が乗車した。

 終点に近い綾里(りょうり)駅(大船渡市)を過ぎると、見えてきたのは災害公営(復興)住宅だ。「復興住宅は仮設住宅に比べ家賃が高いなど新たな課題もあります」。熊谷さんは復興の現状をそう話し、「震災を風化させたくない。防災意識を高め、周りの人にも伝えてほしい」と乗客に呼びかけた。

 三陸鉄道は震災の津波で線路や橋りょうが流されるなどし、被害額は約90億円に上った。ただ、津波の影響をあまり受けなかったトンネル区間もあり、震災5日後には北リアス線の一部区間が復旧。14年4月、両線の全線で運行を再開した。旅客サービス部の冨手(とみて)淳部長は「震災直後、線路上を歩いて避難する被災者を見て、とにかく早く動かそうと奔走した」と振り返る。

 震災後、白い車体に青と赤のラインが入った車両は、NHK連続テレビ小説「あまちゃん」に登場する「北三陸鉄道」のモデルとなったほか、昭和初期をイメージしたレトロ列車なども運行し、観光客に好評だ。

 北リアス線では座席が掘りごたつの「こたつ列車」も人気で、3月までの土日祝日に運行する。こたつ列車では、トンネルに入ると秋田の「なまはげ」と同じように、怠け者を戒める「なもみ」が現れ、「悪い子はいないかー」と乗客に声を掛ける企画もある。冨手部長は「復興は道半ば。さんてつに乗って少しでも岩手の良さを体験してほしい」と話す。【二村祐士朗】

<三陸鉄道>県や沿線市町村が出資し1984年4月1日、全国初の第三セクター鉄道として開業。南部の南リアス線(盛-釜石)と北部の北リアス線(宮古-久慈)に分かれ、計107.6キロ。南北リアス線をつなぐJR山田線(宮古-釜石)は2018年度の開通を目指して復旧工事が進み、完了後は三陸鉄道に移管される。


原発事故外交記録 韓国禁輸「汚染と無関係」 日本側「不当差別で風評助長」
産経新聞 1月3日(日)7時55分配信

 東京電力福島第1原発事故を受けて、福島を含む8県の水産物の輸入を全面禁止している韓国が、「同地域の水産物は放射能汚染と関係なく、(韓国)国内流通が全面禁止される」と日本側に伝えていたことが2日、情報公開請求で外務省と農林水産省が明らかにした外交文書で分かった。韓国に対してはすでに世界貿易機関(WTO)に提訴済みで、政府関係者は「韓国の輸入禁止は科学的根拠がない不当な差別で、風評被害を助長している」と説明している。

 原発事故後、54の国・地域が日本の食品や水産物などの輸入を規制した。その後、徐々に規制の撤廃が進んでいるが、輸入禁止の措置をとる国・地域は韓国を含め、現在も9つある。

 産経新聞は外務省と農水省に対し平成23年3月の原発事故後から27年9月末まで、それら9の国・地域の輸入禁止についての対外交渉記録一式の公開を請求した。入手した文書によると韓国の海洋水産部などが25年9月、「放射能汚染と関係なく」全面輸入禁止を日本側に通告。その理由は「(福島第1原発の汚染水漏れ以降)日本政府がこれまで提供した資料だけでは今後の事態を正確に予測することが難しいという(韓国)政府の判断によるものである」と明示している。

 政府関係者によると、日本は正確な情報を提供しているにもかかわらず、この通告が現在も通用しているという。複数回の交渉でも事態は全く好転せず、27年8月、「不当な差別」としてWTOへ提訴した。

 韓国側文書では「(韓国)国内産食品に対する放射能検査基準も強化した」として、その経緯も記載。さらに「日本産水産物が(韓国)国内産を偽装して流通することを元から遮断する」とも記されている。


輸入禁止、希薄な根拠 内陸県なのに水産物規制 証明書交渉中に尖閣問題
産経新聞 1月3日(日)7時55分配信

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原発事故による国・地域の輸入禁止(写真:産経新聞)

 東京電力福島第1原発事故から間もなく5年を迎えるが、外国による日本の農水産物の輸入禁止が続いている。いずれも科学的根拠が希薄で、水産物を輸出していない内陸県が輸入禁止リストに含まれている不可解なケースもある。交渉に携わる政府関係者は「規制の根拠が不明で、明確な理由を問いただしてもなしのつぶてだ」と膠着状態にあることを打ち明けた。(天野健作、緒方優子)

 「日本人も食べないものをなぜ韓国人が食べなければならないのか」「日本の水産物を輸入すれば、全ての水産物を食べない」

 韓国のインターネット上の掲示板では容赦ない言葉が並ぶ。韓国政府もこれに呼応するように、かたくなな態度を示してきた。

 日本が世界貿易機関(WTO)に提訴している韓国は、水産物を輸出していない内陸県についても名指しで輸入禁止を継続している。禁止リストに入る栃木県は「なぜ名前が挙がったのか分からない。実害はないが、その他の作物に及ばないか、風評被害が心配だ」(農政部生産振興課)と不安視する。

 福島県産の農水産物は徐々に回復傾向にあり、福島沖の漁業では試験操業が拡大。コメの全量全袋検査(約1千万袋)でも、放射性物質の基準値超えは一切出ていない。にもかかわらず、今も日本産の輸入禁止を続けているのは、韓国以外に、中国、香港、マカオ、台湾、シンガポール、ブルネイ、仏領ニューカレドニア、ロシアの8カ国・地域に及ぶ。

 禁止品目が最も多岐にわたっている中国では、福島のほか東京、埼玉、千葉の首都圏を含む10都県で全ての食品と飼料の輸入禁止が続いている。農林水産省などが産経新聞に公開した文書によると、それ以外の道府県の「野菜・果実、乳、茶葉など」については、放射性物質検査証明書の添付による輸入が認められているものの、証明書の様式が合意されておらず、実質上、全都道府県で輸入禁止が続いている。

 農水省の担当者は「証明書の交渉をしようとしても、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の領有問題を持ち出してきたりして、話にならない」と不快感を示した。

 台湾も福島、茨城、栃木、群馬、千葉の5県で全ての食品の輸入を禁止。さらに、平成27年5月、日本産の全ての食品に産地証明書の添付を義務付けた。

 しかし、政府関係者によると、台湾は福島を除く他の県での輸入再開を検討しており、事態は改善の方向に進んでいる。特に1月に総統・立法委員(国会議員に相当)選挙を控えており、自国内の食品汚染問題を受けて、世論にアピールする意味で規制が強化されたという。

 一方で、輸入規制の緩和も相次いでいる。欧州連合(EU)は27年11月、福島から輸入する全ての食品に義務付けた放射性物質検査について、野菜や果実、畜産品などを対象から外す方針を表明。米国も輸入規制を続けているが、日本の出荷制限と同様の品目を対象にしており、事実上、規制はないに等しい。輸入規制が緩和されたタイでは福島県産のモモが人気で、事故後の1・9トンから輸入が倍増している。


全村避難続く福島・葛尾村の成人式「いつかは村に戻って」
産経新聞 1月2日(土)19時28分配信

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福島県葛尾村の成人式が同県三春町でおこなわれ、新成人らが同級生との再会を喜んだ=2日午前、福島県三春町(宮崎瑞穂撮影)(写真:産経新聞)

 東京電力福島第1原発事故で全村避難が続く福島県葛尾村の成人式が2日、同県三春町で行われた。式には16人の新成人が出席し、中学時代の同級生との再会を喜んだ。

 避難村民の約6割が三春町の仮設住宅に暮らしており、式典は震災以降、毎年三春町で行われている。会場では、葛尾村での思い出の写真がスライドショーで上映されると、「わあ、懐かしい」と歓声が上がった。

 震災発生から間もなく5年。同県郡山市で暮らす専門学校生、阿部彩さん(19)は「親に恩返しできる、しっかりした大人になりたい」と話し、「いつかは村に戻って暮らせたら…」と続けた。


津波被災地で神楽奉納=30年ぶり、復興願う―福島・南相馬
時事通信 1月2日(土)15時42分配信

 東日本大震災の津波により被災した福島県南相馬市原町区雫地区の津神社で2日、同地区に伝わる「雫神楽」の奉納が行われた。
 神楽は震災からの復興を願う地元青年団の手で約30年ぶりに復活したもので、集まった住民約50人は激しく舞い踊る姿を真剣に見守った。
 雫神楽は約100年前から行われていたと言われ、無病息災などを願い、地元青年団が毎年正月に奉納していた。しかし、踊り手の若者の数が減ったため、1983年を最後にいったん途絶えた。
 「われわれの世代が受け継がなければ、地域の伝統が廃れてしまう」。雫青年団団長の高田貴浩さん(34)は震災前、青年団の先輩だった高田憲幸さん=当時(32)=に相談。憲幸さんは「俺らの手でいつかやろうな」と約束してくれた。
 しかし、震災が発生、津波が雫地区沿岸部を襲い、憲幸さんら25人をのみ込んだ。憲幸さんの遺体はその後、地区内の田んぼで発見された。
 古里と仲間を同時に失った貴浩さん。消防団員として行方不明者の捜索に当たっていた時、地区の集落センターで偶然、泥まみれの獅子頭を見つけた。「その目は『神楽を復活させろ』と語り掛けているようだった」
 震災から5度目の正月を迎えた2日朝、津神社には貴浩さんのほか5人の青年団員の姿があった。「お先に立たっしゃるは伊勢天照皇大神宮」。太鼓役が威勢よく口上を読み上げると、大きな獅子頭が荒々しく舞い踊った。先頭で踊るのは貴浩さんだ。
 「これでやっと天国にいる憲幸君との約束を果たせた」。奉納後、安堵(あんど)の表情を浮かべる貴浩さん。「今も震災の傷痕が残る雫地区だが、神楽復活を機に、地域をもっと元気にしていきたい」と言葉に力を込めた。


検証 原発はテロに勝てるか? 航空機が撃墜したら? テロリストが侵入したら?
産経新聞 1月2日(土)12時44分配信

 2001年に航空機を使ってニューヨークの高層ビルに衝突させた「9・11」に始まり、先月パリで発生した同時多発テロでは、武装したテロリストにより約130人が殺害されるなど、「テロの時代」とも称される今世紀。東京電力福島第1原発事故を教訓に策定された“世界最高水準”とされる新規制基準をクリアした日本の原発は、テロに勝つことができるのだろうか-。再稼働を目指す原発のテロ対策を検証してみた。

 ■巨大ヘリが原子炉に落ちたら…

 「史上最悪の原発テロ発生。巨大ヘリ墜落まで、あと8時間!」「人質は日本」-。

 平成27年秋、公開された映画「天空の蜂」の告知ポスター。物々しいキャッチコピーと、激しく炎上するヘリの写真は海外のパニック映画さながらの迫力だった。物語は、東野圭吾さんが福井県の高速増殖炉原型炉「もんじゅ」をモデルに構想し、20年ほど前に刊行した同名小説が原作だ。

 テロリストが防衛省の巨大ヘリを乗っ取り、原発の真上でホバリングさせて、政府に国内の全原発停止を要求するという現実離れした設定だが、実在する原子炉をモデルにしただけあって、原発の仕組みや構造が妙にリアルに描かれており、「実際、原発に飛行機が落ちたらどうなるんだろう…」と想像をかき立てられた人も多いかもしれない。

 映画や小説の結末がどうなるかはさておき、そもそも国は原発に航空機が墜落することを想定しているのだろうか?

 ■徹底対策を求めた原発の新規制基準

 原子力規制委員会の前身である原子力安全・保安院は、9・11のテロの翌年の平成14年、「実用発電用原子炉施設への航空機落下確率に関する評価基準」を策定している。

 ここでは、航空機の落下確率を過去の事故の傾向や飛行場との位置関係から原発ごとに算出し、米国やフランスなど諸外国の基準を参考として、原子炉などに直撃する可能性が「年1000万分の1回」を超えなければ、「設計上考慮する必要はない」としている。

 しかし、福島第1原発事故後に作成された新規制基準は、原発の敷地内に航空機が落下し、爆発的な火災が発生した場合の原子炉への影響についても評価するよう求めた。

 27年8月に再稼働した九州電力川内原発1、2号機(鹿児島県薩摩川内市)では、原子炉などの重要施設に航空機が落下する確率が年1000万分の1を超えないことを確認した上で、敷地内に航空機が落下し、火災が起きた場合の影響を評価した。

 検討の対象としたのは、大型旅客機の「B747-400」をはじめ、自衛隊機や米軍機でも燃料積載量が最大の「KC-767」「F-15」など。それぞれ燃料満タンの状態で敷地内に墜落、火災が発生したと場合でも、原子炉建屋の外壁コンクリートが許容温度(200度)を超えないことを燃焼モデルを使った計算で確認した。

 さらに新基準では、中央制御室などの重要施設がテロで破壊され、原発が「制御不能」となった場合についても言及している。

 原発から100メートル程度離れた高台や地下などに原子炉をコントロールする緊急時制御室を備えた「特定重大事故等対処施設」を設置することを電力会社に求めた。現状では原発そのものの審査に時間がかかっているため、設置までに猶予が設けられているが、川内原発では今後5年以内に設置される予定だ。

 ■内部にテロリストが潜入したら…

 テロの脅威は、航空機落下だけではない。原発に出入りする作業員や点検業者に紛れて、テロを誘発する「内部脅威者」が忍び込む可能性もある。

 実際、過去には19年7月に北海道電力泊原発3号機で連続不審火が発生したり、25年5月に関西電力の社員が変圧器を故意に操作して停電を起こすなど、結果として重大事故には至らなかったものの、「ヒヤリ」とするような出来事もあった。

 内部脅威者については、施錠の多重化や監視カメラの設置などハードだけでなく、ソフト面の対策も必要になる。国際原子力機関(IAEA)が2011年、原発作業員の身元確認に国が関与する「個人の信頼性確認制度」の実施を勧告しており、海外の主要な原発保有国ではすでに、作業員の犯歴や薬物依存の有無などを確認する制度が導入されている。

 一方日本では、「個人情報の保護」が壁となって導入が大幅に遅れていたが、規制委が27年10月、原発などの防護区域に常時立ち入りする作業員を対象に、身元確認を行うことを決めた。

 電力会社が作業員の氏名や住所、職歴や海外渡航歴などを本人に自己申告させた上で、証明書類や適性検査などで客観的に信頼性を確認することにしており、具体的な制度設計を進めている。

 ただ、今回は他省庁との連携が難しく、海外渡航歴や犯歴の照会などの「国の関与」は盛り込まれなかった。実効性には疑問の声も上がっており、規制委は制度の運用面で電力会社との連携を強化していく予定だが、多様化、顕在化するテロへの対策は一刻を争う。(原子力取材班)


「復興進むように」南相馬 初日の出に願い込め 楢葉では避難指示解除後初の正月
産経新聞 1月1日(金)19時39分配信

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初日の出に向かって手を合わせる人たち=1日午前7時1分、福島県南相馬市鹿島区(野田佑介撮影)(写真:産経新聞)

 復興が少しでも進みますように-。晴天に恵まれた1日、福島県南相馬市では東日本大震災の津波に負けず海岸線に唯一残った「一本松」のそばから初日の出を拝もうと、早朝から地元住民らが足を運び、一日も早い復興を祈願した。

 同市鹿島区の海岸沿いにあるこの松は、津波に耐えたことで知られる岩手県陸前高田市の松と同じく「奇跡の一本松」とされ、地元では「かしまの一本松」として親しまれている。

 この日は氷点下に近い厳しい冷え込みの中、地元の人たちがかさ上げされた高台や松のそばから初日の出を拝んだ。午前6時50分ごろ、雲の切れ間からオレンジ色の光が差し込むと、松との“ツーショット”をカメラに収め、手を合わせる人の姿もあった。

 地区の自治会長を務める五賀(ごが)和雄さん(75)は津波で自宅が全壊。仮設住宅での避難生活を経て、平成26年2月に自宅を再建した。地区の住民は今も10世帯ほどが仮設住宅での暮らしを余儀なくされているといい、「みんなが一日も早く落ち着いて暮らせるようになってほしい」と語った。

 また、同県楢葉町では東京電力福島第1原発事故による避難指示が昨年9月に解除された後、初めての正月を迎え、地元の人たちが初詣に訪れる姿が見られた。

 実家近くの神社に家族3人で訪れた会社員、沼尾英邦さん(61)=同県いわき市=は「家族の無病息災と、仕事では今年定年を迎えるので最後まで無事に働けるように祈りました」と笑顔。かつては境内でお神酒の振る舞いや剣道の初稽古も行われていたというが、今ではそうした光景も見られなくなった。

 避難指示の解除後も町に戻った人は少なく、沼尾さんは「故郷ににぎわいがないのは寂しい。(原発事故前のように)活気ある町に戻ってほしい」と願っていた。


被災地、初日の出に願う復興
2016年1月1日(金)17時16分配信 共同通信

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 東日本大震災の津波で大きな被害を受けた宮城県東松島市の野蒜(のびる)海岸から望む初日の出。雪が舞う中、大勢の人たちが集まり被災から5度目の新年を迎えた=1日午前6時55分

 東日本大震災の被災地は1日、5度目の新年を迎えた。船上や海岸から拝む初日の出や、郷土芸能の奉納行事に多くの被災者が集まり、復興と新年の平穏を願った。

 宮城県東松島市の「奥松島遊覧船」では、震災の影響で休止していた初日の出クルーズが復活した。午前7時ごろ、太陽が赤々と昇ると盛岡市の会社員岩上泰子さん(56)は「感激した。有名になって復興につなげてほしい」と笑顔を見せた。

 奥松島公社によると、津波で船や桟橋が被災。2013年10月に遊覧船を再開したが、利用客数は震災前を下回る。同社は「初日の出クルーズを起爆剤に昨年以上のお客さんに来てもらえれば」と期待する。


「福島の苦悩を分かっているのか!」「風評被害に怒り通り越し絶望」原子力担当記者座談会
産経新聞 1月1日(金)16時10分配信

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国の殺処分に抵抗して約330頭の牛を飼育している「希望の牧場」=12月下旬、福島県浪江町(写真:産経新聞)

 東京電力福島第1原発事故は来年3月で、5年を迎える。未曽有の原発事故に有効な解決策はなく、政府はいまも右往左往しているように感じる。目に見えない放射性物質に苦しむ福島は、復興の道のりを着実に歩んでいると言えるのだろうか。原子力取材に携わる担当記者が「今年の福島」を振り返りながら、取材を通じて感じたことなどを率直に語り合った。

 ■戻りたくても戻れない

 --福島の現状をどう見ているか

 A記者「事故から5年はあっという間という感じがする。だが、いまも大勢の人が避難している福島の被災者からすると、日々の苦しみが募り、長いと感じる人もいるだろう。

 東京から定期的に福島へ取材しに行くが、放射性物質に汚染された土などを入れる黒い袋がどんどん増えていき、道路の脇に積み上がっている姿は痛々しいほどだ。むしろ復興の姿からは遠ざかっているように思える」

 O記者「同感だ。先日、警戒区域内の住民の方の一時帰宅に同行させてもらった。屋根や畳の腐食が進み、住宅の中にまで植物のツタが入り込んでいてもうすぐ5年という歳月の長さを感じた。そうした手つかずの場所がある一方で、除染が完了し、住民の帰還が始まった地域もある。一口に『福島』と言っても地域によって復興の度合いや感じ方は異なり、その差は次第に大きくなっていると感じる」

 N記者「私は今年6月に福島に赴任した。地元の人から聞くのは、長引く避難生活による“あきらめ”だ。避難指示が解除されても故郷に戻らない住民は多い。自宅が壊れ、周辺が荒れ果てているところもある。戻りたくても戻れないのが現実だ。

 『周りに知り合いがおらず、原発や除染の作業員ばかりで怖い』との声も聞いた。廃炉や除染が進まなければ福島の復興はないが、見ず知らずの人ばかりで不安を感じるというのもよくわかる。本当に難しい問題だ」

 ■子供たちの清掃活動に誹謗中傷

 --今年福島で、印象に残った出来事は

 A記者「福島のニュースはどうしても暗い話になってしまうが、指定廃棄物の処分場計画を福島が受け入れるというニュースは復興に向けた大きな決断として評価したい。

 福島以外の宮城や千葉、栃木など5県がまったく決められない姿を福島の人たちはどう見ているだろうか。福島以外のある自治体が『(廃棄物を)福島に持ち込んで処分すべきだ』と発言しているのには怒りすら覚えた。福島にさらに負担を押し付けようとするのか」

 N記者「私もとても理不尽な出来事に憤慨したことがある。10月に5年ぶりに国道6号の清掃活動が行われ、取材した。故郷が避難区域となっている中高生も多く参加していて、自分たちの手で町をきれいにしたいという思いが伝わってきたのはよかった。残念だったのは、その活動に対して、「子供を殺す気か」といった誹謗中傷のような抗議が1000件近くも寄せられたことだ。

 高校生が声を上げたことで再開が実現したが、子供たちは自分たちが悪いのかとショックを受けているという。幼くして故郷を追われた子供たちの思いを踏みにじるようなことだけはしないでほしいと思った」

 O記者「私は、9月に避難指示が解除された楢葉町で取材したことが印象深い。子育てしながら奮闘する若い役場職員や、仮設店舗で営業するスーパーの店主、先祖から代々受け継いだ家を守る男性など、帰還までに住民一人一人がつなぎ止めてきたものの尊さを感じた。

 高齢者の孤立など今後の復興には課題もあるが、そうした現実も見据えながら、前を向いている人たちを応援したいと思った」

 ■漁師の怒り「きっちり対策せよ」

 --福島第1原発は実際のところどうなのか

 O記者「原発構内に取材に入る際、顔全体を覆う全面マスクから、今年は半面マスクや普通の化繊マスクに変わり、作業員の被曝リスクが下がっていることを実感した。

 ただ、燃料プールに残る使用済み燃料や、溶け落ちた燃料(デブリ)の取り出しなど、廃炉作業の山場はこれからだ。第1原発の小野明所長も『ゴールが100里としたら、まだ3里』と言っている通り、今後に注目したい」

 N記者「ただ、地元の側からすると、汚染水漏れは気になる。東京電力の担当者が県に謝罪するという場面が何度もあった。地元の漁師たちは『きっちり対策をしてもらうしかない』と話していた。

 サブドレンの装置や仕組みを取材し、廃炉や汚染水対策は確実に前進していると思った。しかしいまだに汚染水漏れはなくならない。地元の人たちを不安にさせないよう、気を抜くことなく確実に廃炉を進め『絶対に漏らさない』という強い意識を持って作業に当たってほしい」

 A記者「確かに、ここ数年間は汚染水漏れが続いて、事故の収束は全然できていないのではないかと思わせた。

 しかし今年は海側遮水壁も完成し、汚染水になる前に地下水をくみ上げて海に放出するサブドレンも一定の成果を収め、意外と前進しているとも感じ、やはり廃炉の本格化はこれからなのだろう」

 ■克服すべき「風評被害」

 --福島が抱える一番大きな課題とは何か

 N記者「震災と原発事故からまもなく5年を迎え、被災者の生活レベルにも差が生じている。それぞれが自立した生活を送るためにどうすべきか、考え続けなければならない。賠償金などお金を渡すことも必要だろうが、働き口の確保など自らが生活を立て直すための支援策を講じることが大切だと感じている」

 O記者「印象に残った言葉がある。いわき市に滞在した際に知人に、『(原発)作業員の人も多いでしょう。同じホテルに泊まったと思うと、被曝していないか心配だね』と言われて、怒りを通り越して絶望的な気分になってしまった。

 5年経って、これなのかと。極端な例かもしれないが、むしろ震災直後よりも報道が減り、放射性物質や被曝に対する世間の関心が薄れているということなのかもしれない」

 N記者「このような風評被害を克服するためには、福島の今を国内外の人に広く伝えることが大切だろう。私は関西の出身だが、帰省すると福島に住んでいるというだけで『被曝しているんじゃないのか』という目でみられる。いまだにそういう偏見が残っているのは、福島のことが正しく伝わっていないからだ」

 A記者「その通りだ。メディアの役割が大きいことは自覚している。科学的な根拠を挙げて説明しても、『難しすぎる』とか『信じられない』という不信感も根強い。

 一部の反原発勢力が過度に放射線被曝を恐れて活発に活動しており、それらの主張を検証することなく、大々的に取り上げる一部新聞もある。原発事故から5年という節目をきっかけに、もう少し幅広い視野で、改めて放射線や被曝について見つめ直す必要がある」

 N記者「福島には、復興に向かっている『光の部分』と原発事故の影響が残る『陰の部分』がある。その両面を誇張することなく伝えれば、理解してくれる人は増えるはずだ。自分の目で福島を見て、感じて、味わってもらえばよく分かるだろう」(原子力取材班)


電力自由化で東京都民の6割が「東電離れ」? ガス、石油など100社新規参入の破壊力
J-CASTニュース 1月1日(金)11時30分配信

 電力自由化が2016年4月からスタートし、ガスや石油など他業種の会社も電気の小売りを始める。

 「安いところがあれば変えるよ」「ガスに期待」「原発のない電力会社と契約します」。電力自由化を前に、ネット上では、こんな書き込みが増え、最大の消費地東京では、東京電力から契約を切り替えるという人が半数を超える調査も出た。

■「安い料金」と「非原発の電力」が替える理由

 経産省は2015年12月18日、電力会社の送電線を小売り各社が使用する「託送料金」を認可した。これで、新規参入を予定している各社は、具体的な電気料金のメニュー作りを進めることになる。認可された料金は、電力会社10社が当初申請したものより引き下げられている。

 東京新聞の12月20日付記事によると、東京都内で12~16日に世論調査をしたところ、4月からの電気購入先について、東京電力から変えることを考えていると答えた都民が6割にも上った。電気料金を負担に感じる人も多いらしく、理由としては、「より安い電気を使いたい」が3割強を占め、最も多かった。

 また、「原発を保有しない電力会社の電気を使いたい」が3割弱と、2番目に多くを占めた。東京新聞では、7割の人が将来的には原発をゼロにし、再生可能エネルギーを軸に取り組むべきだと答えたと報じている。

 国に登録した小売り業者は12月28日時点で100社を超えており、ガスや石油、リース、商社など多岐にわたる。各社には、料金値下げなどが期待されているようだ。

 19日放送のフジテレビ系ニュース「FNN」によると、すでに電力自由化が進んでいるアメリカでは、契約期間の長さやキャンセル料の有無などで料金設定は様々に分かれている。ポイント制で買い物ができたり、新規契約者を紹介するとギフトカードをもらえたりと、各社の差別化競争も激しい。また、エコな発電を行うことをセールスポイントに、安いところの約2倍の料金にした業者もあったそうだ。

セット販売にポイント制で「携帯料金」並みの複雑さも
 日本でも、各社の料金メニュー作りが始まり、16年1月から電気購入を受け付けるようになるが、どのようなサービス内容になるのか。

 東京ガスは、電気小売りを始めるに当たって、ガスとのセット販売を行う。セット料金にすると、電気代は東京電力と比べて、年間で4000~5000円ほど安くなる。このほか、ネット光回線とのセット「東京ガストリプル割」も導入する。12月24日にメニューを発表した。

 ただ、電力の調達先については、「事業戦略に関わりますので、今後ともお答えできせん」という。ガスの火力発電所を自前で持っているが、これを含めてどんな発電所を使うのかも同様だとした。

 一方、ガソリンスタンド「ENEOS」を展開するJX日鉱日石エネルギーでは、ガソリンなどを購入すれば電気料金を割り引くセット割を検討していると答えた。電気購入は、家電量販店「ノジマ」でも受け付ける。また、提携しているTポイントをためることができるようにする。

 電力の調達先については、自前で持っている石油やガスの火力発電所が大部分を占めるとし、一部でソーラーパネルなどの再生可能エネルギーを使うことを明らかにした。

 セット割などは、確かに、料金を安くすることにつながるメリットはある。しかし、契約期間やキャンセル料などの設定によって、携帯電話料金のように複雑化して分かりにくくなる恐れはあるようだ。

 また、経産省が12月4日にまとめたガイドライン案では、電力調達先について、原子力や再生可能エネルギーなどの構成比率開示は努力義務とされるに留まっている。調達先についても関心が高い以上、今後各社には開示が求められそうだ。


<東日本大震災>被災地に5回目の新年 復興祈る 岩手
毎日新聞 1月1日(金)11時6分配信

 東日本大震災による津波などで甚大な被害を受けた被災地に5回目の新年が訪れた。

 岩手県普代村の鵜鳥(うのとり)神社では、地元の人や観光客らが初詣に訪れ、復興や家族の安全などを祈った。

 宮古市でカキ養殖などを手がける漁業、伊藤鉄男さん(72)は、「30歳で父親の後を継いで以来、毎年、大漁と家族の安全を祈願している」と話しながら海に手を合わせてから、参拝をしていた。【米田堅持】


被災地で初日の出 被災者らが復興祈る 宮城県名取市閖上地区
産経新聞 1月1日(金)9時14分配信

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東日本大震災の被災地となった閖上の日和山で、初日の出を見る人たち=1日午前、宮城県名取市(宮崎瑞穂撮影)(写真:産経新聞)

 東日本大震災の被災地は1日、震災後5度目の正月を迎えた。津波で甚大な被害を受けた宮城県名取市の閖上(ゆりあげ)地区では、2つの神社が建つ「日和山」(約6メートル)に多くの人が集まり、初日の出に手を合わせていた。

 日和山の一帯は多くの家屋が流され更地となったが、震災から5年近くが経ち、周囲のかさ上げ工事が進むなど復興に向けた槌音が響く。


岩手・宮城の仮設住宅、20年までに解消へ
読売新聞 1月1日(金)8時42分配信

 政府は、東日本大震災で被災した岩手、宮城両県の計約7万人が避難生活を送る仮設住宅全約3万戸について、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年までに解消を図る方針を固めた。

 被災者が安全で衛生的な生活を送れるよう支援を充実させ、耐用年数(2年)を超えた仮設住宅から、恒久的な住宅への転居を促す。ただ、福島県では東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で復興が遅れており、20年までの解消は間に合わない見通しだ。

 政府の復興推進会議(議長・安倍首相)は、16年3月11日で震災5年を迎えるのを機に「東日本大震災からの復興の基本方針」を改定し、仮設住宅の解消を目標の一つに掲げる。「被災者に落ち着いた環境で五輪のテレビ中継を見てもらう」(政府関係者)ための住宅再建を急ぐ考えだ。


震災復興ずさん設計横行
2016年1月1日(金)2時0分配信 共同通信

 東日本大震災の復興事業で、異なる工事への同じ図面の流用や安全面での欠陥など、不適切な設計が横行していることが31日、分かった。設計会社などがずさんな設計をしても、発注主体の被災自治体が人手不足でチェックをできず、県、国も見抜けなかった。ことしは震災から5年、巨額の国家予算を投じた復興事業で、作業員の安全が脅かされ、追加工事で無駄な費用もかかる実態が浮かび上がった。

 問題があったのは震災の津波被害を受けた宮城県南三陸町の漁港復旧工事や、仙台市の河川工事、同県沿岸自治体の土木工事。関係者は「氷山の一角で、ほかにもずさんな設計は多くあった」と明かした。


<大震災被災地>避難生活いまだ18万人強…復興に願い
毎日新聞 12月31日(木)20時54分配信

 東日本大震災の被災地は31日、5回目の年越しを迎えた。復興庁によると、津波で家を失ったり、東京電力福島第1原発事故で住む場所を奪われたりして避難生活を送る人は約18万2000人。「良い年になりますように」。被災者は、古里の復興に願いを込めた。

          ◇

 津波で自宅を流され、夫の金男(かねお)さん(当時89歳)を失った宮城県石巻市の藤野さよ子さん(83)は、4年過ごしたプレハブ仮設住宅から災害公営住宅(復興住宅)に移り、初めての年越しを迎えた。おせち料理を大みそかから食べるのが郷里の習わしで、遺影とともに夫が大好きだったホタテ、タコの刺し身やカキのお吸い物のごちそうを囲んだ。

 太平洋にせり出す同市雄勝(おがつ)町名振(なぶり)地区にあった自宅は海から数百メートル。夫婦でホタテやワカメを養殖し、長男夫婦と孫2人の3世代6人で食卓を囲むのがいつもの正月だった。金男さんは震災時、風邪を引いて入院中。病院の3階建ての建物ごと波にのまれた。

 「夫は正直者で、世渡り下手でね」と話すさよ子さん。昨年4月から、広い復興住宅に移り、寝室に仏壇と遺影を置いて時々、「おかげで元気に過ごせています」と語りかけている。

 1人暮らしだが、近くに姉妹や子どもらもおり、12月30日には妹が地元でとれたタコを持って訪れ、31日には孫の絵理香さん(34)が「また正月に来るね」と温かい茶わん蒸しを届けに来てくれた。

 「震災前のにぎやかな正月を思い出すと少しさみしいが、孫も会いに来てくれる。おじいさん(金男さん)には『もう迎えに来ていいよ』って言ってるけど、私は申(さる)年で年女。健康第一で笑って暮らせる1年になるといいな」【百武信幸】

          ◇

 岩手、宮城、福島の3県によると、いまだにプレハブ仮設住宅で暮らす人は約6万2800人に上っている。

 「大変だったよ。こんなに長くいるとは思わなかった」。岩手県陸前高田市の中村勉さん(71)は妻(67)と5回目の年越しを仮設住宅で迎えた。

 震災の津波で築1年半の自宅を流された。身を寄せた避難所では、光が差せば視界を遮るほどのほこりが舞った。2011年6月に150戸が並ぶ仮設団地に入居したが、生活音は隣に筒抜けで、ドライヤーの音にも神経を使う日々。冬の寒さもこたえる。この仮設団地では20人以上が「仮暮らし」のまま亡くなり、13年には近くの仮設住宅で暮らす母スミさん(当時88歳)を病気で失った。

 厳しい5年間だったが、希望はある。市が高台に造成していた宅地がようやく完成し、今月6日に引き渡しを受ける。半年後には念願の新居が完成する見込みだ。中村さんは5人きょうだいの長男。子供に恵まれなかったが、「弟や妹たちにとっても『実家』は要る」と一戸建てにこだわってきた。

 雲一つない青空に恵まれた、大みそかの陸前高田市。中村さんは高台の方向を見つめながら「新年はようやく、我が家にとって復興の年になる」と語った。【春増翔太】

          ◇

 福島県では一部地域を含め9市町村で避難指示が続く。このうち全域避難を強いられている6町村の一つ、浪江町の大聖寺(だいしょうじ)で31日、檀家(だんか)ら約20人が正午に「除夜の鐘」を突いた。

 大聖寺がある地区は避難指示解除準備区域に指定され、居住はできないが日中の一時立ち入りはできる。そのため、年越しの夜に行うはずの鐘突きを昼間に行った。津波で自宅を流され、同県南相馬市に避難している鈴木キミさん(82)は「震災後は無我夢中で生きてきた。来年は心が安らぐ1年にしたい」と話した。

 福島県などによると、県内外で10万人超が避難生活を送っている。【佐々木順一】


撤去命令受けた「脱原発テント」が美術館に!? テントに絵を描き「芸術を冒涜させない」って…
産経新聞 12月31日(木)16時55分配信

 東京・霞が関の経済産業省前の敷地(国有地)を不法占拠している「脱原発テント」の中に12月上旬、“美術館”が出現した。東京高裁が10月、「テント撤去」の1審判決を支持し、脱原発団体側の控訴を棄却しているにもかかわらず、新たな抵抗を示した形だ。テントはいつ撤去されてもおかしくない。このため、テント側は「美術を冒涜(ぼうとく)、破壊するのか」といった根拠を持って、強制撤去の阻止に向かう戦術を生み出したようだ。

 ■「原発退散原発滅却」のお札?

 テントを管理していた人の許可を得て、“美術館”と称するテントの一角に入ると、まず目の前に大きな黒い袋(フレコンバッグ)が飛び込んだ。

 この袋は、東京電力福島第1原発事故の被害にあった福島県のあちこちで積み上がっている袋と同型で、除染された土や廃棄物を詰めるためにある。

 テントの中では、袋にしめ縄などを付けて、「ゆるすまじ原発を」「原発退散原発滅却」などとお札のようなものとお酒も置き、ご神体のようにまつっていた。

 福島の現状を取材し続け、その苦悩の一端を知る取材班は、このようなものを芸術の題材にする神経がどうにも理解できなかった。

 テントの側面には、テントの布に直接描かれた絵画がみられる。ナマズの上に都市のようなものが描かれた絵画は、地震の怖さを訴えているのか。

 天使のようなものが飛び、裸の男女が「no nukes(原発反対)」と書かれた樹木に向かっている絵画もある。これはさしずめ、アダムとイブが禁断の果実を食べた物語をモチーフにしているのだろうか。

 この展示が始まったのは、12月5日。その後、土曜日を使って映画の観賞や、版画のワークショップを来年8月まで予定している。

 参加しているアーティストは現在のところ、6人。主催者は「原発いらない女たちのテントひろば~福島とともに」とあったが、実体ははっきりしない。

 テントにいた人に展示の趣旨を聞くと、「ここは美術館だ。ここを撤去し壊すということは、美術を壊すのと同じことだ」と答えた。つまり、テントの撤去に反対するために、美術館のようなものをこしらえたのだろう。

 ■テントの設置は「表現の自由」なのか?

 ここで「脱原発テント」の抵抗の経緯を振り返っておく。

 テントが設置されたのは、福島第1原発事故から半年ほどたった平成23年9月。当時、首相官邸前のデモが盛んになり、デモに参加した人たちが経産省前を取り囲んだ抗議行動に合わせ、テントを設置した。27年12月で、約1560日もの間、占拠し続けていることになる。

 政府は24年1月、退去とテントの自主撤去を求めたが応じないので、25年3月、テントの脱原発団体の代表者ら2人を相手に東京地裁に提訴した。地裁は27年2月、テント撤去と土地の明け渡しなどを命じた。

 地裁の村上正敏裁判長は、テントで歩行者の通行が妨げられるほか、防災上の危険もあることを指摘。「表現の自由の行使という側面はあるが、国有地の占有は認められず、国が明け渡しを求めることは権利の乱用ではない」と判示した。

 27年10月の高裁判決でも、高野伸裁判長が「長期占有は表現の自由を超えている」と強調。立ち退きを命じた上、土地使用料約1100万円と撤去までの1日当たり約2万2000円の支払いを命じた1審判決を支持した。

 立ち退きの期限は明示されておらず、テント側は最高裁に上告しているが、高裁での判決をもとに、いつでも強制撤去がされうる状態になっている。

 ■テント関係者が死去「これも安倍のせい」?

 テントでは、脱原発団体の関係者らが24時間交代で、泊まり込みで監視を続けている。テント生活で冬を迎えるのは5度目だ。これから寒さがどんどん厳しくなるが、火災を恐れて火気禁止になっているため暖房器具はほとんどない。

 テントに滞在する人は高齢者も多く、その身も案じられる。そんな中、12月、脱原発団体の1人が亡くなったという。

 インターネット上でも公開している12月12日の「テント日誌」にはこうある。

 「テントに無くてはならない方だったのに本当に残念です。ちょっと無理が続いたのでしょうか?これも安倍のせいと怒りがわく」

 亡くなった人は「テントの重要な役割を担ってくれていたメンバー」というが、どのようにして亡くなったかは分からない。しかし、人の死と安倍政権への批判を結びつけることは、その人を軽んじ、脱原発の主張が色あせることにならないのか。

 テントの不法占拠はいつまで続き、政府はいつ撤去の判断をするのか。テント側は真夜中に撤去されることを恐れ警戒を強めているが、実際の撤去には、テント側の抵抗や混乱も予想される。(原子力取材班)


震災5年、終わる集中復興期間
2015年12月31日(木)16時17分配信 共同通信

 東日本大震災の被災地は1日、発生から丸5年となる節目の年を迎える。26兆円の復興予算を計上した5年間の集中復興期間が3月で終わり、その後は「復興・創生期間」として、さらに5年間の新たな段階に入る。

 これまで全額国費だった復興事業費は、新年度から一部を被災自治体が負担することになり、2016年度の岩手、宮城、福島3県の負担額は計約80億円になる見通し。

 政府は復興・創生期間の5年間で、東京電力福島第1原発の事故対応以外の復興事業を完了させる方針を示している。

 復興庁によると、大震災と原発事故による避難者は15年12月時点で約18万2千人。


<東日本大震災>震災後初、楢葉で元旦護摩祈とう
毎日新聞 12月31日(木)14時42分配信

 2016年は幸多き年となりますように--。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から5年を迎えようとしている福島県内の被災地で、震災前の「元旦風景」が少しずつ取り戻されようとしている。9月に原発事故の避難指示が解除された楢葉町の真言宗豊山派大楽院では30日、震災後初めて実施される元旦の護摩祈とうが予行され、「一枚の木札」が炎にあぶられた。

 「檀家(だんか)や信徒は高齢化し、元旦に避難先から寺へ来ることもままならないでしょう。だから、みなさんの願いを一つの木札に託すことにしました」。法衣をまとった住職の酒主秀寛(さかぬししゅうかん)さん(44)が「諸願成就 檀信徒一同」と記した木札を掲げ、不動明王像の前に座った。元旦には正式に、人々の願いを集約した一枚が用意される。

 護摩祈とうは通常、檀家や信徒らがそれぞれの木札に願いを記し、導師役の住職がそれらを一枚ずつ炎にあぶって願いを届ける。しかし、楢葉町は帰還した町民が人口の5%程度で、避難先から元旦の祈とうに駆けつけるのは難しい。しかも、木札を製造していた宮城県内の企業が被災から復旧できておらず、十分な木札を用意できなかった。

 町職員でもある酒主さんは11年3月11日午前0時、父親(78)から住職を禅譲されたが、原発事故で町民の避難やその後の復旧復興の対応で寺の仕事ができなくなった。そのことに「罪の意識」を抱き続け、避難指示が解除された9月5日、妻子を避難先に残して帰町。町職員として働くかたわら、寺の再建を進めている。

 平安時代に建立された大楽院は県内でも最古級。5年ぶりの元旦祈とうは、檀家や信徒の姿がほとんどないさびしい光景となるだろうが、酒主さんは「古来から地域社会の核を担ってきた寺院から元の姿に戻すべきだと思うのです」と胸を張る。【栗田慎一】


<福島原発>汚染水が増加 海側の地下水、濃度が高く
毎日新聞 12月30日(水)22時6分配信

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福島第1原発=2014年11月10日、本社ヘリから竹内幹撮影

 ◇原子炉建屋側へ移送せざるを得ないため

 東京電力福島第1原発で、一連の放射性汚染水対策が効果を発揮せず、逆に全体の汚染水量を増やす事態に陥っている。海側に掘った「地下水ドレン」と言われる井戸から地下水をくみ上げ、海へ放出するはずだったが放射性物質の濃度が高く、原子炉建屋側へ移送せざるを得ないためだ。今年は汚染地下水が海へ流出するのを防ぐ「海側遮水壁」(総延長780メートル)が完成したことを受け、東電は「リスクを大きく低減できた1年だった」と総括するが、一進一退の状況は変わっていない。

 東電は10月、地下水ドレンから地下水をくみ上げて海へ放出する作業を開始したが、5本ある井戸のうち4本の井戸水で、高濃度の放射性物質や塩分が検出され、海に流せなくなった。一方、海側遮水壁で流れをせき止められたため、地下水が増加。その水圧で、海側遮水壁が約20センチたわむトラブルも発生し、東電は補強工事をするなどの対応に追われた。

 東電は、地下水ドレンや陸側の「サブドレン」と言われる井戸から地下水をくみ上げることで、1日300トンずつ増えていた汚染水を150トンに半減できるとしていたが、原子炉建屋側へ移送している汚染水は1日最大約400トンに上り、逆に増える結果となった。

 東電第1廃炉推進カンパニーの増田尚宏最高責任者は記者会見で「(汚染水増加で)タンクを余計に作る結果になってしまったが、外部へは決して漏らさない」と述べた。

 東電は、2016年度中には地下水の建屋への流入量を1日100トン未満に減らし、放射性物質を除去する多核種除去設備「ALPS」を稼働させることなどによって、東京五輪が開かれる2020年内に、汚染水の増加量をほぼゼロにすることを目指しているが、課題を積み残す結果となった。東電は廃炉作業全体については、2041~51年の間に終えるとしている。【酒造唯】


2015原子力回顧 重大ニュース発表!1位は大臣が激怒したあのモンダイ…
産経新聞 12月30日(水)14時0分配信

 今年も原子力関係のニュースは、さまざまな話題を提供してきた。東京電力福島第1原発事故以後、暗いニュースばかりが続いてきたが、今年は比較的明るい前向きなニュースが多かったように感じる。記事で書ききれなかった取材の裏話とともに、重大ニュース5つをランキング形式で振り返ってみたい。(原子力取材班)

■第5位「福島第1、サブドレン運用開始」

 福島第1原発は過去数年間、汚染水漏れが相次ぎ、住民の不安を増幅させてきた。それと比較すると今年は落ち着きを取り戻してきたようだ。

 その象徴が、原発の建屋周辺の井戸から、地下水をくみ上げる「サブドレン」だ。福島第1原発では山側からの地下水が、壊れた原子炉建屋に流れ込み、汚染水を増やしている。

 サブドレンは、建屋に流れ込む前の水をくみ上げ、装置で浄化後、いったんタンクに貯蔵し、放射性物質濃度の測定で問題がなければ海洋へ放出する。サブドレンの運用で新たに生じる汚染水は半分まで低下するというワザだ。

 しかし汚染水はそれだけでは解決しない。抜本的解決とみられているのが、建屋をぐるりと囲む「凍土遮水壁」だが、一向に運用が始まらない。水位差の変更で、建屋の汚染水が周囲に拡散する恐れがあり、安全上の面から原子力規制委員会がストップをかけているからだ。

■第4位「福島、廃棄物受け入れ」

 福島で前向きな話題はもう1つある。福島県が、県内で発生した放射性物質を含む指定廃棄物の処分を受け入れたことだ。県内に13万8490トンある廃棄物は、同県富岡町にある民間処分場に集められる。その他の県では処分場の設置が全く進んでいないことから、福島の英断は評価できる。

 取材班は福島が受け入れるという話を事前に聞き、ウラ取りに走ったが、風評被害を恐れて関係者の口は重かった。だが、廃棄物の処分は復興の前提でもあり、大きな前進だ。粘り強い取材の下、発表前に1面トップ(地域で異なる)で報じることができた。

 福島の苦悩は深い。放射性レベルの比較的高いものは、この処分場ではなく、中間貯蔵施設に持ち込まれるが、この施設の地権者の了解が得られずなかなか前へ進まない。次のニュースの焦点は、中間貯蔵施設の完成だろう。

■第3位「高浜原発“逆転裁判”」

 暮れも押し迫った12月24日。関西電力からうれしい悲鳴が聞かれた。4月に運転禁止を命じた福井地裁が、関電の異議を認め、再稼働を認めたのだ。

 「これでボーナスが復活しますね」と関電の担当者に話を向けると、「いやいや、電気料金の値下げが先ですから」とはにかんだ。

 関電は原発事故前、管内の全電力の半分を原発でまかなっていた。代替となる火力発電の燃料費が膨らみ、平成27年3月期まで4期連続で赤字を計上し、社員のボーナスは出ていない。2回の電気料金の引き上げで、12月の電気料金は標準家庭で8058円となり全国で最も高くなった。

■第2位「川内原発が再稼働」

 原子力関係者に聞くと、このニュースが1位の声も多かった。福島第1原発事故後、新規制基準のもとで初めて、九州電力川内原発1号機が8月に、再稼働した。

 取材班は再稼働当日、鹿児島県薩摩川内市に乗り込んで取材したが、原発前どころか市内の至る所で、「再稼働、はんたーい」というデモ、デモ、デモの嵐。「地元の声をきけー」と叫んでいる人もいたが、果たして本当に地元の人だろうか。原発が止まったことで、経済は疲弊し、再稼働を望んでいる声も多く聞かれた。

 今年は「原発再稼働元年」と見込まれ、続々と動き出すかと思ったら、川内だけだった。来年の再稼働が見込まれているのは、関西電力高浜3、4号機(福井県)と、四国電力伊方3号機(愛媛県)だけ。原発の審査は遅々として進まない。

■第1位「もんじゅ運営変更勧告」

 原発再稼働を押しのけて1位になったのは、高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)のニュースだ。

 もんじゅを運営する日本原子力研究開発機構は「もはや運転する資格はない」として、原子力規制委員会が11月、機構を管轄する文部科学省に対し、運営主体の変更を勧告した。

 馳浩文科相はこの勧告を重大なものと受け止めたが、事務方が分かっていなかった。勝手に大臣の意向を忖度して、大事な勧告文を直接受け取ることを避けたのだ。馳氏は「重要性を考えてほしい」と激怒、事務方の顔は真っ青になったという。

 なぜこの勧告が重要視されるのか。

 もんじゅは日本の原子力政策の中心となる「核燃料サイクル」の一翼を担うからだ。燃料を再処理して使うサイクルでは、もんじゅに加工燃料を投じる想定だった。

 もんじゅを運営できる主体は今のところ、原子力機構以外に見当たらない。そうなれば、もんじゅは廃炉になり、核燃サイクルを一から見直さなければならなくなる。勧告期限は28年夏頃。日本の原子力は重要局面を迎える。


岩手沿岸12市町村の人口、戦後最大8・3%減
読売新聞 12月29日(火)12時8分配信

 岩手県は28日、10月1日現在の国勢調査の速報値を発表した。

 東日本大震災による津波で甚大な被害を受けた沿岸部で人口減少が目立ち、2010年の前回調査に比べて、大槌町は3544人(23・2%)減の1万1732人と県内で最も減少率が高かった。次いで陸前高田市が3543人(15・2%)減の1万9757人だった。

 この2市町を含む沿岸12市町村の合計人口は2万2761人(8・3%)減の25万1325人で、減少率は戦後の調査で最も高かった。県は、少子高齢化や都市部への流出に加え、震災被害が大きく影響したとみている。

 県の人口は5万333人減の127万9814人。減少率は3・8%で、前回(4・0%減)よりわずかに少なかった。


<もんじゅ>新組織、別の場で検討へ 有識者会合
毎日新聞 12月29日(火)11時30分配信

 原子力規制委員会から運営主体の変更を求められている高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県)について、文部科学省は28日、新しい組織を検討する有識者会合をスタートさせた。規制委は来年夏ごろまでをめどに新しい受け皿を示すよう勧告しているが、馳浩文科相は会合後、具体的な新組織の決定については別の場で検討する意向を表明。有識者会合では、新組織の方向性のみを提示することになった。

 会合は有馬朗人(あきと)・元文相を座長に、原子力メーカーや専門家ら有識者9人で構成。馳文科相ら文科省幹部も出席した。初会合では、文科省と現在の運営主体「日本原子力研究開発機構」が経緯を説明したが、メンバーからは「文科省も原子力機構も突っ込みが足りない」「電力業界からは今後も支援が得られるか」などの批判や質問が相次いだ。

 馳文科相は会合後、有識者会合で具体的な新組織名を決定することについて「無理がある。具体論は違ったメンバーにして検討した方がいい」と指摘。現在の9委員に、新たなメンバーを加えた別の場で検討すべきだとの方針を示した。

 一方、有馬氏は会合後、もんじゅが廃炉になる可能性について「全くゼロとは言わないが、小さな可能性。活用できるものは活用したい」と語り、存続する前提で有識者会合の議論を進める意向を示した。

 規制委は文科省が来年夏ごろまでに、新しい受け皿を示せない場合、もんじゅの廃炉も含めてあり方を抜本的に見直すよう求めている。

 もんじゅの受け皿探しをめぐっては、規制委が11月に勧告を出したことを受け、文科省は有識者会合の年内開催を目指していたが、就任を辞退する有識者が続出。28日は官公庁の仕事納めの日で、ぎりぎり年内に開催が間に合った。【斎藤広子】


<福島第1原発>廃炉作業員描く漫画「いちえふ」仏独伊などで出版へ
毎日新聞 12月29日(火)10時30分配信

 福島第1原子力発電所の廃炉作業を担う現役作業員が描いたルポ漫画として、反響を呼んだ「いちえふ 福島第一原子力発電所労働記」(講談社)が海外で出版されることが決まった。フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、台湾の5カ国・地域で今後、順次刊行され、欧州では計約2万部の発行が予定されている。来春の東日本大震災5年を前に、原発事故と作業員の日常を描いた漫画は海外でどのように受け入れられるのだろうか。

 「いちえふ」は作者の竜田一人さん(50)が自身の体験をもとに、作業員の日常を淡々と描いたルポ漫画。週刊漫画誌「モーニング」(講談社)で2013年秋から約2年間、不定期連載され、単行本は第3巻が今秋刊行された。発行部数は計35万部に達する。

 海外出版は「モーニング」編集部の要望を受け、講談社が国外の出版社に働きかけ、実現した。特に強い関心を示したのはフランス。フランス語版は欧州で最多の8000部の発行が予定されている。

 11月中旬には、フランスの季刊漫画評論誌「カブーム」編集長、ステファン・ボジャン氏とフランス語出版を手がけるカナ社(本社・ベルギー)のゼネラルマネジャー、クリステル・ウーランス氏が来日。同誌の企画で「いちえふ」を取り上げるため、竜田さんのインタビューを収録した。両氏の評価は「原発事故後をテーマに描いたニュース性があるルポ漫画」で一致する。

 国内外の漫画に詳しいボジャン氏は「フランスの漫画では、社会的なテーマを描くルポ漫画は一つのジャンルとして確立されている。日本漫画の固有のファン層もおり、フランス語圏で受け入れられる可能性は十分にある」とみる。また、ウーランス氏は「フランスにも原発があり、(福島の)原発事故に社会的な関心がある。漫画を読まないが、原発事故に関心があるという読者も『いちえふ』は手に取るのではないか」と語る。

 竜田さんは「作業員の目線を通して、現場や福島の状況が常に変わっていることを伝えたかった。海外では、福島第1原発事故の情報は日本より少ないと思うので、海外の読者に伝える機会が得られてうれしい」と話している。【石戸諭/デジタル報道センター】


もんじゅ検討会、出だしから難航 受け皿「まだ姿見えず」
産経新聞 12月29日(火)7時55分配信

 ■文科相、委員入れ替えも示唆

 原子力規制委員会の異例の勧告を受け、28日に文部科学省で始まった高速増殖炉原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)の受け皿探し。人選の遅れで有識者検討会の初会合が年末ぎりぎりにずれ込むなど、出だしから難航しており、規制委が求める運営主体の「特定」まではほど遠い状況が浮き彫りとなった。馳浩文科相は委員の追加などで議論をさらに深める考えだが、見通しは暗い。(原子力取材班)

                  ◇

 先月13日に規制委が行った勧告では、馳文科相に対し、日本原子力研究開発機構に変わる新たな運営主体を特定し、見つからない場合はもんじゅの抜本的な見直しを行うよう求めている。

 馳氏は当初、今月中旬にも検討会の初会合を開く予定だったが、有識者の人選が難航。検討会の立ち上げだけで勧告から1カ月以上を費やした。初会合に顔をそろえたのは、新聞社の論説委員や行政法の専門家など原子力以外の専門家を含む9人で、この日は現状把握や論点整理に終始。今後のスケジュールや、新たな運営主体についての言及はなかった。

 検討会終了後、馳氏は「今の状況では、もんじゅのあり方の議論はできるが、具体論に入るには無理がある。また違ったメンバーを検討した方がいい」と述べ、もんじゅの具体的な運営主体の選定については、委員の追加や入れ替えを行っていくことを示唆した。

 もんじゅは通常の原子炉と異なり、扱いの難しいナトリウムを冷却材に使用するなど特殊な技術的知見を要するため、原子力機構以外が運営を担うことは極めて難しい。さらに、組織の名称だけを変える「看板の掛け替え」については規制委が否定しており、“逃げ道”は封じられた状態だ。

 検討会の有馬朗人座長はもんじゅの新たな担い手について「姿はまだ見えない」としており、先行きは不透明だ。

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