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2015年12月 8日 (火)

フランス・パリで多発テロ、130人が死亡・53

フランスの首都パリで13日夜(日本時間14日未明)、飲食店や劇場、サッカー競技場など複数の地点で、銃撃や爆発などがおきた。劇場では観客らが人質になったと伝えられる。オランド仏大統領は同夜、テレビ演説で「前例のないテロが起きた」と断定し、国内に非常事態を宣言した。

フランス治安当局の発表では、この同時テロで129人が死亡した。
※その後、死者は130人となった。

ロイター通信などによると、週末を過ごす客でにぎわう13日夜、パリ10区のレストランと近くの劇場で銃撃が起きた。目撃者の証言では、劇場内で60人程度の観客らが人質になった。劇場内からは、散発的な銃声が聞こえているという。

また、ドイツとフランスの親善試合が行われたサッカー競技場では、少なくとも2回の爆発が起きた。自爆テロとみられており、犯人とみられる2人を含む35人程度が死亡したもよう。

オランド大統領は、「われわれは結束し、断固戦う」と国民に訴えた。非常事態の宣言にともない、フランスと周辺国の国境が閉鎖された。

フランス国内では、今年1月、イスラム過激派により週刊紙本社が銃撃されるテロ事件が起き、計17人が死亡した。

オバマ米大統領は、ホワイトハウスで記者団に対し、「民間人を恐怖に陥れる非道な企てだ」と強く非難した。

※以上、産經新聞の報道による。

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リンク:3人目容疑者の身元判明=パリ同時テロ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:3人目容疑者の身元判明=バタクラン劇場襲撃―パリ同時テロ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ同時攻撃、仏GDP0.1ポイント押し下げへ=報道官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:コンサート会場襲撃犯、3人目の身元特定 パリ同時テロ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ同時多発テロ 劇場襲撃の残る1人を特定、2年前にシリアに渡った23歳 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米大統領選 トランプ氏「イスラム教徒入国禁止」発言に集中砲火「妄想で名を上げた」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:モスク入り口にブタの頭部、憎悪犯罪か 米フィラデルフィア - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ同時テロ、コンサート襲撃犯3人目の身元特定 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「ニセモノの難民と一緒に地獄がやってくる」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ同時多発テロ事件の裏に隠された悲劇の本質 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:テロ組織の「靴型爆弾」写真入手 紐にプラスチック爆薬隠す - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国内テロ 秘密裏の入国者よりテロ思想持つ日本人の方が危険 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トランプ氏暴言「もうやめて」 イスラム系米国人が悲鳴 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:イスラム教徒への暴行相次ぐ=01年同時テロ後最悪の状況―米 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ロシア、フランスに子犬を贈呈 殉職した警察犬の後任に - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米の「ビザ免除」条件厳しく、下院が法案可決 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米下院、ビザ免除制度の厳格化法案を可決 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:【米大統領選2016】トランプ氏発言は米安全保障を損なう=米国防総省 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ビザ免除厳格化法案可決=米下院 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中東をテロ発生源に変えたのは誰か~「石油・武器・麻薬」という三大タブーを直視せよ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ホワイトハウス報道官、「トランプ氏は大統領に不適格」と批判 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:仏テロ被害の米バンド、現場で涙の犠牲者追悼 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米下院、ビザ免除プログラム厳格化法案を可決 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:被告の携帯に「イスラム国」画像…ロンドン襲撃 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米下院、ビザ免除プログラム厳格化法案を可決 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:喝采に「パリ愛してる」 襲われたバンド熱唱 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:テロ情報組織、人材育成・拡充が課題 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「イスラム国と対話の可能性」――“聖徳太子の時代の人々”と話し合えるか?〈週刊新潮〉 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:シリア国際会議、18日にNYで開催の可能性=米国務長官 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<米大統領>テロ対策で苦悩 銃乱射防げず、不安高まる - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<バチカン>厳戒 「特別聖年」開幕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:国際テロ情報収集ユニット インテリジェンスサークルで渡り合える人材の育成にカネと時間の課題 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:米国発パリ行きの旅客機、脅迫でカナダに緊急着陸 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:フランス中銀、10-12月期の成長見通し下方修正-テロ響く - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

3人目容疑者の身元判明=パリ同時テロ
時事通信 12月9日(水)21時49分配信

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パリ同時テロで、警察当局筋は9日、バタクラン劇場を襲撃し死亡した3人目の容疑者の身元を特定したことを明らかにした。写真は身元が特定されたフアド・モハメドアガド容疑者=同容疑者のフェイスブックより


3人目容疑者の身元判明=バタクラン劇場襲撃―パリ同時テロ
時事通信 12月9日(水)21時24分配信

 【パリAFP=時事】パリ同時テロで、警察当局筋は9日、バタクラン劇場を襲撃し死亡した3人目の容疑者の身元を特定したことを明らかにした。
 
 捜査関係筋によると、身元が明らかになったのはフランス東部ストラスブール出身のフアド・モハメドアガド容疑者(23)。2013年末に兄弟、仲間と共にシリアに渡航。人道的な活動のためとしていたが、過激派組織「イスラム国」に加わった疑いがある。仲間の大半は14年5月、フランスに帰国後拘束されたが、モハメドアガド容疑者はシリアにとどまっていたという。
 バタクラン劇場を襲撃した実行犯は3人で、オマル・イスマイル・モステファイ、サミ・アミムール両容疑者は自爆した。モハメドアガド容疑者は警察に射殺された。


パリ同時攻撃、仏GDP0.1ポイント押し下げへ=報道官
ロイター 12月9日(水)21時1分配信

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12月9日、仏政府のルフォル報道官は、リ同時攻撃の影響で国内総生産が0.1%ポイント押し下げられるとの見通しを示した。パリで11月撮影(2015年 ロイター/GONZALO FUENTES)

[パリ 9日 ロイター] - フランス政府のルフォル報道官は9日、11月13日に発生したパリ同時攻撃の影響で同国の国内総生産(GDP)は0.1%ポイント押し下げられるとの見通しを示した。

フランス銀行(中央銀行)は前日、第4・四半期の国内総生産(GDP)伸び率が0.3%になると予想し、従来予想の0.4%から引き下げていた。


コンサート会場襲撃犯、3人目の身元特定 パリ同時テロ
CNN.co.jp 12月9日(水)20時3分配信

パリ(CNN) 先月13日のパリ同時多発テロで市内中心部のコンサートホール「ルバタクラン」を襲った実行犯3人のうち、最後まで不明だった1人の身元が特定された。CNN系列局と仏国営放送「フランス2」が伝えた。

実行犯3人は全員自爆し、このうち2人は29歳と28歳のフランス人と判明していた。

報道によると、残る1人は23歳の男で、出身地は仏東部ストラスブール近郊の町。2013年にシリアへ渡航していた。仏テロ対策当局がかねて動向を追っていた人物で、ストラスブールでの犯罪歴があるという。

また仏国内で過激派の戦闘員を勧誘していたムーラド・ファレス容疑者と親交があったとも報じられている。

パリ同時テロでは少なくとも130人が死亡、350人以上が負傷し、ルバタクランでは80人以上の死者が出た。


パリ同時多発テロ 劇場襲撃の残る1人を特定、2年前にシリアに渡った23歳
産経新聞 12月9日(水)19時39分配信

 【パリ=宮下日出男】パリ同時多発テロで、フランスのバルス首相は9日、約90人という最大の犠牲者が出たパリ中心部のバタクラン劇場を襲撃した実行犯のうち、身元不明だった残る1人の男が、フランス東部ストラスブール出身のフアード・アガド容疑者(23)だと特定されたことを明らかにした。フランスのメディアに語った。

 バタクラン劇場では実行犯グループの3人が侵入。観客らを銃撃し立てこもった後に警官隊に射殺されたり、自爆したりした。これまでに2人はサミ・アミムール、イスマイル・モステファイ両容疑者と判明し、当局が残る1人の身元特定を急いでいた。

 報道によると、アガド容疑者は2013年末に兄や友人らと一緒にシリアに渡航。その多くは昨年5月にフランスに帰国した際に当局に拘束されたが、アガド容疑者はシリアにとどまったという。アガド容疑者の身元は家族のDNAとの照合の結果、確認された。


米大統領選 トランプ氏「イスラム教徒入国禁止」発言に集中砲火「妄想で名を上げた」
産経新聞 12月9日(水)18時51分配信

 【ワシントン=加納宏幸】米大統領選の共和党候補指名争いで首位の不動産王、トランプ氏がイスラム教徒の入国禁止を主張した問題は、米政府はもとより共和党からも批判が相次いだ。それでもトランプ氏は8日、第二次大戦中の日系人強制収容を引き合いに自らの発言を正当化。「国を害する」(アーネスト大統領報道官)ような暴言を止めようとしない。

 ケリー米国務長官は8日、訪問先のパリで「発言は建設的ではない」と批判した。アーネスト氏も同日の記者会見で「トランプ氏は大統領になる資格がない」と述べるとともに、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」掃討作戦に参加する有志連合の中東諸国との協力に悪影響が出ることに懸念を示した。

 大統領選の民主党最有力候補、クリントン前国務長官もホームページで「トランプ氏は選挙戦を通じ、偏見と妄想症の取引で名を上げた」と非難した。

 共和党でも、ライアン下院議長がトランプ氏の発言を「保守主義ではない。共和党や米国が支持するものでもない」と否定した。

 これに対し、トランプ氏は8日、米メディアで「(批判は)気にしていない」と発言した。

 ABCテレビの番組では、フランクリン・ルーズベルト元大統領が戦時中に日系人強制収容に道を開く決定を下したことを挙げて、自らの政策と「何ら変わりはない」と主張。イスラム教徒の入国禁止は「他に手段がない」と語った。


モスク入り口にブタの頭部、憎悪犯罪か 米フィラデルフィア
CNN.co.jp 12月9日(水)18時26分配信

(CNN) 米ペンシルベニア州フィラデルフィアのモスク(イスラム教礼拝所)の入り口に7日朝、ブタの頭部が転がっているのが見つかった。同市のナッター市長は8日の記者会見で犯人を「ひきょう者」と非難し、必ず見つけ出すと約束した。

ブタや豚肉はイスラム教で不浄なものと見なされている。

防犯カメラにはモスクの前を通過した赤いトラックから何かが投げ出され、ブタの頭部とみられる物体が入り口付近に転がる様子が映っていた。運転車や同乗者の姿は識別できない。

フィラデルフィア警察の幹部はCNNに、宗教などへの偏見に基づく憎悪犯罪(ヘイトクライム)と断定するのは時期尚早だと語る一方、「捜査はその方向で進むだろう」との見方を示した。

このモスクの電話には先月、男の声で「フランスであんなことが起きてうれしいか」「神はブタだ」などと話すボイスメールが残されていた。警察が関連を調べている。

米連邦捜査局(FBI)も同時に捜査を開始した。

フィラデルフィアのナッター市長は会見で、米大統領選の共和党指名獲得を目指す実業家ドナルド・トランプ氏が最近、全イスラム教徒の入国禁止などを主張していることに言及した。どんな集団でもトランプ氏の「無知で大げさ」な発言の標的になり得ると語り、同氏を「ろくでなし」と呼んで非難した。

イスラム教市民団体、米イスラム関係評議会(CAIR)の報道担当者はCNNとのインタビューで、先月のパリ同時多発テロ事件以降、イスラム教徒に対する暴力や反発が急増していると指摘。2001年に起きた米同時多発テロ事件の後と比較しても、「反イスラムの声が当時は周辺部から上がっていたのに対し、今回は主流の意見になるなど、さらにひどい状況だ」と話している。

モスクの報道担当者はCNNに、ブタの頭部を使った嫌がらせはあまり経験がないと語った。トランプ氏についての質問には「発言には結果がともなう」と答えたが、同氏だけの問題ではないと強調。「残念ながら、こういう行為には賛同者もいるようだ」と述べた。


パリ同時テロ、コンサート襲撃犯3人目の身元特定
AFP=時事 12月9日(水)17時41分配信

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仏パリ同時テロ事件の翌日、現場の一つとなったコンサートホール「バタクラン」の前の道路を封鎖する警察(2015年11月14日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】先月13日にフランス・パリ(Paris)で起きた同時テロ事件で、現場の一つとなったコンサートホール「バタクラン(Bataclan)」を襲撃した実行犯のうちの3人目の身元が特定された。

パリ同時テロ、実行犯ら遺体の扱いに当局が苦慮

 警察筋の9日の発表によると、バタクランを襲撃した3人目は、仏東部ストラスブール(Strasbourg)出身のファウド・モハメド・アガド(Foued Mohamed Aggad)容疑者(23)。捜査当局に近い筋によると、同容疑者は2013年末に自分の兄弟や友人のグループでシリアへ渡航していたという。

 パリ同時テロ事件当時、米ロックバンドのコンサートが行われていたバタクランでは、90人が死亡した。【翻訳編集】 AFPBB News


「ニセモノの難民と一緒に地獄がやってくる」
ニュースソクラ 12月9日(水)17時0分配信

パリ同時テロきっかけに、欧米に広がる難民排斥の動き
 フランスで起きた同時多発テロをきっかけに、これまでも勢力を伸ばしていた欧州の極右勢力が一段と勢いを増している。6日にフランスで行われた地方選では、極右政党「国民戦線(FN)」がトップに踊り出た。本土13州のうち6州で首位を獲得し、30%を超える得票率を獲得する見通しだ。

 「私たちは、私たちが何人なのか知っている。
そして、何人ではないのか知っている。私たちはムスリムの国ではない」
                       マリオン・マレーシャル・ルペン

 今回FNが得票数を伸ばした理由は、国民の危機意識の高まりだけが理由ではない。FNの代表は女性党首マリ―ヌ・ルペンだが、今回の勝利は、彼女の姪のマリオン・マレーシャル・ルペンの存在が大きい。姪のルペンは、25歳。18歳でFNに入党し、2年後の2010年にパリ近郊のイヴリーヌ県で初当選を果たした。大学では法律を学び、昨年FNの党員と結婚し、1女をもうけた。

 パリでのテロ後、FNは、支持率を4%から7%まで伸ばしたが、若くて美しい彼女が叔母とともに先頭に立ったことが理由だろう。

 「今ここで明言するが、もしも私が勝利したらその20万人は帰国することになる」
                                 ドナルド・トランプ

 今年9月、オバマ政権は今後1年間で、1万人の難民を受け入れると表明した。どんなに共和党のトランプ氏が、過激な発言で共和党の大統領候補を独走していても、とりあえずすぐにアメリカが難民への門戸を閉じることはないように思える。
 
 しかし、先月13日のパリでの同時多発テロを受けて、再びトランプ氏に追い風が吹く形となってしまった。少なくとも全米19州が、難民受け入れ拒否を表明。その後、米下院ではシリア難民の受け入れ審査を厳しくする「外敵に対する国家安全保障(SAFE)法案」が可決された。

 「ニセモノの難民と一緒に地獄がやってくる」
                        ペギーダのデモ参加者

 欧州難民最大の受入国であるドイツも例外ではない。「ドイツ国家民主党(NPD)」は、極右過激派の中心的存在だ。2011年に2000年~2007年にトルコ系移民10人を殺害したとして、ネオナチ思想の女が逮捕された。同月に、この女に武器を提供したとして、NPDの元報道担当が逮捕されている。(※政党としては、女と関係なかったとされている。)

 だが、NPD以上に、近年は市民による移民排斥の動きが活発だ。ネオナチ思想を掲げる「西洋のイスラム化に反対する欧州愛国者(通称:ペギーダ)」は、2014年10月以降、毎週月曜日に移民排斥を求めるデモを行っている。今年の1月に起こったフランスの「シャルリエブド」の一件以来勢力を伸ばし、今年10月12日には、ドレスデンで2万5000人、ライプチヒで約5000人のデモを行った。参加者は、「ニセモノの難民と一緒に地獄がやってくる」と叫んでいた。


パリ同時多発テロ事件の裏に隠された悲劇の本質
Forbes JAPAN 12月9日(水)16時4分配信

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Cintia Erdens Paiva / shutterstock

11月にパリで発生した同時多発テロは間違いなく残虐この上ないもので、我々が恐怖に陥るのも当然のことだ。しかしこれが意外だったかといえば、意外ではなかったはずである。少なくともフランス人にとっては意外ではなかったはずなのだ。

怒りに震えるフランソワ・オランド大統領は、テロを受けて「我が国は戦争状態にある」と宣言したが、そもそもフランスは去年からイラク、更にはシリアの「イスラム国」軍に対して空爆を始めた時から、戦争状態にあったのである。フランス国民が犠牲になって初めて宣言したのはなぜか。オランド大統領は戦争による被害が自国民に及ばないことを期待し、国民には紛争の存在すら気付かれないままにすることを願っていたのではないだろうか。

テロリズムは極悪の極みである。民間人を標的にすることはモラルに反している。しかし、残念なことにテロの発生はある程度予測することができる。長く弱者の常套手段として使われてきたではないか。100年前には、1人のセルビア人がテロにより第一次世界大戦のきっかけをつくった。

もう少し近年ではスリランカでシンハラ人偏重の政府に反発するタミル人たちが長く自爆テロの代表格だったが、その後イラク議会で多数派となったシーア派と対立するスンニ派勢力によるものが増えていく。そして、今度は、これまでアルカイダの代名詞であった大規模テロという戦法に「イスラム国」が更に磨きをかけてきているように感じられる。

なぜこのようなことになってしまったのか、理由は明快だ。フランスの国会議員フレデリック・ルフェーブルは「我々の価値観、アメリカと共有する価値観を破壊するためである」と主張しているが、これが原因ではない。フランス人地政学者ドミニク・モイジは、「イスラム国」からのメッセージは明確で「我々を攻撃したから、あなたたちを殺す」ということだと指摘する。

そうなのだ。アメリカが2001年9月11日に突き付けられた事実は、理解されていないのだろうか。世界中で他国を爆撃、攻撃、侵略し、内政に干渉、抑圧的な政権を支持し、善かれ悪しかれ市民を殺害していると、必然的に敵を作り、しっぺ返しを食らうのだ。もちろん、こうした理由があるからテロが正当化されるわけではない。しかし、「イスラム国」を攻撃した国は、高い確率で報復を受ける。

その報復を受けるのは恐らくごく普通に暮らしている無実の市民である。そのことに、各国政府は気付くべきなのだ。それがパリで起こったことであり、その前日にベイルートで起こったことであり、ロシア行の航空機で起こったことなのである。

こうしたテロ行為は、単純に戦争における武器のひとつに過ぎないのだ。「イスラム国」が普通の国家だったら、自国の統治領に300回もの空爆を行っているフランス機を、爆撃機で打ち落としたとしても誰も意外に感じないだろう。フランスの爆撃機が撃墜されたことに対する衝撃や疑惑はあったとしても、少なくともモラルに反するという怒りが噴出することはないはずだ。

「イスラム国」がパリの街を爆撃したとしても同様だ。それが、戦争というものだ。そして、フランスは実際に10月に「イスラム国」が首都としているラッカを爆撃しているのだ。尚、アメリカは第2次世界大戦以降、全ての主たる敵対勢力の首都、つまりローマ、ベルリン、東京、ピョンヤン、ハノイ、ベルグラード、バグダッド、そしてトリポリを爆撃してきた。

「イスラム国」は間違いなく直接的な報復がしたかったはずだが、それだけの軍事力を擁していないために、テロという手段を選んだのだ。オランド大統領は自分がこの惨劇の責任の一端を担っていることなど微塵も感じさせないが、パリのテロで死亡した129人はフランス政府が戦争をした代償となったのだ。もちろん、彼らが犠牲にならなければいけなかった理由にはならないが、実行犯の一人はこう言ったという。「おまえたちの大統領のせいだ。シリア(とイラク)に介入なんてしなければよかったんだ」

シンガポール南洋理工大学のクマール・ラマクリシュナは、「イスラム国」は非常に単純な戦略を組み立てたのだと主張する。有志連合を従来型の兵力で倒すことができなくても「シリアとイラクで外交的、軍事的介入を行うことに対する、国内での代償を増大させる」ことならできる、というものだ。

2004年にマドリードで発生した列車爆破テロ事件では、実際にスペイン政府がテロを受けて当時の有志連合を離脱している。逆に、今回のフランスのように、より攻撃的な反応が返ってきて戦闘が拡大すれば、この戦いが民族間紛争であるとする「イスラム国」の主張が現実味を帯びてくることになる。

西側諸国は、戦争という猛犬を放ったのであれば、自国民だけは噛まれないなどと考えるのはやめることだ。リベラルな民主国家だからといって、爆撃や殺戮を純粋な概念に基づいた行動に仕立て上げることにはできない。

各国政府は、本来不可避な戦争の恐怖から自分たちの国だけ逃れ切れるふりをするのではなく、戦争の果実が、考えられ得る代償よりも大きいことを自国民に説明し、納得させなければいけないのだ。現在でいえば、自国内でテロが発生する可能性が高まることを含む。9/11以降はテロの封じ込めに成功しているアメリカも、今後それが続く保証などない。

そうなると、自ずと浮かぶ疑問がある。なぜアメリカと有志連合に参加しているヨーロッパの国々は、そこまでして遠く離れた国の問題に首を突っ込んでいるのだろうか。

「イスラム国」は邪悪な魔物で、「イスラム国」のメンバーが空爆で死んだとしても同情の余地はほとんどない。しかし、多くの独裁政権における兵士と同じということもできる。「イスラム国」が引き起こしてきた殺戮は悲惨なものではあるが、実質的な規模で比較すると、以前から続くスーダン、コンゴ、リベリア、ルワンダ、ブルンジをはじめとする様々な国で続く紛争に比べれば、ずっと小規模なものである。

テロ組織で比較しても、「イスラム国」は最大の殺人集団というわけではない。殺人数でいえばナイジェリアのボコ・ハラムが最も凶悪な組織である。「イスラム国」も、黎明期にはアメリカやヨーロッパ(そしてレバノンやロシア)を攻撃したわけではなかった。アメリカに敵視されてしまうと統治領も自治区も設立が非常に困難になることが引き金になりテロを起こし、統治領を設立したことで海外でのテロ行為に対する報復先ができた格好だ。

もちろん、「イスラム国」が統治領の設立に成功した暁には、アメリカを標的にした連続テロを企てたのかもしれない(設立できずに終わった場合も同様にテロに向かうかもしれない)。しかし、9/11以降アルカイダのテロが封じ込められているのに対し、「イスラム国」を封じこめられないと判断する理由はない。

何か問題の発生を察知したら対応する形をとり、撤退の難しい中東の派閥間戦争にまたしても参戦するべきではないのではないだろうか。何万人もの兵士を送り込む提案をしてしまうのは、人類の歴史はもちろん、イラク戦争から何も学ぶことができていない証拠である。中東をつくり替えることなど、アメリカにはできないのだ。

いずれにしても、「イスラム国」は持続する国家を設立することは難しいだろう。「イスラム国」の強さは、相手の弱さの写し鏡でしかない。実際に「イスラム国」のジハードの戦士たちは、様々な敵からの圧力が強まり、形勢の悪化に歯止めがかけられずにいる。その上、死刑をちらつかせて、兵士たちの離脱を防止している状態だ。また、サウジアラビアやトルコが本気で「イスラム国」をつぶそうと思えば、イスラム国の統治領はひとたまりもないだろう。

悲しいかなアラブにおけるアメリカの同盟国はどこも驚くほど賄賂にまみれ、不誠実かつ無能で無責任な輩ばかりである。どの国も自国の存亡が脅かされると抜群の動きを見せるものの、アメリカが仕事を肩代わりすると言い張っている間は動こうとしない。

実際にアメリカが作った壮大な反「イスラム国」有志連合に参加を表明していたアラブ諸国は皆離脱してしまった。ベトナム戦争時に徴兵を免れたチェイニー元副大統領と同じように、「より優先順位の高い問題」を抱えているため戦争は他国に任せておきたいのだ。アメリカもいい加減お人好しはやめた方がいい。

アメリカでは、第三次、第四次世界大戦参戦といった、愚しく右傾化したことを言い出す人々もいる。大統領選での巻き返しに必死なジェブ・ブッシュもその一人だ。「イスラム教過激派のテロリストたちが西洋社会に宣戦布告したのだ」と主張している。外交実績を誇るにも関わらず、恐ろしく単純化された世界観しか持ち合わせていない上院議員のマルコ・ルビオはこう断言してみせた。「テロリストたちは『我々と価値観が相いれないから我々の嫌うのです』。

であれば、なぜ「イスラム国」はベイルートのヒズボラで43人のレバノン人を殺したのか、なぜモスクワ行の飛行機に乗る224人のロシア人を殺したのか。フランスとロシアとヒズボラを結び付けるものはリベラルな寛容さでも、西洋文明でもなく、残酷な闘いである:皆、「イスラム国」と戦争中なのだ。

ニューハンプシャー州の地方紙マンチェスター・ユニオン・リーダー紙も1972年のパレスチナ人によるイスラエル人オリンピック選手の殺人、1983年のレバノンでのアメリカ海軍宿舎爆破、9/11のテロ、パリのテロ、更にいくつかの事件を全部まとめて、アメリカのイスラム教過激派との「長きに渡る戦争」の証左、とする誤った分析をしていた。

パレスチナによるイスラエルへのテロの原因は地政学的なものであり、宗教的なものではない。ファタハは宗教的な政党ではなく、それが理由でイスラエルも一度きりのテロだったためパレスチナ自治区のヨルダン川西岸で和解に至った。また、レバノンの内戦で、アメリカ軍がイスラエル側についたのは宗教ではなく、時のロナルド・レーガン大統領の判断であり、結果としてアメリカ軍が標的されることになったのだ。イスラム教過激派によるものに限らず、ほとんどのテロリズムは地政学的な問題に対する形を変えた戦闘である。つまり、強い復讐心をもった敵を作りたくなければ、海外での紛争に介入しないことなのだ。

更に言うならば、どんなにひどいテロにも、アメリカやヨーロッパ、あるいはアメリカの中東での同盟国を存亡の危機に陥れるような力はない。9/11の死者3,000人はおぞましく大きい数字ではあるが、第一次世界大戦は2,000万人を上回る死者を出した。第二次世界大戦は少なくとも5,000万人、多ければ8,000万人の命を呑み込んだとされている。

更に、負傷者の数は死者の数の2倍強とされる。経済損失は算出不能な規模だ。比較的「小さめ」とされる朝鮮戦争やベトナム戦争でも何万人ものアメリカ人と何百万人もの韓国人やベトナム人が命を落とした。テロリズムを戦争と並列で考えることなどできないのだ。

パリのテロの最もわかりやすい被害者は命を落とした人々と負傷した人々、そしてその人たちの家族と友人であり、非常に悲しいことである。しかし、同じくらい腹立たしいのは、「イスラム国」への爆撃によりフランスをテロの標的にしておきながら、オランド大統領が議会でシリアは「歴史史上最大のテロリスト製造工場」と真っ赤な嘘を述べ、テロを更なる介入の理由に利用したことだ。

オランド大統領は、戦争のリスクを軽視し、フランスが他国を爆撃して殺人をしているにも関わらず自国が戦争状態にあることを認めもせず、自分は特別警護部隊に囲まれて登場して決断力のある政治リーダーを気取ったのだ。

もっとひどいのは、パリでのテロ以降、無責任さに拍車がかかり、より多くの人に対する、より大きな戦争を展開するように呼びかけ始めたアメリカの共和党大統領候補たちだ。アメリカは、3,500人の軍関係者が既に現地でイラク部隊の指導やトレーニングを行っている。特殊部隊も戦闘活動に参加、あるいはアシュトン・カーター国防長官の言葉を借りると「直接的な地上作戦」を展開しており、「イスラム国」による捕虜の開放作戦で兵士1名が犠牲になっている。

アメリカ政府は「Special Forces in Syria(シリア特別部隊)」を立ち上げ、好ましい「イスラム国」反対勢力の支援も行っている。更に、オバマ大統領はイラクに攻撃型ヘリコプターアパッチの部隊に加え、相当な地上支援部隊を送ることも検討しているようだ。これだけの作戦を展開して「イスラム国」を縮小させることができなければ(恐らくできないだろう)、更なる介入拡大への圧力が強まるのは必至だ。そして、これまでアメリカ政府が同様の選択を迫られた時はいつも倍賭けをしてきている。
 
共和党の大統領候補たちは、「イスラム国」だけでなく、シリアのバシャール・アサド大統領に対しても対応を強化するよう求めている。また、戦争好きで知られるリンジー・グラハム上院議員は、「『イスラム国』を破滅させたいのです」と叫び、10万人規模の国際連合軍で立ち向かうことを提案した。しかし、中東で多発する派閥間紛争への介入度を深めることが、どのようにアメリカの国益となるのか、何よりアメリカの安全を守ることになるのかについて、きちんと説明した共和党員はいない。

テロリズムが邪悪で恐ろしい行為であることは確かだ。しかし、テロを発生させないための最善策は、他人の戦争に首を突っ込まないことなのだ。それが、パリのテロからの最大の教訓だろう。9/11も同様である。

アメリカの大統領選まで一年を切った今、アメリカの有権者は新保守主義的イデオロギーや他国の君主よりも、自国の利益を優先する候補を必要としている。そういったリーダーが登場するまで、アメリカの人々は不要な戦争を戦い、不要なテロの危険に晒され続けるのだ。


テロ組織の「靴型爆弾」写真入手 紐にプラスチック爆薬隠す
NEWS ポストセブン 12月9日(水)16時0分配信

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一見、普通のスニーカーの中に爆薬が隠されている

 11月13日に起きたパリ同時テロでは、一見ただのウエストポーチにしか見えない「自爆ベルト」が多くの市民の命を奪った。長年テロの研究を続ける青森中央学院大学の大泉光一教授がいう。

「パリのテロでは、自爆ベルトや小型小銃が武器として用いられました。さらに今回は政府施設や対立する宗教施設を狙うのではなく、民間の施設を無差別に狙うテロでした。こうしたテロ行為の効果は絶大です。世界中にテロ組織の存在感を示すと共に、恐怖心を植え付けることができる。加えて経済的なダメージを与えるのです」

 危険な武器は「自爆ベルト」だけではない。大泉氏は欧州での調査中に、テロ組織が使用している武器の写真を入手した。

「2004年にスペインのマドリッドで起こった列車同時爆破テロの首謀者といわれるエジプト人のラベイ・オスマンがローマで逮捕されたとき、彼のパソコンから出てきた写真です」

 ここに掲載した写真は、ただのスニーカーにしか見えないが、靴には爆薬が隠されている。

「この『靴型爆弾』を見た人の多くは、靴底に爆薬が仕込まれていると思われますが、違います。靴の紐にプラスチック爆薬が隠されているのです。プラスチック爆薬(C-4)はパテのような性質を持っているので、細いチューブに注入して持ち運びすることができるのです」(大泉氏)

 さらに大泉氏は、プラスチック爆薬は金属探知機にも反応しないため、「セキュリティチェックを素通りしてしまう可能性が高く危険だ」と話す。もちろん、パリ同時テロでも使われた「自爆ベスト」も同様だ。ウエストポーチ型だけでなく、背中に爆薬を仕込むタイプもある。

「背中に爆薬が仕込まれているので大きめの上着を着るとまるで目立たない。靴紐にしてもベストにしても、武器とは思えない形状をしています。だから身につけている者がテロリストであることを見抜くのは難しいのです」(大泉氏)

 日本はこうしたテロリストへの警戒心が薄い。今年6 月に起こった東海道新幹線での焼身自殺事件は、日本人の危機感の乏しさを物語る実例だと大泉教授は指摘する。

「あの事件以降、専門家からセキュリティ強化の必要性が盛んに叫ばれたが、実施されたのはせいぜい防犯カメラの強化くらいです。本気で対策するつもりがあるなら、新幹線の車両の扉を3か所程度に制限して、荷物チェックを行なうなどのことはやらないといけません」

 2016年には伊勢志摩サミットの開催が迫る。世界中から要人が集まる会場で何かが起これば日本の信頼は一気に失墜する。

「会場周辺の警備には力が入るだろうと思います。しかし、テロのターゲットはサミット会場だけではありません。パリで起こったテロが物語るように、テロリストは思いもかけない場所で、思いもかけない武器を使って行動を起こします。47都道府県の全てが危険にさらされると思っていい」(大泉氏)

 4年後には東京オリンピック・パラリンピックも開催される。日本にはテロに対する十全な準備が求められている。

写真提供■大泉光一


国内テロ 秘密裏の入国者よりテロ思想持つ日本人の方が危険
NEWS ポストセブン 12月9日(水)16時0分配信

 11月13日に発生したパリの同時多発テロでは、ライブハウスやレストランが狙われ、約130人の犠牲者が出た。危機管理論が専門の大泉光一・青森中央学院大学教授が語る。

「テロリストは、普通の人が日常的に行くところをターゲットにすることで、人々に恐怖心・不安感を植えつけることも狙っています。カフェやスポーツジム、ホテルなどは標的になる可能性があります。実際、インドネシアのイスラム過激派組織ジェマ・イスラミアはホテルをたびたび襲撃しています。そうした日常的な場所を攻撃することで、人々の消費が止まり、経済的なダメージを与えることにもつながるわけです」

 今やイスラム国(IS)から敵認定されている日本にとっても、テロは海岸の火事ではない。そんな国内で行動を起こすのは、日本にひそかに入国したイスラム過激派とは限らない。むしろ、テロ思想を持った日本人のほうが、公安当局の監視が行き届かないぶん危険とも言える。

 中東で数々の戦場を取材している報道カメラマンの横田徹氏は、「たとえイスラム過激思想に染まらなくても、日本には格差などで社会に不満を持っている人はたくさんいる。そうした人物が、海外のテロに感化されて重大事件を起こす可能性がある」と語る。

 今の日本は、警備の薄いソフトターゲットだらけだ。我々に身を守る手段はあるのだろうか。

 国際政治アナリストの菅原出氏は、イギリスの民間セキュリティ会社の日本法人取締役を務めたこともある、危機管理の専門家だ。その菅原氏は「半径5mに注意すべき」と指摘する。

「テロ事件で犠牲になるのは、犯人の至近距離にいる人であるケースが圧倒的に多い。銃器はもちろん、爆弾でも、10m、20mと遠ざかれば死亡率は下がります。過去のテロ事件では、犯人は明らかに挙動不審であったとされます。

 電車内や街中などではスマホに夢中になっている人も多いですが、周囲を見るだけで、不審人物に気付くことができます。そして怪しい人がいると思ったら、その場を離れる。レストランやカフェでは、出入り口付近や窓際にいる人の被害が大きい。なるべく店の奥の席につき、非常口を確認しておくだけで死亡率はぐっと下がると言えます」

 自分の身を守るのは自分なのだ。

※SAPIO2016年1月号


トランプ氏暴言「もうやめて」 イスラム系米国人が悲鳴
AFP=時事 12月9日(水)15時55分配信

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米ニューヨークで経営する店でAFPのインタビューに応じる、暴行被害に遭ったイスラム教徒の店主サーカー・ハークさん(2015年12月7日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】2016年米大統領選挙で共和党の指名獲得争いの首位に立つ不動産王ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏(69)が、イスラム教徒の入国を「完全に」禁止すべきだと提案したことに対し、イスラム系米国人らは、同氏にこうした発言で暴力をあおるのをやめるよう訴えている。ニューヨーク(New York)では先週末、イスラム教徒の店主が殴る蹴るの暴行を受ける事件も発生し、ヘイトクライム(憎悪犯罪)の可能性が取り沙汰されている。

【写真10枚】店主の顔にはっきりと残るあざ

 活動家らは、フランス・パリ(Paris)の同時テロ事件や、米カリフォルニア(California)州で過激思想に傾倒していたとされる夫婦が起こした銃乱射事件を受け、米国内の反イスラム感情がかつてないほど高まっていると指摘しており、トランプ氏の扇動的な呼び掛けもその一端を成している。

「トランプ氏は人々に、私たちを傷つけても構わないという権利を与えている」と嘆くのは、1980年にエジプトから米国へ移住したアフメド・シェディード(Ahmed Shedeed)さん。農業工学の学位を持ち、現在は旅行会社を運営する傍ら、ニュージャージー(New Jersey)州ジャージーシティー・イスラム教センター(Islamic Center of Jersey City)の代表も務めている。

 モスク(イスラム教礼拝所)でAFPの取材に応じたシェディードさんは、トランプ氏が憎悪と暴力をあおっていると批判。「頼むから、お願いだから、こういう非難はもうやめてほしい。イスラム教徒らを、米国のモザイクの一部として見てほしい。私たちも米国の一部であり、追い出すことはできない」と語った。

 イスラム系米国人らは恐怖心を吐露している。最近話題に上るのは、ヒジャブ(頭髪を覆い隠すスカーフ)をまとっていた女性が唾を吐きかけられた、感謝祭の日にイスラム教徒のタクシー運転手が背後から銃で撃たれた、フィラデルフィア(Philadelphia)にあるモスクの前にブタの頭部が置かれていた、などという事件だ。

 トランプ氏がイスラム教徒の入国禁止を呼び掛けた数時間前には、ニュージャージー州のイスラム系コミュニティーの指導者らが検察の当局者らと面会し、イスラム教徒へのヘイトクライムとみられる犯罪に対し真剣に対処するよう求めていた。

 全米最大のイスラム人権団体「米イスラム関係評議会(CAIR)」は、先月にイスラム教徒に対する脅迫や器物破損、差別的行為が頻発したと報告している。同団体のニハド・アワド(Nihad Awad)事務局長は、首都ワシントン(Washington D.C.)で記者会見し、「無責任で、単に非アメリカ的だ。ドナルド・トランプ氏の口ぶりは、わが国のような偉大な国家の指導者よりかは、リンチ集団のリーダーのようだ」と指摘した。

■「イスラム教徒を殺したい」
 バラク・オバマ(Barack Obama)大統領はカリフォルニア州での銃乱射事件を受けて、国民に対しイスラム教徒を差別しないよう呼び掛けると同時に、イスラム教徒らに対し、過激思想に「言い逃れせずに立ち向かっていく」ためのさらなる行動を要請した。

 トランプ氏は今回の発言の前にも、2001年9月11日の米同時多発テロの際にジャージーシティーのアラブ系住民が喜びをあらわにしていたとの主張を、これが事実ではなかったことを示す圧倒的な証拠があるのにもかかわらず、固持し続けていた。そんな中、オバマ大統領の演説を聞いたシェディードさんは、米国人であることを改めて誇りに思ったという。

「私たちは苦悩し、恐怖の中にいた。そして涙に暮れていた」とシェディードさん。「私たちはトランプ氏のような人々を恐れている。もし9・11の時にトランプ氏が表舞台に立って同じ話をしていたなら、私たちの多くが危害を加えられたに違いない」

 ニューヨークでコンビニエンスストアを経営するサーカー・ハーク(Sarker Haque)さんは5日昼、店に入ってきた男に殴る蹴るの暴行を受け、唇を切り左手を脱臼するけがをした。男は50代の白人で、「俺はイスラム教徒を殺したい」と脅迫したという。

 ハークさんは、この事件をきっかけに、初めて恐怖心にさいなまれるようになったと話す。「以前は不安を感じたことなどなかった」「それが今は、常に左右を見回していないといけない」。警察は、容疑者の男を暴行容疑で逮捕したと発表した。ハークさんは、事件はヘイトクライムだったと考えている。【翻訳編集】 AFPBB News


イスラム教徒への暴行相次ぐ=01年同時テロ後最悪の状況―米
時事通信 12月9日(水)14時35分配信

 【ニューヨーク時事】パリ同時テロに続き、米カリフォルニア州で起きた銃乱射事件もイスラム過激思想に絡むテロだった疑いが強まる中、イスラム教徒に対する暴行や嫌がらせなどが米各地で起きている。
 イスラム団体によると、パリでテロがあった11月13日以後の10日余りの間に、少なくとも15州で25件前後の事件や問題行為が伝えられており、2001年の米同時テロ後、最悪の状況だという。
 米最大のイスラム人権団体「米・イスラム関係評議会(CAIR)」によれば、東部コネティカット州で11月14日、モスク(イスラム礼拝所)に複数の銃弾が撃ち込まれ、連邦捜査局(FBI)が捜査中だ。ニューヨークでも今月5日、イスラム教徒の食品店主が白人の中年男に店内で暴行を受け、大けがをした。男は「イスラム教徒を殺してやる」と言いながら暴行を繰り返した。
 東部フィラデルフィアでは7日、モスクの入り口付近にイスラム教で不浄とされる豚の頭部が捨てられているのが見つかり、捜査が開始された。CAIRは在米イスラム教徒に対し、身辺に十分注意するよう呼び掛けた。


ロシア、フランスに子犬を贈呈 殉職した警察犬の後任に
CNN.co.jp 12月9日(水)13時23分配信

(CNN) フランス・パリの同時多発テロで急襲作戦に出動して「殉職」した警察犬の後任として、ロシアがフランスにジャーマンシェパードの子犬を贈呈した。

フランスの警察犬「ディーゼル」は、パリ同時テロを受けて先月18日に警察が行った急襲作戦に出動して死んだ。インターネットではその死を悼む声が広がっていた。

モスクワのフランス大使館で7日に行われた贈呈式で、ジャンモリス・リペール駐ロシア大使は「本日贈呈された子犬は、ディーゼルの後任となり、友好の証しとなる」と謝意を表した。

子犬は民話に出てくる英雄にちなんで「ドブルイニャ」と命名された。式典に出席したロシアのイゴール・ズボフ内務副大臣は、「テロとの戦いにおける両国の連帯のシンボル」と位置付けている。


米の「ビザ免除」条件厳しく、下院が法案可決
読売新聞 12月9日(水)11時46分配信

 【ワシントン=尾関航也】米下院は8日、外国からの旅行者が査証(ビザ)なしで米国に90日間滞在できる「ビザ免除プログラム」の適用条件を厳しくする法案を賛成多数で可決した。

 法案は、プログラムの対象国・地域からの旅行者であっても、2011年3月以降にシリアとイラクへの渡航歴がある場合はビザ取得を義務づけることが柱。パリ同時テロを受けたテロ防止強化策の一環で、民主、共和両党の大多数が賛成した。上院でも可決される見通しで、米政府も支持している。

 米政府は現在、日本や欧州諸国など38か国・地域からの旅行者について、電子渡航認証システム(ESTA)を活用する形でビザ取得を免除している。法案が成立すれば、2011年3月1日以降にシリアとイラク、国務長官が指定する国などに滞在した人について、ビザ免除の規定が制限される。


米下院、ビザ免除制度の厳格化法案を可決
AFP=時事 12月9日(水)11時37分配信

【AFP=時事】米下院議会は8日、米国への査証(ビザ)なし入国を日本など38か国に限って認める「ビザ免除プログラム(VWP)」の適用条件を厳格化する法案を、賛成407、反対19の圧倒的賛成多数で可決した。イラクやシリアに加え、「テロ支援国家」に指定されている国々からの渡航者を制限することが狙い。

米、ビザ無し渡航の審査強化へ パリ同時テロ受け

 この法案は、フランス・パリ(Paris)で発生した同時テロ事件を受け、米政府も支持を表明していた。これまでの要件では、同事件の実行犯でさえもビザなしで米国への入国が可能だった。

 新たな条件の下では、2011年3月1日以降にイラク、シリア、イラン、スーダンへ渡航した人や、同4か国との二重国籍を持つ人は適用対象から除外される。また、すべての対象国に電子パスポートの使用を義務付けるほか、テロや犯罪の容疑者に関するさらなる情報の共有を求めている。

 法案は今後、上院での承認と大統領の署名を経て成立する見込みだ。【翻訳編集】 AFPBB News


【米大統領選2016】トランプ氏発言は米安全保障を損なう=米国防総省
BBC News 12月9日(水)11時1分配信

2016年米大統領選に共和党から出馬している有力候補の実業家ドナルド・トランプ氏が、イスラム教徒の米国入国を禁止すべきと発言したことについて、米国防総省は発言は過激派勢力「イスラム国」(IS)を勢いづけて米安全保障を脅かすものだと警告した。またホワイトハウスは、トランプ氏の発言は大統領候補として失格だと強く批判した。

共和党から出馬している候補で支持率トップを走るトランプ氏は7日夜、カリフォルニア州サンバーナディーノ郡で14人を殺害した乱射事件の容疑者夫妻がイスラム過激主義者だったかもしれないとの情報から、すべてのムスリム(イスラム教徒)の米国入国を禁止すべきだと文書で表明した。

サンバーナディーノ郡の乱射事件の容疑者夫妻は、共にイスラム教徒で、過激思想の影響を受けていたとされる。妻のタシュフィーン・マリク容疑者は事件当日、インターネットにISに忠誠を誓う書き込みをしていた。

しかし国防総省のピーター・クック報道官は、このような発言は「ISILの主張を後押しする」と批判した。「ISIL」は米政府関係者が「IS」を指して使う名称。

報道官はトランプ氏の名前を挙げずに、ムスリムに国境を閉ざすようなことは過激派思想と戦う米国の努力を損なうものだとして、「ISILの主張を後押しし、イスラムの信仰に敵対するものとしてアメリカを位置づけるようなことはすべて、この国の価値観に背くだけでなく、この国の安全保障に背くものだ」と批判した。

トランプ氏の発言に対しては米国内外から非難の声が相次いでいる。ホワイトハウスの大統領報道官は、トランプ氏は大統領候補として失格だと批判。ムスリム指導者や国連関係者のほか、共和党関係者たちも発言を批判しており、ジョン・ケリー米国務長官も8日朝、ISとの戦いにおいてトランプ氏の発言は「建設的でない」と述べ、非難の輪に加わった。

【米大統領選2016】トランプ氏、ムスリムの米入国を全面禁止せよと

共和党幹部は強い口調でトランプ氏の発言を非難し、ポール・ライアン下院議長は「昨日提案されたようなことは、この党を象徴するものではない。何より、この国を象徴するものでもない」と述べた。

民主党の有力候補ヒラリー・クリントン前国務長官もツイッターで、トランプ氏の発言は「私たちの価値に背くだけでなく、テロリストの思うつぼだ」とツイートした。

他の共和党候補も、ジェブ・ブッシュ氏がトランプ氏は「たがが外れている」とただちに非難するなど、ほぼ一様に批判に回った。例外はテッド・クルーズ上院議員(テキサス州選出)で、トランプ氏の提案そのものには同意しないがトランプ氏が「この国の国境をしっかりしたものにしなくてはならないと、アメリカ国民の意識をそこに向けてそのために立ち上がった」ことは称賛した。

トランプ氏は声明で、ムスリムが米国を「憎悪」しているため、「これはいったい何事なのかこの国の代表たちが見当をつけられるまで」ムスリムの入国を禁止すべきだと主張した。すでに米国在住のムスリムは除外されると発言を後に修正したものの、8日にも、自分の提案は第2次世界大戦中に米国内の日系、ドイツ系、イタリア系の住民に対してルーズベルト大統領がとった対策に類するものだと、その有効性を強調した。

内外からの非難に対して発言の正当性を強調するトランプ氏は、ロンドン市内には「過激思想があまりに蔓延していて、警察も身の危険を感じる地域がある」と発言。

しかしロンドン市長のボリス・ジョンソン氏はこれについて「ばかげている」と一蹴し、「私がニューヨークの一部地区に行かないのは、ドナルド・トランプに出くわす本当の危険があるからだ」と付け加えた。

トランプ氏が反ムスリム発言で批判されるのはこれが初めてではない。11月13日のパリ連続襲撃の後には、米国内のムスリムの行動をデータベースにして監視し、シリア移民の入国を全面禁止すべきだと発言している。

トランプ氏の今回の派手な発言のおかげで、共和党はおそらくムスリム系米国市民の支持獲得は完全に諦めたほうがいいだろう。

トランプ氏はラテンアメリカからの移民も相変わらず罵倒し続けているで、ヒスパニック系市民の支援を手にするのも無理だ。

たとえ共和党の候補指名を獲得しなかったとしても、トランプ氏は移民反対で排外主義的な右側へと共和党と他の候補たちを引きずりこんだ。これは来年11月の本選の時点で、共和党の足を引っ張ることになるかもしれない。

そもそも保守勢力がリベラル勢力との戦いで大いに駆使した論点を、トランプ氏は共和党エスタブリッシュメントや米国メディアとの戦いで武器としてふるっている。もしかするとこれが何よりの皮肉なのかもしれない。

(英語記事 Trump's Muslim ban call 'endangers US security')


ビザ免除厳格化法案可決=米下院
時事通信 12月9日(水)10時44分配信

 【ワシントン時事】米下院は8日、外国人旅行者に査証(ビザ)なしで90日以内の米国滞在を認めている「ビザ免除プログラム」について、適用条件を厳しくする法案を可決、上院に送付した。
 パリ同時テロを受けた措置で、民主、共和両党の大多数の議員が賛成に回った。
 プログラムは日本を含む38カ国・地域の旅行者が対象。米メディアによると、法案は、旅行者が過去5年以内にシリアやイラクを訪問したことがある場合、プログラムの適用対象から除外し、ビザの取得を義務付けることなどが柱。


中東をテロ発生源に変えたのは誰か~「石油・武器・麻薬」という三大タブーを直視せよ
現代ビジネス 12月9日(水)10時1分配信

 世界はいま、暴力が暴力を呼ぶ悪循環に陥っている。もはや武力で平和を取り戻すことはできないことはハッキリした。では、どうすればテロを終わらせることができるのか? 何がここまで事態をもつれさせたのか? 
 事の根本にあるのは、石油、武器、そして麻薬をめぐる巨大なマネーの流れだ。

 まもなく緊急発売される宮田律氏(現代イスラム研究センター理事長)の最新刊『石油・武器・麻薬ーー中東紛争の正体』(講談社現代新書)より、まえがきを特別先行公開! 

 2015年10月、ヨルダン川西岸を訪問する機会があった。エルサレム旧市街を歩くと、ダマスカス門の前にはゴム弾銃などをもったイスラエル兵がいて、ものものしい。筆者が訪れた前週、前々週とパレスチナ人の二人の青年がこの門の前でイスラエル兵に銃殺されたためだろう。

 ムスリム地区を歩くと、閉じられたままの商店がまた増えたことに気づいた。

 エルサレムにあるイスラムの聖地「ハラム・アッシャリーフ」内部でも、軍兵士や警官が警備を行っていたが、重武装した彼らを見ると、政治的に静かにならざるをえないパレスチナ人たちの日々の息苦しさ、怒り、切ない想いなどがあらためて感じられた──。

イスラム・ユーラシアの地殻変動
 2015年11月、フランス・パリで発生した同時テロに象徴されるように、いま、ユーラシアを基点に広がるイスラム世界は、重大な「地殻変動」の中にある。

 2014年6月、武装集団の自称「イスラム国」(IS=Islamic State)がイラク北部のモスルを制圧すると、これに危機感を覚えた米国は、イラクでは欧米諸国を中心とする有志連合で、シリアではアラブ諸国の軍隊と連携して、ISへの空爆を行うようになった。

 イラクもシリアもイスラム世界の中心に位置し、かつてはアッバース朝(750~1258年、首都バグダッド)やウマイヤ朝(661~750年、首都ダマスカス)というイスラム帝国の繁栄を享受したところである。

 イスラムの預言者ムハンマドが生まれたアラビア半島は、現在、世界の重要な産油地帯であり、日本も原油輸入の80パーセント以上をこの地域に依存している。だからこそ、中東各国の政治の動きや、諸外国によるそれへの関与は、日本にも重要な影響をおよぼすことになる。

 戦後日本の安全保障をめぐる議論が、この地域の事態に関連して多く語られたことは、1991年の湾岸戦争での掃海艇派遣や、2001年から10年まで継続した海上自衛隊の補給活動などのケースを見ても明らかだろう。安倍晋三政権による「集団的自衛権」の提唱も、日本が原油を購入するペルシア湾での機雷掃海や、日本のタンカーの海路の防衛などが主要な議論の対象となっていた。

 米国は2003年のイラク戦争を経て、2011年にイラクから撤退し、イスラム世界におけるその政治的影響力を低下させつつある。また米国内でもシェールエネルギーの開発により、ペルシア湾岸地域で産出される石油の重要性は低下したといえる。

 だが、米国にとってペルシア湾岸アラブ諸国は、いまもなお、武器市場として欠かせない存在であることを忘れてはならない。

 たとえばサウジアラビアは2014年、世界最大の武器輸入国となった。2015年3月に始まった同国による隣国イエメンへの軍事介入は、アラブの有志連合によって、イエメンの武装集団「フーシ派」やサレハ元大統領派の「殲滅」を目指すものだが、これらの勢力はサウジアラビアに対してミサイルやロケットで反撃するようになっている。日本の最大の石油輸入国であるサウジアラビアに万が一の事態が起きれば、日本経済は深刻な影響を受けるだろう。

 もともと、天然真珠の採取とその売益、および農業や漁業が主要産業で、のちに豊富な石油資源を背景に成長を遂げたアラブ首長国連邦(UAE)は、武器輸入額で世界第四位。フランスがUAEのアブダビに海軍基地を設け、ルーブル美術館の分館を進出させるのも、武器市場としてのUAEに魅力があるためだ。

 また、2010年12月からの民主化要求運動「アラブの春」以降、大きく動揺するシリアのアサド政権への支援をロシアがいっこうに放棄しないのは、ロシアにとってシリアが重要な武器市場だからだ。核エネルギー開発をめぐって経済制裁を受けるイランに対しても、ロシアは原発建設の支援を行っている。

 したたかな中国は、欧米や日本などがイランと円滑な経済関係を結べない間隙を突いてイランとの交流を継続し、経済成長を支えるためのエネルギー資源のいっそうの確保を目指している。

石油争奪戦
 米国は、アフガニスタンから2016年に完全撤退すると公約していたが(2015年10月に撤回)、その公約表明と前後して、周辺地域には中国の進出が目立つようになった。

 中国は、「新シルクロード(一帯一路)」の経済帯構想を掲げて交通網やパイプライン・ネットワークを発達・整備させ、中央アジアや中東のエネルギー獲得に積極的に乗り出している。特にパキスタンとは、ペルシア湾に近いグワダルの港と新疆ウイグル自治区を結ぶパイプラインを建設するなど、湾岸資源の輸入に強い意欲を示し、シーレーンには頼らないエネルギー輸送路の構築を意図している。

 こうした中国の動きは、ユーラシアでの米国の影響力の後退を背景に、国際社会における政治的発言力、経済力の向上を目指すものだ。

 このように、イスラム世界を中心とするユーラシアのチェス・ボードは、軍事やエネルギーをめぐって、複雑かつ新たな交錯を見せるようになった。

 長年中国と対立関係にあったインドも、中国やロシア、さらに中央アジア諸国を主体とする地域の経済・安全保障機構である上海協力機構(SCO)に強い関心を抱く。

 インドがSCOの正式メンバー国入りを目指すのは、「中央アジアの資源を確保したい」という思惑があるからだ。古代以来、中央アジア諸国と交易や人的交流を行ってきたという歴史的経緯もある。インドと中央アジア諸国との貿易高は年間5億ドル程度(約600億円・注1)だが、インドは中央アジアと陸での交通路を築き、中央アジア諸国から資源を購入するとともに、中央アジアをインド製品の市場にしたいという野望を抱いている。

 中国は前述の「新シルクロード」構想に関連して、中央アジア諸国とともに「東トルキスタン(新疆ウイグル自治区)」での「三つの勢力」(テロ、分離、過激勢力)を取り締まり、安全と安定を守らなければならないとする一方、資源、電力、交通、さらには学術文化交流において、中央アジア諸国との関係強化を目指している。

 2013年には、トルクメニスタンのガルキニシュ・ガス田からのガス輸入を開始。過去数十年間で「世界最大の油田発見」とされるカザフスタンのカシャガン油田にも出資している。中国政府によれば、中央アジアとの貿易量は2012年に460億ドル(5兆5200億円)を超え、中央アジア諸国が独立した1990年代初頭と比較すると100倍にも膨らんだという。

 こうしたインドや中国の積極的な動きに対し、ロシアは、中央アジア諸国がイスラム過激派勢力の浸透などによって不安定化することへの懸念を強めている。世界の麻薬市場を席巻しているアフガニスタンの治安が悪化すれば、同国からの麻薬がロシア社会に大量流入し、犯罪ネットワークの活発な活動を惹起するなど、重大な社会問題に発展することも考えられるからだ。

 イスラム武装集団の活動が見られるウズベキスタンでは、燃料不足や食糧価格の高騰が顕著になり、生活上の不満から、「アラブの春」のような政治変動が起こる可能性が否定できない。

 同国をはじめとする中央アジアはロシアの「やわらかい下腹部」ともいえ、その不安定さがロシアの将来にも影を落としている。中央アジア諸国との安全保障協力を軸に、この地域での軍事、経済での影響力回復をもくろむプーチン政権は、周辺国との「集団安全保障条約機構(CSTO)」を強化し、旧ソ連諸国の経済統合構想をも推進したい意向である。

さらなる貧困を呼ぶもの
 2014年12月、ノルウェーのオスロで開催されたノーベル平和賞授賞式で、17歳という史上最年少の若さで受賞したマララ・ユースフザイは、「子供たちに本が与えられれば、世界が、未来が変わる」と訴えた。

 マララの出身地であるパキスタンでは教育が行き届かず、およそ40パーセントの子供たちが就学していない。とくに地方では女性を家庭に閉じ込めておく傾向が強く、女子の識字率は36パーセント。インドの48パーセントと比較してもかなり低い。この識字率の低さは、女子教育の重要性を説いたマララを襲撃したTTP(パキスタン・タリバン運動)の暴力だけの問題ではなく、政府の取り組みが消極的なことにも起因する。

 マララが強調するように、中東イスラム世界では2000年代以降、イラク戦争や「アラブの春」によって紛争が絶えない状態に陥り、教育の欠如など、子供たちをはじめとする多くの人々の人権が脅かされるようになった。

 ユニセフによれば、シリアの内戦によって280万人の子供たちが教育を受けられなくなった(2014年末時点)。教育の欠如はさらなる貧困を呼び、将来の社会的不安定をもたらし、再建への見込みや期待も薄くさせる。

 逆に言えば、子供たちから教育機会を奪うことは、暴力的集団にさらなるパワーを与えることにもなる。それは、十分な教育を受けることがなかったアフガニスタン難民の子弟がムジャヒディン(「イスラムの聖なる戦士」の意味)やタリバンのメンバーとなり、現在でもアフガニスタンやパキスタンの部族地域で紛争が止まないことを見ても明らかだろう。

 シリアやイラク、レバノン、パレスチナ、アフガニスタンなど中東地域の政治的混乱は、周辺地域、さらには欧米など国際社会の安全保障にも影響を与える。地理的に近いヨーロッパへの難民の流出をもたらし、欧州社会に負担を強いてきた。教育機会がなかったムスリム難民たちは社会の底辺を形成し、彼らの中にはシリアやイラクのISなどの武装集団に参加する者たちもいる。

 紛争によって発生した難民の子供たちに教育を与えることが、暴力の抑制につながることは揺るぎなく、中東イスラム諸国、欧米、また日本など国際社会が真摯に取り組まなければならない課題ともいえる。

武器輸出国の思惑
 2014年に始まる原油安は、石油やガスといったモノカルチャー経済に頼ってきた中東産油国やロシアなどの景気を減速させた。その一方で、2014年のロシアによるウクライナ・クリミア半島の併合と、ウクライナ東部への軍事介入は、欧米諸国との軋轢を招き、ロシアへの経済制裁発動につながった。シリア問題でもロシアは、アサド政権の打倒を考える欧米諸国と対立している。

 そうした中、ロシアは2015年9月末、IS掃討を掲げながらシリアの反体制派に攻撃を加えるという、アサド政権を「支援」する空爆を開始した。背景には、「中東に親ロシアの政府を残しておきたい」という地政学的な理由や、ロシアの軍部と軍需産業が一体となった「軍産複合体」の思惑がある(注2)。なにしろ、この40年間、親子2代で続くアサド政権は、ロシアにとって、多くの武器を購入してくれる「上客」なのだ。

 アサド政権は旧ソ連時代からミグ戦闘機を購入し、また攻撃用ヘリやハイテク防空システムもロシアから移転している。2011年に「アラブの春」が起こり、アサド政権が動揺していく直前、ロシアからシリアへの武器輸出額は21億ドル(2520億円/2007年)から、47億ドル(5640億円/2010年)に増加していた(米議会調査局)。2015年8月には、ミグ31フォックスハウンド六機をロシアから購入するなど、シリアにとってロシアは最大の武器供給国なのである。

 ロシアにおいて兵器関連産業は裾野が広く、200万人以上が雇用されていると見積られている。2011年には、ロシア政府は軍備の近代化をはかるべく、2011~20年までの間に総額19兆ルーブル(当時、約53兆4000億円)を投じることを発表した。アサド政権の崩壊は、ロシア経済にとって大きな打撃となりかねないだけに、「必死」なのである。

 以上のように、中東をめぐる情勢は、一見、複雑きわまりないように思えるが、そのような印象を与えているのは、「イスラム」という日本人にはあまり馴染みのない宗教や、そこから枝分かれする「シーア派」などさまざまな宗派の名称などによるのかもしれない。

 しかし、中東の石油利権をめぐって欧米諸国が争奪戦を繰り広げ、武器・弾薬の大量消費によって米国などの軍需産業が大儲けしたイラク戦争がそうであったように、現在の中東の紛争の背景にあるのは、「石油」と「武器」という巨額の利益をもたらす経済的ファクターであると言っても過言ではない。

 また、アフガニスタンのアヘンをもとに製造・流通するヘロインなどの「麻薬」がもたらす莫大なカネは、武装集団の重要な資金源と化している点も見逃せない。

 そこで本書『石油・武器・麻薬――中東紛争の正体』は、そうした経済的観点からイスラム世界をめぐる国際政治の力学の変化を明らかにすることを目的とする。エネルギーをめぐる国際間の競合、産油国への武器売却をめぐる欧米の思惑、また大量に買いつけた兵器がいかにイスラム世界の紛争を深刻にさせているかなどを紹介する。地球規模の格差、貧困による人の移動が現在の国際社会の安定にどれだけ重大な問題を起こしているかについても触れている。

 ちなみに筆者が中東から帰国後の2015年11月初旬、イスラエル政府は、2017年に期限切れとなる米国からの軍事支援について、新たに10年間にわたって毎年50億ドル(6000億円)要求することを明らかにした。現在のところ支援は年30億ドルなので、大幅に要求を増額させたことになる。

 もっとも、イスラエルへの軍事支援によって潤うのは、米国の軍需産業ばかり。新たな軍事支援の中には、F35戦闘機のほかにF15ステルス戦闘機、V22オスプレイ、空中給油機、対弾道ミサイル用のアロー3ミサイルなどの供与が含まれるという。

 筆者がエルサレムなどヨルダン川西岸を訪れた時に感じたパレスチナ人の「沈黙」は、米国の軍需産業の「意向」が一つの重要な背景となっているのだ。

 2015年11月13日、パリの6ヵ所で同時テロが起き、130人余りが犠牲になった。オランド大統領が15年9月にシリア空爆を開始したのは、ISがフランスをテロの標的として考えるようになったからだと伝えられている。ISは、空爆を行うフランスへの「報復」を意図するとともに、〇年三月にマドリード列車同時テロ事件で一九一人が死亡したのを受けてスペイン軍がイラクから撤退したことを、フランスに対しても再現したかったのかもしれない。

 石油や武器などを切り口に、パリ同時テロにも通じる中東紛争の「いま」を分析・解説した本書『石油・武器・麻薬――中東紛争の正体』の内容が、読者の方々にとって、変容するイスラム世界に日本がどのように対応していくべきかを考える好機になれば幸いである。

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注1 India’s ‘Connect Central Asia Policy’ The Diplomat December 13, 2013/注2 ロシアは、欧米による経済制裁にもかかわらず、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)によれば、2014年には米国に次ぐ武器輸出国で、155億ドルの利益を上げた。また、ロシアがアサド政権への支持を容易に放棄できない理由としては、地中海に面したシリアの港湾都市タルトゥースに設置したロシア海軍基地の存在も見逃せない。
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宮田 律(みやた・おさむ)1955年、山梨県生まれ。現代イスラム研究センター理事長。慶應義塾大学文学部史学科東洋史専攻卒。83年、同大学大学院文学研究 科史学専攻を修了後、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院修士課程を修了。87年、静岡県立大学に勤務し、中東アフリカ論や国際政治 学を担当。2012年3月、現代イスラム研究センターを創設。おもな著書に『アメリカはイスラム国に勝てない』(PHP新書)、『イスラムの人はなぜ日本を尊敬するのか』(新潮新書)、『中東イスラーム民族史』(中公新書)、『現代イスラムの潮流』(集英社新書)など多数。


ホワイトハウス報道官、「トランプ氏は大統領に不適格」と批判
CNN.co.jp 12月9日(水)9時58分配信

ワシントン(CNN) 米大統領選の共和党候補者指名争いで首位に立つ実業家ドナルド・トランプ氏がイスラム教徒の米国への入国を禁止するべきだと述べたことに対し、ホワイトハウスのアーネスト報道官は8日、このような発言をする同氏に「大統領になる資格はない」と厳しく批判した。

ホワイトハウス当局者が野党の指名レースでこれほど踏み込んだ発言をするのは、極めて異例のことだ。

アーネスト氏は同日の記者会見で、大統領は就任宣誓で「合衆国憲法の維持、保護、擁護」を誓うことなっていると指摘。憲法に反した主張を行うトランプ氏には、大統領就任の資格がないとの見方を示した。

アーネスト氏はまた、共和党の指名を争う候補らは全員、最終的に指名を獲得した候補者を支持するとの宣誓に署名しているとも指摘し、「かれらがトランプ氏を支持するとの誓いを守るなら、それ自体も不適格の要件になる」と語った。

そのうえで、共和党全体がトランプ氏の道連れになり、「歴史のちりと消える」可能性が高まっていると言及。トランプ氏を「祭りの客引き」と呼んで批判した。

トランプ氏の発言には、ケリー国務長官も訪問先パリでの記者会見で言及。「非差別と平等は米国の価値観だけでなく、我々の移民、入国管理政策の柱でもある。国務省は全ての宗教について、差別することなく尊重するという方針を徹底して貫き続ける」と表明した。

ケリー氏はさらに「世界各地を訪問すると、我々の友好国や敵対国が米国内の議論に注意深く耳を傾けていることがはっきり分かる。トランプ氏のような発言は建設的ではない」と述べた。

国防総省のクック報道官はトランプ氏を名指しこそしなかったものの、「ISISの筋書き通りに米国をイスラム教と敵対させることは、我が国の理念に反するばかりでなく、安全保障にも反する」と批判し、米軍では現在イスラム教徒も多数兵役に就いていると強調した。


仏テロ被害の米バンド、現場で涙の犠牲者追悼
AFP=時事 12月9日(水)9時11分配信

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フランス・パリで発生した同時テロの現場の一つとなった劇場「バタクラン」で犠牲者を追悼する米ロックバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル」のボーカル、ジェシー・ヒューズさん(左)と、ギタリストのデーブ・キャッチングさん(2015年12月8日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】フランス・パリ(Paris)で先月発生した同時テロで、コンサート中の会場が襲撃を受けた米ロックバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル(Eagles of Death Metal)」が8日、約1か月ぶりに事件現場を訪れ、涙を流しながら犠牲者らを追悼した。

【写真8枚】現場で悲愴な面持ちを見せるメンバーら

 カリフォルニア(California)州を拠点に活動している同バンドのメンバーらは、先月13日の事件で90人が死亡したパリ東部の劇場バタクラン(Bataclan)の前に無数に手向けられた花々やカードに胸打たれた様子で、小雨の降りしきる中15分近くその場に残り、メッセージに目を通していた。

 同バンドのグッズ販売担当マネジャーで英国人のニック・アレクサンダー(Nick Alexander)さん(36)も、事件で命を奪われた。メインボーカルのジェシー・ヒューズ(Jesse Hughes)さんは、劇場前の通りにあふれた献花の山の中に1輪の花を供え、涙を拭った。

 ヒューズさんはフェイスブック(Facebook)上のバンドの公式ページに、「ありがとう、フランス。そして、愛と喜びと音楽は恐怖や悪に打ち勝つのだということを証明してくれている世界中のみんな、ありがとう。2016年にはツアーを再開するし、またすぐより多くの場所で良き闘いができることを心待ちにしている」とつづった。

 劇場側は来年末の再開を目指しており、ヒューズさんは、再開後初の公演は自分たちのバンドが行いたいと希望している。【翻訳編集】 AFPBB News


米下院、ビザ免除プログラム厳格化法案を可決
ロイター 12月9日(水)9時8分配信

[ワシントン 8日 ロイター] - 米下院議会は8日、ビザ免除プログラム(VWP)でビザ取得が免除されている38カ国の市民について、米国渡航に関する規制を強化する法案を賛成407、反対19の賛成多数で可決した。

この法案は、11月のパリ同時攻撃を受けて、下院で可決された2つ目の国家保安関連の重要法案。VWP適用国の市民でも、過去5年間にシリア、イラク、イラン、スーダンへの渡航歴がある場合はビザの取得が必要となる。また、VWP適用国にテロリスト容疑者に関する情報を米当局に提供することを求める。

下院国土安全保障委員会のマコウル委員長は「この法案は、保安上のギャップを埋め、危険人物の入国を水際で防ぐ能力を高めることになる」と述べた。

VWPは、観光の振興や米国と友好関係にある国・地域との関係強化を目的に導入された。現在、VWPのもと、年間2000万人が米国に入国している。


被告の携帯に「イスラム国」画像…ロンドン襲撃
読売新聞 12月9日(水)8時28分配信

 【ロンドン=角谷志保美】ロンドン東部の地下鉄駅で男性2人が重軽傷を負ったナイフによる襲撃事件で、殺人未遂罪で起訴された男(29)の携帯電話からイスラム過激派組織「イスラム国」関連とみられる画像が発見されたと、英PA通信などが伝えた。

 先月のパリ同時テロ事件関連の画像もあったとされ、捜査当局は過激思想に感化されたとみて調べている。男は、事件のあった地下鉄セントラル線レイトンストーン駅近くに住むソマリア系のムハイディン・ミア被告。7日にロンドンの治安判事裁判所に出廷した際、検察側が、携帯電話に過激派関連の画像などがあったと明らかにした。


米下院、ビザ免除プログラム厳格化法案を可決
ロイター 12月9日(水)8時1分配信

[ワシントン 8日 ロイター] - 米下院議会は8日、ビザ免除プログラム(VWP)でビザ取得が免除されている38カ国の市民について、米国渡航に関する規制を強化する法案を賛成407、反対19の賛成多数で可決した。

この法案は、11月のパリ同時攻撃を受けて、下院で可決された2つ目の国家保安関連の重要法案となる。


喝采に「パリ愛してる」 襲われたバンド熱唱
産経新聞 12月9日(水)7時55分配信

 【パリ=宮下日出男】パリ同時多発テロで、最多の犠牲者が出た劇場で、演奏時に襲撃を受けた米ロックバンド「イーグルス・オブ・デス・メタル」が7日夜、アイルランドの人気バンド「U2」のパリでのコンサートにゲストとして参加し、聴衆の喝采を浴びた。

 ロイター通信によると、開幕前にヘリが警戒飛行するなど、厳戒態勢が敷かれた。イーグルス・オブ・デス・メタルは、U2のメンバーから「彼らは3週間前に(テロ犯に)ステージを奪われた」と紹介され、U2とともに熱唱。聴衆の拍手に対し「パリ、愛しているよ」と応じた。

 一方、イタリア・ミラノの名門歌劇場スカラ座では7日、シーズン開幕公演が行われた。パリのテロ後、FBIから標的となる恐れがあると警告を受けていたが、レンツィ首相も鑑賞し、テロに屈しない姿勢を強調した。


テロ情報組織、人材育成・拡充が課題
産経新聞 12月9日(水)7時55分配信

 政府内に8日発足した国際テロ情報収集ユニットは、地球規模で拡散する国際テロ組織の動向を捉える“耳”の役割を果たす。来年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)や2020年東京五輪・パラリンピックを控える日本は、国際的な存在感が高まるのと引き換えに、理不尽なテロの攻撃対象にもなりかねない。国際社会と協調する「テロとの戦い」に、情報収集の能力強化は不可欠だが、乗り越えるべき課題はいくつもある。

 「省庁間の垣根を越え、オールジャパンで国際テロ情報を入手するよう全身全霊で取り組んでいただきたい」。菅義偉(すが・よしひで)官房長官は8日のユニット発足式で、インテリジェンス組織が陥りがちな省庁間の“縦割り”の弊害が生じないよう指示した。政府全体で情報が共有されなければ、有効なテロ対策が取れないためだ。

 ユニットはパリ同時多発テロ後に設置を前倒ししただけに、急ごしらえの感は否めない。ただ、現下のテロ情勢を踏まえれば、不十分な態勢であっても、稼働を急ぐ必要があった。

 世界のインテリジェンスサークルで渡り合える人材の育成には年単位の時間がかかる上に、協力者獲得・運用、情報収集活動には一定程度の資金も必要だ。菅氏が記者会見で「人数拡大は必要だ」と述べたように、各国と比較してもマンパワーに欠ける。ユニットを中核に本格的な対外情報機関の創設を見据え、質量ともに拡充させる必要に迫られている。(峯匡孝)


「イスラム国と対話の可能性」――“聖徳太子の時代の人々”と話し合えるか?〈週刊新潮〉
デイリー新潮 12月9日(水)7時0分配信

 パリ同時多発テロを受け、各国は強硬策を取るべく、連携を深めている。しかし、日本の言論空間には絵空事としか思えない意見がある。例えば、「イスラム国(IS)との対話の可能性」についてはいかがだろう。

 ***

 飯塚正人・東京外大教授(イスラーム学)に訊けば、

「あまりに現実味がなさ過ぎて、はっきり言って“机上の空論”です」

 と、当然の答えが返ってきた。そもそもISとはどんな集団か、をもう一度おさらいしておこう。

「彼らは咋年6月、カリフ制を打ち立てた。これは、イスラム的には、世界征服のジハードを行うと宣言したに等しい行為なのです。アルカーイダの主張はまだ、イスラムが奪われた土地を返せ!と言うだけだから、対話の余地もあった。しかし、ISは地球全体の支配を目標に掲げています。そこでISが目指すのは、ムハンマドが生きた1400年前の戒律を厳しく強制する社会なのです」

 と飯塚教授。

 それゆえ、ISは、実際に近代社会では到底容認されない奴隷制を復活させているし、異教徒には改宗か、人頭税の支払いが命じられる。協力を拒めば処刑される。1400年前と言えば、日本では聖徳太子の時代。古舘氏らは、この時代の価値観で生きる人々と、本当に有益な「話し合い」が進むと思っているのだろうか。であれば、歴史や文化、思考の多様性をあまりに軽視した人間観をお持ちのようで、逆に恐ろしさを感じてしまう。

 飯塚教授が続ける。

「ISにしてみると、もし国際社会が“対話したい”と言うのなら、まず“俺たちの国の存在を認めろ”というところから始まるでしょう。しかし、“テロリストとは交渉しない”というのが、国際社会の共通ルール。無辜の外国人ジャーナリストを捕まえて首を刎ねる組織と交渉することは、金輪際ありえませんから、“対話”などと言っても現実味の欠片もないのです」

■公共の電波を自らのツイッターに

 そして何より、これまた近代社会の常識を遥かに超えた、ISの残虐さは先刻ご承知のはず。

 最近では10月末、アサド政権の兵士を戦車で轢き殺した動画が衝撃を呼んだ。囚人服を着せられ、両手両足を縛られた19歳の兵士に戦車がゆっくりと近づいていく。ウサギのように飛び跳ね、必死で逃げようとする若者。それを戦車は容赦なく踏み潰す。と、カメラはその下で真っ平になった死体を俯瞰し、続いて破裂した頭部をアップにする。

 11月19日の『報道ステーション』(テレビ朝日系)は、ISの美点ばかりが描かれた、イスラム国の宣伝映像を「解析のため」に5分間放映した。さらに、アメリカの誤爆で家族を失い、自らも怪我を負ったパキスタン少女のインタビューを流す。別のコーナーでは、「安保関連法案」が成立した2カ月後の国会前デモの様子を扱い、

「めんどくさかろうがなんだろうが、知っておかないと世界の糸口を見つけることは出来ませんよね」

 と、古館伊知郎キャスターは述べていた。

『報ステ』もISの宣伝ビデオを流すのなら、“轢き殺し”映像の詳細も伝えるべきである。その上で、「ISと対話」と、堂々主張すれば、少なくとも人に何かを伝えようとする覚悟は感じられるもの。しかし、それもなしに、「対話」「対話」とくり返し述べただけなのだから、それは単なる「つぶやき」に過ぎない。公共の電波を自らのツイッターにしないでほしいものである。

 国際ジャーナリストの古森義久氏は言う。

「イスラム国は自由主義、民主主義を根本から覆そうとしてテロを起こしている。彼らと一体、どのようにして“対話”が可能なのか。それで問題が解決すると本当に思っているのでしょうか。そう言っている自分たちは対話をする気もないし、出来もしない。その一方で綺麗事を言っているのですから、偽善者そのものです」

「特集 内心無理とわかっていて 『イスラム国と話し合え』という綺麗事文化人」
※「週刊新潮」2015年12月3日号


シリア国際会議、18日にNYで開催の可能性=米国務長官
ロイター 12月9日(水)1時53分配信

[パリ 8日 ロイター] - ケリー米国務長官は8日、シリア問題の解決を目指す国際会議を来週18日にニューヨークで開催する可能性があると語った。

ケリー長官は国連の潘基文事務総長との会合後、国連の交渉開始や停戦発効の可能性について協議したとし、「12月18日にニューヨークで会議を開催することがわれわれの計画だ」と語った。


<米大統領>テロ対策で苦悩 銃乱射防げず、不安高まる
毎日新聞 12月8日(火)21時18分配信

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ISとの戦闘地域に配備されたイラク治安部隊。有志国連合の空爆による支援を受けながら戦っている=イラク西部ラマディで2015年12月2日、AP

 【ワシントン西田進一郎】銃乱射テロ事件を受け、米国では新たなテロへの不安とオバマ大統領の対テロ戦略を疑問視する声が強まっている。大統領は6日夜、国民の不安をしずめようと異例のテレビ演説をして団結を訴えた。しかし、来年の大統領選を見据え、野党・共和党からの批判は強まるばかり。「新たな段階に入った」テロの脅威にどう立ち向かうべきか、オバマ政権の苦悩は続く。

 演説では、2001年の同時多発テロ事件から「米国はテロとの戦争状態にある」としたうえで、これまでとは違った「新たな段階」のテロが起きていると危機感を示した。インターネットなどを通じて過激思想に感化された人物によるテロを防ぐのは難しい、という意味だ。

 「新たな段階」を強調したのには理由がある。11月中旬に大統領がテレビ番組で過激派組織「イスラム国」(IS)を「封じ込めている」と語った直後、パリ同時多発テロ事件が発生。ISが米国へのテロを予告して間もない11月25日、大統領は「具体的で、信頼に足る情報は得ていない」と述べたが、その1週間後に銃乱射テロ事件が起きた。

 「新たな段階」に注目を集め、揺らいだ信頼から目をそらさせようとしているかのようだ。

 大統領は演説で「テロの脅威は現実だが、我々は打ち勝つ」と宣言した。しかし、昨年8月の空爆開始から1年が過ぎてもIS支配地域の奪還は進まず、戦況は劇的に好転していない。

 イラク、アフガニスタン両戦争の終結を掲げて就任した大統領は、イラクやシリアへの米地上部隊の派遣を一貫して否定してきた。今回の演説でも、有志国連合の空爆で地元の地上部隊を支援する既存の作戦を説明し、地上部隊派遣をすべきではないと強調するだけだった。

 だが、CNNテレビが6日発表した世論調査結果では、大統領のISへの対処について、不支持が過去最高の64%に上り、支持の33%を上回った。

 さらに、IS掃討作戦のため米地上戦闘部隊をイラク、シリアに派遣することに「賛成」の回答が53%で、昨年9月のシリア空爆開始以来初めて反対を上回った。

 共和党は大統領の演説を厳しく批判。コーカー上院外交委員長は声明で「ISを打ち負かし、米国や同盟国を守るための新しく明確な戦略を国民に示す必要があったが、我々が聞いたのはこれまでと同じ『封じ込め』戦略だった」と酷評した。

 また、米国内ではイスラム教徒への差別的な発言が目立つようになっており、大統領は演説で「米国とイスラム教徒との戦い」という構図で捉えてはいけないと強調した。しかし、共和党候補者指名争いで支持率首位を走る不動産王トランプ氏は7日、イスラム教徒の入国を当面禁止すべきだとの声明を発表し、新たな論争を引き起こしている。


<バチカン>厳戒 「特別聖年」開幕
毎日新聞 12月8日(火)20時21分配信

 【ローマ福島良典】キリスト教カトリックの総本山・バチカン(ローマ法王庁)で8日、神の「慈悲」をテーマとするカトリックの「特別聖年」が来年11月20日までの日程で開幕した。11月のパリ同時多発テロを受け、イタリア治安当局は過激派組織「イスラム国」(IS)のテロを警戒し、ローマ上空を飛行禁止空域に設定するなど警備を強化している。

 フランシスコ・ローマ法王が8日、バチカンのサンピエトロ広場でミサをささげた後、大聖堂で「聖年の扉(ポルタ・サンタ)」を開き「いつくしみの特別聖年」が正式にスタートした。

 開幕式には前任法王のベネディクト16世、マッタレッラ・イタリア大統領らのほか、在イタリア・イスラム教徒の代表も参列した。聖年はカトリック信徒にとって重要な宗教行事で期間中、約1000万人の巡礼者がバチカンを訪れる見込み。

 パリ同時多発テロの犯行声明で、IS側は「十字軍に参加している国々はフランスのような目に遭う。我々はワシントンを攻撃し、ローマを侵略する」としており、治安当局が警戒を強めている。


国際テロ情報収集ユニット インテリジェンスサークルで渡り合える人材の育成にカネと時間の課題
産経新聞 12月8日(火)20時19分配信

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国際テロ情報集約室・国際テロ情報収集ユニット発足式であいさつする菅義偉官房長官=8日午後、首相官邸(斎藤良雄撮影)(写真:産経新聞)

 政府内に8日発足した国際テロ情報収集ユニットは、地球規模で拡散する国際テロ組織の動向を捉える“耳”の役割を果たす。来年の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)や2020年東京五輪・パラリンピックを控える日本は、国際的な存在感が高まるのと引き換えに、理不尽なテロの攻撃対象にもなりかねない。国際社会と協調する「テロとの戦い」に、情報収集の能力強化は不可欠だが、乗り越えるべき課題はいくつもある。

 「省庁間の垣根を越え、オールジャパンで国際テロ情報を入手するよう全身全霊で取り組んでいただきたい」。菅義偉(すがよしひで)官房長官は8日のユニット発足式で、インテリジェンス組織が陥りがちな省庁間の“縦割り”の弊害が生じないよう指示した。政府全体で情報が共有されなければ、有効なテロ対策が取れないためだ。

 ユニットはパリ同時多発テロ後に設置を前倒ししただけに、急ごしらえの感は否めない。ただ、現下のテロ情勢を踏まえれば、不十分な態勢であっても、稼働を急ぐ必要があった。

 世界のインテリジェンスサークルで渡り合える人材の育成には年単位の時間がかかる上に、協力者獲得・運用、情報収集活動には一定程度の資金も必要だ。菅氏が記者会見で「人数拡大は必要だ」と述べたように、各国と比較してもマンパワーに欠ける。ユニットを中核に本格的な対外情報機関の創設を見据え、質量ともに拡充させる必要に迫られている。(峯匡孝)


米国発パリ行きの旅客機、脅迫でカナダに緊急着陸
CNN.co.jp 12月8日(火)19時50分配信

(CNN) 仏エールフランス航空によると、米サンフランシスコからパリへ向かっていた同航空の旅客機が匿名の脅迫を受け、カナダのモントリオールに緊急着陸した。

エールフランス083便は7日夜、モントリオール・ピエール・エリオット・トルドー国際空港に無事着陸した。空港の報道担当者によると、同便には乗客231人、乗員15人が搭乗していた。

脅迫の具体的な内容などは公表されていない。乗客らは空港で降ろされ、当局者らが機内を捜索した。

エールフランスでは先月も、米国からパリへ向かっていた2つの便が爆破予告を受け、緊急着陸していた。どちらの機内にも異常は見つからなかった。


フランス中銀、10-12月期の成長見通し下方修正-テロ響く
Bloomberg 12月8日(火)19時32分配信

    (ブルームバーグ):フランス銀行(中央銀行)は10-12月(第4四半期)の成長率見通しを下方修正した。11月13日のパリ同時多発テロが影を落とした。

中銀の8日の発表によれば、第4四半期国内総生産(GDP)は前期比0.3%増の見込み。従来予想は0.4%増だった。製造業者の景況感は11月に98と前月の99から予想外に悪化し、サービス業も96(前月97)に低下したという。

フランス経済は2012年の社会党政権発足以降で初めて持続的成長の兆候を見せ始めていたが、テロが景気回復を腰折れさせる恐れがある。今月6日に実施された地方議会選挙では反欧州連合(EU)・反移民の極右政党、国民戦線が躍進した。

マークイット・エコノミクスが発表した11月の仏総合購買担当者指数(PMI)は51と、10月の52.6を下回った。エールフランスは8日、テロによる11月の売り上げへの影響は5000万ユーロ(約67億円)に上るとの見積もりを明らかにした。

パリ観光局の暫定データによれば、今回のテロの観光業界への影響は1月のシャルリー・エブド襲撃事件の際よりも長引くもようだという。

原題:Bank of France Sees Weaker Fourth-Quarter Growth After
Attacks(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:パリ Angeline Benoit ,abenoit4@bloomberg.net

記事についてのエディターへの問い合わせ先:
Jerrold Colten ;
Fergal O'Brien
Barbara Sladkowska ,jcolten@bloomberg.net,fobrien@bloomberg.net

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