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2015年12月17日 (木)

産経新聞前ソウル支局長に無罪判決・2

韓国の大統領・朴槿恵(パク・クネ)の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する判決公判が17日、ソウル中央地裁であり、李東根(イ・ドングン)裁判長は無罪判決(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

加藤前支局長のコラムは「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」の見出しで昨年8月3日、産経新聞ウェブサイトに掲載された。

304人の死者・行方不明者を出したセウォル号沈没事故当日の昨年4月16日、(1)朴大統領の所在が分からなかったとされる7時間がある(2)その間に、朴大統領が元側近の鄭(チョン)ユンフェ氏と会っていたとの噂がある(3)そのような真偽不明の噂が取り沙汰されるほど、朴政権のレームダック(死に体)化は進んでいるようだ-というのが内容。

右翼団体リーダーらが朴大統領への名誉毀損(きそん)で加藤前支局長を告発したのを受け、ソウル中央地検は昨年10月、「朴大統領を誹謗(ひぼう)する目的で虚偽事実を広めた」として、情報通信網法における名誉毀損(7年以下の懲役または5千万ウォン=約530万円=以下の罰金)で在宅起訴した。

※以上、産経新聞の報道を基に構成。

最初の記事

リンク:前ソウル支局長無罪 「民主主義」アピール 「法の支配」には疑問残す - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:加藤前支局長のコラムの内容と経緯 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:前ソウル支局長無罪 読者から励ましの声続々 「涙が出そう」「よく闘った」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長会見 検察は「有罪にするという強い意志を持った取り調べだった」一問一答 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経新聞の加藤前ソウル支局長に無罪判決~注目される朴大統領の反応 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 日本政府筋「在宅起訴自体がまともではない」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経新聞に完敗の朴槿恵大統領 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 茨城県民からも「当然だ」の声 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 「驚いた」「当然」と神奈川県議ら - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<産経前支局長>無罪判決で日本と韓国の大学教授3人は - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 守られた「言論の自由」…疑問残る韓国の「法の支配」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<産経前支局長>日韓政府、関係好転を期待…無罪判決 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:控訴しないことを希望…前支局長が韓国検察批判 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<産経前支局長>韓国司法、政治色強く 無罪判決 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<産経前支局長>「無罪は予想できなかった」会見で本音 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 日本会議茨城の事務局長「当たり前の判決」「日本では考えられない裁判」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 東北各地でも「安堵」「期待」好意的な受けとめ相次ぐ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 外交問題化した在宅起訴 判決は価値観共有への一歩 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 大統領をめぐる報道「公益の範疇」 裁判長の判断支える - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 「日韓にとって良かった」「起訴自体がおかしかった」大阪本社発行の号外読者から歓迎の声 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:加藤前支局長「当然の判決」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:記者会見する加藤前支局長 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 公的関心事案では「言論の自由が優位に立つべき」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 「裁判していることが異常だった」日本の検察関係者が解説 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 「揺るぎない姿勢で無罪勝ち取り」田原、花田、門田各氏 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<産経前支局長>裁判争点「コラムは事実か」「公益性有無」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 韓国の名誉毀損罪の修正必要「国境なき記者団」がコメント - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 河村建夫・日韓議連幹事長「言論の自由、民主主義国家の基本」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 異様な裁判を象徴…“被害者”朴大統領の声は封印、朝鮮日報記者は不問 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 控訴はあるのか、検察の判断に注目 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 「裁判所に敬意」産経新聞社長が声明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 米国人ジャーナリストのカーク氏「言論の自由の勝利」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前ソウル支局長に無罪判決も… 批判を許さぬ朴槿恵大統領 韓国の国際イメージに大打撃 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:産経前支局長無罪 「当然の判決」「検察は控訴せず本件終結を」前支局長が会見 - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

前ソウル支局長無罪 「民主主義」アピール 「法の支配」には疑問残す
産経新聞 12月18日(金)7時55分配信

 【ソウル=藤本欣也】韓国のソウル中央地裁は17日、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長のコラムについて朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損(きそん)に当たらないと認め、「言論の自由」を擁護する判決を下した。政権の意向や世論の動向に左右されやすいと評されてきた同国の司法界。今回も土壇場で善処を求める政府の文書の存在も明らかになるなど、「法の支配」を国際社会にアピールできたかは微妙だ。

 「韓国は民主主義国であり、民主主義の存立と発展のために言論の自由を明確に保護しなければならない」。李東根(イ・ドングン)裁判長は判決でこう認定した。

 ただ、民主主義国家という観点からは韓国の問題点も指摘されている。

 名誉毀損を刑事処罰することについて、弁護側は国際司法の流れに反した法的措置であると主張してきたが、李裁判長は判決で言及しなかった。名誉毀損を刑事処罰する法律を有するのは、日本や韓国を含む世界約160カ国とされる。ただ、懲役など過酷な刑事的制裁を伴うことから、言論・表現活動に深刻な萎縮効果をもたらし、民主主義を侵害する恐れがある。

 このため、日本を含む多くの国ではこうした法律を有していても使用しない傾向にあり、国際社会では廃止する国が出始めている。

 しかし韓国では名誉毀損罪での立件が珍しくない。先日も、慰安婦問題の学術研究書「帝国の慰安婦」で、慰安婦を「売春婦」などと表現し、元慰安婦の女性の名誉を毀損したとして、著者の朴裕河(ユハ)世宗大教授が在宅起訴されている。

 大統領批判への過剰対応も問題になっている。朴大統領と元側近、鄭(チョン)ユンフェ氏の噂を「艶聞」と表現したビラをまいた環境活動家が5月、朴大統領らに対する名誉毀損で起訴され、懲役3年を求刑されている。


加藤前支局長のコラムの内容と経緯
産経新聞 12月18日(金)7時55分配信

 加藤前支局長のコラムは「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」の見出しで昨年8月3日、産経新聞ウェブサイトに掲載された。

 304人の死者・行方不明者を出したセウォル号沈没事故当日の昨年4月16日、(1)朴大統領の所在が分からなかったとされる7時間がある(2)その間に、朴大統領が元側近の鄭ユンフェ氏と会っていたとの噂がある(3)そのような真偽不明の噂が取り沙汰されるほど、朴政権のレームダック(死に体)化は進んでいるようだ-というのが内容。

 韓国大手紙、朝鮮日報が昨年7月18日付のコラム「大統領をめぐる噂」で、(1)沈没事故当日、7時間にわたり誰も朴大統領に対面報告をしていない(2)世間では「大統領は某所で秘線と一緒にいた」との噂が作られた(3)噂に鄭氏が出てくる-ことを取り上げており、加藤前支局長は同コラムを引用しながら書いた。

 右翼団体リーダーらが朴大統領への名誉毀損で加藤前支局長を告発したのを受け、ソウル中央地検は昨年8月7日に加藤前支局長の出国を禁止。3回の聴取を経て10月8日、「朴大統領を誹謗(ひぼう)する目的で虚偽事実を広めた」として、情報通信網法における名誉毀損で在宅起訴した。朝鮮日報のコラムを書いた韓国人記者は不問に付された。

 11月27日にソウル中央地裁で始まった公判の過程で鄭氏が出廷し噂を否定。李東根裁判長は今年3月30日、噂は「虚偽」と立証されたとの判断を下し、今後は記事の公益性の有無に審理を集中させるよう指示した。当局は4月14日、約8カ月ぶりに加藤前支局長の出国禁止措置を解除した。

 6月29日の公判では、米国人記者のドナルド・カーク氏が出廷し、加藤前支局長のコラムは朴大統領を誹謗するものではないと証言。7月27日の公判には西日本新聞の植田祐一ソウル支局長が、8月17日の公判には上智大の田島泰彦教授が証人として出廷した。

 10月19日の公判では弁護側が無罪を主張したのに対し、検察側が懲役1年6月を求刑して結審。判決は11月26日に言い渡される予定だったが、ソウル中央地裁が同23日、判決公判の期日を12月17日に延期した。(ソウル 藤本欣也)


前ソウル支局長無罪 読者から励ましの声続々 「涙が出そう」「よく闘った」
産経新聞 12月18日(金)7時55分配信

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対しては、昨年8月8日にソウル中央地検が出頭要請を行って以降、東京、大阪両本社に対し、読者の方々から1千件を超える意見や激励の声が寄せられていた。ソウル中央地裁が無罪判決を言い渡した17日も、東西両本社には、公判終了直後から、判決や裁判への意見などを伝える電話が鳴り始め、メールも続々と届いた。

 「無罪判決は当然だと思っていたけど、本当によかった」「心配していました。涙が出そうです」。読者の方々の声の多くは、前支局長の無罪を喜ぶものだった。

 「これで有罪なら韓国はおよそ民主主義国家とはいえない」。電話でこう指摘したのは大阪府の70代男性。千葉市の男性(73)は「韓国に恩を感じることはない。当然の判決として報道を続けてほしい」と話した。

 メールでは「韓国が見せかけの民主主義・法治主義であることを加藤氏・産経新聞社が体を張って暴露、報道し続けたことは、本来のメディアのあるべき姿を示した」との声も寄せられた。

 加藤前支局長は公判終了後、乗っていた車に卵を投げつけられたこともあった。東京都練馬区の男性(62)は「韓国のいじめと嫌がらせに屈せずよく闘った」とたたえた。

 台東区の男性(80)は、判決公判冒頭に「日韓関係の観点から善処を望む」とする韓国外務省の要請が読み上げられたことについて、「あの段階で外務省の見解を出すなんて(信じられない)」と、三権分立の面で疑問を呈した。


産経前支局長会見 検察は「有罪にするという強い意志を持った取り調べだった」一問一答
産経新聞 12月18日(金)0時28分配信

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無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也前ソウル支局長=17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)(写真:産経新聞)

 無罪判決を受け、ソウル外信記者クラブで会見した産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の主な発言は次の通り。

 加藤氏「公人中の公人である大統領に関する記事が気に入らないとして起訴する構図。この在り方は近代的な民主主義国家の姿としてどうなのだろうか。いまいちど考えてもらいたいと思う。今回の判決については受け入れがたい判断が示された部分も含んでいる。しかしながら、韓国の検察においてはこの無罪という結果を率直に受け入れ、控訴することなく、今後私をこのまま自由の身にすべきではないかと考えている」

 --無罪判決を予想していたか

 加藤氏「事前に弁護士を含めて検討会を何度か開いたが、無罪という判決については、主任弁護士がもっとも可能性が小さいだろうという認識を示していた」

 --検察の取り調べを受ける中で、理解できなかったことは

 加藤氏「この容疑者は有罪、絶対許さないという構図を固めて、供述を組み立てて有罪にするという強い意志、この意志を持った取り調べだということが非常に強く印象に残っている」


産経新聞の加藤前ソウル支局長に無罪判決~注目される朴大統領の反応
児玉克哉 | 社会貢献推進機構理事長
2015年12月18日 0時4分配信

韓国の朴大統領の名誉を毀損した罪に問われていた産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対して、ソウル地裁は17日、無罪判決を言い渡しました。とりあえず無罪の結果で、ほっとしています。
メディアの記事に対して、求刑懲役1年6ヶ月の刑事裁判が行われること自体が異常な事態です。無罪は当然、という論調が日本では大勢です。こうした裁判が行われることが韓国のイメージをどれだけ下げることになったのか。朴大統領に対しては産経新聞は厳しい論調をしていましたから、産経憎し、という感情が先に立ったのかもしれません。ただ、結果としては産経に塩を送ったような形になりました。
韓国では名誉毀損は、被害者が処罰を望まないという意思表示をすれば、公訴は無効になります。朴大統領は加藤前支局長の処罰を望まない意思を表明するオプションがありましたが、それをしなかった。つまり、この裁判が成り立ったのは、朴大統領の意思ゆえともいえます。無罪になっても、有罪になっても朴大統領にはプラスにならない裁判でした。早めにストップをかけて、「懐の深さ」をアピールしていた方が良かったでしょう。
判決で驚かされたのは、裁判長が公判の冒頭で、韓国外交省が、善処を求めた日本側の要請を考慮するよう文書で求めていたことを述べたことです。だからなんなんだ、という感じです。裁判所は韓国外交省の圧力や日本側の圧力で判断を変えます、ということを明らかにするようなもの。三権分立ができていません、といっている感じがします。逆に、韓国外交省が厳しく罰して欲しい、という文書を出していたらどうなのか。有罪となっていたのでしょうか。釈然としないところです。
私は、この裁判はまだ決着がついたかどうかわからないと思っています。まずは、検察が控訴するかどうか、です。この裁判は、1年以上の時間を費やしてきました。判決までに公判は10回を数えています。加藤前ソウル支局長は検察について「この被疑者を絶対に許さないという形で供述を集め、有罪にしようとしていたことが印象に残っています」と述べています。そこまでの執念を感じさせる検察です。ほぼ完全な敗北の形で終わることをよしとするかどうか。控訴となると、また長い月日がかかります。メディアの権力からの自由を明確にする必要もあるわけで、控訴となれば、またしっかりとした対応で、無罪を勝ち取る必要があります。
そして、朴大統領の反応がまだ出ていません。明確な言動は控えたものの、この裁判を成り立たせたのはぱく大統領が「処罰を望まない」という意思表示をしなかったからでもあります。裁判の結果をどのように受け止め、メッセージを出すのか。別次元の慰安婦問題などを出しながら、今回の判決に不満の意思表示がでるなら、日韓関係が良い方向に向かうのではないかという期待は、水の泡となります。どのような反応が出るのか、明日以降に注目です。
また韓国メディアの反応も注目です。産経新聞だけでなく、韓国メディアも朴政権下での言論の自由の束縛は問題でした。どういう論調でこの裁判を報じるかです。朴政権に気遣うのか、それともメディアの言論の自由を強調し、判決を歓迎するのか。
この3つのポイントは今後の日韓関係において大きな影響を与えます。とりあえずの無罪は、日韓関係の正常化へのステップとみられていますが、検察の控訴などがあれば、元の木阿弥。さらに悪化することも考えられます。無罪の判決は当然のことですが、まだ、さらに当然でないことが起きる可能性はあるのです。


産経前支局長無罪 日本政府筋「在宅起訴自体がまともではない」
産経新聞 12月17日(木)23時50分配信

 政府筋は17日夜、記者団に対し、韓国の朴槿恵大統領の名誉をコラムで傷つけたとして産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が在宅起訴されたこと自体が「まともではない」と指摘した。同時に「加藤前支局長は普通に取材をして、(現地報道の)記事を引用して、記事書いたのだろう」として、韓国側は表現の自由や報道の自由を守るべきだとの考えを示した。

 その上で、韓国が加藤前支局長の無罪判決の代わりに慰安婦問題で日本側に譲歩を求めるようなことは「おかしい」と韓国側を牽制(けんせい)した。


産経新聞に完敗の朴槿恵大統領
辺真一 | コリア・レポート 編集長
2015年12月17日 23時25分配信

産経新聞の加藤達也前ソウル支局長が名誉毀損で訴えられた裁判は「被告人は有罪である」として懲役1年6か月の求刑を求めた検察の主張が退けられ、無罪判決が言い渡された。

韓国では現職大統領が事実上当事者となる裁判で敗訴は異例だ。三権分立とはいえ、韓国の場合、大統領の一言、権限が時に司法に影響を及ぼすからだ。昨年に起きた客船「セウォル号」の沈没事故がその典型的な例だ。

救出作業を行わず、真っ先に逃げ出した船長らの行為を朴槿恵大統領が「殺人行為に等しい」と激怒したことから検察は船長らを殺人容疑で起訴し、裁判所も一審では殺人罪を適応し、死刑を宣告した。日本など国際社会で論じられていた業務上過失致死の議論は押し流されてしまった。

昨年10月にもインターネットポータル「ダウム」の討論掲示板アゴラに朴大統領の私生活を誹謗した主婦の裁判があったが、懲役4か月執行猶予1年の有罪判決が宣告されたばかりだ。

被告人の主婦は「インタビュー記事などを見て事実だと信じた内容を載せただけだ」と無罪を主張したものの「大統領の私生活に対する虚偽の文は、特別な事情がないかぎり大統領の業務と無関係なことであり、社会の世論形成や公開討論に寄与することもない。表現の自由の限界を越えた誹謗目的だった」と裁判所は全く相手にしなかった。

今回の「産経裁判」も論告求刑公判で検察側は懲役1年6か月を求刑したことから、お国柄、せいぜい執行猶予付きの有罪が妥当なところで、無罪は難しいと予想していただけにソウル中央地裁の判決には正直驚いた。国際社会の圧力があったとはいえ、また、外交的配慮が斟酌されたとはいえ、少なくとも司法の独立が維持されたことは評価に値する。

ソウル中央地裁は朴大統領の個人の名誉が毀損されたことは認めるとしても「言論の自由の観点から処罰の対象とはならない」と一刀両断だった。また、記事を書いた目的や動機は韓国の政治・経済事案を日本国民に伝える意図から作成したもので「朴大統領を誹謗する目的で書いたものではない」との加藤前支局長の訴えを全面的に認めた。「虚偽の事実だと十分に認識していながら被害者らを誹謗する目的で本件記事を報じた」との検察側の主張は通らなかった。

また「公職者に対する批判機能は保障されなくてはならないし、公職者の地位が高く、その権限が大きいほど言論の自由を保障する程度も広げなければならない」として「言論の自由の拡大は、大統領としての朴槿恵に対する名誉毀損にはならない」と、事実上検察の起訴そのものが不当だったとの見解を示した。

さらに、判決は「公職者の私生活と関連した事案であっても、公的関心事案に該当することもあり、私生活も公職者の社会活動に対する評価の資料となるので問題提起や批判は許容される」と被告人が主張する「記事の公益性」を認め、「良心に立ち、法治国家の名にふさわしい判断を願って止まない」との被告人の訴えに応えた。

勝訴した加藤前支局長は判決結果について「公人の中の公人である大統領に関する記事が気に入らないとして起訴する構図は近代的な民主主義国家のあり方としてどうなのか。いま一度考えていただきたい」とコメントしたが、朴大統領側にはきつい一言となった。

朴大統領はこれまで「自分に対する冒とくは国民への侮辱である」と強弁し、批判を一切許さない強気の姿勢を示してきた。検察もまた、朴大統領が「インターネット上での大統領に対する冒涜が度を越した」と発言をすると直ちに虚偽事実流布取り締まりチームを新設するなど政権べったりだった。

このため韓国の言論自由の享有レベルは米国の人権団体「フリーダムハウス」が発表した「2014年言論の自由報告書」によると、100点満点の32点で、世界197か国中68位で、インターネット統制を強化し、放送会社の要職に政府側の要人を座らせたことなどの悪評だった李明博政権よりもさらに4つもランクを下げてしまった。

そもそも、今回の裁判の原告は直接的には朴大統領の支持団体である複数の右翼団体であるが、朴大統領が昨年8月7日に「産経新聞に対して、民事・刑事上の責任を必ず問う」と公言したことを勘案すると代理人に過ぎないことがわかる。極論を言えば、朴大統領が「産経」を訴え、その結果、敗訴したのだ。朴大統領にとっては恥辱であると言っても過言ではない。

万が一、朴大統領自身が日韓関係に配慮して、善処を求めた日本の要望を裁判長宛に韓国外務省を通じて出すことに同意していたならば、最初からこの裁判を起こす必要もなかった。行政が司法の判断に影響を与えたとなればなおさら韓国のイメージを損なうだけだ。

検察が控訴するかどうか、それで朴大統領の心中がわかるだろう。


産経前支局長無罪 茨城県民からも「当然だ」の声
産経新聞 12月17日(木)22時10分配信

 韓国の朴槿恵大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長にソウル中央地裁が無罪を言い渡したことについて、茨城県民からも「当然だ」との声が上がった。

 つくば市の会社員、佐藤隆二さん(48)は「無罪は当然だ。名誉毀損(きそん)で訴えること自体に無理がある。韓国には言論の自由がないことや日本人相手なら何をしても許されるという異常さを世界にさらけ出した。こんなことをしているから、日本人の嫌韓感情が高まるのだと思う」と語った。

 水戸市の40代の主婦は「加藤前支局長や家族の心労を考えると無罪で本当によかった。韓国は何回か行ったことがあり、韓国人は基本的に親切だと思う。でも、日本なら何でもないような記事を書いて訴えられるなんて恐ろしい」と話した。


産経前支局長無罪 「驚いた」「当然」と神奈川県議ら
産経新聞 12月17日(木)22時10分配信

 「驚いた」「当然」-。韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)にソウル中央地裁が無罪判決を言い渡した17日、神奈川県内の政界からも、判決を歓迎する声が上がった。

 「意外で驚いた」と判決を聞いた瞬間を振り返ったのは小島健一県議。「懲役1年6月が求刑されていたので、無罪以外の判決だと思っていた。韓国も国際的な批判に耐えきれず、文明国として踏みとどまったのだろう」と評価した。

 一方、鎌倉市の上畠寛弘市議は「判決は当然の結果」と話し、「韓国政府には今回の件を猛省していただき、表現の自由を確実に保障してほしい。検察においては控訴しないことを求めたい」と強調した。

 同市議会では10月、この問題を受け、韓国に対して邦人保護などを求める意見書を賛成多数で可決していた。


<産経前支局長>無罪判決で日本と韓国の大学教授3人は
毎日新聞 12月17日(木)22時5分配信

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)の無罪(求刑・懲役1年6月)判決を受けて、日本と韓国の大学教授に聞いた。

 山田健太・専修大教授(言論法)の話 公人中の公人である政治家の言動についての報道は、ジャーナリズム活動のなかでも中核的なものであり、憲法上の表現の自由として最大限保障されるべきものである。今回の刑事裁判は無罪にはなったものの、韓国のみならず、世界のどの国においても、民主主義の根幹をなす報道の自由を萎縮させ、言論の自由を脅かす前例になりかねない危険性をはらむものだった。日本でも、首相が自身の行動に関する報道について、法的措置をちらつかせたことと重ね合わせて考えざるをえない。

 韓永学(ハン・ヨンハク)・北海学園大教授(メディア倫理法制)の話 法理上妥当な判断と言えよう。最大の争点は「ひぼうする目的」の有無だった。「公共の利益に関する場合には特別な事情がない限りひぼう目的は否認される」とする韓国最高裁の判例に照らせば、緊急時の朴大統領の動静に関する記事に「ひぼう目的」があったとは考え難い。判決が記事の内容は虚偽だと認めつつも「記事に朴大統領個人ひぼうの目的はなかった」として、無罪を言い渡したのは評価に値する。

 しかしながら、国際的に刑事上の名誉毀損(きそん)罪の廃止が進む中、本件が刑事裁判に発展したのは非常に残念だ。国連は韓国政府に名誉毀損の非刑事化を再三勧告してきた。にもかかわらず韓国政府は批判言論に刑事処罰も辞さない態度を鮮明にしている。

 公職者の職務に関する事柄は常時監視・批判の対象だ。監視・批判活動は悪意だったり著しく相当性を欠かなかったりする限り、容易に制限されてはならないよう、立法や司法の努力が求められる。

 朴景信(パク・キョンシン)・高麗大学法学専門大学院教授の話 今回無罪になったこと自体は良いことだ。朴槿恵大統領の行動に関わる事柄が「公的事項」だということは、いかなる裁判官でも認めざるを得ない。また、権力者の影響下にある検察が名誉毀損の罪で民間人を起訴することに対して国連や国際人権団体などによる批判が高まっており、こうした世界的な流れを考慮した可能性もある。ただ、過去にも公職者に対する名誉毀損で民間人が起訴され無罪となったケースがあるが、報道などを萎縮させる効果があった。最終的に無罪になったとしても問題は残る。


産経前支局長無罪 守られた「言論の自由」…疑問残る韓国の「法の支配」
産経新聞 12月17日(木)21時47分配信

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無罪の判決を受けた現地での会見を終え、ソウル外信記者クラブのオム・ジェハン(厳在漢)会長と握手する加藤達也前ソウル支局長=17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)(写真:産経新聞)

 【ソウル=藤本欣也】韓国のソウル中央地裁は17日、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長のコラムについて朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損に当たらないと認め、「言論の自由」を擁護する判決を下した。政権の意向や世論の動向に左右されやすいと評されてきた同国の司法界。今回も土壇場で善処を求める政府の文書の存在も明らかになるなど、「法の支配」を国際社会にアピールできたかは微妙だ。

 「韓国は民主主義国であり、民主主義の存立と発展のために言論の自由を明確に保護しなければならない」。李東根(イ・ドングン)裁判長は判決でこう認定した。

 ただ、民主主義国家という観点からは韓国の問題点も指摘されている。

 名誉毀損を刑事処罰することについて、弁護側は国際司法の流れに反した法的措置であると主張してきたが、李裁判長は判決で言及しなかった。名誉毀損を刑事処罰する法律を有するのは、日本や韓国を含む世界約160カ国とされる。ただ、懲役など過酷な刑事的制裁を伴うことから、言論・表現活動に深刻な萎縮効果をもたらし、民主主義を侵害する恐れがある。

 このため、日本を含む多くの国ではこうした法律を有していても使用しない傾向にあり、国際社会では廃止する国が出始めている。

 しかし韓国では名誉毀損罪での立件が珍しくない。先日も、慰安婦問題の学術研究書「帝国の慰安婦」で、慰安婦を「売春婦」などと表現し、元慰安婦の女性の名誉を毀損したとして、著者の朴裕河(ユハ)世宗大教授が在宅起訴されている。

 大統領批判への過剰対応も問題になっている。朴大統領と元側近、鄭ユンフェ氏の噂を「艶聞」と表現したビラをまいた環境活動家が5月、朴大統領らに対する名誉起訴で起訴され、懲役3年を求刑されている。


<産経前支局長>日韓政府、関係好転を期待…無罪判決
毎日新聞 12月17日(木)21時41分配信

 産経新聞前ソウル支局長の無罪判決を受けて、日韓両国政府とも関係改善に向けた期待感を示した。懸案の慰安婦問題に関する外務省局長協議は年明けに持ち越されており、協議への影響が注目される。

 「無罪判決が出たことを評価する。日韓関係に前向きな影響が出てくることを期待したい」。安倍晋三首相は17日夕、首相官邸で記者団にこう述べた。外務省幹部は「今回、有罪だったらアウトだった。世論も黙っていない。しばらく漂流しただろう」と漏らした。

 慰安婦問題で対立する日韓両国だが、11月に首相と朴槿恵(パク・クネ)大統領との初の首脳会談がソウルで実現し、関係好転の兆しが出ている。日本側は、今回の判決はその流れに沿ったものと受け止めている。

 ソウル中央地裁が11月に予定していた判決を延期した際、日本政府関係者は「韓国側からの前向きなメッセージであることは間違いない」と語っていた。ただ、事前に判決内容が日本側に伝えられることはなく、外務省は判決結果について、無罪のほかに、執行猶予付き有罪、実刑の計3パターンを想定していたという。

 「日韓関係を推進していく上で良い影響をもたらすことを期待したい」。岸田文雄外相は記者団にこう述べ、慰安婦問題の進展に期待感を示した。

 一方、韓国政府当局者は17日、日本側記者団に対し「この事案は基本的に司法の問題で外交問題ではないが、韓日関係の負担となっていたことも事実だ。今回の判決が両国関係改善の契機となることを期待している」と強調した。

 「司法と行政は別」との建前を取りつつも、当局者の発言からは「裁判では(日韓関係のために)我々が努力した」との思いがにじむ。11月の日韓首脳会談では慰安婦問題について、今年が日韓国交正常化50周年であることを念頭に「できるだけ早期の妥結」を目指すことで合意した。今回の法廷で読み上げられた韓国外務省が作成した文書でも今年が50周年であることを繰り返し強調している。12月も半ばを過ぎ、韓国側にも当初期待した「年内妥結」は困難との認識はあるとみられるが、今後の協議の場で韓国側が日本側に一層の努力を求める可能性はある。【小田中大、ソウル米村耕一】


控訴しないことを希望…前支局長が韓国検察批判
読売新聞 12月17日(木)21時41分配信

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無罪判決後、記者会見する産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長(17日、ソウルで)=宮崎健雄撮影

 【ソウル=宮崎健雄】日韓両国の外交問題にまで発展した公判で、ソウル中央地裁が17日に下した判決は無罪だった。

 公判後に記者会見した産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長(49)は、安堵(あんど)の表情を見せながらも、改めて、「起訴を思いとどまるべきだった」と韓国検察を批判した。

 公判は午後2時に始まった。約90席ある法廷は日韓両国の記者、日本大使館関係者らで満席となり、約20人の立ち見も出た。昨年11月の初公判では、保守系団体メンバーらが地裁敷地内で加藤氏の車を取り囲むなどしたため、判決直前には約10人の警備担当者が傍聴席前に並び、物々しい雰囲気が漂った。

 濃紺のスーツ姿で出廷した加藤氏は、起立したまま、約3時間に及んだ判決文の朗読を聞いた。「被告人は無罪」。裁判長が判決を言い渡すと、前に組んだ手をわずかに動かしたものの表情は変えず、2人の弁護人と握手を交わした。閉廷後、初めて笑顔を見せた。

 加藤氏はその後、ソウル市内で記者会見。「無罪判決は当然。検察は控訴しないことを希望する」と述べた。問題のコラムについては、「一国の最高権力者の動静を取り上げた。公益性があるのは明らか」と強調、「検察は起訴を思いとどまるべきで、民主主義国家としてどうなのか考えてほしい」と批判した。


<産経前支局長>韓国司法、政治色強く 無罪判決
毎日新聞 12月17日(木)21時39分配信

 ◇「善処を」政府要請を判決公判で読み上げ

 【ソウル大貫智子、米村耕一】産経新聞前ソウル支局長の名誉毀損(きそん)訴訟で無罪判決が出た背景には、今回の事件が「言論の自由」の侵害だと国内外から強い批判を浴びていたことや、日韓関係に与える影響を裁判所側が考慮したことがあるとみられる。

 判決公判の冒頭、李東根(イ・ドングン)裁判長が韓国外務省からの文書を読み上げた。「日本各界の人から大局的に見て善処を求められている。12月18日が韓日基本条約発効50周年であることなどを勘案し、こうした要請を真摯(しんし)に考慮してほしい」との内容だった。韓国外務省は、日本側の要請を伝えただけだとする。

 しかし、韓国司法は世論や政治に影響されやすいとされ、裁判長がわざわざ文書を読み上げれば、裁判所が政府の意向を「考慮」したと受け止められかねない。

 加藤達也前支局長の弁護人は「昨日か一昨日裁判所に提出された文書で、判決に影響を与えるには時間的に間に合わない」とするが「(無罪判決が)裁判所にとって心理的に負担だったとすれば、それを軽くした可能性はある」と話す。日本外務省の幹部も「韓国側にいろいろ働きかけてきた。それを韓国の裁判所がしんしゃくしたのではないか」と指摘する。

 ただ、韓国主要紙のある記者は「本当に影響されたのなら公判で紹介するはずはなく、前支局長を諭すのが目的ではないか」と言う。

 一方、韓国では近年、名誉毀損でメディアを訴える事件が増えていた。青瓦台(大統領府)によるメディアに対する名誉毀損訴訟も相次いでおり▽2014年5月、客船セウォル号沈没事故で、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弔問は演出だったと伝えたキリスト教放送(CBS)▽同11月、朴大統領の元側近男性が政権人事に介入したとの文書を報道した韓国紙・世界日報▽同12月、元側近男性に関する文書が青瓦台秘書室長の指示で作成されたと報道した東亜日報--などが相手となった。

 沈没事故や元側近男性の人事介入説は、朴政権に打撃を与えており、訴訟による言論封じと批判された。

 国連の人権委員会も今年11月、リポートの中で「政府の活動を批判した人物を名誉毀損で起訴する事案が増えていることを懸念する」と指摘。「韓国は批判に対して寛容な文化を育てるべきだ」と促した。

 韓国側は当初「民事・刑事上の責任を最後まで追及する」(青瓦台)と強気だったが、最近は有罪判決が出た場合「言論の自由」に対する韓国政府の姿勢に強い批判が噴出し、国際的なイメージが傷つく可能性への懸念が、政権内に広がっていた。


<産経前支局長>「無罪は予想できなかった」会見で本音
毎日新聞 12月17日(木)21時21分配信

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産経新聞前ソウル支局長をめぐる公判の争点

 ◇最後に主文は「無罪」

 【ソウル大貫智子】大方の予想を覆し、判決は無罪だった。外国メディアによる韓国国家元首に対する名誉毀損(きそん)罪の成否を問う産経新聞の前ソウル支局長をめぐる事件。ソウル中央地裁は17日、加藤達也前支局長(49)はコラムで書いた内容は虚偽と認識しており、韓国国民として同意しがたいと再三強調しつつ、公人に対する言論の自由を広く認めた。

 「無罪」。3時間にわたる判決文読み上げの最後に主文が言い渡されると、日韓両国のメディアで傍聴席が満席だった法廷は、驚きで一瞬時間が止まったように固まった。

 李東根(イ・ドングン)裁判長は、判決文の前半でコラムの内容が虚偽だったと断定。「(記事で言及した)うわさの存在自体は確認した」との弁護側の主張も退けた。傍聴していた日本人の間に、無罪判決の見方が強まったのは、後半に入り、公職者に対する報道の自由は広く認められるべきだとの判断が示されてからだ。主文言い渡しが迫ると、傍聴席前方には警備要員が十数人配置され、前支局長に対する暴力行為などを警戒した。

 判決前、日韓メディアや専門家の多くは、執行猶予付きの有罪判決や、刑の宣告自体を猶予し、2年間無犯罪ならば宣告もなくなる「宣告猶予」を予想していた。李裁判長は今年3月、前支局長が書いたコラムの内容は事実でなかったと認定。10月の被告人質問では前支局長の答弁にいらだちを見せる場面もあったからだ。

 判決言い渡しに先立ち、裁判長が韓国外務省から提出されたという「日韓関係改善の流れを鑑み、日本側の意向に配慮してほしい」という異例の要請文を読み上げた際も、新しい証拠が提出された場合は裁判冒頭で読み上げられるため、予想は変わらなかった。

 主文が最初にくるか最後にくるかは裁判長によって異なる。47ページの判決文読み上げは通訳をはさみ、約3時間に上った。途中、弁護人が前支局長が座って聞けるよう言葉を挟んだが、李裁判長は「体が不自由などの特別な理由がない限り、被告人は判決は立って聞くことになっている」と拒否していた。

 判決後にソウル中心部・光化門(クァンファムン)で記者会見が開かれた。前支局長は、同じ産経新聞の先輩記者から拍手で迎えられると、初めて硬い表情を崩して笑みを見せた。しかし、再び厳しい表情に戻り、「産経の記者である私を、狙いうちにした」と手元に用意した紙を読みながら批判し、検察に控訴しないよう訴えた。

 最初の質問で、無罪を予想したかと聞かれ、前支局長は「予想できなかった。無罪は最も可能性が小さいと弁護士からもいわれていた」と本音を語った。また、外務省の要請文について事前に知らされていたことも明らかにした。

 ◇熊坂・産経新聞社長「裁判所に敬意を表する」

 熊坂隆光・産経新聞社長の話 韓国が憲法で保障する「言論の自由の保護内」と判断した裁判所に敬意を表する。裁判が長きにわたり、日韓両国間の大きな外交問題となったことは誠に遺憾だ。コラムに大統領を誹謗中傷する意図は毛頭なく、セウォル号沈没という国家的災難時の国家元首の行動をめぐる報道・論評は公益にかなうものだ。韓国検察当局には控訴を慎むよう求める。


産経前支局長無罪 日本会議茨城の事務局長「当たり前の判決」「日本では考えられない裁判」
産経新聞 12月17日(木)21時21分配信

 日本会議茨城の木村真事務局長(75)は17日、韓国の朴槿恵大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長にソウル中央地裁が無罪を言い渡したことについて「報道の自由の観点から日本では考えられない裁判だった。当たり前の判決だと思う。日韓の友好関係が一歩前進すればよいと思う」と述べた。産経新聞の取材に答えた。


産経前支局長無罪 東北各地でも「安堵」「期待」好意的な受けとめ相次ぐ
産経新聞 12月17日(木)21時19分配信

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無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也前ソウル支局長(中央)=17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)(写真:産経新聞)

 韓国の朴槿恵(パククネ)大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に無罪判決が言い渡された。韓国との交流を進めてきた東北各地の関係者からは、判決に安堵(あんど)する声や今後の日韓関係改善に期待する見方が広がるなど、好意的な反応が相次いだ。

 「民主主義国家にとって言論の自由が保障されるのは当たり前。起訴したのは常識的に考えられない」

 こう話したのは秋田県日韓親善協会会長の高松和夫元衆院議員。その上で、「無罪判決は日韓関係にとって良いことだ」と今回の判決を歓迎した。

 日韓親善宮城県議会議員連盟の渥美巌会長も「日韓両国の問題もからみ不幸な裁判となってしまったが、無罪判決は喜ばしい。子供たちのためにも韓国とはいい関係を築くべき。お互いに交流しやすくなるのではないか」と好意的に受けとめた。

 政界からも「北朝鮮問題に対して日米韓が連携して当たらなければならない時に、ぎくしゃくしてはいけない。これで慰安婦問題も良い方向に向かうのではないか」(自民党青森県連の神山久志幹事長)と今後の日韓関係の好転に期待する声が上がった。

 平成14年から韓国・光州市と姉妹都市提携している仙台市は「国同士の関係が良いことに越したことはない。これからも両国の地方、市民レベルのつながりを大事にしたい」(市民局交流政策課)とコメントした。

 また、著作に「国境の島・対馬のいま 日韓、交流と摩擦のあいだで」などがあり、日韓関係に詳しい作家の星亮一さん(福島県郡山市)は「政治事情で拘束され、裁判まで行われたのは遺憾なこと。今回の無罪判決は日韓関係の好転につながり、両国にとって良い兆しになるのではないか」と分析している。


産経前支局長無罪 外交問題化した在宅起訴 判決は価値観共有への一歩
産経新聞 12月17日(木)21時8分配信

 【ソウル=藤本欣也】産経新聞の加藤達也前ソウル支局長の在宅起訴問題は日韓の外交懸案だった。このため17日の無罪判決は、最近の関係改善の動きを後押しするものだ。「言論の自由」「報道の自由」といった民主主義の価値観共有に向け、韓国が歩み寄る形となった。

 韓国外務省は判決に当たり、検察を通じて裁判所に文書を提出。韓国政府が事実上、裁判所側に「善処」を求めた形で、司法の独立の観点からは異例の対応といえる。これまで韓国政府は加藤前支局長の公判について、「あくまでも司法問題であり、日韓の外交問題ではない」との立場を取ってきただけに、大きな方向転換だ。

 15日には東京で慰安婦問題などを話し合う日韓局長級協議が行われており、韓国政府の今回の文書はその協議を踏まえた対応とみられる。

 しかし判決公判直前に求められた「善処」が、実際の判決にどの程度の影響を与えたのかは不明だ。ただ、韓国政府の焦りは十分にうかがえる。

 15日の協議でも、韓国側が年内妥結を求めている慰安婦問題は平行線をたどったとみられており、越年が決定的な情勢。韓国では来年4月に総選挙を控え、政治の季節に突入する。

 また、来年2月下旬以降は島根県の「竹島の日」(2月22日)や3・1独立運動記念日などがあり、事実上のタイムリミットは2月とみられている。

 韓国外交筋は朝鮮日報に対し、「3年半ぶりの首脳会談が行われて最悪を脱した日韓関係だが、靖国神社の事件や産経裁判の結果、再び急に冷え込む可能性もある。今、両国が神経をつかわなければならないのはさまざまな『地雷』をうまく避けることだ」と指摘していた。


産経前支局長無罪 大統領をめぐる報道「公益の範疇」 裁判長の判断支える
産経新聞 12月17日(木)21時5分配信

 【ソウル=桜井紀雄】産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対する今回の裁判で、李東根(イ・ドングン)裁判長は韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が旅客船セウォル号事故当日、男性と会っていたとの噂が虚偽かどうかの説明に時間を費やした。

 李裁判長は、会っていたと噂された元側近や知人の証言、携帯電話の記録から噂は虚偽だとする検察側の主張を全面的に認めた。名誉毀損では、噂を信じるに足る理由があれば、罪に問われない。

 だが、噂について最初に触れた韓国最大手紙「朝鮮日報」の引用部分を除いて、噂の内容が「男女関係」だとした根拠となるタブロイド紙や証券筋の情報について「直接裏付けるものではなく、噂の存在を確認したに過ぎない」とし、噂を信じるに足る理由を認めなかった。さらに加藤前支局長の取材の不備を指摘した。

 今回、「無罪」と判断した理由は2点に集約される。セウォル号という重大事故当日の行動について、公人中の公人といえる大統領をめぐる報道では、男女関係といえども私的事項とみなさず、「公益の範疇(はんちゅう)」とみなした。

 次に、検察側が別の報道をめぐる大統領府への出入り禁止措置に対する「報復」だとした誹謗の目的について、コラムは政治的状況の描写に終始しており、「韓国の政治状況」を日本の読者に伝えようとする目的だったとして、「誹謗の目的は認めがたい」と判断。検察側は「犯罪事実を立証していない」と断じた。


産経前支局長無罪 「日韓にとって良かった」「起訴自体がおかしかった」大阪本社発行の号外読者から歓迎の声
産経新聞 12月17日(木)20時50分配信

 韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対する無罪判決を受け、産経新聞大阪本社は17日、号外3600部を発行し、大阪市北区のJR大阪駅周辺や京都、神戸両市内などで配布した。号外を手にした人からは、加藤氏の無罪を歓迎する声が聞かれた。

 号外紙面の裏面では英文で、「NOT GUILTY」(無罪)などとソウル中央地裁が加藤氏に言い渡した判決を伝えた。

 JR大阪駅前で号外を受け取った奈良県広陵町の会社員、西村為夫さん(64)は「韓国側が起訴したこと自体おかしかった。加藤さんもよくぞここまで我慢された」。大阪府守口市の会社員、大西楓さん(19)は「韓国が好きだからこそ、今回の結果は日韓両国にとって良かった」と笑顔で話した。


加藤前支局長「当然の判決」
時事通信 12月17日(木)20時46分配信

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17日、ソウルで、無罪判決を受けた後、記者会見する産経新聞の加藤達也前ソウル支局長。「当然の判決であり、特別に感慨を抱くことはない」と述べた上で、検察が控訴しないよう求めた。

(時事通信社)


記者会見する加藤前支局長
時事通信 12月17日(木)20時46分配信

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17日、ソウルで、無罪判決を受け記者会見する産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(右)。

(AFP=時事)


産経前支局長無罪 公的関心事案では「言論の自由が優位に立つべき」
産経新聞 12月17日(木)20時40分配信

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ソウル中央地裁に入る加藤達也前ソウル支局長=17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)(写真:産経新聞)

 【ソウル=藤本欣也】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)に対する判決公判が17日、ソウル中央地裁であり、李東根(イ・ドングン)裁判長は無罪判決(求刑懲役1年6月)を言い渡した。

 李裁判長は加藤前支局長のコラム内容について虚偽と認め、「不適切な行為だった」と指摘。その上で「公的な関心事案に関連する名誉毀損は言論の自由が優位に立つべきだ」とコラムの公益性を認定した。

 また、李裁判長は「公職者に対する批判は保障されるべきものであり、その公職者の権限が大きければ大きいほど、その保障される程度は広がるべきだ」との判断も示した。

 李裁判長はこの日、韓国外務省から検察を通じて、文書が出されたことを明らかにした。文書は「最近、日韓関係に改善の動きがあり、12月18日が日韓基本条約発効50周年記念日という点も考え、善処を強く求めている日本側の要請を深く考慮する必要がある。参考にしていただきたい」という趣旨の内容。韓国政府が判決直前にこうした文書を出すのは異例だ。

 加藤前支局長のコラムは「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に…誰と会っていた?」の見出しで昨年8月3日、産経新聞ウェブサイトに掲載された。

 304人の死者・行方不明者を出したセウォル号沈没事故当日の昨年4月16日、(1)朴大統領の所在が分からなかったとされる7時間がある(2)その間に、朴大統領が元側近の鄭ユンフェ氏と会っていたとの噂がある(3)そのような真偽不明の噂が取り沙汰されるほど、朴政権のレームダック(死に体)化は進んでいるようだ-というのが内容。

 右翼団体リーダーらが朴大統領への名誉毀損で加藤前支局長を告発したのを受け、ソウル中央地検は昨年10月、「朴大統領を誹謗する目的で虚偽事実を広めた」として、情報通信網法における名誉毀損(7年以下の懲役または5千万ウォン=約530万円=以下の罰金)で在宅起訴、昨年11月から公判が進められていた。


産経前支局長無罪 「裁判していることが異常だった」日本の検察関係者が解説
産経新聞 12月17日(木)20時35分配信

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ソウル中央地裁には多くの報道陣が詰めかけた=17日、韓国・ソウル(大西正純撮影)(写真:産経新聞)

 「裁判をしていることが異常だった」-。韓国の朴槿恵大統領の名誉をコラムで傷つけたとして、在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長にソウル中央地裁が無罪判決を言い渡したことに、日本の検察関係者からは改めて、起訴そのものを疑問視する声が聞こえてきた。

 「さすがに韓国の裁判所も国際社会を敵に回し、法治国家であることを否定されるというリスクは避けたのだろう」。ある検察幹部は無罪判決が言い渡された直後、裁判所の判断について語った。

 別の幹部は「政治家が誰に会ったとか、そんなことは日本では事件にしない」と指摘。「検察自ら立件したとは思えない。圧力のようなものがあったのかもしれない」と推察した。

 この日の判決公判の冒頭、裁判長は韓国外務省から同法務省宛てに、裁判が日韓関係改善の障害になっていることなどの事情から、「善処を望む」という要望が提出されたことを明らかにした。

 これについて、検察幹部は「日本では裁判所に直接要望することは司法権に対してどうか、という議論が出る。所感を語ることはあるのだろうが、それが圧力ともとられかねない」などと疑問視した。

 日本と韓国の検察は、研修や親善サッカー大会などを通じて交流を重ねているという。ある幹部は「韓国の検察官には良心的な人が多い」と語り、「だからこそ、韓国の検察が起訴したのには驚いた。地裁は最後の砦を守ったが、韓国の検察だけが汚れてしまったのでは」と憤った。


産経前支局長無罪 「揺るぎない姿勢で無罪勝ち取り」田原、花田、門田各氏
産経新聞 12月17日(木)20時22分配信

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長への無罪判決を、国内のメディア関係者らはどのように受け止めたのか。

 「当然の判決としか言いようがない」と断じたのは、ジャーナリストの田原総一朗氏(81)。「そもそも立件したこと自体がおかしい。記事の引用元である朝鮮日報には、最後まで何のおとがめもなかった」と問題点を指摘した。

 韓国外務省から同法務省宛てに「善処を望む」とする要望が提出された点については、「申し入れが、どの程度判決に影響を与えたのか、今後の日韓関係に影響を与えるものなのかは、私には分からない」とした上で、「今回の件ではっきりといえるのは、韓国には言論の自由がなく、民主主義に問題があるということだ」と話した。

 月刊「WiLL」編集長の花田紀凱(かずよし)氏(73)は韓国外務省の要望について、「なぜわざわざ法廷で明らかにしたのかは分からないが、今回の無罪判決が政治的決着だという明白な証拠だ」と分析。「無罪になったことは慶賀すべきことだが、今回の裁判を通じて、韓国には言論の自由も司法の独立もないことが国際的にも明らかになった。長期間の出国停止までされた加藤前支局長からすれば、『失った時間を返せ』と言いたいだろう」と、前支局長をおもんぱかった。

 ノンフィクション作家の門田隆将氏(57)は「最後まで驚かされた裁判だった。『この裁判は一体何だったのか』というのが率直な気持ちだ」という。

 「無罪判決は産経新聞、加藤さん、日本政府が揺るぎない姿勢を貫いたことで勝ち取った。理不尽な国家への外交手段として、毅然(きぜん)とした態度こそが有効だいうことを裁判を通して知らしめた」と強調。「『譲歩では何も生まれない』ということを日本人はよく見ておくべきだ」と訴えた。


<産経前支局長>裁判争点「コラムは事実か」「公益性有無」
毎日新聞 12月17日(木)20時19分配信

 【ソウル大貫智子】情報通信網法違反(名誉毀損(きそん))に問われた産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(49)の公判は、昨年11月に始まり(1)加藤前支局長によるコラムの内容が事実かどうか(2)公益性の有無--が主な争点となった。報道内容が事実であるか、または事実と信じるに足りる理由があり、かつ公益性があったと認められた場合、罪に問われないとされているためだ。

 法廷ではまず(1)を中心に争われた。コラムで昨年4月の客船沈没事故当日、朴槿恵(パク・クネ)大統領と会った可能性が指摘された元側近男性、チョン・ユンフェ氏は今年1月、検察側証人として出廷し、朴大統領とは会っていないと明言した。

 弁護側は2人が会っていなかったとは言い切れないと反論したが、裁判所側は今年3月、チョン氏の携帯電話の位置情報記録などから、2人は会っていないとの判断を示した。

 この後、争点は大統領を中傷する目的の有無に移った。検察側は、朴大統領と男性が会った事実がないのは明らかなのに、中傷目的で報道したと指摘した。

 一方、弁護側は「大統領は公人であり、大事故当日の大統領の行動は日本の読者にも伝える必要があった」と、記事は公益性を有するとして無罪を主張。ソウル駐在のベテラン米国人記者や、日本メディアのソウル特派員などの証言を通じ、報道の自由の重要性も強調した。

 また弁護側は、朴大統領と元側近男性が会っていたかどうかとは別に、密会に関するうわさがあったこと自体は明白だったと訴えた。加藤前支局長は、知人の話などからうわさがあったと確信したとし、取材は十分だったとしていた。

 これに対し、判決は加藤前支局長の取材は不十分で、記事の内容は韓国国民として受け入れられないと強調。そのうえで公益性について「客船事故当日の国家元首の行動は公的関心事で、報道の自由は広く認められなければならない」と弁護側の主張を採用。「公職者の私生活は純粋な私生活の領域にあるとは見がたい」とした。

 コラムを掲載した目的も「韓国の政治状況を日本に伝えるためだった」として中傷目的はなかったと認定し、名誉毀損にあたらないと判断した。


産経前支局長無罪 韓国の名誉毀損罪の修正必要「国境なき記者団」がコメント
産経新聞 12月17日(木)20時14分配信

 国際ジャーナリスト組織「国境なき記者団」のアジア太平洋デスク、ベンジャミン・イシュマイル氏は17日、産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対する無罪判決について、「懲役刑が言い渡されなかったことはよかったが、韓国の名誉毀損罪を修正する必要性は残る」とのコメントを発表した。

 同氏は、メディアの記者が個人として訴えられることを防ぐための法律が必要だと主張。「このような事態に発展する前に、問題の収束に向けてより重要な役割を果たすことができたはずの韓国メディアも反省すべきだ」と指摘する一方、産経新聞に対しても記事についての検証を求めた。


産経前支局長無罪 河村建夫・日韓議連幹事長「言論の自由、民主主義国家の基本」
産経新聞 12月17日(木)20時12分配信

 自民党の河村建夫・日韓議員連盟幹事長は17日、韓国の朴槿恵大統領の名誉をコラムで傷つけたとして在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に無罪判決が言い渡されたことについて、「言論の自由に関して、民主主義国家としての基本だと絶えず言い続けてきた。その価値観が同じような形で進むことは、これから日韓関係を進めていく上で大きな推進力になるだろう」と述べた。


産経前支局長無罪 異様な裁判を象徴…“被害者”朴大統領の声は封印、朝鮮日報記者は不問
産経新聞 12月17日(木)20時11分配信

 【ソウル=藤本欣也】昨年11月に始まった産経新聞の加藤達也前ソウル支局長のソウル中央地裁における公判は17日、1年以上の時間を費やして幕を閉じた。判決までに10回を数えた公判では、強引な在宅起訴を基に進められた特異な裁判を象徴するように、さまざまな問題点が浮き彫りになった。

 ■被害者の声は封印

 まず、名誉毀損の“被害者”とされた朴槿恵(パク・クネ)大統領自身が加藤前支局長のコラムをどう考えているのか、また加藤前支局長の処罰を望むのかについて最後まで明らかにされなかった。

 そもそも検察は、被害者の意思を明示しないまま名誉毀損での在宅起訴に踏み切った。それが可能だったのは、韓国では法律上、第三者が名誉毀損で告発できるためだ。朴大統領への名誉毀損で加藤前支局長を告発したのは右翼団体のリーダーらだった。日本を含む多くの国は、「被害者本人が告訴しなければ名誉毀損で起訴できない」という親告罪を適用している。

 これに対し、韓国における名誉毀損の特徴は、被害者が「処罰を望まない」という意思を示さない限り、公訴できる点にある。つまり、被害者が処罰を望まない意思を示した場合、公訴自体が無効になる反意思不罰罪を適用している。

 このため弁護側は公判を通じて、朴大統領の意思確認を繰り返し求めた。しかも、「反意思不罰罪が適用されるのは事実上、1審のみ」(司法関係者)で、1審判決後に被害者が「処罰は望まない」と表明しても判決は変わらない。

 検察側は公判で、大統領府の広報首席秘書官が昨年8月、加藤前支局長に対し「民事、刑事上の責任を最後まで問う」と表明したことを、朴大統領の意思と主張。10月の論告求刑公判でも「被害者は強い処罰を求めている」と強調した。

 これに対し、弁護側は「あくまでも大統領府という一機関の見解にすぎない。被害者は大統領府ではなく朴大統領個人」と真っ向から対立。結局、李東根(イ・ドングン)裁判長は大統領府秘書官の証人尋問などを認めず、“被害者”朴大統領の声は封印されたままで終わった。

 「今後、同種のケースで大統領自身が意思表示を求められる“あしき前例”になるのを避けた」(司法関係者)との見方もある。

 ■朝鮮日報記者は不問

 加藤前支局長は昨年8月3日、産経新聞ウェブサイトに掲載されたコラムで、セウォル号沈没事故当日の昨年4月16日、(1)朴大統領の所在が分からなかったとされる7時間がある(2)その間に、朴大統領が元側近の鄭ユンフェ氏と会っていたとの噂がある(3)そんな真偽不明の噂が取り沙汰されるほど、朴政権のレームダック(死に体)化は進んでいるようだ-と指摘した。

 韓国大手紙、朝鮮日報も昨年7月18日付のコラム「大統領をめぐる噂」で、(1)沈没事故当日、7時間にわたり誰も朴大統領に対面報告をしていない(2)世間では「大統領は某所で秘書と一緒にいた」との噂が作られた(3)噂に鄭氏が出てくる-ことを取り上げており、加藤前支局長は同コラムを引用しながら書いた。

 朝鮮日報のコラムを書いた韓国人記者は「自らの記事は大統領の国政運営方式に関する批判であり、加藤氏のコラムとは趣旨が違う」と主張。結局、検察は加藤前支局長だけを名誉毀損で在宅起訴し、朝鮮日報記者は不問に付された。

 これに対し、弁護側は公判で、韓国最大の発行部数を誇る朝鮮日報が噂を取り上げたこと自体、加藤前支局長がその噂を信じるに足る十分な理由であると主張。噂を取り上げた背景などをただすため、朝鮮日報記者の証人申請を行った。

 李裁判長も当初は申請を承認して出廷を求めたが、同記者が業務上などの理由で出廷を拒み続けると、承認を取り消し、同記者の証人尋問は実現しなかった。

 韓国メディア関係者は「政権側は保守系最大手紙を敵に回したくなかったはずだ」と指摘している。


産経前支局長無罪 控訴はあるのか、検察の判断に注目
産経新聞 12月17日(木)20時7分配信

 【ソウル=藤本欣也】ソウル中央地裁が下した加藤達也前ソウル支局長に対する無罪判決に対し、検察側が控訴するか否かが注目されている。

 韓国外務省は検察を通じ、判決に当たって日韓関係への配慮を要請する文書を裁判所に出している。検察側がこれをどう評価するかにかかっている。

 ただ、韓国では、加藤前支局長を在宅起訴した当時の政府・検察の責任者らが、国家の主要ポストを占めているのが現状でもある。

 昨年10月、在宅起訴を強行したソウル中央地検で検事長を務めていた金秀南(キム・スナム)氏は今月、朴槿恵大統領の指名を受けて、検察トップの検察総長に就任した。当時、法相だった黄教安(ファン・ギョアン)氏は現在、首相を務めている。

 こうした状況は、2審を担当する判事にとっても大きな負担になりかねない。

 検察が控訴した場合、2審は来年初めにもソウル高裁で始まるとみられ、約半年で結審する可能性がある。


産経前支局長無罪 「裁判所に敬意」産経新聞社長が声明
産経新聞 12月17日(木)20時7分配信

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に対する無罪判決についての熊坂隆光産経新聞社長の声明は以下の通り。

 ソウル中央地方裁判所は朴槿恵(パク・クネ)・韓国大統領に対する名誉毀損に問われていた産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に無罪判決を言い渡した。本件を韓国が憲法で保障する「言論の自由の保護内」と判断した裁判所に敬意を表する。

 加藤前支局長が昨年8月、大統領に対する名誉毀損で告発、在宅起訴されて以来、日本新聞協会はじめソウル外信記者クラブ、日本外国特派員協会、「国境なき記者団」などの多数の内外報道機関、団体、さらに国連、日本政府、日韓関係者が強く懸念を表明し、さまざまな機会を通じて、解決に向けて力を尽くしていただいた。公判過程では弁護側証人として日米のジャーナリスト、研究者が証言に立つことをためらわなかった。こうした支援の結果が今回の無罪判決につながったものであり、心から感謝申し上げる。

 本裁判が長きにわたり、日韓両国間の大きな外交問題となっていたことは、われわれの決して望むところではなく、誠に遺憾である。

 民主主義を掲げる国家である以上、多様な意見を許容したうえでの、健全な議論をためらってはならない。言論の自由、報道の自由、表現の自由はその根幹であるがゆえに保障されねばならない。

 産経新聞のウェブサイトに掲載された加藤前支局長の当該コラムに大統領を誹謗中傷する意図は毛頭なく、セウォル号沈没という国家的災難時の国家元首の行動をめぐる報道・論評は公益にかなうものである。

 こうした弁護側の主張、産経新聞社の考えを、民主主義、言論の自由の観点から、冷静に判断した裁判所の意思を尊重し、韓国検察当局には、控訴を慎むよう求める。


産経前支局長無罪 米国人ジャーナリストのカーク氏「言論の自由の勝利」
産経新聞 12月17日(木)20時0分配信

 産経新聞の加藤達也前ソウル支局長に、ソウル中央地裁が無罪判決を言い渡したことを受け、6月に出廷した米国人フリージャーナリストのドナルド・カーク氏(77)に見解を聞いた。

 --無罪判決の評価は

 「罰金など何らかの形で有罪になると思っていたので、ほっとした。加藤氏だけでなく、言論の自由、そして韓国の民主主義の勝利でもある」

 --判決はコラムの誹謗(ひぼう)目的を否定した

 「私は検察当局による起訴自体が過剰な対応だと述べてきた。その検察の主張に対して裁判所が公正な判断を下したことは、韓国における裁判所の独立性を再確認させるものになった」

 --慰安婦問題の著書を発表した韓国人学者も在宅起訴されるなど、国際社会からの懸念が高まっている

 「韓国は(1960~70年代の)朴正煕(パク・チョンヒ)政権の独裁体制から、87年の民主化宣言を経て、民主主義に移行した。ただ、現在の表現の自由の状況は、数年前から悪化しているという印象を持っている」

 「最近の傾向は独裁体制だった過去の時代への揺り戻しの危険すら感じる。今回の無罪判決は検察にはショックだ。判決が(名誉毀損で刑事訴追する)検察当局を抑止する方向に働くことを期待したい」


産経前ソウル支局長に無罪判決も… 批判を許さぬ朴槿恵大統領 韓国の国際イメージに大打撃
Wedge 12月17日(木)19時58分配信

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韓国大統領が法的措置を多用する傾向は強まっている(Getty Images)

 ソウル中央地裁は17日、朴槿恵大統領の名誉を毀損したとして起訴された産経新聞の加藤達也・前ソウル支局長に無罪判決を下した。「言論の自由」を認めた当然の判決だが、そもそも起訴自体に大きな問題があった。しかも、韓国外務省が法廷に善処を要請したことには、三権分立の観点から疑問があると指摘せざるをえない。無罪ではあっても、すっきり「良かった」とは言いづらいのである。

 繰り返しになるが、そもそも加藤氏が書いたコラムの内容いかんを問わず、権力者について書いた記事を理由に刑事訴追を行うことは民主主義国家ではあってはならないことだ。特に外国メディアの記者を標的にしたことは国際社会の関心を呼ぶことになり、韓国のイメージに悪影響を与えた。

 名誉毀損訴訟に詳しい韓国の弁護士によると、青瓦台(大統領府)がメディアに対する法的措置を乱発するようになったのは盧武鉉政権(2003~08年)からだ。保守的な大手メディアを敵視した盧大統領が弁護士出身だったことや、腹芸の苦手な盧大統領の性格が影響したのかもしれない。

 法的措置を多用する傾向は、李明博政権(2008~13年)で強まり、朴槿恵政権(2013年~)でさらに拍車がかかった感がある。「産経だけではない」のである。

 実際には不起訴処分となったり、起訴されても無罪になったり、民事の損害賠償請求訴訟でも賠償を認められなかったり、ということが少なくない。この点は、韓国司法が一定の歯止めになっていると評価できるだろう。ただ、そもそも権力者が法的措置を乱用すること自体が大きな問題なのだ。

 国連のB規約(市民的および政治的権利)人権委員会は先月、韓国で政府批判をした人を名誉毀損の罪で訴追し、重い刑を科すことが増えていると懸念する報告書を採択した。これが国際標準の考え方だと言えるだろう。なお、人権委は各批准国について順番に審査をして報告書を採択している。

朴槿恵政権2年半で名誉毀損の法的措置22件
 韓国のNGO「参与連帯」は今年9月、「朴槿恵政府の国民口封じ事例22選」という報告書を発表した。朴槿恵政権が任期5年の折り返し点となった8月下旬までの間に、朴大統領や政府機関、政府高官に対する名誉毀損で法的措置が取られた22件に関する報告書だ。加藤氏の起訴も入っている。

 参与連帯は進歩派の団体なので、もともと朴槿恵政権には批判的だ。ただ、それを差し引いても報告書の内容には驚かされる。

 報告書によると、22件のうち刑事処分を求める告訴や告発が18件で、民事の損害賠償請求訴訟が4件だった。8月下旬の時点では、刑事18件のうち起訴されたものが7件、不起訴が5件、捜査中が6件。起訴された7件では、有罪確定が1件、1審で無罪判決が出て控訴審が行われているもの1件、1審判決がまだ出ていないものが5件だった。民事訴訟では、賠償責任が認められたものは1件もなかった。

 報告書は、「当事者の直接的な告訴がなくても、第三者による告発や捜査機関の職権で名誉毀損罪を捜査・起訴」することを朴政権の傾向として挙げている。韓国では、当事者以外でも名誉毀損の罪で告発することができる。加藤記者の事件を含む4件がこれに該当し、4件すべてが朴大統領の名誉を毀損したとして起訴されたものだった。

国民の正当な批判を萎縮させるため
 朴政権下での法的措置は、昨年4月のセウォル号沈没事故後に集中している。朴大統領が遺族や行方不明者の家族を慰労した際に「演出」があったのではないかと報道したキリスト教放送(CBS)やハンギョレ新聞を相手に、政権ナンバー2である大統領秘書室長らが損害賠償を求めて提訴。秘書室長は、法相を務めていた時の自身の疑惑に関する証言を報じた東亜日報の記者らを名誉毀損の罪で告訴してもいる。

 CBSとハンギョレを相手取った訴訟はどちらも1審で青瓦台側が敗訴して控訴、対ハンギョレ訴訟は控訴審でもハンギョレが勝訴して確定した。東亜日報記者らに対する告訴は8カ月後に取り下げている。

 参与連帯の報告書は、「政府と公職者たちから訴訟などを起こされた人々は、その過程で萎縮、発言を自粛し、心的不安(を抱き)、対人関係の断絶や財政的負担などを経験する」と指摘。最終的に有罪判決や賠償命令を勝ち取れない場合が少なくないのに法的措置に訴えることは、「国家機関や公職者に対する国民の正当な批判、監視を萎縮させるためといえる」と批判している。

 韓国司法は1987年の民主化まで、権力の言いなりだと批判されてきた。朴正煕政権だった1975年に8人の死刑が執行された公安事件は、2007年に再審無罪となった。この事件は今でも、民主化運動をしていた勢力から「司法による殺人」と指弾されている。

 だが、それはあくまで独裁政権や軍人出身の抑圧的政権の下で起きてきたことである。民主化から四半世紀を経て、韓国に民主主義は根付いている。一般論でいえば「報道の自由」も広範に保障されていると言えるだろう。

 それだけに、大統領という絶対的な権力者が、民主主義国であれば当然である「権力者に対する批判」を受け止めるだけの度量を持てずにいることは残念なことである。


産経前支局長無罪 「当然の判決」「検察は控訴せず本件終結を」前支局長が会見
産経新聞 12月17日(木)19時57分配信

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無罪の判決を受け現地で会見に臨む加藤達也前ソウル支局長=17日、韓国・ソウル(撮影・納冨康)(写真:産経新聞)

 【ソウル=水沼啓子】無罪判決を受けた産経新聞の加藤達也前ソウル支局長は公判後、韓国に拠点を置く外国メディアで構成する「ソウル外信記者クラブ」(厳在漢=オム・ジェハン=会長)で記者会見した。加藤前支局長は「当然の判決であって特別な感慨はない。韓国の検察は控訴することなく、本件を終結させることを希望する」と述べた。

 会見には韓国メディアの記者も参加した。「無罪判決を予想していたか」との韓国人記者の質問に加藤前支局長は「事前に予想できなかった」と答えた。

 また、「検察の取り調べの中で理解できなかったことは」という問いには、「この被疑者は絶対に許さないということで、すべての供述を集めるという強い意思を持って取り調べをしているという強い印象を持った」と振り返った。

 また、「韓国外務省から(判決公判で)善処を求める文書が出されていたが、こうした外交的要素が影響していると思うか」との日本人記者の質問には、「判決に影響したかはわからないが、公的文書として事前に(産経新聞社側に)通知されていた」と答えた。

 質問に関連し、会見に同席した弁護士は「文書は(一両日前に)出されたもので、判決に反映させることは時間的に難しい」との見解を示した。

 加藤前支局長は会見の終盤、「最近の韓国の言論の自由を巡る状況については、憂慮すべき事態が発生しているのではないかと心配している」と訴えた。

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