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2015年11月27日 (金)

フランス・パリで多発テロ、130人が死亡・43

フランスの首都パリで13日夜(日本時間14日未明)、飲食店や劇場、サッカー競技場など複数の地点で、銃撃や爆発などがおきた。劇場では観客らが人質になったと伝えられる。オランド仏大統領は同夜、テレビ演説で「前例のないテロが起きた」と断定し、国内に非常事態を宣言した。

フランス治安当局の発表では、この同時テロで129人が死亡した。
※その後、死者は130人となった。

ロイター通信などによると、週末を過ごす客でにぎわう13日夜、パリ10区のレストランと近くの劇場で銃撃が起きた。目撃者の証言では、劇場内で60人程度の観客らが人質になった。劇場内からは、散発的な銃声が聞こえているという。

また、ドイツとフランスの親善試合が行われたサッカー競技場では、少なくとも2回の爆発が起きた。自爆テロとみられており、犯人とみられる2人を含む35人程度が死亡したもよう。

オランド大統領は、「われわれは結束し、断固戦う」と国民に訴えた。非常事態の宣言にともない、フランスと周辺国の国境が閉鎖された。

フランス国内では、今年1月、イスラム過激派により週刊紙本社が銃撃されるテロ事件が起き、計17人が死亡した。

オバマ米大統領は、ホワイトハウスで記者団に対し、「民間人を恐怖に陥れる非道な企てだ」と強く非難した。

※以上、産經新聞の報道による。

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リンク:パリ同時テロの追悼式典 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:対ロシア、温度差も=「イスラム国」包囲網構築-テロ対策で連帯・米仏〔深層探訪〕 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「難民に紛れ9月に来た」=首謀者が生前明かす―パリ同時テロ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:シャトル外交も大連合進展せず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:プーチン氏、トルコ大統領との接触拒否 軍機撃墜でまずは謝罪を - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:新たに男1人逮捕=同時テロ関与容疑で6人目―ベルギー当局 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ドイツの密売人から銃購入か=ネット違法取引で男逮捕―仏テロ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ市内に掲げられたフランス国旗 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:建物に掲げられたフランス国旗 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:シリア正規軍と連携も=アサド氏の退陣前提―仏外相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<フランス>対IS…オランド大統領も露の不信感ぬぐえず - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリ同時テロ、銃はドイツから調達か 独報道 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<パリ同時多発テロ>追悼式典「国全体が涙を流している」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:トルコ・ロシア首脳、来週パリで会談の可能性=トルコ当局筋 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<トルコ>首相「緊張緩和に取り組む」…ロシアは交流停止 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:プーチン氏との会談希望=ロシアは否定的―トルコ大統領 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:パリで同時テロ追悼式典 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:<パリ同時多発テロ>犠牲者悼み追悼式典 市民も自宅に国旗 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:対テロ、温暖化で国際協調=安倍首相、29日から訪仏 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:テロ対策費も計上へ=補正予算案の検討本格化 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:大規模テロ対策訓練を実施 消防庁 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ドイツが給油機など派遣へ 対「イスラム国」軍事行動、仏軍を支援 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:「憎悪と恐怖に屈せず」=テロ犠牲者しのび追悼式―パリ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:軽犯罪者から欧州の最重要指名手配犯へ テロリストの軌跡 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:イスラム国掃討作戦、シリアのアサド政権軍との協力可能=仏外相 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:現在ルーブル美術館は入れるか 在日フランス大使館がテロ事件後のフランス滞在Q&Aを公開 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:セーヌ川が血で赤く染まった日 --- 長谷川 良 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:世界不和が生み出す不況の足音 --- 岡本 裕明 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:ロシアの対シリア軍事介入はどこまで進むか - 加茂具樹 リエンジニアリングCHINA - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:年末危ない海外旅行 どこも「イスラム国」の標的に チュニジアでも爆破テロ - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:抗議、暴行、受け入れ拒否――欧州で続く難民の苦境 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:英タイムズ、「イスラム教徒5人に1人がISに共感」の見出しを訂正 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:目が離せない「プーチン曲芸外交」の「奸知」と「綻び」 - 速報:Yahoo!ニュース.
リンク:中国の「テロとの戦い」は国際社会の支持を得るか - 速報:Yahoo!ニュース.

以下、参考のために同記事を引用

パリ同時テロの追悼式典
時事通信 11月28日(土)8時58分配信

219
27日、パリで行われた同時テロの追悼式典に出席する事件の負傷者や遺族ら。


対ロシア、温度差も=「イスラム国」包囲網構築-テロ対策で連帯・米仏〔深層探訪〕
時事通信 11月28日(土)8時31分配信

 フランスのオランド大統領とオバマ米大統領はパリ同時テロを受けて行った会談で、過激派組織「イスラム国」掃討に向けた「完全な連帯」(オバマ氏)を誇示した。ただ、ロシアを巻き込んだ包囲網構築では、同国との軍事的連携も辞さないフランスと、シリアのアサド大統領退陣を重視する米国の間で、温度差も残る。さらに、米主導の有志連合の一員であるトルコによるロシア軍機撃墜で、調整に支障が出る恐れが出てきた。

 ◇内戦の元凶排除を
 「野蛮なテロ組織である『イスラム国』と凶悪なイデオロギーを許さない。力を合わせて破壊しなければならない」。オバマ氏はオランド氏と共に臨んだ会談後の記者会見で同組織を改めて非難し、パリ同時テロは全ての民主主義国家と「自由で開かれた社会への攻撃」だと強調した。
 オバマ政権は今年10月以降、「イスラム国」掃討戦略の修正に着手し、同組織の資金源である石油密輸に関わる施設・車両を狙った空爆の強化や、シリア北部の反体制派への直接支援などに乗り出した。フランスの軍事的貢献が高まれば、一連の作戦を加速させることができる。
 ただ、米政府は、軍事作戦の進展に加え、「イスラム国」の温床となってきたシリアの混乱収拾も図らなければ、問題を解決できないとみている。そのための最優先課題が内戦の「元凶」であるアサド氏の退陣実現であり、退陣の必要はないと強硬に唱えるロシアは最大の政治的障害だ。
 オバマ氏は、シリア政権移行の行程表の細部を詰めた段階で、将来の選挙にアサド氏が出馬しないという選択肢について「検討に着手することも可能だ」と述べた。オランド氏の訪ロに先立ち、即時退陣以外の可能性に触れ、ロシアと交渉する余地を残したとみることもできる。
 ◇ロシアと「協力の第一歩」
 オランド氏はアサド氏に関し、「シリアの未来(のリーダー)ではあり得ない。一刻も早く退陣すべきだ」と強調し、米側と歩調を合わせた。フランスは一方で、アサド政権を支援してきたロシアとの軍事的協調を水面下で模索し始めている。
 仏紙フィガロによれば、地中海に展開した仏主力原子力空母シャルルドゴールの艦隊指揮官は、シリアの同組織拠点への攻撃開始前、近隣に展開するロシア艦隊の指揮官と電話で連絡を取り合った。仏国防省は同紙に「衝突を避けるため、お互いの位置を確認した。協力の第一歩だ」と説明した。
 ロシアがアサド政権を通じて入手しているとみられる「イスラム国」の内部情報はフランスにとっても利用価値が高いとされる。26日にモスクワで予定される仏ロ首脳会談でも、軍事情報の共有が議題に上る可能性がある。
 だが、ロシアのプーチン大統領が米仏の思惑通りに動く保証はない。仏紙リベラシオンは、ロシアに反アサド勢力への空爆をやめさせるには「(ウクライナ問題で米欧がロシアに科した)経済制裁の解除を代償として覚悟しなければならないだろう」と予測。また、ロシア・トルコ関係の緊張は、トルコや米仏などで構成する北大西洋条約機構(NATO)とロシアの対立に転化しかねない。(パリ、ワシントン時事)


「難民に紛れ9月に来た」=首謀者が生前明かす―パリ同時テロ
時事通信 11月28日(土)7時57分配信

 【パリ時事】パリ同時テロの首謀者とされるアブデルハミド・アバウド容疑者(死亡)が、テロ2カ月前の9月に欧州への難民に紛れて欧州域内に入った、と生前話していたことが明らかになった。
 フランス誌バルール・アクチュエルが27日までに、同容疑者の事件後の潜伏場所を通報した重要参考人の供述調書内容として伝えた。
 これまでの捜査では、同時テロ実行犯のうちアバウド容疑者を除く少なくとも2人はシリアからの難民に偽装し、ギリシャを通過して欧州に入り込んだ疑いが強まっている。
 供述によると、アバウド容疑者はテロ実行後、パリ郊外サンドニのアパートで一緒になったいとこの女、アスナ・アイトブラセン容疑者(死亡)に5000ユーロ(約65万円)を渡し、スーツ2着と靴2足の調達を依頼。「(同時テロは)大したことなかった。ユダヤ人に近い場所でもっとひどいことが起きる」「俺たちはどこにでもいる」などと新たなテロ攻撃の意思を示した。
 アイトブラセン容疑者が、なぜシリアからフランスに来たのかアバウド容疑者に尋ねると、「実行犯たちがちゅうちょしないようにするためだ」などと説明。同じイスラム教徒がテロに巻き込まれることには「やつらが善良なイスラム教徒だと保証できるのか」と気に掛けない様子だったという。
 重要参考人はまた、事件後ベルギーに逃走し、行方が分からなくなっているサラ・アブデスラム容疑者と、アバウド容疑者が電話で話したと証言。アバウド容疑者はサラ容疑者からシリアで安全な状況にあると伝えられたようだったという。


シャトル外交も大連合進展せず
産経新聞 11月28日(土)7時55分配信

 【ベルリン=宮下日出男】パリ同時多発テロを受け、オランド仏大統領は26日、イスラム国掃討に向けた協力強化をプーチン露大統領と確認した。ただ、オランド氏が主要国首脳とのシャトル外交で目指した大連合構築は、シリアのアサド大統領の処遇をめぐる対立やトルコの露軍機撃墜の影響で不調に終わった。

 オランド氏はプーチン氏との会見で、攻撃をイスラム国とテロ組織に限定し、「テロ組織と戦う勢力」への攻撃回避のため、情報交換を進めることを確認したと表明。「重要な問題での一致だ」と強調した。

 欧米はロシアがアサド政権に対抗する反体制派勢力も攻撃していると問題視している。「テロ組織」の解釈に曖昧さは残るが、ロシアからイスラム国への攻撃強化を引き出したのは一定の前進といえる。

 だが、オランド氏が描いた「強力で唯一の連合」で実質的な進展はみられなかった。オランド氏はアサド氏をめぐる双方の立場の相違を一時脇にやり、対イスラム国で大同団結することを狙ったが、その溝は大きかった。

 欧米はイスラム国掃討やシリアの政権移行を通じてアサド氏排除や政権弱体化を目指している。オランド氏は24日の米仏首脳会談ではアサド氏退陣の具体的時期への言及は避けた。ただ、「シリアの将来にアサド氏の居場所はない」とする立場は26日も繰り返した。一方、プーチン氏は対テロ戦の「同盟」とみなすアサド政権の温存を図っており、大連合でも協力すべきだとの立場だ。

 トルコによる露軍機撃墜では双方の不信感の大きさも露呈した。欧米は露軍の空爆はアサド氏支援が一義的な目的と疑念を強め、プーチン氏は米国側の責任に言及。大連合の機運がそがれる結果となった。


プーチン氏、トルコ大統領との接触拒否 軍機撃墜でまずは謝罪を
ロイター 11月28日(土)2時17分配信

[モスクワ 27日 ロイター] - ロシアのウシャコフ大統領補佐官は27日、トルコのエルドアン大統領がロシア軍機撃墜事件に関して謝罪の意向を示していないため、プーチン大統領は接触を拒否していると明らかにした。

エルドアン氏との協議をなぜ拒否しているのかとの記者団の質問に対し、補佐官は「撃墜事件をめぐり、トルコが謝罪に後ろ向きだからだ」と答えた。

またトルコ側から30日にパリで開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)の場で、首脳会談の申し入れを受けたとし、プーチン大統領にこれから報告するとした。

プーチン大統領はCOP21で、イスラエルのネタニヤフ首相、メルケル独首相と会談する予定という。


新たに男1人逮捕=同時テロ関与容疑で6人目―ベルギー当局
時事通信 11月28日(土)1時16分配信

 【ブリュッセル時事】ベルギー検察当局は27日、パリ同時テロに関与した容疑で男1人を逮捕したと発表した。
 同国当局がテロ関連で逮捕した容疑者は6人目。
 検察は容疑者の身元は明らかにしていない。男は26日に事情聴取のためブリュッセルで拘束されていた。警察はこれとは別に26日、東部ベルビエで家宅捜索を実施し2人を拘束したものの、27日に2人とも釈放した。


ドイツの密売人から銃購入か=ネット違法取引で男逮捕―仏テロ
時事通信 11月27日(金)23時1分配信

 【ベルリン時事】27日付のドイツの大衆紙ビルトは検察の情報を基に、13日のパリ同時テロで使われた武器のうち、カラシニコフ自動小銃4丁がドイツの密売人から購入されたとみられると報じた。
 
 銃は7日にインターネットの闇サイトを通じて、パリのアラブ系人物に売られたもよう。ビルトは「仏捜査当局者はこれらの武器がテロ攻撃で使われたと考えている」と伝えた。テロではカラシニコフが用いられたことが分かっている。
 ビルトによれば、これに関連し、独当局はインターネットを通じた違法な武器取引などの疑いで、南部マクシュタット出身の男を逮捕した。DPA通信によると、独当局は男とテロの関係の有無を明らかにしていない。 


パリ市内に掲げられたフランス国旗
時事通信 11月27日(金)22時0分配信

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パリ同時テロの犠牲者追悼のため、パリ市内の建物に掲げられたフランス国旗=27日


建物に掲げられたフランス国旗
時事通信 11月27日(金)22時0分配信

217
27日、パリ同時テロの追悼式典に合わせ、パリ市内の建物に掲げられたフランス国旗


シリア正規軍と連携も=アサド氏の退陣前提―仏外相
時事通信 11月27日(金)21時56分配信

 【パリ時事】フランスのファビウス外相は27日の地元ラジオで、シリアを拠点とする過激派組織「イスラム国」との戦いについて「反政府軍やクルド人部隊に加え、シリア正規軍と手を組むこともあり得る」と述べた。
 ただ外相はAFP通信に、アサド大統領は「シリアの未来のリーダーではあり得ない」とも語り、軍事協力に当たっては同大統領の退陣が確約される必要があると強調した。


<フランス>対IS…オランド大統領も露の不信感ぬぐえず
毎日新聞 11月27日(金)21時31分配信

 【パリ福島良典、賀有勇】フランスのオランド大統領は26日、プーチン露大統領と会談し、シリア領内にある過激派組織「イスラム国」(IS)の拠点に対する空爆作戦で標的などに関する情報を交換し、連携を強化することで合意した。オランド氏は13日のパリ同時多発テロを受け、犯行声明を出したISを掃討する「唯一の有志国大連合」の形成を目指し、米露を橋渡しする仲介外交を展開している。だが、ロシア機を撃墜したトルコや、米国に対するロシアの不信感は根強く、実現のめどは立っていない。

 オランド氏は23日にパリでキャメロン英首相と会った後、オバマ米大統領(24日)、メルケル独首相(25日)、レンツィ伊首相(26日)と相次いで会談し、26日にモスクワでプーチン大統領とIS掃討のための協力について協議した。

 オランド氏はプーチン氏との会談後、共同記者会見で「ロシアは対IS戦で重要な役割を果たすことができる」と表明。情報交換を密にし、ISの資金源である石油輸送車などに対する空爆を強化する方針で一致したと述べた。さらに空爆の標的は「テロリストとIS」に限定され、シリア反体制派は空爆の対象にならないと強調した。

 一方、プーチン氏は「シリアのアサド政権軍は対テロ戦の同盟者」「地上作戦を展開できるのはアサド政権軍だけだ」と指摘し、アサド政権支持の姿勢を改めて示した。

 オランド氏は欧米首脳からも「対IS戦争」で協力と支援を取り付けたが、アサド大統領の後ろ盾であるロシアと、内戦解決のための和平プロセスを通じた退陣が望ましいと考える米欧との溝は埋められていない。

 26日の共同記者会見でも「将来のシリアにアサド大統領の居場所はない」と指摘するオランド氏に対して、プーチン氏は「大統領の命運は国民が決めることだ」と反論し、温度差を浮き彫りにした。

 空爆作戦での連携の難題は、「テロリスト」の選定だ。アサド大統領は反体制派を「テロリスト」と位置付け、ロシアはこれまで反体制派の拠点を空爆してきた。ファビウス仏外相によると、フランスは反体制派に対する空爆を回避するため「テロリストでない(反体制派)勢力」の展開地図をロシアに提供するというが、実際にどの程度の協力態勢を組めるかは不透明だ。

 ファビウス氏は27日、仏ラジオのインタビューで、対IS戦でシリア政府軍の地上部隊と協力する用意があることを初めて示唆した。アサド政権を支持するロシアへの配慮をフランスが強めていることをうかがわせるもので、米国やトルコがロシアと組む「有志国大連合」の形成が簡単でないことを印象付けた。


パリ同時テロ、銃はドイツから調達か 独報道
AFP=時事 11月27日(金)21時31分配信

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イスラム過激派組織「イスラム国」の英字機関誌「ダビク」2015年2月号(ウェブ版)に掲載されたアブデルハミド・アバウド容疑者とされる写真(撮影日不明、2015年11月16日入手)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】パリ(Paris)同時テロで使われたアサルトライフル4丁が、ドイツの密売業者から調達された可能性があると、独日刊紙ビルト(Bild)が27日、報じた。独検察当局はまだ捜査段階だと述べている。

パリで同時テロ追悼式典

 ビルト紙は、シュツットガルト(Stuttgart)検察当局から入手した資料を引用し、「AK47(カラシニコフ自動小銃)」2丁と「ザスタバM70(Zastava M70)」2丁が、11月7日に武器商人からパリの顧客に販売されたと報じた。同紙は「仏捜査当局はこれらの銃がパリでの襲撃事件に使われたとみている」と述べている。

 シュツットガルト検察当局はAFPの取材に対し、武器商人の身柄を拘束したことを認めたものの、パリ同時テロとの関連性についてはコメントを拒否した。【翻訳編集】 AFPBB News


<パリ同時多発テロ>追悼式典「国全体が涙を流している」
毎日新聞 11月27日(金)20時43分配信

 【パリ賀有勇】フランス政府は27日、13日に起きたパリ同時多発テロの犠牲者を悼む国家追悼式典をパリで開いた。普段は戦死した兵士の追悼式典が行われるパリ中心部のアンバリッド(廃兵院)で開かれた式典には、テロ事件の遺族や負傷した市民ら計約1000人が招かれた。演説したオランド大統領は、130人の犠牲者に「フランスはあなたのそばにある」と呼びかけ、「国全体が涙を流している」と述べて冥福を祈った。

 オランド氏はさらに「テロリストは私たちを分断させ、対立させようとしている。だが彼らは失敗する」と述べ、テロ組織を壊滅させることを誓った。

 式典にはバルス首相やサルコジ前大統領のほか、テロ事件があったパリとパリ近郊サンドニの両市長らが出席した。事件で負傷した市民の中には包帯姿や車いすの人が目立つ。犠牲者の名前と年齢が一人ずつ、ゆっくり読み上げられると、泣き崩れて肩を抱えられる人もいた。

 会場では涙をぬぐう遺族らが悲痛な面持ちでオランド氏の話に聴き入り、最後に全員で仏国歌「ラマルセイエーズ」を合唱した。


トルコ・ロシア首脳、来週パリで会談の可能性=トルコ当局筋
ロイター 11月27日(金)20時42分配信

[アンカラ 27日 ロイター] - 複数のトルコ大統領府筋は27日、エルドアン大統領とロシアのプーチン大統領が来週、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)が開催されるパリで会談する可能性があると述べた。ただし、具体的な日程は決まってないとしている。

トルコ軍のロシア軍機撃墜を受け、両国の関係は悪化している。


<トルコ>首相「緊張緩和に取り組む」…ロシアは交流停止
毎日新聞 11月27日(金)20時25分配信

 【エルサレム大治朋子、モスクワ真野森作】ロシアのペスコフ大統領報道官は27日、トルコのエルドアン大統領から30日にパリでプーチン露大統領と会談したいと提案されたことを明らかにした。また、トルコのダウトオール首相は英タイムズ紙(27日付)への寄稿で、過激派組織「イスラム国」(IS)への対策の重要性を強調しつつ、「トルコは、ロシアや我々の同盟国と共に緊張緩和に取り組む」と述べた。

 トルコ軍機が「領空侵犯」を理由にロシア軍機を撃墜して緊張が高まっている中、ロシアの反発を和らげようと軟化姿勢を示した可能性がある。

 ただロイター通信によると、ロシアのウシャコフ大統領補佐官(外交担当)は「トルコには謝罪する気がないようだ」と断じ、プーチン氏が首脳会談の提案を拒否したと語った。両国関係の冷え込みは、長期化の様相を見せている。

 両首脳は、パリで30日に開かれる国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に出席する。

 ダウトオール氏は寄稿で「(国際社会は)ISがもたらす脅威に正面から取り組み、シリアの未来を守り、現在の(シリア)難民危機への解決策を追求することに集中すべきだ」と指摘。トルコが加盟する北大西洋条約機構(NATO)とロシアの関係が撃墜問題で悪化して、IS対策に支障をきたすのは望ましくないとの考えを強調した。

 また「トルコ領空に入った国籍不明の戦闘機の撃墜は特定の国への対応ではない」とも記し、ロシアという特定の国家への攻撃ではないとの主張を改めて繰り返した。

 一方、プーチン露大統領は26日夜の露仏首脳会談後の共同記者会見で、「仮に米軍機であっても攻撃したというのか? ナンセンスだ」とトルコ側の主張を痛烈に批判した。

 ロシア軍は撃墜事件を受けてトルコ軍との接触を全て停止した。また、ラブロフ露外相は27日、トルコ国民に対する短期滞在ビザ免除を来年1月から停止すると発表。「トルコは各地へ向かうテロリストの交差点となっており、ロシアの安全も脅かされている」と説明した。事実上の報復措置とみられる。


プーチン氏との会談希望=ロシアは否定的―トルコ大統領
時事通信 11月27日(金)20時17分配信

 【エルサレム時事】トルコからの報道によると、エルドアン大統領は27日、北東部バイブルト県で演説し、トルコ軍によるロシア軍機撃墜で高まった緊張を緩和するため、ロシアのプーチン大統領と「直接会いたい」と述べた。
 
 30日にパリで開幕する国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に合わせて首脳会談を行いたい考え。ただ、ロシア側は否定的な姿勢を示している。
 また、エルドアン大統領が26日、フランスのテレビとのインタビューで明かしたところでは、24日のロシア軍機撃墜後に、プーチン大統領に電話をかけたが、応答はなかったという。


パリで同時テロ追悼式典
AFP=時事 11月27日(金)20時1分配信

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仏パリで行われたパリ同時テロの追悼式典に出席した同事件の負傷者ら(2015年11月27日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】130人が犠牲となったパリ(Paris)同時テロの追悼式典が27日、パリで行われ、フランソワ・オランド(Francois Hollande)仏大統領を始め要人や事件の負傷者ら約2000人が参列した。

【写真8枚】オランド大統領が演説

 式典では犠牲者130人の写真が掲示された。式典に出席した約350人の負傷者の中には車いすで参列する人の姿も見られた。【翻訳編集】 AFPBB News


<パリ同時多発テロ>犠牲者悼み追悼式典 市民も自宅に国旗
毎日新聞 11月27日(金)19時59分配信

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追悼式典に合わせて市内の至る所にフランス国旗が掲げられた=パリで2015年11月27日、賀有勇撮影

 【パリ賀有勇】パリ同時多発テロの犠牲者を悼む追悼式典が開かれた27日、多くのパリ市民が自宅にフランス国旗を掲げて「愛国」ムードの高まりをうかがわせた。一方で遺族の中には、1月に週刊紙「シャルリーエブド」襲撃事件が起きたにもかかわらず、オランド政権がテロの再発を防げなかったことに反発し、式典をボイコットする人もいた。

 オランド大統領は25日、追悼式典に合わせて仏国旗を掲げ、犠牲者を悼もうと国民に呼びかけていた。フランスでは、公共施設には国旗が掲揚されているが、一般家庭に掲げられることはまれだ。それだけに、パリ市内に多くの国旗が掲げられたのは、異例のことといえる。

 AP通信によると、売り上げが事件前の5倍に伸びた国旗メーカーもあった。メーカー関係者は「過去にこれだけ売れたのは、第二次世界大戦の終戦と1998年のサッカー・ワールドカップで仏代表が優勝したときだけだ」と話したという。

 一方、オランド政権に対しては「テロ再発を防げなかった」という不満も出ている。

 調査会社IFOPが実施した世論調査によると、経済政策への批判で歴代最低水準になっていたオランド大統領の支持率は、同時テロ後に7ポイント上昇して27%となった。だが、不支持率は73%と依然として高水準だ。世論調査会社の責任者はAFP通信に対し「国民は適切な措置が取られていればテロを防げたかもしれないと考えるのではないか」と話す。

 バタクラン劇場で息子(39)を亡くしたネリー・ミンビエルさんは式典後、「追悼式典に出席して少し心が安らいだが、テロから国民を守れなかった政治家は謝罪すべきだ」と強い口調で話した。

 一方、劇場で兄のフランソワグザビエ・プレボさん(29)を亡くした妹のエマニュエルさんは式典のボイコットを呼びかけた。エマニュエルさんは、フェイスブックへの投稿で「(シャルリーエブド事件後に)何も対策が講じられず、危険な人物がフランスの中を自由に行き来していた」と指摘。さらに「大統領からも他の政治家からも、助けも追悼もいらない」と怒りをあらわにし、他の遺族にもボイコットを呼びかけた。


対テロ、温暖化で国際協調=安倍首相、29日から訪仏
時事通信 11月27日(金)19時45分配信

 安倍晋三首相は29日から、国連気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)に出席するため、フランスを訪問する。
 地球温暖化への日本の取り組みを説明するとともに、開催地のパリで同時テロが発生したことを踏まえ、オランド仏大統領らとの間でテロ根絶に向け協調を確認したい考えだ。
 COP21には100カ国を超える首脳が出席する見通し。安倍首相は30日にスピーチし、途上国の温暖化対策支援で、2020年までの官民合わせた拠出額を年1.3兆円に増額すると表明。20年以降の温室効果ガス削減のための新たな枠組み合意へ貢献していく姿勢を示す。
 首相は30日午後(日本時間同日深夜)にオランド大統領と会談。日本政府が来月上旬にも「国際テロ情報収集ユニット」を新設すると伝え、テロの未然防止へ連携を確認する。テロ現場での献花も予定している。


テロ対策費も計上へ=補正予算案の検討本格化
時事通信 11月27日(金)19時39分配信

 財務省と各府省は27日、安倍晋三首相が2015年度補正予算案の編成を指示したことを受け、本格的な検討作業に入った。
 規模は少子・高齢化対策を中心に3兆円台前半になる見通し。フランスのパリ同時テロを受け、テロ対策費用も計上する。12月中旬の取りまとめを目指す。
 補正予算案は、安倍政権が掲げる「1億総活躍社会」の実現に向けた施策や環太平洋連携協定(TPP)の国内対策が柱となる。具体的には、低所得の高齢者を対象に1人当たり3万円程度の臨時給付金の支給を検討。安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、年金生活者に恩恵が及んでいないと指摘されている。生活苦を緩和することにより、消費を底上げするのが狙いだ。


大規模テロ対策訓練を実施 消防庁
産経新聞 11月27日(金)19時21分配信

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テロを想定して東京消防庁の訓練が行われた=27日、東京都渋谷区(荻窪佳撮影)(写真:産経新聞)

 東京消防庁は27日、パリ同時多発テロを受け、東京都渋谷区の訓練場で、大規模なテロ対策訓練を実施した。

 若者2人組が塩酸8千リットルを載せたタンクローリーを繁華街の建物に衝突させた想定で実施。劇物を検査測定し、救助した約40人の負傷者をシャワーで除染、搬送するまでの流れを確認した。救助隊や化学機動中隊など約300人が参加した。


ドイツが給油機など派遣へ 対「イスラム国」軍事行動、仏軍を支援
産経新聞 11月27日(金)19時8分配信

 【ベルリン=宮下日出男】パリ同時多発テロを受け、ドイツ政府は26日、イラクとシリアでの空爆を強化したフランスを支援するため、偵察型戦闘機トルネードや空中給油機、フリゲート艦を派遣する方針を固めた。仏独首脳会談の結果を踏まえ、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」掃討の軍事行動に直接参加する姿勢に転じた。

 ドイツはこれまでイラクのクルド人部隊への武器供与と訓練要員の派遣に軍事分野の支援を限定。パリでの同時多発テロ後も、軍事対応の強化には慎重だったが、オランド仏大統領が25日、メルケル独首相に「一段の関与」を求め、ドイツ側が早急に検討するとしていた。

 独メディアによると、派遣するトルネードは4~8機とされ、シリア、イラク上空での偵察を担当。フリゲート艦は、シリア沖に展開するフランス軍の原子力空母シャルル・ドゴールの護衛にあたる。


「憎悪と恐怖に屈せず」=テロ犠牲者しのび追悼式―パリ
時事通信 11月27日(金)18時41分配信

 【パリ時事】フランスのパリ同時テロから2週間となる27日、パリの廃兵院(アンバリッド)で犠牲者130人をしのぶ政府主催の国民追悼式典が営まれた。
 遺族や事件で負傷した人々のほか、政界関係者ら約1000人が参列。オランド大統領は「われわれは憎悪にも恐怖にも屈しない。犠牲者の死を無駄にしないよう、静かな決意を持って自由を守ろう」と演説した。
 式典では全員で黙とうをささげた後、約10分間にわたって犠牲者全員の名前が読み上げられ、国歌「ラマルセイエーズ」を斉唱した。会場近くで式典を見守ったパリの元宝石商、テルラン・ルネさん(74)は「9歳の孫娘ですら、今もテロの話をする。われわれが事件を忘れることは決してないだろう」と話した。
 テロの脅威が依然残る中、政府やパリ市は事件後、公共の場所での集会や行進の自粛を求めており、国を挙げての追悼行事は今回が初めて。政府は国民に対し、27日は自宅に国旗を掲揚して弔意を示すよう呼び掛けてきた。


軽犯罪者から欧州の最重要指名手配犯へ テロリストの軌跡
ウォール・ストリート・ジャーナル 11月27日(金)18時32分配信

 サラ・アブデスラム容疑者(26)は21歳の時、ガレージ(車の修理工場のあるガソリンスタンド店舗)に屋根から侵入してレジのカネを盗もうとしたとして逮捕された。だが彼は今や欧州の重要指名手配犯だ。2週間近く前、パリで130人を殺害したテロ攻撃に関与していた疑いが掛けられている。

 同容疑者を知る人々の話から浮かび上がる人物像は、定職に就かず放浪している若者というイメージだ。性格は温厚だが、過激化する前には軽犯罪に手を染めていた。しかし宗教への傾斜の結果、祈る回数が増え、飲酒もやめた、と同容疑者を知る人は述べている。

 アブデスラム容疑者はイスラム教系住民の密集地区であるブリュッセルのモレンベークで育ち、同地区では良く知られる人物だった。家族と共に、モレンベーク市長公邸から目と鼻の先にあったタウンハウス(集合住宅)に住んでいた。

 捜査当局は依然として、アブデスラム容疑者がパリのテロ攻撃でどんな役割を演じていたか断片情報を集めている。同容疑者はテロ攻撃実行犯にロジスティック上の支援を提供したとみられている。さらに、別の流血事件を起こす自爆任務を与えられていたが、実行には至らなかった可能性がある。パリの同時テロ攻撃の後、同容疑者の携帯電話の信号が検知された場所付近で自爆用ベストが発見されたからだ。同容疑者が自爆テロを断念したかもしれないことがうかがわれる、と警察当局はみている。

 捜査当局によれば、モレンベーク地区出身の他の2人の男は、パリ同時テロの実行犯だった。アブデスラム容疑者の兄ブラヒム・アブデスラム容疑者(パリ同時テロの際、レストランで自爆)と、アブデルハミド・アバウド容疑者(パリ同時テロの主犯格)だ。

 アブデスラム兄弟がもっと若かった頃、彼らは「宗教にはほど遠く、もっぱら女と酒と麻薬に溺れていた」と、2人を長年知っているモレンベーク副区長のアーメド・エルハヌース氏は言う。同氏は「彼らは失敗の繰り返しの中で生活していた」と述べた。

 同氏によれば、サラは兄のブラヒムよりもまともだった。「サラはブラヒムほどに憎悪を顔に出さなかった」のに対し、「ブラヒムは意地の悪い顔付きをしていた」という。

 兄弟はいずれも定職に就くのに四苦八苦していた。ブラヒムは幾つかの小さな事業を立ち上げたり閉鎖したりし、時には弟のサラにその仕事を担当させた。つい最近では、ブラヒムは2013年3月にモレンベークでバーを開店した。公式記録によれば、ブラヒムは14年1月にそのバーの所有権をサラに譲った。

 9月末、兄弟はバーを売却した。この店内で「有害で、麻薬効果を持ち、向精神性の物質」が密売されていると警察に指摘された後だった。

しかし、あるベルギー当局者によれば、バーを売却する前でさえ、兄弟は既にもっと過激になっていた。トルコ当局者は2月、ブラヒム容疑者がシリアに向かうのを阻止し、ベルギーに送り返した。

 ベルギー当局はブラヒム容疑者が戻ってきた後、兄弟を取り調べた。その結果、弟のサラ容疑者も、シリアに行こうとしなかったとはいえ過激になっていたと結論した。

 しかしベルギー当局は当時、兄弟を当局の監視の最優先対象者とはしないことにした。実際にシリアに行って帰国した過激分子のほうがリスクは大きいとみたからだった。同当局者は「シリア行きを希望するあらゆる者に警官を張り付けるのは不可能だ」と述べた。

 3人目の兄弟であるモハメド・アブデスラム氏は、パリのテロ攻撃のあと逮捕されたが、その後釈放された。同氏は、サラ容疑者は過去6カ月間でより宗教的になっていったと述べた。

 同氏はベルギーのテレビインタビューで、「サラは、自分の(宗教的な義務を)回避するような人間ではなかった」と述べ、「彼は祈り、酒を飲まず、モスクを頻繁に訪れた」と語った。

 検察当局は当初、サラ容疑者が11月13日のパリ東部と西部のバーやレストラン銃撃に兄のブラヒム容疑者(その夜自爆)と一緒に参加していたと考えた。しかし現在では、サラ容疑者はテロ攻撃中にブラヒム容疑者と一緒ではなかったとみている。

 同当局によれば、サラ容疑者は、サッカー親善試合の行われていたスタド・ド・フランス(スタジアム)で3人の自爆犯を車から降ろし、その後パリ北部の18区に向かったとみられる。そこでは後日、乗用車ルノー・クリオが発見され、サラ容疑者のDNAが検出された。

 捜査当局は現在、サラ容疑者が自爆任務を放棄してフランスから逃亡したのかどうか、そうであればそれはなぜだったのかを捜査している。この考え方は、パリの同時テロ攻撃を実行したテロリストは、18区での攻撃を含めて8人だったとする「イスラム国(IS)」の主張とも合致している。

 パリ検察のフランソワ・モラン検察官によれば、バラクラン・コンサートホールでテロ攻撃がまだ続いていた頃、サラ容疑者は近くの街頭でSIMカードを購入した。同容疑者はベルギーに何度か電話した。電話番号の中にはアムザ・アトゥーと モハメド・アムリという2人の友人の電話も含まれていた。

 サラ容疑者はその後、南部郊外のモンルージュに行き、そこで自爆用ベストをゴミ箱に捨てたのはほぼ確実と見られている。

 テロ攻撃後の14日未明、サラ容疑者の電話を受けて友人のアトゥー、アムリ両容疑者がブリュッセルからパリに車で向かい、サラ容疑者を乗せてブリュッセルに戻った。友人2人の弁護士は、サラ容疑者がテロ攻撃と関係があるとは2人は全く知らなかったと述べている。

 サラ容疑者が最後に目撃されたのはその数時間後だった。フランスの警察官が無作為検査で、ベルギー方面に向かっていた3人の男の車を停止させた。しかし警察官はサラ容疑者がテロ攻撃に関与していたとは気付かず、3人の車の通行を許した。友人2人はその後拘束され、ベルギーの拘置所に拘留中だ。しかしサラ容疑者は逮捕されず、行方が分からないままだ。


イスラム国掃討作戦、シリアのアサド政権軍との協力可能=仏外相
ロイター 11月27日(金)18時21分配信

[パリ 27日 ロイター] - フランスのファビウス外相兼観光相は27日、過激派組織「イスラム国」掃討作戦でシリアのアサド政権軍との協力が可能だと述べた。ただ、アサド大統領は辞任すべきだとのこれまでの主張は変えなかった。

ファビウス外相は仏RTLラジオの取材に対し、「わが国の地上軍は派遣できないが、(反政府武装組織の)自由シリア軍、スンニ派のアラブ諸国などは作戦に参加できる」と発言した。ただ、近い将来の話か長期的な話かどうかは明らかにしていない。

側近によると外相は、シリアで統一政府が樹立するまで、イスラム国掃討作戦においてシリア政府軍と協力することはできないとのこれまでの方針を変えていないという。側近は「政権交代の枠組みが成立した後に可能であり、ファビウス外相はこの政権交代は緊急かつ不可欠だと強調している」と述べた。


現在ルーブル美術館は入れるか 在日フランス大使館がテロ事件後のフランス滞在Q&Aを公開
ねとらぼ 11月27日(金)17時33分配信

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ルーブル美術館(photo by Adrien Sifre)

 パリ同時多発テロ事件から2週間――在日フランス大使館がテロ事件後のフランス滞在に関するQ&Aを公開しました。フランスへの渡航滞在予定者からよく寄せられる質問をもとに回答したもの。国境は閉鎖されているか、観光施設は入れるかなど、テロ対策が強化されたフランスに滞在するにあたって必要な情報がまとまっています。

【テロ事件後の仏滞在Q&A集】

 出入国については、フランスの国境は閉鎖されてはいないもののオランド仏大統領の発令によってすべての入国地点(道路、鉄道駅、港、空港)で審査が行われています。入国審査の必要書類は、通常の自国を出国する際に求められている書類と同じですが、国際鉄道路線(タリス、ユーロスターなど)の駅や空港では、待ち時間がかかることが予想できるとのこと。ビザもテロ事件以前に発行したものは有効です。

 エッフェル塔やルーヴル美術館、ヴェルサイユ宮殿など、公共の観光施設はフランス全土で全体的に公開されています。状況次第では警視総監の指令により例外的に一部の施設が閉館になることも。またテロ事件ではライブ会場への襲撃がありましたが、すでに予定されているコンサートやショーは開催されます。安全対策として入場時のチェックが強化されるほか、会場がオープンスペースの場合は主催者や県の判断によって開催の変更もありうるとのこと。

 このほか「観光客の安全強化のために、どのような措置がとられていますか?」「フランス国内を移動する際に制限はありますか?」「国内の交通機関は動いていますか?」などさまざまな質問と回答が。渡航滞在を予定していた人にも参考となるほか、テロ事件後のフランス国内の様子を知る内容にもなっています。


セーヌ川が血で赤く染まった日 --- 長谷川 良
アゴラ 11月27日(金)17時25分配信

独週刊誌シュピーゲル最新号(11月19日号)は25人のレポーターを動員した「パリ同時テロ」取材の成果を28ページに当たって特集していた。欧州一の情報紙と言われる同誌はその取材力を発揮し、パリ、ブリュッセルなどテロの舞台を取材した。写真も記事もやはり迫力があった。

ここではシュピーゲル誌を称賛することが目的ではない。その特集の中のインタビュー記事で、イスラム問題専門家オリビエ・ロイ氏(Olivier Roy)が「パリ同時テロ」の最大の理由はやはりフランスの外交にある、と主張していた。具体的には、米国と共にシリア空爆を続け、反イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」を明確にしているパリの外交が「イスラム国」を敵に回したというのだ。実際、「イスラム国」も犯行直後、パリの外交を批判する犯行声明を発表している。また、テロリストたちも、「フランスがわれわれを空爆したからその報復だ」とテロ犯行現場で語っていたという証言がある。

当方は「パリ同時テロ」直後、フランス居住の少数民族アルジェリア人の対フランス関係について考えてきた。テロと歴史との関連性に関心があったからだ。フランスの北アフリカ・中東諸国の植民地化時代、アルジェリア人がフランスに逃げたり、移住してきた。フランスには500万人以上の中東出身のアラブ人が住んでいる。文字通り、欧州最大のイスラム系コミュニティだ。それだけに、フランス国内の治安状況が中東情勢の動向に敏感に影響されることは避けられないわけだ。

イスラム教徒のアルジェリア人は世界大戦ではフランス人として戦ったが、フランス人からはフランス人とは見なされなかった。貧しいアルジェリア人たちは本国フランスに出稼ぎに行った。1961年10月17日、アルジェリア民族解放戦線が主導した平和デモに対し、パリの治安部隊が鎮圧した。デモ集会に参加したアルジェリア人は橋から投げ落とされたり、銃殺された。アルジェリア出身の2世作家、レイラ・セバ―ルはその作品の中で「セーヌ川は血で赤く染まった」と描いている。フランス政府はこれまでアルジェリア虐殺事件に正式に謝罪したことがない。

アルジェリア人の中にフランス人に対して恨みを抱く人がいたとしても不思議ではない。「パリ同時テロ」の実行犯はシリア出身者が多かったが、過激なアルジェリア人が過去、テロに走ったケースもあった。フランスが抱える過去問題がテロの温床となっていることは否定できないだろう。

「外交」と「歴史問題」のどちらがテロを誘発する主因か、といった論議は余り意味がないかもしれない。両者が絡んでテロが起きると見た方がより現実的だからだ。テロによって、前者が近因で後者が遠因ということもあるし、その逆も考えられるからだ。

今回の「パリ同時テロ」はシリア問題が色濃く反映している。その意味でフランスの外交が「パリ同時テロ」を誘発したと指摘したロイ氏の意見は正しい。同時に、フランスが北アフリカ・中東地域で犯してきたさまざまな過去の蛮行を無視してテロの原因を解明はできないのではないか。

過去問題は欧州ではドイツだけではない。フランス、英国、スペインなど欧州の主要国は戦後、ナチス・ドイツの問題の影に隠れて表面化することは少なかったが、やはり清算せずに残してきた過去問題を抱えている。1916年のサイクス・ピコ協定でアラブ諸国の国境線を一方的に決定した問題だけではない。その植民地化時代の弾圧の歴史も当然含まれるのだ。

編集部より:この記事は長谷川良氏のブログ「ウィーン発『コンフィデンシャル』」2015年11月26日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿を読みたい方はウィーン発『コンフィデンシャル』(http://blog.livedoor.jp/wien2006/)をご覧ください。


世界不和が生み出す不況の足音 --- 岡本 裕明
アゴラ 11月27日(金)17時22分配信

ロシアが占拠したクリミアで何者かが同地への電力供給線を破壊したニュースが流れていました。記事では、これで再びロシアとウクライナに緊張感が出るだろうと解説されていました。私は、確かにウクライナの嫌がらせと考えやすいものの、ロシアはイスラム国、ISも敵に回しており、ISがそれを行ってもおかしくはないだろう、と考えればまだその犯人とその目的を絞り込むのは早そうな気がします。

西アフリカのマリの首都、バマコで起きた外資系高級ホテル、ラディソン ブルでの襲撃事件。死者は19名に及ぶとされ、解放されるかどうかはコーランを暗記していたかどうかだったと一部の報道がありました。それが本当なら敬虔なるイスラム教徒でなければ殺されるという話です。これを新たなる宗教戦争と言わず何と言いましょうか?

911以降、イスラムの原理主義者や過激派の行動は普通のイスラム教徒とは隔離され別物である、という認識が生まれつつありました。事実、私もここ、カナダでイスラム教徒の方とはビジネスなどで接しているほか、住んでいるコンドミニアムにもたくさんいらっしゃるし、ごく普通の良い方ばかりであります。よって、宗教戦争などとは思ってはいけないのですが、思想犯は顔や普段の態度から想像つかないことが起きるということ見せつけてしまいました。

昔、日本で学生運動が高じて過激派が日本全体を震撼させました。よど号ハイジャック事件、あさま山荘事件、ダッカ日航機ハイジャック事件などその数はメジャーなものだけでも十数件はあるでしょう。その過激派の発生を辿ると日本共産党、企業の組合組織、学生などが一体となり、大きく国に影響力を与えたものの60年安保が終わってから学生運動は急速に分裂、解体し、企業は学生運動との連携を避けるようになりました。残された学生は思想的頓挫、更には組織的分裂に見舞われた後、原理思想に基づく、自己都合の論理を振りかざしました。

これが時間と共にそれなりに収まっていった理由は日本政府が必死の努力をしたこと、大半の日本人が批判的態度を取ったこと、支持層の学生が少なくなり、組織としての成長を遂げることが出来なかったことが挙げられましょう。

ISと日本の過激派を同じ舞台に上げるのはどうかとは思いますが、同じ原理主義という点であえて比較してみます。今回のISにしろイスラムの過激派の行動にしろ、解決させようと努力しているイスラム圏の動きが見られません。多くはキリスト圏の国家が頭から押さえつける形でその更なる拡大を制御しようとしています。が、これでは根本的に収拾できないと考えるべきでしょう。なぜなら他宗教の人間が「武器には武器を」の発想で戦いを挑んでいるからであります。

本来であればイスラム教徒が過激派の行動を恥だと考え、それを批判し、論破すべきであります。いや、それは行われているがゆえに結局、派閥が出来てしまったともいえます。だとすれば今のイスラム過激派の行動は本来であればイスラム教徒内での宗教戦争であり、かつてフランスがキリスト教徒同士の宗教戦争に巻き込まれ長い年月、革命と戦い続けたのと同様のことを繰り返すというのでしょうか?更に不都合なことにイスラム過激派は今回のパリの事件のように非イスラム教徒に対して無差別攻撃することを当然のこととしています。まさにカルトの世界だと言って良いでしょう。

観光立国フランスが抱え込んだこの問題はとてつもない損失となる気がします。フランスのサービス業対象のPMI(購買担当者指数)は10月の52.7から11月に51.3に下げています。最近、私の周りで話しているだけでも誰もパリには行きたくないと言います。フランス料理は東京でも美味しいところがいくらでもあるし、凱旋門はいつ行ってもあるから今じゃなくてよい、と思われてしまえば経済はシュリンクします。

事件は起きていませんが、ベルギーはイスラム系過激派組織が以前から多く、拠点があるとされてきました。今回も同様です。同国の二重社会性、つまりフランス語圏とオランダ語圏という目に見えない裂け目はそういう組織が入り込みやすくさせるのでしょうか。それを考えればスイスもここ、カナダも危ないことになります。事実、アメリカでのテロ犯罪者がカナダから入国するという話は何度となく起きています。

これが世界のあちらこちらでこうも頻繁に起きるようになれば人は動きにくくなります。企業はその投資を控えるでしょう。よりブロック化された経済を作りかねません。意図しなくてもそうなりかねない、そんな傾向が出ないとも限りません。特にアジアはTPP発効も控え、域内経済圏を意識するでしょう。その時、域外との差が広がらないとはいえないでしょう。

実に頭が痛い話だと思います。日本人の旅行意識は「近くて安い」から「近くて安全な」国内旅行にとって代わられるのでしょうか?

では、今日はこのあたりで。

岡本裕明 ブログ 外から見る日本、見られる日本人(http://blog.livedoor.jp/fromvancouver/) 11月24日付より


ロシアの対シリア軍事介入はどこまで進むか - 加茂具樹 リエンジニアリングCHINA
ニューズウィーク日本版 11月27日(金)17時17分配信

 今年9月30日、ロシアはシリア領内における空爆を開始し、10月7日には巡航ミサイル攻撃もカスピ海上から実施した。ロシアの中東への軍事介入としては、冷戦終結後初となるものである。さらに10月13日、パリでIS(「イスラム国」)シンパによる同時多発テロが発生すると、ロシア政府はエジプトのシナイ半島上空で発生したロシア機墜落事件もISの犯行であったことを突然認め、対IS作戦でフランスなど西側諸国と協力する姿勢を打ち出した。

 ロシアの思惑としては、「対IS」で西側との団結をアピールすることでロシアの擁護するアサド政権への退陣要求を緩和し、シリア内戦を有利な形で終結へ導くとともに、ウクライナ紛争で悪化した西側との関係を修復するのが狙いであると思われる。

 現在、ロシアはシリア北西部のラタキアに最新型のSu-34戦闘爆撃機やSu-30SM多用途戦闘機など32機を展開するとともに、11月17日以降は25機もの大型爆撃機をシリア空爆専任部隊に指定して自国内からの空爆も行っている。これはロシア本土から発進した爆撃機がカスピ海、イラン領、イラク領を経てシリアまで長距離飛行を行い、爆弾や巡航ミサイルによる空爆を行うというもので、シリア本土に展開した航空機のみによる空爆と比べて格段の強化と言える。

 カスピ海からは11月19日に二度目の巡航ミサイル攻撃を実施しており、爆撃機による巡航ミサイル攻撃と合わせて100発以上の巡航ミサイルをISの「首都」とされるラッカなどに撃ち込んだ。米国やフランスと比べても格段に大規模な攻撃であり、今後、英国が攻撃に加わるとしてもロシアがシリア内戦における最大の軍事的プレイヤーであることは変わらないだろう。

 だが、プーチン大統領は20日、攻撃の成果を報告したショイグ国防相に対して、空爆の成果を高く評価しつつも、まだ「不十分」であるとの認識を示した。

NATO加盟国のトルコと全面戦争はできない

 さらに24日にはトルコ国境付近でロシア軍の戦闘爆撃機がトルコ空軍機によって撃墜され、パイロット1名と救出に向かった海軍歩兵部隊の隊員1名が死亡するという事件が発生し、シリアを巡ってロシアとトルコの軍事的緊張関係が高まった。ロシアは最新鋭のS-400防空システムをラタキアの空軍基地に展開させた他、長距離防空システムを搭載した巡洋艦モスクワをラタキア沿岸に派遣、さらに戦闘機部隊を増派するなど、防空能力の強化でトルコへの牽制を強めに掛かっている。

Sy-map. Licensed under Public domain via Wikimedia commons.

 だが、ロシアの軍事介入はこれに留まらず、質と規模の両面でさらに拡大する可能性もある。ロシアとしては自国の軍用機を撃墜された以上、対内的にも対外的にも何らかの軍事的報復措置をとらなければメンツが保てない立場にある。また、今回の撃墜事件前に成立しかかっていた、ロシアにとって有利な対IS「大連合」へと可能な限り軌道を回復したいことも容易に想像がつく。そこで問題になるのが、ロシアの軍事介入がどこまでエスカレートし、トルコとの関係やシリア内戦の今後にどのような影響を与えるのか、である。

 とはいえ、ロシアとしては、NATO加盟国であるトルコとの全面戦争は絶対に避けなければならない。したがって、ロシアの対応は、NATO全体を敵に回さず、なおかつトルコ軍との直接衝突にも至らない規模のものということになろう。

 さしあたり、ロシアは農産物の輸入停止や原発建設の停止といった経済的報復措置に加え、軍事面では、前述した防空態勢の強化を図っている。

 防空態勢の強化といえばやや受け身にとられるかもしれないが、ロシアがラタキアに配備したS-400防空システムの射程は250kmに及び(400kmとする報道も見られるが、これは開発中の新型ミサイルを使用した場合の数字であり、現行型の最大射程は250kmとなる)、シリア北部上空を広くカバーする。これに巡洋艦の防空システムや新たに増派される戦闘機部隊も加えると、トルコはシリアへの介入を大幅に制限されることになろう。

トルコを阻むロシア軍の「バブル」

 以前、NATOのブリードラブ欧州連合軍最高司令官は、シリアに展開するロシア軍はNATOの介入を寄せ付けない「バブル」を形成していると述べたことがあるが、その「バブル」がさらに膨らむことになる。

 トルコはシリア北部をISの侵入できない「安全地帯」とする構想を今年7月に立ち上げ、その域内でトルコ系のトルクメン人武装勢力への支援を行うとともにクルド人勢力を攻撃していたが、ロシアの強力な「バブル」が展開されている状況では、こうした活動が困難となろう。

 さらにロシアは撃墜事件の発生する前からラタキア北部でトルクメン人武装勢力に対する空爆を実施していたほか、撃墜事件後にはトルコからシリア北部に入ってきた援助隊に対する空爆も実施した。

 また、ロシアは現在の主力基地であるラタキア県のアル・フメイミム基地に加え、レバノン国境に近い地中海沿いのホムス県アル・クサイル市でも航空基地を拡張しつつあると伝えられ、事実であれば二拠点からの航空作戦を展開するようになるかもしれない。

 今後、ロシアの介入を考える上でもうひとつ気になるのは、ロシアが地上戦にまで介入するかどうかである。対IS作戦でどれだけ空爆を強化しても、最終的に地上戦を伴わなければISの壊滅が不可能であろうことは既に多くの識者が指摘している。

 だが、米国には大規模な地上部隊を派遣する意図は乏しい。かといってロシアの支援するアサド政権軍も長年の内戦で疲弊しており、ロシアの空爆やイランの民兵・特殊部隊の支援を得てもISの壊滅作戦を行うには戦力不足である。こうしたなかでロシアが地上戦により深く関与し、キャスティングボードを握れば、シリア和平をロシアにとって有利な形へと導く上で大きな効果があると考えられる。

シリアの地上戦にはどこまで出て行くか

 とはいえ、今回の介入の当初からロシアは地上部隊を派遣しないと繰り返し、シリアに入っている海軍歩兵部隊などは基地の警備と軍事顧問団としての任務を持つものであるとしてきた。

 おそらく、この説明自体は事実なのだろうが(基地警備の必要性はもちろん、壊滅したシリア軍の再建にはかなりの数の軍事顧問団が必要とされる筈である)、幾つかの気になる兆候もある。

 たとえばSNS上では、ロシア陸軍のT-90A戦車がアレッポ付近で目撃されたという情報が画像付きで相次いで投稿されるようになった。シリア周辺でT-90Aを保有するのはロシアだけである。アレッポは政府軍が攻勢を強めている地域であり、T-90Aをロシア兵でなくシリア兵が操縦しているという可能性もあるが、ひとつの興味深い動きではある。

 また、18日にプーチン大統領が国防相の会議に参加した際、背景のスクリーンに映し出されたシリアの作戦地図に「第120親衛砲兵旅団」との文字が入っていたことも話題になった。調べてみると、同旅団は中央軍管区の第41軍に所属する砲兵部隊であるという。

 このようにしてみると、ロシアは最前線に歩兵を送り込むことまではしないにせよ、「警備部隊」や「軍事顧問団」の一部を後方からの火力支援に投入している可能性は否定できない。もし、このような形でロシアが地上戦に参加しているのだとすれば、その規模が増強されることはあるのか、さらに踏み込んだ地上戦への介入は本当に行われないのか、などが今後の焦点となろう。

 トルコとの関係悪化によって霞んでしまっている感があるものの、本来の焦点であるロシアの対シリア介入からも目を離さずにおきたい。


年末危ない海外旅行 どこも「イスラム国」の標的に チュニジアでも爆破テロ
夕刊フジ 11月27日(金)16時56分配信

 非道なテロリストたちが世界を脅かしている。エジプトとチュニジアで24日、相次いでテロが発生。両国で多数の死傷者が出ている。エジプトのテロでは過激派組織「イスラム国」(IS)傘下の「シナイ州」が犯行声明を出し、チュニジアの惨劇でもISの関与が疑われている。パリで起きた同時多発テロ以降、専門家は「欧米各国はもちろん、欧米人が集まる場所も危険だ」と警鐘を鳴らす。これから始まる年末年始の海外旅行シーズン。渡航先だけはしっかり選んだ方がいい。

 エジプト北東部シナイ半島のアリーシュで24日、武装勢力がホテルを襲撃。現地筋によると、自爆テロなどで国会議員選挙の監視のために滞在していた判事2人、警官4人ら計7人が死亡した。

 地中海最古の都市の1つで日本人観光客に人気があるチュニス中心部でも同日、大統領警護隊を乗せたバスが爆発し、内務省によると12人が死亡、17人が負傷した。同省はテロ攻撃と断定、カイドセブシ大統領はテレビ演説で、非常事態を宣言し、夜間外出禁止令を発令した。

 詳細は不明だが、ロイター通信は、情報筋の話として、自爆攻撃の可能性を伝えた。犯行の手口からISの可能性も指摘されている。

 パリで起きた同時多発テロ以降、ISは「ワシントンの中心を攻撃すると誓う」と宣言し、米国主導の有志国連合に参加する各国に対して「お前たちも、フランスと同じ1日を迎えることになるだろう」と脅迫。ニューヨークのテロを暗示する内容の映像もインターネット上に公開し、世界を脅かし続けている。

 『イスラムのテロリスト』(講談社プラスアルファ新書)の著者で軍事アナリストの黒井文太郎氏は、「ISを含むイスラム過激派によるテロは流行期に入っている。彼らが『ジハード(聖戦)』と呼ぶ自爆テロへの志願者は増えている。『十字軍』と呼んで彼らが敵視する欧米各国はどこも危ない」と指摘する。

 国に限らず、欧米、オーストラリア人が集まる場所も警戒が必要という。具体的には、多国籍の人々が大勢集まる大都市のビジネス街や観光リゾート地だ。

 今年3月には、チュニスにある博物館が襲われ、日本人3人を含む20人以上が犠牲になった。同国では、6月にもホテルやビーチで乱射事件があり、38人が死亡。いずれもISによる犯行声明が出されている。

 10月には、エジプトのシナイ半島でロシアの旅客機が墜落。IS傘下の「シナイ州」が犯行声明を出し、今月17日、プーチン大統領がISによる「テロ攻撃」と認定した。

 カッパドキアなどの世界遺産で知られるトルコでも、10月に首都アンカラで102人が犠牲になる自爆テロが発生。同国の検察当局は実行グループがISから直接指令を受け、資金提供を受けていたと発表した。

 「イスラム過激派やそのシンパが活動する東南アジアでも警戒は怠れない。バリ島で有名なインドネシアや、マレーシアでは『ジェマ・イスラミア』が活動を続け、フィリピンは『モロ・イスラム解放戦線』の勢力範囲だ。これらの国々で欧米人が集まるリゾート地は特に危ない」(黒井氏)

 不幸にもテロの現場に居合わせた場合、「日本人だからといって、見逃されることはない。彼らにとっては異教徒であり、攻撃のターゲットになりえる」と黒井氏。

 フランスのオランド大統領をして「戦争状態」と言わしめたテロは、どこで起きても不思議ではないということだ。


抗議、暴行、受け入れ拒否――欧州で続く難民の苦境
CNN.co.jp 11月27日(金)16時38分配信

(CNN) ギリシャとマケドニアの間にある島で、難民1300人あまりが受け入れを拒まれ、「助けてくれないのなら撃て」と訴えている。

トルコとシリアの国境沿いでは、シリアから逃れてきた男性が国境警備員に暴行され、強制的に帰国させられたと証言した。

スウェーデンの副首相は涙ながらに、これ以上の難民は受け入れられなくなったと発表した。

テロに対する厳戒が続き、難民の流入にあえぐ欧州の各地でそんな光景が展開されている。パリで起きた同時テロ事件は、欧州の難民危機に暗い影を落とした。それでも第2次世界大戦以降で最大規模となった欧州大陸への難民の流入は止まらない。

ギリシャとマケドニアの国境の島では、約10人の男性が上下の唇を黒い糸で縫い付け、入国を阻止されたことに対して無言の抗議を続ける。

男性たちはイランの出身だといい、上半身裸になって額や胸に抗議の文字を入れ、警官隊の前で座り込んでいる。国連高等難民弁務官事務所の広報が25日に語ったところでは、この事実上のハンストは数日前から始まったという。

マケドニアなどバルカン半島の数カ国は先週、難民の受け入れをシリア、イラク、アフガニスタンの3カ国の出身者のみに限定し、ほかの国から来た人は「経済難民」とみなして受け入れを拒んだ。島にはイランのほかパキスタンやモロッコ、リビアなどから来た1300人あまりが取り残された。

26日には数百人が国境に詰めかけて、有刺鉄線の柵を壊したり、警官隊に投石したりする騒ぎも起きた。

スウェーデンのロムソン副首相は24日、涙で声を詰まらせながら、同国の「門戸開放」政策は終わったと告げた。

スウェーデンはこれまで、欧米諸国の中では人口比で最も多くの難民を受け入れてきた。しかし政府によると、過去2カ月だけで8万人が難民認定を申請。人口1000万人の同国に押し寄せる難民は、推定で最高19万人に達する見通しとなった。

このため同国は「厳しい判断」を迫られ、ロベーン首相は「つらいことだが、もはや現在のような規模では亡命希望者を受け入れられなくなった」と表明した。

トルコでは国際人権団体のヒューマン・ライツ・ウォッチが今週、シリアからの難民に対する国境が実質的に閉ざされたと伝えた。トルコの国境警備隊がシリアから来た人に乱暴したり押し戻したり、拘束して強制退去させたりしているという。

同団体が話を聞いたシリア人は51人全員が、密航業者を通さない限りトルコには入国できないと証言。4人はトルコ国境警備隊に殴られたり蹴られたりしたと訴えた。

しかし国連によれば、トルコは既に、世界の全シリア難民の半数を超す220万人もの難民を受け入れている。


英タイムズ、「イスラム教徒5人に1人がISに共感」の見出しを訂正
AFP=時事 11月27日(金)16時37分配信

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英モーデンにあるモスクで、パリ同時テロの犠牲者に祈りを捧げる人々(2015年11月20日撮影)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】英紙タイムズ(The Times)は26日、今週の紙面で英国のイスラム教徒の5人に1人がイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に共感しているとした見出しについて、誤解を招くものだったとして訂正を発表した。

イスラム教徒に対するヘイト犯罪300%増加、英国

 仏パリ(Paris)の同時テロを受け、英国でもイスラム系住民に対する目が厳しくなっている。イスラム教徒を標的としたヘイトクライム(憎悪犯罪)が増加したとの指摘もある。

 こうした中、タイムズは「英国のイスラム教徒、5人に1人がISIS(ISの別称)に共感」との見出しについて、該当の記事が根拠とした調査結果を正確に反映していなかったと認めた。

 この調査は、タイムズと同じく「メディア王」ルパート・マードック(Rupert Murdoch)氏の傘下にある英大衆紙サン(The Sun)の依頼を受け、英市場調査会社サーベイション(Survation)が英国内のイスラム系住民1003人を対象に電話で行ったもの。調査対象の20%が、「シリアで戦闘に参加しようと英国を離れるイスラム教徒の若者たち」に「ある程度」または「非常に」共感すると答えた。

 だが、この調査では、若者たちがシリアのどの戦闘集団に参加するかは特定していなかった。また、この調査結果はイスラム教徒以外の英国人の回答とほぼ同じだった。

 この調査結果については、サンも23日の一面で「英イスラム教徒、5人に1人がイスラム過激派に共感」との見出しで報じたが、ソーシャルメディア上で非難を呼び、謝罪を要求するオンライン請願運動には3万人以上が署名。規制当局にも3600件の苦情が殺到した。ただ、サンは報道を擁護する立場を崩しておらず、同紙コラムニストのロッド・リドル(Rod Liddle)氏は26日、「人々が怒るのは、われわれが真実を伝えているからだ。おかしな話だ」と紙面で述べている。【翻訳編集】 AFPBB News


目が離せない「プーチン曲芸外交」の「奸知」と「綻び」
新潮社 フォーサイト 11月27日(金)16時20分配信

「Stab in the back(背中を刺されたようなものだ)」。トルコ軍によるロシア軍機撃墜を受けて、ロシアのプーチン大統領はそう言い放った。東映ヤクザ映画の代表作『仁義なき戦い』のような台詞である。さすがにKGB出身の指導者とあって、言い回しが違う。

 トルコのエルドアン大統領も譲らず、ロシアとトルコの間には一触即発のきな臭さが漂う。シリア内戦は「イスラム国」という鬼子を産んだばかりでなく、中東・欧州の複雑怪奇な対立構造を浮き彫りにした。しばし、ロシアのプーチン大統領にスポットライトを当てることにしよう。

 日本では悪役の代名詞になっているが、「友好国」の中国では違う。『新華ニュース』をみると、「凜々しい指導者」としての相貌が浮かび上がる。88%。これはロシア紙『スプートニク・ニュース』が伝えたロシア国民の、大統領支持率である。調査時点は11月21日だから、撃墜を機にさらにハネ上がったことだろう。

 新華ニュースによれば、エジプトでのロシア機墜落がテロだと断定された後、プーチン大統領は17日にロシア国家防衛指揮センター(NDCC)を視察し、高級士官の報告を聞いた。関連指令を下した後、厳かに語った。「皆さん、ここで作戦を立てなさい。ここは作戦室だ」。

 クレムリン宮殿の公式サイトは17日、プーチン氏が襟を正し、冷たく険しい表情の写真を公開した。セルゲイ・ショイグ国防相やヴァレリー・ゲラシモフ参謀総長などもそばに着席していた。士官たちはさぞやしびれたことだろう。2014年に発足したNDCCは、その写真の公開によって大きな話題になった。

 プーチン大統領の正面にあるスーパーオーロラビジョンには、空襲任務を執行する爆撃機のロシア空軍基地からシリアへ向かう過程や、地中海東部から送られたロシア海軍スラヴァ級ミサイル巡洋艦モスクワの現場報告が放映されている。嗚呼、ロシアはもう戦争モードなのだ。

■トルコのフラストレーション

 自国民200人以上が乗った旅客機を、「イスラム国」によって撃墜された。その国の指導者がテロリスト征伐を誓うのは、当然の姿と受け止められるだろう。まず、「話し合い」を求めるどこかの国の「識者」でなければ。などと言いかけて、訝しさがこみ上げてくる。

 エジプト・シャルムエルシェイク発、サンクトペテルスブルク行のロシア機墜落の直後、「イスラム国」は犯行声明を出した。にもかかわらず、ロシアのソコロフ運輸相は事故であると、テロの可能性を打ち消すのに躍起となっていたからだ。それはそうだろう。ロシアはカスピ海から発射した巡航ミサイルと爆撃機で、「イスラム国」征伐に乗り出していた。その直後の惨劇だったからだ。

 カスピ海発のミサイルはイランとイラクの上空を飛び、シリアに降り注いだ。爆撃機はトルコの領空を侵犯したとされる。ロシアの「友好国」であるイランは、イスラム教シーア派の牙城でもあるので、スンニー派の「イスラム国」征伐には喜んで応じて当然である。

 問題はトルコで、「イスラム国」攻撃に名を借りたトルコ系住民への攻撃には、憤懣やるかたなかったはずである。そのフラストレーションが、10回以上の警告にもかかわらず領空侵犯をやめなかったロシア軍機に対する、今回の撃墜につながったとみることができよう。

■より都合が悪かった「ドーピング問題」

 ともあれ、ロシアは自らの傀儡であるアサド政権を支えるために「イスラム国」攻撃に乗り出した時点で、「イスラム国」からの反撃を受ける立場に立たされた。その第1弾がシナイ半島上空での旅客機爆破テロだったのである。ならば、テロの直後に事故を言い張った気持ちも合点がいく。

 ロシアも大統領と議会を選挙で選ぶ「民主国家」である。「死活的な利害を有さないシリアなどに余計なちょっかいを出して、市民が甚大な被害を受けることになって」。そんな国民の批判を気にしたに違いない。天網恢々、疎にして漏らさず。ロシアの虚偽を暴いたのは、英国である。

 ハモンド外相が「爆弾」の可能性が高い、と発表したのである。腐っても鯛、さすがにMI6を抱える国である。「イスラム国」の通信を傍受することなどで、凶行の下手人を網にかけたのである。ロシアの航空会社も利用するヒースロー空港のある英国としては、自国の空港がテロと関係づけられないよう、厄介払いしたいのが本音だったろう。

 それにしても「イスラム国」関与の情報は、米国にも共有され、オバマ米大統領もテレビ番組などでテロの認識を示した。エアバスがロシアに旅客機を提供していることから、フランスも押っ取り刀で事故ではなくテロだと主張した。ロシアと言えば、メドベージェフ首相が爆弾テロと認めたものの、プーチン大統領は曖昧な姿勢を守った。

 プーチン政権にとって、旅客機爆破事件より都合の悪いニュースが持ち上がっていたからだ。ドイツのテレビ局が暴いた、ロシアの陸上競技界を挙げたドーピング問題が、蜂の巣をつついたような騒ぎになり出した。最大の金メダルを誇るアジアのスポーツ大国はどうか、といった疑問はさて置き、スポーツを国威発揚の手段としていたプーチン政権にとっては、「Stab in the back」の事態だった。

■「21世紀の露仏同盟」

 前門の旅客機テロ、後門のドーピング摘発。ウクライナの政変以降、米欧による対露経済制裁が強化される過程で、国民の愛国心を鼓舞してきた。そんなプーチン大統領としても、進退が窮まりかねないところだった。その刹那、11月13日の金曜日。パリで同時多発テロが起きた。プーチン氏がこの機を見逃さなかったのは、いうまでもない。

 突然、「我々もテロの被害者だ」と言い放ち、フランスとの連携を打ち出したのである。弱腰の大統領といった汚名を返上すべく、「イスラム国」への報復を唱えたオランド仏大統領にとっても、プーチン氏の申し出は渡りに船。「イスラム国」征伐を大義名分に、露仏が手を握ったのである。

 先月、19世紀末から20世紀初めにかけての「グレート・ゲーム」に触れたが(2015年10月28日「21世紀の『グレート・ゲーム』:『米中』をにらむ『日韓英』それぞれの思惑」参照)、これは19世紀末の露仏同盟の21世紀版ではないのか。「21世紀の露仏同盟」というのは、単なるレトリックではない。プーチン大統領はフランスを「シリアにおける我が同盟軍」と呼んでいるのだ。

 さすがのオランド大統領もバツが悪かったろうが、贅沢なことを言っていられる余裕はない。ロシアとしては、アサド政権を温存しつつ、シリアに、ひいては中東に楔を打ち込む好機を得たのである。「イスラム国」問題を前にしては、ウクライナ問題など霞んでしまう。そんな読みもあったろう。

 クリミア併合を機に高まった「米欧vsロシア」。その対立構図をパリ同時多発テロを機に、「欧露vs『イスラム国』」と組み替え、あわよくば「米欧露vs『イスラム国』」の図式をつくる。シリア内では「アサド政権vs反乱軍vs『イスラム国』」の構図を崩し、アサド政権を温存した「反『イスラム国』神聖同盟」をこしらえる。これがプーチン氏のもくろみだった。

■ロシアにとっての「2つの障害」

 ロシア軍機によるトルコの領空侵犯など、この戦略の前では米粒ほどの意味も持たなかったはずである。だが匹夫の勇よろしく、トルコ軍が主権侵害を排除したことで、ロシアの戦略は冷水を浴びせられた。露仏同盟のころの世界に戻るなら、露土戦争(数次にわたり、そのひとつがクリミア戦争)の亡霊が徘徊し、火事場泥棒のように振る舞っていたロシアに復讐したのである。

 見逃せないのは、トルコがれっきとした北大西洋条約機構(NATO)加盟国である点だ。そして今回のロシア軍機の撃墜は、NATOが発足して以降、初めてNATO加盟国とロシア(旧ソ連も含む)が戦火を交えたケースである。ロシア軍機の領空侵犯の動かぬ物的証拠を持っているためだろう。普段は優柔不断のオバマ大統領も、今回は珍しく早々にトルコ支持を打ち出した。

 そしてトルコには米軍基地がある。ロシアとしては、NATOと米軍基地という2つの障害を越えてまで、直接行動に出ることには慎重にならざるを得まい。この点は、1999年に旧ユーゴスラビア内戦で、NATOの一員である米軍が中国大使館にミサイルを撃ち込んだケースと比べても、今回のトルコの側に分があるはずだ。

事実上の「無政府地域」

 それはともあれ、プーチン大統領は国営放送で味のある言葉をいくつか発している。ひとつは「背中を一刺し」だが、「今回の事件で誰が得をしたのかは分からないが、被害を受けたのはロシアだ」とも語り、「『イスラム国』はトルコに油を売ってカネを稼いでいる」とも非難している。これまた悪役扱いされがちな大統領は、いい線を行っている。

「誰が得をしたかは分からない」は強烈な当てこすりである。せっかく「反『イスラム国』神聖同盟」を作ろうとしていたのに、ぶち壊しじゃないか。テロの被害者であるフランスだって、当惑しているんじゃないか。ヨーロッパがシリア難民に手を焼き、新たなテロに見舞われても自業自得ではないか。大統領はそんな風に凄んでいるようにさえみえる。

「『イスラム国』はトルコに油を売っている」というのは、折しも11月にトルコ・アンタルヤで開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)の重要テーマを念頭に置いた発言だ。すなわち、アンタルヤ・サミットでは、テロリストの資金遮断が喫緊の課題となった。にもかかわらず、「イスラム国」の石油密輸ルートになっているのはお前だぞ。そんな響きが込められている。

 もちろん「イスラム国」に対しては、最大の産油国であるサウジアラビアが、みかじめ料を払っているのは公然の秘密。肝心の米国からも麻薬取引などの儲けが、イスラム金融の「地下銀行」を通じて流れていることは、米当局も認めている。何よりもシリアとイラクに跨る広大な地域が、事実上政府の存在しない無法地帯になっていることが、「イスラム国」の跳梁跋扈を許しているのだ。

■日本は「他山の石」とせよ

 いったん成立するかにみえた、反「イスラム国」討伐軍が成立しないことに高笑いしているのは、ほかならぬ「イスラム国」であろう。欧州を舞台に第2、第3のテロが起きるかどうかは予断を許さないが、西欧の一般市民がテロに怯えながらクリスマスを迎えることだけは間違いない。フランスの非常事態は年を越すし、ブリュッセルはいまだに最高度の非常事態下に置かれている。

 ベルギーの首都と紹介されるブリュッセルは、欧州連合(EU)とNATOの本部の所在地でもある。欧州のヒト、モノ、カネの自由な移動を進めてきたEUにも、強烈な逆流が押し寄せている。フランスの大統領選では極右のルペン候補は相当な支持を集めようし、英国ではEU離脱の国民投票に向けて反EUの空気が高まろう。

 欧州を牛耳る勢いだったドイツのメルケル政権でさえ、難民の渦に飲み込まれようとしている。大西洋を越えた米国では、シリアへの地上軍投入などもってのほか、シリア難民もお断りといった「政治的に正しくない」事柄が、声高に語られ出した。幸い、日本は問題の圏外にある。だが、グローバル化した世界は、いつどのような綻びを見せるか、予断を許さない。

 他山の石ともいう。テロリストたちの行動監視や情報収集、テロ発生時の緊急事態への対処など、超党派で取り組むべき課題は山積している。事が起きてからアタフタする前に、万一に備えた仕組みを整えておくことは、それこそ立憲主義の要請だろう。まさか、憲法の前文と9条があれば、日本は無風というわけにもいくまいから。

ジャーナリスト・青柳尚志

Foresight(フォーサイト)|国際情報サイト
http://www.fsight.jp/


中国の「テロとの戦い」は国際社会の支持を得るか
ニューズウィーク日本版 11月27日(金)15時55分配信

「テロとの戦い」は複雑怪奇な連鎖反応を示している。

 10月31日のロシア機墜落、11月12日のレバノン・ベイルートでの連続自爆テロ、そして翌13日のパリ同時多発テロなど、相次ぐ事件は世界に大きな衝撃を与えた。欧州では難民受け入れの是非を問う声が高まったほか、フランス軍によるイスラム国への空爆、トルコによるロシア軍機撃墜、さらにはシリアの反政府武装勢力によるロシア軍ヘリコプターへの攻撃と連鎖反応を引き起こし、情勢はさらに混迷の度合いを増している。

 シリア、イスラム国、そして欧米の情勢に注目が集まるなか、中国も「テロとの戦い」に名乗りを挙げているのはご存知だろうか。中国の王毅外相は15日、G20首脳会合のために訪問したトルコで、新疆ウイグル自治区の過激派との戦いも世界的な「テロとの戦い」の一部であると発言し、国際社会に共同戦線の必要性を訴えた。世界を揺るがす「テロ」を奇貨として、中国は新たなプロパガンダを展開している。

自国民に火炎放射器、ウイグル人28人を"殲滅"

 人民解放軍の機関紙「解放軍報」は11月23日、「"反テロの先鋒"人民の平和を守る」と題した記事を掲載した。新疆ウイグル自治区の対テロ特殊部隊の戦いを生々しく描いたものだ。その一部を引用しよう。

 ちょうどこの時、トランシーバーに偵察情報が入った。テロリストの形跡を発見した、と!
 タカが獲物を発見したかのように、特殊部隊隊員たちは血をたぎらせた。暴徒らは断崖絶壁の洞穴に隠れている。攻めづらく守りやすい地形だ。幾度かの説得は無駄に終わった。催涙弾やスタングレネードが次々と打ち込まれたが動きはない。夕方となり空は次第に暗くなりつつある。
「火焔放射器を使え!」劉琳隊長の命令が下るや、一条の怒りの炎が洞窟に吸い込まれていった。隠れ家を失った10人あまりのテロリストどもが刀を手にし、凶悪な様相で特殊部隊に襲いかかってくる。「バン、バン、バン!」王聖小隊長は速やかに発砲し、あっという間に3人を撃ち倒した。その後、他の隊員と協力しテロリストを全滅させたのだった。

 この戦いの場所、時間について詳細は記載されていないが、おそらく11月上旬の新疆ウイグル自治区での山狩りに関するものだろう。9月にウイグル人が同区アクス地区の炭鉱を襲撃し、16人が死亡する事件が起きたが、その後、当局は大規模な山狩りを展開。自首した1人をのぞく、メンバー28人を殲滅したと11月20日に発表した。残党をすべて射殺したという最後の戦いを描いた記事である可能性が高い。

 殺人を犯した襲撃犯とはいえ、自国民に火炎放射器をぶっ放すという恐ろしい話をなぜ官制メディアが報じたのだろうか。

 それだけではない。自由アジア放送(RFA)などの米メディアによると、パリ同時多発テロ事件が起きた後から中国のSNSでは、ムスリムに対するヘイトスピーチなどが散見されるようになったという。厳格な言論統制をしく中国では、ヘイトスピーチも削除の対象だ。実際、一定期間後、こうした書き込みはネットから消えたという。

中国語強制、ラマダン禁止、ビール一気飲み等の弾圧がテロの土壌に

 世界的にテロへの注目が高まる中で、ウイグル人に対する弾圧、支配強化に対する大義名分を手に入れたい。それが中国の動機だろう。

 実際、新疆ウイグル自治区では新たな規制が導入されたとニューヨーク・タイムズが報じている。中国にはグレート・ファイヤー・ウォール(GFW)と呼ばれる厳しいネット検閲が存在するが、ヴァーチャル・プライベート・ネットワーク(VPN)などの壁越えツールを使うことで検閲を回避することが可能だ。ところが11月中旬以降、新疆ウイグル自治区では、スマートフォンでVPNを使用すると携帯電話会社から回線を停止される事例が相次いでいるという。

 回線を復活させるためには、派出所で壁越えツールは二度と使用しないと誓約する必要がある。中国のSNSでは「インスタグラムが見たかっただけなのに諦めた」などの書き込みもあった。他地域ではこうした規制は導入されていないだけに、新疆ウイグル自治区を狙い撃ちした規制強化は現地の人々の不満を高めるものとなるだろう。

 今回のVPN規制に限らず、中国政府はさまざまな弾圧を繰り返してきた。中国語での教育普及を強化し、母語の教育機会が奪われた。公務員や国有企業などのエリートコースを歩みたければ中国語は必須となる。さらに大学生や公務員に対してはラマダン(断食月)の禁止が強要された。昼間に人前で食事するよう強制されるという「踏み絵」もあったという。さらにヒゲやヒジャブの禁止といったファッションの規制や、厳格なイスラム教徒ではないことを示すためにビール一気飲みイベントを開催するといった冗談にしか思えないような話まで伝えられている。

 約200人が死亡したと中国政府が発表した2009年のウルムチ騒乱、市民31人が死亡した雲南省昆明市の通り魔事件、今年9月の鉱山襲撃事件......厳しい弾圧が不満を高め、新疆で襲撃事件が相次ぐ背景となっている。さらに宗教的・文化的自由を求めて国外に脱出するウイグル人も少なくない。歴史学者の水谷尚子氏によると、トルコには3万人もの亡命ウイグル人が居住していると推定されているが、その一部はシリアの反政府武装勢力やイスラム国に参加しているという(『文藝春秋』2015年8月号)。

 パリ同時多発テロ事件がそうであったように、中国でも軍事訓練を受けたシリアからの帰国者によるテロが起きたとしても不思議ではない。どのようにして未然に防ぐか、テロが起きる土壌そのものをいかになくしていくかが課題となる。

 中国は「テロとの戦い」では国際的な協調を打ち出しているが、一方で国際社会が掲げる人権などの普遍的理念についてはきわめて冷淡な対応を見せている。国際社会と足並みをそろえるならば、「戦い」ではなく「理念」ではないだろうか。

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[執筆者]
高口康太
ジャーナリスト、翻訳家。1976年生まれ。千葉大学人文社会科学研究科(博士課程)単位取得退学。独自の切り口から中国・新興国を論じるニュースサイト「KINBRICKS NOW」を運営。著書に『なぜ、習近平は激怒したのか――人気漫画家が亡命した理由』(祥伝社)。

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