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2015年12月 9日 (水)

フランス・パリで多発テロ、130人が死亡・54

フランスの首都パリで13日夜(日本時間14日未明)、飲食店や劇場、サッカー競技場など複数の地点で、銃撃や爆発などがおきた。劇場では観客らが人質になったと伝えられる。オランド仏大統領は同夜、テレビ演説で「前例のないテロが起きた」と断定し、国内に非常事態を宣言した。

フランス治安当局の発表では、この同時テロで129人が死亡した。
※その後、死者は130人となった。

ロイター通信などによると、週末を過ごす客でにぎわう13日夜、パリ10区のレストランと近くの劇場で銃撃が起きた。目撃者の証言では、劇場内で60人程度の観客らが人質になった。劇場内からは、散発的な銃声が聞こえているという。

また、ドイツとフランスの親善試合が行われたサッカー競技場では、少なくとも2回の爆発が起きた。自爆テロとみられており、犯人とみられる2人を含む35人程度が死亡したもよう。

オランド大統領は、「われわれは結束し、断固戦う」と国民に訴えた。非常事態の宣言にともない、フランスと周辺国の国境が閉鎖された。

フランス国内では、今年1月、イスラム過激派により週刊紙本社が銃撃されるテロ事件が起き、計17人が死亡した。

オバマ米大統領は、ホワイトハウスで記者団に対し、「民間人を恐怖に陥れる非道な企てだ」と強く非難した。

※以上、産經新聞の報道による。

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リンク:パリ同時多発テロ スイスでシリア出身の2人逮捕、テロ警戒のジュネーブ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<EU>テロ機密情報の共有を強化 首脳宣言に盛る - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<パリ同時多発テロ>容疑者宅の区長「教育する責任は親に」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:サッカー会場の襲撃計画か=関係先を捜索―ドイツ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<パリ同時多発テロ>なぜ若者たちは過激思想に走るのか - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<仏州議会選>廃鉱の街、極右浸透 既存政党に不信 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<パリ同時テロ1カ月>観光・消費に打撃 世界経済リスクに - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<米コネティカット州>テロ監視対象者の銃購入禁止、署名へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:捜索先は2500か所以上…パリ同時テロ1か月 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:シリア空爆反対と叫ぶ正論の危うさ ---仲宗根 雅則 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ同時多発テロとユートピアの不在 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<スイス>仏のテロ容疑者、潜伏情報で警戒レベル引き上げ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ同時テロ、ジュネーブで容疑者5人捜索 テロも警戒 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「イスラム国」メンバー4人 ジュネーブ潜伏? 警察当局厳重警戒 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ジュネーブでIS容疑者捜索、北米で攻撃計画か - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ジュネーブ州警察当局、テロ容疑者を捜索-潜伏の可能性で警備強化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「イスラム国」関係者潜伏か=当局捜査、警戒度引き上げ―ジュネーブ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:世界各地で極右が躍進! いまこそ日本は「現実」を見据え、冷徹に「実利」を考えなければならない - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:フランスではまたテロが起こる? 心の空白を埋めることができない世界のイスラム化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:偵察機、兵員の派遣開始=対「イスラム国」空爆支援―独 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<イスラム教徒入国禁止提言>各国首脳、トランプ氏を批判 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米国のイスラム教徒への嫌がらせ激増、ホットライン報告 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:アノニマスがISISへの一斉攻撃を呼び掛け - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:フィリピンとオーストラリア、イスラム過激派対策で協力へ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:イスラム教理解に尽力を=モハメド・アリ氏が声明―米 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:元王者アリ氏がトランプ氏に「パンチ」=イスラム教徒の人種差別めぐり - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:【パリ連続襲撃】3人目のバタクラン襲撃犯とは - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ劇場襲撃犯3人目の身元特定、シリアに渡航歴 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:仏テロ容疑者の父親、知っていたら「息子を殺していた」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<イラク>ラマディ奪還支援強化へ 対ISで米国防長官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「総理外遊予定」をゴミ箱にポイ! 「朝日新聞」それでいいのか?〈週刊新潮〉 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:イラク州都掌握へ顧問派遣も=地上戦への関与拡大―米国防長官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「イスラム国と対話せよ」というなら、テレ朝は記者を送り込め〈週刊新潮〉 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<シリア和平国際会合>NYで18日開催へ - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

パリ同時多発テロ スイスでシリア出身の2人逮捕、テロ警戒のジュネーブ
産経新聞 12月12日(土)10時49分配信

 【ロンドン=岡部伸】テロの懸念から厳重警戒していたスイス・ジュネーブの警察当局は11日、シリア国籍の男2人を逮捕した。2人が使っていた車から爆発物の痕跡が見つかったという。現地紙が伝えた。警察は逮捕した2人の身元を明らかにしていない。 

 ジュネーブ州当局は9日から、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)との関係が疑われる4人の不審者が「ジュネーブ周辺に潜伏している可能性が高い」として追跡捜査していると発表。テロ警戒レベルを引き上げ、厳戒警備を敷いていた。

 容疑者4人とパリ同時多発テロとの関係は不明。


<EU>テロ機密情報の共有を強化 首脳宣言に盛る
毎日新聞 12月12日(土)8時0分配信

 【ブリュッセル斎藤義彦】欧州連合(EU)が、パリ同時多発テロを受け、テロ機密情報の共有強化に乗り出す。17日に開く首脳会議で合意する。同時テロの実行犯はベルギーを出撃拠点としていたが、フランスは機密情報を受けておらず、テロを防げなかった。教訓を生かし、テロ対策機関同士の情報を共有する。

 毎日新聞が入手した首脳宣言案は、同時テロを「情報共有の緊急性を特に示した」と総括した。テロ対策機関同士の機密情報共有を強化するほか、欧州から過激派組織「イスラム国」(IS)などに参加するためシリア・イラクに向かった人物の個人データを蓄積して共有。EUと外部との国境で帰還を阻止、危険人物・車両の摘発につなげる。

 EUの警察機構「ユーロポール」が来月設置する「テロ対策センター」に情報を蓄積し、加盟国間での情報照会を容易にする。

 EU内では1990年代の旧ユーゴ紛争の影響で50万丁の武器が未登録で売買されているとみられる。首脳宣言案は欧州委員会が提案する武器登録強化を「緊急に検討する」とした。

 また、同時テロで自爆した実行犯2人は、今年10月に他の難民に紛れてギリシャに入り、偽造したとみられる旅券で滞在登録した。宣言案は難民問題とテロ対策を慎重に分けた上で、EUと外部との国境で「治安面での入国管理を確実に実行すべきだ」と強調。フランスやドイツが提案しているEU共通の「国境・海境警備隊」の創設を「緊急に検討する」とした。

 ベルギー治安当局は、実行犯の一部を監視対象としていたが、秘密保持を重視したためこうした情報をフランスに提供していなかった。パリ同時テロの実行犯は、ベルギー・ブリュッセルに住み武器や車の入手、協力者の手配などを進め、テロ警戒の厳しいフランスの監視を逃れた。さらに、欧州内で国境管理が廃止されていることを悪用し、数日前にパリに入り、テロを実行した。


<パリ同時多発テロ>容疑者宅の区長「教育する責任は親に」
毎日新聞 12月12日(土)7時40分配信

 パリ同時多発テロの首謀者であるアブデルハミド・アバウド容疑者らが住んでいたブリュッセル西部モレンベーク地区のフランソワ・シェプマン区長は毎日新聞の取材に対し、「(テロに走る若者を)教育する責任は親にある」と述べ、自己責任を強調した。事件後に世界の注目を集めた町では、イスラム過激思想に走った若者たちを生む背景について、さまざまな見方が交錯している。

 シェプマン区長は「(地区内に)テロネットワークが存在する」と指摘。移民系のイスラム教徒が多い同地区で、「(社民党系の前任区長が)住民にまかせ切りにして責任を取ることを求めてこなかった」と批判した。

 さらに、住民を過激主義から「解放」するためには、子供に教育を受けさせることを通じて男女平等や社会参加などといった「ベルギー社会の価値を共有させる必要がある」と述べ、「イスラム教徒だから社会の外にいると主張することはできない」と親の責任を強調。さらに、中学程度の教育しか受けていない若者が多い点を挙げて、「十分に教育を受けようとしない(ことが問題だ)。教育がなければ仕事もないと理解させなければならない」と述べた。

 イスラム教徒や移民への差別がテロの一因になっているとの見方があることには「差別はない。彼らは犠牲者でもない」と一蹴。「彼ら自身が(過激主義と)戦う必要がある」と自覚を促した。

 こうした考え方には批判も根強い。

 イスラム教徒の権利擁護を行う民間団体「ムスリムの権利」のベルハジュ広報担当は「区長が現実を見ていないことが証明された。問題は家族(で解決できるレベル)を超えている」と批判。10代のイスラム教徒が理由もなく当局に取り調べられるなど「差別は存在する」と反論した。

 また、人権擁護団体「反人種差別欧州の声」のパソコエットさんは「過激思想に傾く原因は家族だけでなく多様だ。若者が差別されたと感じないよう、教育、住宅、雇用対策などへの長期投資こそが必要だ」と批判した。【ブリュッセル斎藤義彦】


サッカー会場の襲撃計画か=関係先を捜索―ドイツ
時事通信 12月12日(土)6時29分配信

 【ベルリンAFP=時事】ドイツ検察当局は11日、北部ハノーバーでパリ同時テロから4日後の11月17日に行われる予定だったサッカー国際親善試合、ドイツ対オランダ戦の会場襲撃を企てた疑いのある男のアパートを捜索したことを明らかにした。
 
 メルケル首相も観戦予定だった試合は爆破予告を受け、開始90分前に中止となった。検察は声明で、男が「他の複数の人物と攻撃を計画していた」と指摘した。男は拘束はされていない。


<パリ同時多発テロ>なぜ若者たちは過激思想に走るのか
毎日新聞 12月11日(金)21時32分配信

 130人が犠牲となったパリ同時多発テロから13日で1カ月。首謀者のアブデルハミド・アバウド容疑者(28)の出身地ベルギーは、中東のイスラム過激派に加わる若者が人口比で欧州で最も多い。なぜ若者たちは過激思想に走るのか。息子がシリアに行ってしまった親を訪ねた。【ブリュッセル國枝すみれ】

 「シリアにいた息子からかかってくる電話は2種類ありました」。ジェラルディン・イヌギアンさん(50)は振り返る。「母さん元気?」と家族を気遣う優しい声の電話と、別人のような口調で「母さんも非イスラムの国を捨てて、ここに来ないとだめだ」と説得しようとする電話だ。

 息子は洗脳されただけでなく、監視されていたとイヌギアンさんは思う。

 「航空券を買ってくれる? ベルギーに戻ると逮捕されるから第三国に行く」と頼まれたことがある。「もちろん」と答えた2時間後、息子は「さっきの件は忘れて」と電話してきた。

 足を負傷して痛みを訴える息子に「医者をトルコ国境につれて行くから来て」と提案した時は、いったん同意したのに数時間後に断ってきた。「何もしないで。仲間が面倒をみてくれる」

 今年2月末、イヌギアンさんの携帯電話に見知らぬ男からメールが送られてきた。

 「あなたの息子は死んだ。誇りに思うべきです」

 3日前、過激派組織「イスラム国」(IS)が占拠していたシリア東部のデリゾール空港を奪還しようとする有志国連合の空爆で死んだという。シリア入国から13カ月、19歳だった。

 「アサド政権に殺されているイスラム教徒を解放しにいく」と息子が言い出したのは2013年秋。止めようとするイスラム教徒の父親に「お前は異教徒だ」と刃向かった。14年1月22日にトルコから電話があった。指示された番号に電話すると、息子が出た。

 「これから国境を越えてシリアに入る」

          ◇

 ベルギー政府が今年10月に発表した統計によると、シリアとイラクのイスラム過激派に参加したベルギー人戦闘員は約500人。うち80人が死亡している。

 今月4日、シリアに行った子供を持つ「心配する親の会」がブリュッセル市内で開かれた。初めて顔を見せる母親が5人。うち2人は戦闘員の妻になるため娘がシリアに渡航した。13年に2人の親が始めた会への参加者は増え続け、今では40人近くになっている。

            ◇

 パリ同時多発テロ事件の首謀者、アブデルハミド・アバウド容疑者(28)は、ベルギーからシリアに渡って過激派組織「イスラム国」(IS)に身を投じた後に欧州へ戻った。欧州の治安当局はアバウド容疑者のような「帰還戦闘員」の動向に神経をとがらせる。一方で、息子を引き留められなかった親の中には新たな犠牲者を出さないようにと啓発活動に取り組む人も出ている。

 「息子の心の穴の深さに気付かなかった」

 シリアでISの戦闘員となった息子が今年2月、有志国連合の空爆で死亡したというメールを携帯電話に送りつけられたイヌギアンさん(50)は、自責の念に苦しんだ。

 息子は就職活動に苦労していた。4カ国語を話せるのに履歴書を送ってもモロッコ系と分かると断られる。「ベルギーに僕の居場所はない。モロッコに行けばベルギー人と言われる」と愚痴をこぼしていたのに、深刻にとらえなかった。

 25年前にモロッコ系イスラム教徒と結婚し、カトリックからイスラム教に改宗したイヌギアンさんは移民が集住するブリュッセル西部モレンベーク地区に住む。

 アバウド容疑者らが住んでいた場所だ。ここでは住民の38.5%がイスラム教徒で、25歳以下の若者の失業率(2012年)は全国平均の倍近い41.6%に上る。

 イスラム研究者のピーター・バン・オステェーン氏(38)によれば、大学教授の息子や会計士がISに参加した例もある。だが、ISに引き寄せられるベルギー人の若者の多くは、差別され、社会から排除されていると感じているモロッコ系だという。

 欧州連合(EU)の警察機構「ユーロポール」によると、ISなどに参加するため欧州からシリアとイラクに渡った外国人戦闘員は最大5000人。特にISは、インターネットを使って洗練された広報宣伝を行うことで欧米を含む多くの若者たちを引き寄せている。

 ベロニク・ルートさん(65)の長男サミーさん(26)も、イスラム過激思想に取り込まれた若者の一人だ。12年10月、ベルギー人5人のグループでシリア入りし、イスラム過激派組織に加わった。

 ルートさんは「シリアが空爆されるたびに心配でたまらない。睡眠薬なしには眠れない」と話す。サミーさんはシリアで現地の女性と結婚し、2歳と6カ月になる2人の男の子がいるはずだ。しかし、2週間に1度はあった電話が、今年8月から途絶えたままになっている。

 13年3月15日、サミーさんはシリアのアサド政府軍との交戦で背中に銃撃を受ける重傷を負った。一緒にシリアに渡った親友のショーンさん(当時25歳)は、この時に死亡。残る3人のうち2人もその後死亡した。そして、仲間の中で1人だけが帰国した。

 パリ同時多発テロ事件はアバウド容疑者などIS帰りの戦闘員が主導した。ユーロポールは今年6月の報告書で「帰還戦闘員は戦闘・作戦経験を積んでいる。衝撃度の高い、複数の攻撃を行う能力を備え、大きな脅威だ」と指摘している。

 ベルギー政府は同時テロ後、帰還戦闘員を全員収監する方針を発表した。10月末に発表された統計では、ベルギー人の帰還戦闘員は134人だった。

 だが、シリアで死亡したショーンさんの父で塗装業のオリビエさん(46)は、収監するよりも、過激派による洗脳から若者たちを救い出す対策を講じてほしいと訴えている。

 ショーンさんやサミーさんは数年前にイスラム教に改宗した。だが、家族との接触を避けるなど変化が目立つようになったのはシリア行きの約1年前、2人が貧しい人に食物を配るボランティア活動に参加し始めた頃からだ。活動の指導者がイスラム過激思想の扇動者だった。

 「定職はなかったが、ヒップホップダンスが好きで、非行歴もない子だった」。オリビエさんは悲しそうに息子の写真を見つめた。「人生に迷って生きる意味を探している子、何か重要なことをやり遂げたいと思っている子。そんな子が、世界のイスラム教徒が置かれている悲惨な状況を変えるためだ、と洗脳されて武器を手にとってしまうのだ」

          ◇

 ISに参加した息子の死に打ちのめされていたイヌギアンさん。息子のような犠牲者を出さないため、学校などでモロッコ系の若者たちに訴える活動を始めることにした。

 「あなたたちは他のベルギー人と同じように、ここで生まれ、同じ先生に教わり、同じ頭脳を持っている。同じ仕事ができないはずはない。職が見つからなくても諦めないで、2倍努力するのよ」


<仏州議会選>廃鉱の街、極右浸透 既存政党に不信
毎日新聞 12月11日(金)21時30分配信

 6日のフランス州(地域圏)議会選第1回投票で大きく支持を伸ばした極右政党、国民戦線(FN)のマリーヌ・ルペン党首(47)が出馬したノールパドカレー・ピカルディー州には、炭鉱を掘った残土を積み上げたボタ山が散在していた。FNの候補に移民問題を聞くと「私は人種差別主義者ではない」と声を荒らげた。【アビオン(仏北部)賀有勇】

 移民排斥を訴えるFNは第1回投票で同州の最多得票を得た。13日に行われる第2回投票でも勝てば、ルペン氏が首長である議長になる可能性が高い。

 パリの北約180キロ。かつて炭鉱でにぎわった人口約1万8000人のアビオン市を10日に歩いた。赤レンガ造りの家々が並ぶ市内には、ルペン氏の選挙ポスターが奇麗に掲げられていた。破られたり落書きされたりしていることの多いパリとは大違いだ。

 もともとは炭鉱労働者組合との結びつきが強い左派の地盤。市長は1936年から現在まで共産党だが、FNが徐々に支持を広げている。第1回投票ではFNが42%を得票し、32%の共産党を引き離した。

 朝市が開かれていた市の中心部に行っても、移民系住民はほとんど見当たらない。これもパリ周辺とは異なる光景だ。野菜を売る露店の前で、ようやく見つけた乳児を抱えたモロッコ系移民の女性(23)は、FNの勢いについて「ショックだ」とだけ小声で答えた。

 その横で、6人組の男性がビラをまいていた。

 FNの候補、ローラン・ダソンビルさん(37)と支持者だった。ダソンビルさんは、「(不法移民は)いずれここにも来る。彼らに金を使うのではなく、困っているフランス人に使うべきだ」と話した。

 ルペン氏が党首になるまでは共産党員だったダソンビルさんは、FNの政策は移民排斥だけではないと強調。最低賃金の引き上げなど左派と近い政策も多く、さまざまな支持者を取り込みやすいと話す。フランスの専門家の多くは、既存政党への不信をFN躍進の背景に挙げてもいる。

 80年代までに炭鉱が閉山となって、地域経済の落ち込みに苦しんできたアビオンも例外ではない。50年以上も共産党や社会党に投票し続けてきたという主婦、アンマリさん(72)は「生活が改善されないことに失望した有権者が(FNに)票を託している。FNを好きではないが、投票する人を責めることもできない」とため息をついた。

 アビオンから東へ10キロ弱のエナンボーモン市は、市長もFN党員だ。

 市役所の階段で友人と話していた主婦で2児の母、ルディビンさん(23)に話しかけると、「この国に移民の居場所はない。自分たちの国に帰して、国境を閉鎖すべきだ。移民がいなかったらテロだって防げたかもしれない。私はマリーヌを全面的に支持する」。まくし立てるように話す彼女の勢いに圧倒され、返す言葉がなかった。

 ◇13日に第2回投票

 フランスには本土13州(地域圏)と海外4州がある。州議会選は比例代表方式の2回投票制だ。第1回投票で過半数を獲得する政党がない場合は、得票率10%以上の政党が第2回投票に進む。5%以上得票した政党は、10%以上得票の政党と名簿を一緒にすることで第2回投票に進める。6日の第1回投票では仏本土13州のうち6州で極右政党の国民戦線(FN)が得票率で首位になった。

 第2回投票では第1党に議席の25%がまず割り当てられ、残りの75%を第1党を含めた政党で得票率に応じて分ける。議会運営を安定させるためで、ほとんどの州で第1党が過半数の議席を持つことになる。首長である州議会議長は通常、第1党の名簿筆頭の候補者が選ばれる。


<パリ同時テロ1カ月>観光・消費に打撃 世界経済リスクに
毎日新聞 12月11日(金)21時17分配信

 【パリ坂井隆之】パリの同時多発テロから13日で1カ月を迎えるが、フランスでは観光旅行のキャンセルが相次ぎ、消費の落ち込みも続いている。ユーロ圏2位の経済規模を持つフランスの景気悪化は欧州の停滞を通じて世界経済の足を引っ張りかねない。

 「テロ後はキャンセル続きで、今もあまり客足は戻っていない。来年には良くなるのか、全く見通せない」。パリ市内の中心街でホテルを経営するアブドゥラフマン・ベナビさん(56)は暗い表情で首を振った。事件後の予約客数は例年を3割ほど下回り、料金を下げて宿泊客をつなぎ留めている状態という。

 フランスには世界最多の年8000万人超の外国人観光客が訪れ、国内総生産(GDP)の7.5%を観光業が占める。レストランやデパートなど関連産業の裾野も広い。

 航空大手エールフランスは8日、テロによる11月の売り上げの減少は5000万ユーロ(約67億円)に達するとの見積もりを示し、「来年にも影響は残る」と公表した。百貨店業界でも11月は大幅に売り上げが落ち込んだ模様だ。

 こうした状況を受け、フランス銀行(中央銀行)は、フランスの10~12月期GDP成長率見通しを0.1ポイント下方修正し、前期比0.3%増とした。

 さらに、テロ警戒のため首都の公共機関を一時閉鎖した隣国ベルギーも経済への影響は避けられない。また、欧州連合(EU)全体が域外との国境管理を厳格化し、観光収入の減少が欧州に広がる懸念も抱えている。

 ユーロ圏は債務危機の後遺症による低成長が続き、欧州中央銀行(ECB)は3日に追加金融緩和を決定した。ECBのドラギ総裁は「(テロなどの)地政学的問題が成長へのリスクになっている」と警戒を示している。

 市場でも「観光や娯楽で訪れる客の減少は、消費を悪化させ、来年にかけての欧州の景気の下ぶれリスクになる」(英大手銀バークレイズ)との指摘が出ている。

 ◇日本旅行者も敬遠

 日本の旅行・航空業界でもテロ以降はフランスを訪れる観光客が減っている。

 HISは、テロ以降にフランスを訪れたツアー客が前年同期比で3~4割減った。欧州全体でも2割ほど減っており、来年1月の予約も同じ状況だという。

 また、日本航空の羽田、成田-パリ便は、今年1月から10月までは前年同期比でプラスだったが、テロ以降は1~2割減った。日航は「過去に起きたテロの傾向からすると、春まではこの状況が続くだろう」と予想する。

 一方、日本からの海外旅行客全体はテロ前とほとんど変化していないという。旅行先を他の地域に変えているためだ。

 成田空港が11日発表した年末年始の国際線出入国客の推計は、計126万人で、前年同期比4%増。「パリ便はマイナスが続きそうだが、ハワイやグアム、台湾などが人気だ」という。

 また、観光庁によると、訪日外国人客はテロ以降も同じペースで増え続けている。フランスからの来日者も「大きな影響があるとは聞いていない」という。【山口知】


<米コネティカット州>テロ監視対象者の銃購入禁止、署名へ
毎日新聞 12月11日(金)20時32分配信

 【ニューヨーク草野和彦】米東部コネティカット州のマロイ知事(民主)は10日、連邦政府のテロ監視対象者が州内で銃を買うことを禁止する知事令に署名する方針を明らかにした。パリ同時多発テロや西部カリフォルニア州の銃乱射テロを受けた措置で、全米初の試み。

 知事は「連邦議会は(銃規制に)動いていない。だから我々が動く」と語った。連邦政府に働きかけて銃購入禁止の対象者リスト作りを進めており、準備が整い次第、知事令に署名するという。

 テロ監視対象者は飛行機の搭乗拒否リストに名前が掲載される一方で、銃購入を禁止する連邦法はない。オバマ大統領は6日の演説で、搭乗拒否リスト対象者による銃購入を禁止し、過激主義者が銃を入手するリスクを減らす必要性を訴えた。

 だが、上下両院とも共和党が多数派を占める連邦議会では、新たな銃規制法が可決される可能性は低い。

 同州では2012年に小学校で児童ら26人が犠牲となる銃乱射事件が発生。翌年、銃犯罪歴のある人物の登録制度を含む包括的な銃規制法が成立した。ただ、一部の州が銃規制を強化しても、規制が緩い他の州で購入することは可能なため、実効性を上げるには連邦法による強化が必要だ。


捜索先は2500か所以上…パリ同時テロ1か月
読売新聞 12月11日(金)19時19分配信

 【パリ=本間圭一】パリ同時テロは13日で発生から1か月を迎える。

 非常事態宣言が続くフランス国内ではいまも大規模な捜査が続いている。オランド政権はテロを首謀したイスラム過激派組織「イスラム国」の打倒を掲げ、捜索だけでもすでに2500か所を超えているが、国是である「自由」よりも治安を重視する世論が目立っている。

 非常事態宣言で捜査当局の権限が大幅に強化された。治安の脅威となる理由がある場合、令状がなくても捜索や身柄拘束ができるようになった。内務省は9日、これまで捜索先は計2500か所以上に上り、身柄拘束したのは200人以上だと公表。354人が自宅からの外出を禁じられ、武器押収は398件に上ったという。


シリア空爆反対と叫ぶ正論の危うさ ---仲宗根 雅則
アゴラ 12月11日(金)17時20分配信

空爆反対の英国民は対案があるのか

パリ同時多発テロの直後にフランスはシリアの「イスラム国(IS)」への爆撃を強化し、ドイツも空爆には参加しないものの偵察用の戦闘機やフリゲート艦を派遣。また英国はイラクでの空爆をシリアにも拡大して「イスラム国(IS)」を攻撃している。

英国の空爆決定は、作戦に反対する多くの市民の声に抗(あらが)っての苦しい選択だった。批判者の主な論拠は、同国も参加しているイラクでの空爆の成果が上がっていないこと、だった。国論を真っ二つにした議論はシリア空爆開始後もくすぶり続けている。

英国の空気は世界にも伝播していて、いわゆるリベラル派はいうまでもなく、軍事アクションを鼓舞することが多い保守派まで、英国の空爆参加を非難し有志連合の作戦を中止するべきだという論陣を張っている。そうした声に対しては僕は「ならば対案はあるのか?」と問いたい。

対案が「何もするな」であるなら、何をか言わんや、である。それは「イスラム国(IS)」の破壊と残虐を「黙認しろ」と言うに等しい。有志連合の「イ スラム国(IS)」空爆、ひいては掃討作戦に関しては、英国国内に限らず大きな誤解と混乱が世界中にはびこっていると感じる。

アメリカの責任

誤解と混乱とはつまり、「イスラム国(IS)」の今現在の差し迫った危険と、その危険をもたらした欧米の責任を同時に声高に語ることである。この二つが平行して論が進められるために問題の焦点がぼやける。別の言い方をすれば惑乱する。

「イスラム国(IS)」はアメリカと英仏の横暴によって生まれた化け物である。従ってパリ同時多発テロを含む今の世界の混乱の責任は欧米にある。これは疑いようのない事実だ。むろん「イスラム国(IS)」にも責任はある。が、そもそも彼らが生まれなければ、今のテロ戦争は無かった可能性が高い。

それは具体的に言えば米の横暴から起きたイラク戦争と、それを上回る暴虐を発揮しての戦後処理の問題である。ブッシュ(息子)米大統領は、サダム・フセイン指揮下でイラクを支配していたバース党を、戦後に勝手に解体してイラク国家を崩壊させた。

ブッシュ大統領の無知と傲岸によって破壊され尽くされたイラクでは、それまで国家の中枢を担っていたバース党員や周辺の男らが迫害され路頭に迷い、米国ひいては欧米への恨みつらみを募らせて集結した。それが「イスラム国(IS)」の前身だ。

欧米の歴史的横暴

それ以前、第一次世界大戦中には、英国の中東専門家サイクスとフランスの外交官ピコの原案作成による、いわゆるサイクス・ピコ協定の横暴もある。英仏はロシアも巻き込んだその協定を元に、オスマン帝国内で共存していた人々の土地に勝手に国境線が引いて、混乱の元を作った。

やがて欧米は、アラブの土地を取り上げてイスラエルという国まで作った。それは中世から続く欧州によるアラブ世界への横槍の一環に過ぎない。キリスト教を旗印にする欧州は、宗教対立の先鋭化を理由に十字軍を編成してイスラム世界への侵略と抑圧の歴史を編み始め、それは時代と共に止どまるどころか加速して現在に至っている。

また欧州は第一次世界大戦以降、中東からの移民を安い労働力として招き入れたが、彼らは差別と偏見の中で苦しい生活を強いられ続け、やがて今の混乱を生むホーム・グロウン(自国民)テロリストらが作り出される事態を招いた。

従ってイスラム過激派のテロを無くすためには、「イスラム国(IS)」を始めとする過激派組織を爆撃するよりも、先ず欧米が過去を反省し中東移民への偏見や差別を無くして、真の寛容と多様性を認める平等な社会を作り上げることが先決である。

欧米の暴虐と「イスラム国(IS)」のそれは切り離せ

前述の考え方の延長で、今「イスラム国(IS)」を叩くのは、欧米が再び過去の横暴を繰り返すことでしかなく、それはアラブの人々の更なる反感を招いて、結局新たな「イスラム国(IS)」やテロリストを生み出すことにしかならない、という議論が多くなされている。それは正論だ。

だが正論は常に時代に合致した正しい行動を呼ぶ訳ではない。シリア空爆に反論を唱える人々は、「イスラム国(IS)」が生まれた歴史的背景と、それを攻撃することから生まれる新たなテロの蓋然性のみを強調して、「今この時の脅威」である過激派組織をどうするのかという議論を避けて通っている。

そこでは欧米への糾弾や批判のみが一人歩きをして、「イスラム国(IS)」への空爆は何が何でも悪であり、不正義だという声ばかりが大きくなっている。それは間違っている。欧米が過去に犯し今も犯している罪と「イスラム国(IS)」の現行犯罪とは切り離して論じられるべきである。

繰り返しになるが、反空爆論や欧米の責任論はそのほとんどが正しい主張である。また「イスラム国(IS)」掃討作戦が新たなテロを生む可能性も否定できな い。いや否定できないどころか必ず別の「イスラム国(IS)」がそこから生まれる。テロは根絶できてもテロの思想は駆逐できないからだ。従ってただ「イスラム国(IS)」を殲滅するだけではなく、過去の過ちを繰り返さないための知恵が求められているのは言うまでもない。

「イスラム国(IS)」は肥大した癌

差し迫った脅威「イスラム国(IS)」はいわば肥大した癌である。癌は早急に削除されるべきである。それが「イスラム国(IS)」を殲滅する、ということ だ。ところがそのことで新たな癌が生まれる、だから行動を起こすなというのは、肥大した癌を放置したまま発癌物質が何だったかを調べたり過去に遡って生活 習慣を正す努力をしたリするに等しい。そんなことを続けていれば、解決策が見つかるはるか以前に患者は死亡してしまうだろう。

現在の「イスラム国(IS)」と世界の関係はそれと同じことだ。なにはともあれ今は癌を根治することが肝心である。欧米中心の有志連合は、「イスラム国 (IS)」を地上から消し去った後、イスラム教徒と中東地域を蹂躙した過去を反省すると同時に、テロの温床となる移民への間違った政策を是正し、今度こそ寛容と多様性が息づく真の平等社会を構築するために動き出さなければならない。

最後に付け加えておきたい。悪魔も顔負けの「イスラム国(IS)」は、イスラム教徒のために一つだけ良い仕事をした。それは欧米と世界の目を、欧米が犯し た過去の大罪に向けさせ、さらに欧州社会におけるイスラム系移民の置かれた理不尽な状況を、欧米各国民自身を含む世界の人々に知らしめたことだ。

暴力と残虐の限りを尽くしている彼らの行為は、言うまでもなく賞賛されるべきではないし正当化されるべきでもない。しかし、彼らは結果としてイスラム教徒やイスラム系移民 に資する仕事をしたことは否定できない。彼らのおかげで欧米をはじめとするグローバル世界は、今後はもはやイスラムの問題を無視して進むわけにはいかなくなった。

また欧米社会は、かつて英国がやったような三枚舌外交の手口で問題を誤魔化すこともできない。世界はその欺瞞を知った。もう後戻りはできないのである。それは言葉を替えれば、世界がテロの温床を一掃する方向に向かって進む可能性が出てきたことを意味する。「イスラム国(IS)」は再びその部分だけに限って言えば、 良い仕事をした。もうそろそろ消えてもらった方がいいのである。


パリ同時多発テロとユートピアの不在
Wedge 12月11日(金)12時3分配信

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銃弾の跡が残るパリのカーサノストラカフェ(Getty Images)

 2015年11月13日、パリ市内で同時に自爆テロを含むテロ事件が発生し、130人の死者と300人以上の負傷者を出した。テロはIS(イスラーム国)によるものといわれている。この実行犯8人のうち、5人はフランス国籍である。このホームグロウン(フランス育ち)テロリストの存在は、フランス国内でのISに対するフランス社会の警戒心をさらに強め、また、テロが対外的な問題に留まらず対内的な問題でもあることを改めて明らかにした。

「一匹狼型」テロの恐怖 米乱射、ISの誘いに呼応か

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当局は11月18日、パリ北部のサンドニに潜むテロ容疑者を急襲した(Getty Images)

欧州で最多のIS参加者を輩出するフランスの憂鬱
 2015年6月に国民議会に提出された報告書によれば、フランスからシリア・イラクへと出発する者の数は特に2013年1月から急激に増加しており、1683人にのぼる。その多くはISに参加しているという。これまでもアフガニスタンやボスニア、さらにはチェチェン紛争にフランスから参加する者達は存在したが、その数の多さにおいてシリア・イラクへの出発は際立っている。また、ISには100カ国以上からの参加者が存在するといわれるが、欧州最多の参加者を送り出しているのはフランスである。

 欧州においてムスリムは何よりもイスラーム諸国からの移民出身者(いわゆるムスリム系移民出身者)と重ねられる傾向がある。現在、フランスには国民の約10%にあたる、約500万人にのぼる(主として北アフリカ諸国からの)ムスリム系移民出身者が定住している。そして、第二世代以降(以下では「第二世代」)を中心にかれらの多くはフランス国籍を取得している。

 かれらは、フランス人平均よりも学歴が低く、ムスリムと見なされることによる差別も相まって長期の失業を経験する傾向がある(平均の2倍以上の失業率)。またかれらの多くは低所得者向け団地が集中する郊外地域に居住している。こうした事実から、次のような問いが頻繁にたてられている。「かれらがムスリム系であり、フランス社会で排除や差別を経験することを考えれば、そのイスラームへの信仰とフランス社会への反感からISなどイスラーム過激派へのかれらの志向性を止めることはできないのではないだろうか」。

ムスリム系移民出身者≠ムスリム≠IS参加者
 こうした問いはISへの参加者をムスリム系移民出身者と安易に重ねている。しかし、その参加者は1683人であり、多く見積もってもムスリム系移民出身者約500万人の中0.05%以下であり、例外的であることに注意するべきである。そしてムスリム系であるということは、かれらがイスラームを信仰することもイスラームに基づいて行動することも意味しない。2011年の世論調査機関IFOPの調査によれば、かれらの中にはカトリックやユダヤ教徒も存在するし、60%以上は規則的な礼拝を行わない。

 そもそも、イスラーム諸国と比べて、政教分離を基本的原則とするフランスにおいてイスラームの教義を教育課程の中で学び日常で実践することは容易ではない。イスラームの教義を公立学校や公教育で学ぶことはできないし、私立小中高校において課外授業として学ぶことは可能であるが数は限られている(公的補助を受けるのは3校)。ほかにモスクが週末に子ども向けにアラビア語やコーラン教室を開いているが、数も少なく、その参加者は第二世代の中でもわずかである。

 それでは、こうした数少ない場で幼少からイスラームの教義を学んだ第二世代がISに参加するのだろうか。実際には、今回のテロ実行犯も含めてバーの経営をしたり、イスラームの信仰に熱心とはいえないような生活をしていた若者達が、近親者も気付かない中で数週間から数年の短い時間の間にISへの関心を深め、参加していく事例が少なくない。つまり、ISへの参加者達に、長期のイスラームの教義教育が結果としてISへの参加を促す一般的傾向を確認することはできない。

 また、ISへの参加の要因を排除や差別の経験に還元することもできない。過激派について研究する社会学者F.コスロカヴァールによれば、ISへの参加者には二種類のタイプが存在するという。第一のタイプは、たしかに、郊外に居住し排除や差別を経験する第二世代である。1995年の地下鉄テロ事件の実行犯であったK.ケルカルや2015年1月のテロ事件の実行犯であったクアシ兄弟、A.クリバリ、今回の実行犯の一部の事例である。

 この第一のタイプは、非行や犯罪経験をもち、多くの場合、刑務所でイスラームの過激思想にふれ、アフガニスタンやシリアなどへの渡航経験を経て、最終的には聖戦の名の下にフランス社会との断絶をはかっていく。かれらにとっては排除や差別による自己劣等化の中で閉塞感を感じる際の肯定的な自己評価の場としてISへの参加が機能している。現在もなお、このタイプがテロ実行犯の主要なプロフィールであることに変わりはない。

 しかし、3年前から中産階層出身者が第二のタイプとして登場している。中には白人の改宗者なども含まれる。排除や差別の経験をもたない(か少ない)かれらの多くはシリアの窮状を知る中で人道的関心から、インターネットなどを通じてISに関心をもち、参加する。かれらの参加には、既存の権威や社会的紐帯が揺らぎ個人の自由や選択が当然視(強要)される現代、若者が自分の存在意義を見いだそうと迷う中でISのイスラームを根拠として主張する明確な権威や社会的紐帯にひかれる傾向が(第一のタイプ以上に)特に現れている。

悩める若者受け止める場の不在
 フランスからのIS参加者は、フランスの環境と切り離された中でイスラームの教義教育を受けてきたわけではない。また、その出身が排除や差別された層に留まらず、中産階層にまで及んでいることを考えれば、ISへの参加を宣伝の巧みさやイスラームの問題とするのではなく、フランス社会での排除や差別、さらには自分探しの中で閉塞感を感じる若者を受けとめる場の不在の問題としてみることが重要だろう。

 閉塞感をもつ若者にとってのユートピア的思想、かれらを受け入れるオルタナティブな場が西欧には不在にみえる。このことが、シリア・イラクでのムスリムの境遇と実際には大きく異なる自分たちの排除や差別の経験を重ねることを、さらには、西欧と敵対するISの主張するムスリムの共同体のイメージに自分探しを重ねることを可能にするのだ。

 かつて冷戦下においては、共産主義が西欧社会にとってのオルタナティブとしての選択肢を示していた。しかし、ソ連が崩壊し、共産主義はもはや具体的な政治的選択肢としてのリアリティをもたず、市場競争が自明視され社会保障が削減される。こうした中、フランス社会で閉塞感を感じている者達にとってオルタナティブを見いだすことが困難になっている。

 この困難の中で、イスラームに依拠しながらオルタナティブを提示しようとする有力な団体が、「ムスリム青年連合」などの第二世代が中心となるイスラーム団体の主流派である。団体はイスラームの実践をスポーツ活動など孤立した若者の居場所作り、さらには消費社会批判などと解釈することで、閉塞感をもつ若者達にオルタナティブとなるような権威や社会的紐帯を提示する。こうした活動は結果的にISに対抗することになる。

 しかしながら、現在までフランス政府は左派右派を問わず、イスラームのスカーフ(ヒジャブ)着用を理由とした企業側の解雇を認めるなど、度重なる法改正によってイスラーム一般を公的秩序や人権に対抗的な価値をもつものとして警戒することで、こうした試みを否定してきた。これらの政治傾向は、ムスリム系移民出身者に対する差別やイスラーム脅威論を強化することで、ISが提示するイスラーム対西欧という二項対立軸を説得力のあるものにしてしまう。

日本とて対岸の火事ではない
 現在、ISの二項対立軸に対抗するためにフランスで必要な試みは、イスラームを一般的に否定せず、その多様性を認めること。そして、テロ対策の強化はもちろんだとしても、生活保障の仕組みを再構築し貧困と闘うこと。さらに、イスラームによるものも含む、多様な居場所作りを支援していくことである。とはいえ、こうした試みは、12月6日の地方選での、イスラーム排斥を掲げる極右政党「国民戦線」の圧倒的勝利(13のうち6地域圏で首位)を背景により困難になっていくようにみえる。

 そして、同時多発テロを西欧だけの問題とすることはできない。日本でも非正規雇用や貧困が広がる中で排除や差別が顕著になり、個人の自由や選択が人生において当然視される中で迷う人々が多く存在する。そうだとすれば、同時多発テロが提示した閉塞感とユートピアの不在という問題は日本にも共有される問題である。


<スイス>仏のテロ容疑者、潜伏情報で警戒レベル引き上げ
毎日新聞 12月11日(金)11時53分配信

 【ローマ福島良典】スイスからの報道によると、国連欧州本部を擁するジュネーブの当局は10日、テロ容疑者が潜伏している可能性があるとして、警戒レベルを引き上げた。

 スイス紙ルタン(電子版)によると、パリ同時多発テロで国際手配中のサラ・アブデスラム容疑者の友人ら男2人組がジュネーブで小型トラックを運転していたのが8日に目撃された。小型トラックはスイスからフランスに入ったという。

 ジュネーブ州当局は10日の声明で、パリのテロ事件捜査の一環で容疑者の行方を追っていると明らかにした。ルタン紙によると、容疑者は4人。米中央情報局(CIA)が4人の写真をスイス側に提供したという。

 スイス当局は駅、空港、フランス大使館、国連欧州本部、シナゴーグ(ユダヤ礼拝堂)などの警備を強化している。国連欧州本部では11日からシリア内戦の解決を目指す国際会議の開催が予定されていたが、別の場所に変更された。


パリ同時テロ、ジュネーブで容疑者5人捜索 テロも警戒
CNN.co.jp 12月11日(金)11時29分配信

(CNN) スイスのジュネーブで10日、パリ同時多発テロ事件への関連が疑われる過激派5人の捜索が行われるとともに、テロの警戒レベルが引き上げられた。捜査関係者がCNNに明らかにした。

警察が行方を追っている5人は、いずれも過激派の戦闘員を勧誘していたフランス国籍のムーラド・ファレス容疑者と接点があった可能性がある。ファレス容疑者は同時テロでコンサートホール「ルバタクラン」を襲った実行犯3人のうちの1人を勧誘したとされる。

フランス情報当局によれば、ファレス容疑者は過激派組織「イラク・シリア・イスラム国(ISIS)」の協力者で、主にフランス語圏の国々で活動していたという。同容疑者は昨年8月にトルコで逮捕され、翌月フランスに移送されていた。

今回の潜伏情報は、米情報当局からスイス当局にもたらされた。4人の人物がスイスや米国の都市に対する攻撃を企てているという内容で、スイス当局はテロへの警戒レベルを引き上げた。この4人が今もスイス国内にいるのかどうかは把握できていないという。

また、シリアに逃亡したと見られるサラ・アブデスラム容疑者の仲間がスイスに入国したとの情報も提供された。

ジュネーブの治安当局の報道官は「漠然とした脅威という段階から具体的な脅威という段階に移った」と説明。監視レベルが引き上げられ、通常より多くの警官が市内各所で警備に当たっているという。

ジュネーブには国連機関が集中しており、ニューヨークにある本部に次いで世界で2番目の規模とされる。


「イスラム国」メンバー4人 ジュネーブ潜伏? 警察当局厳重警戒
産経新聞 12月11日(金)10時17分配信

 【ロンドン=岡部伸】イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」(IS)組織員とみられる4人が、スイス・ジュネーブ周辺に潜伏している疑いが高まり、10日、パリの同時多発テロとの関連もあるとみてスイス警察当局が警戒を強めている。ロイター通信が伝えた。

 ジュネーブ州警察当局は9日、連邦警察当局から「ジュネーブ市内に不審者が潜伏している可能性が高い」との情報を受け、警戒レベルを引き上げたとしている。地元紙は、この情報が米中央情報局(CIA)から連邦警察当局にもたらされたと報じた。

 ジュネーブの国連欧州本部の警備担当者は同通信に対し、ISに関係するとみられる4人がジュネーブ市内か周辺に潜伏した可能性を指摘。同本部では11日からシリア和平関連の会合が開かれるため、テロの標的になる可能性もあるとみて警備レベルを最高ランクに引き上げた。


ジュネーブでIS容疑者捜索、北米で攻撃計画か
AFP=時事 12月11日(金)9時37分配信

【AFP=時事】スイス・ジュネーブ(Geneva)の警察は10日、同市内での警戒レベルを引き上げ、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」と繋がりがあるとみられる容疑者数人の捜索を行った。当局が明らかにした。

【写真7枚】警備が強化される市内

 ジュネーブ州治安当局の発表によると、スイス連邦当局から9日、ジュネーブ周辺に複数の不審な人物がいるとの情報が通達された。スイス紙トリビューン・ド・ジュネーブ(Tribune de Geneve)は、情報の提供元は米国だったとしているが、この報道の真偽は確認されていない。

 今回の捜索は、IS支持者の可能性がある容疑者の摘発が欧州各地で拡大する中で実施されたが、11月のフランス・パリ(Paris)同時テロ事件には関連していないもようだ。

 スイスの報道機関が入手した警察の文書では、捜索の対象となっている容疑者らがジュネーブの他、米シカゴ(Chicago)とカナダ・トロント(Toronto)を標的とした攻撃を計画していた可能性があったとされている。【翻訳編集】 AFPBB News


ジュネーブ州警察当局、テロ容疑者を捜索-潜伏の可能性で警備強化
Bloomberg 12月11日(金)9時8分配信

    (ブルームバーグ):130人の犠牲者が出たパリ同時テロ事件から1カ月足らずとなる今週、スイスのジュネーブ州警察当局はテロ容疑者の捜索を進めている。ジュネーブ州では11日に開かれる米国とロシア、国連によるシリア問題に関する準備会合を前に警戒レベルが引き上げられた。

ジュネーブ州警察当局は、州内にテロ容疑者が潜伏している可能性について連邦当局から9日午後に通知を受け、警官の配置を増やしている。警察当局は10日にウェブサイトで捜索は「パリ同時テロを受けて始まった捜査に関連するものだ」と説明した。

ジュネーブの治安当局のエマニュエル・ロ・ベルソ報道官は電話取材に対し、「街頭の警官を増やした」と述べ、「脅威はより現実的だ」と語った。

原題:Police Seek Terror Suspects in Geneva After Paris
Attacks (3)(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:
Geneva Thomas Mulier ;ジュネーブ Hugo Miller ;ジュネーブ Andy Hoffman ,tmulier@bloomberg.net,hugomiller@bloomberg.net,ahoffman31@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:
Anthony Aarons
Giles Broom, Albertina Torsoli ,aaarons@bloomberg.net


「イスラム国」関係者潜伏か=当局捜査、警戒度引き上げ―ジュネーブ
時事通信 12月11日(金)8時41分配信

 【ベルリン時事】AFP通信などによると、スイスの捜査当局者は10日、過激派組織「イスラム国」との関係が疑われる複数の人物がジュネーブ周辺に潜伏している可能性があり、警戒レベルを引き上げたと明らかにした。
 
 地元当局は9日に捜査を開始し、「テロ行為の阻止を目指す」と強調した。捜査対象者は4人とみられ、同組織などを支援している疑いがある。米当局からスイスに情報がもたらされたもようで、11月のパリ同時テロとの関連は不明。
 ジュネーブにある国連欧州本部では、短機関銃を持った治安要員が入り口に配置された。当局は空港でも警戒を強化している。


世界各地で極右が躍進! いまこそ日本は「現実」を見据え、冷徹に「実利」を考えなければならない
現代ビジネス 12月11日(金)6時1分配信

欧州に再び、国境の壁がそびえたつ
 フランス地方選で極右政党の国民戦線(FN)が大躍進した。かと思えば、米国の大統領選では、共和党候補のトップを走っている不動産王、ドナルド・トランプ氏が「イスラム教徒の入国拒否」を唱えた。「テロと戦争の時代」を象徴するような欧米の政治潮流である。

 国民戦線は12月6日に実施された地方選で28%の得票率を獲得した。オランド大統領が率いる社会党の23%、サルコジ元大統領が率いる共和党を軸とする右派の27%を引き離して、堂々のトップである。

 1972年に結成された国民戦線はそれなりに歴史があるが、つい数年前までは弱小政党の1つにすぎなかった。それが現党首であるマリーヌ・ルペン氏が率いるようになった2011年あたりから勢力を伸ばし、14年の欧州議会議員選挙で大躍進した。今回は既成政党に肩を並べるどころか、与野党を凌駕してしまった。

 この調子だと、17年に予定される大統領選でも国民戦線が勝利して、ルペン党首が大統領になるのも夢物語ではないかもしれない。背景にあるのは、もちろん11月13日のパリ同時多発テロだ。

 オランド大統領はテロ発生後、直ちに非常事態宣言を発令して令状なしの家宅捜索に踏み切り、テロ第2波の封じ込めに成功したのはご承知の通りだ。それでも国民の不安は収まらず、今回の地方選では難民受け入れの即時停止や検問強化を訴えた国民戦線が大勝利を収めた。

 国民戦線の躍進が無視できないのは、話がフランスだけにとどまらないからだ。

 人の自由移動こそが欧州統合の出発点であり、フランスはドイツと並んで欧州連合(EU)の牽引役だった。国民戦線の勢いが止まらず、フランスが国境の壁を高くして難民を拒否するようだと、統合の理念と真正面から衝突する。

 後からEUに加わった東欧ならいざ知らず、EU発足の起草メンバーであるフランスが難民に国境を閉じるのは、欧州統合にブレーキをかけるのに等しい。欧州に再び、国境の壁が高くそびえ立つのだろうか。

正論は、リアルな恐怖には勝てない
 米国に目を転じれば、こちらも共和党の最有力候補が驚くべき発言をした。トランプ氏は「当局が問題を分析できるまでの間」と限定を付けながらも、イスラム教徒の米国入国を禁止するよう提案したのだ。

 入国禁止は移民だけにとどまらない。ロイター通信の取材に対して、トランプ陣営の担当者は学生や観光客も含めた「全員」と答えている。本気なら、イスラム教徒は米国の大学に入学できず、観光旅行さえできなくなってしまう。

 これを「ありえない」と一蹴するのは簡単だ。問題は、こんな提案が有力な大統領候補の口から飛び出した点である。言うまでもなく、米国は「機会と自由」が国の理念である。それが世界中から多様で有能な人材を集める米国の原動力、強さの源でもあった。

 さすがにトランプ発言には共和党内からも批判が噴出し、ライバル候補の1人であるジェフ・ブッシュ元フロリダ州知事は「トランプ氏は錯乱状態」とこきおろしている。

 とはいえ、CNNによれば、各種調査でトランプ氏は20%台後半から30%台半ばの支持率を獲得し、元神経外科医のベン・カーソン氏やテッド・クルーズ上院議員ら2位以下を大きく引き離している。フランスのルペン氏と同じく、米国でもトランプ氏が大統領になる可能性はゼロではないのだ。

 国民戦線やトランプ氏の躍進は、いったい何を意味するのか。

 私は11月20日公開コラムで「世界はテロと戦争の時代に変わった」と指摘した(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/46454)。時代の変化は目に見える景色を流血の惨事に変えただけでなく、政治の最前線でも大きな潮流となって人々を押し流そうとしている。流血が人々の政治意識を変えつつあるのだ。

 彼らの躍進は、けっして単なる跳ねっ返りに対する喝采の結果ではない。真正面から見据えなくてはならないのは、実際に多くの人々の支持を集めている点である。人々はテロの恐怖に怯え、政治に断固たる対応を求めている。

 こうした人々の要求に対して「人種差別は許せない」「右翼の躍進はテロより恐ろしい」「ファシズム復活の前兆だ」などと批判しても、説得力をもつだろうか。理念としては批判が正しくても、リアルな恐怖感には勝てないのではないか。

現実を見据えよ
 私は、こういうときこそ政治やジャーナリズムに「リアルさ」が求められると思う。「冷静さを取り戻せ」などというのは、きれいごとである。理想的な姿を頭に描いて、理念の高みから現実を批判するのではなく、現実を見据えた議論が必要だ。

 具体的に言えば、国民戦線やトランプ氏が唱えるように、難民の入国を一律に禁止したり、イスラム教徒の全面的な入国禁止が本当に必要か。肝心なのはテロリストを締め出して、テロを防ぐことだ。

 そうだとすれば、難民やイスラム教徒を全部、丸ごと締め出す必要はない。白い小石の塊から黒い石のかけらを見つけ出す努力が重要だ。

 国民戦線やトランプ氏の主張は「黒いかけらが混じっているなら、石の塊を丸ごと全部捨ててしまえ」というのと同じである。そういう乱暴な議論こそが危うい。締め出された人々の間に新たな敵意を呼び起こして、問題を一層複雑にするからだ。

 「人権を守れ」「ファシズムは許せない」という理念的な批判も問題の解決にはならない。リアルな不安を抱えた人々に、理念に基づいて「上から目線」で批判しても「それで罪のない命を救えるのか」と別の反発を招くだけだ。

 白い石の塊から黒いかけらを見つけるためには、実務的なテクニックや作業が必要になる。検問強化はもちろんだし、多少の自由制限もやむをえないだろう。たとえばフランスがしたように、電話の盗聴だって非常事態には不可欠ではないか。

 盗聴というと、直ちに「人権侵害」という批判を招きそうだ。日本で「テロ対策に盗聴を認めるべきだ」と主張すれば、左派リベラル勢力は必ず反対するだろう。だが、フランスで盗聴は実際に有効だった。非常時にテロリストを割り出すための技術と割り切るべきだ。それが「テロと戦争の時代」の現実である。

 実際的な技術の利用をためらってテロを引き起こしてしまうと、かえって国民戦線やトランプ氏のような国民全体を巻き込んだ政治的キャンペーンが力をもってしまう。そちらのほうが、実ははるかに危険である。

 とりわけ、日本は来年5月に伊勢志摩サミットを控えている。必要であれば、新たな法整備を含めて政府は新しい技術を活用したテロの封じ込めに全力を挙げるべきだ。

テロよりも怖いもの
 問題はテロリストだけでもない。リアルな対応が求められるのは中国やロシアに対しても同じである。その点、英国が参考になる。

 私は10月23日公開コラムで「英国が中国に媚を売っている」と指摘した(http://gendai.ismedia.jp/articles/premium01/45982)。原発事業にまで中国の参画を許したのは、さすがに甘すぎて英国内でも異論が出ているが、その英国もイスラム国(IS)の空爆に踏み切った。

 英国は南シナ海で無法行為を働く中国には見て見ぬふりをしながら、テロリストには自国にテロが飛び火しかねないとみて軍事力を行使している。遠く離れた中国は英国の脅威にならないから、双方が利益を得るウインウイン関係で付き合いながら、テロリストは許さないのだ。ロシアに対しても経済制裁を続けている。

 英国の判断はけっして理念に基づくものではない。実利である。

 日本は英国と違う。中国は日本海と東シナ海を隔てて目と鼻の先だ。しかも現実に尖閣諸島や小笠原諸島が中国に脅かされている。一方、ロシアとは北方領土問題を抱えているが、いま新たに領土が脅かされているわけではない。

 英国を含む欧州にとって、クリミアに侵攻したロシアはリアルな脅威だが、日本にとっては違う。だからこそ、英国にとっての中国のように、日本にとってロシアとは実利で話し合う余地がある(11月20日公開コラムも参照)。日本もロシアについては英国流で実利的に判断すればいい。

 そう思っていたら、日本経済新聞が12月10日付で「安倍晋三首相が来春にもロシアを訪問する意向をロシアに伝えた」と報じた。相互訪問が首脳会談の原則なので、本来なら今度はプーチン大統領が訪日する番だが、プロトコルにこだわらず安倍首相が訪ロするのは「プーチンとは実利的に話し合える」と判断したからだろう。

 理念をふりかざして論争が許されたのは、平和と繁栄の時代であったからだ。いまは違う。現実に見合った実務的な対応策が必要だ。そうでないと、もっと怖い理念、すなわちファシズムが勢いを増す。


フランスではまたテロが起こる? 心の空白を埋めることができない世界のイスラム化
週プレNEWS 12月11日(金)6時0分配信

鈴木宗男・新党大地代表と、元外務省主任分析官で作家の佐藤優氏による対談講演会「東京大地塾」。

今回は、11月13日にパリで発生したテロ問題についてだ。1月に続いて、なぜフランスが狙われたのか? その理由を分析すると、次は日本が標的になる恐れが見えてきた…。

それはなぜなのか? さらに、中東の混乱がこれ以上拡大すると、世界は再び大きな戦争に巻き込まれるという。今回も鋭い分析が続々と飛び出した!

■「イスラム国」台頭の原因は100年前の英仏露の秘密協定

鈴木 今日は佐藤さんに11月13日に起きたフランスのテロ、さらに混沌(こんとん)とする中東情勢をわかりやすく語っていただきたいと思います。

佐藤 まず、フランスのテロの話ですが、ほとんどの日本のマスメディアとTVのコメンテーターは、このテロのとらえ方を間違っています。「イスラム国」が“原因”で世界の混乱が起きていると言っていますが、これは間違い。「イスラム国」は“原因”ではなく“結果”なんです。

鈴木 すると原因はなんでしょうか?

佐藤 これは1916年、第1次世界大戦中にイギリス、フランス、ロシアがオスマントルコをどのように分割するかを話し合ったサイクス・ピコ協定です。オスマントルコは、最大時にはモロッコの東側からエジプト、アラビア半島の南岸、イラクからクウェートを含む湾岸諸国、そして北は黒海を囲むように広がっていました。

しかし、英仏露の3国は宗教、部族、資源などを一切配慮しない形で分割案を決めてしまった。そのため、中東の今の国境線は非常に無理があるんです。今、国際社会が混乱しているのは、このサイクス・ピコ体制が機能しなくなってきたから。その結果、「イスラム国」が出てきた。つまり、中東に新しい秩序ができない限り、「イスラム国」を排除しても、名前の違う似たような運動がまた出てきます。

鈴木 日本のマスコミはそこのところが見えていない、ということですね。
佐藤 はい。他にも今回のテロで大騒ぎしていますが、むしろ、今年1月7日に起こったパリのテロで世界の歴史が変わったと見るべきなんです。1月のこの大地塾でも言いましたが、1月8日、イギリスの国内防諜機関「MI5」のアンドリュー・パーカー長官が「シリアのイスラム過激派組織が欧米で無差別攻撃を計画している」と述べました。これは世界的規模のカリフ帝国をつくる革命運動が開始されたという意味です。

フランスではこの時、1月11日に「自由や民主主義の価値を守ろう」として、大規模なデモ行進がありました。参加した市民はパリだけで370万人、フランスのオランド大統領やドイツのメルケル首相など各国首脳が腕を組みながら行進しました。

しかし、今回はもっと多くの人が亡くなったのにそこまでの抗議運動は起こっていない。オランド大統領は「復讐だ!」と強く叫んでいますが、フランス国民には「もう、いいよ」という気持ちが広がっています。1月にあれだけ強固な意志を示して万全な態勢を取ったはずなのにテロは防げなかった。ならば、対テロ戦争から手を引くべきだと考え始めているフランス国民が少なからずいるんですね。

国民が何を考えているかを理解する時に役立つのが、その国で流行っている小説です。この秋に河出書房新社から出た、ミシェル・ウエルベックの『服従』という翻訳本があります。これはフランスでは1月7日、あのテロの当日に出版され、大ベストセラーになっています。

ストーリーは2022年、フランス大統領選の1次選挙で社会党と保守派が負け、ファシズムの国民戦線とイスラム原理主義者のムスリム同胞団の代表者が残り、国民は、ファシズムだけはやめようという消極的選択でイスラム政権を選ぶ。

新政権は経済政策や政治には大きな変更を加えずに、教育だけを変更する。義務教育を12歳までにして、女性が働いてもいいが、なるだけ家庭にとどまるようにする。その家庭にはサウジアラビアのオイルマネーですごい助成金が支給されるから、働かないほうが経済的にはよくなるようになる。

それと、大学教授はイスラム教徒しかなれなくなるんだけど、その代わり、引退させられた先生には定年退職時と同じレベルの年金が支払われる。同様に、一般国民にも産油国が大量に流すオイルマネーで多額の年金が払われ、フランス人は働かなくても生活できるようになるわけ。

そして一夫多妻制が導入される。フランスでは多様な形態の結婚があるし、文明は繁栄しているけれど、心の空白を埋めることができていない。そこにイスラム教が浸透してきて、フランスはじめEU諸国は徐々にイスラム化し、イスラム世界がヨーロッパから地中海に復活していく…という近未来小説です。

このような小説が今、フランスでベストセラーになっている。フランス国民の間には、ISに復讐するという国の方針に対して「もう、いいよ」の気持ちが広がっていってるんです。これはフランス社会の脆弱(ぜいじゃく)さの表れ。だからフランスではまたテロが起こりますよ。

*この続きは、『週刊プレイボーイ』51号(12月7日発売)にてお読みいただけます!

(取材・文/小峯隆生 撮影/五十嵐和博)

●鈴木宗男(すずき・むねお)
1948年生まれ、北海道出身。新党大地代表。2002年に国策捜査で逮捕・起訴、2010年に収監される。現在は2017年4月公民権停止満了後の立候補、議員復活に向け、全国行脚中!

●佐藤優(さとう・まさる)
1960年生まれ、東京都出身。外務省時代に鈴木宗男氏と知り合い、鈴木氏同様、国策捜査で逮捕・起訴される。外務省退職後は大宅壮一ノンフィクション賞を受賞するなど、作家・評論家として活躍

■「東京大地塾」とは?
毎月1回、衆議院第二議員会館の会議室を使って行なわれる新党大地主催の国政・国際情勢などの分析・講演会。鈴木・佐藤両氏の鋭い解説が無料で聞けるとあって、毎回100人ほどの人が集まる大盛況ぶりを見せる。次回の開催は12月17日(木)。詳しくは新党大地のホームページへ


偵察機、兵員の派遣開始=対「イスラム国」空爆支援―独
時事通信 12月10日(木)22時54分配信

 【ベルリン時事】米国やフランスがシリアで行う過激派組織「イスラム国」への空爆を後方支援するため、ドイツは10日、作戦拠点となるトルコに向け偵察機などの派遣を開始した。
 軍は来年1月の任務開始に向け、準備を本格化させた。
 先遣隊約40人も輸送機でトルコ入り。兵士の一人は独メディアに「われわれは(作戦の)リスクを認識しており、訓練を行ってきた。準備はできている」と強調した。
 11月13日のパリ同時テロ後、独政府は対「イスラム国」軍事行動への参加方針を決定。空爆は行わないが、兵員最大1200人に加え、偵察機6機と空中給油機、艦船も出す。


<イスラム教徒入国禁止提言>各国首脳、トランプ氏を批判
毎日新聞 12月10日(木)20時9分配信

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トランプ氏への抗議集会で「イスラム教徒の隣人を愛そう」と書かれた紙などを掲げる人たち=米ニューヨークで2015年12月9日、AP

 【ワシントン西田進一郎】来年の米大統領選に向けた共和党候補者指名争いで支持率首位を走る不動産王、ドナルド・トランプ氏(69)による「イスラム教徒の米入国禁止」という提案に、世界各国から批判が上がっている。トランプ氏は持論をまくし立てて押し切ろうとしているが、偏見や対立を増幅する発言と受け止められているだけに批判がやむ気配はない。

 ◇仏首相「憎悪と対立あおる」

 「外見、出身、家系、どんな信仰を実践しているのかに関係なく、私たちの自由は結びついている」。オバマ米大統領は9日、議会で開かれた奴隷解放を記念する式典で訴えた。名指しこそ避けたが、信仰を理由にした差別を主張するトランプ氏に批判の矢が向いていることは明らかだった。

 批判は国境を越えて広がっている。英BBCテレビなどによると、キャメロン英首相の報道官は「分裂をもたらし、無益で、全く誤っている」との見解を発表。バルス仏首相は「憎悪と対立をあおっている」とツイッターに投稿し、イスラエル首相府も「受け入れられない」との声明を出した。大統領候補者の発言を、これだけ多くの他国の首脳らが批判するのは異例だ。

 また、英議会のウェブサイトには「トランプ氏の英国入国阻止」の請願が提出された。「英国はヘイトスピーチを理由に多くの個人の入国を禁止してきた。この原理は、英国入国を希望する全員に適用されるべきだ」などと説明。10日時点で賛同者は約40万人に達している。

 しかし、トランプ氏は声明を出した翌日以降も、米メディアに出て正当性を主張し続けている。9日のCNNテレビのインタビューでは、「私はイスラム教徒のためを思っている。多くのイスラム教徒の友人たちが行動を支持してくれている」と説明。批判の高まりを指摘されると「大衆は賛成してくれている」と主張した。

 トランプ氏はこれまでも放言、暴言を繰り返してきた。

 メキシコ移民に対して犯罪を持ち込む「レイプ犯」と侮辱したほか、共和党重鎮のマケイン上院議員がベトナム戦争中に捕虜になった経験を揶揄(やゆ)し、女性候補者らには女性蔑視と取られる言葉を投げかけて問題化。それでも撤回や謝罪はせず、逆に自らを批判する人やメディアを徹底的に非難する強硬姿勢で支持を拡大してきた。

 特にパリ同時多発テロ以降、イスラム教徒を敵視する発言を繰り返し、熱狂的な支持者から拍手喝采を浴びてきた。直近のCNNの世論調査では、トランプ氏は共和党支持層の36%の支持を集め、2位に20ポイントの差を付けた。今後も、「自分は支持されている」という強烈な自負心を背景に持論を展開し続けるとみられる。

 ◇トランプ氏の発言◇

 トランプ氏は7日、イスラム教徒の入国を禁止すべきだという声明を発表した。抜粋は次の通り。

 ドナルド・トランプは、米国当局が何が起こっているのかを把握できるまで、全面的かつ完全に、イスラム教徒の米国入国を禁止するよう求める。イスラム教徒の憎悪が理解を超えていることは誰の目にも明らかだ。憎悪がどこから来ているのか、我々はなぜ決断しなければならないのか。我々が決断し、この問題とその危険な脅威を理解できるまで、ジハード(聖戦)だけを信じ、理性を失い、人命を尊重しないような人々の恐ろしい攻撃で、米国を犠牲にすることはできない。


米国のイスラム教徒への嫌がらせ激増、ホットライン報告
CNN.co.jp 12月10日(木)18時33分配信

ニューヨーク(CNNMoney) 悩み事などの相談に応じる米国の非営利団体「クライシス・テキスト・ライン」は10日までに、いじめや嫌がらせの被害を訴えるイスラム教徒の書き込みが11月に顕著に増え、12月に入ってもその傾向が続いていると報告した。

パリで起きた同時多発テロ事件や米カリフォルニア州サンバーナディノで発生した銃乱射事件などが反映している可能性がある。米国では最近、来年の米大統領選の共和党候補指名者争いに出馬した実業家ドナルド・トランプ氏が「イスラム教徒の入国禁止」の強硬論を主張し物議を醸しているが、嫌がらせ相談の増加と関係があるのかは不明。

2年前にサイトなどを開設したクライシス・テキスト・ラインは、文字通信での「ホットライン」で悩み事などを匿名で打ち明け、カウンセラーから助言を受ける仕組みとなっている。利用者の年齢は圧倒的に10代が多いという。

同団体によると、チャットでのやりとりで「イスラム教徒」の文字で検索にかけて月間の相談件数を調べたところ、11月に劇的に増えていることを発見。大半はイスラム教徒と名乗る利用者による嫌がらせ被害の訴えだったという。以前の月間数字と比べ6.6倍前後多かった。

12月になってもこの傾向は続き、同月の最初の8日間での発見例は既に10月全体の数字ほどに匹敵したという。

イスラム教徒と名乗る利用者の相談件数の詳細は、秘匿の原則を理由に拒否している。

ただ、同ラインの創設者は2日、フェイスブック上で「(トランプ氏のような)政治的な威嚇の戦術は一般的な米国人に現実的な影響を及ぼしている」と批判をにじませて書き込んだ。


アノニマスがISISへの一斉攻撃を呼び掛け
ニューズウィーク日本版 12月10日(木)17時46分配信

 国際的なハッカー集団アノニマスが12月11日にテロ組織ISIS(自称イスラム国、別名ISIL)に全面攻撃を仕掛けると宣言、インターネット上で広く参加を呼び掛けている。

 アノニマスは130人以上の犠牲者を出した11月13日のパリ同時多発テロ事件の後、パリ作戦というハッシュタグで反ISISキャンペーンを開始しており、11日の一斉攻撃もその一環。

 やはりインターネット上で反ISIS活動を行っているハッカー集団、ゴースト・セキュリティーも11日の攻撃に参加する。メンバーの1人が、本誌に語った。複数のハッカー集団が連携して攻撃を行うのは異例。

「これまでは少人数のグループで活動していたが、今回は膨大な数の個人が参加する」と、ネット上でワウチュラゴーストと名乗るこのメンバーは話した。「このアイデアをもちかけられて、すぐ気に入った。今までとは次元が違う大規模攻撃になる。ISISをコケにした大量の画像をツイッターに投稿し、ISISのアカウントを乗っ取って、画像やメッセージを書き換える」

 今回の攻撃でISISの化けの皮も剥がせる、とワウチュラゴーストは言う。「奴らはソーシャルメディアを使って怒りと恐怖を拡散しているが、我々は恐れない。そして奴らの実態を白日の下に晒す」

 アノニマスが11月30日にツイッター上に投稿したメッセージには、攻撃参加者のための「ISIS攻撃案リスト」が含まれ、ツイッター、インスタグラム、フェイスブック、YouTubeなどのソーシャルメディアサイトを主戦場に挙げている。

 攻撃の際にはダーイシュ(アラビア語でISISの意)とダーイシュバグズのハッシュタグを使う。インスタグラムのユーザーには写真を、フェイスブックのユーザーにはISIS関連のアカウントを見つけてアノニマスに知らせるよう求めている。

 ネット上だけでなく、アメリカとヨーロッパの都市で集会も開く。ISISを風刺した写真をプリントし、ポスターやステッカーを作成して持ち寄り、街中に貼るという。

 アノニマスはパリ同時多発テロの3日後の11月16日、YouTubeに2分の動画を投稿し、トレードマークの仮面をつけた人物がISISに全面戦争の宣戦布告をしている。


フィリピンとオーストラリア、イスラム過激派対策で協力へ
ロイター 12月10日(木)16時56分配信

[マニラ 10日 ロイター] - フィリピンとオーストラリアの治安当局高官は10日、東南アジアでパリ型同時多発攻撃事件が発生することを防止するため、イスラム過激派対策として、監視や情報、犯罪捜査の面で協力体制を築くことで合意した。

両国は、東南アジアとシリアやイラクなどとの戦闘員の往来に重点を置いて、情報交換を強化する。

ある匿名の当局者は「過激派組織『イスラム国』の構成員が、過激な暴力行為を実行したり、潜伏先や紛争地域への渡航にあたっての乗り継ぎ地点として入国するリスクを懸念している」と述べた。

フィリピンでは、南部に拠点を持つ少なくとも5つの武装組織が、「イスラム国」に忠誠を誓うと表明している。

両国の対テロ対策当局が懸念するのは、約200万人に及ぶフィリピンから中東への出稼ぎ労働者の存在。一部はイラクやシリアに滞在しており、「イスラム国」の思想に感化される可能性があるという。


イスラム教理解に尽力を=モハメド・アリ氏が声明―米
時事通信 12月10日(木)14時42分配信

 【ワシントンAFP=時事】9日の米NBCテレビなどによると、プロボクシングの元ヘビー級世界王者、モハメド・アリ氏(73)は「政治指導者はイスラム教への理解が深まるよう取り組むべきだ」との声明を出した。
 名指しはしていないものの、共和党の大統領候補指名を争うドナルド・トランプ氏がイスラム教徒の入国禁止を訴えたことを批判したと受け止められている。
 イスラム教徒のアリ氏は「パリであれ(カリフォルニア州)サンバーナディーノであれ、世界のどこであっても、罪のない人を殺害する行為はイスラム教に全くそぐわない」と強調。「真のイスラム教徒は、いわゆるイスラム聖戦士による残酷な暴力はわれわれの宗教の教義に反すると知っている」と指摘した。


元王者アリ氏がトランプ氏に「パンチ」=イスラム教徒の人種差別めぐり
時事通信 12月10日(木)14時41分配信

 「誤った殺人者が真のイスラム教に対する曲解を生んでいる。これをはっきりさせるため、政治指導者はその立場を使うべきだ」-。プロボクシングのヘビー級元世界王者、モハメド・アリ氏は、2016年米大統領選で共和党からの立候補を目指すドナルド・トランプ氏がイスラム教徒の入国禁止を提唱していること念頭に、イスラム教徒への偏見を強く批判した。現地メディアが9日伝えた。

 アリ氏はトランプ氏に直接言及しなかったものの、「私はイスラム教徒だ」とした上で、「フランスのパリや世界各地で起きている無垢(むく)の人々に対する殺人はイスラム教と何も関係がない」と強調し、トランプ氏の主張を非難した。
 またアリ氏は、オバマ大統領が米軍兵士や市民、スポーツ界のヒーローとしてイスラム教徒が活躍していると言及したことも踏まえ、「真のイスラム教徒は、無慈悲な暴力が我々の宗教の教えに反していることを知っている」とした。
 アリ氏は、ベトナム戦争への徴兵を拒否し、ヘビー級チャンピオンのタイトルを剥奪された。4年弱のブランクを経て王座を奪還した経歴を持ち、ボクシング界を代表する選手として知られた(AFP=時事)。


【パリ連続襲撃】3人目のバタクラン襲撃犯とは
BBC News 12月10日(木)14時16分配信

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【パリ連続襲撃】3人目のバタクラン襲撃犯とは

パリ警察は9日、11月13日のパリ連続襲撃でバタクラン・ホールを襲った3人の1人とされる容疑者の氏名を公表した。フランス報道によると、男はフエド・モアメド=アガド容疑者(23)。連続襲撃では130人が殺害され、そのうち90人がバタクラン・ホールで犠牲になった。バタクラン・ホールを襲った3人は全員死亡した。(敬称略)

モアメド=アガド容疑者の母親の弁護士によると、先週シリアから母親のもとに、息子は襲撃で死亡したというメールが届いた。捜査当局は、バタクランに残された遺体のDNAと、容疑者の親類のDNAから身元を確認したという。

警察発表を機に、モアメド=アガド容疑者の人物像が徐々に明らかになった。

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【パリ連続襲撃】バタクランで何があったのか? 

フランス東部の国境の町ストラスブールに近い、人口8000人弱のウィッセンブールで育ったフエド・モアメド=アガドは姉妹2人と兄1人の4人兄弟。25歳の兄カリムは容疑者と同じようにシリアへ渡航した。

仏紙ル・パリジャンによると、父サイードと母親はモロッコ出身で、2007年に離別した。

フランス2テレビによると、ストラスブールの警察には軽犯罪への関与で知られていた。シリアへ渡る前に仕事についていたと示す情報はない。

複数報道によると容疑者は、ストラスブールのル・メノー地区から仲間たちと一緒にシリアへ向かった。

かつて危険とされた同地区の治安は近年回復しつつあるという報道が昨年あったが、それでも若者層の失業率は30%に近い。

仏紙ル・モンドは、容疑者がドイツ国境を越えたケール町のシーシャ(水タバコ)バーに頻繁に通い、仲間と会っていたと伝えている。カリムを含む10人がシリア行きを計画したのも、このバーでのことだったという。

10人の便宜を図ったのは、聖戦運動の戦闘員をリクルートする係とみられるフランス人ムーラド・ファレス容疑者(2014年にトルコで逮捕)とみられる。

ル・モンドによると、容疑者のシリア行きは順調にいかなかった。2013年12月には飛行機に乗り損ね、ほかの仲間がトルコで到着を待つ羽目になった。

ニュースサイト「フランス・インフォ」によると、容疑者は家族にドバイに遊びに行くと伝えていた。一行は後に捜査員に、過激派勢力「イスラム国」(IS)のために戦いに行ったのではなく人道目的のためだったと話している。

ル・モンドによると、一行はシリアに入った後、アレッポ経由でISの事実上の首都ラッカへ向かい、そこからさらに東部に移動した。

仏メディアによると、ストラスブール・グループの2人、ムーラドとヤシーヌ・ブジェラル兄弟は昨年初めに検問所で殺害されている。

それから数カ月の間、モアメド=アガドを除く一行は全員、欧州に戻り逮捕された。容疑者の兄カリムを含め全員、公判開始を控えている。

フランス2によると、この時点でモアメド=アガドは仏治安当局に把握されていた。さらに、仏紙デルニエール・ヌーベル・ダルザスによると、国際刑事警察機構(ICPO、インターポール)に指名手配されていた。

シリアに妻がいるという報道もあるが、シリア国内で結婚したのか、妻がシリアまでついて行ったのかは不明だ。

モアメド=アガドがいつどうやってフランスに戻ったのかは判明していない。両親に連絡する時も、ことさらに自分の居場所を隠そうとしていたという。

父サイードはル・パリジャン紙に対して、最後に息子から連絡があったのは今年夏で、ウエブカム経由だったと話した。「いつもと同じで、自分がどこにいて何をしているのか何も話さなかった」、「『大丈夫、大丈夫』と繰り返し、聖戦のことをいろいろ話していた」と父親は言う。

記事によると、母親は息子が戦争を離れるよう期待して送金していた。

父親は9日、報道陣に対して、「いったいどんな人間があんなことをやらかすんだ?  あんなことをすると知っていたら、事前に自分で息子を殺していた」と話した。

(英語記事 Who was third Bataclan attacker Foued Mohamed-Aggad? )


パリ劇場襲撃犯3人目の身元特定、シリアに渡航歴
ロイター 12月10日(木)11時39分配信

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 12月9日、フランス警察はパリで11月13日に起きた同時多発攻撃事件で、バタクラン劇場を襲撃した実行犯3人のうち、身元が分かっていなかった1人の身元を特定した。関係筋が明らかにした。写真はパリで11月撮影(2015年 ロイター/Christian Hartmann)

[パリ/ヴィサンブール(フランス) 9日 ロイター] - フランス警察は9日、パリで11月13日に起きた同時多発攻撃事件で、バタクラン劇場を襲撃した実行犯3人のうち、身元が分かっていなかった1人の身元を特定した。関係筋が明らかにした。

同劇場襲撃では90人が死亡し、実行犯3人のうち2人は自爆、1人は警察に射殺された。

今回身元が特定された実行犯は、フランス東部ストラスブールから約70キロに位置するヴィサンブールの出身で、仏国籍を有するフェド・モハメドアガド容疑者(23)。同容疑者の母親とDNA鑑定を行い、特定に至ったという。

当局によると、同容疑者は2013年に仲間と共にシリアに渡航。うち7人は14年5月にフランスに帰国した際に拘束されている。同容疑者がいつどのようにして帰国したかは明らかになっていない。

同容疑者の兄もシリアへの渡航歴があり、現在はフランス国内で刑務所に収監されているという。


仏テロ容疑者の父親、知っていたら「息子を殺していた」
AFP=時事 12月10日(木)11時25分配信

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交流サイトのフェイスブックに投稿された、パリ同時テロの実行犯とされるファウド・モハメド・アガド容疑者の写真(2014年投稿、撮影場所不明)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フランス・パリ(Paris)で先月13日に起きた同時テロ事件で、現場の一つとなったコンサートホール「バタクラン(Bataclan)」の3人目の襲撃犯として特定されたフランス人の男の父親が、もし襲撃計画を知っていたら「息子を殺していた」と語った。

【関連写真 3枚】ウィサンブールの母親宅

 当時、米ロックバンドのコンサートが行われていたバタクランでは、今回の同時テロの現場の中では最多の90人が死亡した。同ホールで自爆した3人目の襲撃犯として9日に新たに特定されたファウド・モハメド・アガド(Foued Mohamed-Aggad)容疑者(23)は、仏東部ストラスブール(Strasbourg)出身でシリア渡航歴があった。

 同容疑者の身元が特定された後にAFPの取材に応じた父親のサイド・モハメド・アガド(Said Mohamed-Aggad)氏は「言葉もない。(息子が襲撃犯だということを)今朝、初めて知った」と述べ、もし襲撃計画を知っていたら「この手で彼を殺していた」 と語った。

■母親へのメールが決め手に

 ファウド容疑者の母親の弁護人、フランソワ・コッタ(Francoise Cotta)氏によると先月末、母親のもとに「あなたの息子は11月13日、兄弟とともに殉教した」という内容の電子メールがシリアから送信された。同国にいるファウド容疑者の妻が送ったものとみられる。

 息子がバタクランの自爆犯の一人かもしれないことを知り衝撃をうけた母親は、すぐに警察に報告。DNA鑑定用のサンプルを提供し、先週末にこれがファウド容疑者のものと一致したことで、身元特定に至った。

 こうした母親の協力がなければ、ファウド容疑者の身元が特定されることはなかっただろうと、コッタ氏は話している。

 バタクランを襲撃した他の2人、オマル・イスマイル・モステファイ(Omar Ismail Mostefai)容疑者(29)とサミ・アミムール(Samy Amimour)容疑者(28)もシリア滞在歴のあるフランス人だった。

■小さな町からシリア渡航者続出

 ストラスブール北方の小さな町ウィサンブール(Wissembourg)で、ファウド容疑者の家族の隣人は、シリアに渡航するまで同容疑者は母親と暮らしていたと語った。同容疑者の母親と父親は別居している。

 少年時代のファウド容疑者にサッカーを教えていたという男性は同容疑者について「とても良い少年だった。だが、すぐに影響されやすいところもあった」と語った。一方、容疑者の友人らは、酒やドラッグが好きだったと話す。

 ウィサンブールからはファウド容疑者を含め、10人の若者がシリアにわたっている。うち2人は死亡し、残りは2014年5月に帰国した後に、テロ容疑で身柄を拘束された。【翻訳編集】 AFPBB News


<イラク>ラマディ奪還支援強化へ 対ISで米国防長官
毎日新聞 12月10日(木)10時53分配信

 【ワシントン西田進一郎】カーター米国防長官は9日、過激派組織「イスラム国」(IS)が実効支配するイラク西部アンバル県の県都ラマディに対するイラク軍の奪還作戦について、イラク軍の訓練や助言にとどめていた軍事顧問の役割を拡大してイラク軍の地上部隊に同行させるなど支援を強化する用意があると明らかにした。上院軍事委員会の公聴会で証言した。

 米国はイラクに軍事顧問ら米兵約3500人を派遣し、イラク軍に訓練や助言などを行っている。今月からは特殊部隊の展開も始め、ISに対する急襲や人質解放、IS幹部の拘束作戦などを行う構えだ。米軍地上部隊による戦闘を避けてきたオバマ政権だが、地上戦への関与がなし崩しで拡大していく可能性がある。

 カーター氏は公聴会で、有志国連合による数カ月にわたる訓練や装備の提供などを受けたイラク軍がラマディ中心部に迫っていると紹介。米軍が「独自の能力」で奪還作戦を支援する用意があると表明した。攻撃ヘリの展開や軍事顧問を同行させることを挙げ、「必要性とイラク政府からの要請」が条件になるとの考えを示した。

 カーター氏はまた、有志国連合による掃討作戦強化の必要性を指摘し、「私は世界の約40カ国の担当者にさらなる貢献をするよう求めた」と語った。具体的には、特殊部隊や偵察機の派遣、武器・弾薬の提供などを要求したという。

 一方、野党・共和党はオバマ政権のIS掃討戦略への批判を強めている。オバマ大統領は11月、ISについて「封じ込めた」と発言。直後にパリ同時多発テロ事件が発生し、認識の甘さが露呈した。カーター氏は、マケイン軍事委員長に認識を問われ、ISの封じ込めには成功していないと認めざるを得なかった。


「総理外遊予定」をゴミ箱にポイ! 「朝日新聞」それでいいのか?〈週刊新潮〉
デイリー新潮 12月10日(木)8時20分配信

「書を捨てよ、町へ出よう」そう言ったのは劇作家の寺山修司だが、喫茶店のゴミ箱に大量の資料を捨てて雑踏に消えて行ったのは、朝日新聞の記者だったのか。問題は、そこに書かれていた内容である。

 ***

 本誌(「週刊新潮」)にその資料が送り付けられたのは、晩秋のとある日のこと。提供者いわく、喫茶店の客が捨てたものだという。

「11月18日の夜、都内の喫茶店にいたら大量の資料をテーブルに広げている男性がいたんです。チラッと見たら、安倍総理のスケジュールみたいなことが書いてある。“政府の人か新聞記者かな”と思っていたら、紙束をバサッとゴミ箱に突っ込んで出て行ったのです」

 男性は、40代ぐらい。ジャケット姿でサラリーマン風だったという。

「男性が店にいたのは20分ぐらい。まるで、資料を捨てるために来たような感じでした。破いたり、クシャクシャにせず、丸のまま捨てたことにビックリ。お店の人に声をかけてから拾ってみたのです」(同)

 そんな経緯で持ちこまれた資料だが、一読して驚いた。

 紙はA4判で百枚以上。外務省が配布したものや、国土交通省、内閣府、自由民主党が作成したものもある。いずれも、マスコミ配布用だが、中には安倍総理の中東・東南アジア歴訪の日程を記したものも。11月13日~23日の日程で行われたイスタンブール訪問、G20、APEC、ASEAN首脳会議の詳細なスケジュールだから、当時は外遊中ではないか。注意書きには、〈時間、場所はオフレコ〉とあるから、ポイ捨てしていいはずがない。

 全国紙の元政治部記者に聞くと、

「私が政治部にいた頃は“持ち出し禁止”と書いてファイルしておくか、捨てる時は必ずシュレッダーにかけていたものです。11月18日は、パリで同時多発テロが起きた直後。マスコミは“日本のテロ対策は大丈夫なのか”と警鐘を鳴らす立場なのに、万が一、過激派組織が手に入れたらどうするのでしょうか。彼らにとっては、喉から手が出るほど欲しい資料です」

■政治部のサブキャップ

 もともとの持ち主はすぐに分かった。政府資料に混じってメールのコピーが数枚入っていたのだ。プリントアウトした紙の左上には朝日新聞政治グループ(政治部)の「T」という名前がある。

「Tさんは、総理官邸担当のサブキャップ(取材チームの副リーダー)です。防衛省担当、外務省担当のほか、小泉元総理や、民主党政権時代は鳩山元総理の担当もしたことがある。安保法案で紛糾していた時は、朝日の記者らしく反対の立場から署名記事も書いています」(別の新聞の政治部記者)

 そこで、朝日新聞に問い合わせると、記者が捨てたことを認めたうえで、

「不必要になったコピーや古い資料などと一緒に、誤って廃棄した可能性があります。(中略)第三者の目に触れる可能性がある外部のごみ箱に、そうした書類を捨てることはあってはならないことです」(広報部)

 届けられたのが本誌だったのが、良かったのか不運だったのか……。

「ワイド特集 日出ずる処 日没する処」より
※「週刊新潮」2015年12月10日号


イラク州都掌握へ顧問派遣も=地上戦への関与拡大―米国防長官
時事通信 12月10日(木)7時26分配信

 【ワシントン時事】カーター米国防長官は9日、イラク中西部アンバル州の州都ラマディでの過激派組織「イスラム国」掃討戦に、軍事顧問団とアパッチ攻撃ヘリコプターを参加させる用意があると語った。
 軍事顧問はイラク政府軍部隊と行動を共にするとみられ、米軍の地上戦への関与が局地的に高まることになる。
 長官は上院軍事委員会で証言し、ラマディの完全掌握に向け「米軍独自の能力を用いイラク軍を支援する構えだ」と表明した。ただ、顧問団やアパッチを展開する条件として、イラク政府からの支援要請を挙げた。長官はまた、ペルシャ湾岸のイスラム教スンニ派各国に、特殊部隊の派遣を含め軍事作戦でより大きな役割を果たすよう求めた。
 オバマ米大統領は11月、これまでの作戦で「イスラム国」の「封じ込め」に成功したと強調した。だが、直後にパリ同時テロが発生。カリフォルニア州でも同組織を支持する容疑者による乱射事件が起きた。このため長官は公聴会で、同組織の封じ込めには至っていないと認め、軌道修正を図った。


「イスラム国と対話せよ」というなら、テレ朝は記者を送り込め〈週刊新潮〉
デイリー新潮 12月10日(木)7時1分配信

 イスラム国(IS)によるパリでのテロを受けて、日本の言論空間には不可思議な意見がはびこっている。〈話し合いのテーブルに着く努力を〉なる意見を載せる「朝日新聞」、〈対話を進めるためにはどうしたらいいか〉と発言した法政大学の田中優子教授……。

 さらにテレビ朝日系『報道ステーション』の古館伊知郎キャスターは、

〈この残忍なテロはとんでもないことは当然ですけども、一方でですね、有志連合の、アメリカの誤爆によって無辜の民が殺される。結婚式の車列にドローンによって無人機から爆弾が投下されて、皆殺しの目に遭う。これも反対側から見るとテロですよね〉

 と、のたまう有様だ。

 ***

 もし本当に古舘氏らが「イスラム国」と対話すべしと思っているのなら、テレ朝の精鋭記者をシリアやイラクに送り込めばよい。

 評論家の呉智英氏は、

「結局、彼らは何も知らないのです。世界が今、どういう構図で動き、各国が何を考え、どのように行動していくのか。これらを知っていれば、簡単に“対話すべきだ”などという言葉は出てこない。すなわち、何でも話し合えば解決すると思っている典型的な『空想的平和主義者』なのです」

 と「無知」を強調するけれど、現地中継をしないことからも想像出来るように、

「もちろん彼らは、本気で対話が出来るとは思っていない。発言は自己宣伝に過ぎないと思います」

 と述べるのは、京都大学名誉教授の中西輝政氏(国際政治学)である。

「いくら何でも、古舘さんが、空爆をテロと同一視したり、イスラム国と対話すべしとマジメに主張する“極楽とんぼ”とは思えません。彼だって、人間の社会で何が可能で不可能なのか、先刻ご承知のはず。日本には、まだまだ世界では誰も信じない『絶対平和主義』を信奉する人が一定数いる。この人たちに向かって、彼らは“僕は暴力が嫌いです”“平和を愛します”と言う。“天使のように心の清らかな自分”とアピールし、自らを売り込もうとしているに過ぎないと思います。その意味では、非常に利己的で目先のことだけを考えた、狡猾な判断の上での言動であると思うのです」

■「対話」を避ける“文化人”

 実際、当事者たちに見解を伺ってみたところ、

「無辜の民が亡くなっているという視点を忘れてはならないというのが放送の趣旨」「国際社会間の『対話』の模索が必要だという趣旨で、『イスラム国』との対話について直接言及しているわけではない」(テレビ朝日)

 などと、今になって論理をすり替えるか、

「『声』欄では、幅広く多様な意見を掲載しております」(朝日新聞社)

「お答えは遠慮させていただきます」(田中優子総長)

 と、「対話」を避ける。これでは、イスラム国とのそれなど、臍(へそ)で茶を沸かす。やっぱり発言の“本気度”は限りなく疑わしいのだ。

 テレビや新聞が性質上、「建前」を言わざるを得ないことはわかる。聞こえのよい正論を述べなければならないのもよくわかる。

 しかし、今回のような、あまりに「本音」や現実を無視した空理空論を並べられては、耳に心地良すぎて、右から左に抜けてしまう。腹話術の人形を見たかのような、空虚さが後に残るのみ――。

 視聴者に愛想を尽かされる日も遠くなさそうだ。

「特集 内心無理とわかっていて 『イスラム国と話し合え』という綺麗事文化人」
※「週刊新潮」2015年12月3日号


<シリア和平国際会合>NYで18日開催へ
毎日新聞 12月9日(水)21時56分配信

 【ワシントン和田浩明】ケリー米国務長官は8日、訪問先のパリで潘基文(バン・キムン)国連事務総長と会談し、内戦が続くシリア情勢への対処などを協議した。会談後、ケリー氏は記者団に対し、シリアの支援国による和平調停の国際会合を18日にニューヨークで開催する予定であることを明らかにした。潘氏やデミストゥーラ国連事務総長特別代表(シリア担当)も参加し、全土での停戦や政治移行について協議する見通しだ。

 シリア和平に向けた取り組みでは、サウジアラビアの仲介で反体制派諸派が9日、アサド政権との将来の交渉に向けた基本原則を取りまとめるためにサウジの首都リヤドで協議した。ケリー氏は18日の会合が予定通り開催できるかは、この反体制派会合の結果にかかっているとの認識を示した。

 潘氏によると、アサド政権側もシリアで関係各派の会合を行う予定だと説明し「(今後の交渉に向け)まとまってくれることを期待している」と述べた。また、全土での停戦に関し、「可能な限り早期に発効させる必要がある」と強調し、関係各派に協力を求めた。

 ニューヨークでの会合に関し、アーネスト米大統領報道官は8日の定例会見で「世界の指導者がシリアでの政治移行を話し合う重要な機会だ」と意義を強調した。

 シリアの関係国は11月の会合で半年以内の挙国一致政権の樹立や18カ月以内の新憲法に基づく総選挙の実施などを目指すことで合意している。

 ただ、シリアでは内戦に加えて、過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討を目指した米主導の有志国連合による空爆や、アサド政権を支援するロシアによる反体制派などの空爆が続いている。和平協議や調停は過去にも試みられたが失敗しており、今回の取り組みが成果を生む保証はないのが現実だ。

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