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2015年12月28日 (月)

フランス・パリで多発テロ、130人が死亡・60

フランスの首都パリで13日夜(日本時間14日未明)、飲食店や劇場、サッカー競技場など複数の地点で、銃撃や爆発などがおきた。劇場では観客らが人質になったと伝えられる。オランド仏大統領は同夜、テレビ演説で「前例のないテロが起きた」と断定し、国内に非常事態を宣言した。

フランス治安当局の発表では、この同時テロで129人が死亡した。
※その後、死者は130人となった。

ロイター通信などによると、週末を過ごす客でにぎわう13日夜、パリ10区のレストランと近くの劇場で銃撃が起きた。目撃者の証言では、劇場内で60人程度の観客らが人質になった。劇場内からは、散発的な銃声が聞こえているという。

また、ドイツとフランスの親善試合が行われたサッカー競技場では、少なくとも2回の爆発が起きた。自爆テロとみられており、犯人とみられる2人を含む35人程度が死亡したもよう。

オランド大統領は、「われわれは結束し、断固戦う」と国民に訴えた。非常事態の宣言にともない、フランスと周辺国の国境が閉鎖された。

フランス国内では、今年1月、イスラム過激派により週刊紙本社が銃撃されるテロ事件が起き、計17人が死亡した。

オバマ米大統領は、ホワイトハウスで記者団に対し、「民間人を恐怖に陥れる非道な企てだ」と強く非難した。

※以上、産經新聞の報道による。

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リンク:独ミュンヘン、自爆攻撃情報で駅を閉鎖 数時間後に解除 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:新たなテロ警告=仏大統領 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米国の中のムスリム その真実の姿とは - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:IS、独南部で自爆テロ計画か=2駅立ち入り一時禁止に - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリの大晦日・新年ホテル予約30─40%減、同時攻撃影響続く - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<欧州各地>花火中止、金属探知機、広場閉鎖も…厳戒態勢 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:欧州テロ厳戒 ベルギー、パリは花火中止 ドイツ西部でもPTSDに配慮し取りやめに - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:仏テロ関与で1人逮捕=ベルギー - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<パリ同時多発テロ>アバウド容疑者 潜伏中に警察襲撃計画 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:新年花火中止のブリュッセルで6人逮捕 世界各地で警備強化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ISより大量殺戮、シリアで国民を苦しめる諸悪の根源 イスラム国とシリア情勢、情報の正しい読み解き方(後篇) - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギー首都、テロ懸念で新年の花火中止 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:大みそかの花火イベント中止=テロ警戒で―ブリュッセル - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ISより大量殺戮、シリアで国民を苦しめる諸悪の根源 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:空爆で「イスラム国」幹部10人殺害…米発表 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<IS掃討作戦>空爆1カ月で幹部10人殺害 有志国連合 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:フランス、欧州委に偽造シリア旅券の取締り強化を要請 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米軍主導の有志連合、空爆でISIS指導者10人を殺害 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ニューヨーク、テロや混乱阻止に厳戒態勢 年越しイベント控え - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:有志連合とロシアの空爆を一緒にしてはいけない理由 イスラム国とシリア情勢、情報の正しい読み解き方(前篇) - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギーで年末年始にテロ計画か、2人逮捕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:新年行事狙い攻撃計画か、ベルギーで2人逮捕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:イラク軍、戦略都市ラマディ奪還 IS敗退、深刻な打撃 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:有志連合、空爆でIS幹部10人殺害 仏テロ「首謀者」の関係者も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:劇場自爆犯と幼なじみ=パリ同時テロの黒幕? ―死亡のIS幹部 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:花火名に「パリ」は悪趣味? =テロ連想、販売店は困惑―独 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:有志連合とロシアの空爆を一緒にしてはいけない理由 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:有志連合がイスラム国指導者ら10人殺害、パリ攻撃関係者も - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ同時テロ関係者も=IS幹部10人殺害―有志連合空爆 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<米国>ラマディ制圧に祝意 IS掃討作戦、実効性を強調 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ベルギーで大みそかに攻撃計画か、家宅捜索で2人逮捕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:年末テロ計画、2人拘束=ベルギー - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<イラク軍>ラマディほぼ制圧 IS、失地重ね陰り - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:シリア人ジャーナリスト暗殺=IS批判、仏亡命目前―トルコ - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

独ミュンヘン、自爆攻撃情報で駅を閉鎖 数時間後に解除
AFP=時事 1月2日(土)8時34分配信

【AFP=時事】ドイツ警察は、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が新年に合わせた自爆攻撃を計画しているとの情報を受け、南部ミュンヘン(Munich)の2つの鉄道駅を先月31日深夜から1日早朝にかけて一時閉鎖した。

 独当局によると、「テロ攻撃」の可能性があるとの情報は31日午後11時ごろに寄せられ、警察が急きょミュンヘン市内の2つの駅から人々を退避させ、マイクロブログのツイッター(Twitter)でも警報を出した。鉄道は運行を中止し、警察では人の多く集まる場所を避けるよう市民に呼びかけていたが、1日午前3時半ごろ、警戒態勢は解除され、駅も再開された。

 欧州各国の大都市では、昨年11月に約130人が死亡したISによるフランス・パリ(Paris)同時テロ事件を受けて、クリスマスや新年の休暇を狙った新たな攻撃に対する厳戒態勢を敷いている。

 ただ、ミュンヘン警察当局によれば、フランスなど「友好国」からの情報を元に対応を取っているものの、現在のところ具体的な脅威は確認できていないという。

 捜査当局では、ミュンヘン中央駅と市西部のパージング(Pasing)駅の2か所を含む複数の場所で自爆攻撃の計画があるとの情報を得るとともに、「5~7人」の容疑者のうちイラクとシリア出身とみられる数人の名前も入手していたが、証拠は見つからなかったとしている。【翻訳編集】 AFPBB News


新たなテロ警告=仏大統領
時事通信 1月1日(金)20時4分配信

 【パリAFP=時事】フランスのオランド大統領は12月31日、新年の演説を行い「テロは終わっていない」と国民に警告した。
 新たなテロの危険性は「最高度のままだ」と警戒を呼び掛けた。過激派組織「イスラム国」(IS)への空爆を「シリアやイラクにいる悪の根源への攻撃」と強調。空爆の必要性を訴え「敵が受けた打撃は大きい。必要なだけ(空爆を)続ける」と語った。


米国の中のムスリム その真実の姿とは
CNN.co.jp 1月1日(金)17時6分配信

(CNN) パリで起きた同時多発テロや米カリフォルニア州サンバーナディノでの銃乱射事件を背景に、米国に在住するイスラム教徒(ムスリム)に対する風当たりが近年になく強まっている。大統領選で共和党からの指名を目指す実業家のドナルド・トランプ氏は、イスラム教徒の米国への入国を禁止すべきだとの考えを示したが、こうした考えには賛否の声があがっている。

実際のところ、米国に住んでいるイスラム教徒の実態は驚くべきものかもしれない。しかし、それは、トランプ氏やその支持者が考えるようなものとは違った意味でだ。

過去数年に行われたさまざまな世論調査や研究によれば、イスラム教徒は米国で法執行機関がテロの容疑者を見つけ出せるよう重要な役割を果たしている。テロと戦い国を守るために軍務につく者も多い。そして、多くの点で、イスラム教徒も他の米国人と変わらない。

そんな米国の中のイスラム教徒について、「真実の姿」を紹介する。

人口比で見ればごく少数
米国の国勢調査は宗教に関する情報を収集していないため、しっかりとした数字を手に入れることは難しい。しかし、イスラム教徒が大多数を占めて、シャリア(イスラム法)を押し付けてくるということは心配しなくてもよさそうだ。いくつかの試算によれば、米国の成人の人口に占めるイスラム教徒の割合は1%未満。2050年までにこの割合は2.1%に増加するとみられている。米国のイスラム教徒の63%が移民だ。

多くの米国人よりも教育水準が高い
米国のイスラム教徒は主要な宗教グループのなかで、ユダヤ教徒に次いで、2番目に教育水準が高いという。一般的な米国人よりも学位を持っている割合が多い。

性的格差はより小さい
各地のムスリム界では女性は多くの場面で「二流」の地位に追いやられているが、米国では違う。90%が、女性は家庭の外で仕事ができるようになるべきだと考えている。米国の女性のイスラム教徒はイスラム教徒の男性よりも大学や大学院の学位を保有している。さらに、他の宗教グループの女性よりも、専門的な分野で仕事をする可能性が高い。

米国在住は建国以来・・・
学者らの試算によれば、米国に奴隷として連れてこられたアフリカ系(黒人)の4分の1から3分の1がイスラム教徒だった。その多くはキリスト教に改宗させられた。

・・・大都市に集中しているわけではない
米国のイスラム教徒は大都市でも小都市でも全国各地で暮らしている。米国で最初にモスク(イスラム教礼拝所)がたてられた場所はノースダコタ州ロスで、1929年までさかのぼる。

キリスト教徒のように信心深い
イスラム教徒に対する一般的な見方で、ひとつ正しいのは、多くのイスラム教徒は非常に信心深いというものだ。そして、また約半数が毎週金曜日の礼拝に参加するという。こうした点は、キリスト教徒と似ている。キリスト教徒の約70%が人生において宗教が重要だと考えており、約45%が毎週礼拝に通っている。
ただし、思われているほど、教条主義でもない
そうしたイメージの多くはイスラム教原理主義者やコーランの厳格な解釈から生まれた。しかし、米国のイスラム教徒の大部分は違う。調査機関ピュー・リサーチ・センターの調査によれば、米国のイスラム教徒の57%は、イスラム教の教えには1つ以上の解釈の仕方があると考えている。また同様の割合が、他の多くの宗教についても、人々を「永遠の生」へと導いてくれるものだとの認識を示している。

テロに関わったイスラム教徒もいる
米同時多発テロが起きた2001年から2014年まで、109人のイスラム教徒の米国人が米国を標的として攻撃を行った。同時期に、イスラム教徒の米国人によるテロで50人が死亡した。一方で、これ以外の多数の死者が出た銃乱射事件などにより、2014年だけで136人の死者が出ている。

しかし、イスラム教徒はテロに反対している
国内外でテロが発生すると決まって、「ムスリムはこれを糾弾しないのか?」という疑問の声が繰り返し聞かれる。実際のところ、米国内のムスリムはテロを非難しており、その意思を行動で示すケースも多い。デューク大学の調査によれば、米国のムスリムのコミュニティーによって法執行機関に通報されて見つかったテロの容疑者や実行犯は、連邦政府の捜査によって発見された人数よりも多かった。また、調査機関ピュー・リサーチ・センターによれば、イスラム過激派に対する宗教界指導者の非難が十分ではないと答える割合は、米国のイスラム教徒の約半分に上るという。


IS、独南部で自爆テロ計画か=2駅立ち入り一時禁止に
時事通信 1月1日(金)9時32分配信

 【ベルリン時事】ドイツ南部バイエルン州当局は1日、過激派組織「イスラム国」(IS)が州都ミュンヘンの鉄道駅を狙った自爆テロを計画しているとの情報が「友好国の情報機関」から寄せられたことを明らかにした。
 通報を受け、警察は中央駅など2駅を通る列車の運行を停止。構内への立ち入りを一時禁止した。
 AFP通信によると、ISは1日午前0時ごろ、5~7人で2駅に対する自爆テロを計画していたとみられる。警察当局者は、ISが他の場所を標的として襲撃する可能性も排除できないと語った。
 クリスマスから新年にかけて、欧州の主要都市でテロの懸念が高まり、各国当局は警戒を強化。昨年11月に同時テロが起きたフランスのパリや、ベルギーのブリュッセルでは、年越し恒例の花火の打ち上げが中止された。


パリの大晦日・新年ホテル予約30─40%減、同時攻撃影響続く
ロイター 1月1日(金)2時47分配信

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 12月31日、パリのホテルでは大晦日・新年の予約が30─40%減で、同時攻撃の影響が続く。写真はパリのノートルダム寺院前を警戒する兵士。24日撮影(2015年 ロイター/Philippe Wojazer)

[31日 ロイター] - フランスのホテル業界団体(UMIH)は、パリのホテルでは大晦日・新年の週末の予約が30─40%減となっており、11月に発生した同時多発攻撃による影響が終息していないと指摘した。

パリでは安全上の懸念から、元日午前0時に凱旋門で予定されていたライトショーが短縮されたほか、打ち上げ花火も中止された。


<欧州各地>花火中止、金属探知機、広場閉鎖も…厳戒態勢
毎日新聞 2015年12月31日(木)20時1分配信

 【ローマ福島良典】パリの同時多発テロを受けて新たなテロへの懸念が強まる中、新年を迎える欧州各地では多くの人々が集まるイベント会場で厳戒態勢が敷かれたほか、爆発音と間違えやすい花火打ち上げが中止されるなど警戒が広まっている。

 英BBC(電子版)などによると、ベルギーの首都ブリュッセルでは、1日午前0時から始まる新年恒例の打ち上げ花火の中止が決まった。

 イタリアでは、バチカンのサンピエトロ広場、古代ローマ遺跡コロッセオ、年越しコンサートの開催予定地で金属探知機などが設置され、クラッカーなどの持ち込みが禁じられた。

 パリではシャンゼリゼ通りの祝賀イベントが警戒態勢を強化して開かれるが、花火の打ち上げは中止された。モスクワでは「赤の広場」が閉鎖されることになったほか、ベルリンの「ブランデンブルク門」もリュックサックや花火の持ち込みが禁止された。

 トルコ警察は30日、アンカラで新年を祝う人々を狙い自爆テロを計画したとして過激派組織「イスラム国」(IS)関係者とみられる2人を逮捕した。ベルギーの検察も29日、年末年始にブリュッセルでテロを計画した疑いで2人を逮捕。31日にも同様の疑いで6人を拘束した。


欧州テロ厳戒 ベルギー、パリは花火中止 ドイツ西部でもPTSDに配慮し取りやめに
産経新聞 2015年12月31日(木)19時25分配信

 欧州各国の主要都市は31日、テロ警戒のため新年の行事を中止にするなど厳重な警備態勢を敷いた。パリやブリュッセルでは花火の打ち上げが取りやめとなるなど、パリ同時テロの余波が広がった。

 欧州メディアによると、ブリュッセルの行政当局は12月30日、テロの危険があるとして花火などの祝賀行事を中止すると発表。パリ同時テロで犯行グループの拠点となったベルギーでは警戒態勢が続いており、今週には、年末にテロ計画を立てていた疑いがあるとして、男2人が逮捕された。パリでも厳重な警備が敷かれ、花火は中止になったがシャンゼリゼ通りなどでの祝賀行事は例年通り行う。

 一方、シリアなどからの難民や移民の受け入れ施設があるドイツ西部の町では、恒例の花火打ち上げを取りやめた。難民の中には内戦や家を追われた体験から心的外傷後ストレス障害(PTSD)を抱える人が多く、花火の音で内戦を思い起こさせないための措置だという。(ベルリン支局)


仏テロ関与で1人逮捕=ベルギー
時事通信 2015年12月31日(木)19時12分配信

 【ブリュッセル時事】ベルギー検察当局は31日、パリ同時テロに関与した容疑で、男1人を逮捕したと発表した。
 同時テロに関連した逮捕者は10人目となる。
 当局は30日にブリュッセルのモレンベーク地区で家宅捜索を実施、携帯電話機約10台を押収した。武器や爆発物は見つからなかった。
 また当局は31日、年末のブリュッセルを標的にしたテロ攻撃計画が未然に摘発された事件で、新たに6人を拘束したと発表した。同事件で先に拘束されていた2人は逮捕された。ブリュッセルでは、市当局が大みそか恒例の花火大会を直前になって中止するなど、テロへの警戒が強まっている。


<パリ同時多発テロ>アバウド容疑者 潜伏中に警察襲撃計画
毎日新聞 2015年12月31日(木)19時6分配信

 【アテネで田中龍士】パリ同時多発テロ事件の首謀者で、事件後に当局の急襲作戦で死亡したアブデルハミド・アバウド容疑者(当時28歳)が2015年初めにも、アテネを拠点にベルギーの警察を襲撃するテロを計画していたことが分かった。ギリシャ当局は潜伏先のアパート2カ所を強制捜査するなどしたが、逮捕には至らなかった模様だ。

 ギリシャ紙カティメリニによると、ギリシャ当局は2015年1月2日、アバウド容疑者とみられる人物がベルギーでの警察襲撃を計画しているという情報をベルギー当局から受けた。アテネにいるアバウド容疑者が携帯電話でベルギー東部ベルビエに潜む仲間に指示を送っているというものだった。

 他国の情報機関を加えた共同捜査は、アバウド容疑者確保に動いた。ベルギー当局は同15日、ベルビエの潜伏先を捜索。銃撃戦の末に男1人を逮捕、男2人が死亡し、自動小銃AK47や拳銃、警官の制服などを押収した。また、モロッコ系のアバウド容疑者が育ったブリュッセル・モレンベーク地区など数カ所でも捜索を行った。

 一方、ギリシャ当局は同17日、電話会社への照会で携帯電話の発信元を割り出しアテネの中心に近いパグラティ地区のアパートを強制捜査。テロ計画の指示に使われた携帯電話を所持していたアルジェリア人の男(33)を逮捕した。その2日後には北西へ約4キロ離れたセポリア地区のアパートも捜索、フランスの偽造運転免許証などを押収した。

 2カ所のアパート内で採取されたDNA型は、アバウド容疑者と一致した。

 パグラティ地区の売店の店員(42)は、売店の常連客だった男が、強制捜査当日の朝に捜査関係者とみられる私服の男性たちに「車で連行された場面を見た」と毎日新聞の取材に証言した。パリのテロ後に報じられたアバウド容疑者の写真を見た店員は「この男だった」と断言した。

 店員によると、アバウド容疑者とみられる男は別の男が売店前で治安当局者らしい男性に取り押さえられた約15分後に売店を訪れ、「彼を見なかったか」と英語で店員に尋ねた。そこに現れた複数の男性に連行されたが、抵抗せず、軽く笑みを浮かべていたという。警察は翌日、店の防犯カメラの録画記録を押収した。

 複数のメディアは当時、警察筋の情報として4人が拘束され、その中にアバウド容疑者と特徴がよく似た人物が含まれると報じた。だが、ギリシャ警察は「アルジェリア人の男1人を逮捕」とだけ発表した。

 ギリシャ警察は、連行した人物の中にアバウド容疑者が含まれていた可能性について尋ねた毎日新聞の取材に対し、当時の発表内容を示しただけで、明言しなかった。

 アバウド容疑者は、過激派組織「イスラム国」(IS)のウェブ版英字機関誌「ダビク」(2015年2月発行)で「名前も写真も知れ渡っているのに彼らの本拠地に滞在して作戦を計画し、無事去ることができた」「当局者に止められ、凝視されたが写真に似ていなかったようだ」と語っている。

          ◇

 アブデルハミド・アバウド容疑者が拠点にしていたアパートは、アテネのパグラティ地区の住宅街にある。住民によると、平均的家賃は月約170ユーロ(約2万2000円)。潜伏先の部屋には常時4~5人が出入りしていたという。

 アパート近くで八百屋を営むトーマス・アタナソポロスさん(62)は「礼儀正しい青年。1人でトマトなどを少量買いに来ていた」と話した。

 売店の店員(42)は、2015年1月中旬までの約1~2カ月間、「毎朝、たばこ1箱を買いに来た」と話した。青い箱のマールボロ(3・75ユーロ=約500円)を愛用。店員は「支払い時はいつもポケットから札束を出した。金に余裕のある人だと思った」と語る。

 セポリア地区にあるもう一つのアパートは、アフガニスタンなどからの外国人が多く入居していた。近くに住む男性は「彼を2回見た」と話したが、生活していた痕跡は見当たらなかった。


新年花火中止のブリュッセルで6人逮捕 世界各地で警備強化
BBC News 2015年12月31日(木)11時46分配信

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新年花火中止のブリュッセルで6人逮捕 世界各地で警備強化

テロ警戒のため新年祝賀の花火を中止したベルギー・ブリュッセルで31日、大みそかの攻撃計画に関連して警察が6人を逮捕した。検察が明らかにした。ブリュッセルのほかパリ、ロンドン、ベルリン、モスクワ、イスタンブールなど各地で新年行事の警備を強化している。またトルコ警察は、首都アンカラの新年行事を攻撃しようとしていたとして、過激派勢力「イスラム国」(IS)の関係者とされる2人を逮捕した。

ブリュッセルの警察は容疑者6人の身元を明らかにしていないが、モレンベークなどブリュッセル郊外数カ所の一斉捜索で逮捕したという。しかしこれまでのところ、新年行事の攻撃計画は11月13日のパリ連続襲撃とは無関係とみられている。

ブリュッセルの花火など中止決定について、ベルギーのミシェル首相は30日、「入手した情報」にもとづく判断だと説明した。ブリュッセルのマイユール市長は公共放送局RTBFに対して、「31日夜の祝賀は中止すると、内務相と共に判断した」と述べた。市長によると昨年の大みそかには10万人が新年を祝うためにブリュッセルを訪れた。「そういう状況で、ひとりひとり全員調べるわけにはいかない」と市長は行事中止の理由を説明した。

ベルギー当局は29日、新年祝賀イベント攻撃を計画していたとして、テロ未遂の疑いで、30歳の「サイード・S」と29歳の「ムハンマド・K」の2人を逮捕している。検察当局は、2人はパリ連続襲撃とは無関係だとしているが、RTBFによると警察のほかブリュッセルの「象徴的」な場所を攻撃しようとしていたという。

ベルギーのテレビ報道によると、両容疑者は「カミカゼ・ライダー」というオートバイ・グループに所属。このグループはすでに解散したイスラム過激主義団体「シャリア4ベルギー」につながりがあるものの、2013年の調べではテロとは無関係とされた。

2人の逮捕に関連するブリュッセルなどの一斉捜索で警察は、IS関連のプロパガンダ資料や戦闘服、コンピューター機材を押収したという。

ベルギーは11月13日のパリ連続襲撃を受けて、厳重な警戒態勢を敷いている。パリ襲撃の首謀者とされるアブデルハミド・アバウード容疑者はベルギー国籍。ほかに複数の実行犯や共犯が、ベルギーを拠点としていたとみられている。

過激派勢力「イスラム国」(IS)に欧州から参加した人数を人口比で比較すると、ベルギーが最多となっている。

パリは静かに、トルコ警察はサンタに扮して

欧州各地の主要都市では、新年行事に向けて市内の警備を強化している。パリでは、新年の花火は中止となったが、シャンゼリゼでは厳重な警備の下、例年通り新年の祝賀行事は開かれる。凱旋門への映像映写は通常より短時間で終わるが、大人数の集中を避けるために巨大スクリーンを4カ所に設置する。

イダルゴ市長は「華々しいお祝いごとではなく、静かに思いをかみしめながら新年を迎えることにした」と説明した。

トルコでは30日、首都アンカラの新年行事を攻撃する計画の疑いでIS関係者とされる2人を逮捕した。アナトリア通信によると、2人はシリカアらトルコに入り、市内の人ごみ2カ所で攻撃を計画していた。調べによると、複数の場所を家宅捜索したところ、自爆チョッキや爆発物が見つかったという。

アンカラでは今年10月に連続自爆攻撃があり100人以上が死亡した。トルコ政府はISによる攻撃と非難しているが、犯行声明は出されていない。

イスタンブールでも警備が強化されており、地元報道によると一部の警官はサンタクロースなどの扮装で人ごみを警備して回る予定という。

都市によってはテロ攻撃に関する具体的な情報はなくても、警備を強化している。

モスクワでは例年の大みそかには赤の広場に大群衆が集まるが、当局は今年は完全に立ち入り禁止にする方針。

ベルリンではブランデンブルク門前のいわゆる「ファン・マイル」では、花火やバックパックが禁止となり、手荷物は中身を検査されることになった。

ロンドンでは、市主催の花火大会にチケットを買った10万人以上が訪れる予定。ロンドン警視庁は市内中心部に武装警官を含めて3000人を配備する方針だ。警視庁報道官は「あくまでも念のための計画で、何か具体的な情報を得ての対応ではない」と説明した。

(英語記事 Brussels police arrest six over 'New Year terror plot')


ISより大量殺戮、シリアで国民を苦しめる諸悪の根源 イスラム国とシリア情勢、情報の正しい読み解き方(後篇)
JBpress 2015/12/31 11:40 黒井 文太郎

  IS(イスラム国)とシリア情勢をめぐるニュースで、その複雑さから、つい「カン違い」しがちなことが、いくつかある。前回(「有志連合とロシアの空爆はまったく違う」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45646)は、以下の4つの基本的事実を紹介した。

 (1)フランスもアメリカもロシアも、ISを壊滅させる規模の軍事介入をしているわけではない

 (2)有志連合の空爆は、ISの進撃を阻止するのに成功している

 (3)有志連合の空爆が住民の犠牲を抑えるように制限されたものであるのに対して、ロシア軍の空爆は無差別攻撃であり、多くの現地住民が殺害されている

 (4)ロシアはIS討伐を口実に、実際には反ISのシリア反体制派を攻撃している

  今回は、その他の誤解されがちな3つの基本的事実を紹介したい

■(5)諸悪の根源はISより、むしろアサド政権である

  現在、欧州に殺到しているシリア難民が大きなニュースになっている。彼らがなぜ欧州を目指すのかというと、シリアにいては空爆によって生命が危険であり、さらに周辺国の難民キャンプでの生活が劣悪だからである。まさに生存のための逃避行だ。

  もともと全人口が約2200万人程度のシリアで、住居を逃げ出して難民あるいは国内避難民となっている人は、約1100万人を超えている。国民のほぼ半分が流浪の民と化しているわけだが、それだけ彼らは日常的に生命の危機にさらされているということである。
  では、彼らを殺しまくっているのは誰か?  これについて誤解している人が非常に多い。多くの読者の方は、シリア難民のほとんどはISから逃げたのだろうと考えていると思うが、事実は大きく違う。彼らが難民化する最大の理由は、アサド政権による住民への無差別攻撃から逃れるためなのである。

  これは、斬首動画をネットに公開したり、外国人の人質を惨殺したり、海外でのテロを扇動したりするなどの過激な行動から、ISが大きくニュースに登場したため、相対的にアサド政権の暴虐があまり報じられていないことが背景にある。

  例えばシリア人権監視団によると、アサド政権は2014年10月20日から2015年11月20日までの13カ月間に、4万2234件の空爆によって、実に6889人の民間人を殺害してきたという(うち女性は969人、子供は1436人)。この空爆の内訳は、軍用機による空襲が1万9864件、樽爆弾による無差別攻撃が2万2370発である。

  また、2015年10月にシリア全土で確認された民間人犠牲者960人(うち女性が135人、子供が191人)のうち、アサド政権とロシア軍の空爆で殺害されたのは495人(うち女性が70人、子供が130人)、アサド政権の刑務所で拷問死した民間人が51人、アサド政権やトルコ軍の砲撃あるいは爆弾テロなどで殺害されたのが330人(うち女性は45人、子供は42人)となっている。最後の330人の内訳は不明だが、攻撃頻度から考えてアサド政権の砲撃が主であることは疑いなく、合計すると10月だけで民間人犠牲者960人中おそらく700~800人程度はアサド政権とロシア軍に殺害されたものとみていいだろう。

  これに対し、ISに処刑された民間人は30人。有志連合の空爆で殺害された民間人は2人、ISや反IS系反体制派、クルド民兵などの砲撃で殺害された民間人は39人である。アサド政権と、ISあるいはその他の反体制派による犠牲者数は、桁がひとつ違うほど大差がついているのだ。

  また、同様にその前月の2015年9月をみても、民間人死者1201人(うち女性が141人、子供が257人)のうち、アサド政権の空爆によるものが489人(うち女性が66人、子供が104人。なお、これにアサド政権による砲撃の犠牲者は含まれない)、ISによる処刑が41人(うち女性4人)、有志連合の空爆によるものが18人である。

  同じく8月をみると、民間人死者1205人のうち、アサド政権に殺害された人が実に965人を占めている。それに対し、ISを含む諸勢力の砲撃で殺害された人は162人、ISに処刑されたのは32人に留まる。

  つまり、ISや反体制派よりも圧倒的にアサド政権による一般住民の被害が大きいということが、こうした調査からも裏づけられる。

  シリア人権監視団によると、2011年3月18日から2015年10月15日までの約4年半でのシリア内戦での犠牲者総数は25万0124人。そのうち民間人の犠牲者は11万5627人(うち女性が8062人、子供が1万2517人)である。

  これらの民間人被害の圧倒的多数が、上記したようにアサド政権によるものだが、そこにカウントされた以外でも、同団体の報告によれば、アサド政権に拘留されて生死が不明な人が2万人以上、政府軍の進撃の後に行方不明となった住民が数千人もいるという。

  他方、同団体の調査では、2014年6月にISがカリフ国宣言をして以降、2015年10月末までにISに処刑された民間人は1941人という。決して少ない数字ではないが、アサド政権による暴虐に比べたら桁違いに小さい。IS以外の反体制派による民間人殺害も、同様にアサド政権による大量殺人とは比較にならない。

  他方、シリア人権ネットワークの統計では、アサド政権による民間人殺害が、10月末までに18万879人に達している(※人権監視団と人数が違うが、シリアでは一般住民のなかに、フルタイムの反政府軍戦闘員でない地元の自警団や自治組織に近い微妙な立場の人々も多くいることなどによるカウントの違いがあるようだ)。

  それに比べて、反体制派(反IS系イスラム過激派「ヌスラ戦線」を除く)によるものが2669人、ISによるものが1712人、クルド人勢力によるものが379人、ヌスラ戦線によるものが347人、ロシア軍によるものが263人、有志連合によるものが251人である。

  また、同じく11月末までの統計では、拘留後の拷問死が、アサド政権によって1万1644人、ISによって22人、クルド人勢力によって15人、(ヌスラ戦線を除く)反体制派によって15人、ヌスラ戦線によって12人である。

  もとより紛争地域で正確な調査は困難であるし、統計の仕方にも各団体で違いはあるが、それでもこれだけ数字に大差がついていれば、殺戮の構図は一目瞭然である。さまざまな勢力が入り乱れて殺し合っているシリア内戦において、民間人を桁違いに殺しているのがアサド政権であることは明白だ。

  シリアで日常的に起きていることは、住民たちが、次々とアサド政権に無残に殺害されているという地獄図なのである。

  こうして家族や親族、友人を理不尽に殺害された人々は、命がけの抵抗を続けるだろう。その中にはイスラム過激派に身を投じる人もいる。仮に軍事的にISの勢力を封じ込めたとしても、アサド政権が続くかぎり、状況が収束することはないだろう。

  アサド大統領の側も、これほど国民を殺害してきた以上、権力を失うことは死を意味する。独裁は刃向かう者を殲滅することでのみ存続できるシステムだ。アサド政権は自身のサバイバルのため、今後も住民の殺戮をどこまでも継続していくだろう。

  こうしてシリアはひどい状況が続くことになるが、このように諸悪の根源はアサド政権なのである。

■(6)どの国も、自ら望んでISを空爆しているわけではない

  反米陰謀論的な言説の中には、例えばアメリカが金儲けのためにシリアを空爆しているとの言説も散見されるが、典型的な根拠なき推測である。

  米国防総省によれば、イラクとシリアでの空爆のため、2014年8月の空爆開始以降、米政府はこの12月までに52億ドルを支出している。ISのテロを抑えるという安全保障上の動機はあるが、それはアメリカだけの問題ではない。

  シリア内戦に関しては、直接的にはアメリカの安全保障上の脅威ですらない。アメリカは2014年6月にイラクの首都バグダッドやクルド自治区の中心都市アルビルの近郊までISが迫ったことから、ようやく撤退したはずのイラクでの軍事的プレゼンスをしかたなく復活させた。シリアでの空爆はその延長にある。つまり、できればあまり関わりたくないところを、無理やり引きずり出されたようなものだ。

  フランスも、アメリカに同調するかたちでイラクとシリアでの空爆に参加したが、きわめて小さな活動にすぎなかった。それが11月のパリ同時多発テロで多大な犠牲を出したことで、ISへの報復攻撃に乗り出さざるを得なくなった。フランスの空爆は政治的な意味合いが強く、本気でISを潰すことを狙うような規模にはならないが、それもフランス政府としては、テロによって引きずり出されたかたちである。

  ロシアもまた、自分から望んで参戦したわけではない。事実上の同盟関係にあるアサド政権が、反体制派の攻勢で劣勢に陥り、イランとともにそのテコ入れのために軍事介入に動かざるをえなくなった。

  このロシアの決断には、おそらくNATOの介入を避ける意味もある。ロシアが空爆を開始する直前の8月に、アメリカとトルコがシリア北部の一部地域を「安全保障地帯」化することに合意していたからだ。アメリカとトルコがシリア北部に少しでも軍事的プレゼンスを展開するということは、すなわちNATOが介入するということであり、そうなればロシアとしては後から介入するリスクが限りなく高くなる。

  ロシアはこうした事態を避けるため、先手を打って軍事介入を行わざるを得なかった。ISへの空爆は、アサド政権支援の口実である。

  ロシアは今、原油安の影響と、ウクライナ問題での西側の経済制裁で非常に経済が厳しい状況にある。ところがロシア空爆によっても反体制派は壊滅せず、アサド政権は一部で勢力を盛り返したものの、全体的にはいまだ勝利できていない。

ISより大量殺戮、シリアで国民を苦しめる諸悪の根源 イスラム国とシリア情勢、情報の正しい読み解き方(後篇)
JBpress 2015/12/31 11:40 黒井 文太郎
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  ロシアとしては、アサド政権を防衛するためには長期にわたって軍事介入しなければならない状況だが、ロシアにとっての勝利は見えず、完全に泥沼にはまりつつあるといえる。

■(7)ロシアと有志連合は仲間ではない

  ロシアは反体制派への攻撃に有志連合を介入させないため、対ISの空爆作戦での協調を盛んに有志連合、とくにアメリカとフランスに持ちかけている。フランスもアメリカも、ロシアが反体制派への攻撃ではなく、対IS攻撃に軸足をシフトするなら、そこに限定して協力関係を容認してもいいという意向を示している。

  そのため「ロシアと有志連合はかなり接近している」との印象の言説が散見されるが、基本的に有志連合とロシアはシリア内戦において敵同士であり、その構図は変わっていない。また、ロシアが対IS戦でのキープレイヤーとしているアサド政権について、有志連合側は協力を一貫して拒否している。

  12月18日、国連安保理では、シリア和平案が合意された。停戦から、将来的に選挙による新体制への移行までの民主化プログラムである。このため、和平が着実に進んでいるかのような印象を持った人もいるかもしれないが、実際にはそうではない。ロシアはアサド政権の存続を前提とし、米英仏はアサド退陣が前提で、そこに歩み寄りはない。

  欧米主要国を恐れるアサド政権と、アサド政権の存続を狙うロシアは、盛んに有志連合との協力が進んでいるかのような印象の情報を発信しているが、彼らの願望にすぎない。和平交渉を実行するにあたり、アメリカ側が「アサド大統領の即時退陣」から「交渉プロセスを通じて退陣」に若干歩み寄ったことで、さもアメリカはアサド容認に転じたかのような言説が散見されるが、そういうことではない。

  実際のところ、オバマ大統領は対ISを優先し、ロシアとの駆け引きのために事実上のアサド去就問題の棚上げともいえる政策をとっているが、仮にも民主制度の指導者が、アサド大統領のように、ここまで自国民を大量殺害した戦争犯罪人を公式に容認することはできまい。

  オバマ大統領とすれば、アサド大統領はともかく、ロシアのプーチン大統領とは交渉したいと考えているかもしれないが、対外政策で強硬路線を貫くプーチン大統領との妥協の余地はあまりない。

■アサド政権とロシアのプロパガンダの手法

  シリア情勢のニュースが分かりづらい1つの要因に、アサド政権とロシアによるプロパガンダが一部で拡散していることもある。典型例が次の2点だ。

 「反体制派も多くの住民を殺害しており、住民の支持を得ていない」
「欧米と湾岸産油国が武器を持ち込んで内戦を煽った」

  これらはいずれも、「一部の情報をさも全体のように誇張」する典型的なプロパガンダの手法である。

  たとえば前者でいえば、前述したように、反体制派による民間人殺害は実際に起きている。しかし、その比率はアサド政権によるものとは桁違いに少ない。反体制派による民間人殺害が、全体からすれば例外的な事例に留まるのに対し、アサド政権は住民の虐殺そのものを「政策」として組織的に大規模に行っている。「どっちもどっち」ではないのだ。

  また、後者でいえば、これも多少はあるものの、その数がきわめて小さいことは、シリア国内から伝えられる動画から明らかである。2015年夏頃からサウジアラビアが反体制派に供与しているとみられる米国製対戦車ミサイルが出回ってきたことが、それらの動画から伺えるが、それ以前は反体制派の武器の主流は、アサド政府軍から鹵獲(ろかく)したものが中心だった。

  こうしたことは、現地から日々膨大にアップされている動画から読み取れる。いまや現地ではスマートフォンが広く流通しており、現地から証拠性のきわめて高い動画がリアルタイムでネット上にあげられているのだ。

  アサド政権による無差別空爆(とくに樽爆弾によるもの)とロシア軍による空爆によって、今でも一般住民が毎日、数十人の規模で殺害され続けていることも、大量にアップされている動画によって証明されている。

  それに対し、ISを除く反体制派の暴力を喧伝する情報など、アサド政権やロシアを擁護する情報には、証拠動画の裏づけがほとんどない。多くはアサド政権、ロシア、イランの政権御用メディアの根拠なき主張だけに基づいている。

  こうした初歩的なプロパガンダを見分けるコツは、情報の根拠をチェックし、ネット上の証拠動画の傾向が分析されているか否か、あるいはそうした分析に論拠が基づいているか否かを確認することだろう。


ベルギー首都、テロ懸念で新年の花火中止
AFP=時事 2015年12月31日(木)9時43分配信

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ベルギー首都ブリュッセルのモレンベーク地区で、パリ同時テロ事件と関連した捜索を行う警察官ら(2015年12月30日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】ベルギー当局は30日、イスラム過激派が年末年始に首都ブリュッセル(Brussels)を狙った攻撃を計画していた疑いが明らかになったことを受け、同市中心地で毎年大みそかに行われてきた祝賀イベントと花火を中止すると発表した。

新年行事狙い攻撃計画か、ベルギーで2人逮捕

 欧州連合(EU)や北大西洋条約機構(NATO)の本部があるブリュッセルでは、11月13日の仏パリ(Paris)同時テロ事件に関与した男らと同市との関連が判明して以降、厳重警戒態勢が続いている。

 新年行事を中止した理由について、イバン・マヨール(Yvan Mayeur)市長は、イベント参加者全員の検査をすることは不可能で、「いかなる危険も冒すべきではない」と説明した。

 当局は29日、新年イベントでブリュッセルの「象徴的な場所」を標的とした攻撃を計画していたとして、2人を逮捕したと発表していた。

 捜査関係筋がAFPに語ったところによると、当局はこの攻撃計画にバイク集団「カミカゼ・ライダーズ(Kamikaze Riders)」が関与していた可能性の有無を調べている。

 ベルギーメディアは、テロ行為との関連容疑で身柄を拘束された2人のうちの1人は「カミカゼ・ライダーズ」の創設者だと報じている。【翻訳編集】 AFPBB


大みそかの花火イベント中止=テロ警戒で―ブリュッセル
時事通信 2015年12月31日(木)7時19分配信

 【ブリュッセルAFP=時事】ベルギーの首都ブリュッセルのマイユール市長は30日、毎年大みそかに市中心部の広場で行われる恒例の花火打ち上げと、予定されていた全ての行事について、安全上の理由で中止すると発表した。
 公共放送RTBFで述べた。
 市長は「危機管理センターの分析の結果、残念ながら花火とイベントを中止せざるを得ない」と表明。「来場者全員を検査できるかどうか保証できない。危険を冒さない方が良い」と理解を求めた。
 ブリュッセルは11月13日のパリ同時テロ以降、高いテロ警戒レベルが続いている。2014年の大みそかの花火には、約10万人が訪れた。


ISより大量殺戮、シリアで国民を苦しめる諸悪の根源
JBpress 2015年12月31日(木)6時10分配信

 IS(イスラム国)とシリア情勢をめぐるニュースで、その複雑さから、つい「カン違い」しがちなことが、いくつかある。前回(「有志連合とロシアの空爆はまったく違う」http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/45646)は、以下の4つの基本的事実を紹介した。

 (1)フランスもアメリカもロシアも、ISを壊滅させる規模の軍事介入をしているわけではない

 (2)有志連合の空爆は、ISの進撃を阻止するのに成功している

 (3)有志連合の空爆が住民の犠牲を抑えるように制限されたものであるのに対して、ロシア軍の空爆は無差別攻撃であり、多くの現地住民が殺害されている

 (4)ロシアはIS討伐を口実に、実際には反ISのシリア反体制派を攻撃している

 今回は、その他の誤解されがちな3つの基本的事実を紹介したい

■ (5)諸悪の根源はISより、むしろアサド政権である

 現在、欧州に殺到しているシリア難民が大きなニュースになっている。彼らがなぜ欧州を目指すのかというと、シリアにいては空爆によって生命が危険であり、さらに周辺国の難民キャンプでの生活が劣悪だからである。まさに生存のための逃避行だ。

 もともと全人口が約2200万人程度のシリアで、住居を逃げ出して難民あるいは国内避難民となっている人は、約1100万人を超えている。国民のほぼ半分が流浪の民と化しているわけだが、それだけ彼らは日常的に生命の危機にさらされているということである。

 では、彼らを殺しまくっているのは誰か?  これについて誤解している人が非常に多い。多くの読者の方は、シリア難民のほとんどはISから逃げたのだろうと考えていると思うが、事実は大きく違う。彼らが難民化する最大の理由は、アサド政権による住民への無差別攻撃から逃れるためなのである。

 これは、斬首動画をネットに公開したり、外国人の人質を惨殺したり、海外でのテロを扇動したりするなどの過激な行動から、ISが大きくニュースに登場したため、相対的にアサド政権の暴虐があまり報じられていないことが背景にある。

 例えばシリア人権監視団によると、アサド政権は2014年10月20日から2015年11月20日までの13カ月間に、4万2234件の空爆によって、実に6889人の民間人を殺害してきたという(うち女性は969人、子供は1436人)。この空爆の内訳は、軍用機による空襲が1万9864件、樽爆弾による無差別攻撃が2万2370発である。

 また、2015年10月にシリア全土で確認された民間人犠牲者960人(うち女性が135人、子供が191人)のうち、アサド政権とロシア軍の空爆で殺害されたのは495人(うち女性が70人、子供が130人)、アサド政権の刑務所で拷問死した民間人が51人、アサド政権やトルコ軍の砲撃あるいは爆弾テロなどで殺害されたのが330人(うち女性は45人、子供は42人)となっている。最後の330人の内訳は不明だが、攻撃頻度から考えてアサド政権の砲撃が主であることは疑いなく、合計すると10月だけで民間人犠牲者960人中おそらく700~800人程度はアサド政権とロシア軍に殺害されたものとみていいだろう。

 これに対し、ISに処刑された民間人は30人。有志連合の空爆で殺害された民間人は2人、ISや反IS系反体制派、クルド民兵などの砲撃で殺害された民間人は39人である。アサド政権と、ISあるいはその他の反体制派による犠牲者数は、桁がひとつ違うほど大差がついているのだ。

 また、同様にその前月の2015年9月をみても、民間人死者1201人(うち女性が141人、子供が257人)のうち、アサド政権の空爆によるものが489人(うち女性が66人、子供が104人。なお、これにアサド政権による砲撃の犠牲者は含まれない)、ISによる処刑が41人(うち女性4人)、有志連合の空爆によるものが18人である。

 同じく8月をみると、民間人死者1205人のうち、アサド政権に殺害された人が実に965人を占めている。それに対し、ISを含む諸勢力の砲撃で殺害された人は162人、ISに処刑されたのは32人に留まる。

 つまり、ISや反体制派よりも圧倒的にアサド政権による一般住民の被害が大きいということが、こうした調査からも裏づけられる。

 シリア人権監視団によると、2011年3月18日から2015年10月15日までの約4年半でのシリア内戦での犠牲者総数は25万0124人。そのうち民間人の犠牲者は11万5627人(うち女性が8062人、子供が1万2517人)である。

 これらの民間人被害の圧倒的多数が、上記したようにアサド政権によるものだが、そこにカウントされた以外でも、同団体の報告によれば、アサド政権に拘留されて生死が不明な人が2万人以上、政府軍の進撃の後に行方不明となった住民が数千人もいるという。

 他方、同団体の調査では、2014年6月にISがカリフ国宣言をして以降、2015年10月末までにISに処刑された民間人は1941人という。決して少ない数字ではないが、アサド政権による暴虐に比べたら桁違いに小さい。IS以外の反体制派による民間人殺害も、同様にアサド政権による大量殺人とは比較にならない。

 他方、シリア人権ネットワークの統計では、アサド政権による民間人殺害が、10月末までに18万879人に達している(※人権監視団と人数が違うが、シリアでは一般住民のなかに、フルタイムの反政府軍戦闘員でない地元の自警団や自治組織に近い微妙な立場の人々も多くいることなどによるカウントの違いがあるようだ)。

 それに比べて、反体制派(反IS系イスラム過激派「ヌスラ戦線」を除く)によるものが2669人、ISによるものが1712人、クルド人勢力によるものが379人、ヌスラ戦線によるものが347人、ロシア軍によるものが263人、有志連合によるものが251人である。

 また、同じく11月末までの統計では、拘留後の拷問死が、アサド政権によって1万1644人、ISによって22人、クルド人勢力によって15人、(ヌスラ戦線を除く)反体制派によって15人、ヌスラ戦線によって12人である。

 もとより紛争地域で正確な調査は困難であるし、統計の仕方にも各団体で違いはあるが、それでもこれだけ数字に大差がついていれば、殺戮の構図は一目瞭然である。さまざまな勢力が入り乱れて殺し合っているシリア内戦において、民間人を桁違いに殺しているのがアサド政権であることは明白だ。

 シリアで日常的に起きていることは、住民たちが、次々とアサド政権に無残に殺害されているという地獄図なのである。

 こうして家族や親族、友人を理不尽に殺害された人々は、命がけの抵抗を続けるだろう。その中にはイスラム過激派に身を投じる人もいる。仮に軍事的にISの勢力を封じ込めたとしても、アサド政権が続くかぎり、状況が収束することはないだろう。

 アサド大統領の側も、これほど国民を殺害してきた以上、権力を失うことは死を意味する。独裁は刃向かう者を殲滅することでのみ存続できるシステムだ。アサド政権は自身のサバイバルのため、今後も住民の殺戮をどこまでも継続していくだろう。

 こうしてシリアはひどい状況が続くことになるが、このように諸悪の根源はアサド政権なのである。

■ (6)どの国も、自ら望んでISを空爆しているわけではない

 反米陰謀論的な言説の中には、例えばアメリカが金儲けのためにシリアを空爆しているとの言説も散見されるが、典型的な根拠なき推測である。

 米国防総省によれば、イラクとシリアでの空爆のため、2014年8月の空爆開始以降、米政府はこの12月までに52億ドルを支出している。ISのテロを抑えるという安全保障上の動機はあるが、それはアメリカだけの問題ではない。

 シリア内戦に関しては、直接的にはアメリカの安全保障上の脅威ですらない。アメリカは2014年6月にイラクの首都バグダッドやクルド自治区の中心都市アルビルの近郊までISが迫ったことから、ようやく撤退したはずのイラクでの軍事的プレゼンスをしかたなく復活させた。シリアでの空爆はその延長にある。つまり、できればあまり関わりたくないところを、無理やり引きずり出されたようなものだ。

 フランスも、アメリカに同調するかたちでイラクとシリアでの空爆に参加したが、きわめて小さな活動にすぎなかった。それが11月のパリ同時多発テロで多大な犠牲を出したことで、ISへの報復攻撃に乗り出さざるを得なくなった。フランスの空爆は政治的な意味合いが強く、本気でISを潰すことを狙うような規模にはならないが、それもフランス政府としては、テロによって引きずり出されたかたちである。

 ロシアもまた、自分から望んで参戦したわけではない。事実上の同盟関係にあるアサド政権が、反体制派の攻勢で劣勢に陥り、イランとともにそのテコ入れのために軍事介入に動かざるをえなくなった。

 このロシアの決断には、おそらくNATOの介入を避ける意味もある。ロシアが空爆を開始する直前の8月に、アメリカとトルコがシリア北部の一部地域を「安全保障地帯」化することに合意していたからだ。アメリカとトルコがシリア北部に少しでも軍事的プレゼンスを展開するということは、すなわちNATOが介入するということであり、そうなればロシアとしては後から介入するリスクが限りなく高くなる。

 ロシアはこうした事態を避けるため、先手を打って軍事介入を行わざるを得なかった。ISへの空爆は、アサド政権支援の口実である。

 ロシアは今、原油安の影響と、ウクライナ問題での西側の経済制裁で非常に経済が厳しい状況にある。ところがロシア空爆によっても反体制派は壊滅せず、アサド政権は一部で勢力を盛り返したものの、全体的にはいまだ勝利できていない。

 ロシアとしては、アサド政権を防衛するためには長期にわたって軍事介入しなければならない状況だが、ロシアにとっての勝利は見えず、完全に泥沼にはまりつつあるといえる。

■ (7)ロシアと有志連合は仲間ではない

 ロシアは反体制派への攻撃に有志連合を介入させないため、対ISの空爆作戦での協調を盛んに有志連合、とくにアメリカとフランスに持ちかけている。フランスもアメリカも、ロシアが反体制派への攻撃ではなく、対IS攻撃に軸足をシフトするなら、そこに限定して協力関係を容認してもいいという意向を示している。

 そのため「ロシアと有志連合はかなり接近している」との印象の言説が散見されるが、基本的に有志連合とロシアはシリア内戦において敵同士であり、その構図は変わっていない。また、ロシアが対IS戦でのキープレイヤーとしているアサド政権について、有志連合側は協力を一貫して拒否している。

 12月18日、国連安保理では、シリア和平案が合意された。停戦から、将来的に選挙による新体制への移行までの民主化プログラムである。このため、和平が着実に進んでいるかのような印象を持った人もいるかもしれないが、実際にはそうではない。ロシアはアサド政権の存続を前提とし、米英仏はアサド退陣が前提で、そこに歩み寄りはない。

 欧米主要国を恐れるアサド政権と、アサド政権の存続を狙うロシアは、盛んに有志連合との協力が進んでいるかのような印象の情報を発信しているが、彼らの願望にすぎない。和平交渉を実行するにあたり、アメリカ側が「アサド大統領の即時退陣」から「交渉プロセスを通じて退陣」に若干歩み寄ったことで、さもアメリカはアサド容認に転じたかのような言説が散見されるが、そういうことではない。

 実際のところ、オバマ大統領は対ISを優先し、ロシアとの駆け引きのために事実上のアサド去就問題の棚上げともいえる政策をとっているが、仮にも民主制度の指導者が、アサド大統領のように、ここまで自国民を大量殺害した戦争犯罪人を公式に容認することはできまい。

 オバマ大統領とすれば、アサド大統領はともかく、ロシアのプーチン大統領とは交渉したいと考えているかもしれないが、対外政策で強硬路線を貫くプーチン大統領との妥協の余地はあまりない。

■ アサド政権とロシアのプロパガンダの手法

 シリア情勢のニュースが分かりづらい1つの要因に、アサド政権とロシアによるプロパガンダが一部で拡散していることもある。典型例が次の2点だ。

 「反体制派も多くの住民を殺害しており、住民の支持を得ていない」
「欧米と湾岸産油国が武器を持ち込んで内戦を煽った」

 これらはいずれも、「一部の情報をさも全体のように誇張」する典型的なプロパガンダの手法である。

 たとえば前者でいえば、前述したように、反体制派による民間人殺害は実際に起きている。しかし、その比率はアサド政権によるものとは桁違いに少ない。反体制派による民間人殺害が、全体からすれば例外的な事例に留まるのに対し、アサド政権は住民の虐殺そのものを「政策」として組織的に大規模に行っている。「どっちもどっち」ではないのだ。

 また、後者でいえば、これも多少はあるものの、その数がきわめて小さいことは、シリア国内から伝えられる動画から明らかである。2015年夏頃からサウジアラビアが反体制派に供与しているとみられる米国製対戦車ミサイルが出回ってきたことが、それらの動画から伺えるが、それ以前は反体制派の武器の主流は、アサド政府軍から鹵獲(ろかく)したものが中心だった。

 こうしたことは、現地から日々膨大にアップされている動画から読み取れる。いまや現地ではスマートフォンが広く流通しており、現地から証拠性のきわめて高い動画がリアルタイムでネット上にあげられているのだ。

 アサド政権による無差別空爆(とくに樽爆弾によるもの)とロシア軍による空爆によって、今でも一般住民が毎日、数十人の規模で殺害され続けていることも、大量にアップされている動画によって証明されている。

 それに対し、ISを除く反体制派の暴力を喧伝する情報など、アサド政権やロシアを擁護する情報には、証拠動画の裏づけがほとんどない。多くはアサド政権、ロシア、イランの政権御用メディアの根拠なき主張だけに基づいている。

 こうした初歩的なプロパガンダを見分けるコツは、情報の根拠をチェックし、ネット上の証拠動画の傾向が分析されているか否か、あるいはそうした分析に論拠が基づいているか否かを確認することだろう。


空爆で「イスラム国」幹部10人殺害…米発表
読売新聞 2015年12月30日(水)20時54分配信

 【ワシントン=尾関航也】米国防総省は29日、イスラム過激派組織「イスラム国」に対するシリアとイラクでの空爆作戦で、過去1か月間に中堅幹部10人を殺害したと発表した。

 このうち24日の空爆で死亡したシャラフ・アル・ムアダン容疑者ら少なくとも2人は、11月のパリ同時テロの実行犯グループと直接的なつながりを持ち、欧米を狙った新たなテロを計画していたとしている。

 イラク駐留米軍のウォレン報道官は記者会見で「指揮統制ができる人員がいなければ組織の活動能力は低下する」と述べ、今後も幹部を標的にした空爆に力点を置く考えを示した。


<IS掃討作戦>空爆1カ月で幹部10人殺害 有志国連合
毎日新聞 2015年12月30日(水)20時17分配信

 【ワシントン西田進一郎】過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦を進める有志国連合司令部のウォレン報道官は29日、ビデオ回線を通じた記者会見で、過去1カ月間に空爆でISの幹部10人を殺害したと明らかにした。11月のパリ同時多発テロの首謀者で、仏治安当局の急襲作戦で死亡したアブデルハミド・アバウド容疑者と直接つながりがあった幹部も含まれている。欧米への新たなテロを計画していたという。

 ウォレン氏によると、幹部10人は今月7日から27日の間の攻撃で死亡した。

 アバウド容疑者と直接つながりがあったのは、シャラフ・アル・ムアダン幹部でシリア国内で24日に殺害した。26日にイラクで殺害したアブドゥル・カデル・ハキム幹部も、欧米を標的とした攻撃を企画・実行するISのグループの一員だったという。


フランス、欧州委に偽造シリア旅券の取締り強化を要請
ロイター 2015年12月30日(水)14時23分配信

[パリ 29日 ロイター] - フランスは、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会に対し、シリアの偽造パスポート(旅券)の取り締まり強化を要請した。11月のパリ同時攻撃の一部容疑者が、シリアの偽造パスポートを所持していたことを受けた動き。

カズヌーブ内相は欧州委宛ての書簡で、欧州の入り口であるギリシャ、イタリアなどの窓口で、旅券などを審査する設備の精度を向上させ、入国審査を強化することを要請した。

書簡によると、過激派組織「イスラム国」の支配下にある地域の行政施設から盗まれた未使用の旅券が出回っている。それに名前や写真を加えた旅券を偽造と見極めるのは困難で「EUの入り口で難民が提出した書類をチェックすることは極めて重要かつ懸念される問題」としている。

仏内務省関係者は、カズヌーブ内相の提案が1月のEU法務・内務相理事会で討議されることに期待を示した。


米軍主導の有志連合、空爆でISIS指導者10人を殺害
CNN.co.jp 2015年12月30日(水)13時34分配信

(CNN) 過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」と戦う米軍主導の有志連合は、29日までの3週間の空爆でISISの幹部10人を殺害したと発表した。このうち1人は、先月パリで起きた同時多発テロの首謀者と近い立場にあったとされる。

有志連合のウォーレン報道官によると、死亡したのはイラクとシリアで活動していた幹部10人。うち数人は欧米に対するテロ攻撃を計画していた疑いがある。

シリアを拠点としていたシャラフ・ムアダン容疑者は、24日の空爆で死亡した。同報道官によるとムアダン容疑者は、パリ同時テロの首謀者とされるベルギー生まれのアブデルアミド・アバウド容疑者と直接つながりを持ち、欧米を標的にさらなるテロを計画していた。

アバウド容疑者は、警察がパリ北郊サンドニで行った急襲作戦で死亡した。事件直前にムアダン容疑者と連絡を取っていたとされる。

このほかの9人も今月7日以降に殺害された。欧米へのテロ計画のほか、ISISによる資金集めやハッキング行為にかかわっていたとみられる。

ウォーレン報道官は「指揮を取る人物がいなくなれば、その組織は統制が困難になる」と述べ、ISISに与えた打撃の大きさを強調した。

同時に「まだヘビの頭を切り落としてはいない。牙は残っている。さらに戦い続ける必要がある」とも語った。

一方、パリ同時テロの捜査状況に詳しい情報筋がCNNに語ったところによると、仏捜査当局はムアダン容疑者がISIS内で幹部の地位にあったとは考えていない。同時テロの数日前に犯人らと連絡を取っていた形跡はあるものの、事件自体にどの程度関与したかはまだはっきりしていないという。

同時テロの現場となったコンサートホールに居合わせた生存者によると、実行犯の1人が犯行の最中、もう1人に「スレイマンに電話するのか」と尋ねていた。スレイマンはムアダン容疑者の別名のひとつとして知られる。尋ねられた相手は「いや」と答え、フランス語でなくアラビア語で話すよう注意したという。

同情報筋によれば、ムアダン容疑者はコンサートホールの実行犯の1人と親交があり、2人とも2012年にテロ容疑で取り調べを受けていた。仏紙によると、同容疑者は13年、フランスからシリアへ渡航していたことも分かっている。


ニューヨーク、テロや混乱阻止に厳戒態勢 年越しイベント控え
ロイター 2015年12月30日(水)12時53分配信

[ニューヨーク 29日 ロイター] - 米ニューヨークでは、恒例の年越しイベントに向けて例年以上の厳戒態勢が敷かれている。記者会見を開いたデブラシオ市長は「準備万端だ。われわれはテロを阻止し、いかなる事態が起きても対処できる、全米で最も態勢が整った都市だ」と自信を示した。

タイムズ・スクエアで大みそかに開催されるカウントダウン・イベントには、約100万人が集まると予想されている。

今年、イスラム教過激派が関与したとみられる仏パリやカリフォルニア州での襲撃事件を受け、同市はテロ対策チームを発足させた。イベント会場近辺には通常より多い約6000人の武装警官が配置される。


有志連合とロシアの空爆を一緒にしてはいけない理由 イスラム国とシリア情勢、情報の正しい読み解き方(前篇)
JBpress 2015/12/30 11:55 黒井 文太郎

  イスラム国やシリア情勢に関するニュースはちょっと複雑だ。

  IS(イスラム国)という「悪役」がいて、それをなんとかしないといけないということで各国が動いているのは事実だが、それだけの単純な構図ではない。アメリカ、ロシア、フランス、トルコ、サウジアラビア、シリアのアサド政権、シリアの反体制派各派、イラク政府、クルド人勢力、イランなどの各勢力が、それぞれ別々の思惑で動いていて、非常に複雑な背景があるからである。

  そのため報道の表面だけに接していると、なんとなく「カン違い」してしまいがちなことがいくつかある。そこで、とくにISを含むシリア情勢の問題について考える際に、まず知っておきたい基本的なことを挙げてみよう。ポイントは7つある。前篇と後篇の2回に分けて解説する。

■(1)どの国も、ISを壊滅させる規模の軍事介入をしているわけではない

  有志連合やロシアによるIS攻撃の話題がしばしば報道されるので、まるで諸外国が大規模な攻撃をISに加え、殲滅作戦を開始するようなイメージを持つ人もいるかもしれない。9・11テロ後の対タリバン戦や、2003年のイラク戦争のようなイメージだ。

  しかし、それはまったく違う。有志連合を率いるアメリカに、もとよりそんな気はなく、オバマ大統領はシリアでの米軍地上部隊の作戦を一貫して否定している。アメリカがたいして動かないなか、例えばフランスが突出して行動するわけもない。
  ISに対しては、米軍を中心とする有志連合が2014年8月からイラクで、翌9月からシリアで空爆を開始しているが、米国防総省によると、2015年11月19日までの空爆の回数は計8289回。うちイラクで5432回、シリアで2857回である。シリアでいえば、約15カ月で2857回だから、平均すれば1日平均で6回強にすぎない。11月13日のパリ同時多発テロの後、石油関連の標的などで若干作戦が強化されているが、劇的に急増しているわけではない。

  他方、ロシアは2015年9月末からシリアで空爆を開始しているが、シリア内戦での被害状況を現地情報網に基づき詳細に調査している民間組織「シリア人権ネットワーク」の12月17日の報告によれば(※クリミア占領や東ウクライナでのマレーシア機撃墜などの事例と同じく、ロシア当局の公式発表にはシリア関連でも虚偽の情報が多く含まれており、まったく参考にならない)、ロシア軍による空爆の85~90%がIS支配地域ではなく、ISと対立している別の反体制派の支配地域に対して行われている。

  ロシアはパリ同時多発テロ後に、エジプトでのロシア機墜落をISによるテロと急に言い出し、対IS攻撃を多少は強化したが、それでもまだ攻撃の主な目標が反IS系反体制派であることは変わりがない。つまり、ロシアはもとよりISを壊滅させる気などないわけである。

■(2)有志連合の空爆は、ISの進撃を阻止するのに成功している

  有志連合の空爆は上記のようにきわめて限定的であり、それだけでISを壊滅させることはできない。そのため「空爆にはまったく効果がない」というような解説が散見されるが、それは大きな間違いだ。

  空爆が限定的なのは、標的の選定が難しいからである。ISが占領している町村では、IS戦闘員は現地住民と混在している。また、ISの施設の多くも、住民のいる場所に設置されている。それらをやみくもに空爆すれば、民間人の巻き添えが続出ということになってしまう。

  有志連合には「現地住民をISの暴力的な恐怖支配から救う」という大義名分もあるから、民間人の巻き添えは極力避けなければならない。無差別な絨毯爆撃を行えばISの戦力を一気に弱体化させることができるが、そういうわけにはいかないのだ。

  こうした状況で町村に展開しているISを駆逐するには、地上部隊による慎重で緻密な制圧作戦が必要だ(※例えれば、立て篭もり凶悪犯に対する警察の制圧作戦のようなもの)。だが、肝心の地上戦力が不足している。空爆の効果の限界はそれに起因しているのである。

  しかし、これらはISが占領している町村を奪回する作戦の場合だ。ISが他の町村に攻撃をかけている戦闘の最前線では、まったく事情が異なる。そうした場合、ISの戦闘部隊が町村を包囲する状況にあるが、それらの戦闘部隊に対しては、有志連合の空爆は多大な効果を上げている。IS戦闘部隊の周囲に地元住民が少ないため、有効な空爆が可能だからである。また、クルド勢力などの現地の反IS地上戦力が集中攻撃する場合でも、有志連合による支援が効果を上げている。

  例えば、シリア北部のコバニや、イラク北西部のシンジャルなどは、地元クルド人民兵の戦いを有志連合の空爆が支援することで、IS放逐に成功している。有志連合の航空支援がなければ、ISはさらに多くの町村を占領し、ISがそれまで占領地域で行ってきたような地元住民に対する処刑などの凄まじい暴力支配が行われていたことだろう。

  有志連合の空爆は、たしかに民間人の巻き添え被害も出しているが、それ以上に、ISの進撃を阻み、多くの命を救っている。後述するが、これまでの有志連合の空爆によるシリアでの民間人被害は数百人。比べてISによる民間人処刑は数千人とみられる(※さらにISは捕虜の処刑を大掛かりに行っている)。

  日本の報道では、反米の立場から「有志連合の空爆は現地の人の生命を奪っているだけ」との言説を目にすることがあるが、空爆によって救われている多くの命の存在が考慮されていない。

■(3)ロシア軍の空爆は無差別攻撃、多くの現地住民が殺害されている

  シリアでの空爆に対して、有志連合とロシア軍が区別されずに一緒くたにメディア解説されるケースが散見されるが、まったく別のものであることに留意する必要がある。有志連合の空爆が住民の犠牲を抑えるように制限されたものであるのに対して、ロシアの攻撃にそんな考慮はない。

  シリア人権ネットワークによれば、10月末までの民間人犠牲者の死亡原因で、有志連合の空爆によるものは251人、ロシア軍によるものは263人である。有志連合の1年分より、ロシアの1カ月分が上回っているのだ。

  これは、有志連合の空爆による民間人の殺害が「巻き添え被害」なのに対し、ロシア軍による空爆が、住民の被害をまったく考慮しない「無差別攻撃」であることを証明している。

  同じシリア人権ネットワークの前述した12月17日の報告によれば、同時点までで少なくともロシア軍により殺害された人が戦闘員含めて583人確認されたが、そのうち民間人は実に570人にという(うち女性60人。子供152人)。いかにロシア軍が無差別に空爆しているかがわかる。

  また、同組織によれば、11月の重要生活施設攻撃がシリア全体で158件確認されたが、そのうち有志連合によるものが11件なのに対し、ロシア軍によるものが60件に及ぶという。空爆の内容も、有志連合の主力である米軍は無人機による攻撃が多いが、それは慎重な偵察により誤爆を避ける意味もある。対してロシア軍は戦闘爆撃機による非精密誘導の大規模な市街地爆撃(クラスター爆弾を含む)が多いほか、はるか遠方の艦艇からの巡航ミサイル爆撃も行っている。

  さらに、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は12月23日、9月から11月に行われたロシア軍の空爆のうち6件を調査した報告を発表したが、それだけで殺害された民間人は200人以上だったのに対し、反体制派戦闘員は約10人だったという。こちらでも無差別攻撃が裏づけられたといえる。

  また、シリア内戦被害を最も詳細に調査し、国連機関や国際的な人権団体、大手国際メディアなどが最重要情報源としている在英組織「シリア人権監視団」の12月16日の報告によると、12月に入ってロシアの無差別空爆はエスカレートしており、12月1日から15日までの2週間だけで353人の民間人が殺害されたという(うち女性は60人、子供は94人)。

  ちなみに、同じくシリア人権監視団の11月20日の報告によれば、同日までの約7週間でロシア軍に殺害された民間人は403人(うち女性は69人、子供は97人)。前述した12月半ばまでの被害人数や、12月20日にシリア北西部のイドリブ市でロシア軍の空爆で数十人(約70人との情報もある。多くが一般住民)が殺害されたのと合わせると、12月下旬までに1000人近い民間人が殺害されているとみられる。

  有志連合の空爆に比べ、ロシア軍の犯罪度は歴然としている。

■(4)IS討伐は口実、ロシアは反ISのシリア反体制派を攻撃している

  (1)でも述べたが、ロシア軍はシリア空爆の8割以上を、ISではなく、むしろISと戦っているシリアの反体制派に対して行っている。なぜなら、ロシアの軍事介入の目的は、アサド政権の延命だからである。

  実際のところ、アサド政権を追い詰めているのは、政権支配地から遠いシリア東部を支配するISではなく、政権支配地の正面に位置する反IS系の反体制派諸グループである。

  ロシアは国際社会、とくにNATOの介入を牽制するために、「ISとの戦い」を口実にシリア介入をはじめ、その後、「テロリストを攻撃する」と言い方を変えた。ロシアが言うテロリストとは、「アサド政権がテロリストとみなす勢力」ということになる。つまり、攻撃目標をISではなく、自分たちに都合のいいようにテロリスト認定した勢力にすり替えているのだ。

  それでもロシアはその事実をごまかしつつ(※しかも、多くの証拠動画が現地から報告されているにもかかわらず、民間人殺害を認めてもいない)、数少ない対IS攻撃を強調して、有志連合に共闘を持ちかけている。ロシアの狙いが、対ISでの共闘によって、多大な民間人犠牲者を出している他の反IS系反体制派への攻撃に対する国際社会の介入を防ぐことにあることは明白である。


ベルギーで年末年始にテロ計画か、2人逮捕
CNN.co.jp 2015年12月30日(水)11時29分配信

(CNN) ベルギーの連邦検察は29日、首都ブリュッセルで新年を祝うイベントなどを狙ったテロを計画していた疑いで2人を逮捕したと発表した。

同国の対テロ当局幹部が匿名でCNNに語ったところによると、逮捕されたのは「カミカゼ・ライダーズ」と名乗るイスラム系暴走族のメンバー。ブリュッセル中心部の大広場「グラン・プラス」など市民らが年越しに集まる場所や、警察、軍の施設に対するテロ計画を話し合っていた。

過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」に影響された計画だったものの、直接指示を受けていたわけではないという。

検察によると、当局は年末年始にブリュッセル市内の主要数カ所でイベントを狙う計画があるとの情報に基づき、27日から28日にかけてブリュッセル首都圏の数カ所や近隣のフレミッシュ・ブラバント州、東部の都市リエージュで家宅捜索を実施していた。計画の詳細は公表されていない。

捜索ではコンピューター関連機器や軍隊式の訓練服、ISISの宣伝文書が押収された。

先月パリで起きた同時多発テロ事件には複数のベルギー在住者が関与していたとされるが、今回のテロ計画と同事件の間に関連性は見つかっていない。

逮捕された2人の名前は未公表だが、対テロ当局者によればブリュッセル近郊在住で、強盗などの犯罪に関与した前歴があるという。2人は武器を容易に入手できる状況だったため、警察はテロ計画についての話し合いを察知した後、ただちに逮捕に踏み切ったとみられる。

ベルギーからの報道によると、カミカゼ・ライダーズは過去にもテロ捜査の対象となったことがある。元リーダーは2013年、シリアでイスラム過激派の戦闘に参加していた兄弟からブリュッセルの裁判所を攻撃する計画について電話連絡を受けたとして、一時的に身柄を拘束された。さらに少なくとももう1人のメンバーが、過激派の活動にかかわっていたとされる。

専門家の指摘によると、欧州では最近、イスラム教系不良集団のメンバーが獄中などで過激派思想に感化され、テロ活動に加わるケースが目立っている。


新年行事狙い攻撃計画か、ベルギーで2人逮捕
AFP=時事 2015年12月30日(水)9時43分配信

【AFP=時事】ベルギー警察は、首都ブリュッセル(Brussels)で予定されている新年祝賀イベントを狙った攻撃を計画していたとして、容疑者2人を逮捕した。連邦検察当局が29日、発表した。

パリ同時テロ、ベルギーで9人目の容疑者逮捕

 警察は27、28両日、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)の本部が置かれている同市周辺とリエージュ(Liege)州で強制捜査を行い、軍式の訓練服やコンピューター機器、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の宣伝資材などを押収したという。

 検察当局の声明によると、逮捕された容疑者のうち1人は、攻撃を計画した疑いと「テロ組織の活動の中心的役割を果たし、テロ行為への勧誘を行っていた」疑い、もう1人は「テロ組織の活動への参加」と計画の疑いが持たれているという。

 ただ捜査関係者らは、この強制捜査は先月にフランス・パリ(Paris)で発生した同時テロ事件に関係したものではなかったとしている。同事件については、ISが犯行声明を出しており、フランス当局は攻撃の準備はベルギーで行われたと断定している。

■標的はブリュッセルを「象徴する場所」

 攻撃の標的とされていたのは「ブリュッセル内の複数の象徴的な場所」で、年末の祝賀行事の最中に実行する計画だったとされる。これを受けて同国の国家危機管理センターである脅威度分析調整機関(OCAM)は28日夜、標的となる可能性のあるブリュッセル市内の警察や兵士向けの警戒レベルを引き上げていた。

 ベルガ(Belga)通信は、警察の内部資料の内容として、観光名所のグランプラス(Grand-Place)と隣接する中央警察署、制服を着用した兵士や警察を標的とした「パリの事件に類似した攻撃が発生するという信ぴょう性の高い脅威がある」と報じた。

 現地メディアは、市内中心部にあるブルケール広場(Place de Brouckere)で大みそかに予定されている花火大会について、市当局は実施するかどうかを30日に決定すると伝えている。【翻訳編集】 AFPBB News


イラク軍、戦略都市ラマディ奪還 IS敗退、深刻な打撃
Wedge 2015年12月30日(水)9時1分配信

 イラク政府軍とスンニ派部族勢力は29日までに、イラク西部・アンバル州の州都ラマディの大部分を過激派組織「イスラム国」(IS)の手から7カ月ぶりに解放した。ISにとってラマディは北部のモスルと並んでイラク占領の象徴的な存在で、同市の陥落でその劣勢は一段と明らかになった。今後の戦況に大きな影響が出るのは必至だ。

全員がほぼ玉砕
 ラマディは首都バグダッド西方約100キロに位置し、イラク西部最大の都市で、人口は約50万人。シリア国境に至る戦略的な交通の要衝である。ISは5月、電撃的に同市を占領し、政府軍部隊はほとんど戦わずして逃走した。これまで何度か奪還を試みたが、すべて失敗、12月22日から米軍の爆撃支援を受けて政府軍、スンニ派部族部隊約1万人が攻略を開始していた。

 IS側は同市への侵攻当初は戦闘員1000人の規模だったが、その後戦闘員が徐々にシリアに撤収し、約300人が地雷や仕掛け爆弾、無数のトンネルなどで防衛線を固め、政府軍の進撃が始まると、自爆作戦を相次いで敢行した。
しかし米軍が集中的な空爆を加えてIS側の陣地を破壊し、政府軍を助けた。ラマディでの米軍の空爆は7月以降、630回を超えた。

 イラク政府軍将軍らによると、戦闘員はほぼ玉砕し、市中心部をはじめラマディ地域の80%が解放された、という。しかし市北西部などで戦闘員の残留部隊が依然抵抗を続けており、スナイパーによる銃撃音が響き渡っている。政府軍部隊は300個といわれる仕掛け爆弾を除去しながら掃討作戦を進めており、完全解放は時間の問題と見られている。

 イラクでは3月以降、サダム・フセイン元大統領の故郷ティクリート、最大の精油所がある町バイジ、北部のシンジャルがISの占領から解放され、今回のラマディの奪還により占領されたまま残る主要な都市は、北部のイラク第2の都市モスルや西部ファルージャだけとなる。

 ISは「イラクにおける当初の占領地の40%を失った」(オバマ大統領)とされており、今後イラクとシリア両国でIS劣勢の戦況にさらに拍車がかかる可能性がある。この要因の1つは、米主導の有志連合、とりわけ米、仏、英が
パリの同時多発テロ以降、一気に爆撃を強化したことだ。

 この3国が「それまでのお茶を濁すような攻撃から本腰を入れた攻撃に転換した」(ベイルート筋)ことで、ISが集団で作戦を展開することができなくなった。その結果、IS戦闘員は塹壕に身を潜めるか、民間人を盾にする形で都市部に分散しているのが実態だ。ロシアによる空爆もISの攻勢を阻んでいることもある。

スンニ派の取り込み
 もう1つ、ラマディの奪還で重要な点は、イラク政府軍とともに作戦に参加したスンニ派部族の存在だ。ラマディはスンニ派の居住地域で、同じスンニ派のISが占領の際、その「宗派性」を利用した。しかしスンニ派の部族勢力がISとの戦闘に加わったことで、イラク人が宗派を乗り越えてIS掃討に結束したことを印象付ける形になった。

 イラクはフセイン前政権時代、少数派スンニ派による多数派シーア派支配が続いていた。しかし米軍の侵攻で同政権が崩壊した後はシーア派が政権を掌握、スンニ派が抑圧される側となり、対立が先鋭化していた。ティクリートの奪還に際しては、戦闘に加わったシーア派の民兵が市の解放後にスンニ派住民を虐待して宗派対立を激化させた。

 このため米国はラマディの奪還にシーア派民兵が参戦しないようイラク政府に圧力を掛けると同時に、この作戦にスンニ派の部族勢力が加わるよう裏工作を強化してきた。オバマ政権は今回、スンニ派の取り込みを成功させたことを大きな成果として評価している。

 こうした中、ISの指導者アブバクル・バグダディは12月26日、5月以来となる音声声明を発表、ISの劣勢を認めた上で「有志連合はわれわれを恐れさせ、決意を鈍らせることはできない」として、世界のイスラム教徒に戦いへの参加を呼び掛けた。

 しかし、バグダディのこの強がりを一撃する情報が駆け巡っている。バグダディの信頼も厚いチェチェン人のIS軍司令官オマル・シシャニが米特殊部隊に拘束された、というのだ。米民間情報機関のISウオッチャーがツイッターで明らかにしたもので、今のところその真偽は確認されていない。

 シシャニはISの戦闘部隊の中で最強のチェチェン軍団を率いているとされ、もし拘束されたことが事実なら、ISにとってはラマディ陥落と同じくらい大きな打撃となるだろう。


有志連合、空爆でIS幹部10人殺害 仏テロ「首謀者」の関係者も
AFP=時事 2015年12月30日(水)8時7分配信

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米政府が空爆で殺害したと発表したシャラフ・ムアダン容疑者(撮影日不明)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】米国防総省は29日、米主導の有志国連合がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」を標的としてシリアとイラクで今月実施した空爆で、ISの幹部10人を殺害したと発表した。うち1人は、先月フランス・パリ(Paris)で発生した同時テロの首謀者とされる人物と「直接的な」つながりがあったとみられる人物だったという。

仏テロ首謀者、ビジネス街で自爆計画 パリ検察

 イラク・バグダッド(Baghdad)に駐留している米国防総省報道官スティーブ・ウォーレン(Steve Warren)大佐はビデオ会議システムを使った記者会見で、米軍主導の有志連合が24日に実施した空爆で、フランス人のシャラフ・ムアダン(Charaffe el Mouadan)容疑者(26)が死亡したと発表した。

 ウォーレン大佐によると、ムアダン容疑者はシリアに拠点を置くISのメンバーで、130人が殺害されたパリ同時テロの首謀者とされるアブデルハミド・アバウド(Abdelhamid Abaaoud)容疑者と「直接的なつながりがあった」という。アバウド容疑者は、同時テロの5日後にパリ北郊で行われた大規模な強制捜査で死亡している。

 同大佐は、ムアダン容疑者は欧米諸国に対するさらなる攻撃を積極的に計画していたと述べたが、詳細については明かさなかった。

 匿名でAFPの取材に応じた仏当局者は、ムアダン容疑者がパリの同時テロに関与した証拠は今のところないと話している。だが、同容疑者は現場の一つとなった劇場「バタクラン(Bataclan)」で自爆した実行犯の一人であるサミ・アミムール(Samy Amimour)容疑者と親しい関係にあったという。

 ムアダン容疑者はモロッコ生まれの両親を持ち、8人きょうだいの末っ子としてパリ郊外で幼少期を過ごした。捜査関係筋がAFPに語ったところによると、2012年10月には、近所の友人2人とソマリア経由でのイエメンかアフガニスタンへの渡航を企図していた際に逮捕されていた。【翻訳編集】 AFPBB News


劇場自爆犯と幼なじみ=パリ同時テロの黒幕? ―死亡のIS幹部
時事通信 2015年12月30日(水)7時16分配信

 米軍主導の有志連合によるシリア空爆で24日殺害された過激派組織「イスラム国」(IS)幹部シャラフ・アル・ムアダン容疑者(26)は、11月のパリ同時テロで最大の犠牲者を出したバタクラン劇場の自爆犯の1人と幼なじみだった。
 シリアで同時テロを立案・調整した可能性もあり、「黒幕」として深く関与した疑いも指摘される。
 「スリマーヌに電話するか」「いや、俺たちのやり方でやろう」。
 バタクラン劇場に治安部隊が突入する直前。襲撃犯2人は思い詰めた表情で、こんなやりとりを交わしていた。「スリマーヌ」はムアダン容疑者のあだ名。劇場の生還者が後に証言し、同容疑者の関与が浮上した。
 仏メディアによると、ムアダン容疑者は1989年10月、モロッコ系移民の家庭で8人兄弟の末っ子として、パリ郊外ボンディで生まれた。自爆テロが起きた競技場があるサンドニにも程近く、仏社会に適応できず疎外感を抱く移民らも少なくない地域だ。
 生い立ちの詳細は不明だが、当局の関心を引くようになったのは2012年初めごろ。既にインターネットを通じてイスラム過激思想に傾倒していたとみられ、仏警察の射撃施設で銃器の扱いを学び始めた。
 その後、劇場で自爆死することになる幼なじみのサミ・アミムール容疑者らに、同じ教習を受けるよう紹介。同年10月、ムアダン、アミムール両容疑者ら3人はソマリアを経由してイエメンかアフガニスタンへの渡航を企てたところを拘束、監視対象になった。「聖戦」と称してテロ活動参加を企図していたとされ、仏メディアは「(ムアダン容疑者は)カリスマ的で、3人の中でもリーダー格だった」と伝えている。
 ムアダン容疑者は13年夏にシリアへ。アミムール容疑者もほぼ同じ時期にシリア入りしたことが判明している。親しい2人はISが首都と位置付けるシリア北部ラッカで合流。自分たちを苦しめた祖国フランスへのテロ攻撃へと突き進んだ。


花火名に「パリ」は悪趣味? =テロ連想、販売店は困惑―独
時事通信 2015年12月30日(水)7時15分配信

 【ベルリン時事】ドイツの格安スーパー、アルディ・ジュートが、新年を祝って市民が年越しに打ち上げる花火の販売を始めたところ、商品名の「パリ」は11月の同時テロを連想させ「悪趣味だ」などと批判にさらされている。
 
 独メディアは29日、「パリで130人が犠牲になったテロがあったばかり」「スーパーへの反発は必至」と報じた。ツイッター上では「次(の商品名)は何だ。(内戦が続くシリアの首都)ダマスカスか」と皮肉る見方も出た。
 アルディ・ジュートは世界の都市名を付けた一連の商品の一つと説明。製造はテロ前に始まっていたと述べ、「テロと結び付ける意図はない」と釈明に追われた。


有志連合とロシアの空爆を一緒にしてはいけない理由
JBpress 2015年12月30日(水)6時25分配信

 イスラム国やシリア情勢に関するニュースはちょっと複雑だ。

 IS(イスラム国)という「悪役」がいて、それをなんとかしないといけないということで各国が動いているのは事実だが、それだけの単純な構図ではない。アメリカ、ロシア、フランス、トルコ、サウジアラビア、シリアのアサド政権、シリアの反体制派各派、イラク政府、クルド人勢力、イランなどの各勢力が、それぞれ別々の思惑で動いていて、非常に複雑な背景があるからである。

 そのため報道の表面だけに接していると、なんとなく「カン違い」してしまいがちなことがいくつかある。そこで、とくにISを含むシリア情勢の問題について考える際に、まず知っておきたい基本的なことを挙げてみよう。ポイントは7つある。前篇と後篇の2回に分けて解説する。

■ (1)どの国も、ISを壊滅させる規模の軍事介入をしているわけではない

 有志連合やロシアによるIS攻撃の話題がしばしば報道されるので、まるで諸外国が大規模な攻撃をISに加え、殲滅作戦を開始するようなイメージを持つ人もいるかもしれない。9・11テロ後の対タリバン戦や、2003年のイラク戦争のようなイメージだ。

 しかし、それはまったく違う。有志連合を率いるアメリカに、もとよりそんな気はなく、オバマ大統領はシリアでの米軍地上部隊の作戦を一貫して否定している。アメリカがたいして動かないなか、例えばフランスが突出して行動するわけもない。

 ISに対しては、米軍を中心とする有志連合が2014年8月からイラクで、翌9月からシリアで空爆を開始しているが、米国防総省によると、2015年11月19日までの空爆の回数は計8289回。うちイラクで5432回、シリアで2857回である。シリアでいえば、約15カ月で2857回だから、平均すれば1日平均で6回強にすぎない。11月13日のパリ同時多発テロの後、石油関連の標的などで若干作戦が強化されているが、劇的に急増しているわけではない。

 他方、ロシアは2015年9月末からシリアで空爆を開始しているが、シリア内戦での被害状況を現地情報網に基づき詳細に調査している民間組織「シリア人権ネットワーク」の12月17日の報告によれば(※クリミア占領や東ウクライナでのマレーシア機撃墜などの事例と同じく、ロシア当局の公式発表にはシリア関連でも虚偽の情報が多く含まれており、まったく参考にならない)、ロシア軍による空爆の85~90%がIS支配地域ではなく、ISと対立している別の反体制派の支配地域に対して行われている。

 ロシアはパリ同時多発テロ後に、エジプトでのロシア機墜落をISによるテロと急に言い出し、対IS攻撃を多少は強化したが、それでもまだ攻撃の主な目標が反IS系反体制派であることは変わりがない。つまり、ロシアはもとよりISを壊滅させる気などないわけである。

■ (2)有志連合の空爆は、ISの進撃を阻止するのに成功している

 有志連合の空爆は上記のようにきわめて限定的であり、それだけでISを壊滅させることはできない。そのため「空爆にはまったく効果がない」というような解説が散見されるが、それは大きな間違いだ。

 空爆が限定的なのは、標的の選定が難しいからである。ISが占領している町村では、IS戦闘員は現地住民と混在している。また、ISの施設の多くも、住民のいる場所に設置されている。それらをやみくもに空爆すれば、民間人の巻き添えが続出ということになってしまう。

 有志連合には「現地住民をISの暴力的な恐怖支配から救う」という大義名分もあるから、民間人の巻き添えは極力避けなければならない。無差別な絨毯爆撃を行えばISの戦力を一気に弱体化させることができるが、そういうわけにはいかないのだ。

 こうした状況で町村に展開しているISを駆逐するには、地上部隊による慎重で緻密な制圧作戦が必要だ(※例えれば、立て篭もり凶悪犯に対する警察の制圧作戦のようなもの)。だが、肝心の地上戦力が不足している。空爆の効果の限界はそれに起因しているのである。

 しかし、これらはISが占領している町村を奪回する作戦の場合だ。ISが他の町村に攻撃をかけている戦闘の最前線では、まったく事情が異なる。そうした場合、ISの戦闘部隊が町村を包囲する状況にあるが、それらの戦闘部隊に対しては、有志連合の空爆は多大な効果を上げている。IS戦闘部隊の周囲に地元住民が少ないため、有効な空爆が可能だからである。また、クルド勢力などの現地の反IS地上戦力が集中攻撃する場合でも、有志連合による支援が効果を上げている。

 例えば、シリア北部のコバニや、イラク北西部のシンジャルなどは、地元クルド人民兵の戦いを有志連合の空爆が支援することで、IS放逐に成功している。有志連合の航空支援がなければ、ISはさらに多くの町村を占領し、ISがそれまで占領地域で行ってきたような地元住民に対する処刑などの凄まじい暴力支配が行われていたことだろう。

 有志連合の空爆は、たしかに民間人の巻き添え被害も出しているが、それ以上に、ISの進撃を阻み、多くの命を救っている。後述するが、これまでの有志連合の空爆によるシリアでの民間人被害は数百人。比べてISによる民間人処刑は数千人とみられる(※さらにISは捕虜の処刑を大掛かりに行っている)。

 日本の報道では、反米の立場から「有志連合の空爆は現地の人の生命を奪っているだけ」との言説を目にすることがあるが、空爆によって救われている多くの命の存在が考慮されていない。

 (3)ロシア軍の空爆は無差別攻撃、多くの現地住民が殺害されている

 シリアでの空爆に対して、有志連合とロシア軍が区別されずに一緒くたにメディア解説されるケースが散見されるが、まったく別のものであることに留意する必要がある。有志連合の空爆が住民の犠牲を抑えるように制限されたものであるのに対して、ロシアの攻撃にそんな考慮はない。

 シリア人権ネットワークによれば、10月末までの民間人犠牲者の死亡原因で、有志連合の空爆によるものは251人、ロシア軍によるものは263人である。有志連合の1年分より、ロシアの1カ月分が上回っているのだ。

 これは、有志連合の空爆による民間人の殺害が「巻き添え被害」なのに対し、ロシア軍による空爆が、住民の被害をまったく考慮しない「無差別攻撃」であることを証明している。

 同じシリア人権ネットワークの前述した12月17日の報告によれば、同時点までで少なくともロシア軍により殺害された人が戦闘員含めて583人確認されたが、そのうち民間人は実に570人にという(うち女性60人。子供152人)。いかにロシア軍が無差別に空爆しているかがわかる。

 また、同組織によれば、11月の重要生活施設攻撃がシリア全体で158件確認されたが、そのうち有志連合によるものが11件なのに対し、ロシア軍によるものが60件に及ぶという。空爆の内容も、有志連合の主力である米軍は無人機による攻撃が多いが、それは慎重な偵察により誤爆を避ける意味もある。対してロシア軍は戦闘爆撃機による非精密誘導の大規模な市街地爆撃(クラスター爆弾を含む)が多いほか、はるか遠方の艦艇からの巡航ミサイル爆撃も行っている。

 さらに、国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は12月23日、9月から11月に行われたロシア軍の空爆のうち6件を調査した報告を発表したが、それだけで殺害された民間人は200人以上だったのに対し、反体制派戦闘員は約10人だったという。こちらでも無差別攻撃が裏づけられたといえる。

 また、シリア内戦被害を最も詳細に調査し、国連機関や国際的な人権団体、大手国際メディアなどが最重要情報源としている在英組織「シリア人権監視団」の12月16日の報告によると、12月に入ってロシアの無差別空爆はエスカレートしており、12月1日から15日までの2週間だけで353人の民間人が殺害されたという(うち女性は60人、子供は94人)。

 ちなみに、同じくシリア人権監視団の11月20日の報告によれば、同日までの約7週間でロシア軍に殺害された民間人は403人(うち女性は69人、子供は97人)。前述した12月半ばまでの被害人数や、12月20日にシリア北西部のイドリブ市でロシア軍の空爆で数十人(約70人との情報もある。多くが一般住民)が殺害されたのと合わせると、12月下旬までに1000人近い民間人が殺害されているとみられる。

 有志連合の空爆に比べ、ロシア軍の犯罪度は歴然としている。

■ (4)IS討伐は口実、ロシアは反ISのシリア反体制派を攻撃している

 (1)でも述べたが、ロシア軍はシリア空爆の8割以上を、ISではなく、むしろISと戦っているシリアの反体制派に対して行っている。なぜなら、ロシアの軍事介入の目的は、アサド政権の延命だからである。

 実際のところ、アサド政権を追い詰めているのは、政権支配地から遠いシリア東部を支配するISではなく、政権支配地の正面に位置する反IS系の反体制派諸グループである。

 ロシアは国際社会、とくにNATOの介入を牽制するために、「ISとの戦い」を口実にシリア介入をはじめ、その後、「テロリストを攻撃する」と言い方を変えた。ロシアが言うテロリストとは、「アサド政権がテロリストとみなす勢力」ということになる。つまり、攻撃目標をISではなく、自分たちに都合のいいようにテロリスト認定した勢力にすり替えているのだ。

 それでもロシアはその事実をごまかしつつ(※しかも、多くの証拠動画が現地から報告されているにもかかわらず、民間人殺害を認めてもいない)、数少ない対IS攻撃を強調して、有志連合に共闘を持ちかけている。ロシアの狙いが、対ISでの共闘によって、多大な民間人犠牲者を出している他の反IS系反体制派への攻撃に対する国際社会の介入を防ぐことにあることは明白である。


有志連合がイスラム国指導者ら10人殺害、パリ攻撃関係者も
ロイター 2015年12月30日(水)3時31分配信

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 12月29日、有志連合がイスラム国指導者ら10人を空爆で殺害した。写真はトルコの基地を離陸する米空軍戦闘機。10日撮影(2015年 ロイター/Umit Bektas)

[ワシントン 29日 ロイター] - 米国主導の有志連合は過去1カ月間、過激派組織「イスラム国」の指導者ら10人を空爆で殺害した。先月のパリ攻撃に関わったとされる人物も含まれる。

有志連合の報道官が29日明らかにした。一部の人物は、西側諸国へのさらなる攻撃計画を所持していたとしている。

報道官によると、殺害された1人はイスラム国の対外作戦を手助けしたほか、パリ攻撃のネットワークにつながりがあった。イラク北部のモスルで26日、殺害したという。

イラク軍が要衝ラマディでイスラム国に勝利宣言するなど、報道官は空爆の成果が最近表れているとの認識も示した。

報道官は「成功の一因は、イスラム国が指導層を失いつつある事実にある」と指摘。ただ、「(イスラム国は)まだ牙を持っている」と警告した。


パリ同時テロ関係者も=IS幹部10人殺害―有志連合空爆
時事通信 2015年12月30日(水)1時16分配信

 【ワシントン時事】米軍主導の有志連合司令部のウォレン報道官(米陸軍大佐)は29日、ビデオ回線を通じた会見で、過激派組織「イスラム国」(IS)を標的にしたイラクとシリアでの過去1カ月の空爆作戦で、IS幹部10人を殺害したと明らかにした。
 報道官によると、10人の中に11月のパリ同時テロの首謀者とされるアブデルハミド・アバウド容疑者(死亡)と直接結び付きがあった幹部シャラフ・アル・ムアダン容疑者が含まれている。欧米に対する新たなテロを計画していたが、24日にシリア国内で殺害された。
 AFP通信によると、同容疑者はパリ郊外で育ったモロッコ系のフランス人。
 また、26日に殺害されたアブドゥル・カデル・ハキム容疑者はISで域外活動を担当し、やはりパリ同時テロのネットワークと結び付きがあったという。


<米国>ラマディ制圧に祝意 IS掃討作戦、実効性を強調
毎日新聞 2015年12月29日(火)21時17分配信

 【ワシントン西田進一郎】過激派組織「イスラム国」(IS)掃討作戦を主導する米政府は28日、イラク政府軍などが西部アンバル県の県都ラマディ中心部をほぼ制圧したことに祝意を表明した。米国内では掃討作戦の効果を巡って懐疑的な意見が根強い。米政府は作戦の実効性を強調し、他のIS支配地域の奪還に向けた勢いにつなげたい考えだ。

 カーター国防長官は声明で、「残忍な集団を打ち負かし、イラクの領土主権を回復する作戦における重要な前進だ」と評価。有志国連合による空爆や訓練支援の下、有能で士気の高い地元部隊がいかにISを打ち負かすことができるかを証明したと称賛した。

 有志国連合司令部によると、今回の作戦で有志国連合は、イラク政府軍支援として訓練や装備提供のほか、ラマディ周辺やラマディ市街地でISを標的に600回を超える空爆を実施したという。

 ケリー国務長官も声明を出し、「ラマディをイラクの人々の手に取り戻すため、極めて粘り強く、勇気ある戦いを見せたイラク政府と政府軍を称賛する」とたたえた。また、奪還した地域の再建の重要性を指摘し、イラク政府などが主導する治安安定化策を支援する考えを示した。

 米国内では、パリ同時多発テロやカリフォルニア州での銃乱射テロを受け、オバマ政権のIS掃討作戦への批判が高まっている。これに対しオバマ大統領は14日、イラクでISに占拠された市街地のうち約4割を奪還したと強調した。今回のラマディでの作戦についても、成果として強調していくとみられる。


ベルギーで大みそかに攻撃計画か、家宅捜索で2人逮捕
ロイター 2015年12月29日(火)18時33分配信

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 12月29日、ベルギーの首都ブリュッセルで大みそかに攻撃を企てていた疑いで、2人の人物が27─28日にかけて逮捕されたことが明らかになった。写真はブリュッセル中心部をパトロールする警官ら。27日撮影(2015年 ロイター/Francois Lenoir)

[ブリュッセル 29日 ロイター] - ベルギーの首都ブリュッセルで大みそかに攻撃を企てていた疑いで、2人の人物が27─28日にかけて逮捕されたことが明らかになった。ベルギー検察当局の29日付の声明によると、捜査の結果、年明けを祝う大みそかにブリュッセルの主要な場所で深刻な攻撃の脅威があることが判明したという。

ブリュッセルなどで行われた家宅捜索で6人が取り調べのため連行され、このうち4人は解放された。

検察当局によると、警察が軍服と過激派組織「イスラム国」の宣伝資料を発見したが、武器や爆発物は見つかっていない。

ベルギーは11月13日にフランスのパリで起きた同時多発攻撃への関与をめぐる捜査で注目されている。

ベルギー警察はパリでの攻撃に関連し、9人を逮捕しているが、検察当局は今回の発表はこの捜査とは関係ないとしている。


年末テロ計画、2人拘束=ベルギー
時事通信 2015年12月29日(火)18時29分配信

 【ブリュッセル時事】ベルギー検察当局は29日、年末にブリュッセルの複数の場所でテロ攻撃を計画していたとして、2人を拘束したと発表した。
 パリ同時テロとの関連はないという。
 当局は27、28の両日、ブリュッセルや東部リエージュなどで家宅捜索を実施、過激派組織「イスラム国」(IS)のプロパガンダ(宣伝工作)に使われる道具や軍服などを押収した。武器や爆発物は見つからなかった。
 捜索で一時6人が拘束されたが、このうち4人は釈放された。


<イラク軍>ラマディほぼ制圧 IS、失地重ね陰り
毎日新聞 2015年12月28日(月)21時6分配信

 【カイロ秋山信一】イラク政府軍などの連合部隊が過激派組織「イスラム国」(IS)の支配下にある西部アンバル県の県都ラマディ中心部を約7カ月ぶりにほぼ制圧した。ISはシリアでも失地を重ねており、組織の看板である領域支配に陰りが見える。劣勢の反動として、支配地域外で敵対国へのテロ攻撃を活発化させる可能性も指摘されている。

 イラクからの報道によると、政府側部隊は27日、ラマディ中心部でISが拠点にしていた行政庁舎周辺に進攻した。市内ではISの散発的な抵抗が続いているが、政府側の奪還作戦は最終段階に入った模様だ。

 ISは11月にクルド自治政府の治安部隊「ペシュメルガ」にシリア国境付近のシンジャルを奪われた。シリア北部ラッカ県でも26日、クルド人民兵主体の「シリア民主軍」にティシュリーン・ダムを奪われた。

 一連の攻勢はどれも、米軍主導の有志国連合の援護や弾薬供与、軍事訓練を受けた地上部隊によるもの。3カ所ともIS支配地域内の主要交通路上にある要衝で、有志国連合が主導して攻撃目標を選んでいる可能性がある。

 一方、ISも不利な状況を認めざるを得なくなっている。「戦いの中で死傷し、困難を抱えることがあっても、それは神の約束だから驚くことはない。忍耐強くあれ」。バグダディ指導者の声明とされる音声が26日公開され、支持者を鼓舞した。敗北に予防線を張ることで組織内の動揺を抑える狙いがあったとみられる。

 国際軍事情報企業IHSジェーンズによると、IS支配地域(今月14日時点)は今年1月と比較すると約14%減少し、約7万8000平方キロメートル(北海道本島とほぼ同じ)になった。シリア中部パルミラを新たに制圧したが、シリア、イラク両国で主にクルド人部隊に支配地域を奪われた。

 支配地域の縮小はISの資金力低下につながるとの見方もある。英情報企業の推計によると、ISの収入の約半分は、住民から徴収する「税金」や資産没収で、支配地域の縮小は収入減に直結する。

 今後の焦点はイラク北部モスルの攻防だ。ISが昨年6月に侵攻する前、モスルには150万人以上が居住。現在も数十万人が残っているとみられ、IS支配地域では最大の都市だ。

 モスル奪還の鍵になるのが、住民の大半を占めるイスラム教スンニ派やクルド人との連携だ。スンニ派住民はシーア派中心の中央政府への不信感は強く、IS侵攻時にシーア派主体の軍・警察が敵前逃亡したことも反感を強めた。また中央政府とクルド自治政府は、自治区で産出される石油の利権や自治区の領域を巡って緊張関係にある。

 「ラマディで勝利した後、すべてのイラク人が団結し、モスルの解放を達成する」。イラクのアバディ首相は25日、モスル奪還に向けて宗派・民族の壁を超えた団結を呼びかけた。政府側はスンニ派部族兵やペシュメルガを含めて部隊を編成し、挙国一致で慎重に作戦を進める構えだ。

 一方、ISがイラクやシリアでの圧迫に対抗するため、国外でのテロに力点を置く可能性が指摘されている。ISは既存国家の大半を敵視しており、11月のパリ同時多発テロのような事件は世界各地で起こる可能性がある。またISは混乱が続くリビア中部シルトで実効支配を強めており、「第三の拠点」の構築を模索しているとみられる。

 中東情勢に詳しいヨルダン大学戦略研究所のムーサ・シュテイウィー所長は「ISは領域縮小に危機感を抱いている。ただISの掃討作戦が進めば進むほど圧力が高まり、国外でのテロに目標が向かうジレンマがある」と指摘している。


シリア人ジャーナリスト暗殺=IS批判、仏亡命目前―トルコ
時事通信 2015年12月28日(月)19時11分配信

 【ベイルートAFP=時事】過激派組織「イスラム国」(IS)を批判するドキュメンタリーを制作していたシリア人ジャーナリスト、ナジ・ジェルフ氏(37)が27日、トルコ南部ガジアンテプで暗殺された。
 同氏が所属する市民ジャーナリズム団体「ラッカは静かに虐殺される(RBSS)」がツイッターに声明を出して明らかにした。
 トルコのニュースサイトT24は「ジェルフ氏は路上で頭を撃たれ、搬送先の病院で死亡した」と伝えた。団体は、消音装置付きの銃が使用されたと説明している。ジェルフ氏は2児の父だった。友人は「家族と共に亡命申請が許可され、今週パリに渡る予定だった」と語った。
 RBSSには、IS支配地の事実上の首都、シリア北部ラッカにおける人権侵害を告発するジャーナリストが集まっている。

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